ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN FES.2014 @横浜アリーナ 7/12
- 2014/07/13
- 02:34
昨年はサーキット形式だったためにアリーナでは開催されなかった、アジカンの主催する国内と海外のアーティストを交えたフェス、NANO-MUGEN FES.。今年で5回目の参加。
台風が通り過ぎた影響なのか、かなり暑い天気の中、10時に開場すると、すでに物販が長蛇の列。入場してから配られたタイムテーブルを見ると、トップバッターがKANA-BOONで、そこからも絶対見たいアーティストが目白押しのため、すぐさま列に並び、オフィシャルTシャツを購入。
開演前にはアジカンのリズム隊、山田&伊地知が登場し、完全になんの打ち合わせもしていないであろう前説をしてから、今年のNANO-MUGENのトップバッターが登場。
11:30~ KANA-BOON [MAIN STAGE]
前説で山田&伊地知に「今1番勢いがあると言っても過言ではない若手バンド」と紹介された、アジカンのレーベルの後輩にあたるKANA-BOON。そもそもレーベルの記念ライブでアジカンのオープニングアクトとして共演しており、最近は雑誌でゴッチと谷口鮪の対談も行われた。
SEもなしにメンバーが登場すると、いきなり谷口のギターのカッティングが鳴り、「ないものねだり」からスタート。
「ゆらゆらゆらゆら 僕の心~」
のおなじみのコール&レスポンスをするも、最初はレスポンスがイマイチ。しかし、谷口が
「朝イチで声出ないかもしれないですけど、大きな声でお願いします!」
と言うと、ラストの
「ナノナノナノナノナノナノ ナノムゲンー!」
では大きなレスポンスが返ってくる。
谷口「僕らは表舞台に出てこれたのがアジカンのおかげなんで…」
という真面目なエピソードもあれば、
飯田「ナノムゲンは海外のバンドも出るんで、出演者の横に(UK)とか、出身国が書いてあって、かっこええなーって思ってたんやけど、グッドモーニングアメリカ(JAPAN)ってなんのことかわからんし、そもそもグッドモーニングなのに朝イチですらない(笑)」
という笑わせる話もありつつ、初見の人が多いのを意識したと思われるキラーチューンだらけのセトリ。
基本的に自分はフェスのトップバッターはアッパーなアクトのほうが、フェスが始まった!という感じがして好きなので、2年前のDr.DOWNERや今回のKANA-BOONはまさにうってつけなのだが、そんなアッパーな曲連発のKANA-BOONの今日のライブにおいて、最も良かったのが、決してアッパーではない新曲「生きてゆく」。上京前に作った曲らしいが、「4つ打ちウェイウェイバンド」と言われることも多いKANA-BOONの軸は、やっぱりメロディの良さであることを再確認させてくれる。
これからたくさんのフェスに出演し、地元大阪で野外ワンマンまで行う、KANA-BOONの長い夏が始まった。
1.ないものねだり
2.1.2. step to you
3.ウォーリーヒーロー
4.結晶星
5.盛者必衰の理、お断り
6.生きてゆく (新曲)
7.フルドライブ
フルドライブ
http://youtu.be/adK2Fol2SkM
12:20~ It's A Musical [ELECTRIC STAGE]
海外勢のトップバッターを飾るのは、キーボード&ボーカルの女性とドラム&コーラスの男性の2人組、It's A Musical。編成自体がシンプルなので、音数が非常に少なく、そのぶん2人のハーモニーの美しさが際立つ。
ユニット名的にどんなトリッキーなことをするんだろうか、というワクワクもあったが、ドラムがスティックを高く放り投げてキャッチするという技を見せて拍手を受けた以外は心地よく曲を演奏していく、といった感じ。
挨拶程度の日本語も披露し、最後にはボーカルがシンバルを、ドラムがグロッケンまで叩くという2人組ならではの工夫も見せた。なんかUKっぽくもUSっぽくもないなーと思ったら、ドイツとスウェーデンの出身なんだとか。世界は広い。
the music makes me sick
http://youtu.be/OzVpSkYDjS8
13:15~ TEGAN AND SARA [MAIN STAGE]
ここでゴッチと喜多の2人が登場し、「NADA SURFに続いて、アジカンが呼んだった、的な海外アーティスト」と紹介し、毎回おなじみの喜多のコール&レスポンス(なぜかSUPERGRASSのボーカル、ギャズの名前をコール&レスポンス)をしてから登場したのは、これまで単独名義では来日したことのない、カナダの美人双子デュオ、TEGAN AND SARA。
ギター、ベース、ドラム、キーボードの男性サポートメンバー4人を伴って登場し、2人が曲によってギター、キーボード、ハンドマイクでのボーカルと様々なパートチェンジをしながら、双子ならではの、外見同様に美しいハーモニーを聴かせる。サポートを伴ったバンド編成ということで、動画とコンピCDで聴いたのよりもはるかにエモーショナル。
