COUNTDOWN JAPAN 18/19 day2 @幕張メッセ 12/29
- 2019/01/02
- 12:23
2日目。この日だけ一般販売でチケットが売れ残っていたという日。
12:00〜 さユり [COSMO STAGE]
昨年もこのCOSMO STAGEに出演し、その時は入場規制がかかるくらいの人が押し寄せた、さユり。今回もCOSMO STAGEでの出演であるが、前回とは違ってトップバッターとしての出演である。
今回トップバッターとしての出演となったのは、最新のツアーもそうだったように、今のさユりのライブがステージに紗幕を張り、そこに映像を投影するというスタイルゆえ。そのスタイルの先駆者と言えるamazarashiがこのフェスに出る時も毎回トップバッターであるのと同じ理由であると思われる。
先にバックバンドであるガスマスクメンバーたちが紗幕の向こう側に登場すると、その後におなじみの青と白を基調としたさユりがステージに現れると、アコギを手にして歌い始めたのはRADWIMPSの野田洋次郎が手がけた「フラレガイガール」。水滴が滴り落ちるような映像が
「瞳を飛び出し頬を伝う彼ら」
という表現で表された涙とリンクしている。
2017年にリリースされてオリコンデイリーチャート初登場1位を獲得したアルバム「ミカヅキの航海」収録の「オッドアイ」から、
「2018年は色々な出会いがありました。MY FIRST STORYと一緒に作った曲です」
と紹介されて演奏されたのはアニメのタイアップとなったコラボ曲「レイメイ」。
やはりHiro(MY FIRST STORY)は登場せずに、ツインボーカルであるこの曲のHiroのパートは打ち込みで流されたのだが、夏のロッキンではコラボが披露されたらしいし、2人の声が絡む部分は揃って歌うからこそ最大限に魅力を発揮できると思うので、いつか2人で歌うバージョンをライブで聴いてみたい。
2次元のさユりも登場する映像のデビュー曲「ミカヅキ」に今なお消えることのないさユりの孤独や焦燥感を感じさせると、
「初めてこのフェスに出させてもらった時(2016年にASTRO ARENAで初出演)に、こういう曲を作りたい、と思って作った曲を最後にやります。次に会える予定がないので、思いっきり歌います」
と言って最後に演奏されたのは壮大な映像がこのCOSMO STAGEの景色を塗り替えた「十億年」。映像の効果もあってか、確かに大きなステージでこそ映えるようなこの曲にそうした背景があったとは。それから2回このステージに立った後には果たしてどんな曲がさユりの脳内に浮かんでいるのだろうか。
しかし、ツアーでもそうだったが、今のさユりは見ていて心配になってしまうくらいに、声がキツそうな部分が多い。明らかに前は出ていた曲や音程も出なかったり、苦しそうになってきている。なのでライブにおいてはデビュー時の圧倒的な歌唱力が影を潜めてしまっている。その姿を見ると喉に異常をきたしているのではないか?と思ってしまうし、
「次に会える予定がない」
というのも手術を控えてるのでは?と思ってしまう。それが全て杞憂だといいのだけれど。
1.フラレガイガール
2.オッドアイ
3.レイメイ
4.ミカヅキ
5.十億年
12:30〜 フレンズ [ASTRO ARENA]
開演前からASTRO ARENAはアリーナもスタンドも超満員。その景色を作り出しているのは、フレンズ。さまざまなバンドからのメンバーが集まったこのバンドも今やワンマンではZeppクラスや日比谷野音を埋める規模の存在になっているだけに、この広いステージを満員にしているのも納得である。
近年おなじみの山本健太(ex.オトナモード)をキーボードに加えた6人編成でムーディーに「夜にダンス」でゆるゆると踊らせると、一転して「常夏ヴァカンス」で真冬でありながらもこのステージの中だけは夏に。そもそもがこのASTRO ARENAは非常に暖かいステージであるのだが、ステージと客席の熱気がさらにそれを夏らしく暑くしている。
「こんにちは!星のカービィでーす!大乱闘スマッシュブラザーズやってますかー!」
と、ピンクの衣装に身を包んだひろせひろせが挨拶すると、
「スマブラの話をするタイミングじゃない!」
とおかもとえみに突っ込まれるも、「CDJ」を「U.S.A」に言い換えて歌い、またしても
「それを歌うタイミングじゃない!」
とさらに突っ込まれるも、
「なんでそんなタイミング、タイミング言うんだよ!」
と返すと、
「それは、タイミング!」
と懐かしのブラックビスケッツ「タイミング」のカバーへ。おかもとがMVのダンスを踊りながら歌うのもそうだが、アレンジも含めてこのバンドがこの曲をカバーするのは実にハマっている。さすがJ-POPを標榜しているバンドである。
おかもとによる「コール&レス&ポンス」は相変わらず区切る部分が中途半端過ぎて観客とメンバーを困惑させていたが、満員の中にはこのバンドのライブを初めて見る人も多かったからか、かなりウケていたようなイメージ。
そして振り付けを指導してからの「塩と砂糖」から、最後はさらに大きなステージに進む意志を示すような歌詞に変えた「Love, ya!」でさらなる飛躍の予感を抱かせるとともに、2019年の夏はこの曲を聴きながらこのバンドが出演する夏フェスに行きたいと思った。
このバンドのメンバーにはそれぞれこのバンド以前にこのフェスに出ていた人が多い。(おかもと、長島涼平、関口塁)
そのメンバーたちがこうして再びこのフェスに出ていて、かつてのバンドが立てなかったステージまで行こうとしているのは実に感慨深い。
1.夜にダンス
2.常夏ヴァカンス
3.タイミング (BLACK BISCUITSのカバー)
4.塩と砂糖
5.Love,ya!
