Spitz × VINTAGE ROCK std. presents 「新木場サンセット 2016」 出演:Spitz/赤い公園/UQiYO/Syrup16g/米津玄師 @新木場STUDIO COAST 7/20
- 2016/07/21
- 22:47
各地方で開催されている、スピッツ主催のライブイベントの東京は新木場STUDIO COASTでの2days。ベテランも名を連ねていた前日とは異なり、この日はスピッツの他に
赤い公園
UQiYO
Syrup16g
米津玄師
という一部を除いてはフレッシュな顔ぶれが並ぶ。
平日での2daysながらチケットはソールドアウト(そもそもスピッツのワンマンだとライブハウス規模はまず取れない)という状況の中、COASTの中にはメインステージ(8823ステージ)の隣にサブステージ(3373ステージ。先日のCzecho No Republicのイベントや、UKFCと同じステージ構成)が作られており、しかもサブステージもかなりしっかりと設営されている。
・Syrup16g [8823ステージ]
18時という平日にしては早い時間にメインステージのトップバッターとして登場するのは、Syrup16g。ライブは昨年11月のさいたまスーパーアリーナでのthe telephonesのラストパーティ以来である。(その時のライブはBOX SETとして映像化された)
暗幕が開くとそこにはすでに黒い服を着た3人がスタンバイしており、中畑が立ったままドラムを触りつつ、五十嵐がギターをかき鳴らしながら歌う解散時の武道館でのラストライブでも最初に演奏された「きこえるかい」でスタート。五十嵐の声はまぁあまり出ているとは言えないが、まるっきり出てないというわけでもない。この辺りは久々のライブだからだろうか。
「To be honor」「生きているよりマシさ」と、再結成後の曲もすでにこのバンドの代表曲と言ってもいいくらいにこのバンドでしかない曲であるが、曲が終わると
「五十嵐さんずっと待ってたよー!」
という観客の声に
「ありがとうございます」
と応えたり、盛り上がるわけではないが、腕を上げている観客は前方にも後方にもいたりと、アウェーという感じもしない。
「せっかくスピッツのイベントに呼んでいただいたので、カバーでも…と思ったんですが、キーが全然合わないので(笑)、マサムネさんのリクエストの曲を」
と五十嵐が言って演奏されたのは、心が痛くなるような、精神が落ちまくっている時の孤独のアンセムとでもいうような名曲「センチメンタル」。この曲を選ぶあたりがさすが草野マサムネだが、五十嵐が歌うスピッツの曲も聴いてみたかったところではある。
真っ赤な照明がバンドの熱量をさらにたぎらせる「Share the light」から、
「声が聞こえたら 神の声さ」
と五十嵐が歌う「coup d'Etat」で大歓声が上がると、そのまま「空をなくす」につながるというおなじみの流れでこのバンドのライブとは思えないくらいの熱狂。五十嵐の声は後半になっても完璧とは言えないが、ギターを弾いたりする姿は久々のライブとは思えないくらいに躍動感にあふれている。
「今日の楽しい思い出を刻んで、秋くらいまでらお家で寝てたいと思います」
と言って最後に希望に手を伸ばすかのような「翌日」を演奏。五十嵐の最後のMCとこの日のライブからは、「いやいや、寝てないでもっとなんかやってくれよ!」と言いたくなったが、一度解散して今またこうして再結成して活動しているだけでも奇跡みたいなバンドなので、1%も無理をしないくらいのマイペースさでやっていってくれたほうがいいのかもしれない。もうちょっと短いスパンでライブ見たいけど。
1.きこえるかい
2.To be honor
3.生きているよりマシさ
4.センチメンタル
5.Share the light
6.coup d'Etat ~ 空をなくす
7.翌日
生きているよりマシさ
https://youtu.be/FyD0jRsAqNk
・赤い公園 [3373ステージ]
Syrup16gがライブを終えるとすぐにサブステージの3373ステージには、「ハチミツハチミツ…」というクマのプーさんのSEが流れ始め、若干客席がざわついていると、白い衣装で統一された赤い公園のメンバーがステージに登場し、トリビュートアルバムでカバーしたスピッツの「ハチミツ」からスタートするという、スピッツファンと、敬愛するスピッツのメンバーに向けて格好の掴みでスタート。スピッツファンの人たちもサビで手を振り、スピッツがライブでこの曲を演奏しているかのような盛り上がりに。
超キャッチーな前作「猛烈リトミック」のリード曲「NOW ON AIR」で佐藤千明のさらに伸びを増したボーカルの成長っぷりを感じさせると、相変わらず自由度の高い挨拶から、
