ROCK IN JAPAN FES.2014 @国営ひたち海浜公園 8/2
- 2014/08/04
- 16:00
今年でついに15回目の開催となるROCK IN JAPAN FES.。今年は3日間から4日間に規模が拡大し、これまでのDJブースから、BUZZ STAGEへの変更というトピックスもあり、
GRASS STAGE
LAKE STAGE
SOUND OF FOREST
PARK STAGE
WING TENT
BUZZ STAGE
というステージ構成に。今年でついに11年連続参戦。
会場に到着し、物販をまわってみなと屋でハム焼きを食するといういつものパターンから、まずはGRASS STAGEでロッキンオン社長渋谷陽一の朝礼を聞く。
2000年の第一回の時のタイムテーブルや写真を見せながら、その時の100人くらいしか人がいなかったDJステージに出演していたKICK THE CAN CREWが今日のメインステージのトリを務めるという歴史を感じさせる話をすると、ひたちなか市が市制20周年を迎えたことにより、ひたちなか市長も挨拶に。これまでこのフェスが15年も続いてきたのは、本当にひたちなか市の協力によるものだということがわかる。
10:30~ 赤い公園 [PARK STAGE]
社長の挨拶を聞いてからダッシュでPARK STAGEに向かうと、すでに赤い公園が登場しており、「今更」を演奏しているところ。ドラムの歌川がメインステージのトップバッターのゴールデンボンバーの樽美酒に合わせて顔を白塗りにしている。
「準備運動終わり!」
と「今更」を終えると、アッパーサイドな曲を連発し、「塊」では重厚なバンドサウンドを響かせる。
「今日は友達とか家族とか恋人とかと一緒に来た人も、一人で来た人もいると思いますけど、みんな私たちと絶対的な関係になってくれますかー!?」
と佐藤千明が叫ぶと、ドラマ主題歌にもなったジャスト100秒のキラーチューン「絶対的な関係」へ。最後のフレーズを
「ロッキンだけのヒ!ミ!ツ!」
とこの日限りの歌詞に変え、大歓声を浴びる。
そしてすでにリリースが告知されているアルバムからの新曲「サイダー」を演奏。佐藤がギターを抱えて(弾くのはイントロとアウトロくらいだったけど)歌うという今までに見たことのない光景が現れ、タイトル通りに突き抜けるような爽やかなサウンドが雲一つないくらいの青空の下で響き渡る。
最後は「カウンター」から、
「爆発して終わります!」
と不穏さと情念も孕んだ「ふやける」。メンバーが一人ずつステージを去って行くと、歌川はステージ中央まで出て来て白塗りの顔を観客に見せつけてからステージを去った。
このバンドの曲には、例えば「交信」などの、すでに若き天才作曲家という評価を与えられている津野がピアノを弾く美しいバラードもあるが、そういう曲を演奏しなかったのはフェスのトップバッターということで、観客のテンションを上げ倒したいという気持ちもあったんだろうか。なんにせよ、今年のロッキンがついに始まった!
1.今更
2.のぞき穴
3.はてな
4.塊
5.絶対的な関係
6.サイダー
7.カウンター
8.ふやける
移動がてらにLAKE STAGE前を通ると、トップバッターのROTTENGRAFFTYが最後の1曲をやるところ。トップバッターとはいえ、ほぼ満員というくらいに埋まっており、これはCDJではGALAXY STAGEに間違いなくいくだろう。
11:10~ LAMP IN TERREN [WING TENT]
前回のCDJのRO JACKの覇者としてオープニングアクトに出演した、LAMP IN TERREN。夏はオープニングアクトではなく、このWING TENTのメインアクトのトップバッターとしての登場。
シンプルなスリーピースギターロックバンドという印象のバンドだが、まだ全国流通盤のなかったCDJの時とは異なり、すでにミニアルバムをリリースしたあとにライブを見ると、CDよりもバンドの演奏がはるかにエモい。ベースの中原はマイクこそないものの、常に弾きながら大きく口をあけて曲を歌っている。
そして何よりもこのバンドの武器になっているのが、松本の声。どうしたって儚さを孕んでしまうその声は、tacicaの猪狩に通じるところがあるように感じるが、tacicaのように、歌詞のストーリーに説得力を持たせている。
動員の面ではまだまだといった感じだったが、この日のライブを見た人たちは、このバンドから大きな可能性を感じたはず。演奏を終えると松本は、
「いってらっしゃい!」
と言って長時間続くフェスに観客を送り出した。
いつか、近い将来、もっと大きなステージで会いたい。
1.L-R
2.ランデヴー
3.Sleep Heroism
4.Portrait
5.緑閃光
11:55~ ACIDMAN [GRASS STAGE]
これまでに出演したすべての年でGRASS STAGEに登場。大トリを務めたこともあるACIDMANが今年は2番手という早い時間に登場。
SE「最後の国」のハンドクラップに誘われて3人がステージに登場すると、いきなりの「造花が笑う」からスタート。大木の声は非常に伸びがあり、最後の張り上げるフレーズも悠々と歌いこなし、鉄壁のバンドアンサンブルとともに力強さを感じさせる。
「この太陽の光を植物が吸収して、光合成をして、その植物を動物が食べて、その動物を人間が食べてという食物連鎖があって。つまり、光というのはすべてのものの源なんです」
という、「EVERLIGHT」を演奏する前に必ず話す「光」についてのMCをし、浦山の4つ打ちドラムのイントロから始まった「赤燈」では大きな歓声が上がり、壮大なバラード「アルケミスト」と聴かせる曲を続けると、
「このフェスのこのステージから見える景色を歌詞にした曲です」
という、このステージに立ち続けてきたこのバンドだからこそ言える言葉のあとに演奏されたのは、最新シングル「stay in my hand」。ただ、ステージ移動するために、この後の曲は歩きながら聴いた。このステージでの「ある証明」は格別なため、見ておきたかったところだが。
1.造花が笑う
2.アイソトープ
3.EVERLIGHT
4.赤燈
5.アルケミスト
6.stay in my hand
7.風、冴ゆる
8.ある証明
9.ALMA
12:50~ サンボマスター [LAKE STAGE]
知名度、動員力からしてもメインステージでいいくらいの存在(実際、近年はメインステージへの出演のほうが多い)なだけに、もうメンバーが登場する前から入場規制レベルの客入りのサンボマスター。
ゴダイゴ「モンキーマジック」のSEで登場すると、
「ひたちなか準備できてんのか、コノヤロー!
