9mm Parabellum Bullet presents 「カオスの百年TOUR 2018」 @Zepp Nagoya 9/24
- 2018/09/24
- 22:52
ツアー開催前の8月、我々9mm Parabellum Bulletのファンは今回の「カオスの百年TOUR」の開催を記念した座談会を行なった。
(http://rocknrollisnotdead.jp/blog-entry-535.html?sp)
それくらいに「カオスの百年TOUR」は9mmファンにとって本当に喜ばしいとともに楽しみで仕方がないツアーなのだが、このツアーは初日の9月9日「9mmの日」に行われるはずだった札幌公演が直前の胆振地方の地震の影響で延期となったため、この名古屋は仙台、大阪に続いて3公演目。本来は自分はファイナルである29日の東京のみの参加予定だったのだが、前日に中津川ソーラー武道館に参加してそのまま名古屋に宿泊したので、「名古屋にいるんなら9mmがその日に名古屋でライブやるから見てから帰ろう」という方向に転換し、急遽参加することに。
すでにバンドの公式側がライブの写真や内容を挙げている通り、今回のツアーはステージ中央に花道が作られており、かつてそのシステムで行われたライブのことを思い出す(映像化されている)し、あの暴れまくりなライブをする9mmのライブに花道があるということにもテンションが上がらずにはいられない。
また、今回のツアーは事前に楽曲のリクエストを募っており、「最近あまりライブで聴けなくなったレア曲が聴けるんじゃないだろうか?」という期待も高まる。
客席にはその花道が伸びる中、開演時間の17時30分ちょうどになると、おなじみのATARI TEENAGE RIOT「Digital Hardcore」がSEとして流れる中、バンドロゴのバックドロップがせり上がり、メンバーが登場。今回のツアーは「9mm第6のメンバー」ことfolcaの為川裕也がサポートギターとして参加した(第5のメンバーはHEREの武田)5人編成で、為川は滝の隣、ステージの1番上手側の端に。
メンバーが楽器を手にすると、いきなり卓郎、滝、為川の3人のギターが爆音で鳴り響く「荒地」からスタート。卓郎のボーカルもメンバーの演奏もツアー中盤ということで実に安定しながらも爆発しているが、滝はいつものように帽子を被ってギターをぶん回し、この後も再三帽子を落としては拾って被り直すという場面を見せていた。
ちなみに今回のツアーはこの1曲目を毎公演変えているらしいので、ライブの始まり方が各ライブごとに全く違うというのはライブそのものの内容に大きな変化をもたらすはずだ。
イントロに3人のギターのアレンジが追加されて、一瞬なんの曲かわからないような進化を遂げた「Mr.Suicide」では滝が卓郎の前に伸びる花道のところに足をかけ(まだ花道を歩いてはいない)、リクエスト投票でランクインしたことでセトリに入ったであろう、実に久しぶりの「Wildpitch」とインディー期やメジャー初期の曲が続くと、和彦のベースから始まる「Sleepwalk」ではその和彦が間奏で花道の前まで出て行って、花道でラスサビ前のベースを弾くという使い方で、まさかの和彦が先陣を切って花道を使用。イメージ的にはやはり花道を使うのは滝だが、よくよく考えれば和彦も相当の運動量を誇るベーシストであるし、こうして前に出ようとする意識は滝が不在だった「BABEL」のツアーで培われた意識によるものもあるんじゃないかと思う。あのツアーではギタリストではない和彦もかみじょうもそれぞれのやり方で滝の穴を埋めようとしていた。
今回のツアーでは来場者に特典CDが配布されることを卓郎が告げると、その特典CDに収録されている「カルマの花環」をここで披露。サビの終わりのフレーズの韻の踏み方と滝が強めにコーラスを被せるのが耳に残る、実に9mmらしいサウンドの曲。4人それぞれが曲を作った「Waltz on Life Line」、その後に卓郎作詞、滝作曲体制で作られたコンセプチュアルな「BABEL」を経て、今一度9mmらしいサウンドに真正面から向き合っているんじゃないか、という気が「キャリーオン」からこの「カルマの花環」という近年の曲の流れからは感じる。
