The Mirraz 「秋を好きになるための6の法則ツアー2018」 @北浦和KYARA 11/25
- 2018/11/25
- 23:48
2日前の水戸に続いてのミイラズのツアー4本目は近年バンドの関東におけるホームの一つになりつつある、北浦和KYARA。基本的にミイラズはリリースをしてもそこまで地方をくまなく回るというバンドではないため(独立してからは基本的に機材車での移動であり、大阪→東京の2daysが非常にキツかったというあたりも理由の一つだと思われる)、今回のツアーも6本中4本が関東。水戸からこの北浦和となり、あとは千葉LOOKと渋谷のみである。
定刻の18時になると、場内が暗転してU nderworld「Born Slippy」が流れてメンバーが登場。真彦は水戸と同じように黒の革ジャン、畠山はサングラスとキャップに物販で売られているツアーグッズのパーカーを着用と、メンバーの出で立ちは水戸の時と変わらない。
ライブ自体も流れは基本的に同じ、というか結果から言ってしまうとセトリも全て同じものだったので、ライブの流れの詳細は前回の水戸のものも参照していただきたいのだが(http://rocknrollisnotdead.jp/blog-entry-570.html?sp)、正直、水戸の時は関東とはいえ、都心から離れた地方の動員の厳しさと現在のミイラズの置かれている状況をまざまざと感じざるを得なかったのだが、この日はほとんど満員と言っていい客入り。
そもそものキャパが小さい会場ではあるのだが、その客層も、ブレイク当時から今に至るまでをずっと見に来ているような年齢の人から、当時を知らないであろう非常に若い人まで、幅の広い人たちが集まっているという印象。それは非常に嬉しいし、ありがたいことである。近年は販売されていない、ミイラ柄のTシャツやタオルを着用している人も多い。
そうした客層がプラスに働いていのか、「レディース&ジェントルマン」から客席中央では激しいモッシュが発生していき、最近ではなかなか見ることのできなかった盛り上がりを序盤から客席が放っていて、それに感化されたかのようにバンドの演奏も熱くなっていく。
とりわけそれを感じさせたのは、真彦とケイゾーのコーラスで、水戸の時よりも声量、テンションともに高い気がした。特によく目線を客席に向けるケイゾーは実に楽しそうかつ安心したような表情が目に付いた。これはそうした客層の盛り上がりっぷりを目の当たりにしたからなのかもしれない。
テンション高くギターを弾きながら歌っている畠山もどこか普段よりも楽しそうであり、それを言葉にすることはないが、ギターのカッティングであったり、声量を増したボーカルから随所に感じることができる。そして曲間が全くなくひたすらに曲を連発していくというストイックなライブの内容ではあれど、酒を飲みながらにして声にほとんどブレがないというのは畠山の喉の強さを改めて実感させられる。
今年でリリースから10年となった1stフルアルバム「OUI!OUI!OUI!」の曲を軸にしながら、あくまでも新作のリリースツアーということで「夏を好きになる6の法則 Part.2」の曲も挟んでいくのだが、客席の真ん中のモッシュピットの人たちは「OUI!OUI!OUI!」などの初期の曲にフィジカル的な反応を示すのに対し、新作曲では最前列の柵に捕まって見ている人たちが大きなリアクションを返すという対比もまた面白い。
個人的には近年の配信限定の曲も
「すごいすごくないはどうだっていい
ただ信じたいミュージック鳴らすだけ」
という「check it out〜」の歌詞通りにミイラズならではの真理に基づいて演奏されていると思うだけに、なかなか難しいかもしれないが、最新のミイラズの作品もたくさんの人に味わって欲しいと思った。実際に「STRAWBERRY DANCE」などのリズムの開拓も含め、その価値はあるような曲や作品だと思うのである。
水戸では畠山が盛大に歌詞を飛ばしただけに、バンドにも客席にもある種の緊張感が漂う中で演奏された「格闘ゲーム」もこの日は一切のトラブルもなく演奏されたことによって、ライブ自体の流れも実にスムーズに引き締まっている。
この北浦和KYARAは楽屋にゲーム機があるだけに、バンドを支えるサポートドラマーのまのが畠山とパワプロ9(懐かしの任天堂ゲームキューブバージョン)で勝負したところ、初心者の畠山に2イニングで13-0とボコボコに負けたことを話すなど、終盤になってもバンドの雰囲気は非常にリラックスしているように見える。
ダークなEDMを取り入れた、リリース当時は批判的な意見が相次いだ「マジか〜」も完全にライブのクライマックスを担ってもおかしくないくらいの熱狂を生み出す曲になっており、今「しるぶぷれっ!!」の曲を軸にしたライブをやったらリリース当時と全く違うリアクションや評価になるんじゃないか、とすら思う。