えー、他の出演者のみなさんは、実力や努力でこのステージに立っています。でも我々がこのステージに立っているのは、客頼みです!客頼み!客頼み!みなさん、今日はハッシュタグ客頼みでよろしくお願いします!」
と始まる前から笑わせつつも、いざ演奏が始まると熱狂そのもの。昼過ぎでかなり暑い状況ではあるが、客席はどんどん熱くなっていく。しかし山口がペットボトルの水を頭からかぶるのを見ると、ステージ上も相当暑かったものと思われる。
すでにワンマンでは披露されている踊れる新曲「愛してる愛して欲しい」も挟みつつ、他は鉄板の人気曲を連発するのはフェスの定番となってきている。
「渋谷ー!渋谷出て来いコノヤロー!」
と渋谷陽一社長をいじりながら、
「はい、あの曲をやりますからね。渋谷陽一からもあの曲をやれみたいな空気を感じましたからね(笑)
段取りだけ説明させていただきますと、我々がダーン!とやったら、オイオイオイオイ!と。こういう感じでお願いします!」
と言って、「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」では「愛と平和!」コールを巻き起こし、
「俺は生きてて欲しいんだ。ヒロト&マーシーにずっと生きてて欲しいように、ボブ・ディランにずっと生きてて欲しいように、キース・リチャーズにずっと生きてて欲しいように、お前らにもずっと生きてて欲しいんだ!
ノットデッド、ノットデッド、ノットデッド!ありがとうございました!サンボマスター最後の曲は、ロックンロール イズ ノットデッド!」
と言って、「ロックンロール イズ ノットデッド」で終了。サンボマスターは毎回本当に期待以上のライブをやってくれるし、本当に楽しかったけど、でもやっぱり、このバンドはGRASS STAGEでしょ!
1.世界をかえさせておくれよ
2.ミラクルをキミとおこしたいんです
3.愛してる愛して欲しい (新曲)
4.そのぬくもりに用がある
5.世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
6.できっこないを やらなくちゃ
7.ロックンロール イズ ノットデッド
13:30~ さよなら、また今度ね [WING TENT]
2年連続(RO JACK枠のオープニングアクトから含めると3年連続)でのWING TENT出演となる、さよなら、また今度ね。
佐伯香織がメインボーカルを務めるという珍しい「ミルクアイス」もありながらも、やはりボーカル菅原達也の奇妙なアクションを交えながらの歌唱に目がいく。ドラム渋谷はいつものようにカエルの被り物を被って演奏している。
暗い曲なのにどこかやはりポップな「素通り」から、来月リリースされる新作からの「クラシックダンサー」と、キラーチューン「輝くサラダ」「踏切チック」などをやらないという挑戦的な選曲で展開し、
「サッカーに全く詳しくないのに日本代表のユニフォームを着てきてしまった」
という菅原の訳わからないMC同様に、曲自体もわけわからないながらもポップというこのバンドならではの魅力を発揮。
「いつもは100人とか200人の前でやってるから、普段の倍以上集まってくれて嬉しい!」
と言い、観客に投げキッスを連発しまくっていた菅原。去年より明らかに人が増えていただけに、そろそろ次のステージへ進めるだろうか。というか現時点でもっと人気出てもいい感じするけど。
1.信号の奴
2.ミルクアイス
3.2秒で手に入る
4.素通り
5.クラシックダンサー (新曲)
6.瑠璃色、息白く
7.僕あたしあなた君
14:00~ HEY-SMITH [LAKE STAGE]
去年は初日のLAKE STAGEのトップバッターだったHEY-SMITH、今年は同じく初日だが、一番暑い時間帯に登場。しかしその暑さをすぐさま熱さに変えてしまうバンドと観客。
Ioriと満のホーンセクションは上半身裸で暴れまわりながらサックスとトランペットを吹き、スカダン、ヘドバン、サークルなど、ダイブ以外の様々な楽しみ方でどんどん熱さを増して行く。
猪狩もその様子を見てか、
「水分補給や!」
と言って水を客席に投げ込みまくり、
「このフェスにはこのフェスなりのルールがあるわ。でもルールの中でやりたいことやっていけよ!」
と言い、このフェスに向けた「The First Love Song」を演奏。
そこからも全く勢いを緩めることはなく、ラストは1分間の爆裂パンクナンバー「Come back my dog」で左回りのダッシュが多発するという壮観な景色を見せて終了。終わると、転換中にはドリンクコーナーに長蛇の列ができていたくらいに観客も完全燃焼だった。
1.Endless Sorrow
2.Download Me If You Can
3.Skate Or Die
4.Like A Gentleman
5.Jump!!