かつてサポートとして出演したフジロックが初めて日本に自分たちを連れて来てくれた、と感謝を告げ、この日ここに集まってくれた観客にも感謝すると、ロック、サイケなども取り入れながらも、あくまで双子のハーモニーが中心のポップな曲を演奏。これまでにもこのフェスには、先に出演したIt's A Musicalや、前回出演したMATES OF STATEなど、様々な女性ボーカルのバンドやユニットが出演してきたが、その中でもトップクラスのポップさ。この日、初めて海外のアーティストのライブを見た、という人にもいい洋楽の入口になる存在だと思う。自分自身、CDを買おうと思った。
そしてツイッターでそういうことをつぶやいたら、ゴッチにリツイートされてめちゃくちゃ焦った。
CLOSER
http://youtu.be/9e9NSMY8QiQ
14:10~ グッドモーニングアメリカ [SIDE STAGE]
メンバーによるサウンドチェックの段階から、「バンバンガンガン」を演奏していた、このフェス初出演のグッドモーニングアメリカ。
いったんメンバーがはけると、開演時間にアリーナのスタンディングエリア中央に、「カンフー」だからという理由でブルース・リーのコスプレをしたたなしんが登場。客席を練り歩きながらステージに登場すると、そのままMCを始め、衣装を脱ぎながらの「ファイヤー!」コールでスタート。
この間ワンマンを見たばかりだが、時間が短いということで、ライブのハイライト的な曲をギュッとつめこんだライブ。このバンドは自分たちも仲間を集めて「あ、良いライブここにあります。」というフェスをライブハウスで行っているが、渡邉がMCでそのことにも触れ、
「このフェスには見習わなきゃならないところがいっぱいある」
と語った。今回はサイドステージでの出演だったが、盛り上がり的にはメインステージでもいいくらいで、初めてライブ見る人が多かった割にはアウェー感は全く感じなかった。
自分たちのフェスはもちろん、近い将来、間違いなくこの横浜アリーナでワンマンをやるバンドになるはずだ。
1.空ばかり見てた
2.キャッチアンドリリース
3.アブラカタブラ
4.拝啓、ツラツストラ
5.イチ、ニッ、サンでジャンプ
6.未来へのスパイラル
未来へのスパイラル
http://youtu.be/6RA3Z6PuZGc
15:05~ ストレイテナー [MAIN STAGE]
このフェスのレギュラーと言ってもいい存在のストレイテナー。かつてはアジカンに変わってトリを務めたこともある。いつものSEで登場すると、シンペイがドラムセットの上に立ち続け、ホリエが、
「今日は音楽の嵐をおこしに来ました、俺たちストレイテナーです!」
とこのフェスのクライマックスをかっさらってきた「Melodic Storm」からスタート。最新シングル「Super Magical Illusion」をリリースしたばかりだが、幅広い曲を持つストレイテナーの中でも獰猛なバンドサウンドで押し切る曲なので、それに合わせたかのようにロックモードのセトリ。
「KILLER TUNE」ではホリエの歌声を隠すくらいにひなっちがブリブリのベースを弾きまくり、ホリエがキーボードを弾きながら歌う折り返し的な位置の「MARCH」を挟んでの「シンデレラソング」では馬車馬のようにシンペイがドラムを連打。
ラストは初期曲を連発し、今年も盤石のバンドアンサンブルを見せつけた。毎年出てるけど、そこまでいつもつるんでるわけではないらしい。それだけに、このフェスではこれまでと変わらない2組の姿をずっと見せていて欲しい。
1.Melodic Storm
2.Blue Sinks In Green
3.From Noon Till Dawn
4.Super Magical Illusion
5.KILLER TUNE
6.MARCH
7.シンデレラソング
8.TRAVELING GARGOYLE
9.ROCKSTEADY
Super Magical Illusion
http://youtu.be/qXFecmmc2PU
16:20~ OWL CITY [MAIN STAGE]
アダム・ヤングによるソロプロジェクト、OWL CITY。アメリカのメインストリームでポップミュージックを鳴らしている存在なので、名前は知らない人でも曲を聴けば「聴いたことある!」と思う曲もいくつかあると思われる。
ギター、ベース、ドラム、キーボードというサポートメンバーに続いてアダム・ヤングが登場すると、美しくもパワフルな歌唱であっという間にアリーナを掌握。前方にはこの人のライブを見るのを心待ちにしていたであろう人達が大きな歓声を送っている。
アダムは曲によってはボーカルに専念したり、ギターを弾きながら歌い、今流行りのEDMに目配せをしたような曲もあるのだが、あくまでも着地点はメインストリームなUSポップ。しかしながら、ポップとはいえ、ライブが本当にエモい。アダムの声もサウンドもロックさは希薄なのだが、本当にエモーショナル。
何度も来日しているのでアダムが日本語もちょこちょこMCに挟みながら、会場がガンガン踊る中、ラストに投下されたのは、新世代の歌姫カーリー・レイ・ジェプセンとのコラボ曲「Good Time」。この日は当然カーリーは来日していないので、キーボードの女性がカーリーのパートを担い、最後の最後にこのアンセムで爆発的な盛り上がりを見せた。ここまでライブがいいとは全く思ってなかったが、アメリカのインディーバンドだけじゃなく、ポップミュージックもいいじゃないか。
1.Speed of Love
2.Dementia
3.Up All Night
4.Fireflies
5.Shooting Star ~ Take it All Way
