Galileo Galilei ”Sea and The Darkness” Tour 2016 @恵比寿LIQUIDROOM 4/6
- 2016/04/07
- 00:10
10代限定フェス、閃光ライオットで優勝して鮮烈なデビューを飾り、メンバーの加入や脱退などもありながら、作品を重ねるごとに音楽性を進化・深化させてきたGalileo Galilei。
そのGalileo Galilei(以下、ガリレオ)が最新アルバム「Sea and The Darkness」のリリースと同時に、突如としてバンドとしての活動終了を宣言。
すでに公式サイトでもメンバーのコメントが発表され、様々な音楽サイトや雑誌でも活動終了にいたる経緯を語ってはいるが、それがまたさらなる臆測を呼んでもいる中、ラストツアーとなるアルバムのリリースツアーを開催。
東京ではすでに3月末に渋谷O-EASTでワンマンが行われているが、そのライブのチケットが当然のように即完したことにより、追加公演としてこの日のリキッドルームでのワンマンを開催。ラストライブの札幌の直前、つまり最後から2番目のライブになるというタイミングであり、もちろん関東圏では最後のライブである。
当然のように客席は満員の中、19時になると会場が暗転し、メンバー3人と、今回のツアーのサポートメンバーである、藤井清也(The SALOVERS)、DAIKIの2人の計5人がステージに登場。
「Galileo Galileiです。今日はよろしくお願いします」
と尾崎雄貴(ボーカル&ギター)が挨拶して拍手が起こると、アルバムのオープニングトラックであり、物語のイントロ的な要素の強い「Sea and The Darkness」からスタート。清也はこの曲を中心に、序盤はアコギを弾く場面が多い。
かねてからバンドの公式アカウントで告知されていた通り、今回のツアーはラストツアーでこそあれ、「Sea and The Darkness」の完全再現をメインにしたものであるため、曲順はアルバムと全く同じ。
打ち込みも使った「カンフーボーイ」、フィクションじゃなかったらヤバいだろうと思うくらいに雄貴の作家性が遺憾なく発揮されている歌詞の「ウェンズデイ」、CDでは「SEE MORE GLASS」収録曲「バナナフィッシュの浜辺と黒い虹」でもコラボしていた歌姫・Aimerがメインボーカルを務めていたが今回は雄貴が1人で歌う「ベッド」、
「鳥かごの中から君に さよならを言う
さよならを言う 何度も」
という雄貴の伸びやかなボーカルによるフレーズがラストライブという状況も手伝って一層切なく響く「鳥と鳥」、タイトルの通りに燃えるような真っ赤な照明がサビでメンバーを照らす「燃える森と氷河」と、序盤はUSインディー色の強い、ローファイな曲が中心のため、観客もじっとメンバーの演奏する姿を見つめているといった様相。
ほとんど曲間もなく次々に演奏されていくため、ライブのテンポは非常に良く、ツアーを重ねてきただけあって、かつては「音源に比べてライブは…」と言われていたのが嘘のようにバンドの演奏は力強く、安定している。それを支えているのは、重くグルーヴィーな佐孝のベースと、複雑でありながら躍動感のある尾崎和樹というオリジナルメンバー2人によるリズム隊。
さらにそこに雄貴も含めたトリプルギターがサウンドに厚みを与え、DAIKIはシンセとキーボードまで演奏するというマルチプレイヤーぶりで、アルバムの再現に大きな貢献を果たしている。
すると和樹がおもむろにドラムセットを離れると、雄貴の横にあるキーボードに座り、和樹がキーボード、雄貴がピンボーカルという、尾崎兄弟のみによる編成で「日曜」を演奏。サウンド的には音源通りなので、CDで聴いていた時は雄貴がピアノで弾き語りするのかと思っていたが、まさか和樹が弾いているとはという驚き。
するとここで短いインターバル。追加公演は初めてだっけ?と雄貴が問うも、過去に一度追加公演をやっている、という最後の最後までMCだけは全く上達していないというのがよくわかる一幕。
