Base Ball Bear Tour「二十九歳」 @Zepp DiverCity 11/7
- 2014/11/07
- 23:17
今年、フルアルバム「二十九歳」をリリースしたBase Ball Bearの東京公演はZepp DiverCityワンマン。(この日のライブがソールドアウトしたことにより、今月末には追加公演として再びこの場所に立つ)
開演前にGRAPEVINE「光について」、GO!GO!7188「ジェットにんぢん」、NUMBER GIRL「ZEGEN VS UNDERGROUND」、くるり「ワンダーフォーゲル」などの、メンバーと同世代のロック好きとしてはたまらない曲が流れていたのは、間違いなくメンバー(というか小出)によるものだろう。
そんな曲たちに完全に聞き入っていると、19時過ぎ、いつものようにXTCのSEでメンバーが登場。こちらもいつものようにメンバーがドラマー堀之内の周りに集まってから、「二十九歳」のオープニングナンバーである「何才」からスタート。
アルバムの流れ同様に続いて披露された「アンビバレントダンサー」では堀之内の鮮やかなスティックさばきと、カラフルな照明が印象的なダンスナンバー。すると「PERFECT BLUE」で一気に爽やかさに会場が満たされ、曲終わりで小出が
「まぁデートスポットお台場ということで。これまで僕もいろんな女性とお台場デートしましたよ。あの女優、あのモデル、あのアイドル、あのアニメのキャラクター(笑)…でもなんで付き合うとかまでいかなかったかと言うと、そんなに好きじゃなかった」
と、センセーショナルなMCかと思いきや、上手い繋ぎをして文字通り「そんなに好きじゃなかった」へ。すでにアルバム発売前から夏フェスなどでも披露されていた曲であるが、こういう曲に代表される、「主人公を用意して妄想小説を書くように客観的に青春を感じさせる歌詞」というスタイルは、今だとSHISHAMOの宮崎朝子の歌詞にも受け継がれている気がする。
ここまでは「二十九歳」の曲のみであったが、ここでまさかの「STAND BY ME」。シングル曲ではあるものの、ライブ定番では全くない、むしろ演奏される頻度が少ない曲であるためにこの選曲は意外。
こちらも発売前から夏フェスで演奏されていた、文字通り退廃的な歌詞の「Ghost Town」から、爽やかさと切なさの極致と言える「short hair」という振り幅の大きい曲を続ける。
しかし、ワンマンに来るたびに思うことではあるが、このバンドの演奏と小出のボーカルは本当に上手い。(小出はファルセットこそ出てないところもあったけど)デビュー時から上手いバンドだったが、毎回さらに上手くなっている。
ここからは非常に長いMCタイム。
「ラジオのレギュラーがなくなったから、ついついしゃべり倒してしまう」
と小出が切り出すと、今日各々が呼んだゲストの人数を明かし、小出が4人、「ライブを友人などに見せる気がない」と言われた湯浅と関根はまさかの0(笑)、しかし堀之内が40人も呼んでおり、そこから堀之内は携帯のメモリーに500人以上登録しているという話になり、「街が作れる」とさらに展開。
そこからは小出による堀之内いじりタイムとなり、
小出「食事中の方には申し訳ないですが」
堀之内「ライブ中なんだから食べてるやついるわけねえだろ!」
という漫才そのものの展開から、「堀之内がこの年になって胸毛が生えはじめてきた(笑)」という話題になり、さらには「堀之内の乳首の毛が、NARUTOの写輪眼のように渦巻いている」という、堀之内のファン以外には全く意味のない話になり、話を終えたあとに小出も、
「各地ではもっと面白い話をしてたんですけどね、今日は外れでしたね(笑)」
と自分で話を広げておきながらそう言う始末。
すると、Zepp TokyoにNUMBER GIRLのラストツアーを高校時代にメンバーと見にきて、初めてモッシュにまみれ、制服がとんでもないことになり、物販でTシャツを買い、せっかくだからとお台場の観覧車に4人で乗り、てっぺんで窓をちょっと開け、
「絶対ここでライブやってやるぞー!」
と叫んだというエピソードから、いきなり小出がギターを弾きながら、
「声が出なくなっても 関根に子供が生まれても 湯浅がどれだけ職質されても 堀之内がゴリラと入れ替わっても
バンドを続けたい バンドを続けたい」
と歌い、「スクランブル」へ。さらに自分自身という海を漕いでいるかのような重厚な「方舟」、タイトルとは裏腹に
「終わりはそう、終わりじゃない
緞帳の奥は暗闇じゃない」
と歌われる「The End」と、再び「二十九歳」の曲を続ける。
するとまたも小出のMC。今度は真面目モードで、「新呼吸」の時は制作もツアーもキツかったが、今回は非常に楽しく制作が出来、ツアーも本当に楽しい、と語るも、最前の客が倒れてしまい、慌ててスタッフが救出。その際にスタッフを呼ぶ小出と湯浅の対応が実に慣れた感じだったのだが、小出は、
「長くてすいません。ただ、伝えたくて…」
と、謝りながらも皮肉っぽさを感じるのは非常に小出らしい。
そして、
