Gotch Tour 2014 「Can't Be Forever Young」 @渋谷CLUB QUATTRO 6/12
- 2014/06/12
- 22:56
震災以降、ソロでも曲を発表するようになったアジカンのボーカリスト、ゴッチこと後藤正文。これまでにもシングルをレコードでリリースしていたが、今年のレコードストアデイについにソロアルバム「Can't Be Forever Young」をリリース。この日はそのアルバムのレコ発ツアーのファイナルにして、QUATTRO 2daysの2日目。渋谷タワレコで弾き語りでソロ曲を数曲聴いているが、バンドセットで見るのは初めて。
まずは19時にオープニングゲストのボールズが登場。元々はミラーマンという名前で活動していた大阪の5人組バンドだが、最近この名前に改名したらしい。
いかにも垢抜けない田舎の青年という出で立ちの5人で、見た目同様に派手さはないが、強い普遍性を感じる音楽。個人的には去年NANO-MUGEN CIRCUITに出ていたシャムキャッツを思い出したが、シャムキャッツにも同名の曲がある「渚」という曲が情景を喚起させるいい曲だった。
「今朝11時に、僕らの6人目のメンバーであるPAさんに、無事に子供が生まれました!その父親になった重厚なグルーヴをもってしてあと2曲全力でやります!」
と言うと、それまでアコギを弾いていたボーカルがタンバリンを打ち鳴らしまくりながら歌い、短い時間で初めて見る人が大半だったにもかかわらず、観客から温かい拍手を受けながらステージを後にした。今年のロッキンにも出演することが決定している。
そして、Gotchの登場。
ギター:佐藤亮 (ex.the chef cooks me)
ギター:井上陽介 (Turntable Films)
ベース:戸川琢磨 (ex.COMEBACK MY DAUGHTERS)
ドラム:mabanua
キーボード:シモリョー (the chef cooks me)
コーラス&パーカッションetc:YeYe
というバンドメンバーを引き連れて登場したゴッチはハットを被り、アジカンとは違うオシャレさ。しかもギターを持ってはいるが、タンバリンも持っている。そのタンバリンを鳴らしながらの「Humanoid Girl」でスタート。反復するリズム、楽しそうに踊りながら演奏する井上、シモリョー、YeYe。そしてギターをほとんど弾かずにタンバリンを叩きながら歌うゴッチと、この1曲目がこの日のライブの空気を表していた。
「深刻面して「アーティスト」たちが何だか言ってら
自己啓発セミナー言葉にメロディ乗せてさ」
と、自己批評的な歌い出しから、
「時計はいつか止まってしまう この恋もいつか終わってしまう
世間を呪う暇なんてないさ いのちを燃やしたいだけ」
とサビでエモーショナルに展開するアルバムのタイトル曲を演奏すると、メンバー紹介を交えた挨拶的なMC。
アジカンでは絶対見られない、ゴッチのファルセットとYeYeのコーラスが絶妙な絡みを見せる「Aspilin」など、アジカンのライブと違い、ゴッチがMCで言ったように、自由に体を動かしながら見るライブというスタイル。
前述の井上、シモリョー、YeYeはまるでフォーメーションを決めているかのような動きで手拍子を促したりしているのだが、「Aspilin」のみならず様々な曲でコーラスをし、パーカッションやタンバリン、さらにキーボードにサンプラーまでもこなすYeYeのマルチプレイヤーぶりは目を見張る。
さらに、「スーパードラマー」とゴッチに紹介されたmabanuaの、一回曲を聴いただけで全部完璧に叩けるようになるんじゃないかと思うくらいに肉体とドラムが一体化しているように感じる叩きっぷりは見事としか言いようがない。エモーショナルなバンドサウンドのみならず、音源では打ち込み要素の強かった曲までも自由自在。
今回のソロアルバムの影響源でもあるニール・ヤングのカバーも挟み、昨日Twitterで、
「ゴッチの「どうもありがとう」は「ごまなっとう」に聞こえるって書いてあった(笑)」
という話題で自虐的に笑いを誘う。
「滑舌が悪いのは自分でもネタにしてるけど、なんで滑舌が悪いかって言ったら、この石原さとみばりの厚い唇のせい(笑)」
らしいが、果たしてそれはどうだろうか(笑)