そして終盤はライブの定番曲でありキラーチューンを連発して、やはり激しいモッシュが起こるという展開になったのだが、その中にあって本編ラストに演奏された最新作収録のミイラズならではのガレージロック曲「サマバケ!」もほかの曲とそん色ないくらいにその役割を担っていたということはバンドのこれからにとって大きな意味を持つし、その姿から色々と感じたり、考えたりすることがあった。それがなんなのかはツアーファイナルの渋谷の時にまで取っておこうと思っているが。
アンコールでは畠山がパーカーを脱いでTシャツ姿で登場し、水戸の時と同様に(畠山の誕生日にこそ触れなかったけれど)、TM NETWORK「Get Wild」のバンド編成カバーを披露。水戸の時よりもカバーのクオリティははるかに上がっており、このままカバーバージョンとしてなんらかの音源化を期待したくなるようなレベルだったのだが、本人たちはなぜこの曲をカバーしようと思ったのか、全く覚えていない様子。
「フェスでもこれやれば盛り上がるんじゃん?30分ひたすらサビを繰り返しまくる感じで(笑)」
と言う畠山に対し、ケイゾーは
「次のカバーはB'zの「恋心」をやりましょう。シンセとか入ってないからやりやすいですよ」
と至って冷静。果たして言葉の通りにさらなるカバー曲が聴ける日は来るのだろうか。ミイラズなりのガレージバージョンでJ-POPをカバーするというのも面白いし、ある意味ではバンドの音楽性を表す上でも大事な手段になると思うのだが。
今年この会場で行われた節分ライブを年明けにこの会場で再び開催することを発表すると、水戸の時は歌詞が飛んだリベンジとして「格闘ゲーム」をアンコールでもう一回やっていたのだが、無事に完遂したこの日はそれをやる必要もないので、もともとの想定通りの曲数に。しかし「プラタゴニストの一日は」の序盤でギターピックを真彦が落としてしまい、それを畠山が拾って手渡すという2人の絆や関係性の強さも感じさせた。実際に真彦は畠山に振られることも多くなったからか、かつてよりもはるかにMCで喋ったりするようになっている。
「OUI!OUI!OUI!」の曲を中心として、近年では珍しいくらいの激しさのモッシュが展開されていたこの日のラストも、「OUI!OUI!OUI!」のリード曲であり、今でもミイラズの代表曲であり続ける「CANのジャケット〜」でこの日最大の激しいモッシュが発生し、さらなるダブルアンコールでは
「ここってミラーボールなかったっけ?…ないからやめようか?(笑)」
と言っていったんやめて戻ろうとしながら、「ミラーボールが回り出したら」を演奏し、結果的にみんなが聴きたいであろう代表曲をしっかり演奏して、メンバーはステージを去っていった。
ミイラズは画一的というか、お約束的なライブの盛り上がりに敢えて異を唱えるというか、そうしたものを拒否するようなところもあった。しかし、たくさん人が見に来て、その人たちが楽しそうに盛り上がっていると、バンドの演奏も良くなるという相乗効果を発揮するバンドであるということが改めてわかった一夜だった。
それだけに、また大きなところでミイラズのライブが見たい。事実、この日この会場にいた人のほとんどはかつてZeppなどの大会場が即完していた時にもライブに来ていた人のはず。そうした人が本当に心からミイラズの音楽とライブを楽しんでいる。となると、あの頃にライブに来ていた人はみんな楽しめるようなライブになっているはずだ。水戸の時は現状の厳しさを感じさせたが、この日はまた大きな会場でミイラズを見れる予感を抱かせた。畠山も絶対そこを諦めていないはずだし、今ならあの頃以上に、僕らは上を目指せるのだから。
1.レディース&ジェントルマン
2.WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!
3.僕はスーパーマン
4.TEN BILLION DREAM
5.check it out! check it out! check it out! check it out! check it out!
6.ふぁっきゅー
7.バタフライエフェクトを語るくらいの善悪と頑なに選択を探すマエストロのとある一日
8.つーか、っつーか
9.STRAWBERRY DANCE
10.アナーキーサヴァイヴァー
11.ラストダンスとファンデーション
12.シスター
13.海賊になりたくて
14.アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
15.格闘ゲーム
16.マジか。そう来たか、やっぱそう来ますよね。はいはい、ですよね、知ってます。
17.ラストナンバー
18.スーパーフレア
19.僕らは
20.サマバケ!
encore
21.Get Wild
22.誰も死から逃れられない!