「作った時は暗い精神状態だったから、当時は好きじゃなかった曲」
と紹介された「changes」へ。今でもフェスなどにおいても定番の代表曲と言っても差し支えない曲なだけに、「好きじゃなかった」発言はかなり意外。さらに
「まだまだ行けるかー!」
と、拳を振り上げる「CRAZY FOR YOUの季節」、普通の4人バンドならば打ち込みかシンセで賄うようなフレーズを湯浅のギターで表現してしまうという、演奏技術とともに、このメンバーで出来るようにするという意地すら感じる「UNDER THE STAR LIGHT」を終えると、「光蘚」と続けざまに「魔王」と、「二十九歳」の中でも最も重い終盤の流れ。しかし、「魔王」のサビではその重さを吹き飛ばすようにミラーボールが回り、小出もミラーボールとその下で踊る観客を感慨深そうに見ていた。
と、1曲が長いというのもあるが、2時間近く経過している割には少ない曲数で本編は終了。
アンコールでは小出と湯浅がツアーTシャツに着替えて登場し、ダンス湯浅将平からの「SAYONARA-NOSTALGIA」。この曲でダンス湯浅将平をやるのは久々な感じがするが、ダンスは急遽小出がやらせたらしい。確かに、最初はギターをすでに背負っていた湯浅がわざわざギターを置いてダンスをはじめたということは、当初は予定していなかったのだろう。
そんないきなりのダンスも見事に決めると、堀之内がタンバリンとパーカッションを叩く、優しい温もりを感じさせる「カナリヤ」で終了。
前作「新呼吸」に続いて、今作もCDでは重めな印象のアルバムだったが、ライブで聴くとポップかつ楽しく聴こえたのはメンバーの演奏技術とキャラクターによるものだろう。なんかベボベのライブを見ると、学生時代の友人に会いたくなる。
まだツアーは下北沢でのファイナルと追加公演があるが、この日演奏されなかったアルバム曲(先行シングル「ファンファーレが聴こえる」をやらないとは)も演奏されるんだろうか。
なんとなく、追加公演ではRHYMESTERと「The Cut」をコラボしそうな気がするんだが。
1.何才
2.アンビバレントダンサー
3.PERFECT BLUE
4.そんなに好きじゃなかった
5.STAND BY ME
6.Ghost Town
7.short hair
8.スクランブル
9.方舟
10.The End
11.changes
12.CRAZY FOR YOUの季節
13.UNDER THE STAR LIGHT
14.光蘚
15.魔王
encore
16.SAYONARA-NOSTALGIA
17.カナリヤ
そんなに好きじゃなかった
http://youtu.be/tyrSpTRRbMo
開演前にGRAPEVINE「光について」、GO!GO!7188「ジェットにんぢん」、NUMBER GIRL「ZEGEN VS UNDERGROUND」、くるり「ワンダーフォーゲル」などの、メンバーと同世代のロック好きとしてはたまらない曲が流れていたのは、間違いなくメンバー(というか小出)によるものだろう。
そんな曲たちに完全に聞き入っていると、19時過ぎ、いつものようにXTCのSEでメンバーが登場。こちらもいつものようにメンバーがドラマー堀之内の周りに集まってから、「二十九歳」のオープニングナンバーである「何才」からスタート。
アルバムの流れ同様に続いて披露された「アンビバレントダンサー」では堀之内の鮮やかなスティックさばきと、カラフルな照明が印象的なダンスナンバー。すると「PERFECT BLUE」で一気に爽やかさに会場が満たされ、曲終わりで小出が
「まぁデートスポットお台場ということで。これまで僕もいろんな女性とお台場デートしましたよ。あの女優、あのモデル、あのアイドル、あのアニメのキャラクター(笑)…でもなんで付き合うとかまでいかなかったかと言うと、そんなに好きじゃなかった」
と、センセーショナルなMCかと思いきや、上手い繋ぎをして文字通り「そんなに好きじゃなかった」へ。すでにアルバム発売前から夏フェスなどでも披露されていた曲であるが、こういう曲に代表される、「主人公を用意して妄想小説を書くように客観的に青春を感じさせる歌詞」というスタイルは、今だとSHISHAMOの宮崎朝子の歌詞にも受け継がれている気がする。
ここまでは「二十九歳」の曲のみであったが、ここでまさかの「STAND BY ME」。シングル曲ではあるものの、ライブ定番では全くない、むしろ演奏される頻度が少ない曲であるためにこの選曲は意外。
こちらも発売前から夏フェスで演奏されていた、文字通り退廃的な歌詞の「Ghost Town」から、爽やかさと切なさの極致と言える「short hair」という振り幅の大きい曲を続ける。
しかし、ワンマンに来るたびに思うことではあるが、このバンドの演奏と小出のボーカルは本当に上手い。(小出はファルセットこそ出てないところもあったけど)デビュー時から上手いバンドだったが、毎回さらに上手くなっている。
ここからは非常に長いMCタイム。
「ラジオのレギュラーがなくなったから、ついついしゃべり倒してしまう」