ポエトリーリーディングのように言葉数の多い、ストレイテナーのホリエアツシとの共作曲「Great Escape from Reality」からは、アルバムのラストトラックである「Lost」(ここでやってくるとは思ってなかった)、ゴッチならではの言葉遊びが面白い「Nervous Breakdown」と、徐々にバンドも熱量を増していき、Wilcoの「A shot in the Arm」のカバーではシモリョーとYeYeの激しいキーボードの応酬で、このメンバーでしっかりと一つのバンドになっていることを実感させてくれる。
聴いていると頭の中に情景、風景が浮かび上がってくる「Sequel to the Story」を終えると、
「フジロックもあるけど、またこのメンバーでツアーやりたいね。なんかギャラが安いって言ってるやつもいるらしいけど(笑)
でも今度はホールとかでもやってみたいですね。みんなも歳を取ってくると思うので、それ相応の場所で(笑)
Can't Be Forever Youngってことで!」
と言って、メンバーとのコーラスのやり取りが面白い「A Girl in Love」で終了。
アンコールではゴッチがまたしても「ごまなっとう」のネタを引っ張りながら、戸川や井上をいじるMC。メンバーそれぞれもそうだが、ツアー前までゴッチと接点がなかったメンバーもいるはずで、こうして和やかに話しているのはゴッチの音楽を通してメンバーの距離が近くなったんだなぁと思わせる。
そしてthe chef cooks meのホーン隊を招いての「Wonderland」。ツアー中は地方にはホーン隊は帯同できなかったので、彼らのボスであるシモリョーがシンセでホーンの音を出していたらしい。
「ソロだと1人で作るから孤独を感じることもあるんだけど、やっぱり人の力なんだよね。興奮すると鼓動が速くなるように、バンドも乗ってくるとテンポが速くなるからね。
機械の一定のリズムの良さっていうのもあるよ。自分のリズムに干渉しないからね。でも、俺がやりたいのはやっぱりもうちょっと土着的な、それこそ盆踊り的なものなんだよね。
だから最後にツアー中にこのメンバーで育ててきた、新曲をやります」
と言って演奏された「Baby Don't Cry」は渋谷タワレコの弾き語りの時にも披露していた曲。確かにあの時も同じようなことを言ってから演奏していたが、あの時はコーラスを観客がやるしかなかったが、今は観客だけではなく、一緒にコーラスしてくれるメンバーがいる。ソロという形態ではあるが、ゴッチの周りにはいつも愛すべき頼れる仲間たちが集まってくるのである。
終演SEが流れ、もう終わりかな、という空気も流れるが、観客が全く帰らずにさらなるアンコールを求める手拍子を5分以上続けていると、まさかのメンバー再登場。
「もう着替えて打ち上げにいくつもりだった(笑)」
ということで、私服で登場するも、曲がないという理由で、mabanuaがタムを置くと、その周りをメンバーが囲み、ゴッチがアコギを弾きながら、「A Girl in Love」のコーラス部分を観客も一緒に大合唱。
歌詞を
「ゴッチバンドの終わり」
に変え、最後は割れんばかりの拍手に包まれ、メンバーが手を繋いで観客に頭を下げ、ゴッチのソロとしての最初のツアーは大成功で幕を閉じたのだった。
自分はアジカンが本当に大好きなので、アジカンが休止したりしてまでソロに専念されるのはちょっと遠慮願いたいが、何年かに一回、アジカンではできない曲がたくさん出来たら、またソロとしてレコードを出して欲しいし、何よりもこのメンバーでまたツアーを回ってほしい。心からそう思える「バンドのフロントマンのソロプロジェクト」って、実はなかなかない。
1.Humanoid Girl
2.The Long Goodbye
3.Can't Be Forever Young
4.Stray Cats in the Rain
5.Aspilin
6.Route6
7.Blackbird Sings at Night
8.Only Love Can Break Your Heart (Neil Youngのカバー)
9.Great Escape from Reality
10.Lost
11.Nervous Breakdown
12.A shot in the Arm (Wilcoのカバー)
13.Sequel to the Story
14.A Girl in Love
encore
15.Wonderland
16.Baby Don't Cry
