COUNTDOWN JAPAN 16/17 day2 @幕張メッセ 12/29
- 2016/12/30
- 23:11
2日目。前日は当日券も出ていたが、この日は完全ソールドアウトということでとにかく人が多い。そしてラインアップからも察せられるように、若いキッズが多い。
12:00~ レキシ [EARTH STAGE]
ロッキンオン社長・渋谷陽一による、このフェスの歴史を交えた(レキシだから?)前説で、初年度はこの出演するくるりが2日間出ていたことなどを振り返ってから、この日はホーン隊も加えた大人数編成のレキシが登場。初出演だった去年に続いてのEARTH STAGEのトップバッターである。
いきなりステージにはイルカの着ぐるみが登場すると、池ちゃんが早くも着ぐるみの頭部を外し、中に入っていたのはこの直後に出演する、キュウソネコカミのヤマサキセイヤ。ということは両者のコラボ曲「KMTR645」からスタートという存在自体が飛び道具であるが、いきなりの飛び道具的な演出。
いつになく曲間では長くなりがちな喋りを挟むことなくすんなり曲に入っていくが、曲中にブルーハーツ「リンダ リンダ」を「年貢 年貢ー!」と歌詞を変えて歌ったりとやはりやりたい放題。
おなじみの「狩りから稲作へ」では
「ここでしか使わない稲穂を出して!持ってない人は手を稲穂のように!持ってないことは恥ずかしくないよ!むしろ持ってる方が恥ずかしいんだから!(笑)
でももうそろそろ今年で稲穂も卒業したいかなぁって(笑)」
と「卒業」というワードがでてきたことにより、尾崎豊「卒業」、さらにはドリカム「LOVE LOVE LOVE」、チェッカーズ「涙のリクエスト」ととりあえず思いついた歌をひたすら歌う状態になってしまい、キャッツも連発しまくった結果、本人も残り時間を気にし始める。
チャットモンチー橋本絵莉子の声のコーラスが響く(打ち込み)「SHIKIBU」では衣装チェンジした池ちゃんがマイケル・ジャクソンのモノマネも交えつつ踊りまくり、ラストは最近ダイハツのCMに器用されているものの、
「なんでこの曲が使われてるのか全くわからない!(笑)武士の歌だから車関係ないぞ!(笑)」
と本人がツッコミを入れまくる「きらきら武士」で締め。しかしあらゆるネタを駆使しても、ステージ下から撮影しているカメラマンはピクリとも笑わず(笑)
だがベースの山口寛雄とドラムの玉田豊夢も含め、池ちゃんもかつて中村一義のバンド100sのメンバーであり、100s始動時にはライブで「グッバイちょんまげ」を30分くらいやるという、どう考えてもダラけるし飽きるというレキシタイムを展開していたことを思い返すと、こんな何万人もの観客の前でライブするようになるなんて全く思わなかったし、そもそも10年以上ネタが続くとすら思ってなかった。
1.KMTR645 feat.ヤマサキセイヤ
2.年貢 for you
3.狩りから稲作へ
4.SHIKIBU
5.きらきら武士
きらきら武士
https://youtu.be/Mzkf1OGgSz8
13:15~ キュウソネコカミ [EARTH STAGE]
去年までは2年連続でGALAXY STAGEだった、キュウソネコカミ。ついにEARTH STAGEに初進出である。
メンバー全員が出てきての本気のリハでは、なぜかフォーマルな出で立ちのセイヤが地球のマスクを被り、幕張メッセイベントホールでのワンマンなどでは新曲として演奏されていたが結局今の所お蔵入りになっている「俺は地球」をEARTH STAGEでやるという完全にそれをやりたいだけ、みたいなパフォーマンスを見せる。
本番では先ほどのレキシ同様にイルカ君の着ぐるみとともにメンバーが登場すると、当然「KMTR645」で始まると思いきや、イルカ君の中身は池ちゃんではなく(キュウソのスタッフ)、袖から腰にイルカを巻いてペディグリーチャムの袋を持つという、ヨコタに「ただの変態」と言われる出で立ちの池ちゃんがステージに走って現れ、先ほどとは逆バージョンの編成での「KMTR645」へ。やはりキュウソが演奏するとレキシよりも勢いが増すというか、ややディスコパンクっぽい感じになるため、同じ曲でも演奏する人が変わるとサウンドも変わるというのがよくわかる両者の先制攻撃。
池ちゃんはなぜかひたすら「ベッキー!」と叫びまくってセイヤに怒られていたが。
そこからはフェス的な代表曲を連打。「MEGA SHAKE IT!!」ではメンバーがステージ左右の巨大モニターの前まで走っていき、「サギグラファー」ではラスサビのブレイク部分での写真を撮るポーズで、大きなステージならではのたくさんの照明がまるでカメラのフラッシュのように瞬く。
ロッキンオンのフェスということでやはりいつものように客席に突入したりということはしないが、「DQN~」では満員状態の観客による超巨大「ヤンキー怖い」コールを起こし、
「たった数人しか観客がいなかったこの「ヤンキー怖い」をこれだけたくさんの人がやってくれるようになるなんて…」
とセイヤも感慨深げで、ヨコタも「ハッピーポンコツ」で
「バンドやってて良かったー!」
と改めて喜びを爆発させる。
「ウィーアーインディーズバンド!!」では「音楽で飯は…」のフレーズの後にセイヤが
「このステージまで連れてきてくれてありがとうー!」
と叫び、ラストのど直球にエモい最新シングル「わかってんだよ」に至り、これまでは面白パフォーマンスに加えて毒と皮肉を武器にしてきたこのバンドが、愛と感謝を改めてファンに告げるという、いたって正攻法の、バンドとしても今後記念碑的なライブになるであろう初EARTH STAGEだった。
最初にタイムテーブルが発表された時は、他に動員力があるバンドがひしめく中でキュウソがEARTHで大丈夫か?と思ったが、それは全くの杞憂だったというくらいの満員だった。メンバーは今回限りにならないように、と言っていたが、攻めの姿勢を忘れることなくこのステージに出続けて欲しい。
リハ1.俺は地球
リハ2.良いDJ
1.KMTR645 feat.レキシ
2.MEGA SHAKE IT!!
3.ファントムバイブレーション
4.サギグラファー
5.DQNなりたい、40代で死にたい
6.ハッピーポンコツ
7.ウィーアーインディーズバンド!!
