ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2015 「Wonder Future」 @横浜アリーナ 7/18
- 2015/07/18
- 22:52
シングル「Easter」、さらには去年のNANO-MUGENコンピに収録された「スタンダード」からも匂わせてはいたが、アジカンの最新アルバム「Wonder Future」は、久々にラウドなロックンロールバンド、アジカンと拳を掲げたくなるような1枚になった。
そこにはデイヴ・グロール(Foo Fighters)のスタジオでレコーディングされた、という要素もあるのだが、その「Wonder Future」を引っさげての全国ツアーは、様々な意味で開幕前から話題を集めていた。この日はツアーの日程的にはまだ序盤と言える、横浜アリーナでのワンマン。NANO-MUGEN FES.の会場としてはおなじみだが、この会場でアジカンのワンマンを見るのは初めて。
会場に入ると、まず目を引くのはやはりすでに話題になっているステージ。デザイナーによって手がけられたステージは真っ白の、街をイメージしたもの。アルバムの世界観と連動しているセットだが、そこに楽器が載っている様子は見ているだけで実に美しい。
18時過ぎ、場内が暗転すると、ステージセットに光の線が走り、メンバーが登場。真っ白なステージセットにはプロジェクションマッピングが投影され、あっという間にステージそのものが様変わり。
シモリョー(the chef cooks me)を含めた5人編成なのだが、冒頭の「Easter」が始まった瞬間、「か、かっこいい…」というアホみたいな感想しか出てこないくらいに、これがアジカンの現在のロックンロールだ、と言わんばかりのラウドなサウンド。
「夢のようだね 遥か彼方」
という、意図してかどうかはわからないが、バンド初期の代表曲が歌詞に登場する「Little Lennon」、ゴッチが曲終わりにシャウトした「Winner and Loser」、
「そんな未来が近いだなんて
冗談だって言えるのかい
そんな時代は来ないだなんて
胸を張って言えるのかい」
と政治的な発言が多いゴッチだからこその歌詞がサビで歌われる「Catarpillar」と、序盤は「Wonder Future」収録曲を曲順通りに演奏していく。
バンドの演奏が瑞々しいラウドサウンドなのはもちろん、ゴッチの歌唱もこの広い会場にはっきりと聞こえるように届いている。
プロジェクションマッピングのおどろおどろしさが曲のイメージを引き立てる反原発ソング「N2」からは過去曲のパートへ。
バンドのアンサンブルが堪能できる「センスレス」、間奏でのダブっぽいアレンジがかなりの長尺となり、山田のベースソロまで挟まれる「リライト」と続くのだが、この過去曲もこれまで以上にラウドなサウンドで鳴らされているだけに、曲の迫力が数段増している。
ステージがまさに惑星のように様変わりすると、「Wonder Future」の中で最もラウドな「猿の惑星」。ボーカルに少しくぐもったアレンジがなされているが、これは完全に持っていかれる曲。この規模、さらにはスタジアムで鳴らされたら間違いなく景色を変えることができるロック。
シモリョーがキーボードだけでなくギターも弾くという貢献を見せる「Etarnal Sunshine」を挟むようにして、喜多(ギター)とのツインボーカルが聴ける「ナイトダイビング」、まさに「街」にステージが変わる「或る街の群青」、同じく月明かりのシーンに変わる「青空と黒い猫」と、過去曲の選曲は実に意外なところが並ぶ。なかなか最近はライブで聴けなくなっていた曲なだけに嬉しいところであるが。
「今を生きて」でゴッチがギターを高く掲げ、真っ白だったとは思えないくらいにステージがカラフルに染まると、「嘘とワンダーランド」、さらには「Easter」カップリング曲の「シーサイドスリーピング」と、喜多ボーカル曲が2曲続く。この間には喜多の
「横浜、地元に帰ってこれました。ありがとうございます」
という挨拶も挟まれる。
「街」をテーマにした曲がいくつかあるだけに、その曲ごとに違った街がステージに描かれていたのだが、サビでアッパーに振り切れる「Signal on the Street」でもまた新たな「街」が描かれる。