13:05〜 THE BAWDIES [GALAXY STAGE]
今年もかつて年越しアクトを務めたことのあるGALAXY STAGEへの出演となる、THE BAWDIES。メンバーがサウンドチェックを行った後で
「TOTALFAT(GALAXYのトップバッター)から伝言が。アゲアゲでお願いします!って!」
とJIMが客席に告げ、この日のライブへの期待が高まる。
おなじみ「SOUL MAN」のSEで原点回帰的に黒のスーツを着たメンバーが登場すると、
「THE BAWDIESでーす!飛べー!」
とROYが叫んで「NO WAY」でスタートし、「SING YOUR SONG」で大合唱、「YOU GOTTA DANCE」でさらに飛び跳ねさせるという言葉通りのアゲアゲっぷり。もう気迫というか気合いというかそういうものが演奏するメンバーの姿から溢れている。
年明けには3回目の日本武道館ワンマンを控えているのだが、それに向けてリリースされたばかりのニューシングル「HAPPY RAYS」も披露。音源ではホーンの音が華々しく入っているのだが、ライブではゲストはもちろん、打ち込みも使わないという4人だけのストイックかつロックンロールなスタイルで演奏される。決してハデに武道館を迎えようというタイプの曲ではないが、このバンドの持つ暖かさみたいなものを感じられる曲だ。
「HAPPY RAYS」からの幸せな空気をさらに増幅させるような「KEEP YOU HAPPY」は近年のフェスではメドレーのセクションの一部として演奏されていただけに、こうして1曲丸々聴けるというのは嬉しい驚き。
するとおなじみの小芝居を告げる音が鳴ると、珍しく女性役となったTAXMANがフナヤマタクコとして女子高生を演じ、謎の転校生ソウダセイジを演じるROYと道でぶつかるというラブコメ的な小芝居がスタート。メガネをかけたJIMはクラスメイトのガリ勉生徒役、MARCYは適当な教師役で、タクコが持っていたコッペパンをソウダセイジが拾ったことにより、「HOT DOG」に突入。この小芝居のクオリティの向上っぷりはずっと続けてきたからこそ演技力が磨かれたところもあるのだろう。武道館では続編が披露されるということだが。
そしてROYの超ロングシャウトが響き渡った「JUST BE COOL」から、ラストは転がり続けていく意志を示すための「KEEP ON ROCKIN'」でおなじみのコール&レスポンスをするのだが、観客から思ったほどのリアクションが返ってこずにやり直し、小さいコール&レスポンスから徐々に大きくしていくという形式を取ることによって最後には大合唱が響き渡る。それが生み出したシャウトが最後のROYとTAXMANが一本のマイクで歌うというサビの爆発力に繋がっていったのだが、ライブの最初の方は「THE BAWDIESって名前は知ってるけどライブは見たことないからちょっと見てみよう」的な人が明らかに多かったのが、最後にはそこにいた全員が笑顔で叫びながら飛び跳ねまくっている。それができるのがこのバンドの強さ。その強さが全く衰えていないどころかさらに増している一方だから、何回ライブを見ても全く飽きない。むしろどれだけセトリが同じでももっともっとライブが見たくなる。
最後にはTAXMANの「わっしょい」も武道館で続きをやることを約束して行われたのだが、演奏が終わるとすぐにほかのステージに移動していく人もたくさんいるフェスという場でありながら、「わっしょい」が終わるまで入場規制レベルの超満員の人は全く移動することがなかった。それくらいにここにいた全ての人をこの日のTHE BAWDIESは掴んでいた。
そして入場規制レベルの超満員と書いたように、夏フェスではなかなか現状の厳しさを思い知らされるような集客だったのが嘘のような大入りっぷりだった。下の世代のバンドで勢いのあるバンドもたくさんいるし、もしかしたら近いうちにこのGALAXY STAGEすらも取って変わられるような日が来てしまうかもしれないと思っていた。でも、1年前もそうだったが、このバンドにとっていつもライブ納めになるこのフェスは、そうした悔しい思いや厳しい思いをしたことが報われるような、超満員のロックンロールを愛する人たちで大騒ぎできるような場所だ。だからこのフェスでこのバンドのライブを見ると、まだまだこのバンドはいけるって思わせてくれる。3度目の武道館も、さらにその先も。やっぱりこのバンドに1番先頭で転がり続けて欲しいのだ。
1.NO WAY
2.SING YOUR SONG
3.YOU GOTTA DANCE
4.HAPPY RAYS
5.KEEP YOU HAPPY
6.HOT DOG
7.JUST BE COOL
8.KEEP ON ROCKIN'
14:10〜 9mm Parabellum Bullet [GALAXY STAGE]
近年はこのGALAXY STAGEがおなじみの存在になりつつある、9mm。今年はついに全編に渡って滝が参加するという完全復活スタイル。
おなじみの「Digital Hardcore」のSEで4人とサポートギターの武田将幸(HERE)が登場すると、おなじみのオープニングセッションとはまた違う形の壮大なイントロを追加した「新しい光」でスタートし、和彦はベースを床に置いて叫びまくり、滝ははやくも暴れまくりながらギターを弾いている。「カオスの百年ツアー」では人一倍ステージから伸びる花道を進んで暴れながらギターを弾く妖精っぷりを見せてくれていたが、そうした滝の姿を見るのが久しぶりな人も多いはずだ。
「仲間入りさせてやるぜー!」
と卓郎がテンション高く叫んだ「Black Market Blues」では
「COUNTDOWN JAPANにたどり着いたぜー!」
とおなじみの歌詞を変えて歌い、ツアーの際に新曲として来場者に配布された「カルマの花環」を演奏し、続けて
「10年くらい前に作った曲」
と紹介された、おなじくツアー時に新曲として配布された「21g」も演奏。どちらも9mmど真ん中のサウンドに立ち返ったような曲(「21g」に関してはそもそもが10年くらい前に作った曲なのでそう感じるのは当たり前なのだが)であるが、滝が暴れまくりながらギターを弾くことで完全復活っぷりをアピールしながら、こうして新しい曲を演奏することで最新のバンドの形も見せてくれる。傷ついたり苦しんだりしながらも、9mmが今なお進化を続けようとしているバンドであることを示している。
転換中に和彦がウッドベースに持ち替える姿に大歓声が上がったのは「キャンドルの灯を」だが、ギターの音つくりを変えたのか、イントロがめちゃくちゃ凶悪になっている。まさかここにきてこうして既存の曲が変化した形を見せてくれるとは。何度となく聴いてきた曲ではあるが、非常に新鮮だった。
そして「The Revolutionary」からは再び暴れまくるモードに突入するのだが、その中に「キャリーオン」が入っているのが心強い。フェスでこうしてこの曲を演奏しているというところに、9mmが今目の前にいる人たちと一緒にこれからも進んでいこうという決意を感じる。
「俺たち結成15周年です。初めてこのフェスに出たのが2006年かな。それから毎年このフェスに出させてもらってます」
とこのフェスを長い間支えてきたバンドだからこその言葉を伝えると、「ハートに火をつけて」から、卓郎と滝、さらには武田のギターの音が絡み合う「ロング・グッドバイ」へ。滝は暴れまくったことによってコードがマイクスタンドに絡まるという形になってしまったが、それこそが滝の完全復活っぷりを示していた。
この日のライブではGALAXY STAGEが入場規制になるくらいの人が詰めかけていた。かつてのような衝撃は与えられないかもしれないが、滝が戻ってきたことによる、ライブが終わったあとの爽快感はこのバンドでしか味わうことができない。ワンマンやツアーではなかなか大きな会場を埋めるのが厳しくなってきているけれど、2019年は9mmの年だ。夏も冬も、もう一つ大きなステージで、もう少し長い時間ライブを見ていたい。
THE BAWDIESもそうだけれど、この世代のバンドたちがこうしてGALAXYを超満員にしている。その姿だけで感動してしまう。まだまだいけるじゃないか、まだまだこれからじゃないか、って。
1.新しい光
2.Black Market Blues
3.カルマの花環
4.21g
5.キャンドルの灯を
6.The Revolutionary
7.キャリーオン
8.ハートに火をつけて
9.ロング・グッドバイ
