COUNTDOWN JAPAN 16/17 day3 @幕張メッセ 12/30
- 2017/01/01
- 16:41
3日目。前日ほどには感じないが、やはりソールドアウトしているだけあってかなり人は多い。
12:00~ GLIM SPANKY [COSMO STAGE]
この日のCOSMO STAGEのトップバッターはGLIM SPANKY。去年はBUMP OF CHICKENとかぶり気味という時間帯だったためにかなりキツい動員だったが、今年はMONGOL800と岡崎体育というツワモノの裏でもしっかり人を集めている。
不穏なSEが鳴ってからおなじみのサポートメンバーを加えて松尾レミと亀本寛貴が登場し、どっしりとしたロックンロールサウンドに松尾のロックンロールに選ばれた歌声が乗り、観客も加えてのコーラスが起こる「NEXT ONE」からスタートし、映画版ONE PEACEの主題歌としてこのバンドの名を広めた「怒りをくれよ」でさらにサウンドは力強くなっていく。
「和製ジャニス・ジョップリン」とも評される松尾の声ばかりに注目が集まりがちだが、このバンドのロックンロールサウンドの軸は亀本のギターである、と断言したくなるくらいに亀本のギターは凄まじくかっこいい。これでまだ20代中盤というのが恐ろしくもある。
「闇に目を凝らせば」でバンドの深いグルーヴに浸らせ、「いざメキシコへ」の軽快なリズムで踊らせると、存在感抜群の声を放っている松尾が
「低血圧、低体温なんで、私は早起きがすごく苦手なんですよ(笑)だからこの時間に集まってくれるみなさんのありがたさが身にしみる」
とその歌声の力強さとは裏腹のか弱い女子MCをすると、「大人になること」というおなじみの曲紹介をしてからの「大人になったら」。このバンドの中で最も重要な曲と言っていいブルースソングだが、未だに大人になりきれないと自覚している自分のような存在にとっては、この曲は死ぬまで刺さり続けていくのだろう。ラストサビの一気に音で埋め尽くす演奏も最高。
そしてラストは「ワイルドサイドを行け」で一気に走り抜け、バンドにとって最大の躍進となった2016年を締めた。
ロックンロールとブルースを現代の日本で更新し続けるという先人にはTHE BAWDIESという存在がいるが、GLIM SPANKYは日本語でそれをやろうとしている。そこに大きな可能性を感じるし、現状女性ボーカルで1番そこに近いのはこのバンド。
1.NEXT ONE
2.怒りをくれよ
3.闇に目を凝らせば
4.いざメキシコへ
5.大人になったら
6.ワイルドサイドを行け
怒りをくれよ
https://youtu.be/4ZIMFp2YnVs
12:30~ lovefilm [MOON STAGE]
このフェスでもGALAXY STAGEのトリや年越しなど、数々の名場面を作ってきたthe telephonesの石毛とノブが新バンド、lovefilmとして帰還。the telephones初出演時と同じMOON STAGEへの出演である。
江夏詩織が革ジャンというロックな出で立ち、石毛はさらに髪がさっぱりしてtelephones時代のモジャモジャっぷりが全くなくなっている中、序盤はおなじみのアッパーな曲たちで観客も手を挙げて、メンバーに合わせて声を出している。
すでにワンマンツアー以降は新曲をガンガンやっているが、今回ももちろん新曲も披露。石毛がメインボーカルのロマンチックな曲と、抑えめな展開から一気に轟音になる曲。未だにリリース予定はないが、果たしてどんな形で聴けるのだろうか。
「みんな、飲んでるかい?まぁ飲めない人もいるもんね。でも飲めない人でも音楽で酔えば大丈夫。そういう音楽のバンドです!」
と珍しく気の利いたことを石毛が言い、その言葉通りに音楽に浸らせる「Kiss」「Hours」という喪失感と切なさを感じさせるバラード曲を続けて、このバンドでの初のこのフェスを締めた。
the telephonesが初出演した時はこのステージの中に入れないくらいの人が押し寄せ、入場規制がかかり、外でたくさんの人が踊っているという状況になった。まさに階段をすごい勢いで登り始めていたところで、そういうまさに駆け上がっていく姿を見ているのが本当に楽しかった。規模も状況もその頃とは違うが、石毛とノブがまたそうやって階段を駆け上がっていくところをまた見ることができる。それは本当に幸せなこと。
1.Goodbye,Goodnight
2.Vomit
3.新曲
4.新曲
5.Kiss
6.Hours
Kiss
https://youtu.be/YsopBGIO2Bg
13:15~ クリープハイプ [EARTH STAGE]
すっかりEARTH STAGEがおなじみになったクリープハイプ。今年も多くの人が待ち受ける中、SEもなしにメンバーがステージに現れると尾崎世界観が、
「こんな景色を前にしたらなんて言えばいいのかわからないので、10秒だけ時間をください」
と言い、ステージ前まで出ていってまさかの投げキス。当然客席からはどよめきが起こると、「イノチミジカシコイセヨオトメ」からスタートするのだが、やはりこのバンドというか尾崎は実にスロースターターであるというのを改めて実感せざるを得ないくらいに声が出ていない。それはフェスでもワンマンでもそうだが、声が出ていて欲しい曲であるだけにちょっともったいない。
シングル曲を続けながら尾崎の声もちょっとずつ出てくるようになると、
「今年は良い年でした。来年も良い年にしたいですね。鬼良い年にしたいですね」
と言って突入した、ブラックミュージックのエッセンスを導入した「鬼」では歌詞の「津田沼の六畳間」を「幕張の六畳間」とこの日ならではの総武線数分駅だけ変えるアレンジに大きな歓声が上がる。
さらに
「知ってる曲で楽しむのもいいけど、知らない曲を聴いてちょっとでも好きな曲が増えて帰ってくれたらと思います」
と言って演奏されたのは、今年リリースの傑作アルバム「世界観」収録の、ベースのカオナシがキーボードを弾き、尾崎がギターを弾かずに歌唱に専念する「5%」。歌詞はさすが尾崎という言葉の使い方だが、MCの通りにこうしたアルバム曲、ましてやしっとりした曲をフェスでやるという勇気は素晴らしい。アルバム発売前のロッキンでもやっていたが。
季節外れの夏の歌「憂、燦々」から尾崎が来年もオレンジの光が射す方へ進んでいくことを決意した「オレンジ」、まさに「今を愛してる」としか言えない「社会の窓」とキラーチューンを続けると、カオナシのベースがうねる「HE IS MINE」で
「今日は父のマサルが見にきてるんで、親の前であれを言うのもなんだけど、マサルがあれをしたからこうして生きてるわけで…(笑)
なのでマサルのフェス童貞を卒業させるべく、大きな声でお願いします」
と尾崎が笑わせての大「セックスしよう!」を響かせて2016年を締めくくった。
ここ数年のクリープハイプの活動の中で来年が1番期待できるのは、「世界観」というこれまでのアルバムとは全く違う手法と方法論を使って作ったアルバムが本当に良いアルバムだったから。だからこそこれからさらにいろんなタイプの曲が生まれてくる予感がしている。そういう意味で、これからのこのバンドに期待せざるを得ない。