Lost
http://youtu.be/kPWEctV4Vkg
The Long Goodbye
http://youtu.be/2xRFX3guHzo
Wonderland
http://youtu.be/4-rcXlj1KC8
まずは19時にオープニングゲストのボールズが登場。元々はミラーマンという名前で活動していた大阪の5人組バンドだが、最近この名前に改名したらしい。
いかにも垢抜けない田舎の青年という出で立ちの5人で、見た目同様に派手さはないが、強い普遍性を感じる音楽。個人的には去年NANO-MUGEN CIRCUITに出ていたシャムキャッツを思い出したが、シャムキャッツにも同名の曲がある「渚」という曲が情景を喚起させるいい曲だった。
「今朝11時に、僕らの6人目のメンバーであるPAさんに、無事に子供が生まれました!その父親になった重厚なグルーヴをもってしてあと2曲全力でやります!」
と言うと、それまでアコギを弾いていたボーカルがタンバリンを打ち鳴らしまくりながら歌い、短い時間で初めて見る人が大半だったにもかかわらず、観客から温かい拍手を受けながらステージを後にした。今年のロッキンにも出演することが決定している。
そして、Gotchの登場。
ギター:佐藤亮 (ex.the chef cooks me)
ギター:井上陽介 (Turntable Films)
ベース:戸川琢磨 (ex.COMEBACK MY DAUGHTERS)
ドラム:mabanua
キーボード:シモリョー (the chef cooks me)
コーラス&パーカッションetc:YeYe
というバンドメンバーを引き連れて登場したゴッチはハットを被り、アジカンとは違うオシャレさ。しかもギターを持ってはいるが、タンバリンも持っている。そのタンバリンを鳴らしながらの「Humanoid Girl」でスタート。反復するリズム、楽しそうに踊りながら演奏する井上、シモリョー、YeYe。そしてギターをほとんど弾かずにタンバリンを叩きながら歌うゴッチと、この1曲目がこの日のライブの空気を表していた。
「深刻面して「アーティスト」たちが何だか言ってら
自己啓発セミナー言葉にメロディ乗せてさ」
と、自己批評的な歌い出しから、
「時計はいつか止まってしまう この恋もいつか終わってしまう
世間を呪う暇なんてないさ いのちを燃やしたいだけ」
とサビでエモーショナルに展開するアルバムのタイトル曲を演奏すると、メンバー紹介を交えた挨拶的なMC。
アジカンでは絶対見られない、ゴッチのファルセットとYeYeのコーラスが絶妙な絡みを見せる「Aspilin」など、アジカンのライブと違い、ゴッチがMCで言ったように、自由に体を動かしながら見るライブというスタイル。
前述の井上、シモリョー、YeYeはまるでフォーメーションを決めているかのような動きで手拍子を促したりしているのだが、「Aspilin」のみならず様々な曲でコーラスをし、パーカッションやタンバリン、さらにキーボードにサンプラーまでもこなすYeYeのマルチプレイヤーぶりは目を見張る。
さらに、「スーパードラマー」とゴッチに紹介されたmabanuaの、一回曲を聴いただけで全部完璧に叩けるようになるんじゃないかと思うくらいに肉体とドラムが一体化しているように感じる叩きっぷりは見事としか言いようがない。エモーショナルなバンドサウンドのみならず、音源では打ち込み要素の強かった曲までも自由自在。
今回のソロアルバムの影響源でもあるニール・ヤングのカバーも挟み、昨日Twitterで、
「ゴッチの「どうもありがとう」は「ごまなっとう」に聞こえるって書いてあった(笑)」
という話題で自虐的に笑いを誘う。
「滑舌が悪いのは自分でもネタにしてるけど、なんで滑舌が悪いかって言ったら、この石原さとみばりの厚い唇のせい(笑)」
らしいが、果たしてそれはどうだろうか(笑)
ポエトリーリーディングのように言葉数の多い、ストレイテナーのホリエアツシとの共作曲「Great Escape from Reality」からは、アルバムのラストトラックである「Lost」(ここでやってくるとは思ってなかった)、ゴッチならではの言葉遊びが面白い「Nervous Breakdown」と、徐々にバンドも熱量を増していき、Wilcoの「A shot in the Arm」のカバーではシモリョーとYeYeの激しいキーボードの応酬で、このメンバーでしっかりと一つのバンドになっていることを実感させてくれる。