15:15〜 ROTTENGRAFFTY [GALAXY STAGE]
毎年このフェスの前週に京都で自身の主催フェス「ポルノ超特急」を開催している、ROTTENGRAFFTY。今年もこのGALAXY STAGEに登場。
5人がステージに現れると、いきなりの「THIS WORLD」で早くもこれはピークなんじゃないか、という盛り上がりを見せ、メンバーの気合いも凄まじいものがある。どんなライブでも100%、いやそれ以上、全身全霊で演奏してきたバンドだが、それはこの1年の終わりとなってきても変わらないというか、むしろ1年の終わりが近づいてきてるからこそより凄みを増している。
とりわけクールなイメージが強いKAZUOMI(ギター&プログラミング)が非常にテンションが高く、「零戦SOUNDSYSTEM」演奏時には
「お前らを音で殺す!」
と叫んでギターを弾きまくり、「D.A.N.C.E」ではギターを弾かずに踊りまくりというテンションの高さ。言葉で牽引するのがNAOKIとNOBUYAのMC2人だとしたら、姿で牽引している。
SPACE SHOWER TVの番組においては完全に「面白い京都のおじさん」的な人になりつつあるHIROSHIと侑威地のリズム隊もそうした面白さは皆無でただひたすらにカッコ良い姿を見せてくれる。
初の武道館ワンマンも行った2018年を「種を蒔いた年だった」とし、2019年は「それを回収しにいく年にする」という言葉からもこれからさらに攻め続けていこうという覚悟が見えるが、ラストの「金色グラフィティー」の観客の大合唱が響き渡る様子はその覚悟がしっかりと身を結ぶ1年になるということを示していたように見えた。
メンバーもこの日のライブから大きな手応えを感じていたようだが、そもそも前週に主催フェスをやっているだけに、それが終わったら1年が終了、というような活動の仕方をしても全くおかしくないが、このバンドは近年は毎年このフェスにも出演しているし、ほかの年末のフェスやイベントにも出演している。
基本的にオファーが来たら断らないというスタイルなのだろうが、そこにはこのバンドの上昇志向が現れているし、まだまだ現状に満足はしていないのだろう。何せロッキンに初めて出演した時に
「俺たちをGRASS STAGEまで連れていってくれー!」
と叫んだバンドなのだから。
1.THIS WORLD
2.銀色スターリー
3.零戦SOUNDSYSTEM
4.PLAYBACK
5.世界の終わり
6.D.A.N.C.E
7.「70cm四方の窓辺」
8.STAY REAL
9.金色グラフィティー
16:20〜 KICK THE CAN CREW [GALAXY STAGE]
かつて復活した際にはロッキンのGRASS STAGEのトリも務めた、KICK THE CAN CREW。今回はGALAXY STAGEに出演である。
「KICK」と書かれたDJ卓のみが置かれたステージに先に熊井吾郎が登場して「千%」のイントロを鳴らすと、背面のモニターにはMVが映し出されてMC3人もステージに登場。早くも見事なマイクリレーを見せる3人に衰えは感じないが、MCUのパートにはこれまでの曲のフレーズが数々登場するだけに、そこは年月を経たからこそだなぁと思う。
「ちょっと変わった三三七拍子」
という「地球ブルース」ではMCUが
「来年で46」
という実年齢に合わせた歌詞に変えて歌い、KREVAとLITTLEがMCUを思いっきり引っ張ったりというラップ以外のパフォーマンスも実に面白い。さらにモニターには独自の編集による歌詞が映し出されていく。
リリース時にはCASSETTE VISIONとのコラボ曲であった「TRIIIIIICO!」も3人バージョンとして披露されるというアレンジもあり、サウンドが生演奏ではないとはいえ、CDで聴くのとは全く違うイメージを与えてくれる。
名曲「sayonara sayonara」の後には岡村靖幸とのコラボ曲「住所」。岡村靖幸こそ登場しなかったものの、男女に分かれて練習させたコール&レスポンスではすぐさま大きな合唱に。ラップというよりもボーカルと言っていいようなKREVAのパートはこの男の歌唱力の高さを改めて感じさせる。KREVAは「今夜はブギー・バック」をまさかのラップなしバージョンでカバーしたこともあるが、それができるのはこの歌唱力あってこそ。
自己紹介的なMCではKREVAが
「今日会場に着いて、出演者入り口から入ろうとしたらスタッフに止められました(笑)
渋谷陽一と山崎洋一郎に「どう思います?」って言ったら、
「アジカンのゴッチは、バイトはこっちだよ!」
って言われたことあるよ、って言ってました(笑)」
と、出演者だと思われていなかった話で爆笑を誘う。
MCUは喋ろうとすると3回もKREVAに遮られるというおなじみのやり取りもありつつ、この日履いてきたズボンがキツくてボタンが外れつつあるという状況であることを報告。見せたらマジでボタンが閉まらなくてKREVAとLITTLEも爆笑。
LITTLEは真摯に観客や応援してくれている人への感謝を告げると、
「敢えて今言うけど、まだ何も終わっちゃいないぜ!」
と「イツナロウバ」でまだこれからだというくらいの盛り上がりを見せると、一転してメロウな「アンバランス」へ。最近はこの曲を最後にやって、アウトロが流れる中でメンバーがステージから去っていくというパターンが多かったが、この日はこれで終わらず、最後に「マルシェ」で見事な3人のマイクリレーを見せながら観客をガンガンに「アガってる!」状態にすると、MCUは完全にズボンが脱げてしまっており、その状態でステージから去っていった。
KREVAのソロをずっとEARTHで見続けてきただけに、ソロではなくまさかKICKをGALAXYで見るようになるとは思わなかったが、そもそもヒップホップというジャンルのアーティストではこのGALAXYの規模に立てる人も他にいない。(今年、EARTHにもヒップホップアーティストは出ておらず、GALAXYもこのグループだけ)
そんな存在がかつてのヒット曲に加えて新曲もライブで聴かせてくれるというのは本当に嬉しいし、楽しい。このフェスにおけるヒップホップの灯を絶やさずに燃やし続けて欲しい。
1.千%
2.地球ブルース
3.TRIIIIIICO!
4.sayonara sayonara
5.住所
6.イツナロウバ
7.アンバランス
8.マルシェ
17:25〜 打首獄門同好会 [GALAXY STAGE]
2018年は日本武道館ワンマンなど、まさに飛躍の年になった、打首獄門同好会。さらにこのフェスのちょっと前にはベースのjunkoがまさかの還暦だったことを公表してより一層バズるという状況になったため、開演前から入場規制レベルの超満員。
ステージ背面のスクリーンに映像が映し出されるため、ステージ上にはメンバー3人のみというスタイルで登場すると、大澤が
「年の瀬でございます。毎日が何かを納める日。今日は2018年最後の肉の日でございます!」
と「ニクタベイコウ」からスタートすると、次々に映し出される肉の画像についついお腹が減ってくる。しかもこのGALAXY STAGEは飲食ブースの肉の匂いがかなり漂ってくるステージであるためにより一層肉が食べたくなってしまう。
年明けのお年玉にまつわる「カモン諭吉」を筆頭に、この時期ならではな選曲や大澤による曲の繋ぎMCも実に秀逸なのだが、そもそも「生活密着型ラウドロック」を掲げるバンドであるがゆえに、どれもどんな場面でも合うような曲ばかりなのかもしれない。
ファミコン世代からしたら元ネタのゲームの映像にいちいち反応してしまう「きのこたけのこ戦争」、アニメーションの映像が可愛い「はたらきたくない」、冬ならではの「布団の中から出たくない」と続くと、カップラーメンのスーパーカップをテーマにした、メンバーが戦隊ヒーローに扮した「YES MAX」を披露。完全に企業や商品とコラボしたからこそできるような曲ではあるが、それを全く違和感なくこのバンドの音楽にできてしまうというセンスは恐ろしいものがある。
年末といえば年越しそばであり、この会場の飲食ブースでもいろんな店で販売されているが、このバンドにとっての年越しそばは、ラーメン二郎をテーマにした、あまりにも濃厚な「わたしを二郎に連れてって」。大澤は「そばの曲がまだないから」と言っていたが、いずれどん兵衛あたりとコラボしてそういう曲が生まれてきそうな予感すらしている。
「今年は本当にいろんなことがありました。思えばライブ初めが年明けてからのこのステージのトリでした。実はこのフェスで年越し後以外の時間にライブをやるのは初めてです(笑)
