The Mirraz 「秋を好きになるための6の法則ツアー2018」 @千葉LOOK 12/8
- 2018/12/08
- 23:49
The Mirrazの「夏を好きになるための6の法則 part.2」のリリースツアーも終盤戦。近年のツアーでは必ずスケジュールに入っている、千葉LOOKは今回はセミファイナルという位置付けである。
水戸から始まった関東シリーズもこの千葉で3本目ということで、このツアーの詳細は以前の2本のものも参照していただきたいのだが、
(水戸:http://rocknrollisnotdead.jp/blog-entry-570.html?sp)
(北浦和:http://rocknrollisnotdead.jp/blog-entry-571.html?sp)
畠山が毎回「千葉は盛り上がりが微妙」と言っていただけに、この日は果たしてどうなるのだろうか。
18時ちょうどくらいに場内が暗転すると、北浦和まではUnderworld「Born Slippy」だったSEがDaft Punk「One More Time」に変化しているのだが、この微妙な変化は一体なんなんだろうか、と思っているうちにメンバーがステージに登場。真彦はやはり革ジャン、サポートドラマーのまのは金髪、畠山はサングラス、ケイゾーはいつも通りというのはこのツアー中は変わらないが、畠山はこの日はイーグルスのツアーTシャツを着用している。
フェイント気味なギターリフを畠山が弾いたと思いきや、やはり始まったのは「レディース&ジェントルマン」からで、流れ自体は水戸、北浦和の通り。
しかしやはりツアーも5公演目ということもあってか、それまでの2つと比べても実に落ち着いているというか、音に安定感が増しているイメージ。とはいえ畠山はサングラスを外した直後の「TEN BILLION DREAM」の途中で歌詞を一部飛ばしてしまったりするのだが。
そして常々畠山が「千葉は盛り上がりが微妙」というように、やはり北浦和と比べるとガンガンにモッシュが起こるというわけではなく、各々がそれぞれに楽しむ、という感じなのだが、そんな中でも「つーか、っつーか」のEDMサウンドは狂乱と言っていいような盛り上がりを見せる。それは曲に合うような力強いドラムを叩いているまのの力によるところもあるのだが、EDMを取り入れたサウンドに舵を切った時に賛否両論というよりもむしろ否定的な意見が溢れまくっていたのはなんだったんだ、とすら思う。それは水戸の時に畠山とケイゾーが言っていたように、
「ライブでやり続けてたから曲が育ってきた」
ということでもあるのだろう。2サビの時には畠山も手をグワッと上げて「もっと来い!」とばかりに観客を煽るのだが、畠山の性格からして全く盛り上がっていないような場だったらこんなアクションは絶対にしないはずだ。
その「曲が育つ」という意味では最新作「夏を好きになるための6の法則 part.2」収録曲もまだライブで披露されるようになったのは今回のツアーからとはいえ、歌詞のとおりに乱痴気騒ぎに騒ぎまくるというよりも体をリズムに委ねて揺らすというような「STRAWBERRY DANCE」の聴いているとクセになってくる感じは音源を1回聴いただけでは味わえなかった感覚である。
「アナーキーサヴァイヴァー」からは今年でリリース10周年を迎えた1stアルバム「OUI! OUI! OUI!」の曲を連発していくのだが、名古屋と大阪では「なんでランウェイ」、水戸と北浦和では「海賊になりたくて」だった13曲目がこの日は「チェンジ!チェンジ!チェンジ!チェンジ!チェンジ!」に変わっている。
畠山は歌い出しを間違えるというまさかのミスをしてしまうが、かつてケイゾーと真彦がまだサポートメンバーだった時代は2人はコーラスをしていなかったので、この曲はかなり物足りなく感じてしまった。しかし今は2人がコーラスを完璧に務めている。ある意味ではこの2人がミイラズをずっと繋ぎ止めてきた(独立したり、新谷元輝が辞めた時に2人が辞めるという選択をしていたら畠山は間違いなくミイラズを終わらせていたはずだ)と言えるし、それは年月を経てしっかり形になって現れている。
