a flood of circle 8th Anniversary Oneman Live "レトロスペクティブ" Parade Go To Zoo @東京キネマ倶楽部 7/17
- 2014/07/18
- 11:53
前日に続いて東京キネマ倶楽部へ。この日はa flood of circleのワンマン2日目。ライブタイトルからも察せられるように、2ndアルバム「Paradox Parade」と3rdアルバム「ZOOMANITY」の曲を演奏する日。
一応まとめると、2009年4月に1stアルバム「Buffalo Soul」がリリースされており、わずか7ヶ月後の11月に「Paradox Parade」リリース、さらに翌年に「ZOOMANITY」リリースしており、2年でフルアルバム3枚という驚くべきペースである。
また、「Buffalo Soul」ツアーファイナル直前にギタリスト岡庭が失踪し、初代サポートギタリスト奥村大に代わり、この時期から現在に至るまでサポートギタリストを務める曽根巧が参加している。
この日も開場中はDJ片平実が会場の空気にあったムーディーな選曲のDJをし、19:30にSEが鳴ってメンバーが登場。この日も亮介は黒の革ジャン。
しばしメンバーがジャムってから、「Paradox Parade」のオープニングナンバー「博士の異常な愛情」でスタート。「Ghost」と「Paradox~」の曲を続けたのだが、リリース当時の聴き入ってた空気が嘘のように、前日同様に激しいモッシュとダイブが序盤から繰り広げられる。ちなみに「Ghost」は「Paradox~」収録曲にもかかわらず、「Buffalo Soul」ツアーですでに演奏されていたのだが、覚えている人はいるだろうか。
「おはようございます。a flood of circleです。2日目。今日はマジでレアいから!」
と亮介が挨拶すると、そこからは「ZOOMANITY」の曲を続ける。決して盛り上がるイメージのない、ドラム渡邉作曲の「Black Magic Fun Club」でも熱狂が巻き起こると、亮介も思わず、
「この曲でこんなに盛り上がるとは(笑)みんなよくこの曲知ってるね(笑)」
と漏らす。
「俺はParadox Paradeっていうアルバムが大好きで。このアルバムは俺がアニキのように慕ってる奥村大さん(wash?)を始め、4人の最高なギタリストの力を借りて作ったアルバムで。まぁ関東の奥村大、関西の曽根巧みたいな(笑)」
と、THE BACK HORN・栄純、FoZZtone・竹尾、椿屋四重奏・安高、そして奥村大への感謝を告げると、「Paradox~」ゾーンに突入。亮介本人も大好きだと言っており、ファンからも人気が高いアルバムだと思うのだが、アルバムのツアー以降演奏されてない曲も多いので、これは今となっては昨日のインディーズ期の曲よりもレアい。
まさに何色にも輝くような「プリズム」の照明の美しさも手伝って、本当にこのアルバムは佳曲ぞろいだと再確認するのだが、個人的にはこのアルバムの最大の肝は「水の泡」と「月に吠える」のバラード2曲である。それ以前にも「ノック」「SWIMMING SONG」「308」などの名バラードを生み出してきたバンドだが、この2曲によって、ただ熱狂させるだけのバンドではなく、美しいメロディーと歌詞を書くことが出来るバンドであると証明したと思っている。
この日もまさに水の中にいるかのような青い光の照明が美しかった「水の泡」、
「中学まではガットギターしか持ってなかったんだけど、高校生になってエレキを手にいれて。この曲のイントロがすぐできたんだけど、そんな曲をこうしてここで演奏できて本当に嬉しいです」
と亮介が曲を紹介した「月に吠える」は本当に心に沁みた。後ろにいた人たちから、鼻をすする音が聞こえていたのだが、やはりこの曲を聴いて泣いていたんだろうか。
HISAYOが、
「昔の曲からさかのぼって練習してたんだけど、昔のを聴くと、青いなーというか、ちゃんとこの子たち、できることが増えてきてるなーって」
と言ったり、曽根が、
「俺はこの子らと違ってレコーディングすぐ終わるから。この子らは何回も録ろうとするんやけど、俺はすぐ終わって暇やから、ダーツやってて。すぐ飽きたからメンバーを後ろ向きに立たせてメンバーのケツに向かってダーツ投げてた(笑)」
と、何故か亮介と一丘を子供扱いするかのような話し方をし、亮介も
「今日はなんかムカつくわー(笑)」
と笑いながら言うと、今でもたまにライブで演奏する「Forest Walker」、以前にTHE BACK HORN栄純を迎えて演奏されたこともある「噂の火」を終えると、
