a flood of circle A FLOOD OF CIRCUS 2018 @TSUTAYA O-EAST 2/17
- 2018/02/18
- 17:03
もうだいぶ昔からの付き合いである、SAのギタリストのNAOKIにも「ア フラッド オブ サーカス」とバンド名を間違えられていたが、もはや自らネタにするかのように、a flood of circleがその間違われ方をタイトルにした対バンツアーを開催。そのツアーのファイナルにして集大成となるのが、
a flood of circle
Large House Satisfaction
The Hosomes
UNISON SQUARE GARDEN
CHAI
髭
SIX LOUNGE
というロックンロールというフラッドの軸はしっかりとありながら幅広いラインアップとなった、この日の渋谷のO-EASTでのフェス形式のイベントである。もはやワンマンで幕張メッセすらも埋め尽くしているUNISON SQUARE GARDENをこのキャパで見れるのはかなり貴重、ということもあってか、チケットはソールドアウト。
「サーカス」をタイトルに掲げている通り、会場内にはロックンロールバンドのライブとは思えないような華やかな装飾があることにより、非日常感を感じることができる。またカレーやホットドッグが売られている飲食ブースに加え、フェイスペインティングブースもあるなど、音楽以外にも様々な楽しみを提供している。
開演時間の16時半になると、いつものように革ジャンを着たフラッドの佐々木亮介がステージに登場。
「本当にこのサーカスは俺の自慢なんだ。このまま巡業したいと思ってる」
と主催者らしい挨拶をしてから、トップバッターへ。
・SIX LOUNGE
トップバッターは大分のロックンロールの新星スリーピースバンド、SIX LOUNGE。
山口優盛が挨拶すると、
「この汗と感情 愛しい君に届け」
と「俺のロックンロール」を歌い始めると、
「生きている実感できる 場所はいつでもライブハウス!」
というフレーズを叫ぶように歌い、すでに超満員の客席から大きな歓声が上がる。さらに「歌え!」と言うとドラムのナガマツの荒々しい歌唱に合わせて合唱が起こる。
「付き合いはどっちかというとここ最近!そんな俺たちを大事なトップバッターにしてくれたa flood of circle、本当にありがとうございます!トップバッターの意味っていうのも考えたんだけど、わからない方がいいのかな、って」
と頭よりも体と衝動、というロックンロールバンドとしての姿勢でひたすら攻めまくっていくのだが、フラッドなどを代表するロックンロールバンドには「濃さ」に加えて「重さ」がある。でもこのバンドには「濃さ」はあれど、「重さ」はほとんど感じない。それはこのバンドのロックンロールが革新性や技巧を一切感じさせない、ひたすらに人間の内なる衝動を放出するようなタイプのものであり、薄暗いライブハウスが生きる場所ではあれど、まばゆいくらいに輝きを放っている。
こうした若手バンドが出てきたことは本当に頼もしい限りだが、まだまだいけるバンドだと思う。フラッドの「Baffalo Dance」やTHE BAWDIESの「IT'S TOO LATE」のような、これぞ!という曲が出てきた時、このバンドは一気にこの規模では収まらないくらいの存在になると思う。
1.俺のロックンロール
2.STAR SHIP
3.ふたりでこのまま
4.メリールー
5.大人になる前に死んでやる。
6.プラマイゼロ
7.トラッシュ
8.僕を撃て
僕を撃て
https://youtu.be/ZLLwSWM8qQc
・The Hosomes
フラッドの佐々木亮介、爆弾ジョニーのキョウスケ、DOESの赤塚ヤスシ、go!go!vanillasのジェットセイヤという、目が細いロックンローラー4人(だからか顔がみんな似ている気がする)によって結成された、ある意味ではこの日の目玉とも言える、The Hosomes。サブステージ(ステージを二つ作れるのがO-EASTの特徴である)のトップバッターとして登場。
全員が黒の革ジャンにサングラスという、ロックンロールの形そのもの、的な出で立ちで登場すると、このバンドのオリジナル曲と思われる曲で始まるのだが、これが完全にこの4人が集まったからこそ、というロックンロールナンバーであり、即席感や急造感は一切感じないくらいにライブバンドとして仕上がっている。ネットでも最近喉の調子が良くないという声も聞いていたので、この時点では亮介の声があまり出ていないようにも感じてしまい、トリのフラッドのライブは大丈夫だろうか、と若干心配になってしまったが。
するといきなりジェットセイヤがドラムを連打しまくりながら歌い始めたのは、自身のバンドで手がけた、「Ready Steady go!go!」。もはや完全に勢いで突っ走るという、バニラズは近年は様々なサウンドを取り入れて進化しているが、その土台を支えるセイヤはどこまでいってもロックンローラーであるということが、続くラモーンズ「電撃バップ」の日本語カバーからもよくわかる。
「目が細いと見えてないように思われるけど、見てないようで見てるから!」
とHosomesだからこその細目MCもありながら、
「俺の修羅が騒ぐ!」
と言うと、まさかのDOESの「修羅」を亮介ボーカルで披露。活動休止後は各々の活動も未だ不透明(ヤスに関しては活動休止ライブ以来、1年半ぶりのステージである)なだけに、こうしてバンドが残した曲を聴ける機会があるというのは実にいいことであるし、こうして誰かが歌い継いでいくことによって、リアルタイムでは出会えなかった人たちがDOESと出会うきっかけになるかもしれない。
さらにそのヤスがまさかのメインボーカルを取る、「細目」が歌詞に盛り込まれまくったオリジナル曲までも披露され、これは完全にこのバンドはこの日限りのものではないことがわかるが、亮介が
「バンド名以外はマジだから!」
と言ったように、本気度が伝わってくる。
「俺の大好きな曲!」
と紹介された爆弾ジョニー「終わりなき午後の冒険者」では亮介のその好きな思いを詰め込んだかのように、
「僕の心臓の鼓動が4つ打ちじゃなくて エイトビートになってました」
の部分を叫ぶようにして歌い、キョウスケも弾きなれたギターソロを炸裂させる。革ジャンを着た亮介とキョウスケが並んでギターを弾いていると、2年くらい前の、サポートギタリストとしてフラッドにキョウスケが参加していた頃を思い出す。未だにキョウスケがフラッド史上最高のサポートギタリストと言う人も多いが、その姿はこれからまた見れる機会が訪れるだろう。
さらにオリジナル曲を披露するという、始動からここまでのペースの速さと、曲のクオリティの高さにいちいち驚いてしまうが、最後にはa flood of circleの「The Beautiful Monkeys」をこのバンドで演奏し、亮介がステージから客席にダイブ。その姿を見て感化されたのか、ジェットセイヤも演奏終了後に客席に飛び込むと、ステージに戻ってくるのを待って4人が肩を組んでから缶ビールを飲み、ステージを後にした。
気が合うロックンローラー同士でバンドを組んで、それぞれの持ち曲を演奏する。それぞれ忙しいメンバーばかりだし(1人を除いて)、その日のライブを楽しんで美味しいビールが飲みたい、的なバンドになるかと思っていたが、どうやらこのバンドはそれだけではないようだ。亮介のソロもバンド編成で素晴らしいライブを見せてくれたが、このバンドも早くまたライブが見たいと思わせてくれる存在になった。