武道館でワンマンをやったりしましたが、最後の最後にベースの人が全てをかっさらっていきました(笑)
みなさん、そんな我々打首獄門同好会を来年もよろしくお願いします。それでは皆様の来年の豊作を願って、ご唱和ください!」
と言って最後に演奏されたのはやはり「日本の米は世界一」。女性メンバー2人のコーラスをかき消すほどの大合唱が轟く様を見て、もはやこの曲は今の日本のロックシーンを代表するアンセムになっているのかもしれない、と思った。まさかこんなにすごいことになるとは全く思っていなかったけれど。
1.ニクタベイコウ
2.カモン諭吉
3.きのこたけのこ戦争
4.はたらきたくない
5.布団の中から出たくない
6.YES MAX
7.わたしを二郎に連れてって
8.日本の米は世界一
18:15〜 the HIATUS [EARTH STAGE]
このフェスにおいては毎年MONOEYESとともに2ステージ出演している、細美武士。今年はthe HIATUSが先にこの日に出演。(MONOEYESは31日)
メンバーが登場して演奏をスタートさせると、静謐な空気が会場に緊張感を与える「Roller Coaster Ride Memories」からスタート。全く激しい曲ではないが、メンバーの演奏する姿からは確かに燃えているものがあることを感じさせる。
the HIATUSは年末前までツアーを行っていたのだが、その時に用いていた「演奏中のメンバーの様子をモノクロにしたりして加工した映像をスクリーンに流す」という手法をこの日も使っているために、「Monochrome Film Tour」の続きといったような感じか。最初に演奏された「Roller Coaster Ride Memories」もツアーで最初に演奏されていた曲である。
言葉数の多いきらめくようなサウンドの「Shimmer」、この季節にぴったりな曲である「Snowflakes」、細美のボーカルの強さが際立つ「Clone」と続くと、「Twisted Maple Trees」ではじわじわと迫力と温度を増していく演奏がアウトロでさらに極まっていく。ツアー時も演奏後に最も拍手の音が大きく響いた曲だったが、それはフェスでも変わらないし、こんな演奏ができるバンドは間違いなく他にいない。
しかしながらツアーが終わったばかりというのもあるが、さすがにフェスということで毎年フェスで演奏してきたような曲も演奏されるんじゃないか、と思っていたが、そんなことは一切なく、完全に今のthe HIATUSのライブのあり方を見せるようなライブ。あらゆる時期の既存曲で構成されているセトリだが、そもそも今までそんなに演奏されていなかった曲も多いし、バンドの表現力がリリース当時とは全く違う。
このバンドのことを知らないでライブを見にきた人からしたら「なんだこれ?」的に思われても仕方ないくらいに初見殺しと言ってもいいような内容であるが、そもそもわかりやすさを目指しているのだったらこういうバンドをやっていないわけで、ある意味では「Monochrome Film Tour」とそれに続くこの日のライブはこのバンドの真髄を見せるようなものになっていたと言っても過言ではないと思う。
これまではこのフェスのステージにおいてもフェスのルールのあり方に疑念を呈したり(そもそもこの日の選曲では絶対ダイバー出ないから言いようもないけど)、下ネタを言ったり、あるいは年末を盛り上げるようなことを言ったりしてきたが、細美はこの日はMCもほぼなし。ただひたすらに演奏に全神経を集中していたし、だからこそ「Walking Like A Man」や「Burn To Shine」の歌唱は本当に素晴らしかった。歌だけで人の心を震わせるボーカリストである。それはELLEGARDENやMONOEYESでは体感することができない、細美武士の凄さ。the HIATUSのツアーが毎回チケットが取れないのはそうした部分をわかっている、伝わっている人がたくさんいるからだと思う。
演奏が終わるとステージの端まで歩いて観客に向かって一礼。もはやわかりやすく盛り上がる曲は皆無だし、もしかしたら動員的にもGALAXYで収まるくらいかもしれない。でも楽曲のスケールや細美のボーカルのスケールを考えると、年に2回くらいだけはこのキャパでこのバンドのライブが見たい。2回というのはもちろんこのフェスのEARTH STAGEと、ロッキンのGRASS STAGE。ツアーで演奏されていた新曲は演奏されなかったが、果たして次にどんな曲で我々を驚かせてくれるのだろうか。
1.Roller Coaster Ride Memories
2.Shimmer
3.Snowflakes
4.Clone
5.Twisted Maple Trees
6.Sunset Off The Coastline
7.Tree Rings
8.Walking Like A Man
9.Catch You Later
10.Burn To Shine
19:30〜 [ALEXANDROS] [EARTH STAGE]
昨年のEARTH STAGEの年越しアクト、[ALEXANDROS]。今年はこの2日目のトリとしてこのEARTH STAGEに登場。
サトヤス以外の3人はフォーマルな衣装で登場すると、最近のライブのオープニングの定番曲となってきている「LAST MINUTE」でスタート。川上のボーカルも実に伸びやかで調子が良さそう。
すると「ワタリドリ」で川上がステージ左右の花道を歩きながら歌い、観客も飛び跳ねまくる。この曲の持つ多幸感はこのバンドのスケールが増すごとに大きくなってきていると思う。
早くも大合唱が轟いた「Starrrrrrr」、獰猛なサウンドの「Girl A」と続くと、バンドは最新モードに突入していく。
重厚な白井のギターリフが鳴り響く「Mosquite Bite」では間奏で川上と白井が向かい合ってギターを鳴らし、最後にはステージに膝をついてギターを弾いた川上が白井と拳を合わせる。さらにアウトロでは2人に加えて磯部も合流して3人が真ん中に並んで演奏。その姿のど迫力っぷりはこの曲が今やこのバンドの最強の武器になっていることを示していた。
川上がアコギに持ち変えての「Waitress,W aitress!」、さらには磯部がパーカッションを叩きまくるというラテンフレーバーな「Fish Tacos Party」へという流れは長い持ち時間を持つこのフェスだからこそ。
川上がアコギを置くと、ハンドマイクで歌う「PARTY IS OVER」へ。川上はステージを動きながら、最後にはステージ中央を下から映すカメラに寄って、「スクリーンに俺を映せ」とばかりにカメラ目線で歌う。川上はロッキンオンのフェスでは左右の花道のカメラにも目線を向けて歌ってからそのカメラを歌詞に合わせて客席に向けるという使い方をしているが、こうしたところを見ると本当にロックスターそのものだな、と思う。
「年末の歌を歌おうと思います!」
と言って川上のアコギ弾き語り的な形で演奏された「12/26以降の年末ソング」はまさにこの時期ならではの選曲ではあるが、これまではこのフェスでもワンフレーズだけ歌われたりしていただけに、こうしてガッツリ聴ける機会というのは実は貴重である。
ROSEのピアノのサウンドが曲を彩るバラード「ハナウタ」でこのバンドの最大の持ち味であるメロディに浸らせると、「city」、さらには「Kick & Spin」とキラーチューン連発の終盤。そうした曲が後半に並ぶことによってこのバンドのグルーヴや熱さはさらに高まっていく。
そしてラストは川上がハンドマイクで前述のカメラをロックスター的に使った「Adventure」で締めてステージから去ったと思いきや、数秒後にすぐさま再登場。もう時間がないからすぐに出てきたとのことだが、
「熱い歓声ありがとう!」
と川上の言葉も転換もかなり焦り気味ではあったが、いざ「アルペジオ」の演奏が始まるとその曲の空気に完璧に浸らせるのはさすが。
もはやこのバンドがこのフェスを代表するバンドになっていると感じるくらいのスケール感と、ライブハウスツアーを終えたばかりだからこそ持つ熱量。横綱相撲と言っていいくらいの圧巻のトリのライブだったが、これでアリーナツアーを終えたらこのバンドはどこまで凄くなるんだろうか。
1.LAST MINUTE
2.ワタリドリ
3.Starrrrrrr
4.Girl A
5.Mosquite Bite
6.Waitress,Waitress!