自分がミイラズに出会ったのは「OUI! OUI! OUI!」がリリースされた時なのだが、その時に「この曲すごくカッコいいな」と思ったのがこの「チェンジ!〜」である。「変わりたくても変われない自分」というのを畠山が当時のボキャブラリーを尽くして歌詞にしたこの曲、結局は聴いていると「人生」というものに向き合わされるのだが、それは人生をゲームに例えた「格闘ゲーム」も同じ。ただそれを曲や歌詞にできる幅やスキルはとてつもなく向上している。「格闘ゲーム」は当時だったら絶対できない曲だっただろうと思う。
MCでは畠山が
「コブクロの最新のジャケット見た?長渕剛みたいになってるやつ」
と意外な切り口で話し出すと、
ケイゾー「2人して剛さんみたいになってんの!?」(ケイゾーは長渕剛のファンである)
畠山「5296でコブクロって読ませてるんだけど、あの世界観は間違いなく長渕剛のオマージュだと思う。長渕剛もだけど、最近、安全地帯を聴いてたのね。そしたらあのバンドの曲ヤバくない?いきなり「なぜ〜」って歌い始めるの。この曲めちゃヤバイな!って思って」
ケイゾー「その曲って「恋の予感」でしょ?予感が駆け抜けるだけっていうまさかの曲(笑)
でもあの曲は確か玉置浩二さんが書いてないんですよ」
畠山「え?あれアイツが書いたんじゃないの?なんだ。(観客爆笑)」
ケイゾー「井上陽水さんですかね。井上陽水さんは安全地帯の「夏の終わりのハーモニー」も作ってるんですけど、それは陽水メロディ炸裂しまくってて」
畠山「そう!井上陽水もヤバいんだけどさ、あの人たちの曲を今聴いて「この曲ヤバいな!」って思うのって、俺らが幼少期に聴いてたからっていう思い出フィルターがあるからなのかな?今の若い人たちも聴いてそう思うのかな?」
と、安全地帯と井上陽水の凄さについて2人が力説したと思ったら、畠山が「チェンジ!〜」の歌い出しをミスった話へ。
畠山「ケイゾーと真彦の「ララララ〜」のコーラスの声がデカすぎてわけわからなくなってミスりまくった!何が聴こえてるのか全然わからなかった!リハではあんなに声出てなかったのに!2人のコーラスに圧倒された!(笑)」
ケイゾー「あなたがそういう曲を書いたんでしょ!(笑)」
とケイゾーの鋭いツッコミに客席はまたしても爆笑。MCはかなり長いものになり、途中でまのがスタッフからおかわりビールを用意してもらうという展開にすらなったが、畠山は
「ライブ始まってすぐに、「あ、そうだ今日千葉だ」って思った」
というくらいにやはり千葉がほかの会場とノリが違うのを感じているらしい。MCはかなりウケていたと思うのだが、そこまで違うように感じるのだろうか。
MC後は「マジか。〜」のEDMサウンドから定番曲の連発でおとなしい千葉の観客もさすがに盛り上がらざるを得ないのだが、その中でも最も重要なのは今回のツアーでは最新作の「サマバケ!」を最後に配置していることである。
2013年リリースだからもう5年前、リリース時にミュージックステーションにも出演した時のリード曲「真夏の屯田兵 〜yeah! yeah! yeah!〜」では
「今だけ夏だけはバカになって ハイネケン食らって 海に行こうぜ」
という無邪気かつ勢いに任せた歌詞だったが、「夏を好きになるための6の法則 part.2」で最も夏を感じさせる曲である「サマバケ!」では
「毎日僕ら働いて たまに休んだってバチは当たらんです」
という「真夏の屯田兵」の夏の無邪気さや勢いが妄想であるかのように夏休みのない労働者の視点になっている。そこには5年間という年月を重ねたこと、それによってミイラズの置かれている立場も大きく変わったことも示されている。でもやっぱり「真夏の屯田兵」も「サマバケ!」も夏の野外でこそ映える曲だと思っている。それだけにまた夏フェスの大きなステージでこの曲たちを聴きたい。今でもその景色を想像している。
アンコールでは水戸と北浦和でやっていた、TM NETWORK「Get Wild」のカバーをやらず、その代わりに、ファンから「弟の結婚式のコメントを送って欲しい」という手紙を貰い、そのファンの方がこの日のライブに来ているということでそのファンの方に撮影をしてもらいながらコメント撮りをするのだが、そのファンの方の弟の名前が「ミッチー」であるため、最近離婚を発表した及川光博を想起させて不穏だ、ということで名前をカットしたり、