「ふるさとのことを歌った曲。アルバムの曲だから知らない人も多いだろうけど」
と言って演奏されたのは最新アルバム収録の「東京」。これまでにベテランからこのバンドのような若手まで、様々なアーティストが向き合っては名曲を生み出してきた「東京」というテーマだが、この曲を「ふるさとの曲」と言って歌えるのはこのバンドが東京でずっと生きてきたから。アルバムには「西東京」というさらに「東京」の中でも彼女たちの出身地にフォーカスしたような曲もあるが。
さらに「Canvas」「KOIKI」と最新アルバム収録曲が続くのだが、鬼才・津野のギターと佐藤のボーカルはもちろん、この最新作では藤本と歌川のリズム隊にこれまで以上の成長を感じることができる。特に藤本のベースは可愛らしい見た目からは想像できないくらいに重く深くなっている。
その藤本が
「みんなが持ってるこのイベントのタオルがオムライスみたいに見える~!」
というさすがの天然ぶり(確かに黄色地に赤文字だけど)を見せると、
「じゃあマイク切ってくださいね~」
とあっさりと佐藤にあしらわれつつ、最後に演奏されたのはやはり最新作収録のハッピーかつリズムはグルーヴィーな「黄色い花」。佐藤と津野の煽りにより、ハンドウェーブと手拍子も発生するが、鍵盤やホーンの音も入っている曲なだけに、サポートメンバーも加えた豪華な編成で聴いてみたいとも思わされる。
このバンドはデビュー時からライブがすごいバンドであったが、ここに来てメンバーそれぞれの技量がさらに進化してきている。そしてそれに伴ってか、見た目も徐々に大人の女性っぽくなってきている…気がする。
1.ハチミツ
2.NOW ON AIR
3.東京
4.Canvas
5.KOIKI
6.黄色い花
黄色い花
https://youtu.be/7wvFq7vtXp4
・米津玄師
この会場での招待制ライブ以来のライブとなる米津玄師。リリースこそないが、すでに新曲も発表されているだけに、どんな新しいモードが見れるのかと期待が集まる。
暗幕が開くと厳かなSEが流れて米津玄師とおなじみのサポートメンバー3人が登場。米津玄師は民族衣装のような出で立ちで、長めのピアスが目立つ。
中島がギターを鳴らし始め、幽玄なサウンドスケープの中にリズムが加わって始まったのは、「diorama」の1曲目であった「街」。曲のリズムと
「その献身の先へ 心は行く 強く」
という歌詞が、ここからまた新たなる物語が始まるかのように響く。メンバーのコーラスのボリュームはやや小さめではあったが。
「1,2,3!」と米津玄師が叫ぶようにしてカウントして始まる「ゴーゴー幽霊船」、ハンドマイクで歌い、ゆらゆらと漂うような踊りだけにとどまらず、堀のドラムセットの後ろを回るくらいに左右のみならず前後までもステージを動き回りながら歌う「駄菓子屋商売」と「diorama」の曲が続いたのは、アルバム収録曲を中心としていた「Bremen」期とは明らかに異なる。
「今日は俺のことを全然知らない人も多いと思うけど…」
と、久々にアウェーな空気を一瞬で変えてしまうように、神聖なライブアレンジのイントロを追加して演奏されたのは「アイネクライネ」。この曲の時はやはり、「この曲知っている」という空気に満ちていた。米津玄師本人は何度も歌っているはずなの曲なのに歌詞をかなり間違えていたけれど。
「スピッツとかSyrup16gは中学生の頃からずっと聴いていて。多大な影響を受けているし、自分の音楽の根幹にあるようなもので。そんな人たちといっぺんに一緒にライブがやれちゃうなんて…ねぇ?(笑)」
とこのライブと自身に強い影響を与えた2組のバンドと同じステージに立てたことを、もう最後は言葉にならないというような様子で語る。
米津玄師は多分、音楽以外で生きていこうと思えば、違う分野でも生きていけるような人である。(それはイラストなど、やはりクリエーターとしてだと思うけれど)
でもやっぱり、この人は10代の時から音楽に救われてきていて、他の何よりも音楽が好きなんだと思う。だからRADWIMPSとの胎盤の時もそうだったが、こうして本人の口から影響源を語ってくれて、本人が幸せそうな顔をしているのを見れるのが本当に嬉しい。その影響源が自分の好きなバンドばかりだからというのもあるが。
そして
「不肖の身ながら、スピッツのカバーをやりたいと思います」
と言って演奏されたのはまさかの「スパイダー」のカバー。おそらくこの日限りの選曲だろうけど、もしまたスピッツのトリビュートアルバムが出るんなら是非「スパイダー」は米津玄師で!と思うくらいに、これが見れただけでもこの日は来て良かったと心がガッツポーズしてしまった。もっと遠くまで僕らを奪って逃げてくれ、と思うほどに。