7.Fish Tacos Party
8.PARTY IS OVER
9.12/26以降の年末ソング
10.ハナウタ
11.city
12.Kick & Spin
13.Adventure
encore
14.アルペジオ
この日自分が見たのは中堅からベテランと言ってもいいような立ち位置のバンドが多かったが、そんな中でこのフェスでずっと見てきた、かつてはEARTH STAGEに立っていたTHE BAWDIESと9mmがGALAXY STAGEを満員にしていたのは本当に嬉しかった。どちらのバンドにとっても2019年は大事な1年になる。それをこの目でしっかりと見届けていきたい。
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12:00〜 さユり [COSMO STAGE]
昨年もこのCOSMO STAGEに出演し、その時は入場規制がかかるくらいの人が押し寄せた、さユり。今回もCOSMO STAGEでの出演であるが、前回とは違ってトップバッターとしての出演である。
今回トップバッターとしての出演となったのは、最新のツアーもそうだったように、今のさユりのライブがステージに紗幕を張り、そこに映像を投影するというスタイルゆえ。そのスタイルの先駆者と言えるamazarashiがこのフェスに出る時も毎回トップバッターであるのと同じ理由であると思われる。
先にバックバンドであるガスマスクメンバーたちが紗幕の向こう側に登場すると、その後におなじみの青と白を基調としたさユりがステージに現れると、アコギを手にして歌い始めたのはRADWIMPSの野田洋次郎が手がけた「フラレガイガール」。水滴が滴り落ちるような映像が
「瞳を飛び出し頬を伝う彼ら」
という表現で表された涙とリンクしている。
2017年にリリースされてオリコンデイリーチャート初登場1位を獲得したアルバム「ミカヅキの航海」収録の「オッドアイ」から、
「2018年は色々な出会いがありました。MY FIRST STORYと一緒に作った曲です」
と紹介されて演奏されたのはアニメのタイアップとなったコラボ曲「レイメイ」。
やはりHiro(MY FIRST STORY)は登場せずに、ツインボーカルであるこの曲のHiroのパートは打ち込みで流されたのだが、夏のロッキンではコラボが披露されたらしいし、2人の声が絡む部分は揃って歌うからこそ最大限に魅力を発揮できると思うので、いつか2人で歌うバージョンをライブで聴いてみたい。
2次元のさユりも登場する映像のデビュー曲「ミカヅキ」に今なお消えることのないさユりの孤独や焦燥感を感じさせると、
「初めてこのフェスに出させてもらった時(2016年にASTRO ARENAで初出演)に、こういう曲を作りたい、と思って作った曲を最後にやります。次に会える予定がないので、思いっきり歌います」
と言って最後に演奏されたのは壮大な映像がこのCOSMO STAGEの景色を塗り替えた「十億年」。映像の効果もあってか、確かに大きなステージでこそ映えるようなこの曲にそうした背景があったとは。それから2回このステージに立った後には果たしてどんな曲がさユりの脳内に浮かんでいるのだろうか。
しかし、ツアーでもそうだったが、今のさユりは見ていて心配になってしまうくらいに、声がキツそうな部分が多い。明らかに前は出ていた曲や音程も出なかったり、苦しそうになってきている。なのでライブにおいてはデビュー時の圧倒的な歌唱力が影を潜めてしまっている。その姿を見ると喉に異常をきたしているのではないか?と思ってしまうし、
「次に会える予定がない」
というのも手術を控えてるのでは?と思ってしまう。それが全て杞憂だといいのだけれど。
1.フラレガイガール
2.オッドアイ
3.レイメイ
4.ミカヅキ
5.十億年
12:30〜 フレンズ [ASTRO ARENA]
開演前からASTRO ARENAはアリーナもスタンドも超満員。その景色を作り出しているのは、フレンズ。さまざまなバンドからのメンバーが集まったこのバンドも今やワンマンではZeppクラスや日比谷野音を埋める規模の存在になっているだけに、この広いステージを満員にしているのも納得である。
近年おなじみの山本健太(ex.オトナモード)をキーボードに加えた6人編成でムーディーに「夜にダンス」でゆるゆると踊らせると、一転して「常夏ヴァカンス」で真冬でありながらもこのステージの中だけは夏に。そもそもがこのASTRO ARENAは非常に暖かいステージであるのだが、ステージと客席の熱気がさらにそれを夏らしく暑くしている。
「こんにちは!星のカービィでーす!大乱闘スマッシュブラザーズやってますかー!」
と、ピンクの衣装に身を包んだひろせひろせが挨拶すると、
「スマブラの話をするタイミングじゃない!」
とおかもとえみに突っ込まれるも、「CDJ」を「U.S.A」に言い換えて歌い、またしても
「それを歌うタイミングじゃない!」
とさらに突っ込まれるも、
「なんでそんなタイミング、タイミング言うんだよ!」
と返すと、
「それは、タイミング!」
と懐かしのブラックビスケッツ「タイミング」のカバーへ。おかもとがMVのダンスを踊りながら歌うのもそうだが、アレンジも含めてこのバンドがこの曲をカバーするのは実にハマっている。さすがJ-POPを標榜しているバンドである。
おかもとによる「コール&レス&ポンス」は相変わらず区切る部分が中途半端過ぎて観客とメンバーを困惑させていたが、満員の中にはこのバンドのライブを初めて見る人も多かったからか、かなりウケていたようなイメージ。
そして振り付けを指導してからの「塩と砂糖」から、最後はさらに大きなステージに進む意志を示すような歌詞に変えた「Love, ya!」でさらなる飛躍の予感を抱かせるとともに、2019年の夏はこの曲を聴きながらこのバンドが出演する夏フェスに行きたいと思った。
このバンドのメンバーにはそれぞれこのバンド以前にこのフェスに出ていた人が多い。(おかもと、長島涼平、関口塁)
そのメンバーたちがこうして再びこのフェスに出ていて、かつてのバンドが立てなかったステージまで行こうとしているのは実に感慨深い。
1.夜にダンス
2.常夏ヴァカンス
3.タイミング (BLACK BISCUITSのカバー)
4.塩と砂糖
5.Love,ya!
