ROCK IN JAPAN FES.2014 @国営ひたち海浜公園 8/3
- 2014/08/04
- 21:02
2日目。前日の夜にバンテリンや休足時間などを使ってケアしたので、足に疲労はそこまでない。しかしこの日も風はちょっとは吹くが、かなり陽射しがキツい。
10:30~ NICO Touches the Walls [GRASS STAGE]
サウンドチェックで「(My Sweet)Eden」「GANIMATA GIRL」を演奏し、社長の朝礼と呼び込みのあとに登場した、3年連続GRASS STAGE出演となるNICO Touches the Walls。
SEなしで登場すると、いきなりの「手をたたけ」「ニワカ雨ニモ負ケズ」というキラーチューンを連発。去年はアルバム「Shout to the Walls!!」の曲が中心だっただけに、ベストアルバムのリリースもあり、だいぶモードが違う様子。
しかし、「バニーガールとダニーボーイ」というこのバンドのダークサイドと言える曲も開陳すると、初期の「そのTAXI,160km/h」へなだれ込む。このあたりの曲で見せるバンドのグルーヴは本当に圧巻で、もはや化け物じみた演奏と言っても過言ではない。
フェスでやるのは久々な感じがする「ホログラム」からは代表曲とも言えるシングル曲を連発。「夏の大三角形」ではアウトロで光村、古村、坂倉の前に打楽器が置かれて4人でひたすら連打しまくるという、実に楽しそうなアレンジ。そしてラストは「天地ガエシ」。シングルリリース前は前半をアコースティック→後半で楽器を持ち替えてエレクトリックというアレンジで演奏していたが、リリース後になるこの日は最初からエレクトリックで演奏。アイリッシュの要素を取り入れた、バンドにとって新機軸と言えるサウンドは、この突き抜けるような青空に本当によく映えていた。
「今日が今まで出た中で1番気持ちいいけど、まだまだこんなもんじゃない」
と光村が言っていたように、バンドはまだまだ先を見据えている。とりあえずその試金石となるのは、今月のバンドにとって2回目となる武道館ワンマン。前回の時はチケットが売れ残ったが、今回はすでに完売している。バンドの演奏も段違いに進化しているので、鮮やかなリベンジを見せてくれるに違いない。
1.手をたたけ
2.ニワカ雨ニモ負ケズ
3.バニーガールとダニーボーイ
4.そのTAXI,160km/h
5.ホログラム
6.THE BUNGY
7.夏の第三角形
8.ローハイド
9.天地ガエシ
11:55~ [Alexandros] [GRASS STAGE]
去年は初日のトップバッターとして出演したが、川上の、
「はじめまして![Alexandros]です!」
という挨拶で、そういえば名前が変わってからは初めてかと気づかされた。
その川上はサングラス着用で、まさに海外のロックスターのバンドがこのステージに現れたかのよう。
「Burger Queen」のSEで登場してそのまま演奏に入ると、「Run Away」でスタートし、フェス仕様のセットリストでガンガン観客を踊らせていく。磯部はコーラスに気合いが入りすぎて叫びまくり、サトヤスは叩きながら何度もカメラ目線を連発する。
「新曲やっていいですか!?」
と川上が言った時は「お!?」と思ったが、演奏されたのは「Droshky!」だったので、最新シングルの曲、という意味での新曲だったようだ。
「Kick&Spin」では川上がハンドマイクでステージを左右に駆け回りながら歌い、「You're So Sweet & I Love You」の爽やかなサウンドは、この青空に本当によく似合うアンセムだ。
「Starrrrrrr」で一層大きな歓声が起こると、
「改名一発目でこんなに人が集まってくれて本当に嬉しいです。でも、やっぱりもっと遅い時間にやりたいですね!」
と今年もバンドのさらなる野望を宣言し、ラストはミドルテンポの最新シングル「Adventure」。
今回で4回目の出演だが、もはや初出演がWING TENTだったとは思えないくらいのスケール感を発揮している。客入りも相当なものだったので、近い将来、本当にこのステージでトリをやるバンドになるだろう。実際、「メインステージに出る」というかつての野望はもう達成してしまっている。
1.Run Away
2.Sitimulator
3.Waitress,Waitress!
4.Droshky!