また、この曲をカバーする時は、オリジナルでのアウトロのフェードアウト部分をどう料理するかが重要だと個人的に思っているのだが、今回はセッション的な演奏で、特に中島のギターがソロのようにかなり目立つアレンジに。なかなかここまで弾き倒す姿は見れないだけにかなり新鮮だし、おそらく米津玄師とともにずっとスピッツが好きだったであろう中島自身も実に楽しそうな表情でギターを弾いていた。
そして、
「まだリリースもなにも決まっていない新曲を演奏したいと思います」
と言って披露されたのは、ルーブル美術館のテーマソングになっている新曲「ナンバーナイン」。米津玄師がハンドマイクでゆらゆらと踊りながらの歌唱、須藤がベースではなくシンセを操るという編成で、「アンビリーバーズ」を初めて聴いた時ほど「EDM!」という感じではないが、エレクトロなサウンドがスペイシーな雰囲気を生み出しながらも、サビのメロディは非常にキャッチーでありポップ。歌詞も非常にわかりやすい言葉が並んでいる印象だが、美術館に行ってこの曲が流れていたらずっと聴き入ってしまって絵画を見たりするどころではなくなってしまいそう。
米津玄師も晴れやかな表情で久しぶりのライブのステージを去っていったが、RADWIMPSの「有心論」を野田洋次郎と一緒に歌ったことがあるとはいえ、まさかアーティスト主催のイベントで主催者の曲のカバーをやるようになるとはかつては1%も想像していなかった。
でもこういうパフォーマンスがその日のライブを、その日その場所でしかありえない、特別なものにしていく。この日はライブハウスという屋内の空間だったが、これから野外の夏フェスという、その日その場所でしか見れない景色を今年もこの男は見に行くし、我々に見せてくれる。(本人も意外にも)大好きだと語る、米津玄師の夏が今年も始まる。
1.街
2.ゴーゴー幽霊船
3.駄菓子屋商売
4.アイネクライネ
5.スパイダー (スピッツのカバー)
6.ナンバーナイン
アイネクライネ
https://youtu.be/-EKxzId_Sj4
・UQiYO [3373ステージ]
スピッツの直前というスロットに出演するのは、UQiYO。ボーカル&ギターのYuqiを中心とした3人組。
YuqiとPhantao(キーボード)、Shima(ドラム)の3人が登場すると、Yuqiがギターノイズと声を発しながら、サイケデリックなサウンドが会場に広がっていき、一気に雰囲気が変わる。
ギター、キーボード、ドラムというシンプルな編成ではあるが、Yuqiは声とギターをその場でループして音を重ねていき、最終的にはとてもスリーピースとは思えない豊かな音になっていくが、打ち込みはほとんど使っていない。Shimaも時にはリズムをループさせたりと、可能な限り人力でエレクトロなサウンドを作り出し、日本語ではあるがボーカルも歌というよりは音の一要素という感じで、様々なシチュエーションで聴きたくなるように情景を喚起させる。
この日のフライヤーに新曲のCDを封入しているという太っ腹っぷりを告知して、夕焼けの海辺を想起させるその曲を披露すると、
「これだけの錚々たるメンツで、なぜ僕らがトリ前なのか(笑)」
という自虐MCで笑わせたが、それはきっとこの日の出演者の中で最も無名な存在であるこのバンドを、自分たちの直前の出番にすることによって、たくさんの人に見てもらえるように、というスピッツの配慮があったような気がしてならない。現にこの日の出演者の中では最も無名かつ異色な存在のバンドだが、アウェー感は全くなく、会場は暖かい空気に包まれていた。
こういうバンドを呼べるというあたりに、スピッツのミュージシャンとしてというよりも、一音楽好きとしての嗅覚、センスの良さを感じざるを得ない。
Twilight
https://youtu.be/pErZUu7j_Ws
・スピッツ [8823ステージ]
そしていよいよ主催のスピッツがこのイベントを締め括るべく登場。BGMが止まって暗転すると、サポートキーボードのクジヒロコを含めた5人がステージに。
1曲目は壮大なイントロがライブの幕開けを告げる大ヒットシングル「涙がキラリ☆」。草野の声もそうだし、メンバーの出で立ちもずっと変わらないエバーグリーンさ。
さらに「メモリーズ・カスタム」で一気にロックに振り切るのだが、草野と三輪のギターのカッティングはもちろん、崎山のドラムの手数の多さには驚かされる。もはや完全にベテランそのものな年齢であるが、若手バンドにも負けないくらいのレベルである。
ヒットシングルの後には「海とピンク」「五千光年の夢」というレア曲(ともに25年前にリリースされたセルフタイトルアルバムの収録曲)も演奏されるが、この辺りからベース田村の動きがどんどん激しくなってくる。
草野がこの日の出演者について、
「Syrupはすごい久々で。相変わらず思いな~って(笑)これからもマイペースで活動してください。
赤い公園は最近何回か一緒にやってるんだけど…上から目線っぽく言わせてもらうと、どんどんかっこよくなってるぜ~。
