YATSUI FES 2014 @TSUTAYA O-EAST,O-WEST他 6/21
- 2014/06/22
- 01:02
今やダイノジ大谷ノブ彦とならんで音楽好き芸人の地位を確立したエレキコミックやついいちろうが主催する、音楽とアイドルとお笑いとサブカルのクロスオーバーフェス、やついフェス。
渋谷の道玄坂近辺のライブハウス、O-EAST、duo MUSIC EXCHANGE、O-WEST、O-NEST、O-Crest、club asia、Glad、7th floor、VUENOS、VISIONという10会場で同時進行するので、一日に出演する出演者の数は国内フェスで最多らしい。
リストバンド交換前にすでにやっつんことやついいちろうが並んでる人達に挨拶まわりしている中、12:30の開場を待って、まずはduo MUSIC EXCHANGEへ。
13:00~ 黒木渚 [duo MUSIC EXCHANGE]
先日の渋谷公会堂ワンマンも素晴らしかった黒木渚。キャパとしてはこのフェスで2番目くらいであろうduoのトップバッターを務める。
まずは黒木渚が1人で登場して「あしかせ」を歌い始めるのだが、以前までの金髪から、茶髪に髪の色が変わっている。途中で井手上誠(ギター)、佐藤研二(ベース)、マシータ(ドラム)のメンバーも合流。渋谷公会堂でのワンマンでは2階席だったのでステージが遠かったが、今日は近距離なので、メンバーの表情も演奏もよく見える。井手上は挙動不審な感じながらも狂ったようにギターを弾き、マシータのドラムは力強く、佐藤は今日も左手にトレードマークの手袋を着用。
「革命」の前では黒木渚の「ジャンヌダルク」をテーマにした朗読も挟まれ、ラストは「金魚姫」からの「フラフープ」。ワンマンのハイライト的なセトリだったが、「テーマ」が個人的には聴きたかったところ。
しかし、バンドとしての黒木渚は解散したが、今の個性的なメンバーによる4人であって黒木渚というバンドになっているのだと思う。それくらいに、技術はもちろん、存在としてもこのメンバーである必然を感じる。
1.あしかせ
2.骨
3.マトリョーシカ
4.革命
5.金魚姫
6.フラフープ
転換中はお笑いタイム。カオポイントは初芝、ズレータ、岩隈、衣笠、山倉に加え、モリーヨ(元楽天)というマニアックな選手まで登場する、野球ファンにはたまらないネタ。ただし野球を全然知らない人には全く受けてなかった(笑)
ツインテルはハリウッド版ドラえもんというコントで、三拍子はオンエアバトルでずっと見ていたが、生で見れる日が来るとは。高倉の「フェスに対するイメージが凝り固まってる」くだりが面白かった。
13:55~ SAKANAMON [duo MUSIC EXCHANGE]
去年はO-WESTに出演したSAKANAMON、今年はduoに出演。いつものようにSUPER BUTTER DOG「コミュニケーション・ブレイクダンス」のSEでメンバーが登場すると、「花色の美少女」からスタート。
今年リリースしたアルバム「INSUROCK」からの曲が中心になるかと思いきや、「ミュージックプランクトン」「SAKANAMON THE WORLD」とこれまでのライブでも定番だった曲が続いたのは意外。
MCではベースの森野が、
「去年も出させてもらって、2年連続出演なんですが、僕はエレキコミックの大ファンなんで、普通にチケット買ってライブ行ったりしてるんで、ファンだからこそあえて苦言を呈したい!