6.Deer In The Headlights
7.Beautiful Times
8.Gold
9.Good Time
Good Time
http://youtu.be/H7HmzwI67ec
17:15~ LOSTAGE [SIDE STAGE]
これまでにサーキットのほうのNANO-MUGENには出演しているので、アジカンのファンにもおなじみだが、横浜アリーナには初登場となるLOSTAGE。
ここまでストレイテナー、OWL CITYと、国内外のメインステージに出るアクトが続いたため、このバンドの爆音スリーピースによる硬質なギターサウンドはいい意味で一線を画している。
今年のコンピ収録曲「FLOWERS」でスタートし、4人時代の名曲「SURRENDER」も爆音アレンジで演奏。
「ロックバンドをやってると、人に頭を下げないで生きていきたいなぁって思うんですけど…アジカンやこのフェスを作ってるスタッフ、アルバイトの人達には感謝しかありません。こんな素敵なステージをどうもありがとうございます」
という五味兄の真摯なMCもあり、8月にアルバムがリリースされることも告知された。この日の国内勢では最もアリーナと距離があるように感じる存在だけど、アリーナにすごく似合っていた。それにしても岩城は何気にすごいドラマーだと思うと同時に、五味兄の髪の伸びようと、五味弟の頭頂部の後退具合という対照ぶりがいつも気になる。
1.FLOWERS / 路傍の花
2.Nowhere
3.SURRENDER
4.楽園
5.BLUE
6.GOOD LUCK
SURRENDER
http://youtu.be/9scRH45_WfA
18:10~ くるり [MAIN STAGE]
サウンドチェックで「ワンダーフォーゲル」を演奏し、すでに客席をわかせていたくるり。機材トラブルのためか、ちょっと押し気味の時間に登場すると、山本幹宗(ギター&キーボード)、福田洋子(ドラム)を加えた最近のおなじみである5人編成で「Morning Paper」からスタートし、「WORLD'S END SUPERNOVA」でアリーナをゆったりと踊らせる。
「メガネがズレる。今日はメガネバンドしてないから。でもメガネはゴッチのほうがカッコいいけど、視力は俺のほうが悪いで(笑)」
というなんの自慢なのかわからないメガネ論を展開し、すでにライブではおなじみだが、ナノムゲンコンピでようやくCD化した「Loveless」、さらに岸田が「変な曲」と紹介した新曲も演奏。
この新曲が本当に変な曲で、和の要素が強く、「よいしょ!」という掛け声も飛び出すのだが、転調しまくりのため、なかなか曲の実態が掴めない。そしてシングルはそこそこリリースしているだけに、次はアルバムとなるだろうが、アルバムの方向性すらも全く占えないような曲。
「変な曲やってみんな引いてるやろうから、ばらの花って曲を」
と言って山本とファンファンのツインキーボードによる「ばらの花」からは「虹」「東京」というフェスらしいラスト。アジカンとくるりはほとんど同世代だが、くるりも自分たちで京都音楽博覧会というフェスを開催している。アコースティック編成のフェスみたいだが、いつかはそっちにも行ってみたいな。
1.Morning Paper
2.WORLD'S END SUPERNOVA
3.Loveless
4.新曲
5.ばらの花
6.虹
7.東京
東京
http://youtu.be/9osrk5jXCUY
18:50~ THE YOUNG PUNX [ELECTRIC STAGE]
このフェスの海外勢最多出演を誇るTHE YOUNG PUNX。ハルとネイサンの2人がステージに現れ、それぞれがDJブースに立ち、ギターを持つと、いきなりのスペシャルゲストとして、SOIL&"PIMP"SESSIONSのホーンセクション、タブゾンビと元晴が登場してのっけからアゲまくる。2人はこのあとにもちょこちょこ登場。
入れ替わりでステージに現れた、2組目のスペシャルゲストは、UKのボーカルデュオ、セクシーな衣装で登場しただけで喝采を浴びた、それぞれ赤とピンクの髪の色をしたRedNPink。かつてのコンピ収録曲「MASHitUP」を歌ったり、超高速ラップを披露したり、セクシーなダンスを踊ったりと、ゲストではなく、まるでこのユニットのメンバーのごときパフォーマンスを見せる。
客席には巨大風船も登場し、メンバーは客席の様子を写真に撮ったりするなど、今年もやりたい放題の狂騒のパーティー空間を生み出す。もはやサイドステージのアクトとは思えないほどにスタンディングエリアは人で埋まっていた。毎回出演しているからというのもあるだろうが、その毎回の出演でしっかりと観客の記憶に残るライブをしてきたからこそ、この状況を生むことができた。かつてコンピに収録された曲はみんなちゃんと知ってるようだったし、ラストの今年のコンピ収録曲「All These Things Are Gone / 愛は蜃気楼のように」も、待ってました!な空気を感じた。
メンバーの日本語も年々上達しており、ライブが終わると、
「今日の夜、渋谷VISIONでライブやるよ!来てね!」
と告知した。さすがにそれはタフすぎるだろう。ていうか明日も出演するのに。
All These Things Are Gone
http://youtu.be/5C22ldoluKA
19:40~ The Rentals [MAIN STAGE]