米津玄師君は去年出た「Bremen」っていうアルバムがすごい良くて。これはもう聴いちゃダメだと思って。作ってるアルバムが似てる曲ばっかりになっちゃいそうだから(笑)
UQiYOは忙しい時にラジオで聴いてすごい癒されて。想像してたよりもずっと人力でかっこいいな~って」
と一言ずつ語ると、三輪が全て「オマエモナ!」と返す。
すると最新シングルにして、ミュージックステーション出演時に話題になった「みなと」を披露。今にいたるまで貫かれてるスピッツの黄金律を味あわせてくれる。
そしていきなり
「Walkin'on the rainbow~」と歌いだしたのはまさかのミスチル「虹の彼方へ」。スピッツは夏に毎回カバー曲を演奏しているが、よく比較されるくらい近い(ように感じる)存在のミスチルの曲をカバーするとは驚き。草野は横文字が多いために発音をかなり気にしていたらしいが、この声で歌われると完全にスピッツの曲になってしまう。
夏の海辺をドライブしている時に聴きたくなる大ヒットシングル「渚」、「三日月ロック」収録のアッパーな「エスカルゴ」と、初見の人もコアなファンも同じように満足させる幅広い選曲。演奏しながら見えづらそうな位置にいる観客によく見えるような場所まで移動する心遣いもさすがとしか言いようがない。
そしてこのステージの名前にもなっている「8823」では田村の暴れっぷりが炸裂。ベースを一瞬だけ肩から外したり、下を出しながら客席に向かってピースサインをしたり。この運動量はベテランバンドの中でも屈指のものだろうし、スピッツをシングル曲しか知らないような人が見たら驚きであろう。
そして打ち込みのイントロが流れる中、最後に演奏されたのは「運命の人」。初めてこの曲を聴いた小学生の時から、
「バスの揺れ方で人生の意味が解かった日曜日」
という歌い出しのフレーズは、人生において決して消えない一行にして、サビのメロディの跳躍力は本当に超名曲であることを再確認させてくれる。
アンコールではメンバーがこのイベントのTシャツに着替えて登場すると、クジも含めて一言ずつ語る。
田村「2004年にVINTAGE ROCKのイベントでSyrup16gとTHE BACK HORNとストレイテナーと一緒にやったんだけど、今日シロップと一緒で、この前仙台でTHE BACK HORNと一緒で、秋田でストレイテナーのライブを見て。
だから来年かもしれないし、5年後かも10年後かもしれないけど、今日出てくれた人たちともまたいつか一緒にできると思ってます!」
三輪「米津玄師君を見てたら…身長が欲しくなった(笑)」
というこの緊張と緩和にスピッツのメンバーのキャラクターがよく出ている。
そしていよいよ来週発売となるニューアルバム「醒めない」を、
「買ってくれとは言わないんで、どんな手を使ってでも聴いてください(笑)」
と告知すると、そのアルバムのタイトルになっている「醒めない」を披露。ロックの初期衝動から今も醒めていないことをそのまま曲にした、ずっと変わらずに活動してきたスピッツだからこそ歌える、説得力のある曲。
「最後に盛り上がれますか!?」
と草野が煽ると、クジがアコーディオンを弾く、前作アルバム収録のアッパーな「野生のポルカ」で楽しい空気に包まれる中で終了。今年は夏フェス出演がないだけに、夏は始まったばかりだが、スピッツの今年の夏はこれで幕を閉じた。
自分が小学生の時、初めて自発的にこの曲を聴きたい、と思った存在がスピッツとミスチルであった。今やNICO Touches the Wallsやクリープハイプなどの歌物バンドから、a flood of circleのようなロックンロールバンドまで、スピッツをフェイバリットに挙げる同世代バンドは非常に多いが、彼らもきっと同じようにスピッツの音楽に接してきたんだろうし、米津玄師や赤い公園などのその下の世代も変わらずに聴いてきたんだろうな、と思う。ということは、これからもっと若い人たちもそうしてスピッツの音楽をずっと聴くようになるんだろう。
そういう子供の頃に聴いていた音楽は大人になったら聴かなくなってしまうものも多いが、スピッツの音楽がそうならないのは、誰もが良い曲だと思うメロディの良さと、聴けば聴くほどクセになるような、簡単なようでいて実に奥深い歌詞があるからこそ。
もはや日本の生きる宝のようなバンドだが、今までフェスのステージで見てきた時も「テレビでずっと見ていたバンド」というイメージだったが、こうしてライブハウスの距離感で見ると、ずっと近くにいる、いたように感じる。またこうしてライブハウスでいろんな曲を聴きたい。
1.涙がキラリ☆
2.メモリーズ・カスタム
3.海とピンク
4.五千光年の夢
5.みなと
6.虹の彼方へ (ミスチルのカバー)
7.渚
8.エスカルゴ
9.8823
