SWEET LOVE SHOWER 2014 @山中湖交流プラザきらら 8/30
- 2014/09/01
- 20:51
2日目。朝から雨が降っていたが、会場に着いたあたりから天気が回復し、途中からは暑いくらいの天候に。オフィシャル物販も無事に購入。
9:55~ 赤色のグリッター [Mt.FUJI STAGE] (Opening Act)
この日のオープニングアクトは、3月のスペシャ列伝ツアーでもオープニングアクトを務めた、千葉県の4人組ギターロックバンド、赤色のグリッター。
サウンドチェックからメンバーが登場し、時間になると、ボーカル佐藤と紅一点ベース渡辺は裸足でステージへ。おそらく何かとクリープハイプが引き合いに出されるであろう、佐藤のハイトーンボイスが印象的なバンドだが、今のところ、楽しく踊れるという近年の若手バンドの流行的な要素は全くない。「あのね、きいて?」ではハンドクラップが起こるが、基本的にはソリッドなギターロック。意外とこういう、下北沢系ど真ん中なロック(千葉出身だけど)をやってるバンドってそんなにいないだけに、これからさらなる飛躍を期待したい。
初の全国流通版がまだ出たばかりだが、すでに11月に2ndミニアルバムが発売されるのが決定しているあたりからも、バンドの状態の良さと、期待度の高さを感じる。
これまでいろんなバンドがこのMt.FUJI STAGEに立ってきたが、10代でこのステージに立ったバンドはそうそういないはず。前にちっちゃいライブハウスに見に行ってデモCDにサインしてもらっただけに、頑張ってほしいなぁ。
1.世界は赤色
2.愛は舌打ち
3.あのね、聞いて?
4.新曲
5.ハナミズキ
10:30~ SiM [LAKESIDE STAGE]
2年前にFOREST STAGEに初出演し、去年はMt.FUJI STAGE、そして今年は念願のLAKESIDE STAGEに登場することになったSiMがこの日のメインステージのトップバッター。
先に楽器隊3人が登場して音を出し始め、あとからMAHが登場すると、
「俺たちがトップバッターに選ばれた理由は、今日一日は俺たちに託されたからだと思ってます!」
という宣誓から、いきなりの「Blah Blah Blah」でブチ上げのオープニング。そしていきなりのハイライトは「Faster Than The Clock」。MAHが、
「そのPAテントの周りって柵あんの?ない?じゃあそのテントの周りをグルグル回れー!」
と言うと、曲中にPAテントの周りを左回りで走りまくるという、このフェス始まって以来と言えるであろう景色が出現。MAHも自分の指をカメラのように見たて、この景色を自分の目に焼き付けようとする。
「去年もやったけど、今年もこのフェスでどうしてもこの曲をやりたくて。聞いてください」
と、今年もこのフェスの青空の下で「Same Sky」を響かせる。
「思っていることは、口に出したほうがいい!
来年もこのフェス出てーなー!」
と、過去2年、口に出してきたことを実現させてきたバンドだからこその説得力のある言葉。
そしてラスト「f.a.i.t.h」では、MAH、SHOW-HATE、SINの3人がステージを降りて客席に突入するし、ステージにいるのがGODRiだけという状態に。客席ではウォールオブデスも発生し、今年もSiMがこのフェスの歴史に新たな名場面を作り出した。
1.Blah Blah Blah
2.WHO'S NEXT?