5.Kick&Spin
6.You're So Sweet & I Love You
7.Starrrrrrr
8.city
9.Adventure
12:50~ SPECIAL OTHERS [LAKE STAGE]
かなり陽射しがキツくなってくる中、LAKE STAGEにはもはや常連と言っていいSPECIAL OTHERSが登場。メンバー4人が登場すると、しばしじっくりと互いの音を確かめるようにジャムってから、普段は滅多に演奏しないし、フェスでもほとんどやらない「Dance Festival」からスタートするという意外な選曲にビックリ。
そこから、まさにこの状況で聴くのがピッタリすぎる「Wait for The Sun」から「PB」と続けて思い思いに躍らせると、
宮原「夏の思い出作ってますか!?」
芹澤「今でこそこうやって夏フェスに呼んでもらってるけど、俺は昔夏が嫌いでさ。暑いし、汗かくし、臭いし」
宮原「芹澤は特に臭いからな(笑)」
芹澤「そういうこと言うとすぐ2ちゃんに書くやついるからやめて!(笑)」
というやり取りで笑わせ、アコースティック編成のSPECIAL OTHERS ACOUSTICの告知をしたので、てっきりアコースティックやるのかな、と思ったけどやらず。1曲が長いのであっという間になってしまった最後は又吉がウッドベースに持ち替えての「AIMS」で踊らせまくって終了。
夏の野外でこのバンドのライブを見るのは最高に気持ちいいが、やっぱり4曲だと物足りない。去年みたいにメインステージに行けばもう1曲は増やせる時間があるだけに、ぜひともまたメインに!
1.Dance Festival
2.Wait for The Sun
3.PB
4.AIMS
そのあと、SOUND OF FORESTエリアでカレーを食べながら、ドレスコーズを見る。志摩遼平の、
「何があっても倒れないのがロックンローラーだろ!」
は本当にカッコ良く、絶対倒れないようにしようと心に誓った。
14:00~ ねごと [PARK STAGE]
2年連続PARK STAGE出演となるねごと。メンバー全員が白と青を基調とした爽やかな衣装で登場すると、普段のワンマンではアンコールやクライマックスに演奏されることの多い「sharp #」からスタートするというフェスならではのアグレッシブな展開。
「1番暑い時間にこのステージに集まっていただいてありがとうございます!でももっとみんなと楽しくなりたいので、近う寄れ。後ろの人ももっと近う寄れ」
と、なぜか江戸時代風の蒼山の呼びかけにより、後方まで集まった観客がちょっとずつ前に移動していく。
ワンマンでも披露された、来月リリースされる両A面シングル収録の「アンモナイト!」も演奏し、曲中にコール&レスポンスも交えるなど、みんなで楽しくなれる曲という紹介そのもののような曲。
そして藤咲の力強いベースのイントロから始まった「ループ」、蒼山のボーカルが青空に響き渡る「カロン」で終了。
初出演のWING TENTの時とは比べものにならないくらいに演奏は良くなっているが、当時の期待度からすると、2年連続のPARK STAGEという現在の状況は実に歯がゆい。せめてLAKE STAGEまでは進出してほしいし、今まで昼間ばかりの出演だっただけに、いつかは夜に見てみたい。
1.sharp #
2.メルシールー
3.シンクロマニカ
4.アンモナイト!
5.迷宮ラブレター
6.ループ
7.カロン
14:40~ ハルカトミユキ [WING TENT]
このフェスには初出演となるハルカトミユキ。ギター、ベース、ドラム(中畑大樹)の3人を加えた5人編成で登場すると、ハルカがギターを弾かずに歌を歌い始めるのだが、これまでは「繊細」というイメージだったハルカの歌が非常に力強さを増している。つまりめちゃくちゃ歌が上手くなっている。途中でハルカがマイクスタンドを叩き倒すという息を飲むような展開に。
1曲目から聴いたこともない曲だったのだが、ハルカの詩の朗読のような前置きを挟んでの2,3曲目も聴いたことのない未発表曲。3曲目の「ひとりごと」はハルカとミユキの2人きりで演奏された。
「最近、世界の終わりという言葉をよく聞きますが、私は世界の終わりについて考えたこともないし、そもそも興味もない。でも、もし世界の終わりが来たら…そんな曲を聴いてください」
と、ハルカのボーカルとミユキのコーラスが美しい「その日がきたら」へ。
ミユキの
「人がいっぱい来てくれて…みんながゴミのように見えます(笑)」
というミユキのMCにハルカも思わずクスッと笑ってしまう中、ラストは「青い夜更け」。
ハルカトミユキの音楽は、冷たい視線で現実を見つめるような、楽しさは1%もないし、全くはしゃいだりできないものである。彼女らの音楽と真逆と言える「楽しくてみんなで踊れる音楽」が主流となりつつある現行のシーンの中、この2人はいったいどこまで行くことができるのだろうか。
1.middle
2.バッドエンドの続きを
3.ひとりごと
4.その日がきたら
5.青い夜更け
15:10~ UNISON SQUARE GARDEN [LAKE STAGE]
ボーカル斎藤の声帯治療も無事に終わり、今年もLAKE STAGEに出演のUNISON SQUARE GARDEN。
「カラクリカルカレ」「等身大の地球」の初期曲2連発スタートという意外な展開から、シングル曲「桜のあと」を挟むと、今月末リリースのニューアルバムからのリード曲「天国と地獄」を演奏。言葉数が多いボーカルは、早く歌詞カードをじっくり見ながら聴きたくなるし、スリーピースの極限に挑むかのようなサウンドは迫力満点。これは否応にもアルバムの期待度が上がる。
MCも挟まずに「オリオンをなぞる」から、あっという間のラストは「場違いハミングバード」。田淵がバキバキのベースを弾きながら広いステージを所狭しと暴れまわり、最後には大ジャンプを見せた。
WING TENTでトリをやって以降、このバンドは常に炎天下の中でライブをしてきただけに、そろそろもうちょっと涼しい時間に見てみたい。夕暮れの野外とか、めちゃくちゃ似合うシチュエーションだと思うんだが。
1.カラクリカルカレ
2.等身大の地球
3.桜のあと (all quartets lead to the?)