10.運命の人
encore
11.醒めない
12.野生のポルカ
みなと
https://youtu.be/GiuxvmiULhI
Next→ 7/25 illion @新木場STUDIO COAST
赤い公園
UQiYO
Syrup16g
米津玄師
という一部を除いてはフレッシュな顔ぶれが並ぶ。
平日での2daysながらチケットはソールドアウト(そもそもスピッツのワンマンだとライブハウス規模はまず取れない)という状況の中、COASTの中にはメインステージ(8823ステージ)の隣にサブステージ(3373ステージ。先日のCzecho No Republicのイベントや、UKFCと同じステージ構成)が作られており、しかもサブステージもかなりしっかりと設営されている。
・Syrup16g [8823ステージ]
18時という平日にしては早い時間にメインステージのトップバッターとして登場するのは、Syrup16g。ライブは昨年11月のさいたまスーパーアリーナでのthe telephonesのラストパーティ以来である。(その時のライブはBOX SETとして映像化された)
暗幕が開くとそこにはすでに黒い服を着た3人がスタンバイしており、中畑が立ったままドラムを触りつつ、五十嵐がギターをかき鳴らしながら歌う解散時の武道館でのラストライブでも最初に演奏された「きこえるかい」でスタート。五十嵐の声はまぁあまり出ているとは言えないが、まるっきり出てないというわけでもない。この辺りは久々のライブだからだろうか。
「To be honor」「生きているよりマシさ」と、再結成後の曲もすでにこのバンドの代表曲と言ってもいいくらいにこのバンドでしかない曲であるが、曲が終わると
「五十嵐さんずっと待ってたよー!」
という観客の声に
「ありがとうございます」
と応えたり、盛り上がるわけではないが、腕を上げている観客は前方にも後方にもいたりと、アウェーという感じもしない。
「せっかくスピッツのイベントに呼んでいただいたので、カバーでも…と思ったんですが、キーが全然合わないので(笑)、マサムネさんのリクエストの曲を」
と五十嵐が言って演奏されたのは、心が痛くなるような、精神が落ちまくっている時の孤独のアンセムとでもいうような名曲「センチメンタル」。この曲を選ぶあたりがさすが草野マサムネだが、五十嵐が歌うスピッツの曲も聴いてみたかったところではある。
真っ赤な照明がバンドの熱量をさらにたぎらせる「Share the light」から、
「声が聞こえたら 神の声さ」
と五十嵐が歌う「coup d'Etat」で大歓声が上がると、そのまま「空をなくす」につながるというおなじみの流れでこのバンドのライブとは思えないくらいの熱狂。五十嵐の声は後半になっても完璧とは言えないが、ギターを弾いたりする姿は久々のライブとは思えないくらいに躍動感にあふれている。
「今日の楽しい思い出を刻んで、秋くらいまでらお家で寝てたいと思います」
と言って最後に希望に手を伸ばすかのような「翌日」を演奏。五十嵐の最後のMCとこの日のライブからは、「いやいや、寝てないでもっとなんかやってくれよ!」と言いたくなったが、一度解散して今またこうして再結成して活動しているだけでも奇跡みたいなバンドなので、1%も無理をしないくらいのマイペースさでやっていってくれたほうがいいのかもしれない。もうちょっと短いスパンでライブ見たいけど。
1.きこえるかい
2.To be honor
3.生きているよりマシさ
4.センチメンタル
5.Share the light
6.coup d'Etat ~ 空をなくす
7.翌日
生きているよりマシさ
https://youtu.be/FyD0jRsAqNk
・赤い公園 [3373ステージ]
Syrup16gがライブを終えるとすぐにサブステージの3373ステージには、「ハチミツハチミツ…」というクマのプーさんのSEが流れ始め、若干客席がざわついていると、白い衣装で統一された赤い公園のメンバーがステージに登場し、トリビュートアルバムでカバーしたスピッツの「ハチミツ」からスタートするという、スピッツファンと、敬愛するスピッツのメンバーに向けて格好の掴みでスタート。スピッツファンの人たちもサビで手を振り、スピッツがライブでこの曲を演奏しているかのような盛り上がりに。
超キャッチーな前作「猛烈リトミック」のリード曲「NOW ON AIR」で佐藤千明のさらに伸びを増したボーカルの成長っぷりを感じさせると、相変わらず自由度の高い挨拶から、
「ふるさとのことを歌った曲。アルバムの曲だから知らない人も多いだろうけど」
と言って演奏されたのは最新アルバム収録の「東京」。これまでにベテランからこのバンドのような若手まで、様々なアーティストが向き合っては名曲を生み出してきた「東京」というテーマだが、この曲を「ふるさとの曲」と言って歌えるのはこのバンドが東京でずっと生きてきたから。アルバムには「西東京」というさらに「東京」の中でも彼女たちの出身地にフォーカスしたような曲もあるが。