アルバム後半は先行シングル「恋の寿命」から。アルバムを貫く暗いムードとサウンドからは浮いている感じすら受けるギターロック色の強いラブソングなだけに、サビではここまでずっと聴き入っていた観客がこの日初めて腕を上げる。
同じ先行シングル曲でもこちらはアルバムの流れに実に違和感なくなじんでいる「嵐のあと」から、決してわかりやすい激しさではないが、徐々に奥底から熱量が放出され、雄貴のボーカルも叫ぶような歌い方を見せるようになる「ユニーク」、
「このアルバムはクソだ 嘘だよ」
という、最初に聴いた時はビックリしてしまうようなフレーズが繰り返される「ブルース」、タイトル通りに青い照明がメンバーを照らすも、それは決してかつてのこのバンドの音楽性のような、若さの色としての青さではない「青い血」と、元よりライブでも声の伸び、歌唱力には定評のあった雄貴のボーカルはさらに解き放たれていく中、
「最後の曲です」
と一言だけ告げて、冒頭とは対称的に、物語のあとがき的な「Sea and The Darkness II (Totally Black)」では雄貴がキーボードを弾きながら歌い、再現ライブと予告されていた通りに、ボーナストラックを除いた全14曲、約70分というコンパクトさであまりにもあっさりと本編は終了した。
しかし当然ながらラストツアーがこれで終われるわけもなく、すぐさまアンコールに5人が登場。
このタイミングで演奏されるとは思わなかった「夢に唄えば」、タイトルとは裏腹に非常にポップかつドリーミーなギターサウンドの「くそったれども」を終えると、雄貴以外のメンバーがいったんステージから去り、1人残った雄貴が改めて活動終了について説明を始める。
「メンバーの誰かが音楽をやめたいと思っているわけではなく、むしろ3人全員が間違いなくこれからも音楽を続けていくこと」
「メンバー間の音楽性の違いもなく、尾崎兄弟の兄弟喧嘩もない、非常にメンバーの関係性は良好なこと」
「確かに昔の曲をやるのは恥ずかしかったり、もっとああすれば良かったというところもあるが、昔の曲や数々のアニメのタイアップに縛られたりしているわけではなく、これまでに作った曲とこれまでの活動を心から愛していること」
の3点を、話すのがうまくないながらもしっかりと自分の口で伝え、
「CDとか、グッズとか、サインとか、ライブの思い出とか。みんなが捨てなければ、それはずっと残る。だから、これからもGalileo Galileiをよろしくお願いします」
と、これまでガリレオを愛してくれた人たちに、これからもガリレオを愛し続けてくれるように語りかけ、弾き語りでイギリスのバンド、The Magnetic Fieldsの「The Book Of Love」を自身で日本語に訳したカバーを披露。ガリレオはこうして海外のバンドのカバーを多々公開したり、ライブで演奏したりしていただけに、それらをまとめたものを聴きたい気持ちもある。ただ、音源化はやはり難しいだろうか。
そしてメンバーが全員ステージに戻り、メンバー紹介を経て、
「ガリレオの最初の頃に作った曲を聴いてください」
と雄貴が言って演奏されたのはデビューミニアルバムに収録されていた「ハローグッバイ」。
何度となくライブで聴いてきた曲も、これで最後というのが頭にあると、全く違う響き方、感じ方をする。それはこの曲自体がタイトル通りに出会いと別れを歌っている曲だからというのもあるが、この曲を演奏している時、周りにいた女性たちが涙を流しながら聴いていた。
10代でデビューした(和樹にいたっては高校生だった)バンドとともに、一緒に成長して大人になったであろう、メンバーと同世代くらいの女性たち。そんな彼女たちにとっては、このバンドの終わりはある意味で自身の青春の終わりであると言える。実際、バンドは「おもちゃの車を降りる時がきた」という、青春、思春期の終わりのようなコメントを残している。