「こっからさらにヤバくなるからな!飛んでくるのは全然いいけど、男は女を守れよ!」
と言い、ハンドマイクで客席に乗り出しながら「Chameleon Baby」を歌い、最後には2階のDJ卓の前まで行き、柵に足をかけて歌った。
亮介が再びギターを手にすると、曲中のカウントダウンが特徴のカップリング曲「Quiz Show」、そして「Human License」へ。この曲が出る前から、バンドはいろんなフェスに出るようになった。そういう場で勝負できる曲として作られたこの曲は、「Paradox Parade」までの、モッシュやダイブが全く発生しない客席を、モッシュやダイブがあって当たり前という現在のような客席に変えた。そしてそれが過去の曲でもガンガンモッシュやダイブが発生するようになったことを考えると、この曲はバンドにとって本当に大きな転換点となったと思う。よってこのあたりから客層が入れ替わってきたってのもあるだろう。
ライブアレンジでの曽根のギターが熱狂を煽りまくるアウトロからつながるような「ロストワールド・エレジー」から、「最後の晩餐」という「ZOOMANITY」の曲を続けて本編は終了。
アンコールでは亮介が、
「この間、愛媛のSUNBURSTっていうフェスに出て。すごいいいフェスだったんだけど、物販がマネージャーしかいなかったから手伝いに行って。そしたら同い年くらいの男性の方が来てくれて。子供が生まれたんです、って言って子供の写真を見せてくれて、その子供がめちゃくちゃ可愛かったんだけど、その子に亮介って名前をつけたんです、って言われて。バンドに命をかける理由がまた1つ増えたなって思って。
7月1日以降、俺は日本がよくない方向に向かってると思ってて。でも20年後にその亮介君が20歳になった時、俺や、みんながしっかりした大人になってなきゃいけないなって思って」
というエピソードを話した。亮介が社会的、政治的なことをステージ上から話すことはそう多くはないけど、それほどまでに言いたいことだったんだと思う。
そして哀愁あふれる名ブルースバラード「コインランドリー・ブルース」から、最後は
「この4人の始まりの曲!」
と言って、HISAYO加入後、最初にリリースされた「Miss X DAY」で終了。この曲はてっきり明日演奏するものかと思っていたが、この日に演奏したのは曲数の調整的な意味もあったんだろうか。
亮介もMCで、
「昔の曲をやるといろいろ思い出すこともある」
と言っていたが、それはこのバンドを見てきた側も同じ。この日の選曲で思い出すのは、「ZOOMANITY」ツアーファイナルの赤坂BLITZワンマン終了直後に脱退したベース石井のこと。
石井脱退後にHISAYOが加入して、現在までがバンド1番の安定期と言ってもいい時期に突入しているし、HISAYOのベースの技術の高さとステージ上での華はもはやバンドに欠かせないものとなっている。
バンド内ではいじられキャラであった石井だが、対バンやイベントの出演時にはメンバーで最も率先して物販に立つ姿をよく見ていた。それは彼なりのバンドに少しでも貢献したいという気持ちの現れだったのかもしれない、と今になると思う。
石井も、「Buffalo Soul」ツアーファイナル直前に失踪した岡庭も、それからどうなったのかということはメンバーからは語られていない。それはこのバンドが常に「未来」を見据えて活動しているからだが、こうして過去の曲のみを演奏するライブを見ると、彼らは今どうしているのだろうか、とも思う。もう音楽はやってないだろうけど、彼らがいなければこのバンドは間違いなく世に出てきていなかった。それだけに自分は2人に感謝しているし、何をしているかはわからなくても、幸せな人生であってほしいと願っている。
この日で過去に脱退したメンバーがレコーディングした曲は全て演奏し尽くした。翌日はこの4人になってからの曲のみを演奏する。ひたすらに「先」のみを見据えるバンドなだけに、さらなる新曲の披露もあるのだろうか。
1.博士の異常な愛情
2.Ghost
3.フェルディナン・グリフォン・サーカス
4.百鬼夜行
5.Silent Noise=Avant-garde Punk
6.Black Magic Fun Club
7.Paradox
8.アンドロメダ
9.Flashback&Flashlight
10.プリズム
11.水の泡
12.月に吠える
13.Forest Walker
14.噂の火
15.Chameleon Baby
16.Quiz Show
17.Human License
18.ロストワールド・エレジー
19.最後の晩餐
encore
20.コインランドリー・ブルース
21.Miss X DAY