すると一転して打ち込みのビートが流れた「新世紀のラブソング」、CDと同じ流れで演奏された「ネオテニー」「トラベログ」と、またしても意外な過去曲が演奏されると、アルバムの起点になったとも言える「Standard」が強烈なまでに、「今、ここでアジカンが歌っている」という事実を浮かび上がらせる。
そして本編ラストはアルバムタイトル曲である「Wonder Future」。曲終盤でのセットが崩れ落ちていくかのような演出があると、ゴッチがギターの残響音を残しながらステージを去って行った。
そしてアンコール。今回のツアー、アンコールでは写真撮影が許可されている(動画は禁止なはずだが、動画を撮っている人もいた。中にはスタッフに注意されてテンションが下がっている人もいたが、完全に自業自得)ことにより、アンコール待ちの時点で携帯の明かりがペンライトのように。
シモリョーを含めた5人が揃いのポロシャツ姿で登場すると、ゴッチのギターの音色だけで歓声が巻き起こった、デビュー10周年の人気投票で1位になった「ソラニン」、この規模で鳴らされるために作られたかのように手拍子が鳴り響く「迷子犬と雨のビート」とシングル曲が続く。
近年のライブではゴッチのMCがとかく長くなりがちだが、本編中はMCらしいMCはなし。ここでも
「我々のソウルメイト、シモリョー。我々が喧嘩しないように番犬のように見張っている(笑)
ギター、健さん。健さんが大学で野良犬みたいな声で「あのさ~」って話しかけてこなかったら、このバンドはなかった。
ベース、山ちゃん。昔はよく俺と健さんに金を貸してくれて。だから山ちゃんがいなかったら、自主制作のCDも出せてない。
で、我々はドラマー運に全く恵まれなくて。大学にドラム上手いんだけど、チャラそうだから合わないだろうな、ってやつがいて。それが潔。それでアジカンで叩いてくれることになったんだけど、心が通じ合ったのは「ソルファ」くらいから(笑)今日、物販で潔のレシピ本が売ってますけど、買わないでください(笑)
って言うと長続きしないんだよな(笑)来年で我々結成20周年ですが、あと何年か…いや、クソジジイになるまでアジカン続けますんで、また会いましょう。あと何曲か。ありがとうございました」
というメンバー紹介的なMCがあったくらい。
そしてラストスパートはラウドな現在のバンドサウンドとの相性抜群なメジャー1stシングル「未来の破片」、イントロから山田がジャンプし、潔の4つ打ちビートに合わせて観客が踊り始め、曲中には「らっせーらっせー!」の大合唱が響いた2ndシングル「君という花」、最後はアルバムを締めくくる曲であり、これまで紡いできた街のストーリーを俯瞰で見る「Opera Glasses」。ステージセットに投影される様々な英単語。曲終わりに最後に映し出された文字は「Wonder Future」。演奏を終えたメンバーが前に並んで観客に一礼すると、潔はタオルを、ゴッチはピックを客席に投げ入れてから、再びギターの残響音を残してステージを去って行った。
文中でも触れた通り、今回のアジカンのツアーはアンコールでは写真撮影が許可されている。でも、1枚も撮らなかった。自分はずっと、画面を通してではなくて、己の目で見たくて、耳で聴きたいからライブに通っている。(メンバーの意思を否定してるわけじゃなくて)
だからライブ中の写真を貼ることはできないし、秋に控えている国際フォーラム2daysでも撮らないと思う。
でもやはり、ステージ演出が凄かったのもあるが、体と心の奥底に響く、ただただかっこいいロックが鳴っていた。アジカンにはやっぱり広い会場が本当によく似合う。ゴッチがどんなにネットで叩かれても(それも含めて好きだが)、ずっとCD聴いてライブに行き続けるから、「クソジジイになるまで」こちらこそよろしく。
1.Easter
2.Little Lennon
3.Winner and Loser
4.Catarpillar
5.N2
6.センスレス
7.リライト
8.Planet of the Apes
9.ナイトダイビング
10.Etarnal Sunshine
11.或る街の群青
12.青空と黒い猫
13.Prisoner in a Frame
14.深呼吸
15.今を生きて
16.嘘とワンダーランド
17.シーサイドスリーピング
18.Signal on the Street
19.新世紀のラブソング
20.ネオテニー
21.トラベログ
22.Standard
23.Wonder Future
encore
24.ソラニン
25.迷子犬と雨のビート