そして「本当に最後の曲」と言って演奏されたのは、アニメのタイアップとして、エレクトロの要素を取り入れた、バンド中期のイメージを決定付けた名曲「青い栞」。CDでコーラスを務めていた、さよならポニーテールのみぃなのコーラスが打ち込みで流れ、雄貴のボーカルと絡み合うことによって浮かび上がる、淡い男女の関係性。どんなにバンドが音楽的に成熟を果たしても、この感覚は間違いなくこのバンドの持つ魅力だった。これで終わりなんかじゃなく、もっと何度もライブで聴きたかったなんて、
「本当どうかしてるみたい」
だろうか。
演奏が終わると、写真を撮ったりすることもなく、あまりにあっさりとメンバーたちはステージを去って行った。それだけにさらなるアンコールを期待したが、それは叶わなかった。最後だっただけに、もっともっとライブで聴きたかった曲がたくさんあった。
インタビューなどではメンバーは今後も3人揃って音楽をやっていきたいという旨の発言をしているが、これからどうするのかは本人たちにしかわからない。
しかし、仮に同じメンバーでやるんだとしても、初期の青いギターロックのような曲はもう作らないだろうし、もちろんガリレオの曲をライブで演奏することもないだろう。
となるとやはり「Sea and The Darkness」の延長線上な、メンバーが愛するUSインディー的な方向を推し進めるような音楽をやっていくのではないかと思われるが、今日、ステージで演奏している姿を見て、デビュー時からずっと「若い」というイメージを持ち続けていたメンバーは、全員すっかり大人になっていた。
思えば清也がやっていたThe SALOVERSも活動休止し表立って音楽活動をしていないメンバーもいるし、ガリレオの次に閃光ライオットで優勝したTHE☆米騒動のメンバーも「安定を求めた」という理由でシーンから去っていった。
かつて「恐るべき10代」と評されたバンドたちは、みな10代ではなくなり、自分の進む道を自分でしっかり考えて決める年齢になっていた。
そんな彼らにもはや「青さ」を求めるのは、どれだけ良い曲を作っていたとしても酷なのかもしれない。でも、今のUSインディー感ももちろん、初期のストレートなギターロックも、中期のアニメのタイアップを多数獲得して、バンドの支持層を広げたエレクトロポップも、どの時期のガリレオも本当に好きだったし、そうしたバンドの音楽性の変遷とバンド及びメンバーの成長をこの目で見てこれたのは、本当に幸せなことだった。
雄貴が言っていたように、我々ファンが捨てさえしなければ、ガリレオの音楽はずっと残っていく。このバンドの音楽を愛してきた人たちは絶対捨てることなんてできないし、ガリレオが作ってきた音楽を聴き続けるだろう。
そして、今後メンバーが音楽を続けていくことが、ガリレオは間違っていなかったということの証明にもなるし、リアルタイムでガリレオに出会えなかった、さらに下の世代にガリレオが残した音楽を伝えていくことにもなる。
そういう意味でも、メンバー3人のこれからの活躍を期待してやまない。またすぐステージに立っている姿を見れますように。
今までありがとう。まだ札幌での本当のラストライブが控えているけど、ひとまずはお疲れ様。
1.Sea and The Darkness
2.カンフーボーイ / Kung Fu Boy
3.ゴースト / Ghost
4.ウェンズデイ / Wednesday
5.ベッド / Love Song
6.鳥と鳥 / Bird Cage
7.燃える森と氷河 / Different Kinds
8.日曜 / Her Surprise
9.恋の寿命 / Limit of Love
10.嵐のあとで / Aftermath
11.ユニーク / Unique
12.ブルース / Blues
13.青い血 / Blue Blood
14.Sea and The Darkness II (Totally Black)
encore
15.夢に唄えば
16.くそったれども
17.The Book Of Love (The Magnetic Fieldsの和訳カバー)
18.ハローグッバイ
19.青い栞
恋の寿命
http://youtu.be/553pbIU5HRw
青い栞
http://youtu.be/mF-Da9NXmb4