やついさん、ミックスCD出してるじゃないですか。あれ、僕らと同じビクターから出てるんですけど、サンボマスターとかサカナクションとかTHE BAWDIESら先輩バンドは入ってて当然なんですけど、KEYTALKとか同世代バンドも入ってるのに、我々は入ってない!こんなにもエレキコミックを愛しているのに!(笑)」
と自虐的なネタで笑わせると、「マジックアワー」では藤森が、最後のフレーズを、
「愛しているよ やついさーん!」
と変えて叫んだ。そのあとに披露された新曲はゆるく踊れる曲。結局全然「INSUROCK」の曲やらないなーと思ったら最後にようやく「TOWER」。なんか最後はちょっとグダグダっぽい感じだったけど、あれはあえてそうしたのか、そうなってしまったのか。
1.花色の美少女
2.ミュージックプランクトン
3.SAKANAMON THE WORLD
4.マジックアワー
5.新曲
6.シグナルマン
7.TOWER
14:40~ tricot [asia]
唯一の男性メンバーだったドラムのkomaki♂が脱退してからは初めてライブ見るtricot。
「POOL」からスタートすると、いきなりの轟音サウンドが、今のバンドの状況にとってはもはや狭すぎるasiaを支配する。序盤はキダとイッキュウによるMCも控えめだったが、変拍子多用のtricotらしさはありつつもサビがキャッチーな8月リリースのシングル「Break」を演奏すると、
キダ「やつ!」
観客「いー!」
というコール&レスポンスをし、「爆裂パニエさん」で曲タイトルの通りにバンドと観客のテンションも爆裂。そして、
「あなたらは今日1日まだまだあるやろうけど、うちらは次で最後の曲なんやー!」
とイッキュウが叫び、キダが非常口の階段の柵によじ登ってギターを弾きまくるというパフォーマンスを見せた「99.974℃」で終了。やっぱりこのバンド、めちゃくちゃカッコいい。ドラムが変わっても、イッキュウ、キダ、ヒロミの3人がいる限りそれは絶対変わらないだろうな。
1.POOL
2.おちゃんせんすぅす
3.おやすみ
4.Break (新曲)
5.爆裂パニエさん
6.99.974°C
15:25~ Charisma.com [VUENOS]
MCいつかとDJゴンチの現役OL2人組ヒップホップユニット、Charisma.com。2人が登場すると、バキバキのトラックに毒を含みまくったいつかのラップが乗る「HATE」をワンコーラス歌い、リリースされたばかりの1stフルアルバム「DIStopping」のリードトラック「イイナヅケブルー」から収録曲を続けるのだが、サウンドもラップも振り付けもとにかくキレキレ。しかしながらMCは意外にも緩めながら、最後には再び「HATE」をワンコーラス歌って終了かと思いきや、いつかが
「なんか足りんなぁ…こんなんじゃ最後まで持たねーぞ!」
と「HATE」を最後まで披露して終了。サウンドはもちろん、歌詞が本当に刺激的だが、日本中のOLがみんなこういうことを思ってたら怖い。
1.HATE
2.イイナヅケブルー
3.GEORGE
4.LOOKER
5.スーパーガール
6.NOW
7.HATE
16:40~ タルトタタン [VISION]
時間になると葵と優希の2人で登場。絵面だけだと完全に2組のアイドルそのものだが、このユニットは相対性理論を脱退した真部と西浦の2人が始動させたユニットである。なので、曲のクオリティそのものは非常に高く、初期相対性理論のサウンドの中枢を担っていたのがこの2人であったことがよくわかる。しかしながら、そうして曲が非常にいいだけに、バックで音楽が鳴っていてカラオケ歌唱というのがちょっともったいないというか、印象的なギターフレーズが多いだけにバンドを入れればいいじゃないかと思う。
ステージの2人はあえて天然ぽく振舞っているような感じがするが、それは曲のイメージ的にそうしているんだろうか。tofubeatsの提供曲や、南波志帆とのコラボ曲もやっていたのだが、ビックリするほど客席におっさんしかいなかった。
