クリープ ハイプ 全国ツアー2015 一つじゃつまならないから、せめて二つくらいやろう @Zepp Tokyo 1/29
- 2015/01/29
- 22:25
昨年、メジャー3枚目のアルバム「一つになれないなら、せめて二つだけでいよう」をリリースしたクリープハイプ。
フェスでもメインステージで万単位の観客を動員するようになり、もはやすっかりロックシーンの中でもかなり巨大な存在になっているが、そのアルバムリリースツアーの前半、ライブハウスツアーの序盤にして、Zepp Tokyo 2daysの初日。去年のツアーはホールだっただけに、久しぶりのライブハウスワンマン。
19時を過ぎると、BGMが急に止まると同時に場内が暗転し、いつものようにBGMもなしにメンバーが登場。最後にステージに現れた尾崎世界観(ボーカル&ギター)に一際大きな歓声が上がる中、小泉のドラムセットにメンバーが集まって気合いを入れると、
「東京、久しぶりじゃねぇか。楽しい夜にしましょう」
と言い、「2LDK」「ボーイズENDガールズ」と、新作からの曲の2連発でスタート。ワンマンの時はいつも思うが、尾崎は序盤はあまり声の調子が良くない。それは前作のDiverCityワンマンの時もそう思ったのだが、だからこそワンマンでは序盤よりも終盤のほうが歌と演奏が噛み合ってくる印象がある。
実際、前作時にはアルバムの曲を終盤に固めていたので、新作の曲を噛み合ってきた状態で聴けたのだが。
なんてことを思っていると、イントロの前にバスドラの4つ打ちに合わせて手拍子が鳴る、初期の「蜂蜜と風呂場」。間奏でもおなじみの手拍子はもはやズレることはない。
尾崎が
「ようやくLINEというものをはじめまして。メンバーでグループを作ったんですけど、今日もよろしくお願いします、と送ったら、こういう(親指を立てる)スタンプが返ってきました。
我々の演奏に、歓声という名のスタンプを返してください」
と、上手いのかなんなのか実に微妙な挨拶代わりのMC。
しかし、そこからはインディーズ期の「あの嫌いのうた」、あのイントロのギターのカッティングが鳴るだけで悲鳴にも似た歓声が上がった「イノチミジカシコイセヨオトメ」、メジャー1stアルバムに収録されたようにアウトロとイントロをつなげる形で演奏された「手と手」、小川のギターが唸る、長谷川カオナシ(ベース)のリードボーカル曲「かえるの唄」と、まさかの過去曲の連打に次ぐ連打で、このライブが新作のツアーだということをすっかり忘れてしまいそうになる。
「昔の偉人の方は言いました。お前のものは俺のもの。俺のものも俺のもの。そして、そして…彼は私のもの」
というカオナシの、ジャイアンの名言を使った前フリからそのままベースのイントロが鳴った「HE IS MINE」では、
「今度会ったら?」
のフレーズに対し、
「セックスしよう!」
の大歓声のスタンプが客席から返ってくる。
「さらに昔の偉人は言いました。彼女は元気です、と。ヤリマンの歌を」
と今度は尾崎が言い、「HE IS MINE」と対になる、爽やかなサウンドとは裏腹に歌詞はかなりアレな「SHE IS FINE」と、ここまでは予想を裏切るくらいの過去曲の連発ぶり。
MCを挟むと、先行シングルにして、クリープハイプのど真ん中ギターロックな名曲「寝癖」。アウトロでは4人が向かい合って合わせるような演奏が追加されて曲が締められる。
この日は関東もかなり寒かったのだが、そんな中でも夏ソング「憂、燦々」はしっかり演奏し、
「偶然だけど、この2daysが1月の29,30なんだよねぇ…。というわけで「百八円の恋」という曲を(笑)
嘘です、「二十九、三十」という曲を」
という尾崎のちょっと捻くれた前フリからの「二十九、三十」、来てくれた観客に対する感謝の気持ちを素直に告げてからの「大丈夫」からはようやく新作のモード。このあたりはその中でもどちらかというと聴かせるタイプの曲。
尾崎とカオナシがリズミカルにボーカルの掛け合いを行う「そういえば今日から化け物になった」に続いては、メジャー1stからの「ABCDC」。これは実に意外な選曲。1stのツアーの赤坂BLITZ以降もたまにやることがあった気がするけども。
