8月半ばの平日に新木場で行われることですっかりおなじみになった、インディーズレーベルUK PROJECTによるライブイベント、UKFC on the Road。今年も大阪、名古屋、仙台と周り、この日と翌日が新木場STUDIO COASTでの2days。
去年までは、メンツ良くても平日の昼間からということで学生のためのイベントと捉えていたが、まさかの銀杏BOYZの出演発表により、無理矢理参戦することに。
COASTの中はメインステージであるFRONTIER STAGE、サブステージであるFUTURE STAGE、さらにDJブースという構成。
UK PROJECT社長の遠藤氏による前説(「今年で4年目なんですけど、何か足りないなぁと思ってて。その足りなかった銀杏BOYZにようやく出てもらえて嬉しい」にはジーンときたな)を終えると、まずはサブステージのFUTURE STAGEにトップバッターが登場。
14:00~ TOTALFAT [FUTURE STAGE]
もはやサブステージに出ることに違和感しか感じないTOTALFATが、イベントの火付け役として登場。
初っ端から気合い入りまくりの熱いライブを展開すると、「PARTY PARTY」ではShun(ベース)が、
「下北沢から来ました!UK PROJECTです!よろしくお願いします!」
と、会社、イベントを代表した挨拶を歌詞に入れてくる。
祭と書かれた法被をメンバーが着ると、この夏の強力キラーチューン「夏のトカゲ」でさらに熱さを増し、スカッと爽やかなパンク「Room45」を終えると、
「このSTUDIO COASTに我々が初めて出たのが7年前のイベントで、その時もこのサブステージでした。でも、明日!俺たちはこのイベントのトリとしてメインステージに出ます!メインステージに出ても、あの頃の気持ちを忘れてません!なので、7年前にやった曲をやります!」
とShunが言うと、フェスやイベントでは滅多にやらない「Show Me Your Courage」を演奏。そしてラストの「Place To Try」では、最後にもう1回サビを繰り返して合唱させ、見事に火付け役を完遂した。明日はメインステージの大トリとして、自分達で始まったこのイベントを締めくくることになる。
自分はこのバンドの全くひねりのない真っ直ぐさと、熱さが好きだ。
1.Highway Part2
2.PARTY PARTY
3.夏のトカゲ
4.Room45
5.Show Me Your Courage
6.Place To Try
14:30~ 銀杏BOYZ [FRONTIER STAGE]
ついにこの時がやってきた。銀杏BOYZ、実に5年ぶりの東京でのライブ。ちなみに自分が最後に見たのは7年前の、この会場でのワンマン。これだけしょっちゅう毎週毎週いろんなライブに行ってるが、1番見たいこのバンドだけは、全く見れていなかった。それはアルバム制作や、それにともなう峯田和伸以外のメンバーの脱退という出来事もあってのことだが、アルバムリリース後、初めて銀杏BOYZがライブを行う。当然、峯田さん1人で。
SEもなしに、上半身裸の峯田さんが登場。するといきなり、
「見たくないやつは帰ってくれ」
と言い放ち、
「俺が昨日の夜をどんな気持ちで過ごしたかわかるか?4人でアルバム作って、みんなで日本全国の人に会いに行こうって言ってたのに、メンバーが1人ずつ倒れていって、その約束が果たせなくなってしまって。でも1番つらいあいつらがみんな、「峯田、お前だけは行け」って言ってくれたから、俺は今日ここに立ってライブしようと思ったんだ。俺は1人でも絶対銀杏BOYZ続けるからな。」
と、5年ぶりとなった東京でのライブへの思いを語り、すでに客席は泣いている人だらけの中、アコギを手にして弾き始めたのは、「人間」。峯田さんが30歳になった次の日のライブもこの曲からだった。
曲中の、「戦争反対」のフレーズを「原発反対」に変えると、
「みんが反対だって言うから反対して、本当はなんもわかんねえのに、代わりのエネルギーなんて知らねえよ!ってあんたらみたいなやつのために俺は歌ってるんだ!今日来てくれて本当にありがとう!」
と言って、続きを歌い始めた。自分は原発に関しては反対の立場を貫いているので、素直にこの時の峯田さんの言葉にイエスと頷くことはできない。だが、かつては弾き語りから曲中でバンドサウンドに変わるカタルシスがたまらなかったこの曲を最後まで峯田さんが1人で弾き語るのを見て、頭では理解していた、「あの3人」がもういないという現実を叩きつけられる結果になった。