1.恋するカレンダー
2.しょうがないマイラブ
3.keep in time
4.ガールズ・レテル・トーク
5.サイバーサバイバー
6.ポリティカルないきものたち
17:10~ アカシック [O-Crest]
今年発売したアルバムのジャケットが、ボーカル理姫が赤い縄で緊縛されている姿なのがちょっと話題になったバンド、アカシック。MUSICAなどにインタビューが乗っていたので、ちょっと気になる存在だった。
ベース黒川、ギター奥脇と、ドラム、キーボードのサポート2名が先にステージに登場し、あとからドレスを着た理姫が登場したのだが、なんというか、場末のエロさというか、そういう感じが非常に強い。
サウンド自体はメンバーの演奏も非常に上手く、何より曲がキャッチー。相対性理論やパスピエが引き合いに出されるだろうが、ボーカルの理姫の存在感がその2組との決定的な違いを生み出している。ただ単に媚びてエロさを出してるんじゃなく、歌詞がこの人ならではな歌詞。
サビがキャッチー過ぎてやたらとクセになる「ツイニーヨコハマ」もいいが、「幸せじゃないから死ねない」というタイトルのインパクト。「死にたい」じゃなくて「幸せじゃないから死ねない」。同じ「諦念」から出てくる言葉であるが、その先が微かな希望に向かっている。今はまだかなりアングラ臭が強いバンドだが、一気に浮上する可能性を秘めていると思う。
1.アルカイックセンチメント
2.秘密のデート
3.ツイニーヨコハマ
4.幸せじゃないから死ねない
5.ロマンス
6.終電
そのあとO-WESTでお笑いを3組見る。ゴールドラッシュとスパローズはまさかのドラクエネタが被る(笑)ウエストランドはもうさすが。あれだけツッコミばっかりしゃべりまくるのにあんなに笑いが起こるのはすごい。
18:50~ 中村一義 [asia]
去年はHermann H. & The Pacemakersを伴って出演した中村一義。今年は盟友、町田昌弘と2人でアコースティックセットでの出演。まずは町田が先に登場すると、中村一義が走ってステージに登場。
すると、
「どう? どう?」
と、デビュー曲にして代表曲「犬と猫」からスタート。町田のアコギだけなので、やはり非常にシンプルだが、中村一義の声が良く出ている。
「やついフェスの非公認テーマソングだと思っている(笑)」
と本人が言う「永遠なるもの」と初期の名曲を続けると、主催者のやついいちろうとはもう10年くらいの付き合いであることを話し、
「やっつん、結婚したんだけど、結婚してから会ってなかったからお祝いの挨拶してないの。だから俺の中のお祝いの曲「ジュビリー」を、
やつい やつい 結婚 ジュビリー
やつい やつい 結納 ジュビリー
に歌詞を変えてみんなで歌ってくれるかな?やっつん、もうすぐここに来てくれるらしいから!」
と言って歌を練習させると、何も知らされておらず、この曲を盛り上げてもらうという口実でステージにやっつんが登場し、サビではお祝いの大合唱。やっつんが実に恥ずかしそうだったが、中村一義から花と直筆のコメントを受け取った顔は本当に嬉しそうだった。
というやり取りがあったので、必然的に曲数自体は少なく、
「さっきの多幸感すごかったねぇ!みんなすごい!そんなみんなが死ぬように生きてるわけがない!」
と言って「キャノンボール」で終了。しかし、いついかなる時にこの曲を聴いても、やっぱり
「僕は死ぬように生きていたくはない」
と思える。本当に何度この曲に救われただろうか。次は久しぶりのロッキン。あの場所でまた見れるのが本当に嬉しい。
1.犬と猫
2.永遠なるもの
3.ジュビリー
4.1,2,3
5.キャノンボール
19:35~ 水曜日のカンパネラ [VUENOS]
コムアイという女性のエレクトロポップユニット、水曜日のカンパネラ。キン肉マンのSEが鳴ると、和柄の服を着てサングラスをかけたコムアイが客席最後方から登場。非常にポップかつダンサブルなトラックは、普通にインストのダンスミュージックとしても機能しそうだが、それに乗る歌詞がシュール過ぎて深読みのしようすらないほど。