「オリンピックよりは早い周期で(笑)」
と亮介は言っていたが、年に1回くらいはこのバンドをやりません?ヤスをステージに引っ張り出すっていう意味合いも少なからずあるんだろうし。
修羅
https://youtu.be/kBQmuw3CYnE
・髭
フラッドとはこれまでにも何度か対バンしたりしているし、世代は違うとはいえ、この日のラインアップの中では名前があることに安心感を覚えるバンド、髭。
須藤寿はおなじみのサングラスをかけて登場すると、キャッチーなギターロックの「もっとすげーすげー」でスタート。斉藤の曲に合わせたアクションはかつてよりもはるかに増えているように感じる。いきなり歌詞を飛ばし、
「あれ?なんだっけ?」
と言った須藤に対し、宮川は苦笑していたが。
須藤がギターを置くと、早くもハンドマイクでステージを歩き回り、装飾の花を触ったりしながら、サイケデリックな「ネヴァーランド・クルージング」へ。動き回って汗をかいたからか、早くも上着を脱いでそれをぶん投げる須藤の動きを見切っているかのように、その上着をしっかりキャッチするスタッフとの連携はバッチリである。
と思ったらこれぞロックンロールな「黒に染めろ」、再びサイケデリックな「S.O.D.A」、近年のライブでは定番となっている、ダンサブルな「DEVIL'S ODD EYE」と、実に掴み所がないというか、こういうロックンロール色が強いイベントならばそうした方向に振り切ったセトリを組めるバンドであるけど、そうはせずにバンドの持つ様々な要素を全て見せていく。それが自分たちの魅力を最も伝えられるということが長くなったキャリアの中でわかったのだろう。
とはいえども、フラッドはもう気づいたら一緒にいた、というくらいに長く深い付き合いであることを語りながら「ロックンロールと五人の囚人」もしっかりセトリに入れてくるというサービス精神も見せながら、
「今年アルバムを出そうと思って、曲をたくさん書いてるんだけど、できたばかりの曲を今からやろうと思って。そこらの若手バンドでは怖くてできないよ!他のバンドのイベントでできたばかりの曲をやるなんて(笑)
一つ言っておきたいのは、本当にできたばかりだから、俺が間違えるかもしれない、っていうこと(笑)」
と笑わせながらバンドの最新系をしっかりと見せるのだが、その新曲「謝謝」(仮タイトル)は、新たな一面というよりは、「青空」のようなこのバンドの持つメロディの良さを感じさせてくれる、素直にストレートな良い曲。こうした曲からは、どうにも捻くれているというか素直な胸の内を言おうとしないこのバンドの根っこの部分を確かに感じることができる。
「今度は俺たちが今日の出演者を全員呼んでライブをやるよ。その時は俺たちが主催なわけで、俺たちに1番お金が入る。そうしたらそのお金でみんなにテキーラを振る舞おう。みんな来てくれるかい?」
と最後まで須藤らしいMCをしてから演奏されたのはもちろん「テキーラ!テキーラ!」で、
「ミラーボールから悪魔の子守唄」
というフレーズではそれに合わせるかのように客席の上のミラーボールが輝いていた。
髭はかつてはCOUNTDOWN JAPANなどでもメインステージに出演したりするくらいの人気を誇っていたバンドであったが、アイゴンこと會田茂一(まぁ元から期間限定加入だと思っていたが)やフィリポが抜け、なかなかそうしたバンドの変化以外で話題になることは少なくなってしまった。
それでも終わった後には周りで多くの人が
「髭、初めてライブ見たけど良かった~!アルバム買おうかな~」
と口にしていた。まだまだカッコよさは健在であるし、須藤、斉藤、宮川のフロント3人の見た目が12年くらい前に初めてライブを見た時から全く変わっていないようにしか見えないのが本当に凄い。音楽性同様、そこもこのバンドだけの魔力のようなものがあるのだろうか。
1.もっとすげーすげー
2.ネヴァーランド・クルージング
3.黒に染めろ
4.S.O.D.A
5.DEVIL'S ODD EYE
6.ロックンロールと五人の囚人
7.謝謝 (仮タイトル、新曲)
8.テキーラ!テキーラ!
もっとすげーすげー
https://youtu.be/bCx3nKS4OpU
・CHAI
すでにメディアなどでも話題沸騰中、「NEOカワイイ」を合言葉に掲げ、ネクストブレイク最有力と目されているオンナバンド、CHAI。
メンバー4人がピンクに統一された衣装を着て登場した段階で、濃いバンドばかりが集まったこの日の出演者の中でもひときわ異彩を放っているが、絞り込まれまくったサウンドの中、反復するビートが鳴らされて始まった「Sound & Stomach」で早くもメンバーが揃って同じ角度で客席に相対したり、ユウキ(ベース)が振り付けのようなパフォーマンスを見せたりと、初めて見たであろう人たちからはその歌詞のシュールさも合わせて「?????」という感情が溢れているのが目に見える。
某遊べる本屋をテーマにした「ヴィレヴァンの」ではキュートなマナのボーカルがフレーズに合わせて変化を見せるという器用な一面も見せるのだが、全員が歌唱やコーラスを務めるバンドであるだけに、てっきりメンバーそれぞれが歌い分けていると思っていたので、これは意外だった。
マナとカナの双子がステージ前まで出てきて、マドンナ「MATERIAL GIRL」のメロディで物販の紹介をする中、ユウキとユナのリズム隊は生演奏でビートを奏でる。そしてマナが壁ドンされたい芸能人の名前を次々にあげてから、壁ドンはズルい!と言って「ボーイズ・セコ・メン」、CHAIの名前を一躍知らしめた「N.E.O」と曲が続いていくと、完全に会場の空気はこのバンドのものに染め上げられていく。
突如としてメンバー全員がサングラスをかけ、
「ブーイングタイム!みんな、ムカつくやつの顔を思い浮かべながら、CHAIにブーイングしてください!」
とマナが煽るも、やはりなかなか全員がいきなり揃ってやるわけではないという状態の客席を見たユウキが、
「こういう時にいつも、おしゃれメガネと髭の奴がやらないんだよなー。お前のことだよ!やれよ!」
と客いじりをはじめ、爆笑を巻き起こすと「ぎゃらんぶー」、そしてユナによるピンクのタオルをアピールする物販紹介とメンバーそれぞれのキャラを短い時間でしっかり見せるというバンドとしてのライブでの見せ方を上手くアピールし、ラストは「sayonara complex」であっという間に衝撃を残していった。
iTunesにCHAIのCDを入れると、「エレクトロニカ」というジャンルに分類される。確かにあえて既存のサウンドのジャンルに当てはめようとするとそうなるのかもしれないが、どこをどう切ってもこのバンドにしかできないことしかやっていないという点ではこのバンドは精神的にロックンロールそのものだし、その姿は「カワイイ」ではなくて紛れもなく「カッコイイ」。それこそがこのステージに立った理由。
1.Sound & Stomach
2.ヴィレヴァンの
3.ボーイズ・セコ・メン
4.N.E.O
5.ぎゃらんぶー
6.sayonara complex
N.E.O
https://youtu.be/YMGf3zyhG94
・UNISON SQUARE GARDEN
