The Mirraz 「秋を好きになるための6の法則ツアー2018」 @club SONIC mito 11/23
- 2018/11/23
- 23:44
2013年にリリースし、収録曲「真夏の屯田兵」を引っさげてミュージックステーション出演を果たしたミニアルバム「夏を好きになるための6の法則」の5年ぶりの続編となる、畠山承平の地元である湘南をテーマにした新作「夏を好きになるための6の法則 Part.2」をリリースし、とめどないリリースペース継続中のThe Mirraz。そのミニアルバムのリリースツアーは夏を越えた秋からのスタートとなり、この日の水戸が3日目。この日の関東地方は快晴とはいえ、もはや秋を飛び越して冬なんじゃないかという寒さである。
会場のclub SONIC mitoは初めて訪れる会場なのだが、商店街の中の地下にあるというかなり変わった立地。縦に長い作りでステージも高く、このキャパにしてはかなり見やすい。それは観客が少なかったという要素ゆえかもしれないが。
祝日にもかかわらず19時という遅めの時間になると場内が暗転し、Underworld「Born Slippy」が流れてメンバーが登場。畠山はサングラスをかけてキャップを被り、このツアーの物販で販売されているパーカーを着て登場。真彦は珍しく黒の革ジャンというロックンロールスタイルで、サポートドラマーのまのは髪を金に染めており、以前までよりも体型がスリムに見える。ケイゾーはいつもと全く変わらない出で立ち。
畠山がギターを鳴らしながら歌い始めた「レディース&ジェントルマン」でスタートすると、かねてからバンドサイドが予告していた通り、ミイラズの1stアルバムである「OUI!OUI!OUI!」がリリースされて今年で10周年ということで、その収録曲をいきなり連発。よって「僕はスーパーマン」という当時のバンドきってのキラーチューンも早くもこの序盤で演奏されるのだが、ギターを思いっきり掻き鳴らす畠山を筆頭に、バンドの演奏が実にシャープかつ力強い。演奏し慣れている曲たちだからというのもあるだろうけれど、すでに名古屋、大阪とツアーを回ってきているだけに、バンドの状態が仕上がってきているのがわかる。
この流れゆえに新作のリリースツアーであるということをついつい忘れてしまいそうになるのだが、今のミイラズは様々な音楽的な挑戦や試行錯誤を経て、Arctic Monkeys直系のガレージロックに回帰しているゆえに「TEN BILLION DREAM」という新作の曲もこの流れの中に組み込まれても違和感が全くない。
「ただ僕はアークティックモンキーズの一員になりたかっただけ
それが今ではこのザマさ バカ殿様みたいな城主 なまらふざけてるんだ」
という歌詞は今でもArctic Monkeysへの憧憬が消えていないのと同時に、現状の自らの状況の不甲斐なさへの苛立ちも感じさせる。
かつてはやたらとMCで喋りまくるという時代もあったが、今のミイラズのライブは実にテンポが良く、喋ったり機材を取り替えたりという無駄な間が全くない。そうして次々と演奏されていくことによって性急なガレージロックがさらにスピード感を持って響いてくるし、ライブがダレたりすることなく引き締まっている。
リリース時は酷評されたEDMを取り入れた「つーか、っつーか」もまのによる生ドラムが加わったことによってか完全にライブのハイライトのひとつと言ってもいいくらいの狂騒を生み出す曲となっているのだが、まののドラムはツアーを経るごとにより一層ミイラズのドラムになってきている。ただ曲を譜面通りに演奏するだけではなく、ちゃんと熱い感情が音にこもっているというか。間違いなくまのはミイラズの救世主である。それだけにサポートではなくて正式メンバーにならないのだろうか、という気持ちにもなるのだが。
「じゃあ、平井堅の「STRAWBERRY sex」を」
と、果たして観客はみんなわかるのか?というネタフリから始まった新作の「STRAWBERRY DANCE」はタイトル通りにピンク色の照明が当たる中、それまでの狂騒感とは一転して、ゆったりと踊るようなダンスナンバー。これまでの様々な曲に含まれていた、畠山のロマンチックさを感じさせる。