すると、
「お待たせしました、アルバムの11曲目の曲をやります」
と、アルバムでは歌詞の問題で曲の断片のノイズ部分のみが数秒だけ収録されただけだったが、武道館2days以降、ライブではおなじみの皮肉の極みのような「移籍の歌」。
「なんだってします
いつか本当のベストを出せるまで」
というキメの歌詞はその日が来るまで、あるいはこの曲が収録できる日が来るまでずっと歌い続けて欲しい…が、
「いつまでも未練を引きずったままなのはみっともないので、この曲はこのツアーでやるのは最後にします。
ではビクター時代の代表曲を」
と言って「オレンジ」へ。この尾崎の言葉の通り、あの曲は今回のツアーで封印なのだろうか。そんな、「え~」と思う間も無く、歌詞の通りに「光の先へ」連れて行く曲を演奏したのは実に後腐れない感じにさせてくれるが。
「もうそろそろ終わりますよ」
と尾崎が言うと、客席から「もっと!」という女子の声が飛び、
「もっと、なんて若い女子が簡単に言うものじゃありません!(笑)
大切な人にだけ言いなさい…あ、俺が大切な人か(笑)…と、この人(小川)が今言ってました(笑)」
というやり取りで小川がギターを高く掲げると、映画主題歌になった「百八円の恋」から、その小川のギターが先導する、勢いのある曲が続く。
もはや終盤も終盤だが、やはりこのあたりになると歌も演奏もガッチリ噛み合っているように見える。
そして新作の中でも一際異彩を放つタイトルの「社会の窓と同じ構成」からラストの「社会の窓」というコンボは年末のフェスでもやっていたし、しばらくはライブの締めの定番になっていきそう。もちろん、ラストのサビ前には
「最高です!」
の大合唱が響いた。
やや時間が空いてアンコールにメンバーが登場すると、二階席からの子どもの歓声に尾崎がやたらと反応し、
「親が言わせてるとしても、子どもの力ってすごい(笑)」
と、やはり素直には受け取らず、
「聴きたい曲を選んでください。何ホテルがいい?(笑)」
と、全く選択の余地もなく、当然「ラブホテル」へ。客席後方にはかなり厚着をした人もいる中に、
「夏のせい 夏のせい」
という、内容自体は季節感錯誤な曲が響く。
大サビ前では
「さぁ、ここはこれからもやるか、どうするか」
と客席を見渡しながら小休止し、
「早くやって!」「もっと焦らして!」
などの観客の声をいちいち拾い上げる尾崎。そうやってタメにタメてから最後のサビで爆発させて、演奏後はあっさりとステージを去っていったのだった。
映像などをふんだんに導入した昨年のホールツアーとは異なり、なんの特別な演出もなく、ただひたすらに曲を演奏して聴かせるという、実にシンプルな2時間弱。でもやっぱり、去年のホールツアーでは盛り上がりに遠慮しているような空気を感じたので、個人的にはこのバンドはホールよりもライブハウスで見たい。もちろん、それよりもさらに大きな会場で見たいという思いも確実にあるけれど。
そして新作のツアーでありながらも、この日は新作の曲は全て演奏されなかった。だけにアルバムの全貌は、ツアー後半のホールでのライブで明らかになるんだろうか。
と言いながらも、前作アルバムも「うーん…」って感じだったけど、今作はさらに「うーん…」と思ってしまっている。今作のアルバムの中にこれまでの名曲に匹敵するような曲は個人的にはないと思っているだけに、「移籍の曲」がちゃんとアルバムに入れられなかったのが悔やまれる。
1.2LDK
2.ボーイズENDガールズ
3.蜂蜜と風呂場
4.あの嫌いのうた
5.イノチミジカシコイセヨオトメ
6.手と手
7.かえるの唄
8.HE IS MINE
9.SHE IS FINE
10.寝癖
11.憂、燦々
12.二十九、三十
13.大丈夫
14.そういえば今日から化け物になった
15.ABCDC
16.移籍の歌
17.オレンジ
18.百八円の恋
19.ホテルのベッドに飛び込んだらもう一瞬で朝だ
20.社会の窓と同じ構成
21.社会の窓
encore
22.ラブホテル
百八円の恋