13:05〜 THE BAWDIES [GALAXY STAGE]
今年もかつて年越しアクトを務めたことのあるGALAXY STAGEへの出演となる、THE BAWDIES。メンバーがサウンドチェックを行った後で
「TOTALFAT(GALAXYのトップバッター)から伝言が。アゲアゲでお願いします!って!」
とJIMが客席に告げ、この日のライブへの期待が高まる。
おなじみ「SOUL MAN」のSEで原点回帰的に黒のスーツを着たメンバーが登場すると、
「THE BAWDIESでーす!飛べー!」
とROYが叫んで「NO WAY」でスタートし、「SING YOUR SONG」で大合唱、「YOU GOTTA DANCE」でさらに飛び跳ねさせるという言葉通りのアゲアゲっぷり。もう気迫というか気合いというかそういうものが演奏するメンバーの姿から溢れている。
年明けには3回目の日本武道館ワンマンを控えているのだが、それに向けてリリースされたばかりのニューシングル「HAPPY RAYS」も披露。音源ではホーンの音が華々しく入っているのだが、ライブではゲストはもちろん、打ち込みも使わないという4人だけのストイックかつロックンロールなスタイルで演奏される。決してハデに武道館を迎えようというタイプの曲ではないが、このバンドの持つ暖かさみたいなものを感じられる曲だ。
「HAPPY RAYS」からの幸せな空気をさらに増幅させるような「KEEP YOU HAPPY」は近年のフェスではメドレーのセクションの一部として演奏されていただけに、こうして1曲丸々聴けるというのは嬉しい驚き。
するとおなじみの小芝居を告げる音が鳴ると、珍しく女性役となったTAXMANがフナヤマタクコとして女子高生を演じ、謎の転校生ソウダセイジを演じるROYと道でぶつかるというラブコメ的な小芝居がスタート。メガネをかけたJIMはクラスメイトのガリ勉生徒役、MARCYは適当な教師役で、タクコが持っていたコッペパンをソウダセイジが拾ったことにより、「HOT DOG」に突入。この小芝居のクオリティの向上っぷりはずっと続けてきたからこそ演技力が磨かれたところもあるのだろう。武道館では続編が披露されるということだが。
そしてROYの超ロングシャウトが響き渡った「JUST BE COOL」から、ラストは転がり続けていく意志を示すための「KEEP ON ROCKIN'」でおなじみのコール&レスポンスをするのだが、観客から思ったほどのリアクションが返ってこずにやり直し、小さいコール&レスポンスから徐々に大きくしていくという形式を取ることによって最後には大合唱が響き渡る。それが生み出したシャウトが最後のROYとTAXMANが一本のマイクで歌うというサビの爆発力に繋がっていったのだが、ライブの最初の方は「THE BAWDIESって名前は知ってるけどライブは見たことないからちょっと見てみよう」的な人が明らかに多かったのが、最後にはそこにいた全員が笑顔で叫びながら飛び跳ねまくっている。それができるのがこのバンドの強さ。その強さが全く衰えていないどころかさらに増している一方だから、何回ライブを見ても全く飽きない。むしろどれだけセトリが同じでももっともっとライブが見たくなる。
最後にはTAXMANの「わっしょい」も武道館で続きをやることを約束して行われたのだが、演奏が終わるとすぐにほかのステージに移動していく人もたくさんいるフェスという場でありながら、「わっしょい」が終わるまで入場規制レベルの超満員の人は全く移動することがなかった。それくらいにここにいた全ての人をこの日のTHE BAWDIESは掴んでいた。
そして入場規制レベルの超満員と書いたように、夏フェスではなかなか現状の厳しさを思い知らされるような集客だったのが嘘のような大入りっぷりだった。下の世代のバンドで勢いのあるバンドもたくさんいるし、もしかしたら近いうちにこのGALAXY STAGEすらも取って変わられるような日が来てしまうかもしれないと思っていた。でも、1年前もそうだったが、このバンドにとっていつもライブ納めになるこのフェスは、そうした悔しい思いや厳しい思いをしたことが報われるような、超満員のロックンロールを愛する人たちで大騒ぎできるような場所だ。だからこのフェスでこのバンドのライブを見ると、まだまだこのバンドはいけるって思わせてくれる。3度目の武道館も、さらにその先も。やっぱりこのバンドに1番先頭で転がり続けて欲しいのだ。
1.NO WAY
2.SING YOUR SONG
3.YOU GOTTA DANCE
4.HAPPY RAYS
5.KEEP YOU HAPPY
6.HOT DOG
7.JUST BE COOL
8.KEEP ON ROCKIN'
14:10〜 9mm Parabellum Bullet [GALAXY STAGE]
近年はこのGALAXY STAGEがおなじみの存在になりつつある、9mm。今年はついに全編に渡って滝が参加するという完全復活スタイル。
おなじみの「Digital Hardcore」のSEで4人とサポートギターの武田将幸(HERE)が登場すると、おなじみのオープニングセッションとはまた違う形の壮大なイントロを追加した「新しい光」でスタートし、和彦はベースを床に置いて叫びまくり、滝ははやくも暴れまくりながらギターを弾いている。「カオスの百年ツアー」では人一倍ステージから伸びる花道を進んで暴れながらギターを弾く妖精っぷりを見せてくれていたが、そうした滝の姿を見るのが久しぶりな人も多いはずだ。
「仲間入りさせてやるぜー!」
と卓郎がテンション高く叫んだ「Black Market Blues」では
「COUNTDOWN JAPANにたどり着いたぜー!」
とおなじみの歌詞を変えて歌い、ツアーの際に新曲として来場者に配布された「カルマの花環」を演奏し、続けて
「10年くらい前に作った曲」
と紹介された、おなじくツアー時に新曲として配布された「21g」も演奏。どちらも9mmど真ん中のサウンドに立ち返ったような曲(「21g」に関してはそもそもが10年くらい前に作った曲なのでそう感じるのは当たり前なのだが)であるが、滝が暴れまくりながらギターを弾くことで完全復活っぷりをアピールしながら、こうして新しい曲を演奏することで最新のバンドの形も見せてくれる。傷ついたり苦しんだりしながらも、9mmが今なお進化を続けようとしているバンドであることを示している。
転換中に和彦がウッドベースに持ち替える姿に大歓声が上がったのは「キャンドルの灯を」だが、ギターの音つくりを変えたのか、イントロがめちゃくちゃ凶悪になっている。まさかここにきてこうして既存の曲が変化した形を見せてくれるとは。何度となく聴いてきた曲ではあるが、非常に新鮮だった。
そして「The Revolutionary」からは再び暴れまくるモードに突入するのだが、その中に「キャリーオン」が入っているのが心強い。フェスでこうしてこの曲を演奏しているというところに、9mmが今目の前にいる人たちと一緒にこれからも進んでいこうという決意を感じる。
「俺たち結成15周年です。初めてこのフェスに出たのが2006年かな。それから毎年このフェスに出させてもらってます」
とこのフェスを長い間支えてきたバンドだからこその言葉を伝えると、「ハートに火をつけて」から、卓郎と滝、さらには武田のギターの音が絡み合う「ロング・グッドバイ」へ。滝は暴れまくったことによってコードがマイクスタンドに絡まるという形になってしまったが、それこそが滝の完全復活っぷりを示していた。
この日のライブではGALAXY STAGEが入場規制になるくらいの人が詰めかけていた。かつてのような衝撃は与えられないかもしれないが、滝が戻ってきたことによる、ライブが終わったあとの爽快感はこのバンドでしか味わうことができない。ワンマンやツアーではなかなか大きな会場を埋めるのが厳しくなってきているけれど、2019年は9mmの年だ。夏も冬も、もう一つ大きなステージで、もう少し長い時間ライブを見ていたい。
THE BAWDIESもそうだけれど、この世代のバンドたちがこうしてGALAXYを超満員にしている。その姿だけで感動してしまう。まだまだいけるじゃないか、まだまだこれからじゃないか、って。
1.新しい光
2.Black Market Blues
3.カルマの花環
4.21g
5.キャンドルの灯を
6.The Revolutionary
7.キャリーオン
8.ハートに火をつけて
9.ロング・グッドバイ
15:15〜 ROTTENGRAFFTY [GALAXY STAGE]
毎年このフェスの前週に京都で自身の主催フェス「ポルノ超特急」を開催している、ROTTENGRAFFTY。今年もこのGALAXY STAGEに登場。
