a flood of circle デビュー15周年記念ツアー "CANDLE SONGS -日比谷野外音楽堂への道- " @横浜F.A.D 4/18
- 2024/04/19
- 18:53
ついこの前に10周年を迎えたばかりだと思っていたのに、a flood of circleがデビューから15周年を迎えた。今年はすでに豪華な面々を招いての対バンツアーも開催されたが、その15周年は久しぶりの日比谷野音ワンマンが最大のトピックスということで、「日比谷野外音楽堂への道」と題したツアーを開催。アジカンのゴッチがプロデュースした「キャンドルソング」も収録した新作EPもリリースされ、そのワンマン編がすでにスタートしているが、この日はもはや毎回ツアーではおなじみの横浜F.A.Dである。
開演前から超満員の客席の中にはフラッドがライブをやる時にだけ出現するドリンクメニュー「お〜い!佐々木割り」(佐々木亮介がいつもお茶割りを飲んでいることから登場したメニュー)を飲んでいる人も多く見受けられる。
開演時間の19時を少し過ぎた後に場内が暗転すると、おなじみのSEでメンバー4人がステージに登場。佐々木亮介(ボーカル&ギター)は黒の革ジャン姿であり、HISAYO(ベース)も青木テツ(ギター)もどこかいつもよりもほんの少しだけフォーマルな衣装を着ているような気がするが、渡邊一丘(ドラム)は客席後ろの方からだと全くその姿が見えない。
そんな4人が楽器を構えてから亮介とテツがギターを思いっきり鳴らして始まったのは、歌詞の通りに今この場に火をつけるかのような「Blood & Bones」という、最近はあまり演奏されていなかった曲であるだけに意外な立ち上がりとも言えるが、やはりその歌詞通りに我々を燃え上がらせてくれる曲であるし、
「夜空に響け 俺たちの歌」
というサビのフレーズを歌う亮介の歌唱は実に高らかであるし、その直後のメンバーたちのコーラスも早くもめちゃくちゃ気合いが入っていることがわかるくらいの声量である。
このツアーは「CANDLE SONGS」のリリースタイミングであるために、そのまま間髪全く入れずにその収録曲「Happy Yappy Blood Hunt」へと繋がっていくのであるが、そもそもかなり前から(この曲タイトルのライブでストレイテナーと対バンしている)ライブで演奏されているために良い意味で新曲感は全くない。それは亮介とテツのドライブ感溢れるギターサウンドからも表れているし、観客のリアクションの激しもまたそうである。本当にただブチ上がるためのロックンロールである。
するとここでライブではほとんど毎回と言っていいくらいに演奏されている「Dancing Zombiez」へとやはりスムーズに繋がるのであるが、久しぶりな曲でも新曲でもなく、いつも演奏されている曲だからこそ、イントロで渡邊が思いっきり手数を増やしたドラムを叩き出したことによって、「あ、変わったな」と思った。その時に思い出したのは「CANDLE SONGS」リリース時の「音楽と人」誌での渡邊のインタビューだったのだが、そこで渡邊は
「佐々木じゃなくて、俺たち3人が変わらなくちゃって」
という発言をしていた。もちろんバンドを引っ張っているのは亮介だろうけれど、3人もずっとストイックにバンドに向き合ってきたと思っていたし、もちろんそうだったんだろうけど、
「死ぬまで続けようとは俺は思ってないけど、40歳になるまで死ぬ気でやる」
とも渡邊は発言していた。それは亮介にじゃなくて自分自身に発破をかけるための言葉だし、亮介はずっと武道館を見据えた発言をしてきたが、渡邊もテツもHISAYOも今このタイミングで本当の意味でその意識が固まったと言えるんじゃないだろうか。だからこそ渡邊のドラムの手数だけじゃなくて、テツとHISAYOのコーラス(HISAYOは曲中での手拍子も)もさらに力強さが増しているように感じていた。それはその意識がそのまま声に乗っているということである。
すると亮介が一転してギターを鳴らしながらブルージーに歌い始めたことによって客席から歓声が上がったのは、こちらも実に久々の「賭け (Bet!Bet!Bet!)」であり、その歌い出しから一気にバンドサウンドになるとロックンロールに加速していくのであるが、ただ速いだけではなくて強さも増しているのがやはり意識のさらなる変化を感じさせるし、それはサブタイトル部分の3人のコーラスにも表れている。本当に力と気合いを込めて声を出しているのがその表情からもわかるし、だからこそフラッドに賭けたくなるのだ。もしかしたら「いざ勝負」の歌詞通りに今またバンドは本当に勝負に出ているのかもしれない。某違法賭博問題がついつい頭の中に浮かんでしまうのは野球ファンだからでもあるのだけれど。