26.未来の破片
27.君という花
28.Opera Glasses
Easter
http://youtu.be/Ma0ICoYwKaY
Next→ 7/19 NICO Touches the Walls @東京国際フォーラム
そこにはデイヴ・グロール(Foo Fighters)のスタジオでレコーディングされた、という要素もあるのだが、その「Wonder Future」を引っさげての全国ツアーは、様々な意味で開幕前から話題を集めていた。この日はツアーの日程的にはまだ序盤と言える、横浜アリーナでのワンマン。NANO-MUGEN FES.の会場としてはおなじみだが、この会場でアジカンのワンマンを見るのは初めて。
会場に入ると、まず目を引くのはやはりすでに話題になっているステージ。デザイナーによって手がけられたステージは真っ白の、街をイメージしたもの。アルバムの世界観と連動しているセットだが、そこに楽器が載っている様子は見ているだけで実に美しい。
18時過ぎ、場内が暗転すると、ステージセットに光の線が走り、メンバーが登場。真っ白なステージセットにはプロジェクションマッピングが投影され、あっという間にステージそのものが様変わり。
シモリョー(the chef cooks me)を含めた5人編成なのだが、冒頭の「Easter」が始まった瞬間、「か、かっこいい…」というアホみたいな感想しか出てこないくらいに、これがアジカンの現在のロックンロールだ、と言わんばかりのラウドなサウンド。
「夢のようだね 遥か彼方」
という、意図してかどうかはわからないが、バンド初期の代表曲が歌詞に登場する「Little Lennon」、ゴッチが曲終わりにシャウトした「Winner and Loser」、
「そんな未来が近いだなんて
冗談だって言えるのかい
そんな時代は来ないだなんて
胸を張って言えるのかい」
と政治的な発言が多いゴッチだからこその歌詞がサビで歌われる「Catarpillar」と、序盤は「Wonder Future」収録曲を曲順通りに演奏していく。
バンドの演奏が瑞々しいラウドサウンドなのはもちろん、ゴッチの歌唱もこの広い会場にはっきりと聞こえるように届いている。
プロジェクションマッピングのおどろおどろしさが曲のイメージを引き立てる反原発ソング「N2」からは過去曲のパートへ。
バンドのアンサンブルが堪能できる「センスレス」、間奏でのダブっぽいアレンジがかなりの長尺となり、山田のベースソロまで挟まれる「リライト」と続くのだが、この過去曲もこれまで以上にラウドなサウンドで鳴らされているだけに、曲の迫力が数段増している。
ステージがまさに惑星のように様変わりすると、「Wonder Future」の中で最もラウドな「猿の惑星」。ボーカルに少しくぐもったアレンジがなされているが、これは完全に持っていかれる曲。この規模、さらにはスタジアムで鳴らされたら間違いなく景色を変えることができるロック。
シモリョーがキーボードだけでなくギターも弾くという貢献を見せる「Etarnal Sunshine」を挟むようにして、喜多(ギター)とのツインボーカルが聴ける「ナイトダイビング」、まさに「街」にステージが変わる「或る街の群青」、同じく月明かりのシーンに変わる「青空と黒い猫」と、過去曲の選曲は実に意外なところが並ぶ。なかなか最近はライブで聴けなくなっていた曲なだけに嬉しいところであるが。
「今を生きて」でゴッチがギターを高く掲げ、真っ白だったとは思えないくらいにステージがカラフルに染まると、「嘘とワンダーランド」、さらには「Easter」カップリング曲の「シーサイドスリーピング」と、喜多ボーカル曲が2曲続く。この間には喜多の
「横浜、地元に帰ってこれました。ありがとうございます」
という挨拶も挟まれる。
「街」をテーマにした曲がいくつかあるだけに、その曲ごとに違った街がステージに描かれていたのだが、サビでアッパーに振り切れる「Signal on the Street」でもまた新たな「街」が描かれる。
すると一転して打ち込みのビートが流れた「新世紀のラブソング」、CDと同じ流れで演奏された「ネオテニー」「トラベログ」と、またしても意外な過去曲が演奏されると、アルバムの起点になったとも言える「Standard」が強烈なまでに、「今、ここでアジカンが歌っている」という事実を浮かび上がらせる。