6.Living In My Skin
7.The First Love Song
8.Lonely With Everyone
9.We sing our song
10.True Yourself
11.Come back my dog
15:10~ LUNKHEAD [PARK STAGE]
メンバー全員でサウンドチェックをしていると、開演時間前から集まってくれたファンに対し、
「早い時間から来てくれたみんなのために、なんのチェックにもならない曲だけど」
と言い、「夏の匂い」を演奏したLUNKHEAD。先週のMURO FESでもサウンドチェックで演奏していたが、この日は1曲まるまる演奏してくれた。
時間になると、
「帰ってきたぞ、ひたちなかー!ロキノン系バンド、LUNKHEADです!」
と小高(ボーカル&ギター)が叫んだ。そう、LUNKHEADは実に6年ぶりのこのフェスへの帰還となったのだ。
「シンドローム」からスタートすると、まさにこの場所でライブすることそのもののような「前進/僕/戦場へ」を演奏し、小高のMC。しかしながら、小高は感極まり、
「ヤバい、泣きそう…」
と声に詰まりながら、
「でも、俺たちはこのフェスに出るのが目標だったんじゃない。6年間苦しいことや悲しいこともあったけど、俺たちは、俺たちのライブを見て、同じように苦しいことや悲しいことがあるみんなが普段の生活を前向きになってくれるようになったらいいなと思ってステージに立ってます!」
と語り、「生きているから」、そして小高がハンドマイクで歌い、合田が駆け回ったり文字とおりぐるぐる回りながらベースを弾く「ぐるぐる」へ。曲中でいったん演奏を止めると、
「6年間苦しいこともたくさんあったけど、俺たちにはこんなにたくさんの味方がおる!みんな、後ろ見てみい!何人おるんやろなぁ。みんな、このあとさらに盛り上がって、フェスのスタッフに、来年も、年末のカウントダウンにもLUNKHEADを呼ばなきゃダメだな、って思わせたれやー!」
と叫んで演奏再開し、さらにまさにこの場面のために作ったかのような夏祭り感あふれる最新曲「スターマイン」では観客がうちわを扇ぎ、
「我々LUNKHEAD、6年ぶりの出演ですが、結成10周年になります!毎年新しいバンドがたくさん出てきますが、まだまだLUNKHEADは健在でございます!」
と合田が語り、ラストは「カナリアボックス」。曲中に小高が客席やメンバーの写真を撮りまくって終了し、
「絶対にまた帰ってくるけん!」
と叫んだ。ベストアクト候補筆頭というくらいにメンバーの嬉しさが溢れまくったライブだったが、こうしてLUNKHEADが帰ってきたということは、盟友つばきや、APOGEE、the ARROWS、planeなどの、同じ時期に小さいステージに出ていたバンドも、続けてさえいればいつかまたこのフェスに帰ってこれる可能性を示したとも言える。待ってる人、いっぱいいるとおもうんだよなぁ。
1.シンドローム
2.前進/僕/戦場へ
3.生きているから
4.ぐるぐる
5.スターマイン
6.カナリアボックス
そのあと、WING TENTにてBUZZ THE BEARSを半分くらい見る。メロコア×4つ打ちというフェスで盛り上がるの間違いなしなバンドで、実際にボーカルの越智が、
「去年よりここから見える景色が良くなっているのが嬉しい」
と言っていた。「光り」が聴けて嬉しかったが、次のバンドのために早めに移動したため、新作のキラーチューン「全てを」を聴くことができず。ただ、早めに移動しないと次のバンドのステージに入れなくなっていたかもしれない。なぜなら、次は…
1.タイムマシーン
2.ピエロ
3.光り
4.雨
5.声
6.シェアタイム
7.全てを
8.約束
16:20~ KANA-BOON [LAKE STAGE]
去年のWING TENTからLAKE STAGEにジャンプアップしたKANA-BOON、やはり始まる前から入場規制レベルである。
SEもなしに登場すると、「ワールド」からスタート。このバンドのイメージでもある、キャッチーな4つ打ちナンバーを連発していくのだが、バンドの演奏も谷口のボーカルも、このキャパにふさわしいというか、超えてるくらいの成長を見せている。
飯田「去年、向こうのテントに出たんやけど、時間の都合で見たかったmiwaが見れなくて…」
谷口「なんでmiwaやねん。さん付けしろや」
飯田「美輪さん?」
谷口「意味変わってくるやん!(笑)」
飯田「昔、携帯の待ち受けを美輪さんの画像にするとお金が貯まるっていう話あったよな(笑)」
という話で笑わせると、
「決して盛り上がる曲ではないんやけど」
と前置きして、月末にリリースされるシングル「生きてゆく」を演奏。すでにNANO-MUGENでも演奏されたが、この曲によって、KANA-BOONの「4つ打ちバンド」という偏見を消えるだろうか。まだ2回しか聴けていないが、非常にいい曲だと思うので、バンドの新しい代表曲になってほしい。
バンドのグルーヴを炸裂させた「盛者必衰の理、お断り」から、
「みなさん、お腹は空きましたか?フェスは食べ物もいっぱい美味しいのがありますけど、やっぱりチャーハンが最強でしょう!」
と「ないものねだり」から、ラストは「フルドライブ」で終了。フェスだと毎回やたらと時間が巻き気味で終わってしまうのが気になるところではある(もう1曲やってもいいくらいの時間は残ってた)が、来年は間違いなくGRASS STAGEに立っているだろう。
1.ワールド
2.1.2. step to you
3.ウォーリーヒーロー
4.生きてゆく (新曲)
5.盛者必衰の理、お断り
6.ないものねだり
7.フルドライブ
16:55~ ART-SCHOOL [SOUND OF FOREST]
だが、KANA-BOONが巻いたことにより、本来ちょっと被り気味だったART-SCHOOLをガッツリ観れることに。
藤田勇(ドラム)、中尾憲太郎(ベース)のサポート2人を加えた4人で登場し、「ロリータキルズミー」でスタート。しかし、木下理樹はやはり声が全然出ていない。だが、それが決して「ダメだな」とはならず、むしろこのバンドらしいとすら思えてしまうのはある意味ですごいことである。戸高は夏の野外ということで涼しげな出で立ち。
中盤には最新アルバム収録曲から、「YOU」では美しいコーラスを聴かせたucary valentineをゲストに迎える。先日のthe HIATUSのツアーにも参加していたが、髪の色がまるっきり変わっていたので、声を聴くまでは同じ人物だと思わなかった。
さらに「革命家は夢を見る」では叙情的なラップを聴かせる環ROYが登場したのだが、どちらのゲストを招いた時にも、木下の紹介の時のしゃべる声が小さすぎて何を言っているのかわからず。
終盤は、
「ここからは暴力的な曲しかやらないんで、暴力的に楽しんでください」
と言って定番曲を連発。「あと10秒で」では木下の煽りで手拍子が起きたが、CDJのGALAXY STAGEでの大入り具合に比べたら、ちょっと寂しい客入りではあった。しかし、
「また来年会いましょう」
と木下が最後に言った通り、ずっと出演してきたこのフェスの常連中の常連なだけに、来年以降もこのステージに立っていてほしい。
1.ロリータキルズミー
2.Promised Land
3.スカーレット
4.YOU
5.革命家は夢を見る
6.UNDER MY SKIN
7.FADE TO BLACK
8.あと10秒で
17:30~ SAKANAMON [PARK STAGE]