つい先日には幕張メッセをもワンマンで埋め尽くしたUNISON SQUARE GARDENがO-EASTに出るというのは現在の状況を考えるとかなり貴重である。リリースを翌週に控えたフラッドの新作アルバムにおいて、田淵がプロデュースした曲も収録されているが、そもそもははるか昔からフラッドと交友があるバンドであり、2009年のフラッドの「Baffalo Soul」リリースツアーのファイナルであった代官山UNITにもこのバンドが対バンとして出演している。
おなじみイズミカワソラ「絵の具」のSEでメンバーが登場すると、やはりこの日ここまでで最大の大歓声に出迎えられる。するといきなりの「Silent Libre Mirage」からスタートし、斎藤が
「UNISON SQUARE GARDENです!よろしく!」
と挨拶すると、すぐさま会場は熱気で満たされていく。
ツアーが終わったばかりのタイミングなので、当然バンドの状態は最高潮。「カラクリカルカレ」で田淵がぐるんぐるんと回りながらベースを弾く姿に笑いが起こると、「10% roll, 10% romance」では一切のズレや狂いも許されないような難解な演奏がかみ合わさっていくことでポップさを生み出していく。
幕張メッセのライブ時は最新アルバム「MODE MOOD MODE」がリリースされた直後というタイミングであったが、ライブ自体はあくまでその前のシングルのリリースツアーのファイナルという位置付けだったために、アルバム曲は披露されておらず、アルバムツアーが始まるまではこうしたイベント出演がアルバム曲をライブで聴ける機会となる。この日披露されたのはアルバムの中でも最も不穏な、タイトル通りにジャングリーなサウンドの「MIDNIGHT JUNGLE」。この曲はサビの最後に「テキーラ!」というフレーズがあるだけに、「Tequila Club」という曲を持つフラッドと、「テキーラ!テキーラ!」という曲を持つ髭へのリスペクトを込めた選曲だと思うのは考えすぎだろうか。サビの「もったいない」のフレーズでは田淵のみならず鈴木も手数の多さをものともせずにコーラスを務める。
久々の「マスターボリューム」に歓喜の声が上がる中(それこそ9年前の対バン時もやっていた曲だ)、普段のフェスやイベントではMCを全くしないということも多い斎藤が、
「僕らとフラッドが仲良くなったのはここ最近だと思ってる人も多いと思うんだけど、実は10年以上前、それこそ大学生の頃からずっと知り合いで。当時、佐々木君はフレッシュネスバーガーでバイトしてたんだけど、そこを冷やかしで
「おはようございます、泥水のコーヒーをください」(亮介の声マネで)
って言ったら、嫌な顔一つせずに
「はい、アイスコーヒーです」
って返されて(笑)(田淵爆笑)」
と、お互いに何者でもなかった時代から知るものだからこそのエピソードを開陳。フラッド側(というか亮介)から田淵の話をしたことは何度かあるが、こうしてユニゾン側からフラッドの話をすることはほとんどない。間違いなくこれはこの日、このイベントだったからこそ。
打ち込みのホーンの音も使った最新作のエンディングナンバー「君の瞳に恋してない」では田淵のコーラスも使ってバンドのポップさを最大限に発揮したかと思いきや、一転して「天国と地獄」では田淵が暴れまくりながら、スリーピースのロックバンドの限界に挑むかのようなスリリングな演奏が展開される。
そしてあっという間のラストはやはりこの曲は今やライブでやらないという選択肢はないんだろうな、という「シュガーソングとビターステップ」。田淵が斎藤の方まで行っていつも以上に暴れまくったからか、見慣れているはずの斎藤が明らかに笑いを堪えながら歌っているというレアな光景も見れた。それもまた、お互いをよく知っているフラッドの記念すべきツアーファイナルだからだろうか。
かつてと比べたら両者にはかなり大きな差ができてしまったように見える。形を変え続けながら転がり続けてきたフラッドと、全く自分たちを変えることなく歩いてきたユニゾン。しかしその絆であり信頼は全く変わっていないどころか、より強くなっているように見える。今はユニゾンの集客に助けられていたり、田淵プロデュースというトピックにフックアップされているようにも見えてしまうだろうが、いつかまた、同じくらいの高さまでフラッドが追いついた時に、ガチンコのツーマンが最も見たいバンド。
1.Silent Libre Mirage
2.カラクリカルカレ
3.10% roll, 10% romance
4.MIDNIGHT JUNGLE
5.マスターボリューム
6.君の瞳に恋してない
7.天国と地獄
8.シュガーソングとビターステップ
君の瞳に恋してない
https://youtu.be/OnM6tu5I0uI
・Large House Satisfaction
今回の出演者の中では互いに「ロックンロール」を掲げており、フラッドと音楽的な距離感が最も近いバンドと言える、Large House Satisfaction。フラッドの直前、サブステージのトリという重要な位置での出演である。
賢司は相変わらずの黒の革ジャン着用で威圧感が凄まじいが、ライブ会場限定販売シングルの「BREACH」から、バンドの気合いが凄まじい。要司は元からがなりたてるようなボーカルのスタイルだが、この日は完全に他のバンドを見にきた人たちを喰ってやろうという意思が見えるくらいに漲っている。
ライブではおなじみの「Phantom」で客席からもコーラスの声が上がると(意外なくらいに後ろの方まで手を挙げて声も出ていた)、
要司「CHAIめちゃ良かったね」
賢司「俺は髭がめちゃ良かったです!ずっとフロアで全バンドのライブ見てたけど、こんなかっこいいバンドばっかり見れてギャラも貰えるなんて最高過ぎじゃない?(笑)
出番が遅いから酒が飲めないのがキツいけど(笑)」
とこの日を楽しみまくっていた小林兄弟によるMCで笑わせながら、
要司「お金が大好きでして…。そういう欲望にまみれた歌」
と紹介された「ニヤ」、
「今日も外に出たら月が見えるはず」
と紹介された「トワイライト」と、ロックンロールバンドとしての重さは持ったまま、ポップさを感じさせる曲にシフトしていく。
SIX LOUNGEのところで「重さをほとんど感じない」と書いたが、このバンドはひたすら濃くてひたすら重い。曲や歌詞の世界観も夜や闇が似合うダークなものであり、ある意味ではこの日の出演者で最もロックンロールなバンドと言える。それはかなり好き嫌いが分かれる要素でもあるのだが、間違いなくこのバンドにとっての最も大きな個性である。
こちらもライブではおなじみの「Traffic」で要司が観客に合唱を煽ると、ラストは
「何もかも消えちまえ」
という要司の咆哮のようなボーカルが圧倒的な余韻を残す「20000V放電」。ひたすらにロックンロールバンドとしてのかっこよさ、男らしさを放出しながら、
「次はいよいよお待ちかね、a flood of circleの登場だ!」
とフラッドにしっかりバトンを手渡した。見た目は取っ付きづらいというか、怖く見えるが、その奥にはちゃんと人間らしさがある。だからツイッターが炎上してしまったりもするんだけど。
1.BREACH
2.Phantom
3.ニヤ
4.トワイライト
5.Traffic
6.20000V放電
ニヤ
https://youtu.be/MGEEt2VTFWw
・a flood of circle
そして長かった1日も終わりの時を迎えようとしている。この日の主催者である、a flood of circleがいよいよ登場。
いつものSEで3人とサポートギタリストの青木テツがステージに現れると、1曲目は
