ROCK IN JAPAN FES.2014 @国営ひたち海浜公園 8/9
- 2014/08/11
- 17:08
初の2週開催により、後半の1日目。なんだか2週間も連続で来るのはかなり不思議な気分。かねてから予想されていた通り、朝から非常に曇り空で、風が強いが全く暑くはない。日焼け止めよりも薄い羽織るものが必要な天候。
開場後も雨こそ降っていないが、先週の茹だるような暑さとは全く違う気候で、あれからわずか1週間とは思えない。例によってみなと屋をはじめとする飲食や物販を見て回り、最初のアクトを見るステージへ。
10:30~ The Mirraz [LAKE STAGE]
初のLAKE STAGE出演となる、The Mirrazが後半のLAKE STAGEのトップを務める。編集長、山崎洋一郎の前説のあとに、ドラマ「HERO」のテーマ曲で登場。畠山はキムタクのジャケットを着て、キムタクの真似のポーズを取ってから、「スーパーフレア」でスタート。
「真夏の屯田兵」という夏ソングも挟みつつ、「ふぁっきゅー」というミイラズらしい曲もしっかりやるのがこのバンドらしい。最初、真彦のギターの音が小さい感じがしたが、中盤あたり、特にすでにリリースが決定している新作アルバムからの新曲「プロタゴニストの一日は」からグッと噛み合ってきた印象。畠山自身、
「みんな好きなアルバムだと思うよ」
と言っていたが、実にこのバンドらしい曲なだけに、アルバムに対する期待はかなり高まる。
「お腹は空いてませんか!?新曲、HOTDOG!」
「みんな、やっぱり最後は愛だよね!」
というTHE BAWDIESとthe telephonesのライブのMCのパクりはスベりまくっていたが、後半は人気曲を連発。「観覧車~」はこの公園に観覧車があるからのチョイスだからかもしれないが、いつか観覧車がよく見えるステージ(GRASS STAGE)で、タイトル通りに夜に聴いてみたい。
そして最後の「CANのジャケット~」の時、
「誰のための何の法律だ?」
というフレーズの部分だけ、畠山は明らかにそれまでと歌い方を変えていた。一言で言うなら、かなり皮肉っぽい、毒を含んだ歌い方をしていたのだが、あれはこのフレーズの通りの法律を作っている現政権に対する畠山なりの姿勢によるものなんだろうか。
1.スーパーフレア
2.僕らは
3.真夏の屯田兵 ~yeah!yeah!yeah!~
4.ふぁっきゅー
5.この惑星のすべて
6.プロタゴニストの一日は (新曲)
7.check it out! check it out! check it out! check it out!
8.観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは
9.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
11:10~ テスラは泣かない。 [WING TENT]
ピアノロックの新星、テスラは泣かない。、ロッキン初出演にしてWING TENTのトップバッターを務めるが、すでに満員になっているあたり、このバンドの期待度の高さを伺わせる。
ピアノロック、というイメージから、紅一点メンバーとして、村上(ボーカル&ギター)とともにボーカルも務める飯野のピアノの旋律が印象的なバンドだが、ライブを見ると吉牟田(ベース)と實吉(ドラム)のリズム隊の強力さが否が応でも目を引く。このバンドの音楽は非常に踊れる音楽だが、それを牽引しているのは間違いなくリズム隊の2人である。
「めんどくせえ」ではサビの
「もうめんどくせえな」
のフレーズを満員の観客にコール&レスポンスさせるという観客も巻き込んだパフォーマンスも行ったが、高い演奏技術を生かしたジャズなどのエッセンスを含んだ曲も出来るだろうし、ライブでのほとばしる熱量を炸裂させたロックンロールな曲も出来るだろう。今のところは後者のタイプだが、これからさらにいろんなスタイルの曲が出来ていくような予感がする。ラスト2曲くらいで、このあとPARK STAGEに出るキュウソネコカミを見に行くであろう人が結構抜けていったのはちょっと残念だったが、そういう人が出るのも今くらいだろう。
なお、全くの余談だが、巨人の外国人選手であるレスリー・アンダーソン選手は、登場曲を是非ともこのバンドの「アンダーソン」に変えていただきたい次第。
1.cold girl lost fiction
2.Cry Cry Cry
3.めんどくせえ
4.Lie to myself
5.アンダーソン
6.Someday
11:55~ Base Ball Bear [GRASS STAGE]
すっかりこのメインステージがおなじみになったBase Ball Bear。ダッシュでステージに現れた堀之内(ドラム)を先頭に4人が登場すると、これまでの夏フェスでは締めとして演奏されることも多かった「祭りのあと」からスタート。紅一点ベーシスト関根が足を大きく開いてベースを弾き、湯浅はステージを左右に走り回りながらギターを弾く。
「まぁまぁ男女の別れというのは往々にして様々な理由があると思うんですね。でもだいたいの理由は、そんなに好きじゃなかった(笑)」
という小出のつなぎから、「そんなに好きじゃなかった」「Ghost Town」という最新アルバム「二十九歳」の曲を続け、
「去年、僕が大好きなアップアップガールズ(仮)と出演時間が丸かぶりだったんで、渋谷陽一を問い詰めたんですけど、まさかの今年も丸かぶりということで、これはもう渋谷陽一にプロレス技をかけるしかない(笑)」
と自分が好きなアイドルのライブを2年連続で見れないことを恨めしそうに語りながら、
「ここから夏ソングっぽい曲をやるんですけど、今日晴れてよかったですね。僕は晴れ男を自認してますが、この曲たちをやる時に雨が降ってたらもう帰ろうかと思ってた(笑)」