畠山「結婚式で演奏したりするのって絶対嫌だよね〜。親族の人とか絶対俺たちのことなんか知らないじゃん(笑)
「ふぁっきゅー」とか親族の方に絶対聞かせられないじゃん(笑)」
ケイゾー「くるりの岸田さんも絶対やらないんだって。広島カープの選手の人でも絶対やらないって。それとこれとは話が別だ、って」
と結婚式ネタを繰り広げるのだが、最後にはしっかりカメラ目線で
「結婚おめでとうございます」
とコメント。
「酔ってる勢いでやったけど、普通はやらないからな!」
とも言っていたが、昔だったらミイラズは絶対にこんなことはしなかった。そもそもZeppクラスが即完してたような規模のバンドにそんなことを求めてもやってくれるわけがないし、あの頃にファンの手紙の一通一通に目を通してリアクションするなんていう余裕だってなかったはず。
それを今回こうしてわざわざ応えたのは、この規模の距離感だからこそそうしてファンの声を全て聞くことができるからだし、何よりもこうしてかつての何分の1にも規模が縮小してしまった自分たちのバンドに人生の大事な場面を委ねてくれたというのが本当に嬉しかったのだと思うし、そのファンの方と弟の方がミイラズをずっと好きでいてくれているというのがちゃんと伝わったからこそだと思う。
畠山は結婚式に合わせた「We Are The Fuck'n World」を演奏しようとしていたが、ケイゾーが構成を覚えておらず、そもそもまのが一度も曲を演奏したことがないということで演奏されず。
「マクドナルド食べても サイゼ ミスド ガストもスタバだって2人なら最高のフルコース」
という歌詞と、真彦が新郎役でケイゾーが新婦役という結婚式のMVは確かに結婚式で使われても全くおかしくはない、というかミイラズファンの方の結婚式ですでに使われている気もする。
その後もMAROON5のMVがファンの結婚式にメンバーがサプライズで出演するやつだ、とかケイゾーがMAROON5の武道館ライブを前座だけ見て帰った、とかひたすら終わらなそうなMCが繰り広げられるのだが、それは畠山が酔っていたということもあるだろうが、それ以上にライブが終わってしまうのが寂しかったんじゃないかと思う。それでもケイゾーの
「もう早くやろうよ〜」
という声に促されてアンコールの演奏を始めると、ラストの「CANのジャケット〜」では激しいモッシュが起こるという、千葉らしからぬ盛り上がりを見せていた。
「節分ライブのチケットを全員が変わらないと、ゼルダの伝説みたいに扉が開かないシステムになっている」
という畠山のMCも虚しく扉が一旦空いてもさらなるアンコールを求める声は鳴り止まず、ダブルアンコールでメンバーが登場すると、ステージ上手の端にあるミラーボールが回る中で「ミラーボールが回り出したら」を演奏して、メンバーはやり切ったような表情でステージを去っていった。
このツアーの参加は3公演目。普段、他のバンドでそんなに同じツアーに参加することはほとんどない。自分はスタンスとして、曲や作品、ライブが良ければライブに行くというのを貫いているので、自分が行かないといけない!っていう感情も特にないし、推しという概念もあまりよくわからない。
だからミイラズのツアーにこうして3回も行くのも、ミイラズのリリースしている曲や作品が良いものであって、ライブが良いから行っているというのは変わらないのだけど、やはりどこか自分がこうしてライブに行ってツイートしたりレポを書いたりすることで、今のミイラズのカッコよさをちょっとでも伝えたいというのもある。
ミイラズはこの規模のバンドにしては物販の売り上げが非常に大きいバンドだし、過去の印税もあるだろうから、CDを出さなくても、フェスやイベントなどにほとんど呼ばれなくてもある程度の収入はあるかもしれないし、独立したことでメジャーにいた頃よりも収入がダイレクトに自分たちのところに入ってきているかもしれない。