Human License
http://youtu.be/Z7yfcQSfKPE
一応まとめると、2009年4月に1stアルバム「Buffalo Soul」がリリースされており、わずか7ヶ月後の11月に「Paradox Parade」リリース、さらに翌年に「ZOOMANITY」リリースしており、2年でフルアルバム3枚という驚くべきペースである。
また、「Buffalo Soul」ツアーファイナル直前にギタリスト岡庭が失踪し、初代サポートギタリスト奥村大に代わり、この時期から現在に至るまでサポートギタリストを務める曽根巧が参加している。
この日も開場中はDJ片平実が会場の空気にあったムーディーな選曲のDJをし、19:30にSEが鳴ってメンバーが登場。この日も亮介は黒の革ジャン。
しばしメンバーがジャムってから、「Paradox Parade」のオープニングナンバー「博士の異常な愛情」でスタート。「Ghost」と「Paradox~」の曲を続けたのだが、リリース当時の聴き入ってた空気が嘘のように、前日同様に激しいモッシュとダイブが序盤から繰り広げられる。ちなみに「Ghost」は「Paradox~」収録曲にもかかわらず、「Buffalo Soul」ツアーですでに演奏されていたのだが、覚えている人はいるだろうか。
「おはようございます。a flood of circleです。2日目。今日はマジでレアいから!」
と亮介が挨拶すると、そこからは「ZOOMANITY」の曲を続ける。決して盛り上がるイメージのない、ドラム渡邉作曲の「Black Magic Fun Club」でも熱狂が巻き起こると、亮介も思わず、
「この曲でこんなに盛り上がるとは(笑)みんなよくこの曲知ってるね(笑)」
と漏らす。
「俺はParadox Paradeっていうアルバムが大好きで。このアルバムは俺がアニキのように慕ってる奥村大さん(wash?)を始め、4人の最高なギタリストの力を借りて作ったアルバムで。まぁ関東の奥村大、関西の曽根巧みたいな(笑)」
と、THE BACK HORN・栄純、FoZZtone・竹尾、椿屋四重奏・安高、そして奥村大への感謝を告げると、「Paradox~」ゾーンに突入。亮介本人も大好きだと言っており、ファンからも人気が高いアルバムだと思うのだが、アルバムのツアー以降演奏されてない曲も多いので、これは今となっては昨日のインディーズ期の曲よりもレアい。
まさに何色にも輝くような「プリズム」の照明の美しさも手伝って、本当にこのアルバムは佳曲ぞろいだと再確認するのだが、個人的にはこのアルバムの最大の肝は「水の泡」と「月に吠える」のバラード2曲である。それ以前にも「ノック」「SWIMMING SONG」「308」などの名バラードを生み出してきたバンドだが、この2曲によって、ただ熱狂させるだけのバンドではなく、美しいメロディーと歌詞を書くことが出来るバンドであると証明したと思っている。
この日もまさに水の中にいるかのような青い光の照明が美しかった「水の泡」、
「中学まではガットギターしか持ってなかったんだけど、高校生になってエレキを手にいれて。この曲のイントロがすぐできたんだけど、そんな曲をこうしてここで演奏できて本当に嬉しいです」
と亮介が曲を紹介した「月に吠える」は本当に心に沁みた。後ろにいた人たちから、鼻をすする音が聞こえていたのだが、やはりこの曲を聴いて泣いていたんだろうか。
HISAYOが、
「昔の曲からさかのぼって練習してたんだけど、昔のを聴くと、青いなーというか、ちゃんとこの子たち、できることが増えてきてるなーって」
と言ったり、曽根が、
「俺はこの子らと違ってレコーディングすぐ終わるから。この子らは何回も録ろうとするんやけど、俺はすぐ終わって暇やから、ダーツやってて。すぐ飽きたからメンバーを後ろ向きに立たせてメンバーのケツに向かってダーツ投げてた(笑)」
と、何故か亮介と一丘を子供扱いするかのような話し方をし、亮介も
「今日はなんかムカつくわー(笑)」
と笑いながら言うと、今でもたまにライブで演奏する「Forest Walker」、以前にTHE BACK HORN栄純を迎えて演奏されたこともある「噂の火」を終えると、
「こっからさらにヤバくなるからな!飛んでくるのは全然いいけど、男は女を守れよ!」
と言い、ハンドマイクで客席に乗り出しながら「Chameleon Baby」を歌い、最後には2階のDJ卓の前まで行き、柵に足をかけて歌った。