Next→ 4/9 サカナクション @幕張メッセ
そのGalileo Galilei(以下、ガリレオ)が最新アルバム「Sea and The Darkness」のリリースと同時に、突如としてバンドとしての活動終了を宣言。
すでに公式サイトでもメンバーのコメントが発表され、様々な音楽サイトや雑誌でも活動終了にいたる経緯を語ってはいるが、それがまたさらなる臆測を呼んでもいる中、ラストツアーとなるアルバムのリリースツアーを開催。
東京ではすでに3月末に渋谷O-EASTでワンマンが行われているが、そのライブのチケットが当然のように即完したことにより、追加公演としてこの日のリキッドルームでのワンマンを開催。ラストライブの札幌の直前、つまり最後から2番目のライブになるというタイミングであり、もちろん関東圏では最後のライブである。
当然のように客席は満員の中、19時になると会場が暗転し、メンバー3人と、今回のツアーのサポートメンバーである、藤井清也(The SALOVERS)、DAIKIの2人の計5人がステージに登場。
「Galileo Galileiです。今日はよろしくお願いします」
と尾崎雄貴(ボーカル&ギター)が挨拶して拍手が起こると、アルバムのオープニングトラックであり、物語のイントロ的な要素の強い「Sea and The Darkness」からスタート。清也はこの曲を中心に、序盤はアコギを弾く場面が多い。
かねてからバンドの公式アカウントで告知されていた通り、今回のツアーはラストツアーでこそあれ、「Sea and The Darkness」の完全再現をメインにしたものであるため、曲順はアルバムと全く同じ。
打ち込みも使った「カンフーボーイ」、フィクションじゃなかったらヤバいだろうと思うくらいに雄貴の作家性が遺憾なく発揮されている歌詞の「ウェンズデイ」、CDでは「SEE MORE GLASS」収録曲「バナナフィッシュの浜辺と黒い虹」でもコラボしていた歌姫・Aimerがメインボーカルを務めていたが今回は雄貴が1人で歌う「ベッド」、
「鳥かごの中から君に さよならを言う
さよならを言う 何度も」
という雄貴の伸びやかなボーカルによるフレーズがラストライブという状況も手伝って一層切なく響く「鳥と鳥」、タイトルの通りに燃えるような真っ赤な照明がサビでメンバーを照らす「燃える森と氷河」と、序盤はUSインディー色の強い、ローファイな曲が中心のため、観客もじっとメンバーの演奏する姿を見つめているといった様相。
ほとんど曲間もなく次々に演奏されていくため、ライブのテンポは非常に良く、ツアーを重ねてきただけあって、かつては「音源に比べてライブは…」と言われていたのが嘘のようにバンドの演奏は力強く、安定している。それを支えているのは、重くグルーヴィーな佐孝のベースと、複雑でありながら躍動感のある尾崎和樹というオリジナルメンバー2人によるリズム隊。
さらにそこに雄貴も含めたトリプルギターがサウンドに厚みを与え、DAIKIはシンセとキーボードまで演奏するというマルチプレイヤーぶりで、アルバムの再現に大きな貢献を果たしている。
すると和樹がおもむろにドラムセットを離れると、雄貴の横にあるキーボードに座り、和樹がキーボード、雄貴がピンボーカルという、尾崎兄弟のみによる編成で「日曜」を演奏。サウンド的には音源通りなので、CDで聴いていた時は雄貴がピアノで弾き語りするのかと思っていたが、まさか和樹が弾いているとはという驚き。
するとここで短いインターバル。追加公演は初めてだっけ?と雄貴が問うも、過去に一度追加公演をやっている、という最後の最後までMCだけは全く上達していないというのがよくわかる一幕。
アルバム後半は先行シングル「恋の寿命」から。アルバムを貫く暗いムードとサウンドからは浮いている感じすら受けるギターロック色の強いラブソングなだけに、サビではここまでずっと聴き入っていた観客がこの日初めて腕を上げる。
同じ先行シングル曲でもこちらはアルバムの流れに実に違和感なくなじんでいる「嵐のあと」から、決してわかりやすい激しさではないが、徐々に奥底から熱量が放出され、雄貴のボーカルも叫ぶような歌い方を見せるようになる「ユニーク」、