爽やかなバンドサウンドと安孫子さんのコーラスがたまらなく好きだった「夢であえたら」、突拍子もなく歌い始めたユニコーンのカバー「すばらしい日々」と曲を続けると、
「東京では5年ぶり…この5年の間っていうと、やっぱり震災があって。俺たちもそのあとに東北ツアーをやったんだけど、その時のオフの日にみんなで釜石ってところに行って。もう瓦礫だらけだったんだけど、ボランティアみたいな形で、残ってる家の中から遺品整理をするってのをやって。
最初に行った家ももうボロボロで、匂いもすごかったんだけど、その家から本が見つかって。なんとか読めるくらいの状態だったんだけど、その本が宮沢賢治の銀河鉄道の夜で。なんで今更この本にって思ったんだけど、これは歌えってことなんだろうなって」
と言い、「新訳 銀河鉄道の夜」。このバージョンをライブで聴くのは初めてかもしれない。しかし、峯田さんは決して歌が上手いわけじゃないし、かつてより声もちょっと変わったけど、どうしようもないくらい優しさを感じさせてくれるのは昔から全く変わってない。
「CDを作る時ってちゃんとしたスタジオで録るんだけど、一回だけすごく良いのが録れた時があって。でもそのあとは何回やっても全然ダメで…」
と、曲を作った時のエピソードが語られたあとに歌い始めたのは、「光」。この曲も「人間」同様に、かつては弾き語りからバンドサウンドに変わっていく曲だった。しかし、曲を終えると、
「よく1人なのにまだBOYZなの?って言われるんだけど…見えませんか?聴こえませんか?あいつのギターが、あいつのベースが、あの人のドラムが。俺だけかな?…(泣いてる観客に向かって)泣くなよ。湿っぽくなるじゃねぇかよ。でも銀杏BOYZってのは俺とあんたらの間のこの空気のことでいいかなって」
と、あの3人と今でも一緒にやっているつもりであることを語る。峯田さんは「泣くなよ」って言ってたけど、自分も含め、周りで見ていた人はみんな泣いていた。あの3人が銀杏BOYZとしてステージに立っていたのを見ていた人にとっては、ここで泣くなというのは無理な話だった。というか、峯田さん自身も泣きそうな声になっていたように聞こえた。
「今、1人でレコーディングしてアルバム作ろうかなって。そしたらまた来て。最後に一発セックスして帰ります」
と言って最後に歌ったのは、新曲だった。
「なんでこんな好きなんだろう」
という、曲名のフレーズを連呼すると、途中で、
「なんで殺したいんだろう」
に変わる、割とストレート(というか弾き語りだからストレートにならざるを得ない)な曲で、歌い終わるとすぐさまステージを去っていった。たった6曲だけだったが、自分にとっては本当に、何よりも大事な時間になった。
しかし、00年代中盤にはあれほど巨大な存在だったにもかかわらず、今日の観客の中には銀杏BOYZのことを全く知らないような人もいた。不在期間が長かったから仕方ないことだけど、初めて見た彼ら彼女らや、関係者席で見てた、銀杏BOYZの影響をほとんど感じないバンドからは、今日のライブはどう見えたんだろうか。そして、次に峯田さんに会えるのは、いつになるんだろうか。
1.人間
2.夢であえたら
3.すばらしい日々 (ユニコーンのカバー)
4.新訳 銀河鉄道の夜
5.光
6.なんでこんな好きなんだろう (新曲)
そのあと、あまりの余韻に他のアクトを集中して見ることが出来ず、ロビーで頭を整理して客席に戻ると、GOING UNDER GROUNDの松本素生が弾き語りで「トワイライト」をやっていた。バンドでも欠かさずやっている曲だが、やっぱりいい曲だなーと思う。
15:50~ BIGMAMA [FUTURE STAGE]
このイベントを代表する1組であるBIGMAMA。「Roclassick」の「Animanimus」でいきなり金井がギターを弾かずにハンドマイクで歌いながらステージを右から左へ動き回ると、そこからも「Roclassick」の曲を続ける。
「本当に居心地がいいイベント」
と、言う通り、非常にバンドの演奏も生き生きしている印象。
「Mr.&Mrs.balloon」「Sweet Dreams」というシングル曲で合唱を巻き起こすと、
「音楽が好きでバンドをやっていたら家族が出来ました!それがUKFCです!」
と金井らしい言葉でこのイベントへの愛情を口にすると、
「今日は普段は会社に行っても挨拶するだけで、なかなかライブ見に来てくれない人も来てるんで、いいとこ見せないとって思って…今日にふさわしいと思うんで、1stアルバムの1曲目の曲をやります!」