「サーカスへみんなようこそ」
とまるでこのイベントのたまに書かれたかのような(この曲がリリースされた当時はまだこのイベントは始まっていなかった)「フェルディナン・グリフォン・サーカス」でスタート。ステップを踏みながらギターをかき鳴らすテツも、The Hosomesの時に喉の心配をした亮介も実に絶好調というか、対バンツアーを経てここまで辿り着いた、というのが実によくわかる状態の良さである。
続けざまの「Dancing Zombiez」、さらに「泥水のメロディー」ではダイブが起きながら、幅広い時代からの曲を短い時間に詰め込んでみせ、渡邉とHISAYOはツアーを振り返ったMCをするも、
HISAYO「リズム隊なのに普段から会話が噛み合わない(笑)」
と言った直後に2人同時に喋り出そうとするという奇跡的な噛み合わなさを見事に発揮してくれる。
「生まれ変わるのさ 今日ここで変わるのさ」
という「NEW TRIBE」の歌詞がいつも以上に大きな意味を持ったものであると気づくのはこの40分くらい後だが、亮介はブルースマンらしくギターをつまびきながら、
「このサーカスは俺の自慢なんだ。メンバーもスタッフも出てくれてる仲間も、こうして見に来てくれているみんなも。大好きだぜ。
みんなと、弥吉淳二さんに捧げます」
と、先日亡くなったことが発表された、かつてフラッドのレコーディングに参加し、ライブでもゲストギタリストとして同じステージに立った弥吉淳二へ飛び切りロマンチックな「Honey Moon Song」を送る。この曲がいつにも増して本当に素晴らしかったのは、そうした込めた思いのようなものがあったからだが、なぜこうしてずっとフラッドを追いかけ続けているのかというと、カッコいいのは大前提であるとして、本当に曲が最高に良いからである。それがずっと続いているから、ずっとこうしてフラッドを聴いて、ライブに来るのがやめられないでいる。
それはいよいよ発売が来週に迫ったフルアルバムの、UNISON SQUARE GARDENの田淵がプロデュースした新曲「ミッドナイト・クローラー」も間違いなくそうで、田淵だからこそのポップなエッセンスは確かに注入されているが、2コーラス目のトーキングブルース的なパートなどは、あくまでフラッドのど真ん中のロックンロールとして仕上がっている。これもまた田淵がずっとフラッドを見てきた存在だからこそだろう。
「俺、今日ならどこまでも歩けそうな気がする!」
と亮介がハンドマイク状態で客席にダイブし、さらには観客の上を練り歩く「Black Eye Blues」はもはや完全にライブでの定番曲になっているが、この日聴くと、全都道府県ツアーや全曲演奏ライブをこれまでに経てからこそのこの日であるということを実感させられる。
そしてラストはこのサーカス的な装飾に実によく似合う「Flayer's Waltz」で次々に観客がFlayerとなって転がって行って終了。
アンコールではまずは亮介が1組ずつこの日の出演者へのコメントを。
「SIX LOUNGEは、本人たちはそう言われるのは嫌だろうけど、20歳くらいですごい若くて。ツアーにも今日にも出てもらったんだけど、あいつらをみんなに紹介したいと思って。
The Hosomesは…というか、ヤスさんはステージに立つのが1年半ぶりで。先輩だからあえて言うけど、早くDOESやれ、バーカ!
髭はずっと俺は須藤さんに憧れてて。ああいう人になりたいって。いつも会うとそう言うんだけど、毎回はぐらかされるっていう(笑)でもライブは誘うと出てくれるっていう(笑)
CHAIは俺がやってるラジオでかけたんだけど、みんな度肝を抜かれたでしょ?ネオカワイイって言われてるけど、本当にカッコいいバンドだと思ってます。
ユニゾンはさっき言ってたけど、本当に大学生の頃からの付き合いで。斎藤君も貴雄君もTBC(田淵)もずっと変わらないけど…変わらないままで最高なバンドになったな、って思います。
Largeはすごいデカい借りっていうか恩義があって。まだ面識ない時に俺らを自主企画に呼んでくれて。でも俺たちは客を1人も呼べなかったの。0人。なのに小林兄弟は俺たちにちゃんと交通費をくれたんだよね(笑)本当に良いやつらですよ」
と長々と語ったが、その後にこのバンドの受難の歴史でもある、ギタリストたちの歴史を語り、テツに
亮介「テツ、公募から参加してどのくらいだっけ?」
テツ「2年くらい」
亮介「もう2年か…。どうする?入る?(笑)」
テツ「軽いよぉ~!入るよぉ~!」
と問いかけ、ついにバンドに正式加入が決定。それこそ岡庭が失踪してからは、奥村大や曽根巧を始め、このバンドは様々なギタリストに助けられ、支えられてここまで転がり続けてきた。ついにこいつだ!と思って正式メンバーになったDuranもサポートメンバー以上にあっさりとバンドから去った。そういう過去がある以上、公募してすぐに正式メンバーに、というわけにはいかなかったのだろう。一緒に音を鳴らして、ツアーを廻って、音楽的にも人間的にもこいつなら絶対大丈夫だ、そう思えるようになるまでは正式メンバーを迎えることはできなかったのだろう。だがテツはその条件をしっかり満たし、何よりも
「これまで色んな人がこのステージに立ったのを見てきただろうけど…フラッドのギターは俺で終わり!」
と、このバンドに骨を埋める覚悟を持って参加してきたから。最強のサポートと言われていたキョウスケには戻るべき場所があった。でもテツにはここしかない。だからギターだけじゃなくてコーラスもするし、この後に演奏された新曲「Blood & Bones」や「ベストライド」では亮介に促されて、声が潰れるくらいの力を振り絞って歌った。もう、見ている方は感動してしまって、楽しいんだけど涙を堪えるのに必死だった。フラッドの正式メンバーになるっていうことは、これまでに参加した数えきれないギタリストたち(それこそもう一緒に音を鳴らせない弥吉淳二も含めて)が繋いできたバトンのアンカーを任されたということだから。テツも感極まっている感じはあったけれど、よく泣かないでライブを完遂できたなぁと思う。
アルバムタイトルがセルフタイトルであることが発表された時、なぜ今になってセルフタイトル?最初のミニアルバムもそうだったじゃん?など様々なファンのリアクションがあった。その答えはこの新しいフラッドの始まりのアルバムだからだった。今まで参加したすべてのギタリストを見てきたけれど、今のフラッドが1番カッコいい。それはもうここにいる人たちはみんなわかっていることだけど、これからバンドはアルバムとツアーでそれを証明しにいく。今年も本当に楽しくなりそうだし、フラッドファンには忘れられない1年になるのは間違いない。
ライブが終わると、早くも外には4人バージョンの新たなアー写がたくさん貼られていた。いつだって、フラッドのベストはいつも今だった。そしてそれはこれからさらに更新されていく。3人じゃなくて、この4人で。岡庭の失踪から9年。フラッドはついに4人になった。そして誰しもがそれを心から祝福していた。
亮介は観客に
「大好きだぜ」
って言っていたが、いつだってこっちもそう思ってたんだ。この4人で、日本をひっくり返しに行こう。
1.フェルディナン・グリフォン・サーカス
2.Dancing Zombiez
3.泥水のメロディー
4.NEW TRIBE
5.Honey Moon Song
6.ミッドナイト・クローラー
7.Black Eye Blues
8.Flayer's Waltz
encore