「人情!人情!」(お七)
「フランス革命!」「お菓子を食べればいーじゃない!」(マリー・アントワネット)
と、普通に生きてたら絶対にすることのないコール&レスポンスを要求される。「マリー・アントワネット」では曲のあとに実際にお菓子を客席に投げつけまくり、
「この前フェスでやついさんと一緒になって、はじめましてだったんで、挨拶して一緒に写真撮ってもらったんですよー。でも、私頭良いんでー(笑)、やついさんの膝の上に乗せてもらって写真撮って、それをツイッターにあげて、本人に直接DMして、やついフェス出させてくださいって言って、今日出ることになったんですよー。頭使えて良かったー(笑)」
と、MCもかなりぶっ飛んでいるのだが、「モスラ」ではステージを飛び降りて客席を練り歩き、「星一徹」ではタイトル通りにちゃぶ台をひっくり返すのだが、
「正座しないとちゃぶ台返しはできないでしょ!」
という理由で曲をストップさせ、観客を全員正座させてから再開させるというもはややりたい放題のカオスっぷり。実際にサビでは観客全員がちゃぶ台をひっくり返すアクションをしたけど。
普通にしてたらいかにもその辺にいそうなOLみたいな感じなのに、ライブになるとなんであんなにぶっ飛んだ感じになるのか。禁断の多数決を1人でやったらこういう感じになるんだろうか。
BAYCAMPにも出演が決まってるし、トラックがいかにも夜な感じなので、夜の野外がすごく似合いそう。とりあえずこれから要チェックしていきたい存在。
1.二階堂マリ
2.お七
3.マリー・アントワネット
4.モスラ
5.星一徹
6.ミチコ
20:35~ The SALOVERS [asia]
去年はO-CrestのトリだったThe SALOVERS。今年はasiaのトリで登場。リハで「文学のススメ」を演奏したが、本編は「サリンジャー」からスタート。古舘はかなり髪を切ってさっぱりとした髪型になっているものの、両サイドの清也と小林はともにかなり髪が伸びてきており、特に清也は胡散臭い外人みたいになっている。
冒頭からいつも通りに非常にテンションが高い演奏を繰り広げていたのだが、「SAD GIRL」で藤川がまさかのスティックを落としてしまうというアクシデントが発生し、曲終わりで古舘に、
「お前1番いいとこでスティック落としてんじゃねぇ!」
と言われてしまう。しかし、これで逆にテンションが上がったとのことで、さらに衝動が加速していく。下北沢SHELTERでの2マンライブでは披露できなかった新曲「喉が涸れるまで」も披露されたのだが、このセトリの中に入っても全くテンションが落ちないくらいにアッパーな曲。
テンションが上がって気合いが入り過ぎたのか、「台湾!」の叫びが轟く「オールド台湾」では古舘が弦を切りながらギターをかき鳴らし、最後は「床には君のカーディガン」。去年はアンコールをやったので今年もやると思ったが、今年はなし。だが、この間のSHELTERでは全然見えなかったこの先の展開がようやく見えてきた感がある。あと、客席に普通にアルカラのボーカルの稲村さんがいた。スペシャ列伝ツアーを一緒に廻ってたもんなぁ。
1.サリンジャー
2.SAD GIRL
3.HOT HOT HOT!
4.仏教ソング
5.喉が涸れるまで (新曲)
6.ディタラトゥエンティ
7.オールド台湾
8.床には君のカーディガン
そのあとO-EASTでやついいちろうのDJを最後に見ようと思ったのだが、人が多すぎて全く見えず、やむなく退散。これで今年の自分のやついフェスは終了。
このフェスは、「知らないから見ない」んじゃなくて、「知らないからこそ見てみる」という姿勢の重要性を本当によく教えてくれる。どうやら来年は2days開催になるらしい。自分は見たいやつを予定通りに見れたが、いろんな会場で入場規制がかかっていたらしい。確かにそういう状況を踏まえると、2daysに拡大するのは当然なのかもしれない。
ともかく、今年も本当に楽しかった。ありがとう、やっつん!