と、このバンドを夏バンドたらしめているサマーアンセムを次々に連発。最近はフェスではあまり演奏されなくなっていた「ELECTRIC SUMMER」も久々に演奏され、ラストは「ドラマチック」で終了。やはり晴天の空の下で聴くこのバンドの夏ソングは格別。裏のキュウソネコカミが凄まじい集客ぶりを見せていたのを横目にこのステージまで来たので、やはり去年よりも動員は良くなかったが、このバンドを見て本当に良かったと思っている。
個人的に、小出とは見てきたものや聴いてきた音楽、子供の頃に夢中になったものまでも共通しているものが多い。そんな同世代のバンドがWING TENTでの初出演からステージを大きくしていく様を全て見てきた。それだけに、勝手に力をもらった気になってきたし、これからもずっとこのフェスの空の下でこのバンドをこれからも毎年見ていたいと思うばかり。
1.祭りのあと
2.PERFECT BLUE
3.そんなに好きじゃなかった
4.Ghost Town
5.short hair
6.senkou-hanabi
7.changes
8.ELECTRIC SUMMER
9.ドラマチック
13:20~ くるり [GRASS STAGE]
今年もたくさんのフェスに出演しているが、常連と言っていいこのフェスにももちろん登場してきたくるり。この日はメンバー3人と、山本幹宗(ギター)、福田洋子(ドラム)という最近のおなじみの2人に加え、ソウル・フラワー・ユニオンの奥野真哉(キーボード)と、これまでにもバンドのサポートとして姿を見せている権藤知彦(ユーフォニウム)までも参加する7人編成。
「Morning Paper」から始まるここ最近の定番曲もこの7人編成でのアレンジでこれまでとは違った姿を見せながら、「三日月」というシングル曲にもかかわらず滅多に演奏されないので、全くやると思わなかった曲まで演奏。
そして最近は毎回演奏している新曲2曲、心に染み入るようなラブソング「loveless」と、岸田が常々「変な曲」と形容する、まさに変な曲としか言いようがない「Liberty&Gravity」も披露。「Liberty&Gravity」は最初に聴いた時は、「何だこの曲」くらいにしか思えなかったが、なんだか何回も聴いていると、だんだん良い曲なんじゃないかと思うようになってきた。ただ、これがリード曲になるんだとしたら、すでにリリースが決まっているアルバムの他の曲はどんな曲なんだっていう感じもするが。
奥野がアコーディオンを弾く「ハヴェルカ」という渋い選曲を挟みながら、ラストはアンセム的な響きを持つ「everybody feel the same」から、おなじみの大名曲「東京」で今年もGRASS STAGEを心から震わせ、最後に岸田、佐藤、ファンファンの正式メンバー3人がステージに残って写真を撮ってステージを去っていった。
くるりはもはやベテランの域に入っているバンドだし、サポートメンバーも実力者しかいないのでやはり演奏は盤石そのもの。しかし、5月のVIVA LA ROCKでもそうだったが、この日も客席はかなりガラガラと言っていい状態だった。「みんなが楽しく踊れて盛り上がる音楽」が邦楽フェスの主流になりつつあり、くるりは全くそこに迎合しようとしないことの結果と言えるかもしれない(これまでもずっと周りに迎合してこなかったからこそ、信頼してきたとも言えるけど)が、これまでのように、「邦楽フェスに出れば間違いなくメインステージ」という立場ではもしかしたらなくなっていくのかもしれない。もうかなり長い年月をともにしてきただけに、LAKE STAGEになったりしたら少し寂しい感じもするけど。
1.Morning Paper
2.ブレーメン
3.WORLD'S END SUPERNOVA
4.三日月
5.loveless
6.Liberty&Gravity
7.ハヴェルカ
8.everybody feel the same
9.東京
15:10~ グッドモーニングアメリカ [LAKE STAGE]
去年、このフェスに初出演し、SOUND OF FORESTでライブを行った際、高校の同級生であるTOTALFATと後輩であるBIGMAMAが出演していたこのLAKE STAGEへの思いを語っていた、グッドモーニングアメリカ。2度目の出演にして、念願のLAKE STAGE出演である。
出番前からメンバーがサウンドチェックを行い、たなしん(ベース)が客席に手を振ったりしていた中、時間になると、たなしんの影アナから、LAKE STAGEということで、白鳥のコスプレをしたたなしんを含めた4人が登場し、「空ばかり見てた」からスタート。すでに客席は超満員で、すぐに入場規制がかかる。
たなしんが、このステージに出るのがバンドの一つの夢であったこと、そしていつかはGRASS STAGEまで行きたいことを語ってからの「ファイヤー」コールをすると、「キャッチアンドリリース」、最新シングル「拝啓、ツラツストラ」でさらに観客を踊らせ、渡邉(ギター)もこのステージへの思いを語ると、さらに待望のアルバムの発売と、ツアーが決まったことを発表する。
「この空気で俺がしゃべるの?(笑)」
と渡邉のMCがバッチリ締まったがゆえにやりづらい感じになった金廣のMCも、珍しく長めにこのステージへの思いを語った。そしてそのあとの「輝く方へ」からのラストの「未来へのスパイラル」の大合唱は本当に感動的な光景だった。
このステージに先にたどり着いたのはBIGMAMAとTOTALFATだが、この日のライブを見る限り、GRASS STAGEに最初にたどり着くのは、このバンドだと思う。去年も今年も、メンバーだけでなく、この時間にこの場所にいた人全員が同じ目標を共有できるようになるような、感動的なライブを見せた。初めてこのバンドのライブを見た人も多かったと思うが、そういう人も確実に掴んだと思うし、その人たちもこのバンドをGRASS STAGEで見たいと思ったはず。