9.Blood & Bones
10.ベストライド
ミッドナイト・クローラー
https://youtu.be/-WyoEnUmY44
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a flood of circle
Large House Satisfaction
The Hosomes
UNISON SQUARE GARDEN
CHAI
髭
SIX LOUNGE
というロックンロールというフラッドの軸はしっかりとありながら幅広いラインアップとなった、この日の渋谷のO-EASTでのフェス形式のイベントである。もはやワンマンで幕張メッセすらも埋め尽くしているUNISON SQUARE GARDENをこのキャパで見れるのはかなり貴重、ということもあってか、チケットはソールドアウト。
「サーカス」をタイトルに掲げている通り、会場内にはロックンロールバンドのライブとは思えないような華やかな装飾があることにより、非日常感を感じることができる。またカレーやホットドッグが売られている飲食ブースに加え、フェイスペインティングブースもあるなど、音楽以外にも様々な楽しみを提供している。
開演時間の16時半になると、いつものように革ジャンを着たフラッドの佐々木亮介がステージに登場。
「本当にこのサーカスは俺の自慢なんだ。このまま巡業したいと思ってる」
と主催者らしい挨拶をしてから、トップバッターへ。
・SIX LOUNGE
トップバッターは大分のロックンロールの新星スリーピースバンド、SIX LOUNGE。
山口優盛が挨拶すると、
「この汗と感情 愛しい君に届け」
と「俺のロックンロール」を歌い始めると、
「生きている実感できる 場所はいつでもライブハウス!」
というフレーズを叫ぶように歌い、すでに超満員の客席から大きな歓声が上がる。さらに「歌え!」と言うとドラムのナガマツの荒々しい歌唱に合わせて合唱が起こる。
「付き合いはどっちかというとここ最近!そんな俺たちを大事なトップバッターにしてくれたa flood of circle、本当にありがとうございます!トップバッターの意味っていうのも考えたんだけど、わからない方がいいのかな、って」
と頭よりも体と衝動、というロックンロールバンドとしての姿勢でひたすら攻めまくっていくのだが、フラッドなどを代表するロックンロールバンドには「濃さ」に加えて「重さ」がある。でもこのバンドには「濃さ」はあれど、「重さ」はほとんど感じない。それはこのバンドのロックンロールが革新性や技巧を一切感じさせない、ひたすらに人間の内なる衝動を放出するようなタイプのものであり、薄暗いライブハウスが生きる場所ではあれど、まばゆいくらいに輝きを放っている。
こうした若手バンドが出てきたことは本当に頼もしい限りだが、まだまだいけるバンドだと思う。フラッドの「Baffalo Dance」やTHE BAWDIESの「IT'S TOO LATE」のような、これぞ!という曲が出てきた時、このバンドは一気にこの規模では収まらないくらいの存在になると思う。
1.俺のロックンロール
2.STAR SHIP
3.ふたりでこのまま
4.メリールー
5.大人になる前に死んでやる。
6.プラマイゼロ
7.トラッシュ
8.僕を撃て
僕を撃て
https://youtu.be/ZLLwSWM8qQc
・The Hosomes
フラッドの佐々木亮介、爆弾ジョニーのキョウスケ、DOESの赤塚ヤスシ、go!go!vanillasのジェットセイヤという、目が細いロックンローラー4人(だからか顔がみんな似ている気がする)によって結成された、ある意味ではこの日の目玉とも言える、The Hosomes。サブステージ(ステージを二つ作れるのがO-EASTの特徴である)のトップバッターとして登場。
全員が黒の革ジャンにサングラスという、ロックンロールの形そのもの、的な出で立ちで登場すると、このバンドのオリジナル曲と思われる曲で始まるのだが、これが完全にこの4人が集まったからこそ、というロックンロールナンバーであり、即席感や急造感は一切感じないくらいにライブバンドとして仕上がっている。ネットでも最近喉の調子が良くないという声も聞いていたので、この時点では亮介の声があまり出ていないようにも感じてしまい、トリのフラッドのライブは大丈夫だろうか、と若干心配になってしまったが。
するといきなりジェットセイヤがドラムを連打しまくりながら歌い始めたのは、自身のバンドで手がけた、「Ready Steady go!go!」。もはや完全に勢いで突っ走るという、バニラズは近年は様々なサウンドを取り入れて進化しているが、その土台を支えるセイヤはどこまでいってもロックンローラーであるということが、続くラモーンズ「電撃バップ」の日本語カバーからもよくわかる。
「目が細いと見えてないように思われるけど、見てないようで見てるから!」
とHosomesだからこその細目MCもありながら、
「俺の修羅が騒ぐ!」
と言うと、まさかのDOESの「修羅」を亮介ボーカルで披露。活動休止後は各々の活動も未だ不透明(ヤスに関しては活動休止ライブ以来、1年半ぶりのステージである)なだけに、こうしてバンドが残した曲を聴ける機会があるというのは実にいいことであるし、こうして誰かが歌い継いでいくことによって、リアルタイムでは出会えなかった人たちがDOESと出会うきっかけになるかもしれない。
さらにそのヤスがまさかのメインボーカルを取る、「細目」が歌詞に盛り込まれまくったオリジナル曲までも披露され、これは完全にこのバンドはこの日限りのものではないことがわかるが、亮介が
「バンド名以外はマジだから!」
と言ったように、本気度が伝わってくる。
「俺の大好きな曲!」
と紹介された爆弾ジョニー「終わりなき午後の冒険者」では亮介のその好きな思いを詰め込んだかのように、
「僕の心臓の鼓動が4つ打ちじゃなくて エイトビートになってました」
の部分を叫ぶようにして歌い、キョウスケも弾きなれたギターソロを炸裂させる。革ジャンを着た亮介とキョウスケが並んでギターを弾いていると、2年くらい前の、サポートギタリストとしてフラッドにキョウスケが参加していた頃を思い出す。未だにキョウスケがフラッド史上最高のサポートギタリストと言う人も多いが、その姿はこれからまた見れる機会が訪れるだろう。
さらにオリジナル曲を披露するという、始動からここまでのペースの速さと、曲のクオリティの高さにいちいち驚いてしまうが、最後にはa flood of circleの「The Beautiful Monkeys」をこのバンドで演奏し、亮介がステージから客席にダイブ。その姿を見て感化されたのか、ジェットセイヤも演奏終了後に客席に飛び込むと、ステージに戻ってくるのを待って4人が肩を組んでから缶ビールを飲み、ステージを後にした。
気が合うロックンローラー同士でバンドを組んで、それぞれの持ち曲を演奏する。それぞれ忙しいメンバーばかりだし(1人を除いて)、その日のライブを楽しんで美味しいビールが飲みたい、的なバンドになるかと思っていたが、どうやらこのバンドはそれだけではないようだ。亮介のソロもバンド編成で素晴らしいライブを見せてくれたが、このバンドも早くまたライブが見たいと思わせてくれる存在になった。
「オリンピックよりは早い周期で(笑)」
と亮介は言っていたが、年に1回くらいはこのバンドをやりません?ヤスをステージに引っ張り出すっていう意味合いも少なからずあるんだろうし。
