ふくろうず ふくろうずの大忘年会 ~今年あんまり東京でライブしなくてごめんねワンマン~ @代官山UNIT 12/8
- 2014/12/08
- 22:52
2010年にデビューした、紅一点メンバー内田万里(ボーカル&キーボード)を中心とするバンド、ふくろうず。スーパーカーやART-SCHOOLを手がけた益子樹(ROVO)プロデュースのデビューミニアルバム「ループする」からすでに注目を浴び、早くからブレイクが期待されたバンドであったが、ドラムの脱退や、メジャーにも関わらずリリースのマイペースぶり、そして何よりもこの日のライブタイトルにもあるように、ライブの本数が極端に少ないということもあり、なかなか期待されたような位置に行くことが出来ていない。
そのためワンマン自体が貴重な機会になってしまっている。
遅めの開演時間19:30をちょっと過ぎると、会場が暗転してメンバーが登場。内田、石井(ギター)、安西(ベース)のメンバー3人は白の衣装で統一し、白のニット帽を着用。これは物販でニット帽が売っていることによるものか。(靴下なんかも売ってた)
石井がギターを弾き始めると、1曲目は「砂漠の流刑地」。その石井は早くも演奏中にニット帽を飛ばし、内田は曲終わりで
「今日はふくろうずのワンマンに来てくれてありがとう!」
と叫ぶ。
「電話が苦手な私が歌う電話の曲」
という「テレフォン No.1」からは打ち込み、そしてステージ後ろのスクリーンの映像も使って、キラキラしたポップナンバーが中心。中でも次の「カシオペア」はエモさも感じるダンスナンバーで、この段階で早くも、このバンドは本当に良い曲作ってるよなぁと思わざるを得ない。
「Yo!Yo!ふくろうずの~クールな新曲!」
と、内田がラッパーのような振りをした新曲「ハートビートボックス」は、まさにヒップホップの要素を取り入れ、渋谷系を彷彿とさせる、まさに超クールな曲。スクリーンには夕暮れを思わせる映像とともに、歌詞が映し出される。アウトロでは安西がまさにビートボックスとばかりにサンプラーでスクラッチ音を連発。
そこからは一転してムーディーなゾーンへ。この日のライブ前には「演奏して欲しい曲」の人気投票を行っていたのだが、それで見事に票を集めたことにより、ライブで初披露されることになった「灰になる」はこの日ここにいた人にはたまらない選曲だろう。
この日2曲目の新曲は、ストレートなバラードのラブソング。しかし歌詞が
「会いたい でも会えない」
という、西○○ナや、加○ミ○ヤかというようなものだったので、CDに入るとするならば、歌詞は再考していただきたいと個人的には思う。
「大切な曲」
という「ユアソング」、
「今日は月曜日だけど!」
と「サタデーナイト」、
「昔はハワイとかマジ行きたくねぇって思ってたんだけど、今はハワイ行ってパンケーキ食べたい、って思う曲」
と「マイアミ」というふうに曲振りをするのだが、この「マイアミ」に関しては安西が、
「ハワイとマイアミ全然違くない?」
と、最もらしいツッコミを入れていた。内田いわく、
「両方アメリカでしょ?」
とのこと。
このあたりはこの季節にピッタリの心に沁み入るラブソングをじっくりと聴きいるという展開だったが、
「ハワイと同じように昔は海に行くのが好きじゃなくて。サーファーとかマジ無理、みたいな(笑)
でも最近は海もいいな、っていうか…誘われたら行こうかな、くらいの感じになってきて」
とエピソードを語った新曲はそのラブソングの流れを締めくくる曲。エピソード通りに、「海が好きではない女の子が、海が好きな男に誘われて一緒に行く」という、情景が頭の中に浮かぶ曲。内田はこういう風に、ある意味目を閉じて曲の景色に浸っていたいと思わせる曲を作るのが本当に上手い。
すると一転してここからはアッパーな展開に。サポートドラマーの叩く音のでかさに内田がビビるという場面もあったが、安西いわく
「打ち合わせ済みです」
とのこと。そのアッパーな展開の皮切り「街はいつも雨のよう」ではその安西がメインボーカルで、サビでは内田とのツインボーカルのように。
バンドの中ではアッパーな曲の展開ではあるものの、観客のノリ自体は全く変わらず、少し体を揺らす程度のまま、終盤へ。
「もうそろそろ終わりです」
と言うと、「え~」という声が客席から起こり、
「これ嬉しい」
と内田が微笑みながら、
「歌を歌う時はいつも何かを思い浮かべながら歌うんですが、この曲を歌う時は目の前にいる人のことを思いながら歌ってます」
という「優しい人」、そしてラストは2ndミニアルバムのタイトル曲であり、バンド最大級の名曲だと個人的に思っている「ごめんね」。バラードと言えるようなタイプの曲だが、バンドとしてのエモさ(石井のギターがそう感じさせる)も含みながらも、飛び切りの切なさを孕んでいる。例えばYUKIあたりがこの曲を歌ったら、絶対に評価されると思う。