23.プロタゴニストの一日は
24.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
encore2
25.ミラーボールが回り出したら
Next→ 11/27 the HIATUS @恵比寿ガーデンホール
定刻の18時になると、場内が暗転してU nderworld「Born Slippy」が流れてメンバーが登場。真彦は水戸と同じように黒の革ジャン、畠山はサングラスとキャップに物販で売られているツアーグッズのパーカーを着用と、メンバーの出で立ちは水戸の時と変わらない。
ライブ自体も流れは基本的に同じ、というか結果から言ってしまうとセトリも全て同じものだったので、ライブの流れの詳細は前回の水戸のものも参照していただきたいのだが(http://rocknrollisnotdead.jp/blog-entry-570.html?sp)、正直、水戸の時は関東とはいえ、都心から離れた地方の動員の厳しさと現在のミイラズの置かれている状況をまざまざと感じざるを得なかったのだが、この日はほとんど満員と言っていい客入り。
そもそものキャパが小さい会場ではあるのだが、その客層も、ブレイク当時から今に至るまでをずっと見に来ているような年齢の人から、当時を知らないであろう非常に若い人まで、幅の広い人たちが集まっているという印象。それは非常に嬉しいし、ありがたいことである。近年は販売されていない、ミイラ柄のTシャツやタオルを着用している人も多い。
そうした客層がプラスに働いていのか、「レディース&ジェントルマン」から客席中央では激しいモッシュが発生していき、最近ではなかなか見ることのできなかった盛り上がりを序盤から客席が放っていて、それに感化されたかのようにバンドの演奏も熱くなっていく。
とりわけそれを感じさせたのは、真彦とケイゾーのコーラスで、水戸の時よりも声量、テンションともに高い気がした。特によく目線を客席に向けるケイゾーは実に楽しそうかつ安心したような表情が目に付いた。これはそうした客層の盛り上がりっぷりを目の当たりにしたからなのかもしれない。
テンション高くギターを弾きながら歌っている畠山もどこか普段よりも楽しそうであり、それを言葉にすることはないが、ギターのカッティングであったり、声量を増したボーカルから随所に感じることができる。そして曲間が全くなくひたすらに曲を連発していくというストイックなライブの内容ではあれど、酒を飲みながらにして声にほとんどブレがないというのは畠山の喉の強さを改めて実感させられる。
今年でリリースから10年となった1stフルアルバム「OUI!OUI!OUI!」の曲を軸にしながら、あくまでも新作のリリースツアーということで「夏を好きになる6の法則 Part.2」の曲も挟んでいくのだが、客席の真ん中のモッシュピットの人たちは「OUI!OUI!OUI!」などの初期の曲にフィジカル的な反応を示すのに対し、新作曲では最前列の柵に捕まって見ている人たちが大きなリアクションを返すという対比もまた面白い。
個人的には近年の配信限定の曲も
「すごいすごくないはどうだっていい
ただ信じたいミュージック鳴らすだけ」
という「check it out〜」の歌詞通りにミイラズならではの真理に基づいて演奏されていると思うだけに、なかなか難しいかもしれないが、最新のミイラズの作品もたくさんの人に味わって欲しいと思った。実際に「STRAWBERRY DANCE」などのリズムの開拓も含め、その価値はあるような曲や作品だと思うのである。
水戸では畠山が盛大に歌詞を飛ばしただけに、バンドにも客席にもある種の緊張感が漂う中で演奏された「格闘ゲーム」もこの日は一切のトラブルもなく演奏されたことによって、ライブ自体の流れも実にスムーズに引き締まっている。
この北浦和KYARAは楽屋にゲーム機があるだけに、バンドを支えるサポートドラマーのまのが畠山とパワプロ9(懐かしの任天堂ゲームキューブバージョン)で勝負したところ、初心者の畠山に2イニングで13-0とボコボコに負けたことを話すなど、終盤になってもバンドの雰囲気は非常にリラックスしているように見える。
ダークなEDMを取り入れた、リリース当時は批判的な意見が相次いだ「マジか〜」も完全にライブのクライマックスを担ってもおかしくないくらいの熱狂を生み出す曲になっており、今「しるぶぷれっ!!」の曲を軸にしたライブをやったらリリース当時と全く違うリアクションや評価になるんじゃないか、とすら思う。
そして終盤はライブの定番曲でありキラーチューンを連発して、やはり激しいモッシュが起こるという展開になったのだが、その中にあって本編ラストに演奏された最新作収録のミイラズならではのガレージロック曲「サマバケ!」もほかの曲とそん色ないくらいにその役割を担っていたということはバンドのこれからにとって大きな意味を持つし、その姿から色々と感じたり、考えたりすることがあった。それがなんなのかはツアーファイナルの渋谷の時にまで取っておこうと思っているが。