8.ビビった
9.わかってんだよ
わかってんだよ
https://youtu.be/waQY84HhreE
14:30~ WANIMA [EARTH STAGE]
去年、初出演でGALAXY STAGEを超満員にしてみせたWANIMA 。ロッキンでの代役とはいえGRASS STAGEを経て、今回は2年目にして堂々とメインのEARTH STAGEに立つ。
これまではスキャットマンジョンのSEだったのが、ライブの期待をさらに煽るオリジナルのものに変わっている。相変わらず煽りまくり&踊りまくってから楽器を手にし、
「WANIMA~PIZZA OF DEATH~」
とおなじみの開会宣言的な歌を健太が歌い始めると、
「今年もいろんなライブ出てきたけどやっぱり…日本で1番COUNTDOWN JAPANが好き!WANIMA、開催しまーす!」
の「開催しまーす!」ですら満員の観客が一緒に叫ぶ中、夜の男女の情事を歌った「BIG UP」からスタートし、踊らせまくりの暴れさせまくり。
「COUNTDOWN JAPANのテーマソング歌います!」
と言っての「Hey Lady」では最初から最後まで凄まじい大合唱。シングル曲でもなんでもない、デビューミニアルバムに入ってた曲がこんなに何万人もの大合唱を巻き起こしているというのは改めて考えると本当にとんでもないことである。
健太がいきなり観客にスマホを点灯させて掲げさせると、客席いっぱいに光が広がる。しかし「曲始まったらみんな携帯失くすからすぐしまって!」と、特に曲の演出に使うことなく、ミュージックステーション出演を果たした「ともに」を披露。この日は健太の声も全く心配ないくらいに良く出ている。
「見た目こんなんやけど怖がらんでいいから!焼きそばみたいな髪型しとるけど!汚いスティッチみたいやろ?(笑)」
とこれだけの規模になっても決してヒーローにはならない親しみやすいキャラは変わらず、歌こそ歌わないがドラム藤原の明らかに長渕剛のモノマネもあり。
「オドルヨル」「いいから」というエロいタイプの曲で踊らせまくると、最後と言って演奏された「THANX」ではやはりもの凄い大合唱となり、「やっぱりあと1曲!」と言って演奏された「For you」ではこれまでの激しい盛り上がりとは少し変わり、その曲の持つメッセージをしっかり噛みしめるようだった。
若手パンクバンドが2年目でEARTH STAGEに進出するという異例のスピード感としっかり客席を超満員にする力。
「日々の辛いことを俺たちのライブでぶつけて忘れて、笑顔になって欲しい」
と健太は言ったが、本当にWANIMAのライブはみんなが笑顔と汗で溢れ、時には涙を流す。
ここ10年くらいのパンクバンド達が行きたくてもたどり着けなかった場所にこのバンドは早くもたどり着いている。それは楽曲の力はもちろん、メンバーの人間性によるものも大きいだけに、最後に写真撮影をする時に言った
「次出られないかもしれないから!」
という自信なさげな言葉が全く説得力を持たないくらい、このバンドはこれからさらに様々なフェスで巨大な存在になっていくはず。
もはやどのフェスやイベントで見てもベストアクトクラスになってしまうというジョーカー的な強さを持ちつつあるが。
1.BIG UP
2.Hey Lady
3.ともに
4.リベンジ
5.オドルヨル
6.いいから
7.THANX
8.For you
ともに
https://youtu.be/qag4ewos4TE
15:15~ BLUE ENCOUNT [GALAXY STAGE]
前回はこのGALAXY STAGEと、NICO Touches the Wallsの代打でEARTH STAGEにも立った、BLUE ENCOUNT。今年もGALAXY STAGEに登場である。
ステージへの入場列がものすごく長くなっている中、
「はっじまるよ~!」
と田邊のおなじみの叫びでもって「Survivor」からスタート。
もはやこのバンドはいろんなフェスやイベントに出まくっているし、ヒットシングルを連発しているだけにセトリも固まってきてもおかしくないような状況だが、「ロストジンクス」や「LIVER」というあたりの定番になりつつある曲を外し、ドラマ主題歌の最新シングル「LAST HERO」を挟んで「HALO」、タイトル通りに1番後ろまで埋まった観客をジャンプさせる「JUMP」と、同じくらいの持ち時間であっても毎回セトリを変えてくるので、飽きないし毎回見逃せないと思える。
バンドの骨太なリズムと江口のタッピングというテクニカルな要素満載なのにメロディは実にポップな「DAY × DAY」でモッシュ、サークルを発生させると、
「かっこ悪いけど、力を貸してくれ!一緒に歌ってくれ!」
と「もっと光を」ではもはや完全に入場規制レベルの大観衆の合唱が響く。ある意味ではこの曲の存在がこのバンドをこの位置まで連れてきたとも言えるが、それからもキラーチューンを連発しているのがさらに上の位置が見えている理由である。
しかしながら先日、試聴会イベントを田邊が体調不良で欠席したために一抹の不安もあったが、
「知ってる人もいるだろうけど、俺この前倒れてさ。医者に当分ライブできませんって言われたんだけど、薬もらったりしてなんとかここに立ってて。倒れたあと、歌えなかったの。生きがいを奪われたの。本当に辛かったし、そうやって倒れた身から言う。生きろ!死ぬ気で生きろ!そしてまたこのフェスで、次はEARTH STAGEで会おう!そのために、俺たちとあんたらとの終わらない物語を歌おう!」
とあまりにも熱すぎて語尾に全て「!」をつけたくなるくらいにまくし立てて体調不良の不安を一掃するとともに来年のさらなる飛躍を近い、終わらない物語こと「Never Ending Story」を全員で大合唱し、3月に今度はワンマンでこの幕張メッセのステージに立つことを告知した。
ロックバンドがこの幕張メッセでワンマンできるようになったら、このフェスでは間違いなくメインステージに立つ。来年はEARTH STAGEでもっと多くの人たちと一緒にこのバンドの曲が歌えることになる。
1.Survivor
2.HALO
3.LAST HERO
4.JUMP
5.DAY × DAY
6.もっと光を
7.Never Ending Story
LAST HERO
https://youtu.be/DubhkMshe0Y
16:20~ 04 Limited Sazabys [GALAXY STAGE]