1.イノチミジカシコイセヨオトメ
2.エロ
3.百八円の恋
4.鬼
5.5%
6.憂、燦々
7.オレンジ
8.社会の窓
9.HE IS MINE
鬼
https://youtu.be/TEviDZgKl1w
14:10~ TOTALFAT [GALAXY STAGE]
GALAXY STAGEの番人その1。もはやロッキンのフェスの特攻隊長的な存在のTOTALFATである。
金髪のいつまでも若々しいJoseとキャップを被ってキッズ感満載のShunが人差し指を差し出すと、いきなり飛び跳ねまくりの「ONE FOR THE DREAMS」からスタートし、Kubotyの超絶ギターが冴えまくる「Place To Try」では大合唱と肩を組んで廻るサークルが発生。「夏のトカゲ」ではタオルがガンガン回り、完全にこのステージの中だけは夏模様に、と序盤から全曲クライマックスみたいな凄まじい盛り上がりぶりに。
しかしShunがこのライブに対する意気込みを語ると、
「ここに来たくても来れなかったやつの分までみんなには楽しんで欲しい。今日が命日の友達のために」
と、2012年のこの日に他界した、Pay money To my PainのKに「This Life」を捧げる。この時だけは、お祭り騒ぎではなく、バンドも観客もいなくなった人に想いを馳せながら聴き入るといった感じだった。
しかしながらやはりそこは特攻隊長TOTALFAT 。すぐさま「宴の合図」で再びモッシュの嵐に変え、「Room45」では大合唱と全速力サークルという汗が飛び散りまくる、これぞパンクバンド!という状況になっていく。
そしてラストは「みんな大好きだろ!」というお待ちかねの「PARTY PARTY」で踊らせまくり&歌わせまくりで、今年も特攻隊長としての任務を見事に完遂してみせた。この勢いで2時間くらいやられたら絶対みんな体が持たないな、と思ってしまうくらいのとんでもないテンションだった。
今でこそWANIMAやフォーリミという新世代のパンクバンドが出てきたが、それまでこのフェスでは大きいステージに立つパンクバンドがこのバンドとdustboxくらいしかいなかった。ある意味ではこのバンド達がダイブ禁止のこのフェスでずっとパンクの炎を守り続けてきたと言える。そういった意味でも本当に重要な、功労者的なバンドである。
1.ONE FOR THE DREAMS
2.Place To Try
3.夏のトカゲ
4.This Life
5.宴の合図
6.DA NA NA
7.Room45
8.PARTY PARTY
ONE FOR THE DREAMS
https://youtu.be/AnDlViGHrD8
14:50~ グッドモーニングアメリカ [ASTRO ARENA]
直前のTOTALFATとは高校の同級生である、グッドモーニングアメリカ。2年連続でこのASTRO ARENAへの出演である。
去年同様にすでに始まる前から超満員というこのフェスの人気ぶりは変わらず。しかし最近は入場時のたなしんのパフォーマンスはなく、すでに海パンのみで他のメンバーと一緒に登場。これはただ単にネタ切れなのか、それともその時間を曲に使おうというものなのか。
最近は定番に戻りつつある「空ばかり見ていた」でエモーショナルに始まると、ギター渡邊の挨拶的なMCも非常にテンションが高い。本人も
「今年で1番調子が良い!」
というくらいに声が出まくっている。
リリースされたばかりの最新アルバム「鉛空のスターゲイザー」からの新曲「マイライフ」は完全にパンク回帰のサウンドで、初めて聴くであろう人たちばかりでもグルグルと廻るサークルが発生するくらいの力がある。
おなじみたなしんのファイヤーもここで放たれるのだが、この日会場に家族が見にきており、楽屋で妹に「恥ずかしいからその格好をやめてくれ」と言われて凹んでいたということを明かすも、ファイヤー後はさらにテンションが上がり、最新アルバムのタイトル曲も定番曲と並んでも全く違和感がない。
そんな中、金廣が来年へ向けてのMCをすると、
「グッドモーニングアメリカの中で1番温かい曲」
と言って演奏された「境界を越えて」ではそれまでの盛り上がりではなく、バンドの人間性・優しさを感じさせる空気に。
そして最後は「未来へのスパイラル」で今回も大合唱を起こして終了。
2年前はGALAXY STAGEすら超満員、間違いなく近いうちにEARTH STAGEに行くと思われていたバンドなだけにここ数年は停滞感を感じてしまっていたが(去年の武道館もソールドアウトしなかったし)、アルバムの内容がこのバンドの持つメロディの良さを最大限に発揮したものであったため、これからまだまだいける。もう一回来年からまたもっと上を目指して欲しい。
1.空ばかり見ていた
2.拝啓、ツラツストラ
3.マイライフ
4.キャッチアンドリリース
5.鉛空のスターゲイザー
6.境界を越えて
7.未来へのスパイラル
鉛空のスターゲイザー
https://youtu.be/ublP-_POB2o
15:45~ KANA-BOON [EARTH STAGE]
今年はクローク・物販エリアに使われている幕張メッセ9~11ホールでワンマンを行なった、KANA-BOON。
ワンマン以外では本当にいつも通りというか、変わらなすぎるくらいに変わらない出で立ちでメンバーが登場すると、観客に目を覚ますことを促すように「Wake Up」からスタート。
そこからは初期の高速ダンスロックチューンを連打し、大入りの観客を踊らせまくっていく。
「一足早いお年玉を持ってきました」
と谷口鮪が言って披露されたのは、新曲「Fighter」。サウンド自体は軽快なKANA-BOONのものだが、歌詞の内容は正反対に重い。これはタイアップの「ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の内容に合わせてのことなのかもしれないが、これまでもタイアップに関係なく聴けるが、タイアップに合わせた単語とかをさりげなく入れるという絶妙な作家性を発揮してきただけに、歌詞を見ながら聴くのが楽しみになる。
カップリングとはいえCMのタイアップでオンエアされまくり、
「夜中円盤回して 一人踊り明かすのさ」
というフレーズが音楽好きなら共感せざるを得ない「Weekend」で再び軽快なダンスロックに舵を切ると、鮪がなぜか曲前の「全力で」という単語を噛みまくった「フルドライブ」では鮪が古賀の前に立ちふさがるようにしてギターを弾き、古賀がモニターに映らないようにしているのが面白い。
「外は寒いですよね」
と言って演奏された「スノーグローブ」はこの時期ならではの選曲で、ある意味では日焼け止めのタイアップに起用された「なんでもねだり」とは正反対の時期に演奏される曲になっていくのかもしれない。
「お腹空きましたよね。チャーハン食べましょう」
と言って始まったのはもちろん「ないものねだり」でコール&レスポンスも行われたのだが、曲が終わるとなぜか鮪がもう一度
「お腹空きましたよね」