亮介が再びギターを手にすると、曲中のカウントダウンが特徴のカップリング曲「Quiz Show」、そして「Human License」へ。この曲が出る前から、バンドはいろんなフェスに出るようになった。そういう場で勝負できる曲として作られたこの曲は、「Paradox Parade」までの、モッシュやダイブが全く発生しない客席を、モッシュやダイブがあって当たり前という現在のような客席に変えた。そしてそれが過去の曲でもガンガンモッシュやダイブが発生するようになったことを考えると、この曲はバンドにとって本当に大きな転換点となったと思う。よってこのあたりから客層が入れ替わってきたってのもあるだろう。
ライブアレンジでの曽根のギターが熱狂を煽りまくるアウトロからつながるような「ロストワールド・エレジー」から、「最後の晩餐」という「ZOOMANITY」の曲を続けて本編は終了。
アンコールでは亮介が、
「この間、愛媛のSUNBURSTっていうフェスに出て。すごいいいフェスだったんだけど、物販がマネージャーしかいなかったから手伝いに行って。そしたら同い年くらいの男性の方が来てくれて。子供が生まれたんです、って言って子供の写真を見せてくれて、その子供がめちゃくちゃ可愛かったんだけど、その子に亮介って名前をつけたんです、って言われて。バンドに命をかける理由がまた1つ増えたなって思って。
7月1日以降、俺は日本がよくない方向に向かってると思ってて。でも20年後にその亮介君が20歳になった時、俺や、みんながしっかりした大人になってなきゃいけないなって思って」
というエピソードを話した。亮介が社会的、政治的なことをステージ上から話すことはそう多くはないけど、それほどまでに言いたいことだったんだと思う。
そして哀愁あふれる名ブルースバラード「コインランドリー・ブルース」から、最後は
「この4人の始まりの曲!」
と言って、HISAYO加入後、最初にリリースされた「Miss X DAY」で終了。この曲はてっきり明日演奏するものかと思っていたが、この日に演奏したのは曲数の調整的な意味もあったんだろうか。
亮介もMCで、
「昔の曲をやるといろいろ思い出すこともある」
と言っていたが、それはこのバンドを見てきた側も同じ。この日の選曲で思い出すのは、「ZOOMANITY」ツアーファイナルの赤坂BLITZワンマン終了直後に脱退したベース石井のこと。
石井脱退後にHISAYOが加入して、現在までがバンド1番の安定期と言ってもいい時期に突入しているし、HISAYOのベースの技術の高さとステージ上での華はもはやバンドに欠かせないものとなっている。
バンド内ではいじられキャラであった石井だが、対バンやイベントの出演時にはメンバーで最も率先して物販に立つ姿をよく見ていた。それは彼なりのバンドに少しでも貢献したいという気持ちの現れだったのかもしれない、と今になると思う。
石井も、「Buffalo Soul」ツアーファイナル直前に失踪した岡庭も、それからどうなったのかということはメンバーからは語られていない。それはこのバンドが常に「未来」を見据えて活動しているからだが、こうして過去の曲のみを演奏するライブを見ると、彼らは今どうしているのだろうか、とも思う。もう音楽はやってないだろうけど、彼らがいなければこのバンドは間違いなく世に出てきていなかった。それだけに自分は2人に感謝しているし、何をしているかはわからなくても、幸せな人生であってほしいと願っている。
この日で過去に脱退したメンバーがレコーディングした曲は全て演奏し尽くした。翌日はこの4人になってからの曲のみを演奏する。ひたすらに「先」のみを見据えるバンドなだけに、さらなる新曲の披露もあるのだろうか。
1.博士の異常な愛情
2.Ghost
3.フェルディナン・グリフォン・サーカス
4.百鬼夜行
5.Silent Noise=Avant-garde Punk
6.Black Magic Fun Club
7.Paradox
8.アンドロメダ
9.Flashback&Flashlight
10.プリズム
11.水の泡
12.月に吠える
13.Forest Walker
14.噂の火
15.Chameleon Baby
16.Quiz Show
17.Human License
18.ロストワールド・エレジー
19.最後の晩餐
encore
20.コインランドリー・ブルース
21.Miss X DAY
Human License
http://youtu.be/Z7yfcQSfKPE
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a flood of circle 8th Anniversary Oneman Live "レトロスペクティブ" a flood of circleのメロディーとソウル @東京キネマ倶楽部 7/16