2年連続のGALAXY STAGE出演にして、もはや始まる前から超満員の完全に入場規制状態の04 Limited Sazabys。
リハから曲を連発すると、いつものSEで手拍子に導かれてメンバーが登場。HIROKAZはバンドのTシャツというバンド愛、RYU-TAはハイスタTシャツというメロコア愛、GENは猫の顔のイラストTシャツという猫愛をそれぞれ感じさせる出で立ちで、
「名古屋から来た、04 Limited Sazabysです!年内ラストライブ始めます!」
という挨拶からの「swim」でスタートし、さらに「monolith」「fiction」と序盤はライブ定番曲をテンポ良く連発していく。
カップリング曲にしては割と演奏頻度の高い「cubic」から、GENによるおなじみの「生で音楽を体験すること」のMCを挟むと、「Night on」「Warp」と今年リリースのアルバム「eureka」からの曲も披露。モッシュとサークルの嵐だった客席の様子もこの新作の曲の時は少し変わり、客席の様子を見るだけでバンドがこれまでよりさらに音楽性を広げていることがわかる。
「去年はライブ後に飲み過ぎて記憶と携帯を失くしました(笑)今年は何を失くそうかな(笑)」
と笑わせながら、
「名古屋から流星群を持ってきました!」
と「midnight cruising」、
「愛しい皆様にお手紙をしたためてきました!」
と「Letter」と短い時間の中に緩急も交えていくが、RYU-TAはいつも以上に変な動きを見せ、HIROKAZも煽りまくり、KOUHEIは笑顔でカメラ目線を連発しながらドラムを叩くなど、年内最後ということもあってか、メンバー全員がいつにも増して楽しそうに演奏している。
GENの独特のハイトーンボイスもボーカルメインで始まってツービートのパンクに展開していく「Horizon」でさらに爽やかに響き渡り、
「本当に最高の景色をありがとうございました!今年はフェスを初めて主催したり、Hi-STANDARDと2マンをやったりと、いろんな夢が叶った一年でした!でもまだまだ僕らの夢はこれからも続きます!」
という大躍進を果たした今年を総括しつつ、さらに先まで向かう姿勢を見せて、
「肌にこびりついてる感情を
閉じて夢の続き眠ろうか
僕が僕だった頃 あの時のままで
夢を見てる まだ夢は続く
ただ先へ進め」
とGENがよく言う「生で音楽を感じること」とこれから先も進んでいくという姿勢が両方歌われた「Feel」で終了…かと思いきや、
「まだ時間ちょっとあるそうなんで、もう1曲!」
と言って短いパンクチューン「Remember」を2016年最後の曲として今年の活動を終えた。基本的にテンポが物凄くいいだけにライブの平均点も非常に高いバンドだが、やはり年内最後ということで気合いが入っていたのか、いつにも増して良いライブだった。
GENが言った通り、今年はこのバンドにとって様々な夢が叶った大躍進の一年だった。個人的にもYON FESのために名古屋に行ったり、ワンマンを始めとしていろんなところでライブを見まくり、そのどれもが本当に楽しかった。だからこそまた来年ももっともっとこのバンドじゃなきゃ見れないような、良い景色をお互いに見せ合いたい。めちゃくちゃ期待してるだけに、来年も本当によろしく。
リハ1.climb
リハ2.nem…
リハ3.medley
1.swim
2.monolith
3.fiction
4.cubic
5.Night on
6.Warp
7.midnight cruising
8.Letter
9.Horizon
10.Feel
11.Remember
Horizon
https://youtu.be/KKf2M6vc74Y
17:00~ ユニコーン [EARTH STAGE]
このフェス皆勤賞の男・奥田民生。弾き語りであったりソロバンドであったり、近年はくるり岸田とのサンフジンズだったり形を変えて出続けているが、今年はユニコーンでEARTH STAGEに出演。
フォーリミ終わりでEARTHに着くとすでにライブは始まっており、メンバー全員が赤いツナギを着用している。奥田民生いわくこれは自身が大ファンである広島カープが優勝したことによるもので、その理由で
「今年は本当にいい年だった。来年もこの色が着れますように」
ともはや音楽よりも野球が人生の中心みたいになっている。
ライブはというと、序盤は今年リリースの最新アルバムを中心とした内容で、最新系のバンドの姿をしっかり見せていくのだが、奥田民生、ABEDON、手島いさむのギタートリオが動きを合わせてギターを弾いたり、完全にもはやダンスの域に達してるくらいにギター持って踊っていたりと、演奏はめちゃくちゃ上手いのにやたら笑えるというベテランならではの余裕を発揮している。
ABEDONが旗を振ったりして大活躍しまくりの「Boys & Girls」では最後のキメでABEDONと川西の息が合わずに何度も合わせつつ(失敗しているのではなく、アドリブっぽい感じなので見ていてめちゃくちゃ面白い)、お待ちかねの「大迷惑」で奥田民生は観客に歌わせまくり、初見であろう若い観客をもぐいぐいと引き込んでいく。
再結成後の初シングル曲である「WAO!」ではメインボーカルのABEDONが間奏部分でヘリウムガスを使ったような声に自身の声を変え、その声で1人ずつメンバーを紹介していくという、他のメンバーも笑っぱなしの展開に。
そしてラストはこの時期にぴったりの名曲「雪が降る街」。メンバーの頭上のLEDがステージに雪が降っているかのような映像を映し出し、演奏が終わると
「また来年!」
と奥田民生が言って、もはや貫禄と余裕に満ち溢れた今年最後のライブを終えた。
代表曲ばかりの懐メロ大会でもなく、自己満足的な選曲ばかりでもなく、代表曲は抑えつつ最新系を見せていくという形はもはや50代ばかりのバンドとは思えないくらいに理想的な内容であった。
しかし、やはりというかなんというか、客席は最初ガラガラだった。再結成直後に出演した時は超満員だったバンドとは思えないくらいに。かといってGALAXYに出るイメージも全く湧かないが、長く活動するだけでなく、継続してヒット曲を生み出していかないと若手の話題性に負けてしまうというベテランの厳しさが垣間見えた瞬間であった。
1.すばやくなりたい
2.頼みたいぜ
3.エコー
4.TEPPAN KING
5.Boys & Girls
6.大迷惑
7.WAO!