と同じくだりを繰り返し、メンバーに突っ込まれる。そんなやり取りの後に演奏されたのはもちろん「ないものねだり」ではなく「シルエット」。NARUTOのタイアップになったバンド屈指の名曲だが、この曲を聴くと、超絶技巧の演奏力を持つパスピエのメンバーが「鮪さんは本当に歌が上手い」と言っていたのがお世辞でもなんでもないことがわかるくらいに鮪は本当に歌が上手い。こんなに難しい歌を毎回全く不安定さを感じさせずに歌えるのは大したものである。来年以降、また新たなチャレンジとかもしていくだろうが、そういう部分がもっと評価されるようになれば、このバンドはもっと多くの人に聴かれるようになると思う。
リハ.結晶星
1.Wake up
2.1.2.step to you
3.ウォーリーヒーロー
4.Fighter
5.Weekend
6.フルドライブ
7.スノーグローブ
8.ないものねだり
9.シルエット
Wake up
https://youtu.be/Iu_pQaLRT-Q
17:00~ MONOEYES [GALAXY STAGE]
去年はGALAXY STAGE、ロッキンでもLAKE STAGEだっただけに、メインステージではやらないんじゃないかとすら思っていた細美武士率いるMONOEYES、ロッキンオンのフェスでは初のメインステージである。
おなじみのスターウォーズのSEでメンバーが登場すると、スコット・マーフィーがメインボーカルの「Moth to Flame」から一気に駆け抜けるようにストレートなパンクロックを連発していく。そのスコットは客席に水を撒くおなじみのパフォーマンスを見せるのだが、それを見た細美は
「夏のロッキンの発言で出禁にならなくて良かったけど、それ(水撒き)で出禁になるかもね(笑)」
とやはりロッキンでのダイブ禁止ルールへの発言を気にしていたよう。
「忘年会をしよう。悲しいことや悔しいこと、悔しいことはないとダメだな。力になるから。悲しいこととかは俺たちのライブだけじゃなく、今日1日で幕張に置いていけよ」
と言ってこのライブの姿勢を決めると、スコットがその場でベースを立ててグルグルと回る「When I Was A King」、スコットメインボーカルの「Borders & Walls」と、元々は細美が被災地の東北に歌いにいくためのソロプロジェクトだったとは思えないくらいにスコットの貢献度が高い。
すると細美が「今から喋ることはお前らに直接関係ないかもしんないけど言わせてくれ」と前置きしたので、またフェスのルールに対する姿勢を言うのか?と思いきや、
「昔、ELLEGARDENをやってた時代にDEVILOCKっていうアパレルのライブイベントに出てたんだけど、そのイベントのチケットが店頭販売される日にKen YokoyamaのバンドのギターのKorinと渋谷で飲んでて。そしたら渋谷の駅前まですっごい長い行列が出来てたから、ちょっと何の列か聞こうぜって言って、これ何の列?って並んでるやつに聞いたら、「あんたのライブのチケットの列だよ」って言われて(笑)
駅前まで列が伸びてて、しかもそいつらはみんな徹夜で並んでる。申し訳ねぇなぁって思ってたら、女の子が1人の男を連れてきて。「細美さん、こいつがピカチュウです!」ってその小さいけどガタイがいい戦車みたいな男を紹介してきて。知ってるやつもいるかもしれないけど、当時俺たちのライブにピカチュウの着ぐるみを着てダイブしまくってたやつがいて。そいつがポケットから封筒を出して俺に渡してきて。そしたら「人生最後の履歴書」って書いてあって。そいつは俺に認識されるために目立つ格好をして、俺にいつ会ってもいいように毎日その封筒を持ち歩いてて。俺と一緒に仕事がしたいって。だから俺は「わかった。じゃあ5年間ずっと付き合ったらスタッフにしてやる」って言って。それからそいつは雨の日も風の日も呼ばれたらすぐ飲み屋に来て、酔っ払った俺に殴られて(笑)
本当にずっと付き合ってくれたから、8年前からスタッフやってくれてたんだけど、今日が最後の現場になる」
とこの日が一緒にライブをするのが最後になるスタッフに捧げるように最新シングル「Get Up」を演奏。アウトロになると、客席からそのスタッフに向けた拍手が起こった。
こうした裏方の話は、最初に細美が言ったように観客には直接関係ないし、ともするとただの内輪ネタになりがちである。しかしそれをこの場所にいた人たち全員が共有できる感情にしてしまう。細美の放つ言葉の力とカリスマ性に改めて驚かされた。
スコットがベースを銃に見立てて戸高や客席に向けてぶっ放しまくる「明日公園で」からはラストスパート。
細美らしい生き方を説いてそれを来年以降に繋げるために走り続けることを示す「Run Run」から、ラストはやはり理想の世界を追い求めるための「グラニート」。MCが長かったことにより時間が押したので、最後は機材撤収もメンバー全員ですぐさま行った。
2016年も細美武士の作る音楽にはお世話になりっぱなしだった。これからもずっとそうでありたい。
リハ.What I Left Today
1.Moth to Flame
2.Like We've Never Lost
3.My Instant Song
4.When I Was A King
5.Borders & Walls
6.Remember Me
7.Get Up
8.明日公園で
9.Run Run
10.グラニート
Get Up
https://youtu.be/riyjAo3szbQ
18:00~ Czecho No Republic [COSMO STAGE]
前年はGALAXY STAGEの年越しを務めたCzecho No Republic、今回はCOSMO STAGEに登場。
なぜかSEがディズニーランドのエレクトリカルパレードで、砂川がミッキーマウスのモノマネをしてから「Amazing Parade」でスタート。メンバー全員気合いが入っているのがよくわかる演奏である。
ハイペースに曲を続けて踊らせまくると武井が、
「夏のロッキンで全然声が出なかったから、もう呼んでもらえないんじゃないかと思っていた」
と未だにロッキンでの悔しさを引きずっていることを語ると、ダンスミュージックよりもギターロック色の強い「MUSIC」と、今年はアルバム「DREAMS」をリリースした状況にもかかわらず、ベスト的な選曲のセトリになっている。
「今年最後の夏の花火を打ち上げよう!」
と言って始まった「Firework」では武井がハンドマイクで体を躍動させながら歌い、花火の音が鳴る中、この会場の中だけ完全に季節は夏に。
さらに「Forever Dreaming」では観客が手を左右に振りながらコーラスを大合唱し、正太郎も立ち上がりながら超人ドラマーっぷりを見せつけるドラム連打を見せ、30分という短い持ち時間に7曲を詰め込むというパンクバンドかと思うようなスピード感を持って、見事に夏のリベンジを果たしてみせた。
今年は夏を感じさせるアルバムもリリースし、ツアーはもちろん、このバンドのおかげで初めて男性限定ライブというものにも参加した。そこで普段のライブとは違う楽しさにも気付かせてもらえたので、また是非やって欲しいし、サウンドが変化し続けるこのバンドがこれからどういう方向に向かっていくのかが楽しみで仕方ない。決して聴き手に媚びるような活動はしないバンドなだけに。
リハ.ダイナソー
1.Amazing Parade
2.Oh Yeah!!!!!!!