さらには「Party Monster Bop」も「ゴールド・ディガーズ」も近年リリースの曲であるだけにライブでももうおなじみの曲であるが、そのコーラスの力強さたるや…とふと思ったけれど、このツアーはそうしたメンバーのコーラスがさらに強くなったことを確かめるかのようなセトリになっているんじゃないだろうかと。そう思うくらいにどちらもメンバーの勇壮なコーラスが重なる曲であるし、「Party〜」ではHISAYOのベースが今まで以上に激しくうねりまくり、そんな3人のコーラスを受ける亮介も「ゴールド・ディガーズ」では思いっきり巻き舌唱法を炸裂させるのが思わず笑ってしまうくらいにカッコいい。しかしながらこの「ゴールド・ディガーズ」ではストレイテナーのホリエアツシがプロデュースと、ゴッチも含めて偉大なロックバンドの先輩たちが本当にフラッドにまだまだ可能性を感じてくれているのがわかる。そんなゴッチ、ホリエ、亮介の3人によるrockin'on JAPANの対談インタビューも必読である。
そんな亮介はここでギターを下ろすと、トライバルな渡邊のリズムに合わせてタイトルコールをして「Sweet Home Battle Field」へと突入していくのであるが、その際に以前のようにタンバリンを持つこともしないし、客席の中に突入していったりすることもない。ただステージ前に出てきてドンと構えるように、それでいながら煽るようにして歌うだけ。それはそうするだけで伝わるものが今のバンドにはあるということを示しているかのようだったし、だからこそ前までのようにアウトロで急加速するようなアレンジを施すこともないのである。
そんな亮介はデビュー15周年を迎えたことによって
「結成15周年とかデビュー15周年とか、周年を何回もやるのは詐欺ですかって言われたりするんだけど(笑)、今回回ってるツアーの中で15年前もあった会場はここだけ。F.A.Dも進化してるよね。15年前はお茶割りなかったもん。進化してるっていうか、合わせてきてくれてるだけだけど(笑)」
と、自身がライブをやる時限定で登場するお茶割りのメニューにも感謝を込めるようにすると、
「15年くらい前からある曲を。いや、15年前は嘘かも(笑)」
と言ってアコギに持ち替えて演奏されたのは「コインランドリー・ブルース」であり、正確にはまだリリースから15年も経っていないのであるが、そのテツが鳴らすギターフレーズの切なさ、1人でコインランドリーで洗濯が終わるのを待っている情景が浮かんでくるような感覚はきっとこれから先リリースから20年、30年経っても色褪せることは決してない。そう思えるくらいに15年近く経っても胸を震わせてくれる名曲である。
そんなフラッドの曲が持つ情景喚起力と叙情性を感じさせる最新形と言える曲が「CANDLE SONGS」収録の「冬の終わり、マウンテンデュー、一瞬について」であるのだが、すでにリリース直前の3月のキネマ倶楽部での「KINZOKU Bat NIGHT」で演奏しており、そこで聴いた時にはギターロック的な鳴りからして、自分はこの曲もゴッチがプロデュースしているのかと思っていた(確かMUSICAのディスクレビューで片平実も同じことを書いていた)のであるが、この曲はセルフプロデュース。つまりゴッチのプロデュースはバンドに持ってないものを与えるというよりは、バンドの持ってるものをさらに引き出すというものであることがわかる。フラッドに関して言うのであればそれはメロディの美しさ。この曲はゴッチが引き出したわけではないが、そんなアジカンに通じると感じるものをフラッドは確かに持っていたということである。この曲のタイトルからすると少し春めく季節すらも過ぎてしまった感もあるが。
すると渡邊が軽快なビートを刻み始めたのは、こちらも実に久しぶりというか、まさか今になってツアーのセトリに入ってくるとは思ってなかった「ベイビー、それじゃまた」であるだけに驚くし、そんな曲で亮介と向かい合うようにしてギターを弾いていたテツが思いっきり右腕を高く掲げていた姿にはテツなりの気合いの入りっぷりを感じざるを得ないし、それくらいにライブを楽しんでいるということをも感じさせる。この曲を聴けるのは嬉しい反面、聴くともうライブが終わってしまうような心地にもなるのは前はよくアンコールで演奏されたりしていたからである。
すると亮介は自身が引っ越しや転校を繰り返していたバックグラウンドがあるからか、いわゆる地元の友達的な存在が全くいなくて、3年に一回くらいだけ連絡をする友人だけしかいないことを語るのであるが、その友人の父親が亡くなってしまったことで、
「香典とか線香とかあげなきゃなって。俺たち大人になったなって。でも俺はそいつにギターをあげた」