4.天国と地獄
5.アイラブニージュー
6.オリオンをなぞる
7.場違いハミングバード
16:10~ KREVA [GRASS STAGE]
前日はKICK THE CAN CREWとして出演したKREVA。時間前に熊井吾郎と、ドラム&ベース&シンセの半生バンドが登場して演奏を開始すると、あとからKREVAが登場。
最新シングル「トランキライザー」から始まると、「挑め」の超高速ラップで大歓声を浴びる。
「今年で10回目のこのステージへの出演ですが、2日連続でGRASS STAGEに出た人はそうそういないと思うぜ?クイックレポートの人ー!ちょっと調べておいてー!(笑)
奥田民生さんとかいるだろうけど、そんなにはいないと思うんで、今日からはこれが基準!」
と「基準」へ。
「人は俺を夏男と呼ぶ」
と言うと、「OH YEAH」からは夏ソングを3連発。このフェスのこのステージで聴く「イッサイガッサイ」はやはり格別で、毎年こうして聴いていたいと思う。
2年前にこのフェスのトリをやった時に大合唱が起きたのを今でも忘れられないと言い、観客にコーラスの練習をさせてからの「Na Na Na」ではやはり大合唱が起こり、10年連続でGRASS STAGEに立たせてくれたこのフェスへの想いと感謝を告げると、初めて出演した時にまだこの曲しかリリースされていなかった「希望の炎」から「音色」と初期曲を続けると、
「半生バンドとかもそうだけど、常に新たな挑戦をしていきたいと思ってます。なので、新たな挑戦として、初めてドラマ、金田一少年の事件簿に出演します!もちろん悪役です!(笑)
最後に、俺が見たいアーティストが出てないから、自分で呼びました!これからも全速力で駆け抜けていくんで、応援よろしくお願いします!」
と三浦大知を招くと、ベストアルバム収録のコラボ曲「全速力」。KREVAのラップもそうだが、三浦大知のボーカルも本当に上手い。過去にもこのコラボは行われているが、やはり相性バッチリ。
KICK THE CAN CREWが本格的に活動再開となると、ソロはどうなっていくんだろうか。きっとKREVAは両方ともなんなく並行して活動していくんだろうけど。
1.トランキライザー
2.挑め
3.基準
4.ストロングスタイル
5.OH YEAH
6.イッサイガッサイ
7.Have a nice day!