もはやこのフェスの名物男と言ってもいい男、元Weezerのマット・シャープが率いるThe Rentals。今回はメンバーにASHのティム、OZMAのライアンと、アジカンファンにもおなじみの面々を従えての出演。
マットがいつものように飛び跳ねながら歌い、かなりレスポンスしづらいコール&レスポンスも展開。女性コーラス(今回はthe HIATUSの「Souls」で美しいボーカルを聴かせてくれたジェイミー・ブレイクは不在)も交え、マットがガンガン観客を煽りまくり、間奏ではMの「Pop Muzik」を挟み、マットの動きでバンドが音量を落としていき、一気に爆発させるというパフォーマンスも見せる。
するとふいにマットがAFIのハンターに代わってベースを持つと、ティムがボーカルでASHの「Girl From Mars」を演奏するという嬉しいサプライズ。原曲の勢いは保ちながらも、キーボード2台を使った華やかなアレンジはThe Rentalsのライブならでは。
ラストにはこのフェスに初出演した2006年のナノムゲンコンピに収録されていた「Getting By」。THE YOUNG PUNXもそうだったが、かつてコンピに収録されていた曲がフェスのアンセムになり、その年限りではなく、みんなが聴き続ける曲になっているのは本当に素晴らしいこと。ましてや大半の人にとっては、The RentalsもTHE YOUNG PUNXも、NANO-MUGENに出るまでは知らない存在だっただろうから。
Getting By
http://youtu.be/F2O8S87Qibc
20:45~ ASIAN KUNG-FU GENERATION [MAIN STAGE]
そしてついに初日のトリ、主催者のアジカン。いつものSEで登場すると、先週の渋谷QUATTROのライブ同様に「サイレン」でスタート。ゴッチがいきなり歌詞を間違えるというご愛嬌もありながら、「君の街まで」からは「ファンクラブ」収録曲を3連発という、他のフェスではまず間違いなくありえない流れ。
「今日のライブのLED、我々の楽器の音はすべてソーラーパネルと蓄電池でまかなっております。
こういうこと言うとね、俺変なやつなんじゃないか、って思うときもあるよ。新聞作ったりしてさ。
でも俺はロックミュージシャンだから。知ってしまったからには口に出さずにはいられない。だからみんなも、もっといい曲作れ!とかどんどん言ってきていいよ。そうしたら我々も作るからさ。ただ、我々の良い曲と君たちの良い曲ってのは違うかもしれない。それは全面対決だよ。スタンダードっていう曲を」
というゴッチのMCから、今年のナノムゲンコンピ収録の「スタンダード」。すでにライブで何度か聴いている曲ではあるが、アナログフィッシュの下岡が、
「この曲は俺に歌ってる。俺に歌ってるってことは、君たちに歌ってるってことだよ」
と評したように、広い場所でたくさんの人の前で歌われるのが本当によく似合う。
そこからは定番の流れで攻め、アンコールではThe Rentalsのマットと、ASHのティムが登場し、2人で四股入りをしてから、Weezerの「Undone -The Sweater Song-」を6人でカバー。マットがベースのため、山田はアコギ。ティムと喜多がツインギターになり、ゴッチはタンバリンとボーカルという形。正直、Weezerにはもっとわかりやすい曲があるのになんでこの曲?と思ったのだが、これはマット側からやりたいと言ったらしい。
コラボを終えると、
「こうしてアメリカとアイルランドのミュージシャンと一緒にライブやってさ。この前はヨーロッパでライブやったし、ソロアルバムのマスタリングではシカゴに行って。自分達がこうやって音楽を鳴らすことで、陳腐な言い方だけど音楽が国境を越えて行ってさ。そもそも国境や県境なんてはっきりと目に見えるものではないじゃん?音楽はそういった虚構すらも飛び越えて行く。みなさんの明日がいいものになるように、最後に、今を生きて」
というゴッチのMCから、この日最後に鳴らされた曲は、「今を生きて」。演奏が終わると4人が肩を組んで観客に一礼し、今年のNANO-MUGENの初日は幕を閉じた。
でも、渋谷QUATTROで見たばかりだけど、やっぱりアジカンはこういうアリーナやスタジアムなんかのでかいところが似合うし、たくさんの人の前でロックを鳴らしてほしい。10代の頃の自分みたいにアジカンから色んな音楽を聴くやつがまだいっぱいいるはずだから。
とりあえず、NANO-MUGENに来るといつも思うのは、やっぱりアジカンが大好きだ!ってこと。
1.サイレン
2.Re:Re:
3.君の街まで
4.暗号のワルツ
5.桜草
6.スタンダード
7.振動覚
8.リライト
9.ソラニン
10.君という花
11.マーチングバンド
encore
12.Undone -The Sweater Song- (Weezerのカバー)
13.今を生きて
スタンダード
http://youtu.be/3fTx79kdNoA
かつてはWeezer、マニックス、ASH、Suedeなどのロックバンドが出演してきたが、今年はロックバンドという形態の海外勢はレンタルズくらいだった。自分も普段は洋楽だとそういうUKやUSのロックバンドを聴いてるが、今年出演したTEGAN AND SARAやOWL CITYらポップアクトがすごく良かったのが本当に印象的だった。