しかしながらこの後が驚愕の展開。「OUI!OUI!OUI!」に特化したモードは序盤のみかと思いきや、「アナーキーサヴァイヴァー」から、4月のライブの時にはイントロのリズムだけ演奏されるというフェイクのみで終わった「ラストダンスとファンデーション」までもが演奏され、まさにファンデーションが取れそうなくらいの熱気に包まれる。
さらにはミイラズ屈指の名曲ラブソング「シスター」で改めて良いメロディを生み出せるバンドだな、と浸らせると、「海賊になりたくて」という「OUI!OUI!OUI!」の中でもトップクラスのレア曲までも演奏される。もうライブでやったのはいつ以来かわからないが、
畠山「たまにやるからいいんだよね。毎回やるとダメになりそうな曲だから(笑)
昔、ライブでやったら「イントロを聴いてお腹が痛くなった」っていう人もいたし(笑)」
ケイゾー「まぁ不穏な感じのイントロですからね」
畠山「でもどの曲がライブで良くなるかわかんないよね。「つーか、っつーか」も出した時は「EDMクソだな」って言われまくってたけど(笑)、今はめちゃ盛り上がる曲になったもんね」
ケイゾー「やり続けて良かったですね。育成成功ですね」
畠山「なんかダビスタみたいになってるじゃん(笑)」
ケイゾー「育成に失敗すると最悪、安楽死とかもありますから(笑)」
と、やはり定番にするつもりはないらしい(というか今後演奏されるのかどうかもわからない)し、本人たちもEDM期の曲のキラーチューンへの変貌っぷりは嬉しい誤算というところのようだ。
実は食べ物を題材にした曲も多数あるミイラズの最新食べ物曲である「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」は当然ながらペペロンチーノを食べたくなるような曲なのだが、続く「格闘ゲーム」では途中で畠山が歌詞を思いっきり飛ばしてしまい、途中から歌うタイミングすらも逸するという展開に。すると演奏を繋いでいた真彦とケイゾーがまののドラムに集まって合わせ、畠山が歌に入れるように曲を立て直す。
きっと演奏を止めてもう一回頭からやり直す方が楽だし、普通ならそうするのだろうけれど、今のミイラズはそうしたアクシデントがあってもその場で対応できる力を持っている。それは技術というよりもメンバー同士の呼吸や絆といった見えないものによるものが大きい。かつて新谷元輝が脱退した時には
「もう新しい人を入れて4人のバンドになれる気がしない」
とまで言っていたミイラズは、この4人で本当にしっかりとしたバンドになることができている。
するとそれまでもビールを飲みながら歌っていた畠山がビールを取りに楽屋に戻るのだが、珍しく歌詞が飛んだのはビールがなくなったことに気を取られていたから、という衝撃の理由を告白。上手く合わせたように見えた真彦も実はミスっていたことを明かし、ちゃんと曲をキープしていたのは実はケイゾーだけだったらしい。そう考えると演奏においても、畠山が暴走しがちなMCにおいてもケイゾーの安定感がこのバンドを支えているのかもしれない。
再びEDMサウンドでガンガンに上げまくる「マジか。〜」以降は怒涛の終盤で、次々にキラーチューンが演奏されていく。「ラストナンバー」の
「ふざけんなってんだ!」
の大合唱ももはやミイラズのライブにおいてなくてはならない日常のストレス発散タイムになっており、「僕らは」の言葉数の多さで畳み掛けると、ラストは新作の最後を飾る曲でもある「サマバケ!」で、外は寒さを感じさせるが、この会場の中だけは夏に戻ったのかと思うくらいの暑さと暖かさを残していった。
アンコールでは畠山がキャップを「FUCK'N MY BIRTHDAY」という自身の誕生日を祝うものに変えて登場すると、真彦が
「誕生日おめでとうございます」
と祝し、なぜかTM NETWORK「Get Wild」のカバーという全く誕生日らしくない選曲で自ら誕生日を祝う。ミイラズによるカバーなので当然ガレージロック色が強いものになっているのだが、この曲を選んだ理由を畠山は