それでも、千葉LOOKをはじめとして、この規模の会場がソールドアウトしないというのは、かつてのZeppクラスが即完していた頃を見てきただけに不安になってしまう。その頃は知ってるけど今は全く聴いていない人からしたら、「まだやってたの?」って思われるかもしれない。そうやって音楽だけでは生活していけなくて辞めていくバンドをこれまでにたくさん見てきた。でも自分はミイラズにはまだまだ辞めて欲しくないし、またデカいステージに立つ姿を見たい。そう考えると、一本でも多くライブに足を運んで、1人でも多くの人にライブを観に来てもらいたい。そう思うのも、今のミイラズが本当にカッコいい音楽をやっていて、カッコいいライブをするバンドだから。まだまだ、ミイラズというバンドに自分は夢を見ているのだ。
1.レディース&ジェントルマン
2.WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!
3.僕はスーパーマン
4.TEN BILLION DREAM
5.check it out! check it out! check it out! check it out! check it out!
6.ふぁっきゅー
7.バタフライエフェクトを語るくらいの善悪と頑なに選択を探すマエストロのとある一日
8.つーか、っつーか
9.STRAWBERRY DANCE
10.アナーキーサヴァイヴァー
11.ラストダンスとファンデーション
12.シスター
13.チェンジ!チェンジ!チェンジ!チェンジ!チェンジ!
14.アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
15.格闘ゲーム
16.マジか。そう来たか、やっぱそう来ますよね。はいはい、ですよね、知ってます。
17.ラストナンバー
18.スーパーフレア
19.僕らは
20.サマバケ!
encore
21.誰も死から逃れられない!
22.プロタゴニストの一日は
23.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
encore2
24.ミラーボールが回り出したら
Next→ 12/9 JAPAN'S NEXT @渋谷O-EASTなど全7会場
水戸から始まった関東シリーズもこの千葉で3本目ということで、このツアーの詳細は以前の2本のものも参照していただきたいのだが、
(水戸:http://rocknrollisnotdead.jp/blog-entry-570.html?sp)
(北浦和:http://rocknrollisnotdead.jp/blog-entry-571.html?sp)
畠山が毎回「千葉は盛り上がりが微妙」と言っていただけに、この日は果たしてどうなるのだろうか。
18時ちょうどくらいに場内が暗転すると、北浦和まではUnderworld「Born Slippy」だったSEがDaft Punk「One More Time」に変化しているのだが、この微妙な変化は一体なんなんだろうか、と思っているうちにメンバーがステージに登場。真彦はやはり革ジャン、サポートドラマーのまのは金髪、畠山はサングラス、ケイゾーはいつも通りというのはこのツアー中は変わらないが、畠山はこの日はイーグルスのツアーTシャツを着用している。
フェイント気味なギターリフを畠山が弾いたと思いきや、やはり始まったのは「レディース&ジェントルマン」からで、流れ自体は水戸、北浦和の通り。
しかしやはりツアーも5公演目ということもあってか、それまでの2つと比べても実に落ち着いているというか、音に安定感が増しているイメージ。とはいえ畠山はサングラスを外した直後の「TEN BILLION DREAM」の途中で歌詞を一部飛ばしてしまったりするのだが。
そして常々畠山が「千葉は盛り上がりが微妙」というように、やはり北浦和と比べるとガンガンにモッシュが起こるというわけではなく、各々がそれぞれに楽しむ、という感じなのだが、そんな中でも「つーか、っつーか」のEDMサウンドは狂乱と言っていいような盛り上がりを見せる。それは曲に合うような力強いドラムを叩いているまのの力によるところもあるのだが、EDMを取り入れたサウンドに舵を切った時に賛否両論というよりもむしろ否定的な意見が溢れまくっていたのはなんだったんだ、とすら思う。それは水戸の時に畠山とケイゾーが言っていたように、