去年はWING TENTの大トリを務めたSAKANAMON、今年はPARK STAGEに登場である。SUPER BUTTER DOG「コミュニケーション・ブレイクダンス」のSEで登場すると、「花色の美少女」「ミュージックプランクトン」と爽やかかつキャッチーなギターロックを続けると、「空想イマイマシー」では曲の間に、同じ時間にメインステージに出演しているマキシマム ザ ホルモンの「恋のメガラバ」を演奏し、ホルモンを見ずにこのバンドを見ていた腹ペコたちのお腹を満たす。
藤森「我々、1年ぶりの出演です!」
森野「当たり前だろ!みんな1年ぶりだよ!(笑)」
という藤森(ボーカル&ギター)の天然ぶりとお笑いが大好きな森野(ベース)のツッコミ体質が炸裂した挨拶から、10月にリリースされることが発表されたミニアルバムからの新曲「アリカナシカ」を演奏。完全に「アリ」としか言いようがないくらいに初披露とは思えない盛り上がりを見せると、
森野「去年はPerfumeの真裏だったんで、今年はそれは勘弁してくださいよ~って言ったら、今年はホルモンとELTの真裏になった(笑)」
と強敵の裏になりながらも、この時間に自分たちを選んでくれた観客への感謝を告げ、「マジックアワー」のラストには藤森が
「愛してるよ、ジャパーン!」
と叫び、「シグナルマン」では
「閃光のジャスティスロード」
の合唱を起こして、ラストの踊れる「TOWER」でも合唱を巻き起こした。森野は来年、さらに年末のCDJへの出演を懇願するなど、かつては観客として参加していたフェスなだけに、まだ2回目の出演ながら、本当にこのフェスが好きな様子。実際に、翌日も出演しないのに他のバンドのライブを見にきていた。
1.花色の美少女
2.ミュージックプランクトン
3.空想イマイマシー
4.アリカナシカ (新曲)
5.マジックアワー
6.シグナルマン
7.TOWER
18:30~ avengers in sci-fi [BUZZ STAGE]
すっかりあたりも暗くなってきた中、今年DJブースからBUZZ STAGEに生まれ変わったステージにはavengers in sci-fiが登場。長谷川が先に一人で登場し、ドラムを叩き始めると、木幡と稲見はステージに姿を現していないのに、ギターとベースの音も聴こえてくる。すると袖から、すでにそれぞれギターとベースを弾きながら登場し、最新アルバム「Unknown Tokyo Blues」収録の「Tokyo Techtonix」からスタートし、ゆったり目のBPMで体を揺らす。
すると一転して「Yang2」「Psycho Monday」で狂熱のダンスフロアと化し、ステージ背面のモニターには映像が映し出される。これまでは昼の野外という、このバンドにとっては似合うとは言えない環境での出演だっただけに、この時間のこのステージでの起用は大正解だと思う。
「Homosapiens Experience」でさらに加熱させるも、曲が終わると木幡が、
「やっぱりフェスは楽しいよね。でも、ただ楽しいだけじゃダメだよね。やっぱりかっこいい音楽で楽しくなってほしい。俺たちは自分たち自身で恥ずかしくない作品を作ってるつもりだよ。ひっそりとアルバム出してるし、ツアーもやったりしてるから、かっこいい音楽が好きな人はチェックしてみてください」
という、あえてフェスの場で言うにはリスクも伴う発言をしたのは、現在の楽しい音楽全盛のフェスに対する警鐘であるとともに、今のバンドのモードそのものを表している。客席からはこの勇気ある発言に拍手が起こり、ラストはその言葉を象徴するかのような新作のリード曲「Citizen Song」。激しく踊ったり暴れたりしたい人たちはおそらく最近のこのバンドのモードにはついていけないところもあると思う。でも、遅かれ早かれ、「SIENCE ROCK」「JUPITER JUPITER」の路線を続けていたら、それはそれですぐ飽きられるだろうし、バンド自身も身動きが取れなくなってしまう。そういう意味では、このバンドが新作のようなアルバムで、「こういう曲でも楽しく踊れるよ」と証明してくれれば、「踊れるバンド」と括られるバンドたちももっと幅広い音楽をやって受け入れられるようになるんじゃないかと思う。
1.Tokyo Techtonix
2.Yang2
3.Psycho Monday
4.Superstar
5.Homosapiens Experience
6.Citizen Song
19:00~ KICK THE CAN CREW [GRASS STAGE]
社長が朝礼でも話していたように、2000年の第一回のこのフェスのDJブースに出演し、活動休止後もKREVAのステージにMCUとLITTLEが登場していたりしたが、ついにKICK THE CAN CREWとして復活。
満員の観客が待ち受ける中、かつてのDJ SHUHOではなく、熊井吾郎がDJに陣取り、「マルシェ」のイントロで3人が登場すると、いきなり特効が炸裂。活動休止後もそれぞれがソロやユニットなどで腕を磨いてきただけに、ラップは全く衰えていないどころか、むしろ切れ味を増している感すらある。
「地球ブルース~337~」ではMCUが
「来年で40です」
と、10年の月日の経過を実感させる歌詞変えを行い、Perfumeの自己紹介をまるまるパクった挨拶をすると、
「すごい数の人だけど、そんなに知ってる曲ないぞ?でも大丈夫。知らなくても楽しめるから。次は俺らのメジャーデビューシングル。オリコン初登場94位(笑)」
とKREVAが自虐的に語り、「スーパーオリジナル」から「カンケリ01」という懐かしの曲を続けると、
「朝、渋谷さんも言ってたけど、俺たち2000年の第一回の時に100人くらいしかいないDJブースに出て。その時メインステージでSugar Soulがやってたんだけど、俺たちの音がうるさいって怒られて(笑)
でもその時怒られた曲を、このたくさんの人の前でやってみたいと思います!」
と「GOOD TIME!」を披露。さらに「ユートピア」とメロウな流れから、
「今やみんなが知ってる曲なんかないじゃん?恋するフォーチュンクッキーくらいでしょ?(笑)
どんだけ音楽が大好きな人でも、このフェスに出てる全てのアーティストの曲は知らないはず。でもこっからは、みんなが知ってる曲を連発したいと思います!知らないってやつがいたらこう言うんだよ。sayonara sayonaraって」
と「sayonara sayonara」から、
LITTLE「まだ何も終わってないぜ!」
と「イツナロウバ」、そしてお待ちかねの「アンバランス」で本編は終了。
アンコールでは、雪が降ってるかのような演出の中、なんと3人がダウンジャケットを羽織って登場し、まさかの「クリスマス・イブRap」。山下達郎のボーカルパートをKREVAが歌ったのだが、これは少しでもみんなが知っている曲を聴かせたいという3人のファンサービスによるものだろう。
「やっぱりダウンはない!」
と言いながら3人がダウンを脱ぐと、ラストは初期の「タカオニ2000」。メンバーからは
「今日がこれからの俺たちの活動につながっていったらいい」
という前向きな発言も聞かれ、これからのKICKの活動に期待を抱かせたし、何よりもこの日のライブそのものが本当に素晴らしかった。新曲はやらなかったが、もしかしたら近いうちに聴ける日も来るような気がする。
1.マルシェ
2.地球ブルース ~337~
3.スーパーオリジナル
4.カンケリ01
5.GOOD TIME!