8.Na Na Na
9.希望の炎
10.音色
11.全速力 feat.三浦大知
17:30~ THE BACK HORN [LAKE STAGE]
このフェスを代表する存在と言ってもいい常連バンド、THE BACK HORN。メンバーが登場すると、最新アルバム「暁のファンファーレ」収録の、まだまだ暑いLAKE STAGEを焦がすような「幻日」からスタート。
山田の呪詛的な言葉が並ぶ「コワレモノ」では栄純(ギター)が奇妙なダンスを見せ、工藤静香のような動きも取り入れる。かと思えばアンセム的な響きを持つ「シンメトリー」、イントロで客席がどよめいたバラード「美しい名前」と、幅広い選曲を見せる。
「フェスっていうのは宝箱のようなものだと思ってます!いろんなところでいろんな音楽の宝箱を開けて、日々の生活に生かしていってほしいと思います!」
という、恒例の松田の宣誓のようなMCもあり、「コバルトブルー」で大爆発を見せると、「シンフォニア」では新婚の光舟がステージから飛び降りて客席の柵の前でベースを弾く。しかしダイブ禁止のこのフェスではあまりよろしくない行為なのか、ステージから飛び降りてからは光舟はモニターに全く映らなくなった。
光舟がステージに戻ると、ラストは「ビリーバーズ」。結果的には最新アルバムの曲が中心になったが、それはアルバムの曲がフェスでもアンセム的に響くということを証明することになった。
1.幻日
2.声
3.コワレモノ
4.シンメトリー
5.美しい名前
6.コバルトブルー
7.シンフォニア
8.ビリーバーズ
18:30~ 忘れらんねえよ [BUZZ STAGE]
去年は初日PARK STAGEのトップバッターとしてフェスの口火を切った忘れらんねえよ。今年はBUZZ STAGEに登場。サウンドチェックの段階で「慶応ボーイになりたい」「忘れらんねえよ」を演奏し、なぜか柴田が
「おかあさーん!」
と叫ぶ中、時間になると野々村議員の号泣会見のSEが流れ、柴田はスーツ着用で登場して、「野々村!」「竜太郎!」のコール&レスポンスをするという先日のワンマンと同様のオープニングから、「僕らチェンジザワールド」からスタート。
「この時間、ここに来てくれて本当にありがとうー!」
と柴田が叫び、「Cから始まるABC」では、
「残された俺たちは BUZZ STAGEで飲みました」
と歌詞をこの日バージョンに変えて歌う。
「いろいろありました!俺が童貞偽装して謝罪したり、梅津君がバンド頑張りすぎて腰を痛めたり。でも、もしかしたら今日みんなが盛り上がれば立つかも?」
と煽って名曲「この高鳴りをなんと呼ぶ」、そしてダンスナンバー「北極星」では、柴田が言ったように、腰を痛めて最近は椅子に座ってベースを弾いていた梅津がついに立ち上がってベースを弾く。
ラストの「ばかばっか」では、普段は曲中で柴田が客席に突っ込んでウォールオブデスを巻き起こすのだが、このフェスではそれができないので、観客全員でEXILEダンスをするという前代未聞の光景。しかもその様子をステージ後ろのモニターに映すという、モニターの無駄使い感(笑)
演奏が終わると、
「サカナクション始まるから急げ!」
という気遣いぶり。しかし、ステージのテント部分からあふれるくらい集まった人の多さからは、このバンドがさらに大きなステージまで我々を連れていってくれるような予感に満ち溢れていた。
1.僕らチェンジザワールド
2.戦うときはひとりだ
3.Cから始まるABC
4.この高鳴りをなんと呼ぶ
5.北極星
6.ばかばっか
19:00~ サカナクション [GRASS STAGE]
昨年同様にGRASS STAGEのトリを務めるサカナクション。「Ame (B)」のイントロが会場に流れると、メンバー5人がラップトップ横並びになり、ツアーでも披露されていたアレンジで踊らせ、緑色のレーザー光線がステージ全体に広がって行く、夜ならではの演出。
そのまま「ミュージック」につながると、最後のサビ前でバンド編成に。そこからはノンストップで代表曲を連発。「アイデンティティ」から「ルーキー」の流れなどは何度となく見ても本当に鮮やか。
爽快なギターロック「Aoi」を響かせると、
「ロックインジャパン、もっと歌いたいけど…次で最後の曲です」
と言って最後に演奏されたのは「グッドバイ」。おそらくこの曲はセットリストの最後にしか置きようがない曲だが、それまでガンガン踊らせまくって、最後にじっくり聴かせるという流れは非常に強い余韻に浸らせてくれる。
アンコールで再びメンバーが登場すると山口が、
「本当にすごい人がいますね。音楽という、ロックという名の元に、これだけ多くの人が集まるっていうのは本当にすごいことだと思う。これをずっと守っていかなきゃいけないなってアーティストながらに思います」
という真摯なMCをして、観客から拍手を浴び、「ナイトフィッシングイズグッド」で最後に歓喜のダンスミュージックを鳴らし、2年連続でのトリという大役を見事に果たした。
1.Ame (B)
2.ミュージック
3.アルクアラウンド
4.夜の踊り子
5.モノクロトーキョー
6.アイデンティティ
7.ルーキー
8.Aoi
9.グッドバイ
encore
10.ナイトフィッシングイズグッド
夜空に花火が上がり、これにて2日目は終了。余韻に浸るように飲食エリアで食事をしてから帰路に着く。
しかし、毎年3日間行っているから、2日だけだと本当にあっという間に感じる。今年はもう一週、もう2日あるとはいえ、その2日もきっとあっという間に終わってしまうんだろう。
ひとまずひたちなか、また来週!