去年、ずっと息子がバンドをやるのに反対していた渡邉の両親(茨城在住ということで、去年初めて息子のライブをここに見に来たらしい)が、ライブ後に金廣に、「うちの幸一をこれからもよろしくお願いします」と、ようやくバンドをやるのを後押ししてくれたと言っていたが、今年も見に来てたんだろうか。
1.空ばかり見てた
2.イチ、ニッ、サンでジャンプ
3.キャッチアンドリリース
4.拝啓、ツラツストラ
5.アブラカタブラ
6.輝く方へ
7.未来へのスパイラル
16:10~ チャットモンチー [GRASS STAGE]
橋本絵莉子の結婚、出産という衝撃的なニュースにより、活動を休止していたチャットモンチー。このフェスでのライブが復活ライブとなる。活動休止前はギター、ベース、ドラムを入れ替わりながら2人だけでライブを行ってきたが、ステージにはギター、ベース、ドラムに加え、キーボードとパーカッションまでもがセッティングされている。さすがにドラムとパーカッションがあるのに2人だけで全部演奏するのか?というかあのキーボードのセットはどう見てもあのバンドのあのメンバーのでは…と様々な思惑が開演前から巡る。
「変身」のgroup_inouのリミックスが流れる中、まずは橋本が「We are back!」という旗を持って登場。続いて福岡晃子も同じ旗を持って登場すると、黒い服を着た、見覚えのある2人もステージに。それは、このライブからサポートメンバーとしてバンドに参加する、シモリョー(the chef cooks me)と恒岡章(Hi-STANDARD)であった。ということで、やはりキーボードのセットはシモリョーのものであった予感が当たった形に。(もともと、アッコとシモリョーは前から一緒にDJイベントをやったり、スーパーカーのコピバンを組んでたのを見ていたので、すぐにピンときた)
というわけで4人編成での「ハテナ」かスタートすると、シモリョーによって、
「私たちは日本のロックバンドです」
というサンプリングボイスが流れた「シャングリラ」へ。この日は他のステージにアイドルも多数出演しているが、これはかつてはアイドル的な視線で見られることもあったバンド側からの、明確なそことは違う、というメッセージであるように感じた。チャットモンチーがカッコ良いロックバンドであるということはもうずっと前からみんなわかっていることだけど、この曲の
「希望の光なんて なくったっていいじゃないか」
というフレーズはいつも希望を与えてくれる。
4人になったことで2人時代はやっていなかった「風吹けば恋」も、アッコがパーカッションを叩くという形で演奏され、さらに先日公開された新曲2曲も披露される。「いたちごっこ」は歌詞カードをじっくり見ながら聴きたくなるような一筋縄ではいかないタイプの曲で、「こころとあたま」は疾走感あふれる高速ギターロック。この2曲は両A面シングルになり、カップリングにはSEで使われた「変身」のリミックスが収録されるらしい。
「えっちゃんの幸せをみんなにおすそ分けしたいと思います!えっちゃん、おめでとー!」
とアッコが言った「コンビニエンス・ハネムーン」では、絵莉子がハンドマイクでステージを左右に歩きながら歌う。
一転して「世界が終わる夜に」では轟音ギターが会場を支配し、イントロで歓声があがった「親知らず」から、ラストは「恋愛スピリッツ」。シモリョーがギターとベースを弾けるという、今やchefではボーカルに専念しているのが意外なほどのマルチプレイヤーぶりを発揮し、今年デビュー9周年ということで記念イベントを行うことを発表して、ステージを去っていった。
2人時代の、「なにがなんでも絶対このバンドを続けてやる」という意志が炸裂したライブも好きだったが、やれる曲が限られていただけに、休止前はどこか限界が見えていた気がした。しかし、こうしてサポートメンバーを加えることで、これまでに世に送り出してきたたくさんの名曲をライブで演奏できるようになるはず。
このバンドから目を離せたことは一度だってなかったが、これから先はますます目が離せない。
1.ハテナ
2.シャングリラ
3.風吹けば恋
4.いたちごっこ (新曲)
5.こころとあたま (新曲)
6.コンビニエンス・ハネムーン
7.世界が終わる夜に
8.親知らず
9.恋愛スピリッツ
17:30~ BOOM BOOM SATELLITES [LAKE STAGE]
このフェスには久々の出演となるBOOM BOOM SATELLITES。しかし、同じ時間にPARK STAGEに出演する、ゲスの極み乙女。が開演のかなり前から入場規制がかかるレベルの混雑ぶりだったのを横目にこのステージに来たら、客席はまさかのガラガラ。メインステージにも矢沢永吉が出ている時間とはいえ、このバンドがここまでガラガラになるとは完全に予想だにしない結果である。
小雨がぱらついており、ちょっと押し気味で川島、中野の両メンバーと、この日はくるりとしても出演したドラマー福田洋子が登場。川島のボーカルが響き渡る「Moment I Count」からスタートし、もはや原曲のイメージが消え去るくらいにこのバンドのオリジナル曲になりつつあるビートルズのカバー「HELTER SKELTER」と爆音デジタルダンスロックを炸裂。
ダークな雰囲気を感じる長尺の新曲「ONLY BLOOD」も披露し、バンドの転機となった曲「DIVE FOR YOU」、川島が一旦袖に掃けて中野と福田でドープなダンスタイムを展開した「FOGBOUND」と、なかなか長い曲が続いたので、川島が
「ありがとう!」
と言うと、あっという間にラストの「KICK IT OUT」へ。リリースされてからもうかなりの年月が経っているが、この曲は今でも日本が誇る最強のダンスロックアンセムの一つ。
この日、川島はTwitterで、「バックステージにアイドルがたくさんいて非常にいづらい」と発言していた。元々、川島と中野は、チャートがアイドルやアニソンばかりで占められつつあることへの嫌悪感を口にしていたが、そういうモヤモヤしたものや、天気の悪さ、動員の少なさといったマイナス要素を全て吹き飛ばすような会心のライブだった。