そんなこの上ない本編の終わり方を見せながらも、アンコールでは
「人気投票のことに触れるの完全に忘れてた(笑)6~10位は結構いつもやってる感じの曲で、1~5位はほとんどやってない曲で。それで「灰になる」とかは今日やったんだけど、「マシュマロ」とか「キャラウェイ」とか「心震わせて」とかは入ってたんだけど、今日は出来なくて…
それで今日は忘年会ということで、忘年会と言えば一発芸!安西卓丸!」
と内田が安西を呼び込むと、本編とは異なり、黒のジャケットにでかい蝶ネクタイを着用するという出で立ちで、堺正章でおなじみのテーブルクロス引きに挑戦。しかし、あっさり失敗し、2回目に挑戦するも、またも失敗。実は全く練習していなかったらしい。そんな失敗をして肩を落とす安西を横目に内田が、
「みんなー!安西卓丸は、だめな人ー!」
と叫び、安西が蝶ネクタイをつけたままでコーラスを務めた「だめな人」で終了。
「今年は東京であまりライブをできなかったから、来年は精力的にライブをやっていきたい」
と内田は言っていたが、現在、特に若手バンドの活動サイクルがライブ中心になっている中で、これだけライブの本数が少ないというのは、曲にタイアップをつけたりできるわけでもないだけに、聴いてみようと思う人が増えないのは致し方ないところである。
最新アルバム「マジックモーメント」リリース時に某音楽誌で、「ふくろうずは相対性理論やパスピエに比べると自己プロデュース力がないのがこの位置にいる理由」みたいに書いてあって、それは本当に同意なのだが、今日みたいにライブ見た時に「良かった!」って思えるライブが出来るんだから、内田が言ってたように来年はもっとライブやっていただきたい。
ちょっとでも聴いてもらえる機会があれば気にいってくれる人がたくさんいるはずだと思うので、現在の位置(平日とはいえUNITが完売しない)なのは本当にもったいない。
1.砂漠の流刑地
2.もんしろ
3.テレフォン No.1
4.カシオペア
5.イージーカム・イージーゴー
6.ハートビートボックス (新曲)
7.37.3
8.夜明け前
9.灰になる
10.新曲
11.ユアソング
12.ループする
13.サタデーナイト
14.マイアミ
15.新曲
16.街はいつも雨のよう
17.トゥーファー
18.S・O・S・O・S
19.優しい人
20.ごめんね
encore
21.だめな人
ごめんね
http://youtu.be/-VtpxorBkUY
テレフォン No.1
http://youtu.be/L4FHvc44Atg
Next→ 12/10 9mm Parabellum Bullet @新木場STUDIO COAST
そのためワンマン自体が貴重な機会になってしまっている。
遅めの開演時間19:30をちょっと過ぎると、会場が暗転してメンバーが登場。内田、石井(ギター)、安西(ベース)のメンバー3人は白の衣装で統一し、白のニット帽を着用。これは物販でニット帽が売っていることによるものか。(靴下なんかも売ってた)
石井がギターを弾き始めると、1曲目は「砂漠の流刑地」。その石井は早くも演奏中にニット帽を飛ばし、内田は曲終わりで
「今日はふくろうずのワンマンに来てくれてありがとう!」
と叫ぶ。
「電話が苦手な私が歌う電話の曲」
という「テレフォン No.1」からは打ち込み、そしてステージ後ろのスクリーンの映像も使って、キラキラしたポップナンバーが中心。中でも次の「カシオペア」はエモさも感じるダンスナンバーで、この段階で早くも、このバンドは本当に良い曲作ってるよなぁと思わざるを得ない。
「Yo!Yo!ふくろうずの~クールな新曲!」
と、内田がラッパーのような振りをした新曲「ハートビートボックス」は、まさにヒップホップの要素を取り入れ、渋谷系を彷彿とさせる、まさに超クールな曲。スクリーンには夕暮れを思わせる映像とともに、歌詞が映し出される。アウトロでは安西がまさにビートボックスとばかりにサンプラーでスクラッチ音を連発。
そこからは一転してムーディーなゾーンへ。この日のライブ前には「演奏して欲しい曲」の人気投票を行っていたのだが、それで見事に票を集めたことにより、ライブで初披露されることになった「灰になる」はこの日ここにいた人にはたまらない選曲だろう。
この日2曲目の新曲は、ストレートなバラードのラブソング。しかし歌詞が
「会いたい でも会えない」
という、西○○ナや、加○ミ○ヤかというようなものだったので、CDに入るとするならば、歌詞は再考していただきたいと個人的には思う。
「大切な曲」
という「ユアソング」、
「今日は月曜日だけど!」
と「サタデーナイト」、