「このアルバムはクソだ 嘘だよ」
という、最初に聴いた時はビックリしてしまうようなフレーズが繰り返される「ブルース」、タイトル通りに青い照明がメンバーを照らすも、それは決してかつてのこのバンドの音楽性のような、若さの色としての青さではない「青い血」と、元よりライブでも声の伸び、歌唱力には定評のあった雄貴のボーカルはさらに解き放たれていく中、
「最後の曲です」
と一言だけ告げて、冒頭とは対称的に、物語のあとがき的な「Sea and The Darkness II (Totally Black)」では雄貴がキーボードを弾きながら歌い、再現ライブと予告されていた通りに、ボーナストラックを除いた全14曲、約70分というコンパクトさであまりにもあっさりと本編は終了した。
しかし当然ながらラストツアーがこれで終われるわけもなく、すぐさまアンコールに5人が登場。
このタイミングで演奏されるとは思わなかった「夢に唄えば」、タイトルとは裏腹に非常にポップかつドリーミーなギターサウンドの「くそったれども」を終えると、雄貴以外のメンバーがいったんステージから去り、1人残った雄貴が改めて活動終了について説明を始める。
「メンバーの誰かが音楽をやめたいと思っているわけではなく、むしろ3人全員が間違いなくこれからも音楽を続けていくこと」
「メンバー間の音楽性の違いもなく、尾崎兄弟の兄弟喧嘩もない、非常にメンバーの関係性は良好なこと」
「確かに昔の曲をやるのは恥ずかしかったり、もっとああすれば良かったというところもあるが、昔の曲や数々のアニメのタイアップに縛られたりしているわけではなく、これまでに作った曲とこれまでの活動を心から愛していること」
の3点を、話すのがうまくないながらもしっかりと自分の口で伝え、
「CDとか、グッズとか、サインとか、ライブの思い出とか。みんなが捨てなければ、それはずっと残る。だから、これからもGalileo Galileiをよろしくお願いします」
と、これまでガリレオを愛してくれた人たちに、これからもガリレオを愛し続けてくれるように語りかけ、弾き語りでイギリスのバンド、The Magnetic Fieldsの「The Book Of Love」を自身で日本語に訳したカバーを披露。ガリレオはこうして海外のバンドのカバーを多々公開したり、ライブで演奏したりしていただけに、それらをまとめたものを聴きたい気持ちもある。ただ、音源化はやはり難しいだろうか。
そしてメンバーが全員ステージに戻り、メンバー紹介を経て、
「ガリレオの最初の頃に作った曲を聴いてください」
と雄貴が言って演奏されたのはデビューミニアルバムに収録されていた「ハローグッバイ」。
何度となくライブで聴いてきた曲も、これで最後というのが頭にあると、全く違う響き方、感じ方をする。それはこの曲自体がタイトル通りに出会いと別れを歌っている曲だからというのもあるが、この曲を演奏している時、周りにいた女性たちが涙を流しながら聴いていた。
10代でデビューした(和樹にいたっては高校生だった)バンドとともに、一緒に成長して大人になったであろう、メンバーと同世代くらいの女性たち。そんな彼女たちにとっては、このバンドの終わりはある意味で自身の青春の終わりであると言える。実際、バンドは「おもちゃの車を降りる時がきた」という、青春、思春期の終わりのようなコメントを残している。
そして「本当に最後の曲」と言って演奏されたのは、アニメのタイアップとして、エレクトロの要素を取り入れた、バンド中期のイメージを決定付けた名曲「青い栞」。CDでコーラスを務めていた、さよならポニーテールのみぃなのコーラスが打ち込みで流れ、雄貴のボーカルと絡み合うことによって浮かび上がる、淡い男女の関係性。どんなにバンドが音楽的に成熟を果たしても、この感覚は間違いなくこのバンドの持つ魅力だった。これで終わりなんかじゃなく、もっと何度もライブで聴きたかったなんて、
「本当どうかしてるみたい」
だろうか。