いよいよ滝が花道に飛び出してギターを弾きまくるのは、ライブではおなじみのBPMが速くなりまくった「Vampiregirl」で、滝は客席に突っ込むくらいに体を倒してギターを弾きまくり、最後のサビ前には卓郎の目の前で暴れまくったことにより、卓郎も歌い出しの時に思わず笑ってしまう。そりゃあ目の前であのアクションを見せられて笑うな、という方が無理な話だが、まさかメンバーすらもあんなに笑うとは。
タイアップアニメに沿ったと思われる歌詞が実に自然に9mmサウンドと融合しているあたりに卓郎の作家性の高さを感じさせる「90秒の衝撃」こと「インフェルノ」をあっという間に駆け抜けると、
「今日配布されるCDに入ってる「21g」という曲は実は「Termination」の曲と同じ頃には出来ていて。その時にアルバムに入れられなかったんだけど、今回「この曲が1番喜んでくれるのはここじゃないだろうか」って思ってこの曲を収録することにした」
という、10年の月日を経てついに音源化されることになった「21g」は、魂の重さと言われているタイトルの通りに壮大なテーマを歌った曲。しかしサウンドは確かに言われてみると「Termination」あたりに入っていてもおかしくないようなもの(そう言われたからそう感じるのかもしれないけど)であり、そうした意味でも今回配布されるCDに収録されている2曲は作られた時期に10年の幅はあれど、どちらも9mmらしさを感じさせる曲であるという共通点を持っていると言っていいのかもしれない。
そうした曲の背景があるだけに、次に演奏された「Termination」収録の「Sundome」と並んでも全く違和感がない。リクエスト曲を多く入れながらも、このあたりのライブの流れは今回のツアーでは非常に良く練ったのだろう。
「今回、みんなにリクエストとして聴きたい曲を募ったわけだが、得票数の少ない曲も発表しようと思って。「新しい光」、2票って言ったんだけど、正式な文献を調べたところ、3票であることがわかりました!(笑)
あと、「Black Market Blues」。我々のライブ定番曲ですね。「ミュージックステーションでこの曲をやってるのを見て9mmを知りました!」っていう人も結構いますよ。そんな曲ですが、得票数…2票!(笑)
っていうことでね、みんなが聴きたい曲がなんなのかっていうのがよくわかりますね。1位はダントツの得票数でした。2位の2倍くらい集めたのかな?名古屋の空は俺たちが来た時は、まぁまぁみたいな感じでしたが…今夜は光の雨が降るでしょう!」
と卓郎が定番曲の得票数が低かったことを明かし、1位の曲を発表して演奏されたのは「光の雨が降る夜に」。間奏では今度は卓郎が花道でギターソロを決めたのだが、確かに良い曲だとは思っていたが、まさかそんなにダントツで1位になるくらいの人気曲だとは全く思っていなかった。そこまで全く演奏されていない曲でもないし、それこそカップリング曲とかの方がレア度は高いだけに、そうした曲が1位になると思っていたが、自分が思っていた以上に9mmファンは光の雨が降るのを求めていたようだ。
曲間では和彦がウッドベースに持ち替えると、ジャジーなイントロが追加されるおなじみのライブバージョンで演奏されたのは「キャンドルの灯を」。この繋がりは「Revolutionary」のアルバム収録曲というものだが、こうして続けて聴くと改めてあのアルバムが素晴らしい名作アルバムであることがよくわかる。
ステージの照明をぐっと落として客席頭上にあるミラーボールが輝いたのは「ホワイトアウト」。「BABEL」のツアーにおいてはスモークが焚かれるという演出がなされていたが、まさかこの曲でミラーボールを使うとは。
そして卓郎が「歌ってくれー!」と煽るとファンの大合唱が轟いた「Termination」からは次々にメンバーが花道に駆け出し、一体どこを見ていればいいのか、と思うくらいの怒涛のクライマックスに突入。
「marvelous」からのインディーズ期繋がりで演奏された「talking machine」では卓郎がマラカスを振るのに合わせて滝はなぜかペットボトルを振るのだが、当然音は出ない。しかし卓郎と顔を見合わせながら振る滝の表情は実に楽しそうだった。
「9mm、来年で結成15周年イヤーになります。15年もやっていると、ずっと同じ人が見に来てくれるわけじゃないし、我々も15年前と同じ人間ではない。細胞が入れ替わったりもしてるしね。でもみんな、15年目もこれから先も俺たちと一緒にいてくれるかー!