10:30~ NICO Touches the Walls [GRASS STAGE]
サウンドチェックで「(My Sweet)Eden」「GANIMATA GIRL」を演奏し、社長の朝礼と呼び込みのあとに登場した、3年連続GRASS STAGE出演となるNICO Touches the Walls。
SEなしで登場すると、いきなりの「手をたたけ」「ニワカ雨ニモ負ケズ」というキラーチューンを連発。去年はアルバム「Shout to the Walls!!」の曲が中心だっただけに、ベストアルバムのリリースもあり、だいぶモードが違う様子。
しかし、「バニーガールとダニーボーイ」というこのバンドのダークサイドと言える曲も開陳すると、初期の「そのTAXI,160km/h」へなだれ込む。このあたりの曲で見せるバンドのグルーヴは本当に圧巻で、もはや化け物じみた演奏と言っても過言ではない。
フェスでやるのは久々な感じがする「ホログラム」からは代表曲とも言えるシングル曲を連発。「夏の大三角形」ではアウトロで光村、古村、坂倉の前に打楽器が置かれて4人でひたすら連打しまくるという、実に楽しそうなアレンジ。そしてラストは「天地ガエシ」。シングルリリース前は前半をアコースティック→後半で楽器を持ち替えてエレクトリックというアレンジで演奏していたが、リリース後になるこの日は最初からエレクトリックで演奏。アイリッシュの要素を取り入れた、バンドにとって新機軸と言えるサウンドは、この突き抜けるような青空に本当によく映えていた。
「今日が今まで出た中で1番気持ちいいけど、まだまだこんなもんじゃない」
と光村が言っていたように、バンドはまだまだ先を見据えている。とりあえずその試金石となるのは、今月のバンドにとって2回目となる武道館ワンマン。前回の時はチケットが売れ残ったが、今回はすでに完売している。バンドの演奏も段違いに進化しているので、鮮やかなリベンジを見せてくれるに違いない。
1.手をたたけ
2.ニワカ雨ニモ負ケズ
3.バニーガールとダニーボーイ
4.そのTAXI,160km/h
5.ホログラム
6.THE BUNGY
7.夏の第三角形
8.ローハイド
9.天地ガエシ
11:55~ [Alexandros] [GRASS STAGE]
去年は初日のトップバッターとして出演したが、川上の、
「はじめまして![Alexandros]です!」
という挨拶で、そういえば名前が変わってからは初めてかと気づかされた。
その川上はサングラス着用で、まさに海外のロックスターのバンドがこのステージに現れたかのよう。
「Burger Queen」のSEで登場してそのまま演奏に入ると、「Run Away」でスタートし、フェス仕様のセットリストでガンガン観客を踊らせていく。磯部はコーラスに気合いが入りすぎて叫びまくり、サトヤスは叩きながら何度もカメラ目線を連発する。
「新曲やっていいですか!?」
と川上が言った時は「お!?」と思ったが、演奏されたのは「Droshky!」だったので、最新シングルの曲、という意味での新曲だったようだ。
「Kick&Spin」では川上がハンドマイクでステージを左右に駆け回りながら歌い、「You're So Sweet & I Love You」の爽やかなサウンドは、この青空に本当によく似合うアンセムだ。
「Starrrrrrr」で一層大きな歓声が起こると、
「改名一発目でこんなに人が集まってくれて本当に嬉しいです。でも、やっぱりもっと遅い時間にやりたいですね!」
と今年もバンドのさらなる野望を宣言し、ラストはミドルテンポの最新シングル「Adventure」。
今回で4回目の出演だが、もはや初出演がWING TENTだったとは思えないくらいのスケール感を発揮している。客入りも相当なものだったので、近い将来、本当にこのステージでトリをやるバンドになるだろう。実際、「メインステージに出る」というかつての野望はもう達成してしまっている。
1.Run Away
2.Sitimulator
3.Waitress,Waitress!
4.Droshky!