と言って「the cookie crumbles」を演奏。この日披露した曲の中では唯一の初期曲ということで、ステージ前にはライブハウスでのこのバンドのライブではおなじみの、ステージが見えなくなるくらいにダイブを敢行しようとする人達がズラッと並ぶという光景が現れる。
そして、
「連れてってやるよ!シンセカイへ!」
と言ってのラストは「荒狂曲"シンセカイ"」で再びダイバー続出の締め。ロッキンのLAKE STAGEでも見たが、大きいところも似合うバンドだけど、やっぱりこのバンドが1番生き生きしてるのはライブハウスでライブをしてる時なんだと思う。
最後にステージを去る前に客席にダイブする金井を見ていてそう感じた。
1.Animanimus
2.Swan Song
3.No.9
4.Mr.&Mrs.balloon
5.Sweet Dreams
6.the cookie crumbles
7.荒狂曲"シンセカイ"
16:35~ Pee Wee Gaskins [FUTURE STAGE]
ここで、FUTURE STAGEに出てきたのは、TOTALFATのShun。次に出てくるバンドはインドネシアからはるばるやってきたPee Wee Gaskinsだが、以前に向こうのフェスにTOTALFATが出演した時に共演していたとのことで、バンドの紹介と呼び込みを行う。
揃いの野球のユニフォームに身を包んで登場した5人は、確かにTOTALFATの共通点も感じる、US西海岸のパンクに強い影響を受けたサウンドを鳴らす。しかし、TOTALFATとの違いは、キーボード奏者がいること。なので、軸はパンクでありながら、エレクトロの要素も感じることができる。
基本的にMCは英語なので、ところどころしか理解することが出来ないが、サングラスをかけたベーシストがやたらと陽気な人で、
「STAP細胞はあります!」
「次の曲は佐村河内が書いてくれました!」
と、誰に教わったのか、日本のギャグを連発すると、
「Do you know きゃりーぱみゅぱみゅ?」
と言い出し、「なぜにきゃりー?」と思っていると、まさかの「CANDY CANDY」のパンクカバーを披露。きゃりーが世界で人気なのは知っていたが、インドネシアのパンクバンドがカバーしているとまでは全く想像していなかった。
そういう見ている人を惹きつけるような要素もあり、演奏も非常にうまかったが、観客は非常に少なかった。TOTALFATがあれだけ盛り上がっていただけに、見てれば絶対楽しかったと思うので、もったいないなぁと思う。
17:15~ MO'SOME TONEBENDER [FRONTIER STAGE]
この日の出演者の中では最年長になるかもしれない、モーサム。暗転し、百々(ボーカル&ギター)、藤田(もはやドラム全く叩いておらず、ギターに専念)、サポートドラマーの水野(ex.SPANK PAGE)が先に登場すると、後から電飾サングラスをかけ、祭と書かれたどでかいうちわを持って武井(ベース)が登場。そんな出で立ちで、全くベースを弾かずに百々とのツインボーカルのカオスの極みのような曲「FEEVEER」からスタート。
そこからは武井がベースを持ち、耳が痛くなるほどの爆音で名曲ロックンロールを叩きつけていく。
「みんな、UK PROJECTは好きかい?俺は…そうでもない(笑)」
という、言っていいのか的な百々のMCを挟むと、打ち込みのサウンドに乗せ、武井がライトセーバーを二刀流でぶん回しまくり、藤田はその武井をライトで照らすという、もはや演奏すらも飛び越えてしまったパフォーマンスを見せる、「Lost in the City」で狂乱のダンス大会へ。
ソリッドなロックンロール「Shining」では百々が髪を振り乱し、ジャンプしたりしながらギターを弾く姿が超絶的にタクシーでかっこいい。
そしてラストの「凡人のロックンロール」では武井が電光掲示板付きのヘルメットを被り、
「日本の夏 UKの夏 暑い夏には 暑い音楽で景気払い ボンジンノロックンロール」
という文字が頭の上に光る中、最後まで爆音のロックンロールを展開した。
ビックリするくらいに観客が少なかったのが残念だが、BIGMAMA金井が、
「UKのバンドは全部ライブが良いバンドばかり」
と言っていたが、それをはるか昔から証明しているのが、このMO'SOME TONEBENDERであり、後に出てくるPOLYSICSだと思う。
1.FEEVEER
2.Have you ever seen the Stars?