「昔はハワイとかマジ行きたくねぇって思ってたんだけど、今はハワイ行ってパンケーキ食べたい、って思う曲」
と「マイアミ」というふうに曲振りをするのだが、この「マイアミ」に関しては安西が、
「ハワイとマイアミ全然違くない?」
と、最もらしいツッコミを入れていた。内田いわく、
「両方アメリカでしょ?」
とのこと。
このあたりはこの季節にピッタリの心に沁み入るラブソングをじっくりと聴きいるという展開だったが、
「ハワイと同じように昔は海に行くのが好きじゃなくて。サーファーとかマジ無理、みたいな(笑)
でも最近は海もいいな、っていうか…誘われたら行こうかな、くらいの感じになってきて」
とエピソードを語った新曲はそのラブソングの流れを締めくくる曲。エピソード通りに、「海が好きではない女の子が、海が好きな男に誘われて一緒に行く」という、情景が頭の中に浮かぶ曲。内田はこういう風に、ある意味目を閉じて曲の景色に浸っていたいと思わせる曲を作るのが本当に上手い。
すると一転してここからはアッパーな展開に。サポートドラマーの叩く音のでかさに内田がビビるという場面もあったが、安西いわく
「打ち合わせ済みです」
とのこと。そのアッパーな展開の皮切り「街はいつも雨のよう」ではその安西がメインボーカルで、サビでは内田とのツインボーカルのように。
バンドの中ではアッパーな曲の展開ではあるものの、観客のノリ自体は全く変わらず、少し体を揺らす程度のまま、終盤へ。
「もうそろそろ終わりです」
と言うと、「え~」という声が客席から起こり、
「これ嬉しい」
と内田が微笑みながら、
「歌を歌う時はいつも何かを思い浮かべながら歌うんですが、この曲を歌う時は目の前にいる人のことを思いながら歌ってます」
という「優しい人」、そしてラストは2ndミニアルバムのタイトル曲であり、バンド最大級の名曲だと個人的に思っている「ごめんね」。バラードと言えるようなタイプの曲だが、バンドとしてのエモさ(石井のギターがそう感じさせる)も含みながらも、飛び切りの切なさを孕んでいる。例えばYUKIあたりがこの曲を歌ったら、絶対に評価されると思う。
そんなこの上ない本編の終わり方を見せながらも、アンコールでは
「人気投票のことに触れるの完全に忘れてた(笑)6~10位は結構いつもやってる感じの曲で、1~5位はほとんどやってない曲で。それで「灰になる」とかは今日やったんだけど、「マシュマロ」とか「キャラウェイ」とか「心震わせて」とかは入ってたんだけど、今日は出来なくて…
それで今日は忘年会ということで、忘年会と言えば一発芸!安西卓丸!」
と内田が安西を呼び込むと、本編とは異なり、黒のジャケットにでかい蝶ネクタイを着用するという出で立ちで、堺正章でおなじみのテーブルクロス引きに挑戦。しかし、あっさり失敗し、2回目に挑戦するも、またも失敗。実は全く練習していなかったらしい。そんな失敗をして肩を落とす安西を横目に内田が、
「みんなー!安西卓丸は、だめな人ー!」
と叫び、安西が蝶ネクタイをつけたままでコーラスを務めた「だめな人」で終了。
「今年は東京であまりライブをできなかったから、来年は精力的にライブをやっていきたい」
と内田は言っていたが、現在、特に若手バンドの活動サイクルがライブ中心になっている中で、これだけライブの本数が少ないというのは、曲にタイアップをつけたりできるわけでもないだけに、聴いてみようと思う人が増えないのは致し方ないところである。
最新アルバム「マジックモーメント」リリース時に某音楽誌で、「ふくろうずは相対性理論やパスピエに比べると自己プロデュース力がないのがこの位置にいる理由」みたいに書いてあって、それは本当に同意なのだが、今日みたいにライブ見た時に「良かった!」って思えるライブが出来るんだから、内田が言ってたように来年はもっとライブやっていただきたい。
ちょっとでも聴いてもらえる機会があれば気にいってくれる人がたくさんいるはずだと思うので、現在の位置(平日とはいえUNITが完売しない)なのは本当にもったいない。
1.砂漠の流刑地
2.もんしろ
3.テレフォン No.1
4.カシオペア
5.イージーカム・イージーゴー
6.ハートビートボックス (新曲)
7.37.3
8.夜明け前
9.灰になる
10.新曲
11.ユアソング
12.ループする
13.サタデーナイト
14.マイアミ
15.新曲
16.街はいつも雨のよう
17.トゥーファー
18.S・O・S・O・S
19.優しい人
20.ごめんね
encore
21.だめな人
ごめんね
http://youtu.be/-VtpxorBkUY
テレフォン No.1
http://youtu.be/L4FHvc44Atg
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