「異質だったかもしれないけど、これがロックバンドのライブです」
とは川島のライブ後の弁だが、全面支持せざるを得ない。
だが、くるりといいこのバンドといい、97~98年にデビューし、これまでずっと日本のロックシーンを牽引してきたバンドがかつてより動員が少なくなってきていて、若いバンドが入場規制がかかるようになっているのを見ると、ちょっと考えてしまうものがあった。どちらも好きなことには変わらないが、やはり長く続いてきてるバンドは聴いてる期間も長いだけに、思い入れもある。
特にこのバンドはスタジアムクラスで鳴ってほしいサウンドなだけに、この動員には寂しくなったし、メンバーも8年ぶりにこのフェスに来ていろいろ言いたいこともあるだろうけど、これっきりとはならずに、またこのステージに出て欲しいと切に願う。
1.Moment I Count
2.HELTER SKELTER
3.ONLY BLOOD (新曲)
4.DIVE FOR YOU
5.FOGBOUND
6.KICK IT OUT
18:10~ Suck a Stew Dry [WING TENT]
Twitter界隈では、ロック界きってのエゴサーチボーカリストという認識のある、篠山コウセイ率いる、Suck a Stew Dry。初出演である。
篠山も含めたトリプルギターのサウンドは分厚いという印象はあまりなく、むしろ両サイドのギタリストの佇まいやアクションから、どこか親しみ易さすら感じるほど。そして篠山の少年性を感じさせる歌声が、どちらかというとネガティブな歌詞を、聴いているものにスッと入り込ませていく。
かと思えば、
「僕、Twitterでエゴサーチするのが大好きなんですよ(笑)それでこの前、エゴサーチしてたら、「Suck a Stew Dryの物販超可愛い!でも絶対買わない!」ってツイートしてる人がいて。可愛いなら買ってくれよって思ったんだけど(笑)
もうエゴサーチして全部見つけてお気に入りしまくるんで、みなさんどんどんつぶやいてください(笑)」
「この間、チャック全開でライブやってて(笑)そのライブが「見放題」っていうイベントで(笑)なにが見放題なんだ、っていう(笑)」
などのMCで脱力させる。そして9月についに初のフルアルバムがリリースされることを発表すると、その中から新曲「僕らの自分戦争」を演奏。ストレートと言ってもいいギターロックの曲で、ラストは
「これだけ何万人って人がフェスにいても一人だって思うことがあって。歳を取るにつれてそういう気持ちを忘れてたんだけど、高校時代にそういう気持ちだった自分が書いた曲を掘り起こして作り直した曲」
と紹介された、「世界に一人ぼっち」。間違いなくこの曲は現状のこのバンドの最大のキラーチューンであるが、この曲を筆頭に、このバンドの曲は、テーマや歌詞は暗くとも、非常にキャッチーである。篠山のエゴサーチも、可愛いネコのキャラを使った物販も、全てはその曲を聴かせるためのとっかかりにするための手段であり、努力。その努力はいつか大きな形になって身を結ぶと思う。とりあえずアルバムのリリースツアーワンマンは行っておこうと思った。
1.遺失物取扱所
2.アイドントラブユー
3.ヒーロー
4.僕らの自分戦争 (新曲)
5.世界に一人ぼっち
19:00~ ASIAN KUNG-FU GENERATION [GRASS STAGE]
去年はトリ前に出演したアジカン、今年はトリで登場。なんとか天気は回復し、雨が降る気配はない。
ここ最近のライブ同様に、サポートメンバーなしの4人だけでメンバーが登場すると、いきなり「ソラニン」からスタートし、どよめきにも似た歓声が湧き上がる。最近は定番曲になってきつつある「サイレン」、集団的自衛権のニュースのあとからライブでよくやるようになった「No.9」と続けると、「フラッシュバック」のイントロで再び大歓声が起こり、つながるように「リライト」という、初めてライブを見る人に優しい流れ。
MCではゴッチが、
「Twitterで、このフェスを日本最大のポップフェスだってツイートしたんだけど、また後藤が皮肉言ってやがるみたいなことも結構言われて。別にロックバンドが1番偉いなんて思ってないし、音楽に偉いもクソもない。ただ、俺たちはロックバンドだから、今日みたいな日に、「No.9」みたいな曲もやる。
でも俺、たまに変なやつなんじゃないか?って思う時もあるよ。でも、自分が心から信じてるものって本当に大事だから。そんな気持ちを歌った、俺たちの1番新しい曲」
というこのフェスについてのことも話し、「スタンダード」へ。ゴッチはいろんなやつから文句言われたり、絡まれたりしてるけど、自分はゴッチのこういうとこも含めて、アジカンが大好きだ。
さらに「センスレス」からは、「らっせーらっせー!」が響き渡る「君という花」、そしてラストは「今を生きて」で終了。
アンコールでは、出てくるなり、
「僕たちの大好きなバンドの曲を」
とゴッチ。てっきりWeezerあたりかな?と思っていたのだが、いざ始まったのは、まさかのNUMBER GIRL「透明少女」のカバー。これは今日、ZAZEN BOYSとして向井秀徳が出演していたからこその選曲なのだろうか。今のアジカンのモードそのもののようなストレートなアレンジで、これはぜひともなんらかの形で音源化していただきたい。
そして、
「この前NHKで長崎の高校生が言ってたんだ。無力と微力は違う。どんなに小さくてもできることはあるはずだって。音楽でできることも必ずある。今日はありがとうございました」
と言い、最後に「転がる岩、君に朝が降る」を演奏し、終わると4人がステージ前に集まって肩を組んで観客に頭を下げた。
アジカンがこのステージのトリで本当に良かった、って思いながら、打ち上がった花火を見ていた。
1.ソラニン
2.サイレン
3.No.9
4.フラッシュバック
5.リライト
6.スタンダード
7.センスレス
8.君という花
9.今を生きて
encore
10.透明少女