渋谷の道玄坂近辺のライブハウス、O-EAST、duo MUSIC EXCHANGE、O-WEST、O-NEST、O-Crest、club asia、Glad、7th floor、VUENOS、VISIONという10会場で同時進行するので、一日に出演する出演者の数は国内フェスで最多らしい。
リストバンド交換前にすでにやっつんことやついいちろうが並んでる人達に挨拶まわりしている中、12:30の開場を待って、まずはduo MUSIC EXCHANGEへ。
13:00~ 黒木渚 [duo MUSIC EXCHANGE]
先日の渋谷公会堂ワンマンも素晴らしかった黒木渚。キャパとしてはこのフェスで2番目くらいであろうduoのトップバッターを務める。
まずは黒木渚が1人で登場して「あしかせ」を歌い始めるのだが、以前までの金髪から、茶髪に髪の色が変わっている。途中で井手上誠(ギター)、佐藤研二(ベース)、マシータ(ドラム)のメンバーも合流。渋谷公会堂でのワンマンでは2階席だったのでステージが遠かったが、今日は近距離なので、メンバーの表情も演奏もよく見える。井手上は挙動不審な感じながらも狂ったようにギターを弾き、マシータのドラムは力強く、佐藤は今日も左手にトレードマークの手袋を着用。
「革命」の前では黒木渚の「ジャンヌダルク」をテーマにした朗読も挟まれ、ラストは「金魚姫」からの「フラフープ」。ワンマンのハイライト的なセトリだったが、「テーマ」が個人的には聴きたかったところ。
しかし、バンドとしての黒木渚は解散したが、今の個性的なメンバーによる4人であって黒木渚というバンドになっているのだと思う。それくらいに、技術はもちろん、存在としてもこのメンバーである必然を感じる。
1.あしかせ
2.骨
3.マトリョーシカ
4.革命
5.金魚姫
6.フラフープ
転換中はお笑いタイム。カオポイントは初芝、ズレータ、岩隈、衣笠、山倉に加え、モリーヨ(元楽天)というマニアックな選手まで登場する、野球ファンにはたまらないネタ。ただし野球を全然知らない人には全く受けてなかった(笑)
ツインテルはハリウッド版ドラえもんというコントで、三拍子はオンエアバトルでずっと見ていたが、生で見れる日が来るとは。高倉の「フェスに対するイメージが凝り固まってる」くだりが面白かった。
13:55~ SAKANAMON [duo MUSIC EXCHANGE]
去年はO-WESTに出演したSAKANAMON、今年はduoに出演。いつものようにSUPER BUTTER DOG「コミュニケーション・ブレイクダンス」のSEでメンバーが登場すると、「花色の美少女」からスタート。
今年リリースしたアルバム「INSUROCK」からの曲が中心になるかと思いきや、「ミュージックプランクトン」「SAKANAMON THE WORLD」とこれまでのライブでも定番だった曲が続いたのは意外。
MCではベースの森野が、
「去年も出させてもらって、2年連続出演なんですが、僕はエレキコミックの大ファンなんで、普通にチケット買ってライブ行ったりしてるんで、ファンだからこそあえて苦言を呈したい!