3.ロッキンルーラ
4.未来は今
5.Lost in the City
6.Shining
7.凡人のロックンロール
18:00~ pirukuru [FUTURE STAGE]
今回、このイベントは事前にオーディションを行っており、勝ち上がった3組が2日間に渡って出演する。
その中の一組が、このスリーピースバンド、pirukuru。ベースとドラムは迫力充分だし、生意気にすら見えるボーカルからは、近年の流行りとは異なる、激情とも言えるエネルギーを感じるが、何よりも勝ち上がってきただけあってメロディが抜群にいい。結構緊張しているような感じでもあったが。
物販に売ってるデモCD収録4曲をすべて披露したが、これからどんな曲を作り出すのかが楽しみ。
1.アルカラ
2.lyrics
3.going
4.煙突
18:30~ the telephones [FRONTIER STAGE]
このイベントを代表するバンドの1つ、the telephones。このイベントの開催も4年連続ということで、この日のテーマは「マンネリにならない」こと。
さっきまでの空き具合が嘘のような満員の中、最新アルバム「SUPER HIGH TENSION!!!」の曲を連発したのは、確かに去年はまだリリースされていなかったアルバムなだけに、マンネリ打破になっている。
しかしながら、すでに開演からだいぶ時間が経っているからか、満員の割には石毛のMCに対するリアクションがそこまで良くなく、
「どうした?疲れてるのか?すでにSo tiredか?(笑)…俺らも微妙だな(笑)」
と口に出てしまうほど。しかしながらディスコシリーズや「A A U U O O O」における熱狂はこのバンドでなければ起こせないもの。
だが、「It's Alright To Dance」では、イントロでノブがミスり、自ら観客にブーイングを要求するというドMぶりを発揮。これは予期せぬ事態だが、マンネリ打破という意味では最適だったかもしれない(笑)
最後には石毛は恒例の、
「またライブハウスで会いましょう!」
と言っていたが、当面は野外フェスシーズンが続くだけに、まずはそっちで何度か会うことになりそうだ。
1.Hyper Jump
2.Ex-Boyfriend
3.I Hate DISCOOOOOOO!!!
4.It's Alright To Dance (Yes!!! Happy Monday!!!)
5.A A U U O O O
6.Monkey Discooooooo
7.Don't Stop The Move,Keep On Dancing!!!
19:15~ Helsinki Ramadan Club [FUTURE STAGE]
先ほど、オーディションを勝ち上がったpirukuruが出演したが、このHelsinki Ramadan Clubという4人組バンドは、そのオーディションの優勝バンドである。
ビートルズ「COME TOGETHER」のSEで登場すると、まず目を引くのは、音でも物理的にもよく動くベーシスト。多分「変態」という形容をされることになるだろう。耳を引くのは「くるりの新譜」などのシュールな歌詞。
だが1番しっくりくるのは「ジョン・レノンもジム・モリソンもいない21世紀にテレキャス持って変拍子」という歌詞。その歌詞こそが、このバンドの音楽を最も端的に説明している。
「オーディションの最終審査に残った他のバンドはみんなイケメンばっかりだったんですよ…。でも、ベースの彼を見てください!こんな不細工でも優勝できるんです!何事も顔ではありません!」
というボーカルによるベースいじりが始まると、さすがにベースも、
「さっきから不細工、不細工って言い過ぎだろ!」
と応戦し、そのままほぼ100%が初見であろう客席とコール&レスポンスを行う。
ボーカルが1番緊張していたような感じだったが、演奏やライブの見せ方、そして歌詞と曲のセンスなどは、さすがに優勝したバンドだなという印象。pirukuruとともに、今後、このイベントを担うような存在になってほしい。
19:45~ POLYSICS [FRONTIER STAGE]
この日の出演者の中ではベテランのほうになるPOLYSICS。
「Young OH! OH!」でスタートすると、のっけから超ハイテンションなライブを展開。おなじみハヤシの「トイス!」の挨拶なども挟み、キラーチューンをひたすらに連打していく。
「最初のTOTALFATからもうアガりまくってて、峯田君の弾き語りも本当に感じるものがあったな~」
と、このイベントを最初からずっと楽しんでいたことをハヤシが語ると、そこからも全く勢いは衰えることはない。最近、フェスやイベントでPOLYSICSを見ると、4人時代の曲が盛り上がるのは当然だが、3人になってから作った曲も、しっかりとバンドのキラーチューンに成長している。そこはさすがに年間100本以上のライブを行って曲を練り上げているバンドである。
外は酷暑ではあるが、ライブは室内なので涼しくも感じるが、ハヤシはスタッフに後ろから首に水をかけてもらうほどの熱を帯びている。そして「シーラカンスイズアンドロイド」から、振り付けが楽しい、シンセのフレーズが印象的な「Electric Surfin' Go Go」で締め。
しかし、楽しく踊れるこのバンドのライブは、他のバンドを見にきた若い人に最適という盛り上がりを見せたが、POLYSICSはただひたすらに自分達のスタイルを貫いていたら、時代がいつの間にかこっちに寄ってきたって感じなのがすごい。
1.Young OH! OH!