6.ユートピア
7.sayonara sayonara
8.イツナロウバ
9.アンバランス
encore
10.クリスマス・イブRap
11.タカオニ2000
というわけであっという間に初日が終了。本当に年々あっという間に感じる。



GRASS STAGE
LAKE STAGE
SOUND OF FOREST
PARK STAGE
WING TENT
BUZZ STAGE
というステージ構成に。今年でついに11年連続参戦。
会場に到着し、物販をまわってみなと屋でハム焼きを食するといういつものパターンから、まずはGRASS STAGEでロッキンオン社長渋谷陽一の朝礼を聞く。
2000年の第一回の時のタイムテーブルや写真を見せながら、その時の100人くらいしか人がいなかったDJステージに出演していたKICK THE CAN CREWが今日のメインステージのトリを務めるという歴史を感じさせる話をすると、ひたちなか市が市制20周年を迎えたことにより、ひたちなか市長も挨拶に。これまでこのフェスが15年も続いてきたのは、本当にひたちなか市の協力によるものだということがわかる。
10:30~ 赤い公園 [PARK STAGE]
社長の挨拶を聞いてからダッシュでPARK STAGEに向かうと、すでに赤い公園が登場しており、「今更」を演奏しているところ。ドラムの歌川がメインステージのトップバッターのゴールデンボンバーの樽美酒に合わせて顔を白塗りにしている。
「準備運動終わり!」
と「今更」を終えると、アッパーサイドな曲を連発し、「塊」では重厚なバンドサウンドを響かせる。
「今日は友達とか家族とか恋人とかと一緒に来た人も、一人で来た人もいると思いますけど、みんな私たちと絶対的な関係になってくれますかー!?」
と佐藤千明が叫ぶと、ドラマ主題歌にもなったジャスト100秒のキラーチューン「絶対的な関係」へ。最後のフレーズを
「ロッキンだけのヒ!ミ!ツ!」
とこの日限りの歌詞に変え、大歓声を浴びる。
そしてすでにリリースが告知されているアルバムからの新曲「サイダー」を演奏。佐藤がギターを抱えて(弾くのはイントロとアウトロくらいだったけど)歌うという今までに見たことのない光景が現れ、タイトル通りに突き抜けるような爽やかなサウンドが雲一つないくらいの青空の下で響き渡る。
最後は「カウンター」から、
「爆発して終わります!」
と不穏さと情念も孕んだ「ふやける」。メンバーが一人ずつステージを去って行くと、歌川はステージ中央まで出て来て白塗りの顔を観客に見せつけてからステージを去った。
このバンドの曲には、例えば「交信」などの、すでに若き天才作曲家という評価を与えられている津野がピアノを弾く美しいバラードもあるが、そういう曲を演奏しなかったのはフェスのトップバッターということで、観客のテンションを上げ倒したいという気持ちもあったんだろうか。なんにせよ、今年のロッキンがついに始まった!
1.今更
2.のぞき穴
3.はてな
4.塊
5.絶対的な関係
6.サイダー
7.カウンター
8.ふやける
移動がてらにLAKE STAGE前を通ると、トップバッターのROTTENGRAFFTYが最後の1曲をやるところ。トップバッターとはいえ、ほぼ満員というくらいに埋まっており、これはCDJではGALAXY STAGEに間違いなくいくだろう。
11:10~ LAMP IN TERREN [WING TENT]
前回のCDJのRO JACKの覇者としてオープニングアクトに出演した、LAMP IN TERREN。夏はオープニングアクトではなく、このWING TENTのメインアクトのトップバッターとしての登場。
シンプルなスリーピースギターロックバンドという印象のバンドだが、まだ全国流通盤のなかったCDJの時とは異なり、すでにミニアルバムをリリースしたあとにライブを見ると、CDよりもバンドの演奏がはるかにエモい。ベースの中原はマイクこそないものの、常に弾きながら大きく口をあけて曲を歌っている。
そして何よりもこのバンドの武器になっているのが、松本の声。どうしたって儚さを孕んでしまうその声は、tacicaの猪狩に通じるところがあるように感じるが、tacicaのように、歌詞のストーリーに説得力を持たせている。
動員の面ではまだまだといった感じだったが、この日のライブを見た人たちは、このバンドから大きな可能性を感じたはず。演奏を終えると松本は、
「いってらっしゃい!」
と言って長時間続くフェスに観客を送り出した。
いつか、近い将来、もっと大きなステージで会いたい。
1.L-R
2.ランデヴー
3.Sleep Heroism
4.Portrait
5.緑閃光
11:55~ ACIDMAN [GRASS STAGE]
これまでに出演したすべての年でGRASS STAGEに登場。大トリを務めたこともあるACIDMANが今年は2番手という早い時間に登場。
SE「最後の国」のハンドクラップに誘われて3人がステージに登場すると、いきなりの「造花が笑う」からスタート。大木の声は非常に伸びがあり、最後の張り上げるフレーズも悠々と歌いこなし、鉄壁のバンドアンサンブルとともに力強さを感じさせる。
「この太陽の光を植物が吸収して、光合成をして、その植物を動物が食べて、その動物を人間が食べてという食物連鎖があって。つまり、光というのはすべてのものの源なんです」
という、「EVERLIGHT」を演奏する前に必ず話す「光」についてのMCをし、浦山の4つ打ちドラムのイントロから始まった「赤燈」では大きな歓声が上がり、壮大なバラード「アルケミスト」と聴かせる曲を続けると、
「このフェスのこのステージから見える景色を歌詞にした曲です」
という、このステージに立ち続けてきたこのバンドだからこそ言える言葉のあとに演奏されたのは、最新シングル「stay in my hand」。ただ、ステージ移動するために、この後の曲は歩きながら聴いた。このステージでの「ある証明」は格別なため、見ておきたかったところだが。
1.造花が笑う
2.アイソトープ
3.EVERLIGHT
4.赤燈
5.アルケミスト
6.stay in my hand
7.風、冴ゆる
8.ある証明
9.ALMA
12:50~ サンボマスター [LAKE STAGE]
知名度、動員力からしてもメインステージでいいくらいの存在(実際、近年はメインステージへの出演のほうが多い)なだけに、もうメンバーが登場する前から入場規制レベルの客入りのサンボマスター。
ゴダイゴ「モンキーマジック」のSEで登場すると、
「ひたちなか準備できてんのか、コノヤロー!