8.雪が降る町
エコー
https://youtu.be/sOIHgq7agjs
18:15~ [Alexandros] [EARTH STAGE]
ツアー真っ最中の[Alexandros]。今回のフェス期間中は海浜幕張駅をこのバンドの広告がジャックするという、4月の幕張メッセワンマン2daysに大きな援護射撃をもらっている中での出演。
おなじみの「Burger Queen」ではなく壮大なSEが流れてメンバーとサポートキーボードのROSEがステージに現れると、その壮大なSEが変化していき、「ムーンソング」のイントロに。川上洋平の高音ボーカルはこの日も安定感抜群で、調子が悪い日があったら見てみたいと思うくらいのレベル。
不穏なデジタルサウンドを導入した「Girl A」では川上がギターを持ったまま何度もジャンプをし、ピアノ音から始まる「Kaiju」では斬れ味鋭いラップで言葉を次々に放っていく。
「Kaiju」同様に川上がハンドマイクの「Kick&Spin」では川上がステージ左右を最大限に動き回りながら歌うと、白井と磯部の2人も何度も巨大モニターの前まで移動しにいって演奏。しかしながら巨大モニターがあるからか、カメラ目線で歌ったりカメラを掴んだり、カメラに向かって舌を出したりする川上は本当にロックスターである。磯部もその優しさしか感じない笑顔をカメラに向けてアピールしていたが。
するとここですでにCMでオンエアされている新曲「SNOW SOUND」を披露。このバンドにとっては珍しい、難しい演奏もほとんどなく、ただひたすらに川上の歌に重点を置かれた曲であるが、タイトル通りにこの寒い時期に聴くにはぴったりの曲である。
「まだまだ踊れますかー!」
と川上が煽ると、ツアーではすでに披露しているが、規則的にバスドラの音が鳴り続けるというダンサブルなアレンジになった「Run Away」で踊らせまくると、そのアウトロとイントロが繋がる形での「Starrrrrr」では超満員の観客の大合唱が会場を包み、「ワタリドリ」のサビを川上が歌い始めたので、てっきり「ワタリドリ」をやるのかと思いきや、それは見せかけで最後に演奏されたのは「Dracula La」。個人的にはこの選曲の方がありがたいが、「ワタリドリ」を聴きたかった人もたくさんいただろうなぁという空気を「ワタリドリ」を歌い始めた時に実感した。
メンバーが去る中、川上がいつものようにエフェクターボードを操作すると、いつものようにノイズが発生することなく、川上がまたギターを持ち、まさかの「12/26以降の年末ソング」を弾き語り。そこまでやるんなら1曲まるごとやればいいのに、とも思ったが、なんにせよちょっとだけでも聴けて良かった。
今年は最新アルバム「EXIST!」がオリコン1位になるなど、さらに大きな場所に足を踏み入れた一年になった。それは大会場、多くの人の前でこそさらに真価を発揮するというこのバンドの特性とは無関係ではないと思うし、だからこそさらに上まで行ける気しかしない。さらに上というのはつまり今のこのバンドで言うとドームレベルということ。
「Feel Like」「Aoyama」という「EXIST!」の中の新機軸の曲は演奏されなかったのは少々意外ではあったが、川上を始めとするメンバーのあまりにも気合いが漲りまくったこの日のライブは、4月の幕張メッセワンマン2daysをさらに楽しみなものにしてくれた。
1.ムーンソング
2.Girl A
3.Kaiju
4.Kick&Spin
5.SNOW SOUND
6.Run Away
7.Starrrrrr
8.Dracula La
ムーンソング
https://youtu.be/FU5FxTP1cpw
19:30~ 10-FEET [EARTH STAGE]
去年はEARTH STAGEの年越しを務めた10-FEETがこの日のトリ。たくさんのキッズがタオルを掲げて待ち受けるおなじみの光景の中でメンバーが登場すると、
「今日は爆死するくらいまで行くぞー!」
とTAKUMAが叫び、「VIBES BY VIBES」からひたすらにテンションの高い演奏を繰り広げ、客席ではモッシュ、サークル、ツーステなど禁止されているダイブ以外のあらゆる楽しみ方を見せる。
「先にやるぞー!」
と2日早く10秒前からなんの意味もないカウントダウンを決行し、「風」で雰囲気をガラッと変えつつ、
「俺はな、お前達に死んでほしくないわけ、生きてて欲しいわけ。そんで生きて一緒にロックンロールしたいわけ」
と、大好きなサンボマスター山口のモノマネもしつつ、
「言葉が、Yeahだけしか存在しなかったら、嬉しい時も悲しい時もそれだけ言えばよくなるのに」
という言葉の強さを知っている、言葉を大事に紡いできた男の言葉だからこそハッとする言葉を語ると、その言葉をそのまま歌詞にしたような新曲を披露。その歌詞を前面に押し出し、演奏はかなりシンプルで今年リリースの「アンテナラスト」のようにレゲエなどのジャンルの要素を取り入れたりもしないというストレートさ。ライブに比してやたらとリリースペースが空きがちなバンドなだけに、こうして早いスパンで新曲が聴けるのは嬉しい限り。
「ほとんどの人が知らない曲だと思うけど」
と言っての「back to the sunset」(知らないことない)の後は、NAOKIのベースのイントロで始まるはずの「2%」にTAKUMAがギターを被せたことにより、KOUICHIもドラムでユニゾンさせようとするも、
「めちゃくちゃダサい」
と3人とも苦笑してしまう結果になってしまい、結局元々のベースのみのイントロでやり直すことに。このやり取りはこれまでにも何回かやっていることではあるが。
「怪我はして欲しくないけど、ちょっとくらいのかすり傷やアザくらいなら勲章みたいなもんや。俺らも死ぬ気でやるから!」
とTAKUMAがもはやマイクを通さずに叫びながらあらゆる感情を吹き飛ばすかのような「その向こうへ」からはラストスパートへ。
「大人にならなきゃいけない時もあるかもしれんけど、みんながみんな大人にならなくてもええんやないだろうか」
とキッズとキッズのままの人のためのフェスを開催してるバンドだからこその言葉を投げかけると、アンコールの時間も本編につぎ込んだということで、アンコールなしのラストは「RIVER」。先日の骸骨祭りと同じように「流れゆく川」は「利根川」になっていたが、かつて幕張メッセでのおなじみだった「花見川」はもう使わないんだろうか。
しかし昨日、今日とベテランバンドにはなかなか厳しい状況を何度か見てきたが、すでに40代に突入しており、年齢的にもキャリア的にも完全にベテランの域に入る10-FEETはそうした動員面でキツい状況になることは一生ないだろうな、って思えるのが本当にすごい。そこにはやはり京都大作戦というこれ以上ないくらいのホームと呼べる場所を自分たちの手で作り上げてきたからという努力あってのことだけど。
リハ.Mr.bullshit
1.VIBES BY VIBES
2.goes on
3.shoes
4.focus
5.風
6.STONE COLD BREAK
7.新曲
8.back to the sunset
9.2%
10.その向こうへ
11.1sec.
12.RIVER
その向こうへ
https://youtu.be/yWyzYlvYqHk
10-FEETの曲間でTAKUMAが
「来年がどうなるかなんて、来年にならんとわからんのじゃー!