聴いていると頭の中に情景、風景が浮かび上がってくる「Sequel to the Story」を終えると、
「フジロックもあるけど、またこのメンバーでツアーやりたいね。なんかギャラが安いって言ってるやつもいるらしいけど(笑)
でも今度はホールとかでもやってみたいですね。みんなも歳を取ってくると思うので、それ相応の場所で(笑)
Can't Be Forever Youngってことで!」
と言って、メンバーとのコーラスのやり取りが面白い「A Girl in Love」で終了。
アンコールではゴッチがまたしても「ごまなっとう」のネタを引っ張りながら、戸川や井上をいじるMC。メンバーそれぞれもそうだが、ツアー前までゴッチと接点がなかったメンバーもいるはずで、こうして和やかに話しているのはゴッチの音楽を通してメンバーの距離が近くなったんだなぁと思わせる。
そしてthe chef cooks meのホーン隊を招いての「Wonderland」。ツアー中は地方にはホーン隊は帯同できなかったので、彼らのボスであるシモリョーがシンセでホーンの音を出していたらしい。
「ソロだと1人で作るから孤独を感じることもあるんだけど、やっぱり人の力なんだよね。興奮すると鼓動が速くなるように、バンドも乗ってくるとテンポが速くなるからね。
機械の一定のリズムの良さっていうのもあるよ。自分のリズムに干渉しないからね。でも、俺がやりたいのはやっぱりもうちょっと土着的な、それこそ盆踊り的なものなんだよね。
だから最後にツアー中にこのメンバーで育ててきた、新曲をやります」
と言って演奏された「Baby Don't Cry」は渋谷タワレコの弾き語りの時にも披露していた曲。確かにあの時も同じようなことを言ってから演奏していたが、あの時はコーラスを観客がやるしかなかったが、今は観客だけではなく、一緒にコーラスしてくれるメンバーがいる。ソロという形態ではあるが、ゴッチの周りにはいつも愛すべき頼れる仲間たちが集まってくるのである。
終演SEが流れ、もう終わりかな、という空気も流れるが、観客が全く帰らずにさらなるアンコールを求める手拍子を5分以上続けていると、まさかのメンバー再登場。
「もう着替えて打ち上げにいくつもりだった(笑)」
ということで、私服で登場するも、曲がないという理由で、mabanuaがタムを置くと、その周りをメンバーが囲み、ゴッチがアコギを弾きながら、「A Girl in Love」のコーラス部分を観客も一緒に大合唱。
歌詞を
「ゴッチバンドの終わり」
に変え、最後は割れんばかりの拍手に包まれ、メンバーが手を繋いで観客に頭を下げ、ゴッチのソロとしての最初のツアーは大成功で幕を閉じたのだった。
自分はアジカンが本当に大好きなので、アジカンが休止したりしてまでソロに専念されるのはちょっと遠慮願いたいが、何年かに一回、アジカンではできない曲がたくさん出来たら、またソロとしてレコードを出して欲しいし、何よりもこのメンバーでまたツアーを回ってほしい。心からそう思える「バンドのフロントマンのソロプロジェクト」って、実はなかなかない。
1.Humanoid Girl
2.The Long Goodbye
3.Can't Be Forever Young
4.Stray Cats in the Rain
5.Aspilin
6.Route6
7.Blackbird Sings at Night
8.Only Love Can Break Your Heart (Neil Youngのカバー)
9.Great Escape from Reality
10.Lost
11.Nervous Breakdown
12.A shot in the Arm (Wilcoのカバー)
13.Sequel to the Story
14.A Girl in Love
encore
15.Wonderland
16.Baby Don't Cry
Lost
http://youtu.be/kPWEctV4Vkg
The Long Goodbye
http://youtu.be/2xRFX3guHzo
Wonderland
http://youtu.be/4-rcXlj1KC8
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