やついさん、ミックスCD出してるじゃないですか。あれ、僕らと同じビクターから出てるんですけど、サンボマスターとかサカナクションとかTHE BAWDIESら先輩バンドは入ってて当然なんですけど、KEYTALKとか同世代バンドも入ってるのに、我々は入ってない!こんなにもエレキコミックを愛しているのに!(笑)」
と自虐的なネタで笑わせると、「マジックアワー」では藤森が、最後のフレーズを、
「愛しているよ やついさーん!」
と変えて叫んだ。そのあとに披露された新曲はゆるく踊れる曲。結局全然「INSUROCK」の曲やらないなーと思ったら最後にようやく「TOWER」。なんか最後はちょっとグダグダっぽい感じだったけど、あれはあえてそうしたのか、そうなってしまったのか。
1.花色の美少女
2.ミュージックプランクトン
3.SAKANAMON THE WORLD
4.マジックアワー
5.新曲
6.シグナルマン
7.TOWER
14:40~ tricot [asia]
唯一の男性メンバーだったドラムのkomaki♂が脱退してからは初めてライブ見るtricot。
「POOL」からスタートすると、いきなりの轟音サウンドが、今のバンドの状況にとってはもはや狭すぎるasiaを支配する。序盤はキダとイッキュウによるMCも控えめだったが、変拍子多用のtricotらしさはありつつもサビがキャッチーな8月リリースのシングル「Break」を演奏すると、
キダ「やつ!」
観客「いー!」
というコール&レスポンスをし、「爆裂パニエさん」で曲タイトルの通りにバンドと観客のテンションも爆裂。そして、
「あなたらは今日1日まだまだあるやろうけど、うちらは次で最後の曲なんやー!」
とイッキュウが叫び、キダが非常口の階段の柵によじ登ってギターを弾きまくるというパフォーマンスを見せた「99.974℃」で終了。やっぱりこのバンド、めちゃくちゃカッコいい。ドラムが変わっても、イッキュウ、キダ、ヒロミの3人がいる限りそれは絶対変わらないだろうな。
1.POOL
2.おちゃんせんすぅす
3.おやすみ
4.Break (新曲)
5.爆裂パニエさん
6.99.974°C
15:25~ Charisma.com [VUENOS]
MCいつかとDJゴンチの現役OL2人組ヒップホップユニット、Charisma.com。2人が登場すると、バキバキのトラックに毒を含みまくったいつかのラップが乗る「HATE」をワンコーラス歌い、リリースされたばかりの1stフルアルバム「DIStopping」のリードトラック「イイナヅケブルー」から収録曲を続けるのだが、サウンドもラップも振り付けもとにかくキレキレ。しかしながらMCは意外にも緩めながら、最後には再び「HATE」をワンコーラス歌って終了かと思いきや、いつかが
「なんか足りんなぁ…こんなんじゃ最後まで持たねーぞ!」
と「HATE」を最後まで披露して終了。サウンドはもちろん、歌詞が本当に刺激的だが、日本中のOLがみんなこういうことを思ってたら怖い。
1.HATE
2.イイナヅケブルー
3.GEORGE
4.LOOKER
5.スーパーガール
6.NOW
7.HATE
16:40~ タルトタタン [VISION]
時間になると葵と優希の2人で登場。絵面だけだと完全に2組のアイドルそのものだが、このユニットは相対性理論を脱退した真部と西浦の2人が始動させたユニットである。なので、曲のクオリティそのものは非常に高く、初期相対性理論のサウンドの中枢を担っていたのがこの2人であったことがよくわかる。しかしながら、そうして曲が非常にいいだけに、バックで音楽が鳴っていてカラオケ歌唱というのがちょっともったいないというか、印象的なギターフレーズが多いだけにバンドを入れればいいじゃないかと思う。
ステージの2人はあえて天然ぽく振舞っているような感じがするが、それは曲のイメージ的にそうしているんだろうか。tofubeatsの提供曲や、南波志帆とのコラボ曲もやっていたのだが、ビックリするほど客席におっさんしかいなかった。
1.恋するカレンダー