5人がステージに現れると、いきなりの「THIS WORLD」で早くもこれはピークなんじゃないか、という盛り上がりを見せ、メンバーの気合いも凄まじいものがある。どんなライブでも100%、いやそれ以上、全身全霊で演奏してきたバンドだが、それはこの1年の終わりとなってきても変わらないというか、むしろ1年の終わりが近づいてきてるからこそより凄みを増している。
とりわけクールなイメージが強いKAZUOMI(ギター&プログラミング)が非常にテンションが高く、「零戦SOUNDSYSTEM」演奏時には
「お前らを音で殺す!」
と叫んでギターを弾きまくり、「D.A.N.C.E」ではギターを弾かずに踊りまくりというテンションの高さ。言葉で牽引するのがNAOKIとNOBUYAのMC2人だとしたら、姿で牽引している。
SPACE SHOWER TVの番組においては完全に「面白い京都のおじさん」的な人になりつつあるHIROSHIと侑威地のリズム隊もそうした面白さは皆無でただひたすらにカッコ良い姿を見せてくれる。
初の武道館ワンマンも行った2018年を「種を蒔いた年だった」とし、2019年は「それを回収しにいく年にする」という言葉からもこれからさらに攻め続けていこうという覚悟が見えるが、ラストの「金色グラフィティー」の観客の大合唱が響き渡る様子はその覚悟がしっかりと身を結ぶ1年になるということを示していたように見えた。
メンバーもこの日のライブから大きな手応えを感じていたようだが、そもそも前週に主催フェスをやっているだけに、それが終わったら1年が終了、というような活動の仕方をしても全くおかしくないが、このバンドは近年は毎年このフェスにも出演しているし、ほかの年末のフェスやイベントにも出演している。
基本的にオファーが来たら断らないというスタイルなのだろうが、そこにはこのバンドの上昇志向が現れているし、まだまだ現状に満足はしていないのだろう。何せロッキンに初めて出演した時に
「俺たちをGRASS STAGEまで連れていってくれー!」
と叫んだバンドなのだから。
1.THIS WORLD
2.銀色スターリー
3.零戦SOUNDSYSTEM
4.PLAYBACK
5.世界の終わり
6.D.A.N.C.E
7.「70cm四方の窓辺」
8.STAY REAL
9.金色グラフィティー
16:20〜 KICK THE CAN CREW [GALAXY STAGE]
かつて復活した際にはロッキンのGRASS STAGEのトリも務めた、KICK THE CAN CREW。今回はGALAXY STAGEに出演である。
「KICK」と書かれたDJ卓のみが置かれたステージに先に熊井吾郎が登場して「千%」のイントロを鳴らすと、背面のモニターにはMVが映し出されてMC3人もステージに登場。早くも見事なマイクリレーを見せる3人に衰えは感じないが、MCUのパートにはこれまでの曲のフレーズが数々登場するだけに、そこは年月を経たからこそだなぁと思う。
「ちょっと変わった三三七拍子」
という「地球ブルース」ではMCUが
「来年で46」
という実年齢に合わせた歌詞に変えて歌い、KREVAとLITTLEがMCUを思いっきり引っ張ったりというラップ以外のパフォーマンスも実に面白い。さらにモニターには独自の編集による歌詞が映し出されていく。
リリース時にはCASSETTE VISIONとのコラボ曲であった「TRIIIIIICO!」も3人バージョンとして披露されるというアレンジもあり、サウンドが生演奏ではないとはいえ、CDで聴くのとは全く違うイメージを与えてくれる。
名曲「sayonara sayonara」の後には岡村靖幸とのコラボ曲「住所」。岡村靖幸こそ登場しなかったものの、男女に分かれて練習させたコール&レスポンスではすぐさま大きな合唱に。ラップというよりもボーカルと言っていいようなKREVAのパートはこの男の歌唱力の高さを改めて感じさせる。KREVAは「今夜はブギー・バック」をまさかのラップなしバージョンでカバーしたこともあるが、それができるのはこの歌唱力あってこそ。
自己紹介的なMCではKREVAが
「今日会場に着いて、出演者入り口から入ろうとしたらスタッフに止められました(笑)
渋谷陽一と山崎洋一郎に「どう思います?」って言ったら、
「アジカンのゴッチは、バイトはこっちだよ!」
って言われたことあるよ、って言ってました(笑)」
と、出演者だと思われていなかった話で爆笑を誘う。
MCUは喋ろうとすると3回もKREVAに遮られるというおなじみのやり取りもありつつ、この日履いてきたズボンがキツくてボタンが外れつつあるという状況であることを報告。見せたらマジでボタンが閉まらなくてKREVAとLITTLEも爆笑。
LITTLEは真摯に観客や応援してくれている人への感謝を告げると、
「敢えて今言うけど、まだ何も終わっちゃいないぜ!」
と「イツナロウバ」でまだこれからだというくらいの盛り上がりを見せると、一転してメロウな「アンバランス」へ。最近はこの曲を最後にやって、アウトロが流れる中でメンバーがステージから去っていくというパターンが多かったが、この日はこれで終わらず、最後に「マルシェ」で見事な3人のマイクリレーを見せながら観客をガンガンに「アガってる!」状態にすると、MCUは完全にズボンが脱げてしまっており、その状態でステージから去っていった。
KREVAのソロをずっとEARTHで見続けてきただけに、ソロではなくまさかKICKをGALAXYで見るようになるとは思わなかったが、そもそもヒップホップというジャンルのアーティストではこのGALAXYの規模に立てる人も他にいない。(今年、EARTHにもヒップホップアーティストは出ておらず、GALAXYもこのグループだけ)
そんな存在がかつてのヒット曲に加えて新曲もライブで聴かせてくれるというのは本当に嬉しいし、楽しい。このフェスにおけるヒップホップの灯を絶やさずに燃やし続けて欲しい。
1.千%
2.地球ブルース
3.TRIIIIIICO!
4.sayonara sayonara
5.住所
6.イツナロウバ
7.アンバランス
8.マルシェ
17:25〜 打首獄門同好会 [GALAXY STAGE]
2018年は日本武道館ワンマンなど、まさに飛躍の年になった、打首獄門同好会。さらにこのフェスのちょっと前にはベースのjunkoがまさかの還暦だったことを公表してより一層バズるという状況になったため、開演前から入場規制レベルの超満員。
ステージ背面のスクリーンに映像が映し出されるため、ステージ上にはメンバー3人のみというスタイルで登場すると、大澤が
「年の瀬でございます。毎日が何かを納める日。今日は2018年最後の肉の日でございます!」
と「ニクタベイコウ」からスタートすると、次々に映し出される肉の画像についついお腹が減ってくる。しかもこのGALAXY STAGEは飲食ブースの肉の匂いがかなり漂ってくるステージであるためにより一層肉が食べたくなってしまう。
年明けのお年玉にまつわる「カモン諭吉」を筆頭に、この時期ならではな選曲や大澤による曲の繋ぎMCも実に秀逸なのだが、そもそも「生活密着型ラウドロック」を掲げるバンドであるがゆえに、どれもどんな場面でも合うような曲ばかりなのかもしれない。
ファミコン世代からしたら元ネタのゲームの映像にいちいち反応してしまう「きのこたけのこ戦争」、アニメーションの映像が可愛い「はたらきたくない」、冬ならではの「布団の中から出たくない」と続くと、カップラーメンのスーパーカップをテーマにした、メンバーが戦隊ヒーローに扮した「YES MAX」を披露。完全に企業や商品とコラボしたからこそできるような曲ではあるが、それを全く違和感なくこのバンドの音楽にできてしまうというセンスは恐ろしいものがある。
年末といえば年越しそばであり、この会場の飲食ブースでもいろんな店で販売されているが、このバンドにとっての年越しそばは、ラーメン二郎をテーマにした、あまりにも濃厚な「わたしを二郎に連れてって」。大澤は「そばの曲がまだないから」と言っていたが、いずれどん兵衛あたりとコラボしてそういう曲が生まれてきそうな予感すらしている。
「今年は本当にいろんなことがありました。思えばライブ初めが年明けてからのこのステージのトリでした。実はこのフェスで年越し後以外の時間にライブをやるのは初めてです(笑)
武道館でワンマンをやったりしましたが、最後の最後にベースの人が全てをかっさらっていきました(笑)
みなさん、そんな我々打首獄門同好会を来年もよろしくお願いします。それでは皆様の来年の豊作を願って、ご唱和ください!」
と言って最後に演奏されたのはやはり「日本の米は世界一」。女性メンバー2人のコーラスをかき消すほどの大合唱が轟く様を見て、もはやこの曲は今の日本のロックシーンを代表するアンセムになっているのかもしれない、と思った。まさかこんなにすごいことになるとは全く思っていなかったけれど。