今日がどんな日だったかなんて、今日のこのイベントが終わってみないとわからんのじゃー!」
とセルフツッコミMCをしていたが、少なくとも自分はこの日が終わって、本当に楽しかったと思えた。
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12:00~ レキシ [EARTH STAGE]
ロッキンオン社長・渋谷陽一による、このフェスの歴史を交えた(レキシだから?)前説で、初年度はこの出演するくるりが2日間出ていたことなどを振り返ってから、この日はホーン隊も加えた大人数編成のレキシが登場。初出演だった去年に続いてのEARTH STAGEのトップバッターである。
いきなりステージにはイルカの着ぐるみが登場すると、池ちゃんが早くも着ぐるみの頭部を外し、中に入っていたのはこの直後に出演する、キュウソネコカミのヤマサキセイヤ。ということは両者のコラボ曲「KMTR645」からスタートという存在自体が飛び道具であるが、いきなりの飛び道具的な演出。
いつになく曲間では長くなりがちな喋りを挟むことなくすんなり曲に入っていくが、曲中にブルーハーツ「リンダ リンダ」を「年貢 年貢ー!」と歌詞を変えて歌ったりとやはりやりたい放題。
おなじみの「狩りから稲作へ」では
「ここでしか使わない稲穂を出して!持ってない人は手を稲穂のように!持ってないことは恥ずかしくないよ!むしろ持ってる方が恥ずかしいんだから!(笑)
でももうそろそろ今年で稲穂も卒業したいかなぁって(笑)」
と「卒業」というワードがでてきたことにより、尾崎豊「卒業」、さらにはドリカム「LOVE LOVE LOVE」、チェッカーズ「涙のリクエスト」ととりあえず思いついた歌をひたすら歌う状態になってしまい、キャッツも連発しまくった結果、本人も残り時間を気にし始める。
チャットモンチー橋本絵莉子の声のコーラスが響く(打ち込み)「SHIKIBU」では衣装チェンジした池ちゃんがマイケル・ジャクソンのモノマネも交えつつ踊りまくり、ラストは最近ダイハツのCMに器用されているものの、
「なんでこの曲が使われてるのか全くわからない!(笑)武士の歌だから車関係ないぞ!(笑)」
と本人がツッコミを入れまくる「きらきら武士」で締め。しかしあらゆるネタを駆使しても、ステージ下から撮影しているカメラマンはピクリとも笑わず(笑)
だがベースの山口寛雄とドラムの玉田豊夢も含め、池ちゃんもかつて中村一義のバンド100sのメンバーであり、100s始動時にはライブで「グッバイちょんまげ」を30分くらいやるという、どう考えてもダラけるし飽きるというレキシタイムを展開していたことを思い返すと、こんな何万人もの観客の前でライブするようになるなんて全く思わなかったし、そもそも10年以上ネタが続くとすら思ってなかった。
1.KMTR645 feat.ヤマサキセイヤ
2.年貢 for you
3.狩りから稲作へ
4.SHIKIBU
5.きらきら武士
きらきら武士
https://youtu.be/Mzkf1OGgSz8
13:15~ キュウソネコカミ [EARTH STAGE]
去年までは2年連続でGALAXY STAGEだった、キュウソネコカミ。ついにEARTH STAGEに初進出である。
メンバー全員が出てきての本気のリハでは、なぜかフォーマルな出で立ちのセイヤが地球のマスクを被り、幕張メッセイベントホールでのワンマンなどでは新曲として演奏されていたが結局今の所お蔵入りになっている「俺は地球」をEARTH STAGEでやるという完全にそれをやりたいだけ、みたいなパフォーマンスを見せる。
本番では先ほどのレキシ同様にイルカ君の着ぐるみとともにメンバーが登場すると、当然「KMTR645」で始まると思いきや、イルカ君の中身は池ちゃんではなく(キュウソのスタッフ)、袖から腰にイルカを巻いてペディグリーチャムの袋を持つという、ヨコタに「ただの変態」と言われる出で立ちの池ちゃんがステージに走って現れ、先ほどとは逆バージョンの編成での「KMTR645」へ。やはりキュウソが演奏するとレキシよりも勢いが増すというか、ややディスコパンクっぽい感じになるため、同じ曲でも演奏する人が変わるとサウンドも変わるというのがよくわかる両者の先制攻撃。
池ちゃんはなぜかひたすら「ベッキー!」と叫びまくってセイヤに怒られていたが。
そこからはフェス的な代表曲を連打。「MEGA SHAKE IT!!」ではメンバーがステージ左右の巨大モニターの前まで走っていき、「サギグラファー」ではラスサビのブレイク部分での写真を撮るポーズで、大きなステージならではのたくさんの照明がまるでカメラのフラッシュのように瞬く。
ロッキンオンのフェスということでやはりいつものように客席に突入したりということはしないが、「DQN~」では満員状態の観客による超巨大「ヤンキー怖い」コールを起こし、
「たった数人しか観客がいなかったこの「ヤンキー怖い」をこれだけたくさんの人がやってくれるようになるなんて…」
とセイヤも感慨深げで、ヨコタも「ハッピーポンコツ」で
「バンドやってて良かったー!」
と改めて喜びを爆発させる。
「ウィーアーインディーズバンド!!」では「音楽で飯は…」のフレーズの後にセイヤが
「このステージまで連れてきてくれてありがとうー!」
と叫び、ラストのど直球にエモい最新シングル「わかってんだよ」に至り、これまでは面白パフォーマンスに加えて毒と皮肉を武器にしてきたこのバンドが、愛と感謝を改めてファンに告げるという、いたって正攻法の、バンドとしても今後記念碑的なライブになるであろう初EARTH STAGEだった。
最初にタイムテーブルが発表された時は、他に動員力があるバンドがひしめく中でキュウソがEARTHで大丈夫か?と思ったが、それは全くの杞憂だったというくらいの満員だった。メンバーは今回限りにならないように、と言っていたが、攻めの姿勢を忘れることなくこのステージに出続けて欲しい。
リハ1.俺は地球
リハ2.良いDJ
1.KMTR645 feat.レキシ
2.MEGA SHAKE IT!!
3.ファントムバイブレーション
4.サギグラファー
5.DQNなりたい、40代で死にたい
6.ハッピーポンコツ
7.ウィーアーインディーズバンド!!