2.しょうがないマイラブ
3.keep in time
4.ガールズ・レテル・トーク
5.サイバーサバイバー
6.ポリティカルないきものたち
17:10~ アカシック [O-Crest]
今年発売したアルバムのジャケットが、ボーカル理姫が赤い縄で緊縛されている姿なのがちょっと話題になったバンド、アカシック。MUSICAなどにインタビューが乗っていたので、ちょっと気になる存在だった。
ベース黒川、ギター奥脇と、ドラム、キーボードのサポート2名が先にステージに登場し、あとからドレスを着た理姫が登場したのだが、なんというか、場末のエロさというか、そういう感じが非常に強い。
サウンド自体はメンバーの演奏も非常に上手く、何より曲がキャッチー。相対性理論やパスピエが引き合いに出されるだろうが、ボーカルの理姫の存在感がその2組との決定的な違いを生み出している。ただ単に媚びてエロさを出してるんじゃなく、歌詞がこの人ならではな歌詞。
サビがキャッチー過ぎてやたらとクセになる「ツイニーヨコハマ」もいいが、「幸せじゃないから死ねない」というタイトルのインパクト。「死にたい」じゃなくて「幸せじゃないから死ねない」。同じ「諦念」から出てくる言葉であるが、その先が微かな希望に向かっている。今はまだかなりアングラ臭が強いバンドだが、一気に浮上する可能性を秘めていると思う。
1.アルカイックセンチメント
2.秘密のデート
3.ツイニーヨコハマ
4.幸せじゃないから死ねない
5.ロマンス
6.終電
そのあとO-WESTでお笑いを3組見る。ゴールドラッシュとスパローズはまさかのドラクエネタが被る(笑)ウエストランドはもうさすが。あれだけツッコミばっかりしゃべりまくるのにあんなに笑いが起こるのはすごい。
18:50~ 中村一義 [asia]
去年はHermann H. & The Pacemakersを伴って出演した中村一義。今年は盟友、町田昌弘と2人でアコースティックセットでの出演。まずは町田が先に登場すると、中村一義が走ってステージに登場。
すると、
「どう? どう?」
と、デビュー曲にして代表曲「犬と猫」からスタート。町田のアコギだけなので、やはり非常にシンプルだが、中村一義の声が良く出ている。
「やついフェスの非公認テーマソングだと思っている(笑)」
と本人が言う「永遠なるもの」と初期の名曲を続けると、主催者のやついいちろうとはもう10年くらいの付き合いであることを話し、
「やっつん、結婚したんだけど、結婚してから会ってなかったからお祝いの挨拶してないの。だから俺の中のお祝いの曲「ジュビリー」を、
やつい やつい 結婚 ジュビリー
やつい やつい 結納 ジュビリー
に歌詞を変えてみんなで歌ってくれるかな?やっつん、もうすぐここに来てくれるらしいから!」
と言って歌を練習させると、何も知らされておらず、この曲を盛り上げてもらうという口実でステージにやっつんが登場し、サビではお祝いの大合唱。やっつんが実に恥ずかしそうだったが、中村一義から花と直筆のコメントを受け取った顔は本当に嬉しそうだった。
というやり取りがあったので、必然的に曲数自体は少なく、
「さっきの多幸感すごかったねぇ!みんなすごい!そんなみんなが死ぬように生きてるわけがない!」
と言って「キャノンボール」で終了。しかし、いついかなる時にこの曲を聴いても、やっぱり
「僕は死ぬように生きていたくはない」
と思える。本当に何度この曲に救われただろうか。次は久しぶりのロッキン。あの場所でまた見れるのが本当に嬉しい。
1.犬と猫
2.永遠なるもの
3.ジュビリー
4.1,2,3
5.キャノンボール
19:35~ 水曜日のカンパネラ [VUENOS]
コムアイという女性のエレクトロポップユニット、水曜日のカンパネラ。キン肉マンのSEが鳴ると、和柄の服を着てサングラスをかけたコムアイが客席最後方から登場。非常にポップかつダンサブルなトラックは、普通にインストのダンスミュージックとしても機能しそうだが、それに乗る歌詞がシュール過ぎて深読みのしようすらないほど。
「人情!人情!」(お七)