3.Faster Than The Clock
4.Amy
5.Same Sky
6.KiLLiNG ME
7.f.a.i.t.h
11:05~ go!go!vanillas [FOREST STAGE]
前日のSHISHAMOとキュウソネコカミ同様に、スペシャ列伝ツアー参加を経ての初出演となる、go!go!vanillas。
「オリエント」から、楽しく踊れるロックンロールを展開。最新シングル「エマ」でさらに加速すると、11月に発売が決定している待望のアルバムからの新曲「マジック」も披露。「楽しく踊れるロックンロール」というこのバンドの持ち味をフルに発揮した曲で、「エマ」といいこの曲といい、アルバムの期待が否が応でも高まらざるを得ない。
「ホラーショー」では牧とプリティによるコール&レスポンスも行い、大勢の観客と一体感を演出。
正直、そこまで観客来るかな?と思っていた(タイムテーブルの関係もあり)が、かなりの人で埋まっていた。劇的にというわけではないが、このバンドの状況は確実に好転してきている。それは出す曲出す曲がしっかりそれまでを超えてきているから。
1.オリエント
2.エマ
3.マジック (新曲)
4.ミスタースウィンドル
5.ホラーショー
6.アクロスザユニバーシティ
そのあと、Mt.FUJI STAGEにてcoldrainを途中から見る。
満員の観客の中、Masatoが客席に突入して熱唱し、
「SPACE SHOWERに払うお金は1円だって無駄になりません!」
とスペシャへの愛を語り、
「2年連続出演ありがとうございます。来年は向こう(LAKESIDE STAGE)で会いましょう!」
とさらなる野望を掲げ、ラストの「The Revelation」へ。同じようにFOREST STAGEから始まった盟友のSiMは野望を実現させたが、果たしてこのバンドはどうだろうか。
12:10~ the telephones [LAKESIDE STAGE]
連続出演のthe telephones。最近のフェスやイベントでもおなじみになりつつある最新アルバム曲の連打で始まると
、「Baby,Baby,Baby」ではノブがステージを飛び降りて、客席の中にまで入ってきてカウベルを叩きながら踊りまくる。
観客お待ちかねのディスコシリーズで踊らせまくると、石毛が、
「昨日andymoriのライブを見たんだけど、やっぱり音楽っていいなーって思って。でも音楽ってただ作るだけじゃダメなんだよね。伝えてくれる人がいないと。だから、こうして日本のロックを25年もたくさんの人に伝え続けてくれて、スペシャ本当にありがとう!」
と、ヘビーリスナーならではのMCでスペシャへの愛を伝えると、ノブがダンスをレクチャーする「Don't Stop The Move,Keep On Dancing!!!」から、
「俺たちは演奏で愛と感謝を伝える」
と、ラストは「Love&DISCO」で終了。やっぱりこのバンドはこのフェスを代表するバンドの1つだ。
1.Hyper Jump
2.Ex-Boyfriend
3.Baby,Baby,Baby
4.Monkey Discooooooo
5.Keep Your DISCO!!!
6.Don't Stop The Move,Keep On Dancing!!!
7.Love&DISCO
12:45~ THE ORAL CIGARETTES [FOREST STAGE]
去年はMt.FUJI STAGEのオープニングアクトだったTHE ORAL CIGARETTESがメインアクトとして帰還。
「今日SiMとかcoldrainがすごいライブやったやん?このあともすごいバンドいっぱい出てくるけど、俺らその中でも1番やなかったら気に食わへんから!」
と、山中の不敵なMCから、熱量あふれるライブを展開。客席も人で埋まっており、「Mr.ファントム」などのキラーチューンをたたみかけると、スペシャ25周年を祝うコメントを観客全員に言わせ、
「これで来年も我々はSWEET LOVE SHOWER確定でございます(笑)」
と早くも来年の出演をアピール。
「大魔王参上」ではあきらかにあきらがお立ち台の上で高く足を上げながらベースを弾き、ラストはメジャーデビューシングル「起死回生STORY」で終了。
このバンドは間違いなく来年はMt.FUJI STAGEに戻ってくるだろう。そう思わせるくらいの爆発力をこのバンドは見せている。
ちなみに去年もそうだったが、最近the telephonesと最近一緒になる機会が多く、そうなると絶対雨が降らないらしい。
1.mist…
2.N.I.R.A
3.出会い街
4.Mr.ファントム
5.大魔王参上
6.起死回生STORY
13:50~ Dragon Ash [LAKESIDE STAGE]
怒髪天を途中からちょっと見てからLAKESIDE STAGEへ。天気が悪かった2年前に晴れ間を見せたDragon Ashが登場。