3.No Way
4.Festival
5.MUSIC
6.Firework
7.Forever Dreaming
Forever Dreaming
https://youtu.be/9qw5ghJZgTs
18:30~ BIGMAMA [GALAXY STAGE]
GALAXYの番人その2。その1のTOTALFATの高校の後輩であるBIGMAMA。
いきなりの「荒狂曲”シンセカイ”」という激しめのスタートだったが、最新曲「Merry-Go-Round」も近年の中ではかなり激しめの曲で、客席はモッシュとサークルが連発されるのだが、そこにさらに初期の「the cookie crumbles」を投下するというもともとのパンク・メロコアのルーツを感じさせる序盤。
ただ近年は多様な音楽性を手にしているだけにその激しい流れだけで駆け抜けるはずがなく、
「まだほとんどライブでやったことない曲だけど、この景色に似合うと思うんだよね」
と言って演奏された「Make Up Your Mind ~運命に着火する~」は金井のロマンチックさを感じさせるバラード寄りの曲で、ここからは「秘密」、ベートーベン「第九」を大胆に取り入れた「No.9」で観客全員で大合唱しながら飛び跳ねまくり、ラストは今年の全ての感情をバンドが引き受けてからバンドが観客を次の年に連れて行く「Sweet Dreams」の大合唱と「MU-TOPIA」の手拍子で今年もGALAXY STAGEでのライブをやり切った。
金井は一時期の不安定さが嘘のようにしっかり声が出ているし、次々にペース良く発表される新曲の音楽性がかなり幅広いため、セトリも一時期よりも幅が広がった。しかしすぐ後ろで見ていた女性2人組が
A「the cookie crumblesやってくれたね~」
B「いや、あれやったくらいで喜んじゃってるようじゃダメなんだよ!」
とかなり辛口な感想を口にしていた。きっと彼女たちももう長いことこのバンドのライブを見てきて、一時期のセトリの変わり映えしなさに思うところがあったのだろう。
1.荒狂曲”シンセカイ”
2.Merry-Go-Round
3.the cookie crumbles
4.Make Up Your Mind ~運命に着火する~
5.秘密
6.No.9
7.Sweet Dreams
8.MU-TOPIA
Merry-Go-Round
https://youtu.be/UJ7BEvLICpA
19:30~ サカナクション [EARTH STAGE]
今年もEARTH STAGEのトリを務めるのはサカナクション。始まる前から客席は完全に超満員である。
SEが鳴るとすでにラップトップが5台並んでおり、サングラスをかけたメンバーがラップトップの前に立つとおなじみの「ミュージック」からスタート。淡々と曲が鳴らされる中、ラストサビ前にはステージが暗転してバンドセットになるという演出。そのままリリース時に大反響を呼んだPVをこの幕張メッセで撮影した「アルクアラウンド」ではステージから客席にレーザー光線が飛び交いまくる。
「夜の踊り子」ではPVにも出演している踊り子2名が登場して花を添え、近年のライブではおなじみの長尺ダンスチューン「SAKANATRIBE」では踊り子に加えて和太鼓チームGOCOOも登場して岩寺と草刈とともに和太鼓を叩きまくり、さらにトライバルな空間に。山口一郎が振り回すグラフィックポイによる映像ももはやおなじみだが、何度見ても綺麗であり、その日そのイベントでしか見れない映像には歓声が上がらずにはいられない。
「アイデンティティ」からアウトロが徐々にイントロに変化して行く「ルーキー」という流れはもはやフェスになくてはならないくらいのものになっているが、ここで最新シングル「多分、風。」を披露。80sのディスコの要素を取り入れたサウンドで元々は「渚のアップビート」というタイトルの曲だっただけに、ライブでの初聴きが夏フェスではなくて今回になったのは少し残念なくらいに夏の野外が似合いそうな曲。
さらにイントロが鳴った瞬間にレーザー光線がモニターの上にタイトルを映し出す「新宝島」、岩寺がいつにも増してエモーショナルにギターを弾きまくる姿が印象的だった「Aoi」であっという間に本編は終了。
アンコールでは本編で一切喋らなかった山口が
「歳を取ると一年があっという間に感じる。でも歳を取るとあんまり色んなことに感動しなくなっていくんだよね。今日は若い人もたくさんいると思うけど、来年僕らの音楽でみなさんが感動できるように頑張っていきたいと思いますので、来年もサカナクションをよろしくお願いします」
と来年以降への決意を表明して最後に演奏されたのはタイトル通りにバンドのエモーショナルかつダイレクトなサウンドが鳴らされた「さよならはエモーション」。シングル曲にしてはなかなかフェスで演奏されることのない曲だし、サカナクションのアンコールでやる曲というイメージはあまりない曲だが、この日のバンドのエモーショナルな姿はこの曲に実によく合っていた。
演奏が終わると山口がとびきりの笑顔ではしゃぎながらステージを去っていったが、このフェスでサカナクションを見ると、思い出すのはMOON STAGEに初出演した、07/08の時。まだ当時はド新人で「セントレイ」すら出てなかった、ガラガラの状態だった。その光景を見ているだけに、EARTH STAGEがこれだけ超満員なのは本当にすごいとこまで来たと思う。もう10年ほど経ったが、本人たちには当時からこの景色を想像していたのだろうか。
1.ミュージック
2.アルクアラウンド
3.夜の踊り子
4.SAKANATRIBE
5.アイデンティティ
6.ルーキー
7.多分、風。
8.新宝島
9.Aoi
encore
10.さよならはエモーション
多分、風。
https://youtu.be/8lx0vLTH_yg
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12:00~ GLIM SPANKY [COSMO STAGE]
この日のCOSMO STAGEのトップバッターはGLIM SPANKY。去年はBUMP OF CHICKENとかぶり気味という時間帯だったためにかなりキツい動員だったが、今年はMONGOL800と岡崎体育というツワモノの裏でもしっかり人を集めている。
不穏なSEが鳴ってからおなじみのサポートメンバーを加えて松尾レミと亀本寛貴が登場し、どっしりとしたロックンロールサウンドに松尾のロックンロールに選ばれた歌声が乗り、観客も加えてのコーラスが起こる「NEXT ONE」からスタートし、映画版ONE PEACEの主題歌としてこのバンドの名を広めた「怒りをくれよ」でさらにサウンドは力強くなっていく。