さらに「Canvas」「KOIKI」と最新アルバム収録曲が続くのだが、鬼才・津野のギターと佐藤のボーカルはもちろん、この最新作では藤本と歌川のリズム隊にこれまで以上の成長を感じることができる。特に藤本のベースは可愛らしい見た目からは想像できないくらいに重く深くなっている。
その藤本が
「みんなが持ってるこのイベントのタオルがオムライスみたいに見える~!」
というさすがの天然ぶり(確かに黄色地に赤文字だけど)を見せると、
「じゃあマイク切ってくださいね~」
とあっさりと佐藤にあしらわれつつ、最後に演奏されたのはやはり最新作収録のハッピーかつリズムはグルーヴィーな「黄色い花」。佐藤と津野の煽りにより、ハンドウェーブと手拍子も発生するが、鍵盤やホーンの音も入っている曲なだけに、サポートメンバーも加えた豪華な編成で聴いてみたいとも思わされる。
このバンドはデビュー時からライブがすごいバンドであったが、ここに来てメンバーそれぞれの技量がさらに進化してきている。そしてそれに伴ってか、見た目も徐々に大人の女性っぽくなってきている…気がする。
1.ハチミツ
2.NOW ON AIR
3.東京
4.Canvas
5.KOIKI
6.黄色い花
黄色い花
https://youtu.be/7wvFq7vtXp4
・米津玄師
この会場での招待制ライブ以来のライブとなる米津玄師。リリースこそないが、すでに新曲も発表されているだけに、どんな新しいモードが見れるのかと期待が集まる。
暗幕が開くと厳かなSEが流れて米津玄師とおなじみのサポートメンバー3人が登場。米津玄師は民族衣装のような出で立ちで、長めのピアスが目立つ。
中島がギターを鳴らし始め、幽玄なサウンドスケープの中にリズムが加わって始まったのは、「diorama」の1曲目であった「街」。曲のリズムと
「その献身の先へ 心は行く 強く」
という歌詞が、ここからまた新たなる物語が始まるかのように響く。メンバーのコーラスのボリュームはやや小さめではあったが。
「1,2,3!」と米津玄師が叫ぶようにしてカウントして始まる「ゴーゴー幽霊船」、ハンドマイクで歌い、ゆらゆらと漂うような踊りだけにとどまらず、堀のドラムセットの後ろを回るくらいに左右のみならず前後までもステージを動き回りながら歌う「駄菓子屋商売」と「diorama」の曲が続いたのは、アルバム収録曲を中心としていた「Bremen」期とは明らかに異なる。
「今日は俺のことを全然知らない人も多いと思うけど…」
と、久々にアウェーな空気を一瞬で変えてしまうように、神聖なライブアレンジのイントロを追加して演奏されたのは「アイネクライネ」。この曲の時はやはり、「この曲知っている」という空気に満ちていた。米津玄師本人は何度も歌っているはずなの曲なのに歌詞をかなり間違えていたけれど。
「スピッツとかSyrup16gは中学生の頃からずっと聴いていて。多大な影響を受けているし、自分の音楽の根幹にあるようなもので。そんな人たちといっぺんに一緒にライブがやれちゃうなんて…ねぇ?(笑)」
とこのライブと自身に強い影響を与えた2組のバンドと同じステージに立てたことを、もう最後は言葉にならないというような様子で語る。
米津玄師は多分、音楽以外で生きていこうと思えば、違う分野でも生きていけるような人である。(それはイラストなど、やはりクリエーターとしてだと思うけれど)
でもやっぱり、この人は10代の時から音楽に救われてきていて、他の何よりも音楽が好きなんだと思う。だからRADWIMPSとの胎盤の時もそうだったが、こうして本人の口から影響源を語ってくれて、本人が幸せそうな顔をしているのを見れるのが本当に嬉しい。その影響源が自分の好きなバンドばかりだからというのもあるが。
そして
「不肖の身ながら、スピッツのカバーをやりたいと思います」
と言って演奏されたのはまさかの「スパイダー」のカバー。おそらくこの日限りの選曲だろうけど、もしまたスピッツのトリビュートアルバムが出るんなら是非「スパイダー」は米津玄師で!と思うくらいに、これが見れただけでもこの日は来て良かったと心がガッツポーズしてしまった。もっと遠くまで僕らを奪って逃げてくれ、と思うほどに。
また、この曲をカバーする時は、オリジナルでのアウトロのフェードアウト部分をどう料理するかが重要だと個人的に思っているのだが、今回はセッション的な演奏で、特に中島のギターがソロのようにかなり目立つアレンジに。なかなかここまで弾き倒す姿は見れないだけにかなり新鮮だし、おそらく米津玄師とともにずっとスピッツが好きだったであろう中島自身も実に楽しそうな表情でギターを弾いていた。