いきなり「陽はまたのぼりくりかえす」のイントロでメンバーが登場すると、そのままハンドクラップを巻き起こし、演奏が始まる。kjはなぜかthe telephonesのTシャツを着用。
そこからも早くも「Fantasista」、さらには「Life goes on」と、ヒットシングルを連発という、フェスでもなかなか見れないような構成。
「前に出た時は、他の出演者も結構テレビ向きっていう感じだったんだけど、今日来てみたらバックステージにもいいバンドがいっぱいいるのが嬉しい」
と、今日の出演者たちとの絆を語り、kenkenのベースとラップをフィーチャーした「The Live」から、kjがサークルを作ることを促した「百合の咲く場所で」。スタンディングエリアほぼ全体を巻き込んだサークルができるとkjも、
「それヤバくない!?」
と思わず曲中に口に出し、曲が終わると、
「こんなでかいサークル生まれて初めて見たよ!」
と、今まで見たことのない景色を見れたことを伝え、
「相対的に見たら、こうして曲やってる時に輪っか作って暴れたりすんのが滑稽に見える人のほうが大多数だと思う。でも俺はいくつになってもこうやって好きなことやって、好きでいてくれる奴らとユニークなことをしていたい」
と言った。そしてラストの「Lily」でのkjの表情は、どこか涙ぐんでいるようにも見えた。
「後ろのほうのやつとか、こういう激しい音楽を好きじゃないやつもいると思うけど、こういう音楽に人生をかけてるやつもいる」
という言葉をそのまま体現したようなライブだった。何度ライブ見てもこんなにすごいと思えるバンドってなかなかいない。
「ロックバンド、Dragon Ash」
だった。
1.陽はまたのぼりくりかえす
2.Fantasista
3.Run to the Sun
4.Life goes on
5.The Live
6.百合の咲く場所で
7.Lily
14:45~ くるり [Mt.FUJI STAGE]
FOREST STAGEでindigo la Endをチラッと見てからくるりへ。何度かこのフェスには出ているが、これまではLAKESIDEだったのが、今年はMt.FUJI STAGEに登場。
おなじみ山本幹宗(ギター)、福田洋子(ドラム)のサポートメンバー2人を加えた編成で、「ワルツを踊れ」の「ハヴェルカ」からスタートするという渋いスタート。「お祭りわっしょい」と盛り上がる曲もあれど、「Time」というマニアックな曲も演奏し、
「知らない曲ばっかりでごめんな。でもこれがくるりやから」
と、自分たちのスタンスを語る岸田。ほぼ同時期にデビューしたDragon Ashがヒットシングル連発だったのに対し、シングル曲は「虹」とラストの「東京」のみという真逆と言っていいフェスの戦い方をしているのは実に面白い。
そのシングル曲も全く盛り上がる曲ではなく、むしろ盛り上がりという点では「変な曲」として今年のフェスで話題になった新曲「Liberty&Gravity」が一番だったかも。
その曲が収録されたアルバムも、ようやく発売される。果たして他はどんなが収録されているのだろうか。
1.ハヴェルカ
2.お祭りわっしょい
3.Time
4.虹
5.Morning Paper
6.Liberty&Gravity
7.東京
15:30~ [Alexandros] [LAKESIDE STAGE]
スペシャではレギュラー番組を持っていることもあって、すっかりおなじみの存在だが、改名後は初出演となる[Alexandros]。
黒のスーツを着た川上洋平を中心に4人が登場すると、「Run Away」からスタートし、「Waitress,Waitress!」「Droshky!」というここ最近の定番の流れ。
しかし、ここで特別ゲストとして、去年のアルカラ稲村に続き、今年はindigo la End川谷絵音が登場し、レギュラー番組でも披露していた、Blur「Song 2」をコラボ。ここ数年このバンドはいろんなフェスに出まくっているが、このコラボをライブで見れるのはこのフェスだけ。
「Kick&Spin」では川上がハンドマイクでステージを走り回りながら歌い、
「あー、帰りたくねぇなぁ!」
と心情を叫ぶと、ラストの「Adventure」では歌詞を飛ばして、
「帰りたくない!」
と叫んでしまう。そう思わせるくらいのものが、このステージ、このフェスにはある。
ちなみに、川上はDragon Ashのkjが、自分たちと同じ事務所のthe telephonesのTシャツを着ていたことを悔しがっていたが、直後に袖でライブを見ていたkjがTシャツを恥ずかしそうに隠していたのが映ったのが面白かった。来年は自分たちのTシャツを着てもらえるように、Tシャツを送りつけるとも。
1.Run Away
2.Waitress,Waitress!
3.Droshky!