えー、他の出演者のみなさんは、実力や努力でこのステージに立っています。でも我々がこのステージに立っているのは、客頼みです!客頼み!客頼み!みなさん、今日はハッシュタグ客頼みでよろしくお願いします!」
と始まる前から笑わせつつも、いざ演奏が始まると熱狂そのもの。昼過ぎでかなり暑い状況ではあるが、客席はどんどん熱くなっていく。しかし山口がペットボトルの水を頭からかぶるのを見ると、ステージ上も相当暑かったものと思われる。
すでにワンマンでは披露されている踊れる新曲「愛してる愛して欲しい」も挟みつつ、他は鉄板の人気曲を連発するのはフェスの定番となってきている。
「渋谷ー!渋谷出て来いコノヤロー!」
と渋谷陽一社長をいじりながら、
「はい、あの曲をやりますからね。渋谷陽一からもあの曲をやれみたいな空気を感じましたからね(笑)
段取りだけ説明させていただきますと、我々がダーン!とやったら、オイオイオイオイ!と。こういう感じでお願いします!」
と言って、「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」では「愛と平和!」コールを巻き起こし、
「俺は生きてて欲しいんだ。ヒロト&マーシーにずっと生きてて欲しいように、ボブ・ディランにずっと生きてて欲しいように、キース・リチャーズにずっと生きてて欲しいように、お前らにもずっと生きてて欲しいんだ!
ノットデッド、ノットデッド、ノットデッド!ありがとうございました!サンボマスター最後の曲は、ロックンロール イズ ノットデッド!」
と言って、「ロックンロール イズ ノットデッド」で終了。サンボマスターは毎回本当に期待以上のライブをやってくれるし、本当に楽しかったけど、でもやっぱり、このバンドはGRASS STAGEでしょ!
1.世界をかえさせておくれよ
2.ミラクルをキミとおこしたいんです
3.愛してる愛して欲しい (新曲)
4.そのぬくもりに用がある
5.世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
6.できっこないを やらなくちゃ
7.ロックンロール イズ ノットデッド
13:30~ さよなら、また今度ね [WING TENT]
2年連続(RO JACK枠のオープニングアクトから含めると3年連続)でのWING TENT出演となる、さよなら、また今度ね。
佐伯香織がメインボーカルを務めるという珍しい「ミルクアイス」もありながらも、やはりボーカル菅原達也の奇妙なアクションを交えながらの歌唱に目がいく。ドラム渋谷はいつものようにカエルの被り物を被って演奏している。
暗い曲なのにどこかやはりポップな「素通り」から、来月リリースされる新作からの「クラシックダンサー」と、キラーチューン「輝くサラダ」「踏切チック」などをやらないという挑戦的な選曲で展開し、
「サッカーに全く詳しくないのに日本代表のユニフォームを着てきてしまった」
という菅原の訳わからないMC同様に、曲自体もわけわからないながらもポップというこのバンドならではの魅力を発揮。
「いつもは100人とか200人の前でやってるから、普段の倍以上集まってくれて嬉しい!」
と言い、観客に投げキッスを連発しまくっていた菅原。去年より明らかに人が増えていただけに、そろそろ次のステージへ進めるだろうか。というか現時点でもっと人気出てもいい感じするけど。
1.信号の奴
2.ミルクアイス
3.2秒で手に入る
4.素通り
5.クラシックダンサー (新曲)
6.瑠璃色、息白く
7.僕あたしあなた君
14:00~ HEY-SMITH [LAKE STAGE]
去年は初日のLAKE STAGEのトップバッターだったHEY-SMITH、今年は同じく初日だが、一番暑い時間帯に登場。しかしその暑さをすぐさま熱さに変えてしまうバンドと観客。
Ioriと満のホーンセクションは上半身裸で暴れまわりながらサックスとトランペットを吹き、スカダン、ヘドバン、サークルなど、ダイブ以外の様々な楽しみ方でどんどん熱さを増して行く。
猪狩もその様子を見てか、
「水分補給や!」
と言って水を客席に投げ込みまくり、
「このフェスにはこのフェスなりのルールがあるわ。でもルールの中でやりたいことやっていけよ!」
と言い、このフェスに向けた「The First Love Song」を演奏。
そこからも全く勢いを緩めることはなく、ラストは1分間の爆裂パンクナンバー「Come back my dog」で左回りのダッシュが多発するという壮観な景色を見せて終了。終わると、転換中にはドリンクコーナーに長蛇の列ができていたくらいに観客も完全燃焼だった。
1.Endless Sorrow
2.Download Me If You Can
3.Skate Or Die
4.Like A Gentleman
5.Jump!!
6.Living In My Skin
7.The First Love Song
8.Lonely With Everyone
9.We sing our song
10.True Yourself
11.Come back my dog
15:10~ LUNKHEAD [PARK STAGE]
メンバー全員でサウンドチェックをしていると、開演時間前から集まってくれたファンに対し、
「早い時間から来てくれたみんなのために、なんのチェックにもならない曲だけど」
と言い、「夏の匂い」を演奏したLUNKHEAD。先週のMURO FESでもサウンドチェックで演奏していたが、この日は1曲まるまる演奏してくれた。
時間になると、
「帰ってきたぞ、ひたちなかー!ロキノン系バンド、LUNKHEADです!」
と小高(ボーカル&ギター)が叫んだ。そう、LUNKHEADは実に6年ぶりのこのフェスへの帰還となったのだ。
「シンドローム」からスタートすると、まさにこの場所でライブすることそのもののような「前進/僕/戦場へ」を演奏し、小高のMC。しかしながら、小高は感極まり、
「ヤバい、泣きそう…」
と声に詰まりながら、
「でも、俺たちはこのフェスに出るのが目標だったんじゃない。6年間苦しいことや悲しいこともあったけど、俺たちは、俺たちのライブを見て、同じように苦しいことや悲しいことがあるみんなが普段の生活を前向きになってくれるようになったらいいなと思ってステージに立ってます!」
と語り、「生きているから」、そして小高がハンドマイクで歌い、合田が駆け回ったり文字とおりぐるぐる回りながらベースを弾く「ぐるぐる」へ。曲中でいったん演奏を止めると、
「6年間苦しいこともたくさんあったけど、俺たちにはこんなにたくさんの味方がおる!みんな、後ろ見てみい!何人おるんやろなぁ。みんな、このあとさらに盛り上がって、フェスのスタッフに、来年も、年末のカウントダウンにもLUNKHEADを呼ばなきゃダメだな、って思わせたれやー!」