5.Kick&Spin
6.You're So Sweet & I Love You
7.Starrrrrrr
8.city
9.Adventure
12:50~ SPECIAL OTHERS [LAKE STAGE]
かなり陽射しがキツくなってくる中、LAKE STAGEにはもはや常連と言っていいSPECIAL OTHERSが登場。メンバー4人が登場すると、しばしじっくりと互いの音を確かめるようにジャムってから、普段は滅多に演奏しないし、フェスでもほとんどやらない「Dance Festival」からスタートするという意外な選曲にビックリ。
そこから、まさにこの状況で聴くのがピッタリすぎる「Wait for The Sun」から「PB」と続けて思い思いに躍らせると、
宮原「夏の思い出作ってますか!?」
芹澤「今でこそこうやって夏フェスに呼んでもらってるけど、俺は昔夏が嫌いでさ。暑いし、汗かくし、臭いし」
宮原「芹澤は特に臭いからな(笑)」
芹澤「そういうこと言うとすぐ2ちゃんに書くやついるからやめて!(笑)」
というやり取りで笑わせ、アコースティック編成のSPECIAL OTHERS ACOUSTICの告知をしたので、てっきりアコースティックやるのかな、と思ったけどやらず。1曲が長いのであっという間になってしまった最後は又吉がウッドベースに持ち替えての「AIMS」で踊らせまくって終了。
夏の野外でこのバンドのライブを見るのは最高に気持ちいいが、やっぱり4曲だと物足りない。去年みたいにメインステージに行けばもう1曲は増やせる時間があるだけに、ぜひともまたメインに!
1.Dance Festival
2.Wait for The Sun
3.PB
4.AIMS
そのあと、SOUND OF FORESTエリアでカレーを食べながら、ドレスコーズを見る。志摩遼平の、
「何があっても倒れないのがロックンローラーだろ!」
は本当にカッコ良く、絶対倒れないようにしようと心に誓った。
14:00~ ねごと [PARK STAGE]
2年連続PARK STAGE出演となるねごと。メンバー全員が白と青を基調とした爽やかな衣装で登場すると、普段のワンマンではアンコールやクライマックスに演奏されることの多い「sharp #」からスタートするというフェスならではのアグレッシブな展開。
「1番暑い時間にこのステージに集まっていただいてありがとうございます!でももっとみんなと楽しくなりたいので、近う寄れ。後ろの人ももっと近う寄れ」
と、なぜか江戸時代風の蒼山の呼びかけにより、後方まで集まった観客がちょっとずつ前に移動していく。
ワンマンでも披露された、来月リリースされる両A面シングル収録の「アンモナイト!」も演奏し、曲中にコール&レスポンスも交えるなど、みんなで楽しくなれる曲という紹介そのもののような曲。
そして藤咲の力強いベースのイントロから始まった「ループ」、蒼山のボーカルが青空に響き渡る「カロン」で終了。
初出演のWING TENTの時とは比べものにならないくらいに演奏は良くなっているが、当時の期待度からすると、2年連続のPARK STAGEという現在の状況は実に歯がゆい。せめてLAKE STAGEまでは進出してほしいし、今まで昼間ばかりの出演だっただけに、いつかは夜に見てみたい。
1.sharp #
2.メルシールー
3.シンクロマニカ
4.アンモナイト!
5.迷宮ラブレター
6.ループ
7.カロン
14:40~ ハルカトミユキ [WING TENT]
このフェスには初出演となるハルカトミユキ。ギター、ベース、ドラム(中畑大樹)の3人を加えた5人編成で登場すると、ハルカがギターを弾かずに歌を歌い始めるのだが、これまでは「繊細」というイメージだったハルカの歌が非常に力強さを増している。つまりめちゃくちゃ歌が上手くなっている。途中でハルカがマイクスタンドを叩き倒すという息を飲むような展開に。
1曲目から聴いたこともない曲だったのだが、ハルカの詩の朗読のような前置きを挟んでの2,3曲目も聴いたことのない未発表曲。3曲目の「ひとりごと」はハルカとミユキの2人きりで演奏された。
「最近、世界の終わりという言葉をよく聞きますが、私は世界の終わりについて考えたこともないし、そもそも興味もない。でも、もし世界の終わりが来たら…そんな曲を聴いてください」
と、ハルカのボーカルとミユキのコーラスが美しい「その日がきたら」へ。
ミユキの
「人がいっぱい来てくれて…みんながゴミのように見えます(笑)」
というミユキのMCにハルカも思わずクスッと笑ってしまう中、ラストは「青い夜更け」。
ハルカトミユキの音楽は、冷たい視線で現実を見つめるような、楽しさは1%もないし、全くはしゃいだりできないものである。彼女らの音楽と真逆と言える「楽しくてみんなで踊れる音楽」が主流となりつつある現行のシーンの中、この2人はいったいどこまで行くことができるのだろうか。
1.middle
2.バッドエンドの続きを
3.ひとりごと
4.その日がきたら
5.青い夜更け
15:10~ UNISON SQUARE GARDEN [LAKE STAGE]
ボーカル斎藤の声帯治療も無事に終わり、今年もLAKE STAGEに出演のUNISON SQUARE GARDEN。
「カラクリカルカレ」「等身大の地球」の初期曲2連発スタートという意外な展開から、シングル曲「桜のあと」を挟むと、今月末リリースのニューアルバムからのリード曲「天国と地獄」を演奏。言葉数が多いボーカルは、早く歌詞カードをじっくり見ながら聴きたくなるし、スリーピースの極限に挑むかのようなサウンドは迫力満点。これは否応にもアルバムの期待度が上がる。
MCも挟まずに「オリオンをなぞる」から、あっという間のラストは「場違いハミングバード」。田淵がバキバキのベースを弾きながら広いステージを所狭しと暴れまわり、最後には大ジャンプを見せた。
WING TENTでトリをやって以降、このバンドは常に炎天下の中でライブをしてきただけに、そろそろもうちょっと涼しい時間に見てみたい。夕暮れの野外とか、めちゃくちゃ似合うシチュエーションだと思うんだが。
1.カラクリカルカレ
2.等身大の地球
3.桜のあと (all quartets lead to the?)