「ライブでやり続けてたから曲が育ってきた」
ということでもあるのだろう。2サビの時には畠山も手をグワッと上げて「もっと来い!」とばかりに観客を煽るのだが、畠山の性格からして全く盛り上がっていないような場だったらこんなアクションは絶対にしないはずだ。
その「曲が育つ」という意味では最新作「夏を好きになるための6の法則 part.2」収録曲もまだライブで披露されるようになったのは今回のツアーからとはいえ、歌詞のとおりに乱痴気騒ぎに騒ぎまくるというよりも体をリズムに委ねて揺らすというような「STRAWBERRY DANCE」の聴いているとクセになってくる感じは音源を1回聴いただけでは味わえなかった感覚である。
「アナーキーサヴァイヴァー」からは今年でリリース10周年を迎えた1stアルバム「OUI! OUI! OUI!」の曲を連発していくのだが、名古屋と大阪では「なんでランウェイ」、水戸と北浦和では「海賊になりたくて」だった13曲目がこの日は「チェンジ!チェンジ!チェンジ!チェンジ!チェンジ!」に変わっている。
畠山は歌い出しを間違えるというまさかのミスをしてしまうが、かつてケイゾーと真彦がまだサポートメンバーだった時代は2人はコーラスをしていなかったので、この曲はかなり物足りなく感じてしまった。しかし今は2人がコーラスを完璧に務めている。ある意味ではこの2人がミイラズをずっと繋ぎ止めてきた(独立したり、新谷元輝が辞めた時に2人が辞めるという選択をしていたら畠山は間違いなくミイラズを終わらせていたはずだ)と言えるし、それは年月を経てしっかり形になって現れている。
自分がミイラズに出会ったのは「OUI! OUI! OUI!」がリリースされた時なのだが、その時に「この曲すごくカッコいいな」と思ったのがこの「チェンジ!〜」である。「変わりたくても変われない自分」というのを畠山が当時のボキャブラリーを尽くして歌詞にしたこの曲、結局は聴いていると「人生」というものに向き合わされるのだが、それは人生をゲームに例えた「格闘ゲーム」も同じ。ただそれを曲や歌詞にできる幅やスキルはとてつもなく向上している。「格闘ゲーム」は当時だったら絶対できない曲だっただろうと思う。
MCでは畠山が
「コブクロの最新のジャケット見た?長渕剛みたいになってるやつ」
と意外な切り口で話し出すと、
ケイゾー「2人して剛さんみたいになってんの!?」(ケイゾーは長渕剛のファンである)
畠山「5296でコブクロって読ませてるんだけど、あの世界観は間違いなく長渕剛のオマージュだと思う。長渕剛もだけど、最近、安全地帯を聴いてたのね。そしたらあのバンドの曲ヤバくない?いきなり「なぜ〜」って歌い始めるの。この曲めちゃヤバイな!って思って」
ケイゾー「その曲って「恋の予感」でしょ?予感が駆け抜けるだけっていうまさかの曲(笑)
でもあの曲は確か玉置浩二さんが書いてないんですよ」
畠山「え?あれアイツが書いたんじゃないの?なんだ。(観客爆笑)」
ケイゾー「井上陽水さんですかね。井上陽水さんは安全地帯の「夏の終わりのハーモニー」も作ってるんですけど、それは陽水メロディ炸裂しまくってて」
畠山「そう!井上陽水もヤバいんだけどさ、あの人たちの曲を今聴いて「この曲ヤバいな!」って思うのって、俺らが幼少期に聴いてたからっていう思い出フィルターがあるからなのかな?今の若い人たちも聴いてそう思うのかな?」
と、安全地帯と井上陽水の凄さについて2人が力説したと思ったら、畠山が「チェンジ!〜」の歌い出しをミスった話へ。
畠山「ケイゾーと真彦の「ララララ〜」のコーラスの声がデカすぎてわけわからなくなってミスりまくった!何が聴こえてるのか全然わからなかった!リハではあんなに声出てなかったのに!2人のコーラスに圧倒された!(笑)」
ケイゾー「あなたがそういう曲を書いたんでしょ!(笑)」