「和製ジャニス・ジョップリン」とも評される松尾の声ばかりに注目が集まりがちだが、このバンドのロックンロールサウンドの軸は亀本のギターである、と断言したくなるくらいに亀本のギターは凄まじくかっこいい。これでまだ20代中盤というのが恐ろしくもある。
「闇に目を凝らせば」でバンドの深いグルーヴに浸らせ、「いざメキシコへ」の軽快なリズムで踊らせると、存在感抜群の声を放っている松尾が
「低血圧、低体温なんで、私は早起きがすごく苦手なんですよ(笑)だからこの時間に集まってくれるみなさんのありがたさが身にしみる」
とその歌声の力強さとは裏腹のか弱い女子MCをすると、「大人になること」というおなじみの曲紹介をしてからの「大人になったら」。このバンドの中で最も重要な曲と言っていいブルースソングだが、未だに大人になりきれないと自覚している自分のような存在にとっては、この曲は死ぬまで刺さり続けていくのだろう。ラストサビの一気に音で埋め尽くす演奏も最高。
そしてラストは「ワイルドサイドを行け」で一気に走り抜け、バンドにとって最大の躍進となった2016年を締めた。
ロックンロールとブルースを現代の日本で更新し続けるという先人にはTHE BAWDIESという存在がいるが、GLIM SPANKYは日本語でそれをやろうとしている。そこに大きな可能性を感じるし、現状女性ボーカルで1番そこに近いのはこのバンド。
1.NEXT ONE
2.怒りをくれよ
3.闇に目を凝らせば
4.いざメキシコへ
5.大人になったら
6.ワイルドサイドを行け
怒りをくれよ
https://youtu.be/4ZIMFp2YnVs
12:30~ lovefilm [MOON STAGE]
このフェスでもGALAXY STAGEのトリや年越しなど、数々の名場面を作ってきたthe telephonesの石毛とノブが新バンド、lovefilmとして帰還。the telephones初出演時と同じMOON STAGEへの出演である。
江夏詩織が革ジャンというロックな出で立ち、石毛はさらに髪がさっぱりしてtelephones時代のモジャモジャっぷりが全くなくなっている中、序盤はおなじみのアッパーな曲たちで観客も手を挙げて、メンバーに合わせて声を出している。
すでにワンマンツアー以降は新曲をガンガンやっているが、今回ももちろん新曲も披露。石毛がメインボーカルのロマンチックな曲と、抑えめな展開から一気に轟音になる曲。未だにリリース予定はないが、果たしてどんな形で聴けるのだろうか。
「みんな、飲んでるかい?まぁ飲めない人もいるもんね。でも飲めない人でも音楽で酔えば大丈夫。そういう音楽のバンドです!」
と珍しく気の利いたことを石毛が言い、その言葉通りに音楽に浸らせる「Kiss」「Hours」という喪失感と切なさを感じさせるバラード曲を続けて、このバンドでの初のこのフェスを締めた。
the telephonesが初出演した時はこのステージの中に入れないくらいの人が押し寄せ、入場規制がかかり、外でたくさんの人が踊っているという状況になった。まさに階段をすごい勢いで登り始めていたところで、そういうまさに駆け上がっていく姿を見ているのが本当に楽しかった。規模も状況もその頃とは違うが、石毛とノブがまたそうやって階段を駆け上がっていくところをまた見ることができる。それは本当に幸せなこと。
1.Goodbye,Goodnight
2.Vomit
3.新曲
4.新曲
5.Kiss
6.Hours
Kiss
https://youtu.be/YsopBGIO2Bg
13:15~ クリープハイプ [EARTH STAGE]
すっかりEARTH STAGEがおなじみになったクリープハイプ。今年も多くの人が待ち受ける中、SEもなしにメンバーがステージに現れると尾崎世界観が、
「こんな景色を前にしたらなんて言えばいいのかわからないので、10秒だけ時間をください」
と言い、ステージ前まで出ていってまさかの投げキス。当然客席からはどよめきが起こると、「イノチミジカシコイセヨオトメ」からスタートするのだが、やはりこのバンドというか尾崎は実にスロースターターであるというのを改めて実感せざるを得ないくらいに声が出ていない。それはフェスでもワンマンでもそうだが、声が出ていて欲しい曲であるだけにちょっともったいない。
シングル曲を続けながら尾崎の声もちょっとずつ出てくるようになると、
「今年は良い年でした。来年も良い年にしたいですね。鬼良い年にしたいですね」
と言って突入した、ブラックミュージックのエッセンスを導入した「鬼」では歌詞の「津田沼の六畳間」を「幕張の六畳間」とこの日ならではの総武線数分駅だけ変えるアレンジに大きな歓声が上がる。
さらに
「知ってる曲で楽しむのもいいけど、知らない曲を聴いてちょっとでも好きな曲が増えて帰ってくれたらと思います」
と言って演奏されたのは、今年リリースの傑作アルバム「世界観」収録の、ベースのカオナシがキーボードを弾き、尾崎がギターを弾かずに歌唱に専念する「5%」。歌詞はさすが尾崎という言葉の使い方だが、MCの通りにこうしたアルバム曲、ましてやしっとりした曲をフェスでやるという勇気は素晴らしい。アルバム発売前のロッキンでもやっていたが。
季節外れの夏の歌「憂、燦々」から尾崎が来年もオレンジの光が射す方へ進んでいくことを決意した「オレンジ」、まさに「今を愛してる」としか言えない「社会の窓」とキラーチューンを続けると、カオナシのベースがうねる「HE IS MINE」で
「今日は父のマサルが見にきてるんで、親の前であれを言うのもなんだけど、マサルがあれをしたからこうして生きてるわけで…(笑)
なのでマサルのフェス童貞を卒業させるべく、大きな声でお願いします」
と尾崎が笑わせての大「セックスしよう!」を響かせて2016年を締めくくった。
ここ数年のクリープハイプの活動の中で来年が1番期待できるのは、「世界観」というこれまでのアルバムとは全く違う手法と方法論を使って作ったアルバムが本当に良いアルバムだったから。だからこそこれからさらにいろんなタイプの曲が生まれてくる予感がしている。そういう意味で、これからのこのバンドに期待せざるを得ない。
1.イノチミジカシコイセヨオトメ
2.エロ
3.百八円の恋
4.鬼
5.5%
6.憂、燦々
7.オレンジ
8.社会の窓
9.HE IS MINE
鬼
https://youtu.be/TEviDZgKl1w
14:10~ TOTALFAT [GALAXY STAGE]
GALAXY STAGEの番人その1。もはやロッキンのフェスの特攻隊長的な存在のTOTALFATである。
金髪のいつまでも若々しいJoseとキャップを被ってキッズ感満載のShunが人差し指を差し出すと、いきなり飛び跳ねまくりの「ONE FOR THE DREAMS」からスタートし、Kubotyの超絶ギターが冴えまくる「Place To Try」では大合唱と肩を組んで廻るサークルが発生。「夏のトカゲ」ではタオルがガンガン回り、完全にこのステージの中だけは夏模様に、と序盤から全曲クライマックスみたいな凄まじい盛り上がりぶりに。