と言って演奏されたのは新作収録の、キャッチーなハミングと言っていいようなフレーズが印象的な「ギター (羽あり)」。すでにタワレコ新宿店での亮介の弾き語りでも聴いている曲であるが、そのエピソードからこの曲が生まれたのか、あるいはタイミングが合ったからたまたまその話をしたのか。それは亮介にしかわからないけれど、そうした出来事を悲しいだけで終わらせるわけでも、ただ笑い飛ばすわけでもなく、どこか日常や人生における出来事の一つとして感じさせるように描くというのが実に亮介らしいなと思ったりもする。
するとHISAYOのうねるようなベースと渡邊のリズミカルなドラムというイントロが否が応でも我々の期待を高まらせるのはなんと初期の「僕を問う」がここで演奏されたからである。もちろんこの4人になってからも「BUFFALO SOUL」の曲を全曲演奏するライブで鳴らされていたが、まさか今になってこうしてツアーで演奏されるようになるとは。もちろん今のバンドの状態で練り上げられていることによって、間奏のテツのギターソロも実にテクニカルでありながらも情熱的に響くのであるが、この曲のCメロのメロディの美しさこそがフラッドのメロディメーカーたる所以であると自分は思っているし、ライブ定番ではない曲にもこんな名曲があるのだからフラッドはやはり凄い、もはや恐ろしいと言っていいようなバンドである。
そして終盤は怒涛のフラッドのアンセムの連打に次ぐ連打。まずはイントロからして駆け抜けていくような勢いを感じさせる「花降る空に不滅の歌を」はもはやライブに欠かせないくらいの存在の曲であるが、それはイントロで亮介、テツ、HISAYOの3人が一気に前に出てくるようにして鳴らす姿も含めてのものであるし、最後のサビ前で亮介の歌と渡邊のキック、そして観客の手拍子だけになってから一気にサビでバンドの音が重なっていくカタルシスはやはりゾクッとしてしまうくらいにカッコいいものである。
それはこちらは久しぶりにライブのセトリに入った感じもする、イントロからまさにテツのギターが煌めくような音を鳴らす「北極星のメロディー」へと続いていく。むしろこうして聴いていると何で最近は毎回演奏されていないんだ?と思ってしまうくらいにメロディが立ちまくっている曲であるし、こうしてこの曲が聴ける、こんなに素晴らしいライブが観れるということがまさにこの曲で歌われている「最高の夜」そのものなのである。この曲が収録されたアルバム「伝説の夜を君と」のツアーもいろんな場所に観に行ったななんてことも曲を聴くと思い出したりする。
さらには亮介がギターを鳴らした瞬間に観客が勇壮なコーラスを重ねていくのはかつて10周年を迎えた際に作られた「花」であり、だからこそそのコーラスの合唱にはそれぞれの様々な想いが重なっているようにも感じられるし、
「届け 届いてくれ」
のフレーズはあの時よりも今の方がよりリアルさと切実さをもって響く。それはまさにフラッドの音楽をたくさんの人に届けようという活動を今年になってからバンドが行っているのを見てきたから。それだけに今までで1番、本当にこの音楽が届いてくれと思っている。
そしてイントロが鳴らされた段階で観客も亮介の「イェー!」の声に合わせて一斉に飛び跳ねるのはもちろん
「俺たちとあんたたちの明日に捧げる!」
と言ってから演奏された「シーガル」であるのだが、ついにダイバーまでも出現するという熱狂を生み出し、テツも思いっきり高々とギターを掲げる中、亮介は2サビではマイクスタンドを持ってそれを観客の方に向けることによって大合唱を巻き起こす。そのマイクに向かって手を伸ばして歌う観客の姿はまさに明日を掴み取ろうとしているかのようであったし、これからもずっとそうやって生きていきたいと思うのである。
そんなクライマックスを描く「シーガル」を演奏しても終わらないというのは今は亮介が
「俺の夢を叶えるやつは俺しかいない」
と思いっきり声を張り上げて歌う「月夜の道を俺が行く」という新たな大名曲があるからであるし、客席から手拍子が起こる中でその亮介の歌唱だけではなくて、やはり渡邊のこの曲のドラムは音源より圧倒的に手数と強さが違うような感じがする。それは渡邊もまた亮介が歌うのと同じように、自身の夢を叶えるのは自身しかいないと思ってドラムを叩いているからなんだろうか。その渡邊のドラムの強さによってバンド全体のグルーヴもサウンドもさらに力強さを増しているというのがやはり3人の意識の変化を感じさせるのである。
そんなフラッドの最新のアンセムであるのが、アジカンのゴッチがプロデュースした「キャンドルソング」であるのだが、リリース前からずっとライブで演奏してきただけにもはや新曲という感覚は全くない。長い年月、こうやって大事な位置で演奏されてきたかのようにすら感じられる。それは亮介の
「ゆらゆらゆら」