とケイゾーの鋭いツッコミに客席はまたしても爆笑。MCはかなり長いものになり、途中でまのがスタッフからおかわりビールを用意してもらうという展開にすらなったが、畠山は
「ライブ始まってすぐに、「あ、そうだ今日千葉だ」って思った」
というくらいにやはり千葉がほかの会場とノリが違うのを感じているらしい。MCはかなりウケていたと思うのだが、そこまで違うように感じるのだろうか。
MC後は「マジか。〜」のEDMサウンドから定番曲の連発でおとなしい千葉の観客もさすがに盛り上がらざるを得ないのだが、その中でも最も重要なのは今回のツアーでは最新作の「サマバケ!」を最後に配置していることである。
2013年リリースだからもう5年前、リリース時にミュージックステーションにも出演した時のリード曲「真夏の屯田兵 〜yeah! yeah! yeah!〜」では
「今だけ夏だけはバカになって ハイネケン食らって 海に行こうぜ」
という無邪気かつ勢いに任せた歌詞だったが、「夏を好きになるための6の法則 part.2」で最も夏を感じさせる曲である「サマバケ!」では
「毎日僕ら働いて たまに休んだってバチは当たらんです」
という「真夏の屯田兵」の夏の無邪気さや勢いが妄想であるかのように夏休みのない労働者の視点になっている。そこには5年間という年月を重ねたこと、それによってミイラズの置かれている立場も大きく変わったことも示されている。でもやっぱり「真夏の屯田兵」も「サマバケ!」も夏の野外でこそ映える曲だと思っている。それだけにまた夏フェスの大きなステージでこの曲たちを聴きたい。今でもその景色を想像している。
アンコールでは水戸と北浦和でやっていた、TM NETWORK「Get Wild」のカバーをやらず、その代わりに、ファンから「弟の結婚式のコメントを送って欲しい」という手紙を貰い、そのファンの方がこの日のライブに来ているということでそのファンの方に撮影をしてもらいながらコメント撮りをするのだが、そのファンの方の弟の名前が「ミッチー」であるため、最近離婚を発表した及川光博を想起させて不穏だ、ということで名前をカットしたり、
畠山「結婚式で演奏したりするのって絶対嫌だよね〜。親族の人とか絶対俺たちのことなんか知らないじゃん(笑)
「ふぁっきゅー」とか親族の方に絶対聞かせられないじゃん(笑)」
ケイゾー「くるりの岸田さんも絶対やらないんだって。広島カープの選手の人でも絶対やらないって。それとこれとは話が別だ、って」
と結婚式ネタを繰り広げるのだが、最後にはしっかりカメラ目線で
「結婚おめでとうございます」
とコメント。
「酔ってる勢いでやったけど、普通はやらないからな!」
とも言っていたが、昔だったらミイラズは絶対にこんなことはしなかった。そもそもZeppクラスが即完してたような規模のバンドにそんなことを求めてもやってくれるわけがないし、あの頃にファンの手紙の一通一通に目を通してリアクションするなんていう余裕だってなかったはず。
それを今回こうしてわざわざ応えたのは、この規模の距離感だからこそそうしてファンの声を全て聞くことができるからだし、何よりもこうしてかつての何分の1にも規模が縮小してしまった自分たちのバンドに人生の大事な場面を委ねてくれたというのが本当に嬉しかったのだと思うし、そのファンの方と弟の方がミイラズをずっと好きでいてくれているというのがちゃんと伝わったからこそだと思う。
畠山は結婚式に合わせた「We Are The Fuck'n World」を演奏しようとしていたが、ケイゾーが構成を覚えておらず、そもそもまのが一度も曲を演奏したことがないということで演奏されず。
「マクドナルド食べても サイゼ ミスド ガストもスタバだって2人なら最高のフルコース」
という歌詞と、真彦が新郎役でケイゾーが新婦役という結婚式のMVは確かに結婚式で使われても全くおかしくはない、というかミイラズファンの方の結婚式ですでに使われている気もする。
その後もMAROON5のMVがファンの結婚式にメンバーがサプライズで出演するやつだ、とかケイゾーがMAROON5の武道館ライブを前座だけ見て帰った、とかひたすら終わらなそうなMCが繰り広げられるのだが、それは畠山が酔っていたということもあるだろうが、それ以上にライブが終わってしまうのが寂しかったんじゃないかと思う。それでもケイゾーの