http://youtu.be/DLJs3II1EZA
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フェスでもメインステージで万単位の観客を動員するようになり、もはやすっかりロックシーンの中でもかなり巨大な存在になっているが、そのアルバムリリースツアーの前半、ライブハウスツアーの序盤にして、Zepp Tokyo 2daysの初日。去年のツアーはホールだっただけに、久しぶりのライブハウスワンマン。
19時を過ぎると、BGMが急に止まると同時に場内が暗転し、いつものようにBGMもなしにメンバーが登場。最後にステージに現れた尾崎世界観(ボーカル&ギター)に一際大きな歓声が上がる中、小泉のドラムセットにメンバーが集まって気合いを入れると、
「東京、久しぶりじゃねぇか。楽しい夜にしましょう」
と言い、「2LDK」「ボーイズENDガールズ」と、新作からの曲の2連発でスタート。ワンマンの時はいつも思うが、尾崎は序盤はあまり声の調子が良くない。それは前作のDiverCityワンマンの時もそう思ったのだが、だからこそワンマンでは序盤よりも終盤のほうが歌と演奏が噛み合ってくる印象がある。
実際、前作時にはアルバムの曲を終盤に固めていたので、新作の曲を噛み合ってきた状態で聴けたのだが。
なんてことを思っていると、イントロの前にバスドラの4つ打ちに合わせて手拍子が鳴る、初期の「蜂蜜と風呂場」。間奏でもおなじみの手拍子はもはやズレることはない。
尾崎が
「ようやくLINEというものをはじめまして。メンバーでグループを作ったんですけど、今日もよろしくお願いします、と送ったら、こういう(親指を立てる)スタンプが返ってきました。
我々の演奏に、歓声という名のスタンプを返してください」
と、上手いのかなんなのか実に微妙な挨拶代わりのMC。
しかし、そこからはインディーズ期の「あの嫌いのうた」、あのイントロのギターのカッティングが鳴るだけで悲鳴にも似た歓声が上がった「イノチミジカシコイセヨオトメ」、メジャー1stアルバムに収録されたようにアウトロとイントロをつなげる形で演奏された「手と手」、小川のギターが唸る、長谷川カオナシ(ベース)のリードボーカル曲「かえるの唄」と、まさかの過去曲の連打に次ぐ連打で、このライブが新作のツアーだということをすっかり忘れてしまいそうになる。
「昔の偉人の方は言いました。お前のものは俺のもの。俺のものも俺のもの。そして、そして…彼は私のもの」
というカオナシの、ジャイアンの名言を使った前フリからそのままベースのイントロが鳴った「HE IS MINE」では、
「今度会ったら?」
のフレーズに対し、
「セックスしよう!」
の大歓声のスタンプが客席から返ってくる。
「さらに昔の偉人は言いました。彼女は元気です、と。ヤリマンの歌を」
と今度は尾崎が言い、「HE IS MINE」と対になる、爽やかなサウンドとは裏腹に歌詞はかなりアレな「SHE IS FINE」と、ここまでは予想を裏切るくらいの過去曲の連発ぶり。
MCを挟むと、先行シングルにして、クリープハイプのど真ん中ギターロックな名曲「寝癖」。アウトロでは4人が向かい合って合わせるような演奏が追加されて曲が締められる。
この日は関東もかなり寒かったのだが、そんな中でも夏ソング「憂、燦々」はしっかり演奏し、
「偶然だけど、この2daysが1月の29,30なんだよねぇ…。というわけで「百八円の恋」という曲を(笑)
嘘です、「二十九、三十」という曲を」
という尾崎のちょっと捻くれた前フリからの「二十九、三十」、来てくれた観客に対する感謝の気持ちを素直に告げてからの「大丈夫」からはようやく新作のモード。このあたりはその中でもどちらかというと聴かせるタイプの曲。
尾崎とカオナシがリズミカルにボーカルの掛け合いを行う「そういえば今日から化け物になった」に続いては、メジャー1stからの「ABCDC」。これは実に意外な選曲。1stのツアーの赤坂BLITZ以降もたまにやることがあった気がするけども。
すると、
「お待たせしました、アルバムの11曲目の曲をやります」