11.転がる岩、君に朝が降る
これで3日目が終了。4日間開催とはいえ、2日×2週であるので、2日間なんか本当にあっという間。なんだか、次の日で終わる感じが全くしなかった。



開場後も雨こそ降っていないが、先週の茹だるような暑さとは全く違う気候で、あれからわずか1週間とは思えない。例によってみなと屋をはじめとする飲食や物販を見て回り、最初のアクトを見るステージへ。
10:30~ The Mirraz [LAKE STAGE]
初のLAKE STAGE出演となる、The Mirrazが後半のLAKE STAGEのトップを務める。編集長、山崎洋一郎の前説のあとに、ドラマ「HERO」のテーマ曲で登場。畠山はキムタクのジャケットを着て、キムタクの真似のポーズを取ってから、「スーパーフレア」でスタート。
「真夏の屯田兵」という夏ソングも挟みつつ、「ふぁっきゅー」というミイラズらしい曲もしっかりやるのがこのバンドらしい。最初、真彦のギターの音が小さい感じがしたが、中盤あたり、特にすでにリリースが決定している新作アルバムからの新曲「プロタゴニストの一日は」からグッと噛み合ってきた印象。畠山自身、
「みんな好きなアルバムだと思うよ」
と言っていたが、実にこのバンドらしい曲なだけに、アルバムに対する期待はかなり高まる。
「お腹は空いてませんか!?新曲、HOTDOG!」
「みんな、やっぱり最後は愛だよね!」
というTHE BAWDIESとthe telephonesのライブのMCのパクりはスベりまくっていたが、後半は人気曲を連発。「観覧車~」はこの公園に観覧車があるからのチョイスだからかもしれないが、いつか観覧車がよく見えるステージ(GRASS STAGE)で、タイトル通りに夜に聴いてみたい。
そして最後の「CANのジャケット~」の時、
「誰のための何の法律だ?」
というフレーズの部分だけ、畠山は明らかにそれまでと歌い方を変えていた。一言で言うなら、かなり皮肉っぽい、毒を含んだ歌い方をしていたのだが、あれはこのフレーズの通りの法律を作っている現政権に対する畠山なりの姿勢によるものなんだろうか。
1.スーパーフレア
2.僕らは
3.真夏の屯田兵 ~yeah!yeah!yeah!~
4.ふぁっきゅー
5.この惑星のすべて
6.プロタゴニストの一日は (新曲)
7.check it out! check it out! check it out! check it out!
8.観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは
9.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
11:10~ テスラは泣かない。 [WING TENT]
ピアノロックの新星、テスラは泣かない。、ロッキン初出演にしてWING TENTのトップバッターを務めるが、すでに満員になっているあたり、このバンドの期待度の高さを伺わせる。
ピアノロック、というイメージから、紅一点メンバーとして、村上(ボーカル&ギター)とともにボーカルも務める飯野のピアノの旋律が印象的なバンドだが、ライブを見ると吉牟田(ベース)と實吉(ドラム)のリズム隊の強力さが否が応でも目を引く。このバンドの音楽は非常に踊れる音楽だが、それを牽引しているのは間違いなくリズム隊の2人である。
「めんどくせえ」ではサビの
「もうめんどくせえな」
のフレーズを満員の観客にコール&レスポンスさせるという観客も巻き込んだパフォーマンスも行ったが、高い演奏技術を生かしたジャズなどのエッセンスを含んだ曲も出来るだろうし、ライブでのほとばしる熱量を炸裂させたロックンロールな曲も出来るだろう。今のところは後者のタイプだが、これからさらにいろんなスタイルの曲が出来ていくような予感がする。ラスト2曲くらいで、このあとPARK STAGEに出るキュウソネコカミを見に行くであろう人が結構抜けていったのはちょっと残念だったが、そういう人が出るのも今くらいだろう。
なお、全くの余談だが、巨人の外国人選手であるレスリー・アンダーソン選手は、登場曲を是非ともこのバンドの「アンダーソン」に変えていただきたい次第。
1.cold girl lost fiction
2.Cry Cry Cry
3.めんどくせえ
4.Lie to myself
5.アンダーソン
6.Someday
11:55~ Base Ball Bear [GRASS STAGE]
すっかりこのメインステージがおなじみになったBase Ball Bear。ダッシュでステージに現れた堀之内(ドラム)を先頭に4人が登場すると、これまでの夏フェスでは締めとして演奏されることも多かった「祭りのあと」からスタート。紅一点ベーシスト関根が足を大きく開いてベースを弾き、湯浅はステージを左右に走り回りながらギターを弾く。
「まぁまぁ男女の別れというのは往々にして様々な理由があると思うんですね。でもだいたいの理由は、そんなに好きじゃなかった(笑)」
という小出のつなぎから、「そんなに好きじゃなかった」「Ghost Town」という最新アルバム「二十九歳」の曲を続け、
「去年、僕が大好きなアップアップガールズ(仮)と出演時間が丸かぶりだったんで、渋谷陽一を問い詰めたんですけど、まさかの今年も丸かぶりということで、これはもう渋谷陽一にプロレス技をかけるしかない(笑)」
と自分が好きなアイドルのライブを2年連続で見れないことを恨めしそうに語りながら、
「ここから夏ソングっぽい曲をやるんですけど、今日晴れてよかったですね。僕は晴れ男を自認してますが、この曲たちをやる時に雨が降ってたらもう帰ろうかと思ってた(笑)」
と、このバンドを夏バンドたらしめているサマーアンセムを次々に連発。最近はフェスではあまり演奏されなくなっていた「ELECTRIC SUMMER」も久々に演奏され、ラストは「ドラマチック」で終了。やはり晴天の空の下で聴くこのバンドの夏ソングは格別。裏のキュウソネコカミが凄まじい集客ぶりを見せていたのを横目にこのステージまで来たので、やはり去年よりも動員は良くなかったが、このバンドを見て本当に良かったと思っている。