修羅
https://youtu.be/kBQmuw3CYnE
・髭
フラッドとはこれまでにも何度か対バンしたりしているし、世代は違うとはいえ、この日のラインアップの中では名前があることに安心感を覚えるバンド、髭。
須藤寿はおなじみのサングラスをかけて登場すると、キャッチーなギターロックの「もっとすげーすげー」でスタート。斉藤の曲に合わせたアクションはかつてよりもはるかに増えているように感じる。いきなり歌詞を飛ばし、
「あれ?なんだっけ?」
と言った須藤に対し、宮川は苦笑していたが。
須藤がギターを置くと、早くもハンドマイクでステージを歩き回り、装飾の花を触ったりしながら、サイケデリックな「ネヴァーランド・クルージング」へ。動き回って汗をかいたからか、早くも上着を脱いでそれをぶん投げる須藤の動きを見切っているかのように、その上着をしっかりキャッチするスタッフとの連携はバッチリである。
と思ったらこれぞロックンロールな「黒に染めろ」、再びサイケデリックな「S.O.D.A」、近年のライブでは定番となっている、ダンサブルな「DEVIL'S ODD EYE」と、実に掴み所がないというか、こういうロックンロール色が強いイベントならばそうした方向に振り切ったセトリを組めるバンドであるけど、そうはせずにバンドの持つ様々な要素を全て見せていく。それが自分たちの魅力を最も伝えられるということが長くなったキャリアの中でわかったのだろう。
とはいえども、フラッドはもう気づいたら一緒にいた、というくらいに長く深い付き合いであることを語りながら「ロックンロールと五人の囚人」もしっかりセトリに入れてくるというサービス精神も見せながら、
「今年アルバムを出そうと思って、曲をたくさん書いてるんだけど、できたばかりの曲を今からやろうと思って。そこらの若手バンドでは怖くてできないよ!他のバンドのイベントでできたばかりの曲をやるなんて(笑)
一つ言っておきたいのは、本当にできたばかりだから、俺が間違えるかもしれない、っていうこと(笑)」
と笑わせながらバンドの最新系をしっかりと見せるのだが、その新曲「謝謝」(仮タイトル)は、新たな一面というよりは、「青空」のようなこのバンドの持つメロディの良さを感じさせてくれる、素直にストレートな良い曲。こうした曲からは、どうにも捻くれているというか素直な胸の内を言おうとしないこのバンドの根っこの部分を確かに感じることができる。
「今度は俺たちが今日の出演者を全員呼んでライブをやるよ。その時は俺たちが主催なわけで、俺たちに1番お金が入る。そうしたらそのお金でみんなにテキーラを振る舞おう。みんな来てくれるかい?」
と最後まで須藤らしいMCをしてから演奏されたのはもちろん「テキーラ!テキーラ!」で、
「ミラーボールから悪魔の子守唄」
というフレーズではそれに合わせるかのように客席の上のミラーボールが輝いていた。
髭はかつてはCOUNTDOWN JAPANなどでもメインステージに出演したりするくらいの人気を誇っていたバンドであったが、アイゴンこと會田茂一(まぁ元から期間限定加入だと思っていたが)やフィリポが抜け、なかなかそうしたバンドの変化以外で話題になることは少なくなってしまった。
それでも終わった後には周りで多くの人が
「髭、初めてライブ見たけど良かった~!アルバム買おうかな~」
と口にしていた。まだまだカッコよさは健在であるし、須藤、斉藤、宮川のフロント3人の見た目が12年くらい前に初めてライブを見た時から全く変わっていないようにしか見えないのが本当に凄い。音楽性同様、そこもこのバンドだけの魔力のようなものがあるのだろうか。
1.もっとすげーすげー
2.ネヴァーランド・クルージング
3.黒に染めろ
4.S.O.D.A
5.DEVIL'S ODD EYE
6.ロックンロールと五人の囚人
7.謝謝 (仮タイトル、新曲)
8.テキーラ!テキーラ!
もっとすげーすげー
https://youtu.be/bCx3nKS4OpU
・CHAI
すでにメディアなどでも話題沸騰中、「NEOカワイイ」を合言葉に掲げ、ネクストブレイク最有力と目されているオンナバンド、CHAI。
メンバー4人がピンクに統一された衣装を着て登場した段階で、濃いバンドばかりが集まったこの日の出演者の中でもひときわ異彩を放っているが、絞り込まれまくったサウンドの中、反復するビートが鳴らされて始まった「Sound & Stomach」で早くもメンバーが揃って同じ角度で客席に相対したり、ユウキ(ベース)が振り付けのようなパフォーマンスを見せたりと、初めて見たであろう人たちからはその歌詞のシュールさも合わせて「?????」という感情が溢れているのが目に見える。
某遊べる本屋をテーマにした「ヴィレヴァンの」ではキュートなマナのボーカルがフレーズに合わせて変化を見せるという器用な一面も見せるのだが、全員が歌唱やコーラスを務めるバンドであるだけに、てっきりメンバーそれぞれが歌い分けていると思っていたので、これは意外だった。
マナとカナの双子がステージ前まで出てきて、マドンナ「MATERIAL GIRL」のメロディで物販の紹介をする中、ユウキとユナのリズム隊は生演奏でビートを奏でる。そしてマナが壁ドンされたい芸能人の名前を次々にあげてから、壁ドンはズルい!と言って「ボーイズ・セコ・メン」、CHAIの名前を一躍知らしめた「N.E.O」と曲が続いていくと、完全に会場の空気はこのバンドのものに染め上げられていく。
突如としてメンバー全員がサングラスをかけ、
「ブーイングタイム!みんな、ムカつくやつの顔を思い浮かべながら、CHAIにブーイングしてください!」
とマナが煽るも、やはりなかなか全員がいきなり揃ってやるわけではないという状態の客席を見たユウキが、
「こういう時にいつも、おしゃれメガネと髭の奴がやらないんだよなー。お前のことだよ!やれよ!」
と客いじりをはじめ、爆笑を巻き起こすと「ぎゃらんぶー」、そしてユナによるピンクのタオルをアピールする物販紹介とメンバーそれぞれのキャラを短い時間でしっかり見せるというバンドとしてのライブでの見せ方を上手くアピールし、ラストは「sayonara complex」であっという間に衝撃を残していった。
iTunesにCHAIのCDを入れると、「エレクトロニカ」というジャンルに分類される。確かにあえて既存のサウンドのジャンルに当てはめようとするとそうなるのかもしれないが、どこをどう切ってもこのバンドにしかできないことしかやっていないという点ではこのバンドは精神的にロックンロールそのものだし、その姿は「カワイイ」ではなくて紛れもなく「カッコイイ」。それこそがこのステージに立った理由。
1.Sound & Stomach
2.ヴィレヴァンの
3.ボーイズ・セコ・メン
4.N.E.O
5.ぎゃらんぶー
6.sayonara complex
N.E.O
https://youtu.be/YMGf3zyhG94
・UNISON SQUARE GARDEN
つい先日には幕張メッセをもワンマンで埋め尽くしたUNISON SQUARE GARDENがO-EASTに出るというのは現在の状況を考えるとかなり貴重である。リリースを翌週に控えたフラッドの新作アルバムにおいて、田淵がプロデュースした曲も収録されているが、そもそもははるか昔からフラッドと交友があるバンドであり、2009年のフラッドの「Baffalo Soul」リリースツアーのファイナルであった代官山UNITにもこのバンドが対バンとして出演している。