4.Song 2 w/川谷絵音
5.Kick&Spin
6.Starrrrrrr
7.Adventure
16:45~ THE BAWDIES [Mt.FUJI STAGE]
FOREST STAGEでFear,and Loathing in Las Vegasが入場規制になりそうになっているのを横目に、Mt.FUJI STAGEへ。昨年は初日メインステージのトリを務めたTHE BAWDIESが、今年はこっちのステージに登場。
グレーのスーツで渋めに決めた4人が登場すると、いきなりの「KEEP ON ROCKIN'」でコール&レスポンスとハンドクラップを巻き起こすスタート。序盤はロックンロールで踊らせまくり、JIMとTAXMANはステージの端までいってギターを演奏。中盤は「NICE AND SLOW」「LEMONADE」というミドルテンポの曲を聴かせる。
「夏と言えばお中元という文化を我々は忘れてはいません。お父さんお母さんにもまだ聴かせてない新曲をやってもよろしいですか!?」
とROYが言い、久しぶりのダンサブルな新曲を披露。踊らせるロックンロールというのはこのバンドのパブリックイメージではあるが、最近はミドルテンポの曲が多かっただけに新鮮に聴こえる。
そして、メンバー4人による、マッチ売りの少女のコント(明らかにMARCYがオチ的に使われていたけど)の前フリから「HOT DOG」、さらに「JUST BE COOL」で飛び跳ねさせまくって終了。
今年で6年連続出演の常連中の常連、来年もまたこのフェスでよろしく。
1.KEEP ON ROCKIN'
2.IT'S TOO LATE
3.ROCK ME BABY
4.NICE AND SLOW
5.LEMONADE
6.新曲
7.HOT DOG
8.JUST BE COOL
17:30~ 岡村靖幸 [LAKESIDE STAGE]
3年前、現在に繋がる復活をこのフェスのこのステージで果たした岡村靖幸が帰還。先に大所帯のバンドメンバーが登場して、バキバキのビートがなり始めると、スーツを着てメガネをかけた岡村ちゃんが登場。
Base Ball Bear小出とのコラボ曲である「愛はおしゃれじゃない」からスタートし、岡村ちゃんのダンスもキレッキレで、客席からは大歓声が起きる。
「スペースダンディ」の岡村ちゃんライブバージョンのナレーションからの「ビバナミダ」から、おなじみのコール&レスポンスも含めたメドレーへ。
「SWEET LOVE SHOWER、今日雨が降ると思ってたんで、雨合羽持ってきたんだよ。でも…晴れたぜ!Let's go!」
という煽りもいちいちカッコいい。
マニピュレーターによるMCでは、忌野清志郎の長女がデザインしたというTシャツの紹介をし、あと2曲で終わってしまうことを告げると、岡村ちゃんのアコギによる爽やかなイントロから、「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」から、
「SWEET LOVE SHOWERがだいすきです!」
と「だいすき」で終了。メンバーがステージを去っても、岡村ちゃんは一人残り、スマホを取り出すと、客席を撮影するのかと思いきや、観客を背景にして自撮りしまくっていたのが非常に面白かった。
1.愛はおしゃれじゃない
2.ビバナミダ
3.ア・チ・チ・チ~Vegetable~聖書(バイブル)
4.あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
5.だいすき
18:05~ YOUR SONG IS GOOD [FOREST STAGE]
Mr.スペシャこと、サイトウ"J×J×"ジュン率いるYOUR SONG IS GOODが2日目のFOREST STAGEのトリとして登場。
最新アルバム「OUT」の曲を中心にしたインストミュージックで、すっかり暗くなったFOREST STAGEを、一大野外レイヴパーティーかのように踊らせまくる。
「NETTAI BOY」ではサポートパーカッション松井泉とドラマーのタナカレイジによるソロパートでさらに盛り上げる。白熱しすぎた結果、
「これであと2時間はいける(笑)」
とサイトウも言うほどにどんどん尺が伸びて行く。
そこからは「OUT」の曲で、ジックリと踊らせ、ラストは終わりそうでなかなか終わらずに何度も歓声が湧き上がった「The Cosmos」で終了。
「山下達郎先輩につないで終わりまーす」
とアンコールはなし。久しぶりに見たけど、やっぱり楽しい。これからもスペシャエリアでもよろしくお願いします。
1.Changa Changa
2.NETTAI BOY
3.Pineapple People
4.Dripping
5.The Cosmos
19:35~ MAN WITH A MISSION [LAKESIDE STAGE]
山下達郎をチラ見してから、この日のメインステージのトリ、MAN WITH A MISSION。
メンバーが登場し、「evils fall」からスタートすると、いきなりステージから炎が立ち上がるという演出。
このステージのトリができることへの感謝をジャン・ケン・ジョニーが語ると、キラーチューンを連発し、「DANCE EVERYBODY」では無数のタオルがぐるぐる回る。