そして、
「まだリリースもなにも決まっていない新曲を演奏したいと思います」
と言って披露されたのは、ルーブル美術館のテーマソングになっている新曲「ナンバーナイン」。米津玄師がハンドマイクでゆらゆらと踊りながらの歌唱、須藤がベースではなくシンセを操るという編成で、「アンビリーバーズ」を初めて聴いた時ほど「EDM!」という感じではないが、エレクトロなサウンドがスペイシーな雰囲気を生み出しながらも、サビのメロディは非常にキャッチーでありポップ。歌詞も非常にわかりやすい言葉が並んでいる印象だが、美術館に行ってこの曲が流れていたらずっと聴き入ってしまって絵画を見たりするどころではなくなってしまいそう。
米津玄師も晴れやかな表情で久しぶりのライブのステージを去っていったが、RADWIMPSの「有心論」を野田洋次郎と一緒に歌ったことがあるとはいえ、まさかアーティスト主催のイベントで主催者の曲のカバーをやるようになるとはかつては1%も想像していなかった。
でもこういうパフォーマンスがその日のライブを、その日その場所でしかありえない、特別なものにしていく。この日はライブハウスという屋内の空間だったが、これから野外の夏フェスという、その日その場所でしか見れない景色を今年もこの男は見に行くし、我々に見せてくれる。(本人も意外にも)大好きだと語る、米津玄師の夏が今年も始まる。
1.街
2.ゴーゴー幽霊船
3.駄菓子屋商売
4.アイネクライネ
5.スパイダー (スピッツのカバー)
6.ナンバーナイン
アイネクライネ
https://youtu.be/-EKxzId_Sj4
・UQiYO [3373ステージ]
スピッツの直前というスロットに出演するのは、UQiYO。ボーカル&ギターのYuqiを中心とした3人組。
YuqiとPhantao(キーボード)、Shima(ドラム)の3人が登場すると、Yuqiがギターノイズと声を発しながら、サイケデリックなサウンドが会場に広がっていき、一気に雰囲気が変わる。
ギター、キーボード、ドラムというシンプルな編成ではあるが、Yuqiは声とギターをその場でループして音を重ねていき、最終的にはとてもスリーピースとは思えない豊かな音になっていくが、打ち込みはほとんど使っていない。Shimaも時にはリズムをループさせたりと、可能な限り人力でエレクトロなサウンドを作り出し、日本語ではあるがボーカルも歌というよりは音の一要素という感じで、様々なシチュエーションで聴きたくなるように情景を喚起させる。
この日のフライヤーに新曲のCDを封入しているという太っ腹っぷりを告知して、夕焼けの海辺を想起させるその曲を披露すると、
「これだけの錚々たるメンツで、なぜ僕らがトリ前なのか(笑)」
という自虐MCで笑わせたが、それはきっとこの日の出演者の中で最も無名な存在であるこのバンドを、自分たちの直前の出番にすることによって、たくさんの人に見てもらえるように、というスピッツの配慮があったような気がしてならない。現にこの日の出演者の中では最も無名かつ異色な存在のバンドだが、アウェー感は全くなく、会場は暖かい空気に包まれていた。
こういうバンドを呼べるというあたりに、スピッツのミュージシャンとしてというよりも、一音楽好きとしての嗅覚、センスの良さを感じざるを得ない。
Twilight
https://youtu.be/pErZUu7j_Ws
・スピッツ [8823ステージ]
そしていよいよ主催のスピッツがこのイベントを締め括るべく登場。BGMが止まって暗転すると、サポートキーボードのクジヒロコを含めた5人がステージに。
1曲目は壮大なイントロがライブの幕開けを告げる大ヒットシングル「涙がキラリ☆」。草野の声もそうだし、メンバーの出で立ちもずっと変わらないエバーグリーンさ。
さらに「メモリーズ・カスタム」で一気にロックに振り切るのだが、草野と三輪のギターのカッティングはもちろん、崎山のドラムの手数の多さには驚かされる。もはや完全にベテランそのものな年齢であるが、若手バンドにも負けないくらいのレベルである。
ヒットシングルの後には「海とピンク」「五千光年の夢」というレア曲(ともに25年前にリリースされたセルフタイトルアルバムの収録曲)も演奏されるが、この辺りからベース田村の動きがどんどん激しくなってくる。
草野がこの日の出演者について、
「Syrupはすごい久々で。相変わらず思いな~って(笑)これからもマイペースで活動してください。
赤い公園は最近何回か一緒にやってるんだけど…上から目線っぽく言わせてもらうと、どんどんかっこよくなってるぜ~。
米津玄師君は去年出た「Bremen」っていうアルバムがすごい良くて。これはもう聴いちゃダメだと思って。作ってるアルバムが似てる曲ばっかりになっちゃいそうだから(笑)