というサビのフレーズの歌唱に込めた感情からも伝わってくるものであるが、やはりこのメロディの美しさこそがゴッチがさらに引き出したフラッドのストロングポイントだと言えるだろう。それが最後にはメンバーのコーラスが重なることによってさらに際立つ。このキャンドルの火は決して消えることのないフラッドというバンドの火そのものである。このツアーでこの曲を聴いたことによって、その真価がちゃんとわかったような気がしたのだ。
そんな曲で終わりかと思ったら、亮介がほぼアカペラで時には弾き語りという形で歌い始めたのが
「もう疲れたんだ
声も出ない夜
溢れ出すのはいつもの 消えてしまいたい
今じゃ幻みたいだね ああ」
という衝撃的なフレーズから始まる「白状」。しかしそれは途中からバンドの音が重なっていき、最後には
「ここはまだ限界じゃないのさ
本当は死に切れないというなら
それじゃまだ生き切ってないのさ
もう疲れたんだ
もう疲れたんだ
そう疲れたのは
本気で信じてるから
これが生きる理由だ
行けるとこまで
行こうぜ
これが生きる理由だ
くたばるとこまで
行こうぜ」
という実にフラッドらしいフレーズに着地する。それこそが今の亮介の、フラッドのリアルというくらいに、このバンドは本当に行けるとこまで行こうとしているし、自分たちがたどり着ける場所のことを本気で信じている。その信念がそのまま音となっている。そんな、これまでも確信しかなかったフラッドのライブからまた新たな確信を確かに感じられた。それくらいに特別なことをやっていなくても、今までとは違うと感じたフラッドのワンマンだった。
アンコールではテツがツアーTシャツ姿に着替えて登場すると、亮介は
「横浜のシティボーイ&ガールは言わなくてもわかってると思うけど…」
と8月の日比谷野音の告知をするのであるが、
「俺は死ぬまで続けたいと思ってる。実際にはそんなに綺麗にはいかないかもしれないってこともわかってるけど。でもそこで終わってもいいとも思ってる」
と口にする。それくらいに野音に懸けているということだ。今までここまではっきりと終わりということを口にしなかった亮介だからこそ、そこに込めているものの大きさと重さを感じるのであるし、やっぱり絶対にそのライブだけは見逃せないなと思うのである。
そしてアンコールで演奏されたのは、チバユウスケのことを歌っているとも思われる「おやすみシュガー」であり、優しく穏やかさを感じさせるようなロックンロールサウンドの上に乗る
「GOOD NIGHT SUGAR
星になった11月は君のもの」
という、それを直接的に感じさせるような歌詞の部分を、亮介はこのサウンドには不釣り合いだと思うくらいに思いっきり力と感情を込めて歌っていた。そこには悲しさも悔しさももちろんあるだろうけれど、フラッドはそうした感情を音楽で表現できるバンドだと改めて思う。
そして渡邊の叩き出すリズムに合わせて、HISAYOも観客も笑顔で手拍子をして始まったのはもちろん「ベストライド」。それはそうだ、間違いなくこの日のフラッドは今までのバンドの記録を塗り替えるようなライブを見せてくれたのだから。そんな日のテーマと言えるような曲で亮介はマイクスタンドから離れてステージ前に出ることによって観客の大合唱を巻き起こす。
「なけなしの命賭けて 全速力で進んでいけ
俺のベストはいつも 今なんだよ
この一瞬に賭けていたいんだ」
というフレーズにはバンドの生き様が、
「ベストライド 君の世界を ベストライド 変えるのさ
ベストライド 風に乗って ベストライド 今日こそ
世界を塗り替えるんだ 今日こそ」
というフレーズには我々の明日からを塗り替えながら生きていく力が確かに宿っている。今まで何度思ってきたかわからないけれど、やっぱりこの日もフラッドはこれまでの最高と最強を間違いなく塗り替えたのである。
去り際にはテツが足速にステージを去る中、HISAYOは笑顔で手を振り、亮介は
「野音で会おう」
と観客に言葉をかける。最後に渡邊はどこに持っていたのかわからないインスタントカメラで客席を撮影してからステージを去った。そこにどんな意味があったのかわかるのはやはり野音の日になるのかもしれない。
前述の通りに渡邊がインタビューで言っていたように、3人の意識の変化によってフラッドはまた変わった。これ以上最強になりようがないだろうと思っていたバンドが、さらに最強かつ最高になった。そんな最強の状態でこれから野音ワンマンまでの季節を迎える。今までもそうしてきたつもりではいたけれど、今年は自分の可能な限りと時間と金銭と思いをこのバンドのために捧げようと思った。それがこの2024年を最も有意義なものにして、輝かせることになると改めて思ったから。野音はもちろん、それよりも前にもいろんな場所で会おう。
1.Blood & Bones
2.Happy Yappy Blood Hunt
3.Dancing Zombiez
4.賭け (Bet!Bet!Bet!)