8.ビビった
9.わかってんだよ
わかってんだよ
https://youtu.be/waQY84HhreE
14:30~ WANIMA [EARTH STAGE]
去年、初出演でGALAXY STAGEを超満員にしてみせたWANIMA 。ロッキンでの代役とはいえGRASS STAGEを経て、今回は2年目にして堂々とメインのEARTH STAGEに立つ。
これまではスキャットマンジョンのSEだったのが、ライブの期待をさらに煽るオリジナルのものに変わっている。相変わらず煽りまくり&踊りまくってから楽器を手にし、
「WANIMA~PIZZA OF DEATH~」
とおなじみの開会宣言的な歌を健太が歌い始めると、
「今年もいろんなライブ出てきたけどやっぱり…日本で1番COUNTDOWN JAPANが好き!WANIMA、開催しまーす!」
の「開催しまーす!」ですら満員の観客が一緒に叫ぶ中、夜の男女の情事を歌った「BIG UP」からスタートし、踊らせまくりの暴れさせまくり。
「COUNTDOWN JAPANのテーマソング歌います!」
と言っての「Hey Lady」では最初から最後まで凄まじい大合唱。シングル曲でもなんでもない、デビューミニアルバムに入ってた曲がこんなに何万人もの大合唱を巻き起こしているというのは改めて考えると本当にとんでもないことである。
健太がいきなり観客にスマホを点灯させて掲げさせると、客席いっぱいに光が広がる。しかし「曲始まったらみんな携帯失くすからすぐしまって!」と、特に曲の演出に使うことなく、ミュージックステーション出演を果たした「ともに」を披露。この日は健太の声も全く心配ないくらいに良く出ている。
「見た目こんなんやけど怖がらんでいいから!焼きそばみたいな髪型しとるけど!汚いスティッチみたいやろ?(笑)」
とこれだけの規模になっても決してヒーローにはならない親しみやすいキャラは変わらず、歌こそ歌わないがドラム藤原の明らかに長渕剛のモノマネもあり。
「オドルヨル」「いいから」というエロいタイプの曲で踊らせまくると、最後と言って演奏された「THANX」ではやはりもの凄い大合唱となり、「やっぱりあと1曲!」と言って演奏された「For you」ではこれまでの激しい盛り上がりとは少し変わり、その曲の持つメッセージをしっかり噛みしめるようだった。
若手パンクバンドが2年目でEARTH STAGEに進出するという異例のスピード感としっかり客席を超満員にする力。
「日々の辛いことを俺たちのライブでぶつけて忘れて、笑顔になって欲しい」
と健太は言ったが、本当にWANIMAのライブはみんなが笑顔と汗で溢れ、時には涙を流す。
ここ10年くらいのパンクバンド達が行きたくてもたどり着けなかった場所にこのバンドは早くもたどり着いている。それは楽曲の力はもちろん、メンバーの人間性によるものも大きいだけに、最後に写真撮影をする時に言った
「次出られないかもしれないから!」
という自信なさげな言葉が全く説得力を持たないくらい、このバンドはこれからさらに様々なフェスで巨大な存在になっていくはず。
もはやどのフェスやイベントで見てもベストアクトクラスになってしまうというジョーカー的な強さを持ちつつあるが。
1.BIG UP
2.Hey Lady
3.ともに
4.リベンジ
5.オドルヨル
6.いいから
7.THANX
8.For you
ともに
https://youtu.be/qag4ewos4TE
15:15~ BLUE ENCOUNT [GALAXY STAGE]
前回はこのGALAXY STAGEと、NICO Touches the Wallsの代打でEARTH STAGEにも立った、BLUE ENCOUNT。今年もGALAXY STAGEに登場である。
ステージへの入場列がものすごく長くなっている中、
「はっじまるよ~!」
と田邊のおなじみの叫びでもって「Survivor」からスタート。
もはやこのバンドはいろんなフェスやイベントに出まくっているし、ヒットシングルを連発しているだけにセトリも固まってきてもおかしくないような状況だが、「ロストジンクス」や「LIVER」というあたりの定番になりつつある曲を外し、ドラマ主題歌の最新シングル「LAST HERO」を挟んで「HALO」、タイトル通りに1番後ろまで埋まった観客をジャンプさせる「JUMP」と、同じくらいの持ち時間であっても毎回セトリを変えてくるので、飽きないし毎回見逃せないと思える。
バンドの骨太なリズムと江口のタッピングというテクニカルな要素満載なのにメロディは実にポップな「DAY × DAY」でモッシュ、サークルを発生させると、
「かっこ悪いけど、力を貸してくれ!一緒に歌ってくれ!」
と「もっと光を」ではもはや完全に入場規制レベルの大観衆の合唱が響く。ある意味ではこの曲の存在がこのバンドをこの位置まで連れてきたとも言えるが、それからもキラーチューンを連発しているのがさらに上の位置が見えている理由である。
しかしながら先日、試聴会イベントを田邊が体調不良で欠席したために一抹の不安もあったが、
「知ってる人もいるだろうけど、俺この前倒れてさ。医者に当分ライブできませんって言われたんだけど、薬もらったりしてなんとかここに立ってて。倒れたあと、歌えなかったの。生きがいを奪われたの。本当に辛かったし、そうやって倒れた身から言う。生きろ!死ぬ気で生きろ!そしてまたこのフェスで、次はEARTH STAGEで会おう!そのために、俺たちとあんたらとの終わらない物語を歌おう!」
とあまりにも熱すぎて語尾に全て「!」をつけたくなるくらいにまくし立てて体調不良の不安を一掃するとともに来年のさらなる飛躍を近い、終わらない物語こと「Never Ending Story」を全員で大合唱し、3月に今度はワンマンでこの幕張メッセのステージに立つことを告知した。
ロックバンドがこの幕張メッセでワンマンできるようになったら、このフェスでは間違いなくメインステージに立つ。来年はEARTH STAGEでもっと多くの人たちと一緒にこのバンドの曲が歌えることになる。
1.Survivor
2.HALO
3.LAST HERO
4.JUMP
5.DAY × DAY
6.もっと光を
7.Never Ending Story
LAST HERO
https://youtu.be/DubhkMshe0Y
16:20~ 04 Limited Sazabys [GALAXY STAGE]