しかしながらとんでもない人の数である。前日のandymoriよりも圧倒的に人が多く、このバンドがもはや国民的バンドになっていることを示している。
「今日は山の中ということで、我々の他に、もう1匹、凶暴な狼がこの会場に紛れ込んでいます!」
と言うと、狼の仮面をつけたDragon Ashのkjが登場し、Nirvanaの「Smells Like Teen Spirit」のカバーをコラボ。kjは途中で普通に仮面を外して歌っていたが。
本編ラストを「Emotions」で締めると、アンコールでは「When My Devil Rises」をじっくり聴かせると、再び炎の柱が上がり、爆発音が炸裂した「FLY AGAIN」で終了。
ジャン・ケン・ジョニーは何度もこの環境でトリを任せられたことに感謝を告げていたが、今や幕張メッセなどでもワンマンができるくらいのところまでこのバンドが登りつめたからこその結果。もはやただの狼の被り物をした、物珍しさだけのバンドでは全くない。
1.evils fall
2.Get Off of My Way
3.higher
4.distance
5.DANCE EVERYBODY
6.Smells Like Teen Spirit
7.Emotions
encore
8.When My Devil Rises
9.FLY AGAIN
終演後、花火が上がって終了。この日は暑かった。でもやっぱり雨よりはるかにいい。そんなこんなであっという間に最終日へ。



9:55~ 赤色のグリッター [Mt.FUJI STAGE] (Opening Act)
この日のオープニングアクトは、3月のスペシャ列伝ツアーでもオープニングアクトを務めた、千葉県の4人組ギターロックバンド、赤色のグリッター。
サウンドチェックからメンバーが登場し、時間になると、ボーカル佐藤と紅一点ベース渡辺は裸足でステージへ。おそらく何かとクリープハイプが引き合いに出されるであろう、佐藤のハイトーンボイスが印象的なバンドだが、今のところ、楽しく踊れるという近年の若手バンドの流行的な要素は全くない。「あのね、きいて?」ではハンドクラップが起こるが、基本的にはソリッドなギターロック。意外とこういう、下北沢系ど真ん中なロック(千葉出身だけど)をやってるバンドってそんなにいないだけに、これからさらなる飛躍を期待したい。
初の全国流通版がまだ出たばかりだが、すでに11月に2ndミニアルバムが発売されるのが決定しているあたりからも、バンドの状態の良さと、期待度の高さを感じる。
これまでいろんなバンドがこのMt.FUJI STAGEに立ってきたが、10代でこのステージに立ったバンドはそうそういないはず。前にちっちゃいライブハウスに見に行ってデモCDにサインしてもらっただけに、頑張ってほしいなぁ。
1.世界は赤色
2.愛は舌打ち
3.あのね、聞いて?
4.新曲
5.ハナミズキ
10:30~ SiM [LAKESIDE STAGE]
2年前にFOREST STAGEに初出演し、去年はMt.FUJI STAGE、そして今年は念願のLAKESIDE STAGEに登場することになったSiMがこの日のメインステージのトップバッター。
先に楽器隊3人が登場して音を出し始め、あとからMAHが登場すると、
「俺たちがトップバッターに選ばれた理由は、今日一日は俺たちに託されたからだと思ってます!」
という宣誓から、いきなりの「Blah Blah Blah」でブチ上げのオープニング。そしていきなりのハイライトは「Faster Than The Clock」。MAHが、
「そのPAテントの周りって柵あんの?ない?じゃあそのテントの周りをグルグル回れー!」
と言うと、曲中にPAテントの周りを左回りで走りまくるという、このフェス始まって以来と言えるであろう景色が出現。MAHも自分の指をカメラのように見たて、この景色を自分の目に焼き付けようとする。
「去年もやったけど、今年もこのフェスでどうしてもこの曲をやりたくて。聞いてください」
と、今年もこのフェスの青空の下で「Same Sky」を響かせる。
「思っていることは、口に出したほうがいい!
来年もこのフェス出てーなー!」
と、過去2年、口に出してきたことを実現させてきたバンドだからこその説得力のある言葉。
そしてラスト「f.a.i.t.h」では、MAH、SHOW-HATE、SINの3人がステージを降りて客席に突入するし、ステージにいるのがGODRiだけという状態に。客席ではウォールオブデスも発生し、今年もSiMがこのフェスの歴史に新たな名場面を作り出した。
1.Blah Blah Blah
2.WHO'S NEXT?
3.Faster Than The Clock
4.Amy
5.Same Sky
6.KiLLiNG ME
7.f.a.i.t.h
11:05~ go!go!vanillas [FOREST STAGE]
前日のSHISHAMOとキュウソネコカミ同様に、スペシャ列伝ツアー参加を経ての初出演となる、go!go!vanillas。
「オリエント」から、楽しく踊れるロックンロールを展開。最新シングル「エマ」でさらに加速すると、11月に発売が決定している待望のアルバムからの新曲「マジック」も披露。「楽しく踊れるロックンロール」というこのバンドの持ち味をフルに発揮した曲で、「エマ」といいこの曲といい、アルバムの期待が否が応でも高まらざるを得ない。