しかしShunがこのライブに対する意気込みを語ると、
「ここに来たくても来れなかったやつの分までみんなには楽しんで欲しい。今日が命日の友達のために」
と、2012年のこの日に他界した、Pay money To my PainのKに「This Life」を捧げる。この時だけは、お祭り騒ぎではなく、バンドも観客もいなくなった人に想いを馳せながら聴き入るといった感じだった。
しかしながらやはりそこは特攻隊長TOTALFAT 。すぐさま「宴の合図」で再びモッシュの嵐に変え、「Room45」では大合唱と全速力サークルという汗が飛び散りまくる、これぞパンクバンド!という状況になっていく。
そしてラストは「みんな大好きだろ!」というお待ちかねの「PARTY PARTY」で踊らせまくり&歌わせまくりで、今年も特攻隊長としての任務を見事に完遂してみせた。この勢いで2時間くらいやられたら絶対みんな体が持たないな、と思ってしまうくらいのとんでもないテンションだった。
今でこそWANIMAやフォーリミという新世代のパンクバンドが出てきたが、それまでこのフェスでは大きいステージに立つパンクバンドがこのバンドとdustboxくらいしかいなかった。ある意味ではこのバンド達がダイブ禁止のこのフェスでずっとパンクの炎を守り続けてきたと言える。そういった意味でも本当に重要な、功労者的なバンドである。
1.ONE FOR THE DREAMS
2.Place To Try
3.夏のトカゲ
4.This Life
5.宴の合図
6.DA NA NA
7.Room45
8.PARTY PARTY
ONE FOR THE DREAMS
https://youtu.be/AnDlViGHrD8
14:50~ グッドモーニングアメリカ [ASTRO ARENA]
直前のTOTALFATとは高校の同級生である、グッドモーニングアメリカ。2年連続でこのASTRO ARENAへの出演である。
去年同様にすでに始まる前から超満員というこのフェスの人気ぶりは変わらず。しかし最近は入場時のたなしんのパフォーマンスはなく、すでに海パンのみで他のメンバーと一緒に登場。これはただ単にネタ切れなのか、それともその時間を曲に使おうというものなのか。
最近は定番に戻りつつある「空ばかり見ていた」でエモーショナルに始まると、ギター渡邊の挨拶的なMCも非常にテンションが高い。本人も
「今年で1番調子が良い!」
というくらいに声が出まくっている。
リリースされたばかりの最新アルバム「鉛空のスターゲイザー」からの新曲「マイライフ」は完全にパンク回帰のサウンドで、初めて聴くであろう人たちばかりでもグルグルと廻るサークルが発生するくらいの力がある。
おなじみたなしんのファイヤーもここで放たれるのだが、この日会場に家族が見にきており、楽屋で妹に「恥ずかしいからその格好をやめてくれ」と言われて凹んでいたということを明かすも、ファイヤー後はさらにテンションが上がり、最新アルバムのタイトル曲も定番曲と並んでも全く違和感がない。
そんな中、金廣が来年へ向けてのMCをすると、
「グッドモーニングアメリカの中で1番温かい曲」
と言って演奏された「境界を越えて」ではそれまでの盛り上がりではなく、バンドの人間性・優しさを感じさせる空気に。
そして最後は「未来へのスパイラル」で今回も大合唱を起こして終了。
2年前はGALAXY STAGEすら超満員、間違いなく近いうちにEARTH STAGEに行くと思われていたバンドなだけにここ数年は停滞感を感じてしまっていたが(去年の武道館もソールドアウトしなかったし)、アルバムの内容がこのバンドの持つメロディの良さを最大限に発揮したものであったため、これからまだまだいける。もう一回来年からまたもっと上を目指して欲しい。
1.空ばかり見ていた
2.拝啓、ツラツストラ
3.マイライフ
4.キャッチアンドリリース
5.鉛空のスターゲイザー
6.境界を越えて
7.未来へのスパイラル
鉛空のスターゲイザー
https://youtu.be/ublP-_POB2o
15:45~ KANA-BOON [EARTH STAGE]
今年はクローク・物販エリアに使われている幕張メッセ9~11ホールでワンマンを行なった、KANA-BOON。
ワンマン以外では本当にいつも通りというか、変わらなすぎるくらいに変わらない出で立ちでメンバーが登場すると、観客に目を覚ますことを促すように「Wake Up」からスタート。
そこからは初期の高速ダンスロックチューンを連打し、大入りの観客を踊らせまくっていく。
「一足早いお年玉を持ってきました」
と谷口鮪が言って披露されたのは、新曲「Fighter」。サウンド自体は軽快なKANA-BOONのものだが、歌詞の内容は正反対に重い。これはタイアップの「ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の内容に合わせてのことなのかもしれないが、これまでもタイアップに関係なく聴けるが、タイアップに合わせた単語とかをさりげなく入れるという絶妙な作家性を発揮してきただけに、歌詞を見ながら聴くのが楽しみになる。
カップリングとはいえCMのタイアップでオンエアされまくり、
「夜中円盤回して 一人踊り明かすのさ」
というフレーズが音楽好きなら共感せざるを得ない「Weekend」で再び軽快なダンスロックに舵を切ると、鮪がなぜか曲前の「全力で」という単語を噛みまくった「フルドライブ」では鮪が古賀の前に立ちふさがるようにしてギターを弾き、古賀がモニターに映らないようにしているのが面白い。
「外は寒いですよね」
と言って演奏された「スノーグローブ」はこの時期ならではの選曲で、ある意味では日焼け止めのタイアップに起用された「なんでもねだり」とは正反対の時期に演奏される曲になっていくのかもしれない。
「お腹空きましたよね。チャーハン食べましょう」
と言って始まったのはもちろん「ないものねだり」でコール&レスポンスも行われたのだが、曲が終わるとなぜか鮪がもう一度
「お腹空きましたよね」
と同じくだりを繰り返し、メンバーに突っ込まれる。そんなやり取りの後に演奏されたのはもちろん「ないものねだり」ではなく「シルエット」。NARUTOのタイアップになったバンド屈指の名曲だが、この曲を聴くと、超絶技巧の演奏力を持つパスピエのメンバーが「鮪さんは本当に歌が上手い」と言っていたのがお世辞でもなんでもないことがわかるくらいに鮪は本当に歌が上手い。こんなに難しい歌を毎回全く不安定さを感じさせずに歌えるのは大したものである。来年以降、また新たなチャレンジとかもしていくだろうが、そういう部分がもっと評価されるようになれば、このバンドはもっと多くの人に聴かれるようになると思う。