5.Party Monster Bop
6.ゴールド・ディガーズ
7.Sweet Home Battle Field
8.コインランドリー・ブルース
9.冬の終わり、マウンテンデュー、一瞬について
10.ベイビー、それじゃまた
11.ギター (羽あり)
12.僕を問う
13.花降る空に不滅の歌を
14.北極星のメロディー
15.花
16.シーガル
17.月夜の道を俺が行く
18.キャンドルソング
19.白状
encore
20.おやすみシュガー
21.ベストライド
開演前から超満員の客席の中にはフラッドがライブをやる時にだけ出現するドリンクメニュー「お〜い!佐々木割り」(佐々木亮介がいつもお茶割りを飲んでいることから登場したメニュー)を飲んでいる人も多く見受けられる。
開演時間の19時を少し過ぎた後に場内が暗転すると、おなじみのSEでメンバー4人がステージに登場。佐々木亮介(ボーカル&ギター)は黒の革ジャン姿であり、HISAYO(ベース)も青木テツ(ギター)もどこかいつもよりもほんの少しだけフォーマルな衣装を着ているような気がするが、渡邊一丘(ドラム)は客席後ろの方からだと全くその姿が見えない。
そんな4人が楽器を構えてから亮介とテツがギターを思いっきり鳴らして始まったのは、歌詞の通りに今この場に火をつけるかのような「Blood & Bones」という、最近はあまり演奏されていなかった曲であるだけに意外な立ち上がりとも言えるが、やはりその歌詞通りに我々を燃え上がらせてくれる曲であるし、
「夜空に響け 俺たちの歌」
というサビのフレーズを歌う亮介の歌唱は実に高らかであるし、その直後のメンバーたちのコーラスも早くもめちゃくちゃ気合いが入っていることがわかるくらいの声量である。
このツアーは「CANDLE SONGS」のリリースタイミングであるために、そのまま間髪全く入れずにその収録曲「Happy Yappy Blood Hunt」へと繋がっていくのであるが、そもそもかなり前から(この曲タイトルのライブでストレイテナーと対バンしている)ライブで演奏されているために良い意味で新曲感は全くない。それは亮介とテツのドライブ感溢れるギターサウンドからも表れているし、観客のリアクションの激しもまたそうである。本当にただブチ上がるためのロックンロールである。
するとここでライブではほとんど毎回と言っていいくらいに演奏されている「Dancing Zombiez」へとやはりスムーズに繋がるのであるが、久しぶりな曲でも新曲でもなく、いつも演奏されている曲だからこそ、イントロで渡邊が思いっきり手数を増やしたドラムを叩き出したことによって、「あ、変わったな」と思った。その時に思い出したのは「CANDLE SONGS」リリース時の「音楽と人」誌での渡邊のインタビューだったのだが、そこで渡邊は
「佐々木じゃなくて、俺たち3人が変わらなくちゃって」
という発言をしていた。もちろんバンドを引っ張っているのは亮介だろうけれど、3人もずっとストイックにバンドに向き合ってきたと思っていたし、もちろんそうだったんだろうけど、
「死ぬまで続けようとは俺は思ってないけど、40歳になるまで死ぬ気でやる」
とも渡邊は発言していた。それは亮介にじゃなくて自分自身に発破をかけるための言葉だし、亮介はずっと武道館を見据えた発言をしてきたが、渡邊もテツもHISAYOも今このタイミングで本当の意味でその意識が固まったと言えるんじゃないだろうか。だからこそ渡邊のドラムの手数だけじゃなくて、テツとHISAYOのコーラス(HISAYOは曲中での手拍子も)もさらに力強さが増しているように感じていた。それはその意識がそのまま声に乗っているということである。
すると亮介が一転してギターを鳴らしながらブルージーに歌い始めたことによって客席から歓声が上がったのは、こちらも実に久々の「賭け (Bet!Bet!Bet!)」であり、その歌い出しから一気にバンドサウンドになるとロックンロールに加速していくのであるが、ただ速いだけではなくて強さも増しているのがやはり意識のさらなる変化を感じさせるし、それはサブタイトル部分の3人のコーラスにも表れている。本当に力と気合いを込めて声を出しているのがその表情からもわかるし、だからこそフラッドに賭けたくなるのだ。もしかしたら「いざ勝負」の歌詞通りに今またバンドは本当に勝負に出ているのかもしれない。某違法賭博問題がついつい頭の中に浮かんでしまうのは野球ファンだからでもあるのだけれど。