「お客さんが最近優しいから。優しさに甘えていたくはない」
と歌詞に合わせて見事に返していた。
新作のリード曲として、久々に出演したROCK IN JAPAN FES.でも演奏されていた「誰も死から逃れられない!」は実にミイラズらしい生死を歌った曲。なにせサビの歌詞が
「殺せ殺せ殺せ殺せ やるせないと殺人鬼歌う
殺せ殺せ殺せ殺せ 誰も死から逃れられない」
というものなのだから。こんなにも「殺せ」という単語の連発をリズミカルに聴かせられるバンドは他にいないと思う。
「プロタゴニストの一日は」を演奏し、そろそろ曲数的にも終わりかな?と思っていると、畠山が
「「格闘ゲーム」やろう」
と、本編で歌詞を飛ばしてしまった「格闘ゲーム」を再披露。これは中途半端なものを見せたままでは終われないというバンドとしてのプライドと、この日来てくれたファンにしっかりとした演奏のものを見せなくては、というバンドからの愛情を感じさせた。もうかつてのような観客を突き放すようなバンドの姿はない。自分たちの音楽を今でも求めてくれている人たちにしっかりと向き合いながら、こうしてライブができることを心から楽しんでいる。ビールを飲みながらというのもあるだろうけれど、畠山は観客の盛り上がりぶりを見て、満面の笑みを浮かべながら最後の「CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい」を演奏していた。
終演を告げるBGMが流れ始めてもさらなるアンコールを求める手拍子は止まず、再びメンバーがステージに。
「a flood of circleのなんとかストーンっていう曲を」
と、フラッド自身も今や全くライブでは演奏していない「エレクトリック・ストーン」をやるのかと思いきや、やっぱりそんなことなく、最後に演奏されたのは「ミラーボールが回り出したら」。曲中で畠山が客席の頭上にあるミラーボールを指差すと、それを合図に輝き出すミラーボール。アクシデントもあったけど、それも含めてメンバーも観客も本当に楽しかった水戸の一夜だった。
最新作のリリースツアーであり、当然新作の曲も演奏されたのだが、それと同じくらいに重要な位置を占めていたのが「OUI!OUI!OUI!」の曲たち。きっとあのアルバムが1番好きだという人も多いだろうし、最近のミイラズの曲は全然知らないけれどこのアルバムの曲は聴きたいという人もいるはず。このツアーではその曲たちを過去最高のライブの完成度で聴くことができる。そして今のミイラズのカッコよさをしっかりと見ることができる。
かつてZeppすらも即完し、COUNTDOWN JAPANではGALAXY STAGEの年越しを超満員で祝ったミイラズ。あの時にいた人たちはみんな今のライブを見ればミイラズのカッコよさに改めて気づくはず。その人たちも「OUI!OUI!OUI!」を絶対聴いていたんだから。だから、みんなまたミイラズのライブに戻ってきて欲しいな。
1.レディース&ジェントルマン
2.WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!
3.僕はスーパーマン
4.TEN BILLION DREAM
5.check it out! check it out! check it out! check it out! check it out!
6.ふぁっきゅー
7.バタフライエフェクトを語るくらいの善悪と頑なに選択を探すマエストロのとある一日
8.つーか、っつーか
9.STRAWBERRY DANCE
10.アナーキーサヴァイヴァー
11.ラストダンスとファンデーション
12.シスター
13.海賊になりたくて
14.アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
15.格闘ゲーム
16.マジか。そう来たか、やっぱそう来ますよね。はいはい、ですよね、知ってます。
17.ラストナンバー
18.スーパーフレア
19.僕らは
20.サマバケ!
encore
21.Get Wild
22.誰も死から逃れられない!