リハ.結晶星
1.Wake up
2.1.2.step to you
3.ウォーリーヒーロー
4.Fighter
5.Weekend
6.フルドライブ
7.スノーグローブ
8.ないものねだり
9.シルエット
Wake up
https://youtu.be/Iu_pQaLRT-Q
17:00~ MONOEYES [GALAXY STAGE]
去年はGALAXY STAGE、ロッキンでもLAKE STAGEだっただけに、メインステージではやらないんじゃないかとすら思っていた細美武士率いるMONOEYES、ロッキンオンのフェスでは初のメインステージである。
おなじみのスターウォーズのSEでメンバーが登場すると、スコット・マーフィーがメインボーカルの「Moth to Flame」から一気に駆け抜けるようにストレートなパンクロックを連発していく。そのスコットは客席に水を撒くおなじみのパフォーマンスを見せるのだが、それを見た細美は
「夏のロッキンの発言で出禁にならなくて良かったけど、それ(水撒き)で出禁になるかもね(笑)」
とやはりロッキンでのダイブ禁止ルールへの発言を気にしていたよう。
「忘年会をしよう。悲しいことや悔しいこと、悔しいことはないとダメだな。力になるから。悲しいこととかは俺たちのライブだけじゃなく、今日1日で幕張に置いていけよ」
と言ってこのライブの姿勢を決めると、スコットがその場でベースを立ててグルグルと回る「When I Was A King」、スコットメインボーカルの「Borders & Walls」と、元々は細美が被災地の東北に歌いにいくためのソロプロジェクトだったとは思えないくらいにスコットの貢献度が高い。
すると細美が「今から喋ることはお前らに直接関係ないかもしんないけど言わせてくれ」と前置きしたので、またフェスのルールに対する姿勢を言うのか?と思いきや、
「昔、ELLEGARDENをやってた時代にDEVILOCKっていうアパレルのライブイベントに出てたんだけど、そのイベントのチケットが店頭販売される日にKen YokoyamaのバンドのギターのKorinと渋谷で飲んでて。そしたら渋谷の駅前まですっごい長い行列が出来てたから、ちょっと何の列か聞こうぜって言って、これ何の列?って並んでるやつに聞いたら、「あんたのライブのチケットの列だよ」って言われて(笑)
駅前まで列が伸びてて、しかもそいつらはみんな徹夜で並んでる。申し訳ねぇなぁって思ってたら、女の子が1人の男を連れてきて。「細美さん、こいつがピカチュウです!」ってその小さいけどガタイがいい戦車みたいな男を紹介してきて。知ってるやつもいるかもしれないけど、当時俺たちのライブにピカチュウの着ぐるみを着てダイブしまくってたやつがいて。そいつがポケットから封筒を出して俺に渡してきて。そしたら「人生最後の履歴書」って書いてあって。そいつは俺に認識されるために目立つ格好をして、俺にいつ会ってもいいように毎日その封筒を持ち歩いてて。俺と一緒に仕事がしたいって。だから俺は「わかった。じゃあ5年間ずっと付き合ったらスタッフにしてやる」って言って。それからそいつは雨の日も風の日も呼ばれたらすぐ飲み屋に来て、酔っ払った俺に殴られて(笑)
本当にずっと付き合ってくれたから、8年前からスタッフやってくれてたんだけど、今日が最後の現場になる」
とこの日が一緒にライブをするのが最後になるスタッフに捧げるように最新シングル「Get Up」を演奏。アウトロになると、客席からそのスタッフに向けた拍手が起こった。
こうした裏方の話は、最初に細美が言ったように観客には直接関係ないし、ともするとただの内輪ネタになりがちである。しかしそれをこの場所にいた人たち全員が共有できる感情にしてしまう。細美の放つ言葉の力とカリスマ性に改めて驚かされた。
スコットがベースを銃に見立てて戸高や客席に向けてぶっ放しまくる「明日公園で」からはラストスパート。
細美らしい生き方を説いてそれを来年以降に繋げるために走り続けることを示す「Run Run」から、ラストはやはり理想の世界を追い求めるための「グラニート」。MCが長かったことにより時間が押したので、最後は機材撤収もメンバー全員ですぐさま行った。
2016年も細美武士の作る音楽にはお世話になりっぱなしだった。これからもずっとそうでありたい。
リハ.What I Left Today
1.Moth to Flame
2.Like We've Never Lost
3.My Instant Song
4.When I Was A King
5.Borders & Walls
6.Remember Me
7.Get Up
8.明日公園で
9.Run Run
10.グラニート
Get Up
https://youtu.be/riyjAo3szbQ
18:00~ Czecho No Republic [COSMO STAGE]
前年はGALAXY STAGEの年越しを務めたCzecho No Republic、今回はCOSMO STAGEに登場。
なぜかSEがディズニーランドのエレクトリカルパレードで、砂川がミッキーマウスのモノマネをしてから「Amazing Parade」でスタート。メンバー全員気合いが入っているのがよくわかる演奏である。
ハイペースに曲を続けて踊らせまくると武井が、
「夏のロッキンで全然声が出なかったから、もう呼んでもらえないんじゃないかと思っていた」
と未だにロッキンでの悔しさを引きずっていることを語ると、ダンスミュージックよりもギターロック色の強い「MUSIC」と、今年はアルバム「DREAMS」をリリースした状況にもかかわらず、ベスト的な選曲のセトリになっている。
「今年最後の夏の花火を打ち上げよう!」
と言って始まった「Firework」では武井がハンドマイクで体を躍動させながら歌い、花火の音が鳴る中、この会場の中だけ完全に季節は夏に。
さらに「Forever Dreaming」では観客が手を左右に振りながらコーラスを大合唱し、正太郎も立ち上がりながら超人ドラマーっぷりを見せつけるドラム連打を見せ、30分という短い持ち時間に7曲を詰め込むというパンクバンドかと思うようなスピード感を持って、見事に夏のリベンジを果たしてみせた。
今年は夏を感じさせるアルバムもリリースし、ツアーはもちろん、このバンドのおかげで初めて男性限定ライブというものにも参加した。そこで普段のライブとは違う楽しさにも気付かせてもらえたので、また是非やって欲しいし、サウンドが変化し続けるこのバンドがこれからどういう方向に向かっていくのかが楽しみで仕方ない。決して聴き手に媚びるような活動はしないバンドなだけに。
リハ.ダイナソー
1.Amazing Parade
2.Oh Yeah!!!!!!!