さらには「Party Monster Bop」も「ゴールド・ディガーズ」も近年リリースの曲であるだけにライブでももうおなじみの曲であるが、そのコーラスの力強さたるや…とふと思ったけれど、このツアーはそうしたメンバーのコーラスがさらに強くなったことを確かめるかのようなセトリになっているんじゃないだろうかと。そう思うくらいにどちらもメンバーの勇壮なコーラスが重なる曲であるし、「Party〜」ではHISAYOのベースが今まで以上に激しくうねりまくり、そんな3人のコーラスを受ける亮介も「ゴールド・ディガーズ」では思いっきり巻き舌唱法を炸裂させるのが思わず笑ってしまうくらいにカッコいい。しかしながらこの「ゴールド・ディガーズ」ではストレイテナーのホリエアツシがプロデュースと、ゴッチも含めて偉大なロックバンドの先輩たちが本当にフラッドにまだまだ可能性を感じてくれているのがわかる。そんなゴッチ、ホリエ、亮介の3人によるrockin'on JAPANの対談インタビューも必読である。
そんな亮介はここでギターを下ろすと、トライバルな渡邊のリズムに合わせてタイトルコールをして「Sweet Home Battle Field」へと突入していくのであるが、その際に以前のようにタンバリンを持つこともしないし、客席の中に突入していったりすることもない。ただステージ前に出てきてドンと構えるように、それでいながら煽るようにして歌うだけ。それはそうするだけで伝わるものが今のバンドにはあるということを示しているかのようだったし、だからこそ前までのようにアウトロで急加速するようなアレンジを施すこともないのである。
そんな亮介はデビュー15周年を迎えたことによって
「結成15周年とかデビュー15周年とか、周年を何回もやるのは詐欺ですかって言われたりするんだけど(笑)、今回回ってるツアーの中で15年前もあった会場はここだけ。F.A.Dも進化してるよね。15年前はお茶割りなかったもん。進化してるっていうか、合わせてきてくれてるだけだけど(笑)」
と、自身がライブをやる時限定で登場するお茶割りのメニューにも感謝を込めるようにすると、
「15年くらい前からある曲を。いや、15年前は嘘かも(笑)」
と言ってアコギに持ち替えて演奏されたのは「コインランドリー・ブルース」であり、正確にはまだリリースから15年も経っていないのであるが、そのテツが鳴らすギターフレーズの切なさ、1人でコインランドリーで洗濯が終わるのを待っている情景が浮かんでくるような感覚はきっとこれから先リリースから20年、30年経っても色褪せることは決してない。そう思えるくらいに15年近く経っても胸を震わせてくれる名曲である。
そんなフラッドの曲が持つ情景喚起力と叙情性を感じさせる最新形と言える曲が「CANDLE SONGS」収録の「冬の終わり、マウンテンデュー、一瞬について」であるのだが、すでにリリース直前の3月のキネマ倶楽部での「KINZOKU Bat NIGHT」で演奏しており、そこで聴いた時にはギターロック的な鳴りからして、自分はこの曲もゴッチがプロデュースしているのかと思っていた(確かMUSICAのディスクレビューで片平実も同じことを書いていた)のであるが、この曲はセルフプロデュース。つまりゴッチのプロデュースはバンドに持ってないものを与えるというよりは、バンドの持ってるものをさらに引き出すというものであることがわかる。フラッドに関して言うのであればそれはメロディの美しさ。この曲はゴッチが引き出したわけではないが、そんなアジカンに通じると感じるものをフラッドは確かに持っていたということである。この曲のタイトルからすると少し春めく季節すらも過ぎてしまった感もあるが。
すると渡邊が軽快なビートを刻み始めたのは、こちらも実に久しぶりというか、まさか今になってツアーのセトリに入ってくるとは思ってなかった「ベイビー、それじゃまた」であるだけに驚くし、そんな曲で亮介と向かい合うようにしてギターを弾いていたテツが思いっきり右腕を高く掲げていた姿にはテツなりの気合いの入りっぷりを感じざるを得ないし、それくらいにライブを楽しんでいるということをも感じさせる。この曲を聴けるのは嬉しい反面、聴くともうライブが終わってしまうような心地にもなるのは前はよくアンコールで演奏されたりしていたからである。
すると亮介は自身が引っ越しや転校を繰り返していたバックグラウンドがあるからか、いわゆる地元の友達的な存在が全くいなくて、3年に一回くらいだけ連絡をする友人だけしかいないことを語るのであるが、その友人の父親が亡くなってしまったことで、
「香典とか線香とかあげなきゃなって。俺たち大人になったなって。でも俺はそいつにギターをあげた」
と言って演奏されたのは新作収録の、キャッチーなハミングと言っていいようなフレーズが印象的な「ギター (羽あり)」。すでにタワレコ新宿店での亮介の弾き語りでも聴いている曲であるが、そのエピソードからこの曲が生まれたのか、あるいはタイミングが合ったからたまたまその話をしたのか。それは亮介にしかわからないけれど、そうした出来事を悲しいだけで終わらせるわけでも、ただ笑い飛ばすわけでもなく、どこか日常や人生における出来事の一つとして感じさせるように描くというのが実に亮介らしいなと思ったりもする。