おなじみイズミカワソラ「絵の具」のSEでメンバーが登場すると、やはりこの日ここまでで最大の大歓声に出迎えられる。するといきなりの「Silent Libre Mirage」からスタートし、斎藤が
「UNISON SQUARE GARDENです!よろしく!」
と挨拶すると、すぐさま会場は熱気で満たされていく。
ツアーが終わったばかりのタイミングなので、当然バンドの状態は最高潮。「カラクリカルカレ」で田淵がぐるんぐるんと回りながらベースを弾く姿に笑いが起こると、「10% roll, 10% romance」では一切のズレや狂いも許されないような難解な演奏がかみ合わさっていくことでポップさを生み出していく。
幕張メッセのライブ時は最新アルバム「MODE MOOD MODE」がリリースされた直後というタイミングであったが、ライブ自体はあくまでその前のシングルのリリースツアーのファイナルという位置付けだったために、アルバム曲は披露されておらず、アルバムツアーが始まるまではこうしたイベント出演がアルバム曲をライブで聴ける機会となる。この日披露されたのはアルバムの中でも最も不穏な、タイトル通りにジャングリーなサウンドの「MIDNIGHT JUNGLE」。この曲はサビの最後に「テキーラ!」というフレーズがあるだけに、「Tequila Club」という曲を持つフラッドと、「テキーラ!テキーラ!」という曲を持つ髭へのリスペクトを込めた選曲だと思うのは考えすぎだろうか。サビの「もったいない」のフレーズでは田淵のみならず鈴木も手数の多さをものともせずにコーラスを務める。
久々の「マスターボリューム」に歓喜の声が上がる中(それこそ9年前の対バン時もやっていた曲だ)、普段のフェスやイベントではMCを全くしないということも多い斎藤が、
「僕らとフラッドが仲良くなったのはここ最近だと思ってる人も多いと思うんだけど、実は10年以上前、それこそ大学生の頃からずっと知り合いで。当時、佐々木君はフレッシュネスバーガーでバイトしてたんだけど、そこを冷やかしで
「おはようございます、泥水のコーヒーをください」(亮介の声マネで)
って言ったら、嫌な顔一つせずに
「はい、アイスコーヒーです」
って返されて(笑)(田淵爆笑)」
と、お互いに何者でもなかった時代から知るものだからこそのエピソードを開陳。フラッド側(というか亮介)から田淵の話をしたことは何度かあるが、こうしてユニゾン側からフラッドの話をすることはほとんどない。間違いなくこれはこの日、このイベントだったからこそ。
打ち込みのホーンの音も使った最新作のエンディングナンバー「君の瞳に恋してない」では田淵のコーラスも使ってバンドのポップさを最大限に発揮したかと思いきや、一転して「天国と地獄」では田淵が暴れまくりながら、スリーピースのロックバンドの限界に挑むかのようなスリリングな演奏が展開される。
そしてあっという間のラストはやはりこの曲は今やライブでやらないという選択肢はないんだろうな、という「シュガーソングとビターステップ」。田淵が斎藤の方まで行っていつも以上に暴れまくったからか、見慣れているはずの斎藤が明らかに笑いを堪えながら歌っているというレアな光景も見れた。それもまた、お互いをよく知っているフラッドの記念すべきツアーファイナルだからだろうか。
かつてと比べたら両者にはかなり大きな差ができてしまったように見える。形を変え続けながら転がり続けてきたフラッドと、全く自分たちを変えることなく歩いてきたユニゾン。しかしその絆であり信頼は全く変わっていないどころか、より強くなっているように見える。今はユニゾンの集客に助けられていたり、田淵プロデュースというトピックにフックアップされているようにも見えてしまうだろうが、いつかまた、同じくらいの高さまでフラッドが追いついた時に、ガチンコのツーマンが最も見たいバンド。
1.Silent Libre Mirage
2.カラクリカルカレ
3.10% roll, 10% romance
4.MIDNIGHT JUNGLE
5.マスターボリューム
6.君の瞳に恋してない
7.天国と地獄
8.シュガーソングとビターステップ
君の瞳に恋してない
https://youtu.be/OnM6tu5I0uI
・Large House Satisfaction
今回の出演者の中では互いに「ロックンロール」を掲げており、フラッドと音楽的な距離感が最も近いバンドと言える、Large House Satisfaction。フラッドの直前、サブステージのトリという重要な位置での出演である。
賢司は相変わらずの黒の革ジャン着用で威圧感が凄まじいが、ライブ会場限定販売シングルの「BREACH」から、バンドの気合いが凄まじい。要司は元からがなりたてるようなボーカルのスタイルだが、この日は完全に他のバンドを見にきた人たちを喰ってやろうという意思が見えるくらいに漲っている。
ライブではおなじみの「Phantom」で客席からもコーラスの声が上がると(意外なくらいに後ろの方まで手を挙げて声も出ていた)、
要司「CHAIめちゃ良かったね」
賢司「俺は髭がめちゃ良かったです!ずっとフロアで全バンドのライブ見てたけど、こんなかっこいいバンドばっかり見れてギャラも貰えるなんて最高過ぎじゃない?(笑)
出番が遅いから酒が飲めないのがキツいけど(笑)」
とこの日を楽しみまくっていた小林兄弟によるMCで笑わせながら、
要司「お金が大好きでして…。そういう欲望にまみれた歌」
と紹介された「ニヤ」、
「今日も外に出たら月が見えるはず」
と紹介された「トワイライト」と、ロックンロールバンドとしての重さは持ったまま、ポップさを感じさせる曲にシフトしていく。
SIX LOUNGEのところで「重さをほとんど感じない」と書いたが、このバンドはひたすら濃くてひたすら重い。曲や歌詞の世界観も夜や闇が似合うダークなものであり、ある意味ではこの日の出演者で最もロックンロールなバンドと言える。それはかなり好き嫌いが分かれる要素でもあるのだが、間違いなくこのバンドにとっての最も大きな個性である。
こちらもライブではおなじみの「Traffic」で要司が観客に合唱を煽ると、ラストは
「何もかも消えちまえ」
という要司の咆哮のようなボーカルが圧倒的な余韻を残す「20000V放電」。ひたすらにロックンロールバンドとしてのかっこよさ、男らしさを放出しながら、
「次はいよいよお待ちかね、a flood of circleの登場だ!」
とフラッドにしっかりバトンを手渡した。見た目は取っ付きづらいというか、怖く見えるが、その奥にはちゃんと人間らしさがある。だからツイッターが炎上してしまったりもするんだけど。
1.BREACH
2.Phantom
3.ニヤ
4.トワイライト
5.Traffic
6.20000V放電
ニヤ
https://youtu.be/MGEEt2VTFWw
・a flood of circle
そして長かった1日も終わりの時を迎えようとしている。この日の主催者である、a flood of circleがいよいよ登場。
いつものSEで3人とサポートギタリストの青木テツがステージに現れると、1曲目は
「サーカスへみんなようこそ」
とまるでこのイベントのたまに書かれたかのような(この曲がリリースされた当時はまだこのイベントは始まっていなかった)「フェルディナン・グリフォン・サーカス」でスタート。ステップを踏みながらギターをかき鳴らすテツも、The Hosomesの時に喉の心配をした亮介も実に絶好調というか、対バンツアーを経てここまで辿り着いた、というのが実によくわかる状態の良さである。