と小出が切り出すと、今日各々が呼んだゲストの人数を明かし、小出が4人、「ライブを友人などに見せる気がない」と言われた湯浅と関根はまさかの0(笑)、しかし堀之内が40人も呼んでおり、そこから堀之内は携帯のメモリーに500人以上登録しているという話になり、「街が作れる」とさらに展開。
そこからは小出による堀之内いじりタイムとなり、
小出「食事中の方には申し訳ないですが」
堀之内「ライブ中なんだから食べてるやついるわけねえだろ!」
という漫才そのものの展開から、「堀之内がこの年になって胸毛が生えはじめてきた(笑)」という話題になり、さらには「堀之内の乳首の毛が、NARUTOの写輪眼のように渦巻いている」という、堀之内のファン以外には全く意味のない話になり、話を終えたあとに小出も、
「各地ではもっと面白い話をしてたんですけどね、今日は外れでしたね(笑)」
と自分で話を広げておきながらそう言う始末。
すると、Zepp TokyoにNUMBER GIRLのラストツアーを高校時代にメンバーと見にきて、初めてモッシュにまみれ、制服がとんでもないことになり、物販でTシャツを買い、せっかくだからとお台場の観覧車に4人で乗り、てっぺんで窓をちょっと開け、
「絶対ここでライブやってやるぞー!」
と叫んだというエピソードから、いきなり小出がギターを弾きながら、
「声が出なくなっても 関根に子供が生まれても 湯浅がどれだけ職質されても 堀之内がゴリラと入れ替わっても
バンドを続けたい バンドを続けたい」
と歌い、「スクランブル」へ。さらに自分自身という海を漕いでいるかのような重厚な「方舟」、タイトルとは裏腹に
「終わりはそう、終わりじゃない
緞帳の奥は暗闇じゃない」
と歌われる「The End」と、再び「二十九歳」の曲を続ける。
するとまたも小出のMC。今度は真面目モードで、「新呼吸」の時は制作もツアーもキツかったが、今回は非常に楽しく制作が出来、ツアーも本当に楽しい、と語るも、最前の客が倒れてしまい、慌ててスタッフが救出。その際にスタッフを呼ぶ小出と湯浅の対応が実に慣れた感じだったのだが、小出は、
「長くてすいません。ただ、伝えたくて…」
と、謝りながらも皮肉っぽさを感じるのは非常に小出らしい。
そして、
「作った時は暗い精神状態だったから、当時は好きじゃなかった曲」
と紹介された「changes」へ。今でもフェスなどにおいても定番の代表曲と言っても差し支えない曲なだけに、「好きじゃなかった」発言はかなり意外。さらに
「まだまだ行けるかー!」
と、拳を振り上げる「CRAZY FOR YOUの季節」、普通の4人バンドならば打ち込みかシンセで賄うようなフレーズを湯浅のギターで表現してしまうという、演奏技術とともに、このメンバーで出来るようにするという意地すら感じる「UNDER THE STAR LIGHT」を終えると、「光蘚」と続けざまに「魔王」と、「二十九歳」の中でも最も重い終盤の流れ。しかし、「魔王」のサビではその重さを吹き飛ばすようにミラーボールが回り、小出もミラーボールとその下で踊る観客を感慨深そうに見ていた。
と、1曲が長いというのもあるが、2時間近く経過している割には少ない曲数で本編は終了。
アンコールでは小出と湯浅がツアーTシャツに着替えて登場し、ダンス湯浅将平からの「SAYONARA-NOSTALGIA」。この曲でダンス湯浅将平をやるのは久々な感じがするが、ダンスは急遽小出がやらせたらしい。確かに、最初はギターをすでに背負っていた湯浅がわざわざギターを置いてダンスをはじめたということは、当初は予定していなかったのだろう。
そんないきなりのダンスも見事に決めると、堀之内がタンバリンとパーカッションを叩く、優しい温もりを感じさせる「カナリヤ」で終了。
前作「新呼吸」に続いて、今作もCDでは重めな印象のアルバムだったが、ライブで聴くとポップかつ楽しく聴こえたのはメンバーの演奏技術とキャラクターによるものだろう。なんかベボベのライブを見ると、学生時代の友人に会いたくなる。
まだツアーは下北沢でのファイナルと追加公演があるが、この日演奏されなかったアルバム曲(先行シングル「ファンファーレが聴こえる」をやらないとは)も演奏されるんだろうか。
なんとなく、追加公演ではRHYMESTERと「The Cut」をコラボしそうな気がするんだが。
1.何才
2.アンビバレントダンサー
3.PERFECT BLUE
4.そんなに好きじゃなかった
5.STAND BY ME
6.Ghost Town
7.short hair
8.スクランブル
9.方舟
10.The End
11.changes
12.CRAZY FOR YOUの季節
13.UNDER THE STAR LIGHT
14.光蘚
15.魔王
encore
16.SAYONARA-NOSTALGIA
17.カナリヤ
そんなに好きじゃなかった
http://youtu.be/tyrSpTRRbMo
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