23.プロタゴニストの一日は
24.格闘ゲーム
25.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
encore2
26.ミラーボールが回り出したら
CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
https://youtu.be/B5JPlqS2PiY
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会場のclub SONIC mitoは初めて訪れる会場なのだが、商店街の中の地下にあるというかなり変わった立地。縦に長い作りでステージも高く、このキャパにしてはかなり見やすい。それは観客が少なかったという要素ゆえかもしれないが。
祝日にもかかわらず19時という遅めの時間になると場内が暗転し、Underworld「Born Slippy」が流れてメンバーが登場。畠山はサングラスをかけてキャップを被り、このツアーの物販で販売されているパーカーを着て登場。真彦は珍しく黒の革ジャンというロックンロールスタイルで、サポートドラマーのまのは髪を金に染めており、以前までよりも体型がスリムに見える。ケイゾーはいつもと全く変わらない出で立ち。
畠山がギターを鳴らしながら歌い始めた「レディース&ジェントルマン」でスタートすると、かねてからバンドサイドが予告していた通り、ミイラズの1stアルバムである「OUI!OUI!OUI!」がリリースされて今年で10周年ということで、その収録曲をいきなり連発。よって「僕はスーパーマン」という当時のバンドきってのキラーチューンも早くもこの序盤で演奏されるのだが、ギターを思いっきり掻き鳴らす畠山を筆頭に、バンドの演奏が実にシャープかつ力強い。演奏し慣れている曲たちだからというのもあるだろうけれど、すでに名古屋、大阪とツアーを回ってきているだけに、バンドの状態が仕上がってきているのがわかる。
この流れゆえに新作のリリースツアーであるということをついつい忘れてしまいそうになるのだが、今のミイラズは様々な音楽的な挑戦や試行錯誤を経て、Arctic Monkeys直系のガレージロックに回帰しているゆえに「TEN BILLION DREAM」という新作の曲もこの流れの中に組み込まれても違和感が全くない。
「ただ僕はアークティックモンキーズの一員になりたかっただけ
それが今ではこのザマさ バカ殿様みたいな城主 なまらふざけてるんだ」
という歌詞は今でもArctic Monkeysへの憧憬が消えていないのと同時に、現状の自らの状況の不甲斐なさへの苛立ちも感じさせる。
かつてはやたらとMCで喋りまくるという時代もあったが、今のミイラズのライブは実にテンポが良く、喋ったり機材を取り替えたりという無駄な間が全くない。そうして次々と演奏されていくことによって性急なガレージロックがさらにスピード感を持って響いてくるし、ライブがダレたりすることなく引き締まっている。
リリース時は酷評されたEDMを取り入れた「つーか、っつーか」もまのによる生ドラムが加わったことによってか完全にライブのハイライトのひとつと言ってもいいくらいの狂騒を生み出す曲となっているのだが、まののドラムはツアーを経るごとにより一層ミイラズのドラムになってきている。ただ曲を譜面通りに演奏するだけではなく、ちゃんと熱い感情が音にこもっているというか。間違いなくまのはミイラズの救世主である。それだけにサポートではなくて正式メンバーにならないのだろうか、という気持ちにもなるのだが。
「じゃあ、平井堅の「STRAWBERRY sex」を」
と、果たして観客はみんなわかるのか?というネタフリから始まった新作の「STRAWBERRY DANCE」はタイトル通りにピンク色の照明が当たる中、それまでの狂騒感とは一転して、ゆったりと踊るようなダンスナンバー。これまでの様々な曲に含まれていた、畠山のロマンチックさを感じさせる。
しかしながらこの後が驚愕の展開。「OUI!OUI!OUI!」に特化したモードは序盤のみかと思いきや、「アナーキーサヴァイヴァー」から、4月のライブの時にはイントロのリズムだけ演奏されるというフェイクのみで終わった「ラストダンスとファンデーション」までもが演奏され、まさにファンデーションが取れそうなくらいの熱気に包まれる。