と、アルバムでは歌詞の問題で曲の断片のノイズ部分のみが数秒だけ収録されただけだったが、武道館2days以降、ライブではおなじみの皮肉の極みのような「移籍の歌」。
「なんだってします
いつか本当のベストを出せるまで」
というキメの歌詞はその日が来るまで、あるいはこの曲が収録できる日が来るまでずっと歌い続けて欲しい…が、
「いつまでも未練を引きずったままなのはみっともないので、この曲はこのツアーでやるのは最後にします。
ではビクター時代の代表曲を」
と言って「オレンジ」へ。この尾崎の言葉の通り、あの曲は今回のツアーで封印なのだろうか。そんな、「え~」と思う間も無く、歌詞の通りに「光の先へ」連れて行く曲を演奏したのは実に後腐れない感じにさせてくれるが。
「もうそろそろ終わりますよ」
と尾崎が言うと、客席から「もっと!」という女子の声が飛び、
「もっと、なんて若い女子が簡単に言うものじゃありません!(笑)
大切な人にだけ言いなさい…あ、俺が大切な人か(笑)…と、この人(小川)が今言ってました(笑)」
というやり取りで小川がギターを高く掲げると、映画主題歌になった「百八円の恋」から、その小川のギターが先導する、勢いのある曲が続く。
もはや終盤も終盤だが、やはりこのあたりになると歌も演奏もガッチリ噛み合っているように見える。
そして新作の中でも一際異彩を放つタイトルの「社会の窓と同じ構成」からラストの「社会の窓」というコンボは年末のフェスでもやっていたし、しばらくはライブの締めの定番になっていきそう。もちろん、ラストのサビ前には
「最高です!」
の大合唱が響いた。
やや時間が空いてアンコールにメンバーが登場すると、二階席からの子どもの歓声に尾崎がやたらと反応し、
「親が言わせてるとしても、子どもの力ってすごい(笑)」
と、やはり素直には受け取らず、
「聴きたい曲を選んでください。何ホテルがいい?(笑)」
と、全く選択の余地もなく、当然「ラブホテル」へ。客席後方にはかなり厚着をした人もいる中に、
「夏のせい 夏のせい」
という、内容自体は季節感錯誤な曲が響く。
大サビ前では
「さぁ、ここはこれからもやるか、どうするか」
と客席を見渡しながら小休止し、
「早くやって!」「もっと焦らして!」
などの観客の声をいちいち拾い上げる尾崎。そうやってタメにタメてから最後のサビで爆発させて、演奏後はあっさりとステージを去っていったのだった。
映像などをふんだんに導入した昨年のホールツアーとは異なり、なんの特別な演出もなく、ただひたすらに曲を演奏して聴かせるという、実にシンプルな2時間弱。でもやっぱり、去年のホールツアーでは盛り上がりに遠慮しているような空気を感じたので、個人的にはこのバンドはホールよりもライブハウスで見たい。もちろん、それよりもさらに大きな会場で見たいという思いも確実にあるけれど。
そして新作のツアーでありながらも、この日は新作の曲は全て演奏されなかった。だけにアルバムの全貌は、ツアー後半のホールでのライブで明らかになるんだろうか。
と言いながらも、前作アルバムも「うーん…」って感じだったけど、今作はさらに「うーん…」と思ってしまっている。今作のアルバムの中にこれまでの名曲に匹敵するような曲は個人的にはないと思っているだけに、「移籍の曲」がちゃんとアルバムに入れられなかったのが悔やまれる。
1.2LDK
2.ボーイズENDガールズ
3.蜂蜜と風呂場
4.あの嫌いのうた
5.イノチミジカシコイセヨオトメ
6.手と手
7.かえるの唄
8.HE IS MINE
9.SHE IS FINE
10.寝癖
11.憂、燦々
12.二十九、三十
13.大丈夫
14.そういえば今日から化け物になった
15.ABCDC
16.移籍の歌
17.オレンジ
18.百八円の恋
19.ホテルのベッドに飛び込んだらもう一瞬で朝だ
20.社会の窓と同じ構成
21.社会の窓
encore
22.ラブホテル
百八円の恋
http://youtu.be/DLJs3II1EZA
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