「フランス革命!」「お菓子を食べればいーじゃない!」(マリー・アントワネット)
と、普通に生きてたら絶対にすることのないコール&レスポンスを要求される。「マリー・アントワネット」では曲のあとに実際にお菓子を客席に投げつけまくり、
「この前フェスでやついさんと一緒になって、はじめましてだったんで、挨拶して一緒に写真撮ってもらったんですよー。でも、私頭良いんでー(笑)、やついさんの膝の上に乗せてもらって写真撮って、それをツイッターにあげて、本人に直接DMして、やついフェス出させてくださいって言って、今日出ることになったんですよー。頭使えて良かったー(笑)」
と、MCもかなりぶっ飛んでいるのだが、「モスラ」ではステージを飛び降りて客席を練り歩き、「星一徹」ではタイトル通りにちゃぶ台をひっくり返すのだが、
「正座しないとちゃぶ台返しはできないでしょ!」
という理由で曲をストップさせ、観客を全員正座させてから再開させるというもはややりたい放題のカオスっぷり。実際にサビでは観客全員がちゃぶ台をひっくり返すアクションをしたけど。
普通にしてたらいかにもその辺にいそうなOLみたいな感じなのに、ライブになるとなんであんなにぶっ飛んだ感じになるのか。禁断の多数決を1人でやったらこういう感じになるんだろうか。
BAYCAMPにも出演が決まってるし、トラックがいかにも夜な感じなので、夜の野外がすごく似合いそう。とりあえずこれから要チェックしていきたい存在。
1.二階堂マリ
2.お七
3.マリー・アントワネット
4.モスラ
5.星一徹
6.ミチコ
20:35~ The SALOVERS [asia]
去年はO-CrestのトリだったThe SALOVERS。今年はasiaのトリで登場。リハで「文学のススメ」を演奏したが、本編は「サリンジャー」からスタート。古舘はかなり髪を切ってさっぱりとした髪型になっているものの、両サイドの清也と小林はともにかなり髪が伸びてきており、特に清也は胡散臭い外人みたいになっている。
冒頭からいつも通りに非常にテンションが高い演奏を繰り広げていたのだが、「SAD GIRL」で藤川がまさかのスティックを落としてしまうというアクシデントが発生し、曲終わりで古舘に、
「お前1番いいとこでスティック落としてんじゃねぇ!」
と言われてしまう。しかし、これで逆にテンションが上がったとのことで、さらに衝動が加速していく。下北沢SHELTERでの2マンライブでは披露できなかった新曲「喉が涸れるまで」も披露されたのだが、このセトリの中に入っても全くテンションが落ちないくらいにアッパーな曲。
テンションが上がって気合いが入り過ぎたのか、「台湾!」の叫びが轟く「オールド台湾」では古舘が弦を切りながらギターをかき鳴らし、最後は「床には君のカーディガン」。去年はアンコールをやったので今年もやると思ったが、今年はなし。だが、この間のSHELTERでは全然見えなかったこの先の展開がようやく見えてきた感がある。あと、客席に普通にアルカラのボーカルの稲村さんがいた。スペシャ列伝ツアーを一緒に廻ってたもんなぁ。
1.サリンジャー
2.SAD GIRL
3.HOT HOT HOT!
4.仏教ソング
5.喉が涸れるまで (新曲)
6.ディタラトゥエンティ
7.オールド台湾
8.床には君のカーディガン
そのあとO-EASTでやついいちろうのDJを最後に見ようと思ったのだが、人が多すぎて全く見えず、やむなく退散。これで今年の自分のやついフェスは終了。
このフェスは、「知らないから見ない」んじゃなくて、「知らないからこそ見てみる」という姿勢の重要性を本当によく教えてくれる。どうやら来年は2days開催になるらしい。自分は見たいやつを予定通りに見れたが、いろんな会場で入場規制がかかっていたらしい。確かにそういう状況を踏まえると、2daysに拡大するのは当然なのかもしれない。
ともかく、今年も本当に楽しかった。ありがとう、やっつん!

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