このフェスはいつもこうして新しい出会いや発見を与えてくれる。2日目は行けないから、また来年。今年もありがとう、アジカン。



台風が通り過ぎた影響なのか、かなり暑い天気の中、10時に開場すると、すでに物販が長蛇の列。入場してから配られたタイムテーブルを見ると、トップバッターがKANA-BOONで、そこからも絶対見たいアーティストが目白押しのため、すぐさま列に並び、オフィシャルTシャツを購入。
開演前にはアジカンのリズム隊、山田&伊地知が登場し、完全になんの打ち合わせもしていないであろう前説をしてから、今年のNANO-MUGENのトップバッターが登場。
11:30~ KANA-BOON [MAIN STAGE]
前説で山田&伊地知に「今1番勢いがあると言っても過言ではない若手バンド」と紹介された、アジカンのレーベルの後輩にあたるKANA-BOON。そもそもレーベルの記念ライブでアジカンのオープニングアクトとして共演しており、最近は雑誌でゴッチと谷口鮪の対談も行われた。
SEもなしにメンバーが登場すると、いきなり谷口のギターのカッティングが鳴り、「ないものねだり」からスタート。
「ゆらゆらゆらゆら 僕の心~」
のおなじみのコール&レスポンスをするも、最初はレスポンスがイマイチ。しかし、谷口が
「朝イチで声出ないかもしれないですけど、大きな声でお願いします!」
と言うと、ラストの
「ナノナノナノナノナノナノ ナノムゲンー!」
では大きなレスポンスが返ってくる。
谷口「僕らは表舞台に出てこれたのがアジカンのおかげなんで…」
という真面目なエピソードもあれば、
飯田「ナノムゲンは海外のバンドも出るんで、出演者の横に(UK)とか、出身国が書いてあって、かっこええなーって思ってたんやけど、グッドモーニングアメリカ(JAPAN)ってなんのことかわからんし、そもそもグッドモーニングなのに朝イチですらない(笑)」
という笑わせる話もありつつ、初見の人が多いのを意識したと思われるキラーチューンだらけのセトリ。
基本的に自分はフェスのトップバッターはアッパーなアクトのほうが、フェスが始まった!という感じがして好きなので、2年前のDr.DOWNERや今回のKANA-BOONはまさにうってつけなのだが、そんなアッパーな曲連発のKANA-BOONの今日のライブにおいて、最も良かったのが、決してアッパーではない新曲「生きてゆく」。上京前に作った曲らしいが、「4つ打ちウェイウェイバンド」と言われることも多いKANA-BOONの軸は、やっぱりメロディの良さであることを再確認させてくれる。
これからたくさんのフェスに出演し、地元大阪で野外ワンマンまで行う、KANA-BOONの長い夏が始まった。
1.ないものねだり
2.1.2. step to you
3.ウォーリーヒーロー
4.結晶星
5.盛者必衰の理、お断り
6.生きてゆく (新曲)
7.フルドライブ
フルドライブ
http://youtu.be/adK2Fol2SkM
12:20~ It's A Musical [ELECTRIC STAGE]
海外勢のトップバッターを飾るのは、キーボード&ボーカルの女性とドラム&コーラスの男性の2人組、It's A Musical。編成自体がシンプルなので、音数が非常に少なく、そのぶん2人のハーモニーの美しさが際立つ。
ユニット名的にどんなトリッキーなことをするんだろうか、というワクワクもあったが、ドラムがスティックを高く放り投げてキャッチするという技を見せて拍手を受けた以外は心地よく曲を演奏していく、といった感じ。
挨拶程度の日本語も披露し、最後にはボーカルがシンバルを、ドラムがグロッケンまで叩くという2人組ならではの工夫も見せた。なんかUKっぽくもUSっぽくもないなーと思ったら、ドイツとスウェーデンの出身なんだとか。世界は広い。
the music makes me sick
http://youtu.be/OzVpSkYDjS8
13:15~ TEGAN AND SARA [MAIN STAGE]
ここでゴッチと喜多の2人が登場し、「NADA SURFに続いて、アジカンが呼んだった、的な海外アーティスト」と紹介し、毎回おなじみの喜多のコール&レスポンス(なぜかSUPERGRASSのボーカル、ギャズの名前をコール&レスポンス)をしてから登場したのは、これまで単独名義では来日したことのない、カナダの美人双子デュオ、TEGAN AND SARA。
ギター、ベース、ドラム、キーボードの男性サポートメンバー4人を伴って登場し、2人が曲によってギター、キーボード、ハンドマイクでのボーカルと様々なパートチェンジをしながら、双子ならではの、外見同様に美しいハーモニーを聴かせる。サポートを伴ったバンド編成ということで、動画とコンピCDで聴いたのよりもはるかにエモーショナル。
かつてサポートとして出演したフジロックが初めて日本に自分たちを連れて来てくれた、と感謝を告げ、この日ここに集まってくれた観客にも感謝すると、ロック、サイケなども取り入れながらも、あくまで双子のハーモニーが中心のポップな曲を演奏。これまでにもこのフェスには、先に出演したIt's A Musicalや、前回出演したMATES OF STATEなど、様々な女性ボーカルのバンドやユニットが出演してきたが、その中でもトップクラスのポップさ。この日、初めて海外のアーティストのライブを見た、という人にもいい洋楽の入口になる存在だと思う。自分自身、CDを買おうと思った。