「ホラーショー」では牧とプリティによるコール&レスポンスも行い、大勢の観客と一体感を演出。
正直、そこまで観客来るかな?と思っていた(タイムテーブルの関係もあり)が、かなりの人で埋まっていた。劇的にというわけではないが、このバンドの状況は確実に好転してきている。それは出す曲出す曲がしっかりそれまでを超えてきているから。
1.オリエント
2.エマ
3.マジック (新曲)
4.ミスタースウィンドル
5.ホラーショー
6.アクロスザユニバーシティ
そのあと、Mt.FUJI STAGEにてcoldrainを途中から見る。
満員の観客の中、Masatoが客席に突入して熱唱し、
「SPACE SHOWERに払うお金は1円だって無駄になりません!」
とスペシャへの愛を語り、
「2年連続出演ありがとうございます。来年は向こう(LAKESIDE STAGE)で会いましょう!」
とさらなる野望を掲げ、ラストの「The Revelation」へ。同じようにFOREST STAGEから始まった盟友のSiMは野望を実現させたが、果たしてこのバンドはどうだろうか。
12:10~ the telephones [LAKESIDE STAGE]
連続出演のthe telephones。最近のフェスやイベントでもおなじみになりつつある最新アルバム曲の連打で始まると
、「Baby,Baby,Baby」ではノブがステージを飛び降りて、客席の中にまで入ってきてカウベルを叩きながら踊りまくる。
観客お待ちかねのディスコシリーズで踊らせまくると、石毛が、
「昨日andymoriのライブを見たんだけど、やっぱり音楽っていいなーって思って。でも音楽ってただ作るだけじゃダメなんだよね。伝えてくれる人がいないと。だから、こうして日本のロックを25年もたくさんの人に伝え続けてくれて、スペシャ本当にありがとう!」
と、ヘビーリスナーならではのMCでスペシャへの愛を伝えると、ノブがダンスをレクチャーする「Don't Stop The Move,Keep On Dancing!!!」から、
「俺たちは演奏で愛と感謝を伝える」
と、ラストは「Love&DISCO」で終了。やっぱりこのバンドはこのフェスを代表するバンドの1つだ。
1.Hyper Jump
2.Ex-Boyfriend
3.Baby,Baby,Baby
4.Monkey Discooooooo
5.Keep Your DISCO!!!
6.Don't Stop The Move,Keep On Dancing!!!
7.Love&DISCO
12:45~ THE ORAL CIGARETTES [FOREST STAGE]
去年はMt.FUJI STAGEのオープニングアクトだったTHE ORAL CIGARETTESがメインアクトとして帰還。
「今日SiMとかcoldrainがすごいライブやったやん?このあともすごいバンドいっぱい出てくるけど、俺らその中でも1番やなかったら気に食わへんから!」
と、山中の不敵なMCから、熱量あふれるライブを展開。客席も人で埋まっており、「Mr.ファントム」などのキラーチューンをたたみかけると、スペシャ25周年を祝うコメントを観客全員に言わせ、
「これで来年も我々はSWEET LOVE SHOWER確定でございます(笑)」
と早くも来年の出演をアピール。
「大魔王参上」ではあきらかにあきらがお立ち台の上で高く足を上げながらベースを弾き、ラストはメジャーデビューシングル「起死回生STORY」で終了。
このバンドは間違いなく来年はMt.FUJI STAGEに戻ってくるだろう。そう思わせるくらいの爆発力をこのバンドは見せている。
ちなみに去年もそうだったが、最近the telephonesと最近一緒になる機会が多く、そうなると絶対雨が降らないらしい。
1.mist…
2.N.I.R.A
3.出会い街
4.Mr.ファントム
5.大魔王参上
6.起死回生STORY
13:50~ Dragon Ash [LAKESIDE STAGE]
怒髪天を途中からちょっと見てからLAKESIDE STAGEへ。天気が悪かった2年前に晴れ間を見せたDragon Ashが登場。
いきなり「陽はまたのぼりくりかえす」のイントロでメンバーが登場すると、そのままハンドクラップを巻き起こし、演奏が始まる。kjはなぜかthe telephonesのTシャツを着用。
そこからも早くも「Fantasista」、さらには「Life goes on」と、ヒットシングルを連発という、フェスでもなかなか見れないような構成。
「前に出た時は、他の出演者も結構テレビ向きっていう感じだったんだけど、今日来てみたらバックステージにもいいバンドがいっぱいいるのが嬉しい」
と、今日の出演者たちとの絆を語り、kenkenのベースとラップをフィーチャーした「The Live」から、kjがサークルを作ることを促した「百合の咲く場所で」。スタンディングエリアほぼ全体を巻き込んだサークルができるとkjも、
「それヤバくない!?」
と思わず曲中に口に出し、曲が終わると、
「こんなでかいサークル生まれて初めて見たよ!」
と、今まで見たことのない景色を見れたことを伝え、