するとHISAYOのうねるようなベースと渡邊のリズミカルなドラムというイントロが否が応でも我々の期待を高まらせるのはなんと初期の「僕を問う」がここで演奏されたからである。もちろんこの4人になってからも「BUFFALO SOUL」の曲を全曲演奏するライブで鳴らされていたが、まさか今になってこうしてツアーで演奏されるようになるとは。もちろん今のバンドの状態で練り上げられていることによって、間奏のテツのギターソロも実にテクニカルでありながらも情熱的に響くのであるが、この曲のCメロのメロディの美しさこそがフラッドのメロディメーカーたる所以であると自分は思っているし、ライブ定番ではない曲にもこんな名曲があるのだからフラッドはやはり凄い、もはや恐ろしいと言っていいようなバンドである。
そして終盤は怒涛のフラッドのアンセムの連打に次ぐ連打。まずはイントロからして駆け抜けていくような勢いを感じさせる「花降る空に不滅の歌を」はもはやライブに欠かせないくらいの存在の曲であるが、それはイントロで亮介、テツ、HISAYOの3人が一気に前に出てくるようにして鳴らす姿も含めてのものであるし、最後のサビ前で亮介の歌と渡邊のキック、そして観客の手拍子だけになってから一気にサビでバンドの音が重なっていくカタルシスはやはりゾクッとしてしまうくらいにカッコいいものである。
それはこちらは久しぶりにライブのセトリに入った感じもする、イントロからまさにテツのギターが煌めくような音を鳴らす「北極星のメロディー」へと続いていく。むしろこうして聴いていると何で最近は毎回演奏されていないんだ?と思ってしまうくらいにメロディが立ちまくっている曲であるし、こうしてこの曲が聴ける、こんなに素晴らしいライブが観れるということがまさにこの曲で歌われている「最高の夜」そのものなのである。この曲が収録されたアルバム「伝説の夜を君と」のツアーもいろんな場所に観に行ったななんてことも曲を聴くと思い出したりする。
さらには亮介がギターを鳴らした瞬間に観客が勇壮なコーラスを重ねていくのはかつて10周年を迎えた際に作られた「花」であり、だからこそそのコーラスの合唱にはそれぞれの様々な想いが重なっているようにも感じられるし、
「届け 届いてくれ」
のフレーズはあの時よりも今の方がよりリアルさと切実さをもって響く。それはまさにフラッドの音楽をたくさんの人に届けようという活動を今年になってからバンドが行っているのを見てきたから。それだけに今までで1番、本当にこの音楽が届いてくれと思っている。
そしてイントロが鳴らされた段階で観客も亮介の「イェー!」の声に合わせて一斉に飛び跳ねるのはもちろん
「俺たちとあんたたちの明日に捧げる!」
と言ってから演奏された「シーガル」であるのだが、ついにダイバーまでも出現するという熱狂を生み出し、テツも思いっきり高々とギターを掲げる中、亮介は2サビではマイクスタンドを持ってそれを観客の方に向けることによって大合唱を巻き起こす。そのマイクに向かって手を伸ばして歌う観客の姿はまさに明日を掴み取ろうとしているかのようであったし、これからもずっとそうやって生きていきたいと思うのである。
そんなクライマックスを描く「シーガル」を演奏しても終わらないというのは今は亮介が
「俺の夢を叶えるやつは俺しかいない」
と思いっきり声を張り上げて歌う「月夜の道を俺が行く」という新たな大名曲があるからであるし、客席から手拍子が起こる中でその亮介の歌唱だけではなくて、やはり渡邊のこの曲のドラムは音源より圧倒的に手数と強さが違うような感じがする。それは渡邊もまた亮介が歌うのと同じように、自身の夢を叶えるのは自身しかいないと思ってドラムを叩いているからなんだろうか。その渡邊のドラムの強さによってバンド全体のグルーヴもサウンドもさらに力強さを増しているというのがやはり3人の意識の変化を感じさせるのである。
そんなフラッドの最新のアンセムであるのが、アジカンのゴッチがプロデュースした「キャンドルソング」であるのだが、リリース前からずっとライブで演奏してきただけにもはや新曲という感覚は全くない。長い年月、こうやって大事な位置で演奏されてきたかのようにすら感じられる。それは亮介の
「ゆらゆらゆら」
というサビのフレーズの歌唱に込めた感情からも伝わってくるものであるが、やはりこのメロディの美しさこそがゴッチがさらに引き出したフラッドのストロングポイントだと言えるだろう。それが最後にはメンバーのコーラスが重なることによってさらに際立つ。このキャンドルの火は決して消えることのないフラッドというバンドの火そのものである。このツアーでこの曲を聴いたことによって、その真価がちゃんとわかったような気がしたのだ。
そんな曲で終わりかと思ったら、亮介がほぼアカペラで時には弾き語りという形で歌い始めたのが
「もう疲れたんだ
声も出ない夜
溢れ出すのはいつもの 消えてしまいたい
今じゃ幻みたいだね ああ」