そしてツイッターでそういうことをつぶやいたら、ゴッチにリツイートされてめちゃくちゃ焦った。
CLOSER
http://youtu.be/9e9NSMY8QiQ
14:10~ グッドモーニングアメリカ [SIDE STAGE]
メンバーによるサウンドチェックの段階から、「バンバンガンガン」を演奏していた、このフェス初出演のグッドモーニングアメリカ。
いったんメンバーがはけると、開演時間にアリーナのスタンディングエリア中央に、「カンフー」だからという理由でブルース・リーのコスプレをしたたなしんが登場。客席を練り歩きながらステージに登場すると、そのままMCを始め、衣装を脱ぎながらの「ファイヤー!」コールでスタート。
この間ワンマンを見たばかりだが、時間が短いということで、ライブのハイライト的な曲をギュッとつめこんだライブ。このバンドは自分たちも仲間を集めて「あ、良いライブここにあります。」というフェスをライブハウスで行っているが、渡邉がMCでそのことにも触れ、
「このフェスには見習わなきゃならないところがいっぱいある」
と語った。今回はサイドステージでの出演だったが、盛り上がり的にはメインステージでもいいくらいで、初めてライブ見る人が多かった割にはアウェー感は全く感じなかった。
自分たちのフェスはもちろん、近い将来、間違いなくこの横浜アリーナでワンマンをやるバンドになるはずだ。
1.空ばかり見てた
2.キャッチアンドリリース
3.アブラカタブラ
4.拝啓、ツラツストラ
5.イチ、ニッ、サンでジャンプ
6.未来へのスパイラル
未来へのスパイラル
http://youtu.be/6RA3Z6PuZGc
15:05~ ストレイテナー [MAIN STAGE]
このフェスのレギュラーと言ってもいい存在のストレイテナー。かつてはアジカンに変わってトリを務めたこともある。いつものSEで登場すると、シンペイがドラムセットの上に立ち続け、ホリエが、
「今日は音楽の嵐をおこしに来ました、俺たちストレイテナーです!」
とこのフェスのクライマックスをかっさらってきた「Melodic Storm」からスタート。最新シングル「Super Magical Illusion」をリリースしたばかりだが、幅広い曲を持つストレイテナーの中でも獰猛なバンドサウンドで押し切る曲なので、それに合わせたかのようにロックモードのセトリ。
「KILLER TUNE」ではホリエの歌声を隠すくらいにひなっちがブリブリのベースを弾きまくり、ホリエがキーボードを弾きながら歌う折り返し的な位置の「MARCH」を挟んでの「シンデレラソング」では馬車馬のようにシンペイがドラムを連打。
ラストは初期曲を連発し、今年も盤石のバンドアンサンブルを見せつけた。毎年出てるけど、そこまでいつもつるんでるわけではないらしい。それだけに、このフェスではこれまでと変わらない2組の姿をずっと見せていて欲しい。
1.Melodic Storm
2.Blue Sinks In Green
3.From Noon Till Dawn
4.Super Magical Illusion
5.KILLER TUNE
6.MARCH
7.シンデレラソング
8.TRAVELING GARGOYLE
9.ROCKSTEADY
Super Magical Illusion
http://youtu.be/qXFecmmc2PU
16:20~ OWL CITY [MAIN STAGE]
アダム・ヤングによるソロプロジェクト、OWL CITY。アメリカのメインストリームでポップミュージックを鳴らしている存在なので、名前は知らない人でも曲を聴けば「聴いたことある!」と思う曲もいくつかあると思われる。
ギター、ベース、ドラム、キーボードというサポートメンバーに続いてアダム・ヤングが登場すると、美しくもパワフルな歌唱であっという間にアリーナを掌握。前方にはこの人のライブを見るのを心待ちにしていたであろう人達が大きな歓声を送っている。
アダムは曲によってはボーカルに専念したり、ギターを弾きながら歌い、今流行りのEDMに目配せをしたような曲もあるのだが、あくまでも着地点はメインストリームなUSポップ。しかしながら、ポップとはいえ、ライブが本当にエモい。アダムの声もサウンドもロックさは希薄なのだが、本当にエモーショナル。
何度も来日しているのでアダムが日本語もちょこちょこMCに挟みながら、会場がガンガン踊る中、ラストに投下されたのは、新世代の歌姫カーリー・レイ・ジェプセンとのコラボ曲「Good Time」。この日は当然カーリーは来日していないので、キーボードの女性がカーリーのパートを担い、最後の最後にこのアンセムで爆発的な盛り上がりを見せた。ここまでライブがいいとは全く思ってなかったが、アメリカのインディーバンドだけじゃなく、ポップミュージックもいいじゃないか。
1.Speed of Love
2.Dementia
3.Up All Night
4.Fireflies
5.Shooting Star ~ Take it All Way
6.Deer In The Headlights
7.Beautiful Times
8.Gold
9.Good Time
Good Time
http://youtu.be/H7HmzwI67ec
17:15~ LOSTAGE [SIDE STAGE]