「相対的に見たら、こうして曲やってる時に輪っか作って暴れたりすんのが滑稽に見える人のほうが大多数だと思う。でも俺はいくつになってもこうやって好きなことやって、好きでいてくれる奴らとユニークなことをしていたい」
と言った。そしてラストの「Lily」でのkjの表情は、どこか涙ぐんでいるようにも見えた。
「後ろのほうのやつとか、こういう激しい音楽を好きじゃないやつもいると思うけど、こういう音楽に人生をかけてるやつもいる」
という言葉をそのまま体現したようなライブだった。何度ライブ見てもこんなにすごいと思えるバンドってなかなかいない。
「ロックバンド、Dragon Ash」
だった。
1.陽はまたのぼりくりかえす
2.Fantasista
3.Run to the Sun
4.Life goes on
5.The Live
6.百合の咲く場所で
7.Lily
14:45~ くるり [Mt.FUJI STAGE]
FOREST STAGEでindigo la Endをチラッと見てからくるりへ。何度かこのフェスには出ているが、これまではLAKESIDEだったのが、今年はMt.FUJI STAGEに登場。
おなじみ山本幹宗(ギター)、福田洋子(ドラム)のサポートメンバー2人を加えた編成で、「ワルツを踊れ」の「ハヴェルカ」からスタートするという渋いスタート。「お祭りわっしょい」と盛り上がる曲もあれど、「Time」というマニアックな曲も演奏し、
「知らない曲ばっかりでごめんな。でもこれがくるりやから」
と、自分たちのスタンスを語る岸田。ほぼ同時期にデビューしたDragon Ashがヒットシングル連発だったのに対し、シングル曲は「虹」とラストの「東京」のみという真逆と言っていいフェスの戦い方をしているのは実に面白い。
そのシングル曲も全く盛り上がる曲ではなく、むしろ盛り上がりという点では「変な曲」として今年のフェスで話題になった新曲「Liberty&Gravity」が一番だったかも。
その曲が収録されたアルバムも、ようやく発売される。果たして他はどんなが収録されているのだろうか。
1.ハヴェルカ
2.お祭りわっしょい
3.Time
4.虹
5.Morning Paper
6.Liberty&Gravity
7.東京
15:30~ [Alexandros] [LAKESIDE STAGE]
スペシャではレギュラー番組を持っていることもあって、すっかりおなじみの存在だが、改名後は初出演となる[Alexandros]。
黒のスーツを着た川上洋平を中心に4人が登場すると、「Run Away」からスタートし、「Waitress,Waitress!」「Droshky!」というここ最近の定番の流れ。
しかし、ここで特別ゲストとして、去年のアルカラ稲村に続き、今年はindigo la End川谷絵音が登場し、レギュラー番組でも披露していた、Blur「Song 2」をコラボ。ここ数年このバンドはいろんなフェスに出まくっているが、このコラボをライブで見れるのはこのフェスだけ。
「Kick&Spin」では川上がハンドマイクでステージを走り回りながら歌い、
「あー、帰りたくねぇなぁ!」
と心情を叫ぶと、ラストの「Adventure」では歌詞を飛ばして、
「帰りたくない!」
と叫んでしまう。そう思わせるくらいのものが、このステージ、このフェスにはある。
ちなみに、川上はDragon Ashのkjが、自分たちと同じ事務所のthe telephonesのTシャツを着ていたことを悔しがっていたが、直後に袖でライブを見ていたkjがTシャツを恥ずかしそうに隠していたのが映ったのが面白かった。来年は自分たちのTシャツを着てもらえるように、Tシャツを送りつけるとも。
1.Run Away
2.Waitress,Waitress!
3.Droshky!
4.Song 2 w/川谷絵音
5.Kick&Spin
6.Starrrrrrr
7.Adventure
16:45~ THE BAWDIES [Mt.FUJI STAGE]
FOREST STAGEでFear,and Loathing in Las Vegasが入場規制になりそうになっているのを横目に、Mt.FUJI STAGEへ。昨年は初日メインステージのトリを務めたTHE BAWDIESが、今年はこっちのステージに登場。
グレーのスーツで渋めに決めた4人が登場すると、いきなりの「KEEP ON ROCKIN'」でコール&レスポンスとハンドクラップを巻き起こすスタート。序盤はロックンロールで踊らせまくり、JIMとTAXMANはステージの端までいってギターを演奏。中盤は「NICE AND SLOW」「LEMONADE」というミドルテンポの曲を聴かせる。
「夏と言えばお中元という文化を我々は忘れてはいません。お父さんお母さんにもまだ聴かせてない新曲をやってもよろしいですか!?」
とROYが言い、久しぶりのダンサブルな新曲を披露。踊らせるロックンロールというのはこのバンドのパブリックイメージではあるが、最近はミドルテンポの曲が多かっただけに新鮮に聴こえる。
そして、メンバー4人による、マッチ売りの少女のコント(明らかにMARCYがオチ的に使われていたけど)の前フリから「HOT DOG」、さらに「JUST BE COOL」で飛び跳ねさせまくって終了。