UQiYOは忙しい時にラジオで聴いてすごい癒されて。想像してたよりもずっと人力でかっこいいな~って」
と一言ずつ語ると、三輪が全て「オマエモナ!」と返す。
すると最新シングルにして、ミュージックステーション出演時に話題になった「みなと」を披露。今にいたるまで貫かれてるスピッツの黄金律を味あわせてくれる。
そしていきなり
「Walkin'on the rainbow~」と歌いだしたのはまさかのミスチル「虹の彼方へ」。スピッツは夏に毎回カバー曲を演奏しているが、よく比較されるくらい近い(ように感じる)存在のミスチルの曲をカバーするとは驚き。草野は横文字が多いために発音をかなり気にしていたらしいが、この声で歌われると完全にスピッツの曲になってしまう。
夏の海辺をドライブしている時に聴きたくなる大ヒットシングル「渚」、「三日月ロック」収録のアッパーな「エスカルゴ」と、初見の人もコアなファンも同じように満足させる幅広い選曲。演奏しながら見えづらそうな位置にいる観客によく見えるような場所まで移動する心遣いもさすがとしか言いようがない。
そしてこのステージの名前にもなっている「8823」では田村の暴れっぷりが炸裂。ベースを一瞬だけ肩から外したり、下を出しながら客席に向かってピースサインをしたり。この運動量はベテランバンドの中でも屈指のものだろうし、スピッツをシングル曲しか知らないような人が見たら驚きであろう。
そして打ち込みのイントロが流れる中、最後に演奏されたのは「運命の人」。初めてこの曲を聴いた小学生の時から、
「バスの揺れ方で人生の意味が解かった日曜日」
という歌い出しのフレーズは、人生において決して消えない一行にして、サビのメロディの跳躍力は本当に超名曲であることを再確認させてくれる。
アンコールではメンバーがこのイベントのTシャツに着替えて登場すると、クジも含めて一言ずつ語る。
田村「2004年にVINTAGE ROCKのイベントでSyrup16gとTHE BACK HORNとストレイテナーと一緒にやったんだけど、今日シロップと一緒で、この前仙台でTHE BACK HORNと一緒で、秋田でストレイテナーのライブを見て。
だから来年かもしれないし、5年後かも10年後かもしれないけど、今日出てくれた人たちともまたいつか一緒にできると思ってます!」
三輪「米津玄師君を見てたら…身長が欲しくなった(笑)」
というこの緊張と緩和にスピッツのメンバーのキャラクターがよく出ている。
そしていよいよ来週発売となるニューアルバム「醒めない」を、
「買ってくれとは言わないんで、どんな手を使ってでも聴いてください(笑)」
と告知すると、そのアルバムのタイトルになっている「醒めない」を披露。ロックの初期衝動から今も醒めていないことをそのまま曲にした、ずっと変わらずに活動してきたスピッツだからこそ歌える、説得力のある曲。
「最後に盛り上がれますか!?」
と草野が煽ると、クジがアコーディオンを弾く、前作アルバム収録のアッパーな「野生のポルカ」で楽しい空気に包まれる中で終了。今年は夏フェス出演がないだけに、夏は始まったばかりだが、スピッツの今年の夏はこれで幕を閉じた。
自分が小学生の時、初めて自発的にこの曲を聴きたい、と思った存在がスピッツとミスチルであった。今やNICO Touches the Wallsやクリープハイプなどの歌物バンドから、a flood of circleのようなロックンロールバンドまで、スピッツをフェイバリットに挙げる同世代バンドは非常に多いが、彼らもきっと同じようにスピッツの音楽に接してきたんだろうし、米津玄師や赤い公園などのその下の世代も変わらずに聴いてきたんだろうな、と思う。ということは、これからもっと若い人たちもそうしてスピッツの音楽をずっと聴くようになるんだろう。
そういう子供の頃に聴いていた音楽は大人になったら聴かなくなってしまうものも多いが、スピッツの音楽がそうならないのは、誰もが良い曲だと思うメロディの良さと、聴けば聴くほどクセになるような、簡単なようでいて実に奥深い歌詞があるからこそ。
もはや日本の生きる宝のようなバンドだが、今までフェスのステージで見てきた時も「テレビでずっと見ていたバンド」というイメージだったが、こうしてライブハウスの距離感で見ると、ずっと近くにいる、いたように感じる。またこうしてライブハウスでいろんな曲を聴きたい。
1.涙がキラリ☆
2.メモリーズ・カスタム
3.海とピンク
4.五千光年の夢
5.みなと
6.虹の彼方へ (ミスチルのカバー)
7.渚
8.エスカルゴ
9.8823
10.運命の人
encore
11.醒めない
12.野生のポルカ
みなと
https://youtu.be/GiuxvmiULhI
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