これまでにサーキットのほうのNANO-MUGENには出演しているので、アジカンのファンにもおなじみだが、横浜アリーナには初登場となるLOSTAGE。
ここまでストレイテナー、OWL CITYと、国内外のメインステージに出るアクトが続いたため、このバンドの爆音スリーピースによる硬質なギターサウンドはいい意味で一線を画している。
今年のコンピ収録曲「FLOWERS」でスタートし、4人時代の名曲「SURRENDER」も爆音アレンジで演奏。
「ロックバンドをやってると、人に頭を下げないで生きていきたいなぁって思うんですけど…アジカンやこのフェスを作ってるスタッフ、アルバイトの人達には感謝しかありません。こんな素敵なステージをどうもありがとうございます」
という五味兄の真摯なMCもあり、8月にアルバムがリリースされることも告知された。この日の国内勢では最もアリーナと距離があるように感じる存在だけど、アリーナにすごく似合っていた。それにしても岩城は何気にすごいドラマーだと思うと同時に、五味兄の髪の伸びようと、五味弟の頭頂部の後退具合という対照ぶりがいつも気になる。
1.FLOWERS / 路傍の花
2.Nowhere
3.SURRENDER
4.楽園
5.BLUE
6.GOOD LUCK
SURRENDER
http://youtu.be/9scRH45_WfA
18:10~ くるり [MAIN STAGE]
サウンドチェックで「ワンダーフォーゲル」を演奏し、すでに客席をわかせていたくるり。機材トラブルのためか、ちょっと押し気味の時間に登場すると、山本幹宗(ギター&キーボード)、福田洋子(ドラム)を加えた最近のおなじみである5人編成で「Morning Paper」からスタートし、「WORLD'S END SUPERNOVA」でアリーナをゆったりと踊らせる。
「メガネがズレる。今日はメガネバンドしてないから。でもメガネはゴッチのほうがカッコいいけど、視力は俺のほうが悪いで(笑)」
というなんの自慢なのかわからないメガネ論を展開し、すでにライブではおなじみだが、ナノムゲンコンピでようやくCD化した「Loveless」、さらに岸田が「変な曲」と紹介した新曲も演奏。
この新曲が本当に変な曲で、和の要素が強く、「よいしょ!」という掛け声も飛び出すのだが、転調しまくりのため、なかなか曲の実態が掴めない。そしてシングルはそこそこリリースしているだけに、次はアルバムとなるだろうが、アルバムの方向性すらも全く占えないような曲。
「変な曲やってみんな引いてるやろうから、ばらの花って曲を」
と言って山本とファンファンのツインキーボードによる「ばらの花」からは「虹」「東京」というフェスらしいラスト。アジカンとくるりはほとんど同世代だが、くるりも自分たちで京都音楽博覧会というフェスを開催している。アコースティック編成のフェスみたいだが、いつかはそっちにも行ってみたいな。
1.Morning Paper
2.WORLD'S END SUPERNOVA
3.Loveless
4.新曲
5.ばらの花
6.虹
7.東京
東京
http://youtu.be/9osrk5jXCUY
18:50~ THE YOUNG PUNX [ELECTRIC STAGE]
このフェスの海外勢最多出演を誇るTHE YOUNG PUNX。ハルとネイサンの2人がステージに現れ、それぞれがDJブースに立ち、ギターを持つと、いきなりのスペシャルゲストとして、SOIL&"PIMP"SESSIONSのホーンセクション、タブゾンビと元晴が登場してのっけからアゲまくる。2人はこのあとにもちょこちょこ登場。
入れ替わりでステージに現れた、2組目のスペシャルゲストは、UKのボーカルデュオ、セクシーな衣装で登場しただけで喝采を浴びた、それぞれ赤とピンクの髪の色をしたRedNPink。かつてのコンピ収録曲「MASHitUP」を歌ったり、超高速ラップを披露したり、セクシーなダンスを踊ったりと、ゲストではなく、まるでこのユニットのメンバーのごときパフォーマンスを見せる。
客席には巨大風船も登場し、メンバーは客席の様子を写真に撮ったりするなど、今年もやりたい放題の狂騒のパーティー空間を生み出す。もはやサイドステージのアクトとは思えないほどにスタンディングエリアは人で埋まっていた。毎回出演しているからというのもあるだろうが、その毎回の出演でしっかりと観客の記憶に残るライブをしてきたからこそ、この状況を生むことができた。かつてコンピに収録された曲はみんなちゃんと知ってるようだったし、ラストの今年のコンピ収録曲「All These Things Are Gone / 愛は蜃気楼のように」も、待ってました!な空気を感じた。
メンバーの日本語も年々上達しており、ライブが終わると、
「今日の夜、渋谷VISIONでライブやるよ!来てね!」
と告知した。さすがにそれはタフすぎるだろう。ていうか明日も出演するのに。
All These Things Are Gone
http://youtu.be/5C22ldoluKA
19:40~ The Rentals [MAIN STAGE]
もはやこのフェスの名物男と言ってもいい男、元Weezerのマット・シャープが率いるThe Rentals。今回はメンバーにASHのティム、OZMAのライアンと、アジカンファンにもおなじみの面々を従えての出演。