3.No Way
4.Festival
5.MUSIC
6.Firework
7.Forever Dreaming
Forever Dreaming
https://youtu.be/9qw5ghJZgTs
18:30~ BIGMAMA [GALAXY STAGE]
GALAXYの番人その2。その1のTOTALFATの高校の後輩であるBIGMAMA。
いきなりの「荒狂曲”シンセカイ”」という激しめのスタートだったが、最新曲「Merry-Go-Round」も近年の中ではかなり激しめの曲で、客席はモッシュとサークルが連発されるのだが、そこにさらに初期の「the cookie crumbles」を投下するというもともとのパンク・メロコアのルーツを感じさせる序盤。
ただ近年は多様な音楽性を手にしているだけにその激しい流れだけで駆け抜けるはずがなく、
「まだほとんどライブでやったことない曲だけど、この景色に似合うと思うんだよね」
と言って演奏された「Make Up Your Mind ~運命に着火する~」は金井のロマンチックさを感じさせるバラード寄りの曲で、ここからは「秘密」、ベートーベン「第九」を大胆に取り入れた「No.9」で観客全員で大合唱しながら飛び跳ねまくり、ラストは今年の全ての感情をバンドが引き受けてからバンドが観客を次の年に連れて行く「Sweet Dreams」の大合唱と「MU-TOPIA」の手拍子で今年もGALAXY STAGEでのライブをやり切った。
金井は一時期の不安定さが嘘のようにしっかり声が出ているし、次々にペース良く発表される新曲の音楽性がかなり幅広いため、セトリも一時期よりも幅が広がった。しかしすぐ後ろで見ていた女性2人組が
A「the cookie crumblesやってくれたね~」
B「いや、あれやったくらいで喜んじゃってるようじゃダメなんだよ!」
とかなり辛口な感想を口にしていた。きっと彼女たちももう長いことこのバンドのライブを見てきて、一時期のセトリの変わり映えしなさに思うところがあったのだろう。
1.荒狂曲”シンセカイ”
2.Merry-Go-Round
3.the cookie crumbles
4.Make Up Your Mind ~運命に着火する~
5.秘密
6.No.9
7.Sweet Dreams
8.MU-TOPIA
Merry-Go-Round
https://youtu.be/UJ7BEvLICpA
19:30~ サカナクション [EARTH STAGE]
今年もEARTH STAGEのトリを務めるのはサカナクション。始まる前から客席は完全に超満員である。
SEが鳴るとすでにラップトップが5台並んでおり、サングラスをかけたメンバーがラップトップの前に立つとおなじみの「ミュージック」からスタート。淡々と曲が鳴らされる中、ラストサビ前にはステージが暗転してバンドセットになるという演出。そのままリリース時に大反響を呼んだPVをこの幕張メッセで撮影した「アルクアラウンド」ではステージから客席にレーザー光線が飛び交いまくる。
「夜の踊り子」ではPVにも出演している踊り子2名が登場して花を添え、近年のライブではおなじみの長尺ダンスチューン「SAKANATRIBE」では踊り子に加えて和太鼓チームGOCOOも登場して岩寺と草刈とともに和太鼓を叩きまくり、さらにトライバルな空間に。山口一郎が振り回すグラフィックポイによる映像ももはやおなじみだが、何度見ても綺麗であり、その日そのイベントでしか見れない映像には歓声が上がらずにはいられない。
「アイデンティティ」からアウトロが徐々にイントロに変化して行く「ルーキー」という流れはもはやフェスになくてはならないくらいのものになっているが、ここで最新シングル「多分、風。」を披露。80sのディスコの要素を取り入れたサウンドで元々は「渚のアップビート」というタイトルの曲だっただけに、ライブでの初聴きが夏フェスではなくて今回になったのは少し残念なくらいに夏の野外が似合いそうな曲。
さらにイントロが鳴った瞬間にレーザー光線がモニターの上にタイトルを映し出す「新宝島」、岩寺がいつにも増してエモーショナルにギターを弾きまくる姿が印象的だった「Aoi」であっという間に本編は終了。
アンコールでは本編で一切喋らなかった山口が
「歳を取ると一年があっという間に感じる。でも歳を取るとあんまり色んなことに感動しなくなっていくんだよね。今日は若い人もたくさんいると思うけど、来年僕らの音楽でみなさんが感動できるように頑張っていきたいと思いますので、来年もサカナクションをよろしくお願いします」
と来年以降への決意を表明して最後に演奏されたのはタイトル通りにバンドのエモーショナルかつダイレクトなサウンドが鳴らされた「さよならはエモーション」。シングル曲にしてはなかなかフェスで演奏されることのない曲だし、サカナクションのアンコールでやる曲というイメージはあまりない曲だが、この日のバンドのエモーショナルな姿はこの曲に実によく合っていた。
演奏が終わると山口がとびきりの笑顔ではしゃぎながらステージを去っていったが、このフェスでサカナクションを見ると、思い出すのはMOON STAGEに初出演した、07/08の時。まだ当時はド新人で「セントレイ」すら出てなかった、ガラガラの状態だった。その光景を見ているだけに、EARTH STAGEがこれだけ超満員なのは本当にすごいとこまで来たと思う。もう10年ほど経ったが、本人たちには当時からこの景色を想像していたのだろうか。
1.ミュージック
2.アルクアラウンド
3.夜の踊り子
4.SAKANATRIBE
5.アイデンティティ
6.ルーキー
7.多分、風。
8.新宝島
9.Aoi
encore
10.さよならはエモーション
多分、風。
https://youtu.be/8lx0vLTH_yg
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