と叫んで演奏再開し、さらにまさにこの場面のために作ったかのような夏祭り感あふれる最新曲「スターマイン」では観客がうちわを扇ぎ、
「我々LUNKHEAD、6年ぶりの出演ですが、結成10周年になります!毎年新しいバンドがたくさん出てきますが、まだまだLUNKHEADは健在でございます!」
と合田が語り、ラストは「カナリアボックス」。曲中に小高が客席やメンバーの写真を撮りまくって終了し、
「絶対にまた帰ってくるけん!」
と叫んだ。ベストアクト候補筆頭というくらいにメンバーの嬉しさが溢れまくったライブだったが、こうしてLUNKHEADが帰ってきたということは、盟友つばきや、APOGEE、the ARROWS、planeなどの、同じ時期に小さいステージに出ていたバンドも、続けてさえいればいつかまたこのフェスに帰ってこれる可能性を示したとも言える。待ってる人、いっぱいいるとおもうんだよなぁ。
1.シンドローム
2.前進/僕/戦場へ
3.生きているから
4.ぐるぐる
5.スターマイン
6.カナリアボックス
そのあと、WING TENTにてBUZZ THE BEARSを半分くらい見る。メロコア×4つ打ちというフェスで盛り上がるの間違いなしなバンドで、実際にボーカルの越智が、
「去年よりここから見える景色が良くなっているのが嬉しい」
と言っていた。「光り」が聴けて嬉しかったが、次のバンドのために早めに移動したため、新作のキラーチューン「全てを」を聴くことができず。ただ、早めに移動しないと次のバンドのステージに入れなくなっていたかもしれない。なぜなら、次は…
1.タイムマシーン
2.ピエロ
3.光り
4.雨
5.声
6.シェアタイム
7.全てを
8.約束
16:20~ KANA-BOON [LAKE STAGE]
去年のWING TENTからLAKE STAGEにジャンプアップしたKANA-BOON、やはり始まる前から入場規制レベルである。
SEもなしに登場すると、「ワールド」からスタート。このバンドのイメージでもある、キャッチーな4つ打ちナンバーを連発していくのだが、バンドの演奏も谷口のボーカルも、このキャパにふさわしいというか、超えてるくらいの成長を見せている。
飯田「去年、向こうのテントに出たんやけど、時間の都合で見たかったmiwaが見れなくて…」
谷口「なんでmiwaやねん。さん付けしろや」
飯田「美輪さん?」
谷口「意味変わってくるやん!(笑)」
飯田「昔、携帯の待ち受けを美輪さんの画像にするとお金が貯まるっていう話あったよな(笑)」
という話で笑わせると、
「決して盛り上がる曲ではないんやけど」
と前置きして、月末にリリースされるシングル「生きてゆく」を演奏。すでにNANO-MUGENでも演奏されたが、この曲によって、KANA-BOONの「4つ打ちバンド」という偏見を消えるだろうか。まだ2回しか聴けていないが、非常にいい曲だと思うので、バンドの新しい代表曲になってほしい。
バンドのグルーヴを炸裂させた「盛者必衰の理、お断り」から、
「みなさん、お腹は空きましたか?フェスは食べ物もいっぱい美味しいのがありますけど、やっぱりチャーハンが最強でしょう!」
と「ないものねだり」から、ラストは「フルドライブ」で終了。フェスだと毎回やたらと時間が巻き気味で終わってしまうのが気になるところではある(もう1曲やってもいいくらいの時間は残ってた)が、来年は間違いなくGRASS STAGEに立っているだろう。
1.ワールド
2.1.2. step to you
3.ウォーリーヒーロー
4.生きてゆく (新曲)
5.盛者必衰の理、お断り
6.ないものねだり
7.フルドライブ
16:55~ ART-SCHOOL [SOUND OF FOREST]
だが、KANA-BOONが巻いたことにより、本来ちょっと被り気味だったART-SCHOOLをガッツリ観れることに。
藤田勇(ドラム)、中尾憲太郎(ベース)のサポート2人を加えた4人で登場し、「ロリータキルズミー」でスタート。しかし、木下理樹はやはり声が全然出ていない。だが、それが決して「ダメだな」とはならず、むしろこのバンドらしいとすら思えてしまうのはある意味ですごいことである。戸高は夏の野外ということで涼しげな出で立ち。
中盤には最新アルバム収録曲から、「YOU」では美しいコーラスを聴かせたucary valentineをゲストに迎える。先日のthe HIATUSのツアーにも参加していたが、髪の色がまるっきり変わっていたので、声を聴くまでは同じ人物だと思わなかった。
さらに「革命家は夢を見る」では叙情的なラップを聴かせる環ROYが登場したのだが、どちらのゲストを招いた時にも、木下の紹介の時のしゃべる声が小さすぎて何を言っているのかわからず。
終盤は、
「ここからは暴力的な曲しかやらないんで、暴力的に楽しんでください」
と言って定番曲を連発。「あと10秒で」では木下の煽りで手拍子が起きたが、CDJのGALAXY STAGEでの大入り具合に比べたら、ちょっと寂しい客入りではあった。しかし、
「また来年会いましょう」
と木下が最後に言った通り、ずっと出演してきたこのフェスの常連中の常連なだけに、来年以降もこのステージに立っていてほしい。
1.ロリータキルズミー
2.Promised Land
3.スカーレット
4.YOU
5.革命家は夢を見る
6.UNDER MY SKIN
7.FADE TO BLACK
8.あと10秒で
17:30~ SAKANAMON [PARK STAGE]
去年はWING TENTの大トリを務めたSAKANAMON、今年はPARK STAGEに登場である。SUPER BUTTER DOG「コミュニケーション・ブレイクダンス」のSEで登場すると、「花色の美少女」「ミュージックプランクトン」と爽やかかつキャッチーなギターロックを続けると、「空想イマイマシー」では曲の間に、同じ時間にメインステージに出演しているマキシマム ザ ホルモンの「恋のメガラバ」を演奏し、ホルモンを見ずにこのバンドを見ていた腹ペコたちのお腹を満たす。
藤森「我々、1年ぶりの出演です!」
森野「当たり前だろ!みんな1年ぶりだよ!(笑)」
という藤森(ボーカル&ギター)の天然ぶりとお笑いが大好きな森野(ベース)のツッコミ体質が炸裂した挨拶から、10月にリリースされることが発表されたミニアルバムからの新曲「アリカナシカ」を演奏。完全に「アリ」としか言いようがないくらいに初披露とは思えない盛り上がりを見せると、
森野「去年はPerfumeの真裏だったんで、今年はそれは勘弁してくださいよ~って言ったら、今年はホルモンとELTの真裏になった(笑)」