アンコールでは畠山がパーカーを脱いでTシャツ姿で登場し、水戸の時と同様に(畠山の誕生日にこそ触れなかったけれど)、TM NETWORK「Get Wild」のバンド編成カバーを披露。水戸の時よりもカバーのクオリティははるかに上がっており、このままカバーバージョンとしてなんらかの音源化を期待したくなるようなレベルだったのだが、本人たちはなぜこの曲をカバーしようと思ったのか、全く覚えていない様子。
「フェスでもこれやれば盛り上がるんじゃん?30分ひたすらサビを繰り返しまくる感じで(笑)」
と言う畠山に対し、ケイゾーは
「次のカバーはB'zの「恋心」をやりましょう。シンセとか入ってないからやりやすいですよ」
と至って冷静。果たして言葉の通りにさらなるカバー曲が聴ける日は来るのだろうか。ミイラズなりのガレージバージョンでJ-POPをカバーするというのも面白いし、ある意味ではバンドの音楽性を表す上でも大事な手段になると思うのだが。
今年この会場で行われた節分ライブを年明けにこの会場で再び開催することを発表すると、水戸の時は歌詞が飛んだリベンジとして「格闘ゲーム」をアンコールでもう一回やっていたのだが、無事に完遂したこの日はそれをやる必要もないので、もともとの想定通りの曲数に。しかし「プラタゴニストの一日は」の序盤でギターピックを真彦が落としてしまい、それを畠山が拾って手渡すという2人の絆や関係性の強さも感じさせた。実際に真彦は畠山に振られることも多くなったからか、かつてよりもはるかにMCで喋ったりするようになっている。
「OUI!OUI!OUI!」の曲を中心として、近年では珍しいくらいの激しさのモッシュが展開されていたこの日のラストも、「OUI!OUI!OUI!」のリード曲であり、今でもミイラズの代表曲であり続ける「CANのジャケット〜」でこの日最大の激しいモッシュが発生し、さらなるダブルアンコールでは
「ここってミラーボールなかったっけ?…ないからやめようか?(笑)」
と言っていったんやめて戻ろうとしながら、「ミラーボールが回り出したら」を演奏し、結果的にみんなが聴きたいであろう代表曲をしっかり演奏して、メンバーはステージを去っていった。
ミイラズは画一的というか、お約束的なライブの盛り上がりに敢えて異を唱えるというか、そうしたものを拒否するようなところもあった。しかし、たくさん人が見に来て、その人たちが楽しそうに盛り上がっていると、バンドの演奏も良くなるという相乗効果を発揮するバンドであるということが改めてわかった一夜だった。
それだけに、また大きなところでミイラズのライブが見たい。事実、この日この会場にいた人のほとんどはかつてZeppなどの大会場が即完していた時にもライブに来ていた人のはず。そうした人が本当に心からミイラズの音楽とライブを楽しんでいる。となると、あの頃にライブに来ていた人はみんな楽しめるようなライブになっているはずだ。水戸の時は現状の厳しさを感じさせたが、この日はまた大きな会場でミイラズを見れる予感を抱かせた。畠山も絶対そこを諦めていないはずだし、今ならあの頃以上に、僕らは上を目指せるのだから。
1.レディース&ジェントルマン
2.WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!
3.僕はスーパーマン
4.TEN BILLION DREAM
5.check it out! check it out! check it out! check it out! check it out!
6.ふぁっきゅー
7.バタフライエフェクトを語るくらいの善悪と頑なに選択を探すマエストロのとある一日
8.つーか、っつーか
9.STRAWBERRY DANCE
10.アナーキーサヴァイヴァー
11.ラストダンスとファンデーション
12.シスター
13.海賊になりたくて
14.アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
15.格闘ゲーム
16.マジか。そう来たか、やっぱそう来ますよね。はいはい、ですよね、知ってます。
17.ラストナンバー
18.スーパーフレア
19.僕らは
20.サマバケ!
encore
21.Get Wild
22.誰も死から逃れられない!
23.プロタゴニストの一日は
24.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
encore2
25.ミラーボールが回り出したら
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