さらにはミイラズ屈指の名曲ラブソング「シスター」で改めて良いメロディを生み出せるバンドだな、と浸らせると、「海賊になりたくて」という「OUI!OUI!OUI!」の中でもトップクラスのレア曲までも演奏される。もうライブでやったのはいつ以来かわからないが、
畠山「たまにやるからいいんだよね。毎回やるとダメになりそうな曲だから(笑)
昔、ライブでやったら「イントロを聴いてお腹が痛くなった」っていう人もいたし(笑)」
ケイゾー「まぁ不穏な感じのイントロですからね」
畠山「でもどの曲がライブで良くなるかわかんないよね。「つーか、っつーか」も出した時は「EDMクソだな」って言われまくってたけど(笑)、今はめちゃ盛り上がる曲になったもんね」
ケイゾー「やり続けて良かったですね。育成成功ですね」
畠山「なんかダビスタみたいになってるじゃん(笑)」
ケイゾー「育成に失敗すると最悪、安楽死とかもありますから(笑)」
と、やはり定番にするつもりはないらしい(というか今後演奏されるのかどうかもわからない)し、本人たちもEDM期の曲のキラーチューンへの変貌っぷりは嬉しい誤算というところのようだ。
実は食べ物を題材にした曲も多数あるミイラズの最新食べ物曲である「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」は当然ながらペペロンチーノを食べたくなるような曲なのだが、続く「格闘ゲーム」では途中で畠山が歌詞を思いっきり飛ばしてしまい、途中から歌うタイミングすらも逸するという展開に。すると演奏を繋いでいた真彦とケイゾーがまののドラムに集まって合わせ、畠山が歌に入れるように曲を立て直す。
きっと演奏を止めてもう一回頭からやり直す方が楽だし、普通ならそうするのだろうけれど、今のミイラズはそうしたアクシデントがあってもその場で対応できる力を持っている。それは技術というよりもメンバー同士の呼吸や絆といった見えないものによるものが大きい。かつて新谷元輝が脱退した時には
「もう新しい人を入れて4人のバンドになれる気がしない」
とまで言っていたミイラズは、この4人で本当にしっかりとしたバンドになることができている。
するとそれまでもビールを飲みながら歌っていた畠山がビールを取りに楽屋に戻るのだが、珍しく歌詞が飛んだのはビールがなくなったことに気を取られていたから、という衝撃の理由を告白。上手く合わせたように見えた真彦も実はミスっていたことを明かし、ちゃんと曲をキープしていたのは実はケイゾーだけだったらしい。そう考えると演奏においても、畠山が暴走しがちなMCにおいてもケイゾーの安定感がこのバンドを支えているのかもしれない。
再びEDMサウンドでガンガンに上げまくる「マジか。〜」以降は怒涛の終盤で、次々にキラーチューンが演奏されていく。「ラストナンバー」の
「ふざけんなってんだ!」
の大合唱ももはやミイラズのライブにおいてなくてはならない日常のストレス発散タイムになっており、「僕らは」の言葉数の多さで畳み掛けると、ラストは新作の最後を飾る曲でもある「サマバケ!」で、外は寒さを感じさせるが、この会場の中だけは夏に戻ったのかと思うくらいの暑さと暖かさを残していった。
アンコールでは畠山がキャップを「FUCK'N MY BIRTHDAY」という自身の誕生日を祝うものに変えて登場すると、真彦が
「誕生日おめでとうございます」
と祝し、なぜかTM NETWORK「Get Wild」のカバーという全く誕生日らしくない選曲で自ら誕生日を祝う。ミイラズによるカバーなので当然ガレージロック色が強いものになっているのだが、この曲を選んだ理由を畠山は
「お客さんが最近優しいから。優しさに甘えていたくはない」
と歌詞に合わせて見事に返していた。
新作のリード曲として、久々に出演したROCK IN JAPAN FES.でも演奏されていた「誰も死から逃れられない!」は実にミイラズらしい生死を歌った曲。なにせサビの歌詞が
「殺せ殺せ殺せ殺せ やるせないと殺人鬼歌う
殺せ殺せ殺せ殺せ 誰も死から逃れられない」