と強敵の裏になりながらも、この時間に自分たちを選んでくれた観客への感謝を告げ、「マジックアワー」のラストには藤森が
「愛してるよ、ジャパーン!」
と叫び、「シグナルマン」では
「閃光のジャスティスロード」
の合唱を起こして、ラストの踊れる「TOWER」でも合唱を巻き起こした。森野は来年、さらに年末のCDJへの出演を懇願するなど、かつては観客として参加していたフェスなだけに、まだ2回目の出演ながら、本当にこのフェスが好きな様子。実際に、翌日も出演しないのに他のバンドのライブを見にきていた。
1.花色の美少女
2.ミュージックプランクトン
3.空想イマイマシー
4.アリカナシカ (新曲)
5.マジックアワー
6.シグナルマン
7.TOWER
18:30~ avengers in sci-fi [BUZZ STAGE]
すっかりあたりも暗くなってきた中、今年DJブースからBUZZ STAGEに生まれ変わったステージにはavengers in sci-fiが登場。長谷川が先に一人で登場し、ドラムを叩き始めると、木幡と稲見はステージに姿を現していないのに、ギターとベースの音も聴こえてくる。すると袖から、すでにそれぞれギターとベースを弾きながら登場し、最新アルバム「Unknown Tokyo Blues」収録の「Tokyo Techtonix」からスタートし、ゆったり目のBPMで体を揺らす。
すると一転して「Yang2」「Psycho Monday」で狂熱のダンスフロアと化し、ステージ背面のモニターには映像が映し出される。これまでは昼の野外という、このバンドにとっては似合うとは言えない環境での出演だっただけに、この時間のこのステージでの起用は大正解だと思う。
「Homosapiens Experience」でさらに加熱させるも、曲が終わると木幡が、
「やっぱりフェスは楽しいよね。でも、ただ楽しいだけじゃダメだよね。やっぱりかっこいい音楽で楽しくなってほしい。俺たちは自分たち自身で恥ずかしくない作品を作ってるつもりだよ。ひっそりとアルバム出してるし、ツアーもやったりしてるから、かっこいい音楽が好きな人はチェックしてみてください」
という、あえてフェスの場で言うにはリスクも伴う発言をしたのは、現在の楽しい音楽全盛のフェスに対する警鐘であるとともに、今のバンドのモードそのものを表している。客席からはこの勇気ある発言に拍手が起こり、ラストはその言葉を象徴するかのような新作のリード曲「Citizen Song」。激しく踊ったり暴れたりしたい人たちはおそらく最近のこのバンドのモードにはついていけないところもあると思う。でも、遅かれ早かれ、「SIENCE ROCK」「JUPITER JUPITER」の路線を続けていたら、それはそれですぐ飽きられるだろうし、バンド自身も身動きが取れなくなってしまう。そういう意味では、このバンドが新作のようなアルバムで、「こういう曲でも楽しく踊れるよ」と証明してくれれば、「踊れるバンド」と括られるバンドたちももっと幅広い音楽をやって受け入れられるようになるんじゃないかと思う。
1.Tokyo Techtonix
2.Yang2
3.Psycho Monday
4.Superstar
5.Homosapiens Experience
6.Citizen Song
19:00~ KICK THE CAN CREW [GRASS STAGE]
社長が朝礼でも話していたように、2000年の第一回のこのフェスのDJブースに出演し、活動休止後もKREVAのステージにMCUとLITTLEが登場していたりしたが、ついにKICK THE CAN CREWとして復活。
満員の観客が待ち受ける中、かつてのDJ SHUHOではなく、熊井吾郎がDJに陣取り、「マルシェ」のイントロで3人が登場すると、いきなり特効が炸裂。活動休止後もそれぞれがソロやユニットなどで腕を磨いてきただけに、ラップは全く衰えていないどころか、むしろ切れ味を増している感すらある。
「地球ブルース~337~」ではMCUが
「来年で40です」
と、10年の月日の経過を実感させる歌詞変えを行い、Perfumeの自己紹介をまるまるパクった挨拶をすると、
「すごい数の人だけど、そんなに知ってる曲ないぞ?でも大丈夫。知らなくても楽しめるから。次は俺らのメジャーデビューシングル。オリコン初登場94位(笑)」
とKREVAが自虐的に語り、「スーパーオリジナル」から「カンケリ01」という懐かしの曲を続けると、
「朝、渋谷さんも言ってたけど、俺たち2000年の第一回の時に100人くらいしかいないDJブースに出て。その時メインステージでSugar Soulがやってたんだけど、俺たちの音がうるさいって怒られて(笑)
でもその時怒られた曲を、このたくさんの人の前でやってみたいと思います!」
と「GOOD TIME!」を披露。さらに「ユートピア」とメロウな流れから、
「今やみんなが知ってる曲なんかないじゃん?恋するフォーチュンクッキーくらいでしょ?(笑)
どんだけ音楽が大好きな人でも、このフェスに出てる全てのアーティストの曲は知らないはず。でもこっからは、みんなが知ってる曲を連発したいと思います!知らないってやつがいたらこう言うんだよ。sayonara sayonaraって」
と「sayonara sayonara」から、
LITTLE「まだ何も終わってないぜ!」
と「イツナロウバ」、そしてお待ちかねの「アンバランス」で本編は終了。
アンコールでは、雪が降ってるかのような演出の中、なんと3人がダウンジャケットを羽織って登場し、まさかの「クリスマス・イブRap」。山下達郎のボーカルパートをKREVAが歌ったのだが、これは少しでもみんなが知っている曲を聴かせたいという3人のファンサービスによるものだろう。
「やっぱりダウンはない!」
と言いながら3人がダウンを脱ぐと、ラストは初期の「タカオニ2000」。メンバーからは
「今日がこれからの俺たちの活動につながっていったらいい」
という前向きな発言も聞かれ、これからのKICKの活動に期待を抱かせたし、何よりもこの日のライブそのものが本当に素晴らしかった。新曲はやらなかったが、もしかしたら近いうちに聴ける日も来るような気がする。
1.マルシェ
2.地球ブルース ~337~
3.スーパーオリジナル
4.カンケリ01
5.GOOD TIME!
6.ユートピア
7.sayonara sayonara
8.イツナロウバ
9.アンバランス
encore
10.クリスマス・イブRap
11.タカオニ2000
というわけであっという間に初日が終了。本当に年々あっという間に感じる。