2.Lucky Star
3.Let'sダバダバ
4.Digital Coffee
5.Beat Flash
6.MEGA OVER DRIVE
7.How are you?
8.シーラカンスイズアンドロイド
9.Electric Surfin' Go Go
この後、トリの[Alexandros]が始まると物販が閉まるというので、物販に行くと、the telephonesのドラムの松本誠治さんがいたので、握手していただく。「覚えていないと思いますが、この間、横浜アリーナで…」と言ったら、「ああ!お久しぶりです!」と言っていただいた。いつも腰が低くて本当に良い人だ。
物販でpirukuruとHelsinki Ramadan ClubのCDを購入し、銀杏BOYZの物販を覗くと、スタッフの女の人が、自分が着ていた銀杏BOYZのTシャツを見て、
「すごい懐かしいTシャツ着てますね~」
と声をかけてくれたので、ちょっと話してTシャツを買った。こうして、銀杏BOYZに携わる人に会うことすらも、本当に久しぶりだった。
21:05~ [Alexandros] [FRONTIER STAGE]
この日のトリは[Alexandros]。メンバーが入念にサウンドチェックを行ってから、おなじみ「Burger Queen」のSEで登場すると、そのまま途中からバンドの演奏に変わっていく。
最新シングル収録のアッパーな「Droshky!」から、「Waitress,Waitress!」に突入したのだが、白井のギターが出なくなるというトラブルが。曲中に復旧したものの、あわてた白井の姿を見ることはなかなかないだけに、かなり貴重。メインギターがないだけに、サウンドがかなりスカスカになってしまっていたが、ものともせずに演奏を続けた3人もすごい。
「Kick&Spin」でハンドマイクの川上がステージを飛び降りてFUTURE STAGEに移動し、ステージを独り占めして歌うと、
「トイス!」「ウィーアー?ディスコ!」
とPOLYSICSとthe telephonesの決めセリフを超ハイトーンボイスまでも真似てコール&レスポンスし、
「pirukuruがすごいカッコ良くて。いつかこのイベントを担うような存在になるんじゃないかなって」
と、後輩のライブを見て刺激をもらった様子。そしてラストはシングル曲を連発。とりわけ、ラストのミドルテンポの「Adventure」がこの日のここまでを締めくくるように素晴らしかった。
アンコールでは、白井が叫びまくりという凄まじいテンションを見せた「Cat2」から、
「このイベントのバックドロップには日本地図が書いてあるんですけど、前に出た時に、あの日本地図を世界地図に変えたいって言って。今回、インドネシアのバンドが出てくれて、ちょっとずつ言ったことに近づいて来てるのかなって」
と川上が自らのこのイベントにおける野望を口にし、この日の全出演者への感謝を語り、ラストは「city」でダイバーが大量に出現して、イベントが始まってから1年ごとに確実に大きくなり、今や名実ともにこのイベントを代表するようになったこのバンドが今年のUKFCの初日を締めくくった。
1.Burger Queen
2.Droshky!
3.Waitress,Waitress!
4.Kick&Spin
5.Run Away
6.Starrrrrrr
7.Adventure
encore
8.Cat2
9.city
この日は本当に全出演者素晴らしかったけど、やっぱり銀杏BOYZ。峯田さんが、銀杏BOYZが続いてる限り、自分は絶対に先に死にたくない。10年前からずっとそう思ってたけど、今でもそれは変わってないってことが本当によくわかった。
銀杏BOYZに関してさらに言うと、この日、数は多くなかったけど、銀杏BOYZ(GOING STEADYもいた)のTシャツを着た人もいくらか見かけた。昔、ライブハウスに銀杏が出た時は、銀杏Tシャツだらけだったけど、今はそうではなかった。でも見てたら川崎クラブチッタで終電なくなった時のこととか、いろいろ思い出したなぁ。
でも、今日まで銀杏BOYZを知らなかった若い人(特に10代男子)にも、もっと銀杏BOYZを聴いてほしい。きっと、銀杏BOYZを聴いて、自分自身をちゃんと肯定できるようになる人が、まだまだたくさんいると思う。もうあの4人での銀杏BOYZは見れないけど、あの4人で作った曲は聴ける。
このイベントは平日の昼間だけど、また来年銀杏BOYZが出るなら、また行きます。