個人的に、小出とは見てきたものや聴いてきた音楽、子供の頃に夢中になったものまでも共通しているものが多い。そんな同世代のバンドがWING TENTでの初出演からステージを大きくしていく様を全て見てきた。それだけに、勝手に力をもらった気になってきたし、これからもずっとこのフェスの空の下でこのバンドをこれからも毎年見ていたいと思うばかり。
1.祭りのあと
2.PERFECT BLUE
3.そんなに好きじゃなかった
4.Ghost Town
5.short hair
6.senkou-hanabi
7.changes
8.ELECTRIC SUMMER
9.ドラマチック
13:20~ くるり [GRASS STAGE]
今年もたくさんのフェスに出演しているが、常連と言っていいこのフェスにももちろん登場してきたくるり。この日はメンバー3人と、山本幹宗(ギター)、福田洋子(ドラム)という最近のおなじみの2人に加え、ソウル・フラワー・ユニオンの奥野真哉(キーボード)と、これまでにもバンドのサポートとして姿を見せている権藤知彦(ユーフォニウム)までも参加する7人編成。
「Morning Paper」から始まるここ最近の定番曲もこの7人編成でのアレンジでこれまでとは違った姿を見せながら、「三日月」というシングル曲にもかかわらず滅多に演奏されないので、全くやると思わなかった曲まで演奏。
そして最近は毎回演奏している新曲2曲、心に染み入るようなラブソング「loveless」と、岸田が常々「変な曲」と形容する、まさに変な曲としか言いようがない「Liberty&Gravity」も披露。「Liberty&Gravity」は最初に聴いた時は、「何だこの曲」くらいにしか思えなかったが、なんだか何回も聴いていると、だんだん良い曲なんじゃないかと思うようになってきた。ただ、これがリード曲になるんだとしたら、すでにリリースが決まっているアルバムの他の曲はどんな曲なんだっていう感じもするが。
奥野がアコーディオンを弾く「ハヴェルカ」という渋い選曲を挟みながら、ラストはアンセム的な響きを持つ「everybody feel the same」から、おなじみの大名曲「東京」で今年もGRASS STAGEを心から震わせ、最後に岸田、佐藤、ファンファンの正式メンバー3人がステージに残って写真を撮ってステージを去っていった。
くるりはもはやベテランの域に入っているバンドだし、サポートメンバーも実力者しかいないのでやはり演奏は盤石そのもの。しかし、5月のVIVA LA ROCKでもそうだったが、この日も客席はかなりガラガラと言っていい状態だった。「みんなが楽しく踊れて盛り上がる音楽」が邦楽フェスの主流になりつつあり、くるりは全くそこに迎合しようとしないことの結果と言えるかもしれない(これまでもずっと周りに迎合してこなかったからこそ、信頼してきたとも言えるけど)が、これまでのように、「邦楽フェスに出れば間違いなくメインステージ」という立場ではもしかしたらなくなっていくのかもしれない。もうかなり長い年月をともにしてきただけに、LAKE STAGEになったりしたら少し寂しい感じもするけど。
1.Morning Paper
2.ブレーメン
3.WORLD'S END SUPERNOVA
4.三日月
5.loveless
6.Liberty&Gravity
7.ハヴェルカ
8.everybody feel the same
9.東京
15:10~ グッドモーニングアメリカ [LAKE STAGE]
去年、このフェスに初出演し、SOUND OF FORESTでライブを行った際、高校の同級生であるTOTALFATと後輩であるBIGMAMAが出演していたこのLAKE STAGEへの思いを語っていた、グッドモーニングアメリカ。2度目の出演にして、念願のLAKE STAGE出演である。
出番前からメンバーがサウンドチェックを行い、たなしん(ベース)が客席に手を振ったりしていた中、時間になると、たなしんの影アナから、LAKE STAGEということで、白鳥のコスプレをしたたなしんを含めた4人が登場し、「空ばかり見てた」からスタート。すでに客席は超満員で、すぐに入場規制がかかる。
たなしんが、このステージに出るのがバンドの一つの夢であったこと、そしていつかはGRASS STAGEまで行きたいことを語ってからの「ファイヤー」コールをすると、「キャッチアンドリリース」、最新シングル「拝啓、ツラツストラ」でさらに観客を踊らせ、渡邉(ギター)もこのステージへの思いを語ると、さらに待望のアルバムの発売と、ツアーが決まったことを発表する。
「この空気で俺がしゃべるの?(笑)」
と渡邉のMCがバッチリ締まったがゆえにやりづらい感じになった金廣のMCも、珍しく長めにこのステージへの思いを語った。そしてそのあとの「輝く方へ」からのラストの「未来へのスパイラル」の大合唱は本当に感動的な光景だった。
このステージに先にたどり着いたのはBIGMAMAとTOTALFATだが、この日のライブを見る限り、GRASS STAGEに最初にたどり着くのは、このバンドだと思う。去年も今年も、メンバーだけでなく、この時間にこの場所にいた人全員が同じ目標を共有できるようになるような、感動的なライブを見せた。初めてこのバンドのライブを見た人も多かったと思うが、そういう人も確実に掴んだと思うし、その人たちもこのバンドをGRASS STAGEで見たいと思ったはず。
去年、ずっと息子がバンドをやるのに反対していた渡邉の両親(茨城在住ということで、去年初めて息子のライブをここに見に来たらしい)が、ライブ後に金廣に、「うちの幸一をこれからもよろしくお願いします」と、ようやくバンドをやるのを後押ししてくれたと言っていたが、今年も見に来てたんだろうか。