続けざまの「Dancing Zombiez」、さらに「泥水のメロディー」ではダイブが起きながら、幅広い時代からの曲を短い時間に詰め込んでみせ、渡邉とHISAYOはツアーを振り返ったMCをするも、
HISAYO「リズム隊なのに普段から会話が噛み合わない(笑)」
と言った直後に2人同時に喋り出そうとするという奇跡的な噛み合わなさを見事に発揮してくれる。
「生まれ変わるのさ 今日ここで変わるのさ」
という「NEW TRIBE」の歌詞がいつも以上に大きな意味を持ったものであると気づくのはこの40分くらい後だが、亮介はブルースマンらしくギターをつまびきながら、
「このサーカスは俺の自慢なんだ。メンバーもスタッフも出てくれてる仲間も、こうして見に来てくれているみんなも。大好きだぜ。
みんなと、弥吉淳二さんに捧げます」
と、先日亡くなったことが発表された、かつてフラッドのレコーディングに参加し、ライブでもゲストギタリストとして同じステージに立った弥吉淳二へ飛び切りロマンチックな「Honey Moon Song」を送る。この曲がいつにも増して本当に素晴らしかったのは、そうした込めた思いのようなものがあったからだが、なぜこうしてずっとフラッドを追いかけ続けているのかというと、カッコいいのは大前提であるとして、本当に曲が最高に良いからである。それがずっと続いているから、ずっとこうしてフラッドを聴いて、ライブに来るのがやめられないでいる。
それはいよいよ発売が来週に迫ったフルアルバムの、UNISON SQUARE GARDENの田淵がプロデュースした新曲「ミッドナイト・クローラー」も間違いなくそうで、田淵だからこそのポップなエッセンスは確かに注入されているが、2コーラス目のトーキングブルース的なパートなどは、あくまでフラッドのど真ん中のロックンロールとして仕上がっている。これもまた田淵がずっとフラッドを見てきた存在だからこそだろう。
「俺、今日ならどこまでも歩けそうな気がする!」
と亮介がハンドマイク状態で客席にダイブし、さらには観客の上を練り歩く「Black Eye Blues」はもはや完全にライブでの定番曲になっているが、この日聴くと、全都道府県ツアーや全曲演奏ライブをこれまでに経てからこそのこの日であるということを実感させられる。
そしてラストはこのサーカス的な装飾に実によく似合う「Flayer's Waltz」で次々に観客がFlayerとなって転がって行って終了。
アンコールではまずは亮介が1組ずつこの日の出演者へのコメントを。
「SIX LOUNGEは、本人たちはそう言われるのは嫌だろうけど、20歳くらいですごい若くて。ツアーにも今日にも出てもらったんだけど、あいつらをみんなに紹介したいと思って。
The Hosomesは…というか、ヤスさんはステージに立つのが1年半ぶりで。先輩だからあえて言うけど、早くDOESやれ、バーカ!
髭はずっと俺は須藤さんに憧れてて。ああいう人になりたいって。いつも会うとそう言うんだけど、毎回はぐらかされるっていう(笑)でもライブは誘うと出てくれるっていう(笑)
CHAIは俺がやってるラジオでかけたんだけど、みんな度肝を抜かれたでしょ?ネオカワイイって言われてるけど、本当にカッコいいバンドだと思ってます。
ユニゾンはさっき言ってたけど、本当に大学生の頃からの付き合いで。斎藤君も貴雄君もTBC(田淵)もずっと変わらないけど…変わらないままで最高なバンドになったな、って思います。
Largeはすごいデカい借りっていうか恩義があって。まだ面識ない時に俺らを自主企画に呼んでくれて。でも俺たちは客を1人も呼べなかったの。0人。なのに小林兄弟は俺たちにちゃんと交通費をくれたんだよね(笑)本当に良いやつらですよ」
と長々と語ったが、その後にこのバンドの受難の歴史でもある、ギタリストたちの歴史を語り、テツに
亮介「テツ、公募から参加してどのくらいだっけ?」
テツ「2年くらい」
亮介「もう2年か…。どうする?入る?(笑)」
テツ「軽いよぉ~!入るよぉ~!」
と問いかけ、ついにバンドに正式加入が決定。それこそ岡庭が失踪してからは、奥村大や曽根巧を始め、このバンドは様々なギタリストに助けられ、支えられてここまで転がり続けてきた。ついにこいつだ!と思って正式メンバーになったDuranもサポートメンバー以上にあっさりとバンドから去った。そういう過去がある以上、公募してすぐに正式メンバーに、というわけにはいかなかったのだろう。一緒に音を鳴らして、ツアーを廻って、音楽的にも人間的にもこいつなら絶対大丈夫だ、そう思えるようになるまでは正式メンバーを迎えることはできなかったのだろう。だがテツはその条件をしっかり満たし、何よりも
「これまで色んな人がこのステージに立ったのを見てきただろうけど…フラッドのギターは俺で終わり!」
と、このバンドに骨を埋める覚悟を持って参加してきたから。最強のサポートと言われていたキョウスケには戻るべき場所があった。でもテツにはここしかない。だからギターだけじゃなくてコーラスもするし、この後に演奏された新曲「Blood & Bones」や「ベストライド」では亮介に促されて、声が潰れるくらいの力を振り絞って歌った。もう、見ている方は感動してしまって、楽しいんだけど涙を堪えるのに必死だった。フラッドの正式メンバーになるっていうことは、これまでに参加した数えきれないギタリストたち(それこそもう一緒に音を鳴らせない弥吉淳二も含めて)が繋いできたバトンのアンカーを任されたということだから。テツも感極まっている感じはあったけれど、よく泣かないでライブを完遂できたなぁと思う。
アルバムタイトルがセルフタイトルであることが発表された時、なぜ今になってセルフタイトル?最初のミニアルバムもそうだったじゃん?など様々なファンのリアクションがあった。その答えはこの新しいフラッドの始まりのアルバムだからだった。今まで参加したすべてのギタリストを見てきたけれど、今のフラッドが1番カッコいい。それはもうここにいる人たちはみんなわかっていることだけど、これからバンドはアルバムとツアーでそれを証明しにいく。今年も本当に楽しくなりそうだし、フラッドファンには忘れられない1年になるのは間違いない。
ライブが終わると、早くも外には4人バージョンの新たなアー写がたくさん貼られていた。いつだって、フラッドのベストはいつも今だった。そしてそれはこれからさらに更新されていく。3人じゃなくて、この4人で。岡庭の失踪から9年。フラッドはついに4人になった。そして誰しもがそれを心から祝福していた。
亮介は観客に
「大好きだぜ」
って言っていたが、いつだってこっちもそう思ってたんだ。この4人で、日本をひっくり返しに行こう。
1.フェルディナン・グリフォン・サーカス
2.Dancing Zombiez
3.泥水のメロディー
4.NEW TRIBE
5.Honey Moon Song
6.ミッドナイト・クローラー
7.Black Eye Blues
8.Flayer's Waltz
encore
9.Blood & Bones
10.ベストライド
ミッドナイト・クローラー
https://youtu.be/-WyoEnUmY44
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