4.天国と地獄
5.アイラブニージュー
6.オリオンをなぞる
7.場違いハミングバード
16:10~ KREVA [GRASS STAGE]
前日はKICK THE CAN CREWとして出演したKREVA。時間前に熊井吾郎と、ドラム&ベース&シンセの半生バンドが登場して演奏を開始すると、あとからKREVAが登場。
最新シングル「トランキライザー」から始まると、「挑め」の超高速ラップで大歓声を浴びる。
「今年で10回目のこのステージへの出演ですが、2日連続でGRASS STAGEに出た人はそうそういないと思うぜ?クイックレポートの人ー!ちょっと調べておいてー!(笑)
奥田民生さんとかいるだろうけど、そんなにはいないと思うんで、今日からはこれが基準!」
と「基準」へ。
「人は俺を夏男と呼ぶ」
と言うと、「OH YEAH」からは夏ソングを3連発。このフェスのこのステージで聴く「イッサイガッサイ」はやはり格別で、毎年こうして聴いていたいと思う。
2年前にこのフェスのトリをやった時に大合唱が起きたのを今でも忘れられないと言い、観客にコーラスの練習をさせてからの「Na Na Na」ではやはり大合唱が起こり、10年連続でGRASS STAGEに立たせてくれたこのフェスへの想いと感謝を告げると、初めて出演した時にまだこの曲しかリリースされていなかった「希望の炎」から「音色」と初期曲を続けると、
「半生バンドとかもそうだけど、常に新たな挑戦をしていきたいと思ってます。なので、新たな挑戦として、初めてドラマ、金田一少年の事件簿に出演します!もちろん悪役です!(笑)
最後に、俺が見たいアーティストが出てないから、自分で呼びました!これからも全速力で駆け抜けていくんで、応援よろしくお願いします!」
と三浦大知を招くと、ベストアルバム収録のコラボ曲「全速力」。KREVAのラップもそうだが、三浦大知のボーカルも本当に上手い。過去にもこのコラボは行われているが、やはり相性バッチリ。
KICK THE CAN CREWが本格的に活動再開となると、ソロはどうなっていくんだろうか。きっとKREVAは両方ともなんなく並行して活動していくんだろうけど。
1.トランキライザー
2.挑め
3.基準
4.ストロングスタイル
5.OH YEAH
6.イッサイガッサイ
7.Have a nice day!