というものなのだから。こんなにも「殺せ」という単語の連発をリズミカルに聴かせられるバンドは他にいないと思う。
「プロタゴニストの一日は」を演奏し、そろそろ曲数的にも終わりかな?と思っていると、畠山が
「「格闘ゲーム」やろう」
と、本編で歌詞を飛ばしてしまった「格闘ゲーム」を再披露。これは中途半端なものを見せたままでは終われないというバンドとしてのプライドと、この日来てくれたファンにしっかりとした演奏のものを見せなくては、というバンドからの愛情を感じさせた。もうかつてのような観客を突き放すようなバンドの姿はない。自分たちの音楽を今でも求めてくれている人たちにしっかりと向き合いながら、こうしてライブができることを心から楽しんでいる。ビールを飲みながらというのもあるだろうけれど、畠山は観客の盛り上がりぶりを見て、満面の笑みを浮かべながら最後の「CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい」を演奏していた。
終演を告げるBGMが流れ始めてもさらなるアンコールを求める手拍子は止まず、再びメンバーがステージに。
「a flood of circleのなんとかストーンっていう曲を」
と、フラッド自身も今や全くライブでは演奏していない「エレクトリック・ストーン」をやるのかと思いきや、やっぱりそんなことなく、最後に演奏されたのは「ミラーボールが回り出したら」。曲中で畠山が客席の頭上にあるミラーボールを指差すと、それを合図に輝き出すミラーボール。アクシデントもあったけど、それも含めてメンバーも観客も本当に楽しかった水戸の一夜だった。
最新作のリリースツアーであり、当然新作の曲も演奏されたのだが、それと同じくらいに重要な位置を占めていたのが「OUI!OUI!OUI!」の曲たち。きっとあのアルバムが1番好きだという人も多いだろうし、最近のミイラズの曲は全然知らないけれどこのアルバムの曲は聴きたいという人もいるはず。このツアーではその曲たちを過去最高のライブの完成度で聴くことができる。そして今のミイラズのカッコよさをしっかりと見ることができる。
かつてZeppすらも即完し、COUNTDOWN JAPANではGALAXY STAGEの年越しを超満員で祝ったミイラズ。あの時にいた人たちはみんな今のライブを見ればミイラズのカッコよさに改めて気づくはず。その人たちも「OUI!OUI!OUI!」を絶対聴いていたんだから。だから、みんなまたミイラズのライブに戻ってきて欲しいな。
1.レディース&ジェントルマン
2.WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!
3.僕はスーパーマン
4.TEN BILLION DREAM
5.check it out! check it out! check it out! check it out! check it out!
6.ふぁっきゅー
7.バタフライエフェクトを語るくらいの善悪と頑なに選択を探すマエストロのとある一日
8.つーか、っつーか
9.STRAWBERRY DANCE
10.アナーキーサヴァイヴァー
11.ラストダンスとファンデーション
12.シスター
13.海賊になりたくて
14.アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
15.格闘ゲーム
16.マジか。そう来たか、やっぱそう来ますよね。はいはい、ですよね、知ってます。
17.ラストナンバー
18.スーパーフレア
19.僕らは
20.サマバケ!
encore
21.Get Wild
22.誰も死から逃れられない!
23.プロタゴニストの一日は
24.格闘ゲーム
25.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
encore2
26.ミラーボールが回り出したら
CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
https://youtu.be/B5JPlqS2PiY
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