1.空ばかり見てた
2.イチ、ニッ、サンでジャンプ
3.キャッチアンドリリース
4.拝啓、ツラツストラ
5.アブラカタブラ
6.輝く方へ
7.未来へのスパイラル
16:10~ チャットモンチー [GRASS STAGE]
橋本絵莉子の結婚、出産という衝撃的なニュースにより、活動を休止していたチャットモンチー。このフェスでのライブが復活ライブとなる。活動休止前はギター、ベース、ドラムを入れ替わりながら2人だけでライブを行ってきたが、ステージにはギター、ベース、ドラムに加え、キーボードとパーカッションまでもがセッティングされている。さすがにドラムとパーカッションがあるのに2人だけで全部演奏するのか?というかあのキーボードのセットはどう見てもあのバンドのあのメンバーのでは…と様々な思惑が開演前から巡る。
「変身」のgroup_inouのリミックスが流れる中、まずは橋本が「We are back!」という旗を持って登場。続いて福岡晃子も同じ旗を持って登場すると、黒い服を着た、見覚えのある2人もステージに。それは、このライブからサポートメンバーとしてバンドに参加する、シモリョー(the chef cooks me)と恒岡章(Hi-STANDARD)であった。ということで、やはりキーボードのセットはシモリョーのものであった予感が当たった形に。(もともと、アッコとシモリョーは前から一緒にDJイベントをやったり、スーパーカーのコピバンを組んでたのを見ていたので、すぐにピンときた)
というわけで4人編成での「ハテナ」かスタートすると、シモリョーによって、
「私たちは日本のロックバンドです」
というサンプリングボイスが流れた「シャングリラ」へ。この日は他のステージにアイドルも多数出演しているが、これはかつてはアイドル的な視線で見られることもあったバンド側からの、明確なそことは違う、というメッセージであるように感じた。チャットモンチーがカッコ良いロックバンドであるということはもうずっと前からみんなわかっていることだけど、この曲の
「希望の光なんて なくったっていいじゃないか」
というフレーズはいつも希望を与えてくれる。
4人になったことで2人時代はやっていなかった「風吹けば恋」も、アッコがパーカッションを叩くという形で演奏され、さらに先日公開された新曲2曲も披露される。「いたちごっこ」は歌詞カードをじっくり見ながら聴きたくなるような一筋縄ではいかないタイプの曲で、「こころとあたま」は疾走感あふれる高速ギターロック。この2曲は両A面シングルになり、カップリングにはSEで使われた「変身」のリミックスが収録されるらしい。
「えっちゃんの幸せをみんなにおすそ分けしたいと思います!えっちゃん、おめでとー!」
とアッコが言った「コンビニエンス・ハネムーン」では、絵莉子がハンドマイクでステージを左右に歩きながら歌う。
一転して「世界が終わる夜に」では轟音ギターが会場を支配し、イントロで歓声があがった「親知らず」から、ラストは「恋愛スピリッツ」。シモリョーがギターとベースを弾けるという、今やchefではボーカルに専念しているのが意外なほどのマルチプレイヤーぶりを発揮し、今年デビュー9周年ということで記念イベントを行うことを発表して、ステージを去っていった。
2人時代の、「なにがなんでも絶対このバンドを続けてやる」という意志が炸裂したライブも好きだったが、やれる曲が限られていただけに、休止前はどこか限界が見えていた気がした。しかし、こうしてサポートメンバーを加えることで、これまでに世に送り出してきたたくさんの名曲をライブで演奏できるようになるはず。
このバンドから目を離せたことは一度だってなかったが、これから先はますます目が離せない。
1.ハテナ
2.シャングリラ
3.風吹けば恋
4.いたちごっこ (新曲)
5.こころとあたま (新曲)
6.コンビニエンス・ハネムーン
7.世界が終わる夜に
8.親知らず
9.恋愛スピリッツ
17:30~ BOOM BOOM SATELLITES [LAKE STAGE]
このフェスには久々の出演となるBOOM BOOM SATELLITES。しかし、同じ時間にPARK STAGEに出演する、ゲスの極み乙女。が開演のかなり前から入場規制がかかるレベルの混雑ぶりだったのを横目にこのステージに来たら、客席はまさかのガラガラ。メインステージにも矢沢永吉が出ている時間とはいえ、このバンドがここまでガラガラになるとは完全に予想だにしない結果である。
小雨がぱらついており、ちょっと押し気味で川島、中野の両メンバーと、この日はくるりとしても出演したドラマー福田洋子が登場。川島のボーカルが響き渡る「Moment I Count」からスタートし、もはや原曲のイメージが消え去るくらいにこのバンドのオリジナル曲になりつつあるビートルズのカバー「HELTER SKELTER」と爆音デジタルダンスロックを炸裂。
ダークな雰囲気を感じる長尺の新曲「ONLY BLOOD」も披露し、バンドの転機となった曲「DIVE FOR YOU」、川島が一旦袖に掃けて中野と福田でドープなダンスタイムを展開した「FOGBOUND」と、なかなか長い曲が続いたので、川島が
「ありがとう!」
と言うと、あっという間にラストの「KICK IT OUT」へ。リリースされてからもうかなりの年月が経っているが、この曲は今でも日本が誇る最強のダンスロックアンセムの一つ。
この日、川島はTwitterで、「バックステージにアイドルがたくさんいて非常にいづらい」と発言していた。元々、川島と中野は、チャートがアイドルやアニソンばかりで占められつつあることへの嫌悪感を口にしていたが、そういうモヤモヤしたものや、天気の悪さ、動員の少なさといったマイナス要素を全て吹き飛ばすような会心のライブだった。
「異質だったかもしれないけど、これがロックバンドのライブです」
とは川島のライブ後の弁だが、全面支持せざるを得ない。