そして本編ラストはアルバムタイトル曲である「Wonder Future」。曲終盤でのセットが崩れ落ちていくかのような演出があると、ゴッチがギターの残響音を残しながらステージを去って行った。
そしてアンコール。今回のツアー、アンコールでは写真撮影が許可されている(動画は禁止なはずだが、動画を撮っている人もいた。中にはスタッフに注意されてテンションが下がっている人もいたが、完全に自業自得)ことにより、アンコール待ちの時点で携帯の明かりがペンライトのように。
シモリョーを含めた5人が揃いのポロシャツ姿で登場すると、ゴッチのギターの音色だけで歓声が巻き起こった、デビュー10周年の人気投票で1位になった「ソラニン」、この規模で鳴らされるために作られたかのように手拍子が鳴り響く「迷子犬と雨のビート」とシングル曲が続く。
近年のライブではゴッチのMCがとかく長くなりがちだが、本編中はMCらしいMCはなし。ここでも
「我々のソウルメイト、シモリョー。我々が喧嘩しないように番犬のように見張っている(笑)
ギター、健さん。健さんが大学で野良犬みたいな声で「あのさ~」って話しかけてこなかったら、このバンドはなかった。
ベース、山ちゃん。昔はよく俺と健さんに金を貸してくれて。だから山ちゃんがいなかったら、自主制作のCDも出せてない。
で、我々はドラマー運に全く恵まれなくて。大学にドラム上手いんだけど、チャラそうだから合わないだろうな、ってやつがいて。それが潔。それでアジカンで叩いてくれることになったんだけど、心が通じ合ったのは「ソルファ」くらいから(笑)今日、物販で潔のレシピ本が売ってますけど、買わないでください(笑)
って言うと長続きしないんだよな(笑)来年で我々結成20周年ですが、あと何年か…いや、クソジジイになるまでアジカン続けますんで、また会いましょう。あと何曲か。ありがとうございました」
というメンバー紹介的なMCがあったくらい。
そしてラストスパートはラウドな現在のバンドサウンドとの相性抜群なメジャー1stシングル「未来の破片」、イントロから山田がジャンプし、潔の4つ打ちビートに合わせて観客が踊り始め、曲中には「らっせーらっせー!」の大合唱が響いた2ndシングル「君という花」、最後はアルバムを締めくくる曲であり、これまで紡いできた街のストーリーを俯瞰で見る「Opera Glasses」。ステージセットに投影される様々な英単語。曲終わりに最後に映し出された文字は「Wonder Future」。演奏を終えたメンバーが前に並んで観客に一礼すると、潔はタオルを、ゴッチはピックを客席に投げ入れてから、再びギターの残響音を残してステージを去って行った。
文中でも触れた通り、今回のアジカンのツアーはアンコールでは写真撮影が許可されている。でも、1枚も撮らなかった。自分はずっと、画面を通してではなくて、己の目で見たくて、耳で聴きたいからライブに通っている。(メンバーの意思を否定してるわけじゃなくて)
だからライブ中の写真を貼ることはできないし、秋に控えている国際フォーラム2daysでも撮らないと思う。
でもやはり、ステージ演出が凄かったのもあるが、体と心の奥底に響く、ただただかっこいいロックが鳴っていた。アジカンにはやっぱり広い会場が本当によく似合う。ゴッチがどんなにネットで叩かれても(それも含めて好きだが)、ずっとCD聴いてライブに行き続けるから、「クソジジイになるまで」こちらこそよろしく。
1.Easter
2.Little Lennon
3.Winner and Loser
4.Catarpillar
5.N2
6.センスレス
7.リライト
8.Planet of the Apes
9.ナイトダイビング
10.Etarnal Sunshine
11.或る街の群青
12.青空と黒い猫
13.Prisoner in a Frame
14.深呼吸
15.今を生きて
16.嘘とワンダーランド
17.シーサイドスリーピング
18.Signal on the Street
19.新世紀のラブソング
20.ネオテニー
21.トラベログ
22.Standard
23.Wonder Future
encore
24.ソラニン
25.迷子犬と雨のビート
26.未来の破片
27.君という花
28.Opera Glasses
Easter
http://youtu.be/Ma0ICoYwKaY
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