演奏が終わると、写真を撮ったりすることもなく、あまりにあっさりとメンバーたちはステージを去って行った。それだけにさらなるアンコールを期待したが、それは叶わなかった。最後だっただけに、もっともっとライブで聴きたかった曲がたくさんあった。
インタビューなどではメンバーは今後も3人揃って音楽をやっていきたいという旨の発言をしているが、これからどうするのかは本人たちにしかわからない。
しかし、仮に同じメンバーでやるんだとしても、初期の青いギターロックのような曲はもう作らないだろうし、もちろんガリレオの曲をライブで演奏することもないだろう。
となるとやはり「Sea and The Darkness」の延長線上な、メンバーが愛するUSインディー的な方向を推し進めるような音楽をやっていくのではないかと思われるが、今日、ステージで演奏している姿を見て、デビュー時からずっと「若い」というイメージを持ち続けていたメンバーは、全員すっかり大人になっていた。
思えば清也がやっていたThe SALOVERSも活動休止し表立って音楽活動をしていないメンバーもいるし、ガリレオの次に閃光ライオットで優勝したTHE☆米騒動のメンバーも「安定を求めた」という理由でシーンから去っていった。
かつて「恐るべき10代」と評されたバンドたちは、みな10代ではなくなり、自分の進む道を自分でしっかり考えて決める年齢になっていた。
そんな彼らにもはや「青さ」を求めるのは、どれだけ良い曲を作っていたとしても酷なのかもしれない。でも、今のUSインディー感ももちろん、初期のストレートなギターロックも、中期のアニメのタイアップを多数獲得して、バンドの支持層を広げたエレクトロポップも、どの時期のガリレオも本当に好きだったし、そうしたバンドの音楽性の変遷とバンド及びメンバーの成長をこの目で見てこれたのは、本当に幸せなことだった。
雄貴が言っていたように、我々ファンが捨てさえしなければ、ガリレオの音楽はずっと残っていく。このバンドの音楽を愛してきた人たちは絶対捨てることなんてできないし、ガリレオが作ってきた音楽を聴き続けるだろう。
そして、今後メンバーが音楽を続けていくことが、ガリレオは間違っていなかったということの証明にもなるし、リアルタイムでガリレオに出会えなかった、さらに下の世代にガリレオが残した音楽を伝えていくことにもなる。
そういう意味でも、メンバー3人のこれからの活躍を期待してやまない。またすぐステージに立っている姿を見れますように。
今までありがとう。まだ札幌での本当のラストライブが控えているけど、ひとまずはお疲れ様。
1.Sea and The Darkness
2.カンフーボーイ / Kung Fu Boy
3.ゴースト / Ghost
4.ウェンズデイ / Wednesday
5.ベッド / Love Song
6.鳥と鳥 / Bird Cage
7.燃える森と氷河 / Different Kinds
8.日曜 / Her Surprise
9.恋の寿命 / Limit of Love
10.嵐のあとで / Aftermath
11.ユニーク / Unique
12.ブルース / Blues
13.青い血 / Blue Blood
14.Sea and The Darkness II (Totally Black)
encore
15.夢に唄えば
16.くそったれども
17.The Book Of Love (The Magnetic Fieldsの和訳カバー)
18.ハローグッバイ
19.青い栞
恋の寿命
http://youtu.be/553pbIU5HRw
青い栞
http://youtu.be/mF-Da9NXmb4
Next→ 4/9 サカナクション @幕張メッセ

サカナクション SAKANAQUARIUM 2015-2016 ”NF Records launch tour” @幕張メッセ 国際展示場ホール9-11 4/9 ホーム
04 Limited Sazabys presents YON FES 2016 @愛・地球博記念公園 モリコロパーク 4/3