だが、くるりといいこのバンドといい、97~98年にデビューし、これまでずっと日本のロックシーンを牽引してきたバンドがかつてより動員が少なくなってきていて、若いバンドが入場規制がかかるようになっているのを見ると、ちょっと考えてしまうものがあった。どちらも好きなことには変わらないが、やはり長く続いてきてるバンドは聴いてる期間も長いだけに、思い入れもある。
特にこのバンドはスタジアムクラスで鳴ってほしいサウンドなだけに、この動員には寂しくなったし、メンバーも8年ぶりにこのフェスに来ていろいろ言いたいこともあるだろうけど、これっきりとはならずに、またこのステージに出て欲しいと切に願う。
1.Moment I Count
2.HELTER SKELTER
3.ONLY BLOOD (新曲)
4.DIVE FOR YOU
5.FOGBOUND
6.KICK IT OUT
18:10~ Suck a Stew Dry [WING TENT]
Twitter界隈では、ロック界きってのエゴサーチボーカリストという認識のある、篠山コウセイ率いる、Suck a Stew Dry。初出演である。
篠山も含めたトリプルギターのサウンドは分厚いという印象はあまりなく、むしろ両サイドのギタリストの佇まいやアクションから、どこか親しみ易さすら感じるほど。そして篠山の少年性を感じさせる歌声が、どちらかというとネガティブな歌詞を、聴いているものにスッと入り込ませていく。
かと思えば、
「僕、Twitterでエゴサーチするのが大好きなんですよ(笑)それでこの前、エゴサーチしてたら、「Suck a Stew Dryの物販超可愛い!でも絶対買わない!」ってツイートしてる人がいて。可愛いなら買ってくれよって思ったんだけど(笑)
もうエゴサーチして全部見つけてお気に入りしまくるんで、みなさんどんどんつぶやいてください(笑)」
「この間、チャック全開でライブやってて(笑)そのライブが「見放題」っていうイベントで(笑)なにが見放題なんだ、っていう(笑)」
などのMCで脱力させる。そして9月についに初のフルアルバムがリリースされることを発表すると、その中から新曲「僕らの自分戦争」を演奏。ストレートと言ってもいいギターロックの曲で、ラストは
「これだけ何万人って人がフェスにいても一人だって思うことがあって。歳を取るにつれてそういう気持ちを忘れてたんだけど、高校時代にそういう気持ちだった自分が書いた曲を掘り起こして作り直した曲」
と紹介された、「世界に一人ぼっち」。間違いなくこの曲は現状のこのバンドの最大のキラーチューンであるが、この曲を筆頭に、このバンドの曲は、テーマや歌詞は暗くとも、非常にキャッチーである。篠山のエゴサーチも、可愛いネコのキャラを使った物販も、全てはその曲を聴かせるためのとっかかりにするための手段であり、努力。その努力はいつか大きな形になって身を結ぶと思う。とりあえずアルバムのリリースツアーワンマンは行っておこうと思った。
1.遺失物取扱所
2.アイドントラブユー
3.ヒーロー
4.僕らの自分戦争 (新曲)
5.世界に一人ぼっち
19:00~ ASIAN KUNG-FU GENERATION [GRASS STAGE]
去年はトリ前に出演したアジカン、今年はトリで登場。なんとか天気は回復し、雨が降る気配はない。
ここ最近のライブ同様に、サポートメンバーなしの4人だけでメンバーが登場すると、いきなり「ソラニン」からスタートし、どよめきにも似た歓声が湧き上がる。最近は定番曲になってきつつある「サイレン」、集団的自衛権のニュースのあとからライブでよくやるようになった「No.9」と続けると、「フラッシュバック」のイントロで再び大歓声が起こり、つながるように「リライト」という、初めてライブを見る人に優しい流れ。
MCではゴッチが、
「Twitterで、このフェスを日本最大のポップフェスだってツイートしたんだけど、また後藤が皮肉言ってやがるみたいなことも結構言われて。別にロックバンドが1番偉いなんて思ってないし、音楽に偉いもクソもない。ただ、俺たちはロックバンドだから、今日みたいな日に、「No.9」みたいな曲もやる。
でも俺、たまに変なやつなんじゃないか?って思う時もあるよ。でも、自分が心から信じてるものって本当に大事だから。そんな気持ちを歌った、俺たちの1番新しい曲」
というこのフェスについてのことも話し、「スタンダード」へ。ゴッチはいろんなやつから文句言われたり、絡まれたりしてるけど、自分はゴッチのこういうとこも含めて、アジカンが大好きだ。
さらに「センスレス」からは、「らっせーらっせー!」が響き渡る「君という花」、そしてラストは「今を生きて」で終了。
アンコールでは、出てくるなり、
「僕たちの大好きなバンドの曲を」
とゴッチ。てっきりWeezerあたりかな?と思っていたのだが、いざ始まったのは、まさかのNUMBER GIRL「透明少女」のカバー。これは今日、ZAZEN BOYSとして向井秀徳が出演していたからこその選曲なのだろうか。今のアジカンのモードそのもののようなストレートなアレンジで、これはぜひともなんらかの形で音源化していただきたい。
そして、
「この前NHKで長崎の高校生が言ってたんだ。無力と微力は違う。どんなに小さくてもできることはあるはずだって。音楽でできることも必ずある。今日はありがとうございました」
と言い、最後に「転がる岩、君に朝が降る」を演奏し、終わると4人がステージ前に集まって肩を組んで観客に頭を下げた。
アジカンがこのステージのトリで本当に良かった、って思いながら、打ち上がった花火を見ていた。
1.ソラニン
2.サイレン
3.No.9
4.フラッシュバック
5.リライト
6.スタンダード
7.センスレス
8.君という花
9.今を生きて
encore
10.透明少女
11.転がる岩、君に朝が降る
これで3日目が終了。4日間開催とはいえ、2日×2週であるので、2日間なんか本当にあっという間。なんだか、次の日で終わる感じが全くしなかった。