2年連続のGALAXY STAGE出演にして、もはや始まる前から超満員の完全に入場規制状態の04 Limited Sazabys。
リハから曲を連発すると、いつものSEで手拍子に導かれてメンバーが登場。HIROKAZはバンドのTシャツというバンド愛、RYU-TAはハイスタTシャツというメロコア愛、GENは猫の顔のイラストTシャツという猫愛をそれぞれ感じさせる出で立ちで、
「名古屋から来た、04 Limited Sazabysです!年内ラストライブ始めます!」
という挨拶からの「swim」でスタートし、さらに「monolith」「fiction」と序盤はライブ定番曲をテンポ良く連発していく。
カップリング曲にしては割と演奏頻度の高い「cubic」から、GENによるおなじみの「生で音楽を体験すること」のMCを挟むと、「Night on」「Warp」と今年リリースのアルバム「eureka」からの曲も披露。モッシュとサークルの嵐だった客席の様子もこの新作の曲の時は少し変わり、客席の様子を見るだけでバンドがこれまでよりさらに音楽性を広げていることがわかる。
「去年はライブ後に飲み過ぎて記憶と携帯を失くしました(笑)今年は何を失くそうかな(笑)」
と笑わせながら、
「名古屋から流星群を持ってきました!」
と「midnight cruising」、
「愛しい皆様にお手紙をしたためてきました!」
と「Letter」と短い時間の中に緩急も交えていくが、RYU-TAはいつも以上に変な動きを見せ、HIROKAZも煽りまくり、KOUHEIは笑顔でカメラ目線を連発しながらドラムを叩くなど、年内最後ということもあってか、メンバー全員がいつにも増して楽しそうに演奏している。
GENの独特のハイトーンボイスもボーカルメインで始まってツービートのパンクに展開していく「Horizon」でさらに爽やかに響き渡り、
「本当に最高の景色をありがとうございました!今年はフェスを初めて主催したり、Hi-STANDARDと2マンをやったりと、いろんな夢が叶った一年でした!でもまだまだ僕らの夢はこれからも続きます!」
という大躍進を果たした今年を総括しつつ、さらに先まで向かう姿勢を見せて、
「肌にこびりついてる感情を
閉じて夢の続き眠ろうか
僕が僕だった頃 あの時のままで
夢を見てる まだ夢は続く
ただ先へ進め」
とGENがよく言う「生で音楽を感じること」とこれから先も進んでいくという姿勢が両方歌われた「Feel」で終了…かと思いきや、
「まだ時間ちょっとあるそうなんで、もう1曲!」
と言って短いパンクチューン「Remember」を2016年最後の曲として今年の活動を終えた。基本的にテンポが物凄くいいだけにライブの平均点も非常に高いバンドだが、やはり年内最後ということで気合いが入っていたのか、いつにも増して良いライブだった。
GENが言った通り、今年はこのバンドにとって様々な夢が叶った大躍進の一年だった。個人的にもYON FESのために名古屋に行ったり、ワンマンを始めとしていろんなところでライブを見まくり、そのどれもが本当に楽しかった。だからこそまた来年ももっともっとこのバンドじゃなきゃ見れないような、良い景色をお互いに見せ合いたい。めちゃくちゃ期待してるだけに、来年も本当によろしく。
リハ1.climb
リハ2.nem…
リハ3.medley
1.swim
2.monolith
3.fiction
4.cubic
5.Night on
6.Warp
7.midnight cruising
8.Letter
9.Horizon
10.Feel
11.Remember
Horizon
https://youtu.be/KKf2M6vc74Y
17:00~ ユニコーン [EARTH STAGE]
このフェス皆勤賞の男・奥田民生。弾き語りであったりソロバンドであったり、近年はくるり岸田とのサンフジンズだったり形を変えて出続けているが、今年はユニコーンでEARTH STAGEに出演。
フォーリミ終わりでEARTHに着くとすでにライブは始まっており、メンバー全員が赤いツナギを着用している。奥田民生いわくこれは自身が大ファンである広島カープが優勝したことによるもので、その理由で
「今年は本当にいい年だった。来年もこの色が着れますように」
ともはや音楽よりも野球が人生の中心みたいになっている。
ライブはというと、序盤は今年リリースの最新アルバムを中心とした内容で、最新系のバンドの姿をしっかり見せていくのだが、奥田民生、ABEDON、手島いさむのギタートリオが動きを合わせてギターを弾いたり、完全にもはやダンスの域に達してるくらいにギター持って踊っていたりと、演奏はめちゃくちゃ上手いのにやたら笑えるというベテランならではの余裕を発揮している。
ABEDONが旗を振ったりして大活躍しまくりの「Boys & Girls」では最後のキメでABEDONと川西の息が合わずに何度も合わせつつ(失敗しているのではなく、アドリブっぽい感じなので見ていてめちゃくちゃ面白い)、お待ちかねの「大迷惑」で奥田民生は観客に歌わせまくり、初見であろう若い観客をもぐいぐいと引き込んでいく。
再結成後の初シングル曲である「WAO!」ではメインボーカルのABEDONが間奏部分でヘリウムガスを使ったような声に自身の声を変え、その声で1人ずつメンバーを紹介していくという、他のメンバーも笑っぱなしの展開に。
そしてラストはこの時期にぴったりの名曲「雪が降る街」。メンバーの頭上のLEDがステージに雪が降っているかのような映像を映し出し、演奏が終わると
「また来年!」
と奥田民生が言って、もはや貫禄と余裕に満ち溢れた今年最後のライブを終えた。
代表曲ばかりの懐メロ大会でもなく、自己満足的な選曲ばかりでもなく、代表曲は抑えつつ最新系を見せていくという形はもはや50代ばかりのバンドとは思えないくらいに理想的な内容であった。
しかし、やはりというかなんというか、客席は最初ガラガラだった。再結成直後に出演した時は超満員だったバンドとは思えないくらいに。かといってGALAXYに出るイメージも全く湧かないが、長く活動するだけでなく、継続してヒット曲を生み出していかないと若手の話題性に負けてしまうというベテランの厳しさが垣間見えた瞬間であった。
1.すばやくなりたい
2.頼みたいぜ
3.エコー
4.TEPPAN KING
5.Boys & Girls
6.大迷惑
7.WAO!