今年で6年連続出演の常連中の常連、来年もまたこのフェスでよろしく。
1.KEEP ON ROCKIN'
2.IT'S TOO LATE
3.ROCK ME BABY
4.NICE AND SLOW
5.LEMONADE
6.新曲
7.HOT DOG
8.JUST BE COOL
17:30~ 岡村靖幸 [LAKESIDE STAGE]
3年前、現在に繋がる復活をこのフェスのこのステージで果たした岡村靖幸が帰還。先に大所帯のバンドメンバーが登場して、バキバキのビートがなり始めると、スーツを着てメガネをかけた岡村ちゃんが登場。
Base Ball Bear小出とのコラボ曲である「愛はおしゃれじゃない」からスタートし、岡村ちゃんのダンスもキレッキレで、客席からは大歓声が起きる。
「スペースダンディ」の岡村ちゃんライブバージョンのナレーションからの「ビバナミダ」から、おなじみのコール&レスポンスも含めたメドレーへ。
「SWEET LOVE SHOWER、今日雨が降ると思ってたんで、雨合羽持ってきたんだよ。でも…晴れたぜ!Let's go!」
という煽りもいちいちカッコいい。
マニピュレーターによるMCでは、忌野清志郎の長女がデザインしたというTシャツの紹介をし、あと2曲で終わってしまうことを告げると、岡村ちゃんのアコギによる爽やかなイントロから、「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」から、
「SWEET LOVE SHOWERがだいすきです!」
と「だいすき」で終了。メンバーがステージを去っても、岡村ちゃんは一人残り、スマホを取り出すと、客席を撮影するのかと思いきや、観客を背景にして自撮りしまくっていたのが非常に面白かった。
1.愛はおしゃれじゃない
2.ビバナミダ
3.ア・チ・チ・チ~Vegetable~聖書(バイブル)
4.あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
5.だいすき
18:05~ YOUR SONG IS GOOD [FOREST STAGE]
Mr.スペシャこと、サイトウ"J×J×"ジュン率いるYOUR SONG IS GOODが2日目のFOREST STAGEのトリとして登場。
最新アルバム「OUT」の曲を中心にしたインストミュージックで、すっかり暗くなったFOREST STAGEを、一大野外レイヴパーティーかのように踊らせまくる。
「NETTAI BOY」ではサポートパーカッション松井泉とドラマーのタナカレイジによるソロパートでさらに盛り上げる。白熱しすぎた結果、
「これであと2時間はいける(笑)」
とサイトウも言うほどにどんどん尺が伸びて行く。
そこからは「OUT」の曲で、ジックリと踊らせ、ラストは終わりそうでなかなか終わらずに何度も歓声が湧き上がった「The Cosmos」で終了。
「山下達郎先輩につないで終わりまーす」
とアンコールはなし。久しぶりに見たけど、やっぱり楽しい。これからもスペシャエリアでもよろしくお願いします。
1.Changa Changa
2.NETTAI BOY
3.Pineapple People
4.Dripping
5.The Cosmos
19:35~ MAN WITH A MISSION [LAKESIDE STAGE]
山下達郎をチラ見してから、この日のメインステージのトリ、MAN WITH A MISSION。
メンバーが登場し、「evils fall」からスタートすると、いきなりステージから炎が立ち上がるという演出。
このステージのトリができることへの感謝をジャン・ケン・ジョニーが語ると、キラーチューンを連発し、「DANCE EVERYBODY」では無数のタオルがぐるぐる回る。
しかしながらとんでもない人の数である。前日のandymoriよりも圧倒的に人が多く、このバンドがもはや国民的バンドになっていることを示している。
「今日は山の中ということで、我々の他に、もう1匹、凶暴な狼がこの会場に紛れ込んでいます!」
と言うと、狼の仮面をつけたDragon Ashのkjが登場し、Nirvanaの「Smells Like Teen Spirit」のカバーをコラボ。kjは途中で普通に仮面を外して歌っていたが。
本編ラストを「Emotions」で締めると、アンコールでは「When My Devil Rises」をじっくり聴かせると、再び炎の柱が上がり、爆発音が炸裂した「FLY AGAIN」で終了。
ジャン・ケン・ジョニーは何度もこの環境でトリを任せられたことに感謝を告げていたが、今や幕張メッセなどでもワンマンができるくらいのところまでこのバンドが登りつめたからこその結果。もはやただの狼の被り物をした、物珍しさだけのバンドでは全くない。
1.evils fall
2.Get Off of My Way
3.higher
4.distance
5.DANCE EVERYBODY
6.Smells Like Teen Spirit
7.Emotions
encore
8.When My Devil Rises
9.FLY AGAIN
終演後、花火が上がって終了。この日は暑かった。でもやっぱり雨よりはるかにいい。そんなこんなであっという間に最終日へ。