1.ニクタベイコウ
2.カモン諭吉
3.きのこたけのこ戦争
4.はたらきたくない
5.布団の中から出たくない
6.YES MAX
7.わたしを二郎に連れてって
8.日本の米は世界一
18:15〜 the HIATUS [EARTH STAGE]
このフェスにおいては毎年MONOEYESとともに2ステージ出演している、細美武士。今年はthe HIATUSが先にこの日に出演。(MONOEYESは31日)
メンバーが登場して演奏をスタートさせると、静謐な空気が会場に緊張感を与える「Roller Coaster Ride Memories」からスタート。全く激しい曲ではないが、メンバーの演奏する姿からは確かに燃えているものがあることを感じさせる。
the HIATUSは年末前までツアーを行っていたのだが、その時に用いていた「演奏中のメンバーの様子をモノクロにしたりして加工した映像をスクリーンに流す」という手法をこの日も使っているために、「Monochrome Film Tour」の続きといったような感じか。最初に演奏された「Roller Coaster Ride Memories」もツアーで最初に演奏されていた曲である。
言葉数の多いきらめくようなサウンドの「Shimmer」、この季節にぴったりな曲である「Snowflakes」、細美のボーカルの強さが際立つ「Clone」と続くと、「Twisted Maple Trees」ではじわじわと迫力と温度を増していく演奏がアウトロでさらに極まっていく。ツアー時も演奏後に最も拍手の音が大きく響いた曲だったが、それはフェスでも変わらないし、こんな演奏ができるバンドは間違いなく他にいない。
しかしながらツアーが終わったばかりというのもあるが、さすがにフェスということで毎年フェスで演奏してきたような曲も演奏されるんじゃないか、と思っていたが、そんなことは一切なく、完全に今のthe HIATUSのライブのあり方を見せるようなライブ。あらゆる時期の既存曲で構成されているセトリだが、そもそも今までそんなに演奏されていなかった曲も多いし、バンドの表現力がリリース当時とは全く違う。
このバンドのことを知らないでライブを見にきた人からしたら「なんだこれ?」的に思われても仕方ないくらいに初見殺しと言ってもいいような内容であるが、そもそもわかりやすさを目指しているのだったらこういうバンドをやっていないわけで、ある意味では「Monochrome Film Tour」とそれに続くこの日のライブはこのバンドの真髄を見せるようなものになっていたと言っても過言ではないと思う。
これまではこのフェスのステージにおいてもフェスのルールのあり方に疑念を呈したり(そもそもこの日の選曲では絶対ダイバー出ないから言いようもないけど)、下ネタを言ったり、あるいは年末を盛り上げるようなことを言ったりしてきたが、細美はこの日はMCもほぼなし。ただひたすらに演奏に全神経を集中していたし、だからこそ「Walking Like A Man」や「Burn To Shine」の歌唱は本当に素晴らしかった。歌だけで人の心を震わせるボーカリストである。それはELLEGARDENやMONOEYESでは体感することができない、細美武士の凄さ。the HIATUSのツアーが毎回チケットが取れないのはそうした部分をわかっている、伝わっている人がたくさんいるからだと思う。
演奏が終わるとステージの端まで歩いて観客に向かって一礼。もはやわかりやすく盛り上がる曲は皆無だし、もしかしたら動員的にもGALAXYで収まるくらいかもしれない。でも楽曲のスケールや細美のボーカルのスケールを考えると、年に2回くらいだけはこのキャパでこのバンドのライブが見たい。2回というのはもちろんこのフェスのEARTH STAGEと、ロッキンのGRASS STAGE。ツアーで演奏されていた新曲は演奏されなかったが、果たして次にどんな曲で我々を驚かせてくれるのだろうか。
1.Roller Coaster Ride Memories
2.Shimmer
3.Snowflakes
4.Clone
5.Twisted Maple Trees
6.Sunset Off The Coastline
7.Tree Rings
8.Walking Like A Man
9.Catch You Later
10.Burn To Shine
19:30〜 [ALEXANDROS] [EARTH STAGE]
昨年のEARTH STAGEの年越しアクト、[ALEXANDROS]。今年はこの2日目のトリとしてこのEARTH STAGEに登場。
サトヤス以外の3人はフォーマルな衣装で登場すると、最近のライブのオープニングの定番曲となってきている「LAST MINUTE」でスタート。川上のボーカルも実に伸びやかで調子が良さそう。
すると「ワタリドリ」で川上がステージ左右の花道を歩きながら歌い、観客も飛び跳ねまくる。この曲の持つ多幸感はこのバンドのスケールが増すごとに大きくなってきていると思う。
早くも大合唱が轟いた「Starrrrrrr」、獰猛なサウンドの「Girl A」と続くと、バンドは最新モードに突入していく。
重厚な白井のギターリフが鳴り響く「Mosquite Bite」では間奏で川上と白井が向かい合ってギターを鳴らし、最後にはステージに膝をついてギターを弾いた川上が白井と拳を合わせる。さらにアウトロでは2人に加えて磯部も合流して3人が真ん中に並んで演奏。その姿のど迫力っぷりはこの曲が今やこのバンドの最強の武器になっていることを示していた。
川上がアコギに持ち変えての「Waitress,W aitress!」、さらには磯部がパーカッションを叩きまくるというラテンフレーバーな「Fish Tacos Party」へという流れは長い持ち時間を持つこのフェスだからこそ。
川上がアコギを置くと、ハンドマイクで歌う「PARTY IS OVER」へ。川上はステージを動きながら、最後にはステージ中央を下から映すカメラに寄って、「スクリーンに俺を映せ」とばかりにカメラ目線で歌う。川上はロッキンオンのフェスでは左右の花道のカメラにも目線を向けて歌ってからそのカメラを歌詞に合わせて客席に向けるという使い方をしているが、こうしたところを見ると本当にロックスターそのものだな、と思う。
「年末の歌を歌おうと思います!」
と言って川上のアコギ弾き語り的な形で演奏された「12/26以降の年末ソング」はまさにこの時期ならではの選曲ではあるが、これまではこのフェスでもワンフレーズだけ歌われたりしていただけに、こうしてガッツリ聴ける機会というのは実は貴重である。
ROSEのピアノのサウンドが曲を彩るバラード「ハナウタ」でこのバンドの最大の持ち味であるメロディに浸らせると、「city」、さらには「Kick & Spin」とキラーチューン連発の終盤。そうした曲が後半に並ぶことによってこのバンドのグルーヴや熱さはさらに高まっていく。
そしてラストは川上がハンドマイクで前述のカメラをロックスター的に使った「Adventure」で締めてステージから去ったと思いきや、数秒後にすぐさま再登場。もう時間がないからすぐに出てきたとのことだが、
「熱い歓声ありがとう!」
と川上の言葉も転換もかなり焦り気味ではあったが、いざ「アルペジオ」の演奏が始まるとその曲の空気に完璧に浸らせるのはさすが。
もはやこのバンドがこのフェスを代表するバンドになっていると感じるくらいのスケール感と、ライブハウスツアーを終えたばかりだからこそ持つ熱量。横綱相撲と言っていいくらいの圧巻のトリのライブだったが、これでアリーナツアーを終えたらこのバンドはどこまで凄くなるんだろうか。
1.LAST MINUTE
2.ワタリドリ
3.Starrrrrrr
4.Girl A
5.Mosquite Bite
6.Waitress,Waitress!
7.Fish Tacos Party
8.PARTY IS OVER
9.12/26以降の年末ソング
10.ハナウタ
11.city
12.Kick & Spin
13.Adventure
encore
14.アルペジオ
この日自分が見たのは中堅からベテランと言ってもいいような立ち位置のバンドが多かったが、そんな中でこのフェスでずっと見てきた、かつてはEARTH STAGEに立っていたTHE BAWDIESと9mmがGALAXY STAGEを満員にしていたのは本当に嬉しかった。どちらのバンドにとっても2019年は大事な1年になる。それをこの目でしっかりと見届けていきたい。
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