8.雪が降る町
エコー
https://youtu.be/sOIHgq7agjs
18:15~ [Alexandros] [EARTH STAGE]
ツアー真っ最中の[Alexandros]。今回のフェス期間中は海浜幕張駅をこのバンドの広告がジャックするという、4月の幕張メッセワンマン2daysに大きな援護射撃をもらっている中での出演。
おなじみの「Burger Queen」ではなく壮大なSEが流れてメンバーとサポートキーボードのROSEがステージに現れると、その壮大なSEが変化していき、「ムーンソング」のイントロに。川上洋平の高音ボーカルはこの日も安定感抜群で、調子が悪い日があったら見てみたいと思うくらいのレベル。
不穏なデジタルサウンドを導入した「Girl A」では川上がギターを持ったまま何度もジャンプをし、ピアノ音から始まる「Kaiju」では斬れ味鋭いラップで言葉を次々に放っていく。
「Kaiju」同様に川上がハンドマイクの「Kick&Spin」では川上がステージ左右を最大限に動き回りながら歌うと、白井と磯部の2人も何度も巨大モニターの前まで移動しにいって演奏。しかしながら巨大モニターがあるからか、カメラ目線で歌ったりカメラを掴んだり、カメラに向かって舌を出したりする川上は本当にロックスターである。磯部もその優しさしか感じない笑顔をカメラに向けてアピールしていたが。
するとここですでにCMでオンエアされている新曲「SNOW SOUND」を披露。このバンドにとっては珍しい、難しい演奏もほとんどなく、ただひたすらに川上の歌に重点を置かれた曲であるが、タイトル通りにこの寒い時期に聴くにはぴったりの曲である。
「まだまだ踊れますかー!」
と川上が煽ると、ツアーではすでに披露しているが、規則的にバスドラの音が鳴り続けるというダンサブルなアレンジになった「Run Away」で踊らせまくると、そのアウトロとイントロが繋がる形での「Starrrrrr」では超満員の観客の大合唱が会場を包み、「ワタリドリ」のサビを川上が歌い始めたので、てっきり「ワタリドリ」をやるのかと思いきや、それは見せかけで最後に演奏されたのは「Dracula La」。個人的にはこの選曲の方がありがたいが、「ワタリドリ」を聴きたかった人もたくさんいただろうなぁという空気を「ワタリドリ」を歌い始めた時に実感した。
メンバーが去る中、川上がいつものようにエフェクターボードを操作すると、いつものようにノイズが発生することなく、川上がまたギターを持ち、まさかの「12/26以降の年末ソング」を弾き語り。そこまでやるんなら1曲まるごとやればいいのに、とも思ったが、なんにせよちょっとだけでも聴けて良かった。
今年は最新アルバム「EXIST!」がオリコン1位になるなど、さらに大きな場所に足を踏み入れた一年になった。それは大会場、多くの人の前でこそさらに真価を発揮するというこのバンドの特性とは無関係ではないと思うし、だからこそさらに上まで行ける気しかしない。さらに上というのはつまり今のこのバンドで言うとドームレベルということ。
「Feel Like」「Aoyama」という「EXIST!」の中の新機軸の曲は演奏されなかったのは少々意外ではあったが、川上を始めとするメンバーのあまりにも気合いが漲りまくったこの日のライブは、4月の幕張メッセワンマン2daysをさらに楽しみなものにしてくれた。
1.ムーンソング
2.Girl A
3.Kaiju
4.Kick&Spin
5.SNOW SOUND
6.Run Away
7.Starrrrrr
8.Dracula La
ムーンソング
https://youtu.be/FU5FxTP1cpw
19:30~ 10-FEET [EARTH STAGE]
去年はEARTH STAGEの年越しを務めた10-FEETがこの日のトリ。たくさんのキッズがタオルを掲げて待ち受けるおなじみの光景の中でメンバーが登場すると、
「今日は爆死するくらいまで行くぞー!」
とTAKUMAが叫び、「VIBES BY VIBES」からひたすらにテンションの高い演奏を繰り広げ、客席ではモッシュ、サークル、ツーステなど禁止されているダイブ以外のあらゆる楽しみ方を見せる。
「先にやるぞー!」
と2日早く10秒前からなんの意味もないカウントダウンを決行し、「風」で雰囲気をガラッと変えつつ、
「俺はな、お前達に死んでほしくないわけ、生きてて欲しいわけ。そんで生きて一緒にロックンロールしたいわけ」
と、大好きなサンボマスター山口のモノマネもしつつ、
「言葉が、Yeahだけしか存在しなかったら、嬉しい時も悲しい時もそれだけ言えばよくなるのに」
という言葉の強さを知っている、言葉を大事に紡いできた男の言葉だからこそハッとする言葉を語ると、その言葉をそのまま歌詞にしたような新曲を披露。その歌詞を前面に押し出し、演奏はかなりシンプルで今年リリースの「アンテナラスト」のようにレゲエなどのジャンルの要素を取り入れたりもしないというストレートさ。ライブに比してやたらとリリースペースが空きがちなバンドなだけに、こうして早いスパンで新曲が聴けるのは嬉しい限り。
「ほとんどの人が知らない曲だと思うけど」
と言っての「back to the sunset」(知らないことない)の後は、NAOKIのベースのイントロで始まるはずの「2%」にTAKUMAがギターを被せたことにより、KOUICHIもドラムでユニゾンさせようとするも、
「めちゃくちゃダサい」
と3人とも苦笑してしまう結果になってしまい、結局元々のベースのみのイントロでやり直すことに。このやり取りはこれまでにも何回かやっていることではあるが。
「怪我はして欲しくないけど、ちょっとくらいのかすり傷やアザくらいなら勲章みたいなもんや。俺らも死ぬ気でやるから!」
とTAKUMAがもはやマイクを通さずに叫びながらあらゆる感情を吹き飛ばすかのような「その向こうへ」からはラストスパートへ。
「大人にならなきゃいけない時もあるかもしれんけど、みんながみんな大人にならなくてもええんやないだろうか」
とキッズとキッズのままの人のためのフェスを開催してるバンドだからこその言葉を投げかけると、アンコールの時間も本編につぎ込んだということで、アンコールなしのラストは「RIVER」。先日の骸骨祭りと同じように「流れゆく川」は「利根川」になっていたが、かつて幕張メッセでのおなじみだった「花見川」はもう使わないんだろうか。
しかし昨日、今日とベテランバンドにはなかなか厳しい状況を何度か見てきたが、すでに40代に突入しており、年齢的にもキャリア的にも完全にベテランの域に入る10-FEETはそうした動員面でキツい状況になることは一生ないだろうな、って思えるのが本当にすごい。そこにはやはり京都大作戦というこれ以上ないくらいのホームと呼べる場所を自分たちの手で作り上げてきたからという努力あってのことだけど。
リハ.Mr.bullshit
1.VIBES BY VIBES
2.goes on
3.shoes
4.focus
5.風
6.STONE COLD BREAK
7.新曲
8.back to the sunset
9.2%
10.その向こうへ
11.1sec.
12.RIVER
その向こうへ
https://youtu.be/yWyzYlvYqHk
10-FEETの曲間でTAKUMAが
「来年がどうなるかなんて、来年にならんとわからんのじゃー!
今日がどんな日だったかなんて、今日のこのイベントが終わってみないとわからんのじゃー!」
とセルフツッコミMCをしていたが、少なくとも自分はこの日が終わって、本当に楽しかったと思えた。
Next→ 12/30 COUNTDOWN JAPAN 16/17 @幕張メッセ