マットがいつものように飛び跳ねながら歌い、かなりレスポンスしづらいコール&レスポンスも展開。女性コーラス(今回はthe HIATUSの「Souls」で美しいボーカルを聴かせてくれたジェイミー・ブレイクは不在)も交え、マットがガンガン観客を煽りまくり、間奏ではMの「Pop Muzik」を挟み、マットの動きでバンドが音量を落としていき、一気に爆発させるというパフォーマンスも見せる。
するとふいにマットがAFIのハンターに代わってベースを持つと、ティムがボーカルでASHの「Girl From Mars」を演奏するという嬉しいサプライズ。原曲の勢いは保ちながらも、キーボード2台を使った華やかなアレンジはThe Rentalsのライブならでは。
ラストにはこのフェスに初出演した2006年のナノムゲンコンピに収録されていた「Getting By」。THE YOUNG PUNXもそうだったが、かつてコンピに収録されていた曲がフェスのアンセムになり、その年限りではなく、みんなが聴き続ける曲になっているのは本当に素晴らしいこと。ましてや大半の人にとっては、The RentalsもTHE YOUNG PUNXも、NANO-MUGENに出るまでは知らない存在だっただろうから。
Getting By
http://youtu.be/F2O8S87Qibc
20:45~ ASIAN KUNG-FU GENERATION [MAIN STAGE]
そしてついに初日のトリ、主催者のアジカン。いつものSEで登場すると、先週の渋谷QUATTROのライブ同様に「サイレン」でスタート。ゴッチがいきなり歌詞を間違えるというご愛嬌もありながら、「君の街まで」からは「ファンクラブ」収録曲を3連発という、他のフェスではまず間違いなくありえない流れ。
「今日のライブのLED、我々の楽器の音はすべてソーラーパネルと蓄電池でまかなっております。
こういうこと言うとね、俺変なやつなんじゃないか、って思うときもあるよ。新聞作ったりしてさ。
でも俺はロックミュージシャンだから。知ってしまったからには口に出さずにはいられない。だからみんなも、もっといい曲作れ!とかどんどん言ってきていいよ。そうしたら我々も作るからさ。ただ、我々の良い曲と君たちの良い曲ってのは違うかもしれない。それは全面対決だよ。スタンダードっていう曲を」
というゴッチのMCから、今年のナノムゲンコンピ収録の「スタンダード」。すでにライブで何度か聴いている曲ではあるが、アナログフィッシュの下岡が、
「この曲は俺に歌ってる。俺に歌ってるってことは、君たちに歌ってるってことだよ」
と評したように、広い場所でたくさんの人の前で歌われるのが本当によく似合う。
そこからは定番の流れで攻め、アンコールではThe Rentalsのマットと、ASHのティムが登場し、2人で四股入りをしてから、Weezerの「Undone -The Sweater Song-」を6人でカバー。マットがベースのため、山田はアコギ。ティムと喜多がツインギターになり、ゴッチはタンバリンとボーカルという形。正直、Weezerにはもっとわかりやすい曲があるのになんでこの曲?と思ったのだが、これはマット側からやりたいと言ったらしい。
コラボを終えると、
「こうしてアメリカとアイルランドのミュージシャンと一緒にライブやってさ。この前はヨーロッパでライブやったし、ソロアルバムのマスタリングではシカゴに行って。自分達がこうやって音楽を鳴らすことで、陳腐な言い方だけど音楽が国境を越えて行ってさ。そもそも国境や県境なんてはっきりと目に見えるものではないじゃん?音楽はそういった虚構すらも飛び越えて行く。みなさんの明日がいいものになるように、最後に、今を生きて」
というゴッチのMCから、この日最後に鳴らされた曲は、「今を生きて」。演奏が終わると4人が肩を組んで観客に一礼し、今年のNANO-MUGENの初日は幕を閉じた。
でも、渋谷QUATTROで見たばかりだけど、やっぱりアジカンはこういうアリーナやスタジアムなんかのでかいところが似合うし、たくさんの人の前でロックを鳴らしてほしい。10代の頃の自分みたいにアジカンから色んな音楽を聴くやつがまだいっぱいいるはずだから。
とりあえず、NANO-MUGENに来るといつも思うのは、やっぱりアジカンが大好きだ!ってこと。
1.サイレン
2.Re:Re:
3.君の街まで
4.暗号のワルツ
5.桜草
6.スタンダード
7.振動覚
8.リライト
9.ソラニン
10.君という花
11.マーチングバンド
encore
12.Undone -The Sweater Song- (Weezerのカバー)
13.今を生きて
スタンダード
http://youtu.be/3fTx79kdNoA
かつてはWeezer、マニックス、ASH、Suedeなどのロックバンドが出演してきたが、今年はロックバンドという形態の海外勢はレンタルズくらいだった。自分も普段は洋楽だとそういうUKやUSのロックバンドを聴いてるが、今年出演したTEGAN AND SARAやOWL CITYらポップアクトがすごく良かったのが本当に印象的だった。
このフェスはいつもこうして新しい出会いや発見を与えてくれる。2日目は行けないから、また来年。今年もありがとう、アジカン。



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