という衝撃的なフレーズから始まる「白状」。しかしそれは途中からバンドの音が重なっていき、最後には
「ここはまだ限界じゃないのさ
本当は死に切れないというなら
それじゃまだ生き切ってないのさ
もう疲れたんだ
もう疲れたんだ
そう疲れたのは
本気で信じてるから
これが生きる理由だ
行けるとこまで
行こうぜ
これが生きる理由だ
くたばるとこまで
行こうぜ」
という実にフラッドらしいフレーズに着地する。それこそが今の亮介の、フラッドのリアルというくらいに、このバンドは本当に行けるとこまで行こうとしているし、自分たちがたどり着ける場所のことを本気で信じている。その信念がそのまま音となっている。そんな、これまでも確信しかなかったフラッドのライブからまた新たな確信を確かに感じられた。それくらいに特別なことをやっていなくても、今までとは違うと感じたフラッドのワンマンだった。
アンコールではテツがツアーTシャツ姿に着替えて登場すると、亮介は
「横浜のシティボーイ&ガールは言わなくてもわかってると思うけど…」
と8月の日比谷野音の告知をするのであるが、
「俺は死ぬまで続けたいと思ってる。実際にはそんなに綺麗にはいかないかもしれないってこともわかってるけど。でもそこで終わってもいいとも思ってる」
と口にする。それくらいに野音に懸けているということだ。今までここまではっきりと終わりということを口にしなかった亮介だからこそ、そこに込めているものの大きさと重さを感じるのであるし、やっぱり絶対にそのライブだけは見逃せないなと思うのである。
そしてアンコールで演奏されたのは、チバユウスケのことを歌っているとも思われる「おやすみシュガー」であり、優しく穏やかさを感じさせるようなロックンロールサウンドの上に乗る
「GOOD NIGHT SUGAR
星になった11月は君のもの」
という、それを直接的に感じさせるような歌詞の部分を、亮介はこのサウンドには不釣り合いだと思うくらいに思いっきり力と感情を込めて歌っていた。そこには悲しさも悔しさももちろんあるだろうけれど、フラッドはそうした感情を音楽で表現できるバンドだと改めて思う。
そして渡邊の叩き出すリズムに合わせて、HISAYOも観客も笑顔で手拍子をして始まったのはもちろん「ベストライド」。それはそうだ、間違いなくこの日のフラッドは今までのバンドの記録を塗り替えるようなライブを見せてくれたのだから。そんな日のテーマと言えるような曲で亮介はマイクスタンドから離れてステージ前に出ることによって観客の大合唱を巻き起こす。
「なけなしの命賭けて 全速力で進んでいけ
俺のベストはいつも 今なんだよ
この一瞬に賭けていたいんだ」
というフレーズにはバンドの生き様が、
「ベストライド 君の世界を ベストライド 変えるのさ
ベストライド 風に乗って ベストライド 今日こそ
世界を塗り替えるんだ 今日こそ」
というフレーズには我々の明日からを塗り替えながら生きていく力が確かに宿っている。今まで何度思ってきたかわからないけれど、やっぱりこの日もフラッドはこれまでの最高と最強を間違いなく塗り替えたのである。
去り際にはテツが足速にステージを去る中、HISAYOは笑顔で手を振り、亮介は
「野音で会おう」
と観客に言葉をかける。最後に渡邊はどこに持っていたのかわからないインスタントカメラで客席を撮影してからステージを去った。そこにどんな意味があったのかわかるのはやはり野音の日になるのかもしれない。
前述の通りに渡邊がインタビューで言っていたように、3人の意識の変化によってフラッドはまた変わった。これ以上最強になりようがないだろうと思っていたバンドが、さらに最強かつ最高になった。そんな最強の状態でこれから野音ワンマンまでの季節を迎える。今までもそうしてきたつもりではいたけれど、今年は自分の可能な限りと時間と金銭と思いをこのバンドのために捧げようと思った。それがこの2024年を最も有意義なものにして、輝かせることになると改めて思ったから。野音はもちろん、それよりも前にもいろんな場所で会おう。
1.Blood & Bones
2.Happy Yappy Blood Hunt
3.Dancing Zombiez
4.賭け (Bet!Bet!Bet!)
5.Party Monster Bop
6.ゴールド・ディガーズ
7.Sweet Home Battle Field
8.コインランドリー・ブルース
9.冬の終わり、マウンテンデュー、一瞬について
10.ベイビー、それじゃまた
11.ギター (羽あり)
12.僕を問う
13.花降る空に不滅の歌を
14.北極星のメロディー
15.花
16.シーガル
17.月夜の道を俺が行く
18.キャンドルソング
19.白状
encore
20.おやすみシュガー
21.ベストライド
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