8.Na Na Na
9.希望の炎
10.音色
11.全速力 feat.三浦大知
17:30~ THE BACK HORN [LAKE STAGE]
このフェスを代表する存在と言ってもいい常連バンド、THE BACK HORN。メンバーが登場すると、最新アルバム「暁のファンファーレ」収録の、まだまだ暑いLAKE STAGEを焦がすような「幻日」からスタート。
山田の呪詛的な言葉が並ぶ「コワレモノ」では栄純(ギター)が奇妙なダンスを見せ、工藤静香のような動きも取り入れる。かと思えばアンセム的な響きを持つ「シンメトリー」、イントロで客席がどよめいたバラード「美しい名前」と、幅広い選曲を見せる。
「フェスっていうのは宝箱のようなものだと思ってます!いろんなところでいろんな音楽の宝箱を開けて、日々の生活に生かしていってほしいと思います!」
という、恒例の松田の宣誓のようなMCもあり、「コバルトブルー」で大爆発を見せると、「シンフォニア」では新婚の光舟がステージから飛び降りて客席の柵の前でベースを弾く。しかしダイブ禁止のこのフェスではあまりよろしくない行為なのか、ステージから飛び降りてからは光舟はモニターに全く映らなくなった。
光舟がステージに戻ると、ラストは「ビリーバーズ」。結果的には最新アルバムの曲が中心になったが、それはアルバムの曲がフェスでもアンセム的に響くということを証明することになった。
1.幻日
2.声
3.コワレモノ
4.シンメトリー
5.美しい名前
6.コバルトブルー
7.シンフォニア
8.ビリーバーズ
18:30~ 忘れらんねえよ [BUZZ STAGE]
去年は初日PARK STAGEのトップバッターとしてフェスの口火を切った忘れらんねえよ。今年はBUZZ STAGEに登場。サウンドチェックの段階で「慶応ボーイになりたい」「忘れらんねえよ」を演奏し、なぜか柴田が
「おかあさーん!」
と叫ぶ中、時間になると野々村議員の号泣会見のSEが流れ、柴田はスーツ着用で登場して、「野々村!」「竜太郎!」のコール&レスポンスをするという先日のワンマンと同様のオープニングから、「僕らチェンジザワールド」からスタート。
「この時間、ここに来てくれて本当にありがとうー!」
と柴田が叫び、「Cから始まるABC」では、
「残された俺たちは BUZZ STAGEで飲みました」
と歌詞をこの日バージョンに変えて歌う。
「いろいろありました!俺が童貞偽装して謝罪したり、梅津君がバンド頑張りすぎて腰を痛めたり。でも、もしかしたら今日みんなが盛り上がれば立つかも?」
と煽って名曲「この高鳴りをなんと呼ぶ」、そしてダンスナンバー「北極星」では、柴田が言ったように、腰を痛めて最近は椅子に座ってベースを弾いていた梅津がついに立ち上がってベースを弾く。
ラストの「ばかばっか」では、普段は曲中で柴田が客席に突っ込んでウォールオブデスを巻き起こすのだが、このフェスではそれができないので、観客全員でEXILEダンスをするという前代未聞の光景。しかもその様子をステージ後ろのモニターに映すという、モニターの無駄使い感(笑)
演奏が終わると、
「サカナクション始まるから急げ!」
という気遣いぶり。しかし、ステージのテント部分からあふれるくらい集まった人の多さからは、このバンドがさらに大きなステージまで我々を連れていってくれるような予感に満ち溢れていた。
1.僕らチェンジザワールド
2.戦うときはひとりだ
3.Cから始まるABC
4.この高鳴りをなんと呼ぶ
5.北極星
6.ばかばっか
19:00~ サカナクション [GRASS STAGE]
昨年同様にGRASS STAGEのトリを務めるサカナクション。「Ame (B)」のイントロが会場に流れると、メンバー5人がラップトップ横並びになり、ツアーでも披露されていたアレンジで踊らせ、緑色のレーザー光線がステージ全体に広がって行く、夜ならではの演出。
そのまま「ミュージック」につながると、最後のサビ前でバンド編成に。そこからはノンストップで代表曲を連発。「アイデンティティ」から「ルーキー」の流れなどは何度となく見ても本当に鮮やか。
爽快なギターロック「Aoi」を響かせると、
「ロックインジャパン、もっと歌いたいけど…次で最後の曲です」
と言って最後に演奏されたのは「グッドバイ」。おそらくこの曲はセットリストの最後にしか置きようがない曲だが、それまでガンガン踊らせまくって、最後にじっくり聴かせるという流れは非常に強い余韻に浸らせてくれる。
アンコールで再びメンバーが登場すると山口が、
「本当にすごい人がいますね。音楽という、ロックという名の元に、これだけ多くの人が集まるっていうのは本当にすごいことだと思う。これをずっと守っていかなきゃいけないなってアーティストながらに思います」
という真摯なMCをして、観客から拍手を浴び、「ナイトフィッシングイズグッド」で最後に歓喜のダンスミュージックを鳴らし、2年連続でのトリという大役を見事に果たした。
1.Ame (B)
2.ミュージック
3.アルクアラウンド
4.夜の踊り子
5.モノクロトーキョー
6.アイデンティティ
7.ルーキー
8.Aoi
9.グッドバイ
encore
10.ナイトフィッシングイズグッド
夜空に花火が上がり、これにて2日目は終了。余韻に浸るように飲食エリアで食事をしてから帰路に着く。
しかし、毎年3日間行っているから、2日だけだと本当にあっという間に感じる。今年はもう一週、もう2日あるとはいえ、その2日もきっとあっという間に終わってしまうんだろう。
ひとまずひたちなか、また来週!