「もう早くやろうよ〜」
という声に促されてアンコールの演奏を始めると、ラストの「CANのジャケット〜」では激しいモッシュが起こるという、千葉らしからぬ盛り上がりを見せていた。
「節分ライブのチケットを全員が変わらないと、ゼルダの伝説みたいに扉が開かないシステムになっている」
という畠山のMCも虚しく扉が一旦空いてもさらなるアンコールを求める声は鳴り止まず、ダブルアンコールでメンバーが登場すると、ステージ上手の端にあるミラーボールが回る中で「ミラーボールが回り出したら」を演奏して、メンバーはやり切ったような表情でステージを去っていった。
このツアーの参加は3公演目。普段、他のバンドでそんなに同じツアーに参加することはほとんどない。自分はスタンスとして、曲や作品、ライブが良ければライブに行くというのを貫いているので、自分が行かないといけない!っていう感情も特にないし、推しという概念もあまりよくわからない。
だからミイラズのツアーにこうして3回も行くのも、ミイラズのリリースしている曲や作品が良いものであって、ライブが良いから行っているというのは変わらないのだけど、やはりどこか自分がこうしてライブに行ってツイートしたりレポを書いたりすることで、今のミイラズのカッコよさをちょっとでも伝えたいというのもある。
ミイラズはこの規模のバンドにしては物販の売り上げが非常に大きいバンドだし、過去の印税もあるだろうから、CDを出さなくても、フェスやイベントなどにほとんど呼ばれなくてもある程度の収入はあるかもしれないし、独立したことでメジャーにいた頃よりも収入がダイレクトに自分たちのところに入ってきているかもしれない。
それでも、千葉LOOKをはじめとして、この規模の会場がソールドアウトしないというのは、かつてのZeppクラスが即完していた頃を見てきただけに不安になってしまう。その頃は知ってるけど今は全く聴いていない人からしたら、「まだやってたの?」って思われるかもしれない。そうやって音楽だけでは生活していけなくて辞めていくバンドをこれまでにたくさん見てきた。でも自分はミイラズにはまだまだ辞めて欲しくないし、またデカいステージに立つ姿を見たい。そう考えると、一本でも多くライブに足を運んで、1人でも多くの人にライブを観に来てもらいたい。そう思うのも、今のミイラズが本当にカッコいい音楽をやっていて、カッコいいライブをするバンドだから。まだまだ、ミイラズというバンドに自分は夢を見ているのだ。
1.レディース&ジェントルマン
2.WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!
3.僕はスーパーマン
4.TEN BILLION DREAM
5.check it out! check it out! check it out! check it out! check it out!
6.ふぁっきゅー
7.バタフライエフェクトを語るくらいの善悪と頑なに選択を探すマエストロのとある一日
8.つーか、っつーか
9.STRAWBERRY DANCE
10.アナーキーサヴァイヴァー
11.ラストダンスとファンデーション
12.シスター
13.チェンジ!チェンジ!チェンジ!チェンジ!チェンジ!
14.アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
15.格闘ゲーム
16.マジか。そう来たか、やっぱそう来ますよね。はいはい、ですよね、知ってます。
17.ラストナンバー
18.スーパーフレア
19.僕らは
20.サマバケ!
encore
21.誰も死から逃れられない!
22.プロタゴニストの一日は
23.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
encore2
24.ミラーボールが回り出したら
Next→ 12/9 JAPAN'S NEXT @渋谷O-EASTなど全7会場