ありがとう!これからもよろしく!」
という卓郎の言葉に「こちらこそこれからもずーっとよろしく」と思わなかった観客はいなかっただろうし、9mmがこれからもずっと続いていく意志のあるバンドであるということがわかって本当に嬉しかった。
そしてトドメはトリプルギターによってさらに爆音・轟音化し、タイトル通りに晴れた空の下でのフェスなどで演奏され続けたことにより、ライブで最も化けた曲になったと言っても過言ではない「太陽が欲しいだけ」から、ラストは滝だけでなく為川も暴れながらギターを弾き、和彦は低い位置のマイクで叫びまくる「sector」。演奏中のそうした爆裂っぷりが嘘のように、演奏を終えたメンバーたちは実に清々しい顔を見せ、卓郎と和彦は花道まで出てきていつものように丁寧にあらゆる方向の観客に感謝を示してからステージを去っていった。
アンコールではまたすぐ名古屋に戻ってくる(そろそろ新しいアルバムのツアーだろうか?)ことを宣言し、メンバー紹介では為川を「スーパーサポーター」、滝を「スーパーギタリスト」と紹介したのに、和彦は「うちのベース」、かみじょうは「ドラム、ちひろ・かみじょう」とどんどん紹介が雑になりながら、
「君を必ず連れて行くよ」
と、メンバーだけでなくファンも連れてこれからも一緒に進んで行くという卓郎の決意が強く滲んだ「キャリーオン」から、ラストはイントロで大歓声が上がり、最後には卓郎、滝、和彦だけでなく為川までもが花道に突入して演奏した「Punishment」。
演奏が終わるとやはり卓郎と和彦が観客に丁寧に手を振ったり、ピックを投げたりする中、9mmのライブが終わったあとのこの心身ともに底というか髄の方からスカッとした気分になる爽快感。近年は滝の状態が万全ではないことによるライブの内容から、なかなかその感覚を味わえずにいたが、この日は間違いなくそうした気分に浸れるようなものだった。
去り際にかみじょうが大きなクシャミをしたのが和彦の低い位置のマイクに拾われていたのに大笑いしてしまってその感覚は吹っ飛びそうになってしまったけど(笑)
9mmがワンマンで名古屋を訪れるのは久しぶりであるという。ましてや、滝がステージにいる状態でのワンマンとなると、だいぶ前になるだろう。だからなのか、客席からは
「名古屋に来てくれてありがとう!」
という声がステージに向かって飛んでいた。地方のライブハウスに来るといつも思うことであるが、都内の会場にすぐに行けるところに住んでいると、毎回ライブに行くのが当たり前のようになってしまう。でも実際には、こうして自分たちの住んでいる街に好きなバンドが来てくれるっていうことは当たり前のことじゃない。(今回のツアーも大阪より西には行っていない)
そうして日本のいたるところに9mmがライブをしに来てくれるのを待っている人がたくさんいるし、どれだけツアーに何本参加できるとしても、その感覚は忘れないようにしたい。
しかし関東民としては、明日からまたちょっと仕事を頑張れば、週末にまた9mmのライブが見れる。そう思えばまた1週間を乗り切る力になる。間違いなく、9mmの存在に我々ファンの人生は支えられている。
1.荒地
2.Mr.Suicide
3.Wildpitch
4.Sleepwalk
5.カルマの花環
6.Vampiregirl
7.インフェルノ
8.21g
9.Sundome
10.光の雨が降る夜に
11.キャンドルの灯を
12.ホワイトアウト
13.Termination
14.marvelous
15.talking machine
16.太陽が欲しいだけ
17.sector
encore
18.キャリーオン
19.Punishment
キャリーオン
https://youtu.be/LsGOX0wxRD8
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(http://rocknrollisnotdead.jp/blog-entry-535.html?sp)
それくらいに「カオスの百年TOUR」は9mmファンにとって本当に喜ばしいとともに楽しみで仕方がないツアーなのだが、このツアーは初日の9月9日「9mmの日」に行われるはずだった札幌公演が直前の胆振地方の地震の影響で延期となったため、この名古屋は仙台、大阪に続いて3公演目。本来は自分はファイナルである29日の東京のみの参加予定だったのだが、前日に中津川ソーラー武道館に参加してそのまま名古屋に宿泊したので、「名古屋にいるんなら9mmがその日に名古屋でライブやるから見てから帰ろう」という方向に転換し、急遽参加することに。
すでにバンドの公式側がライブの写真や内容を挙げている通り、今回のツアーはステージ中央に花道が作られており、かつてそのシステムで行われたライブのことを思い出す(映像化されている)し、あの暴れまくりなライブをする9mmのライブに花道があるということにもテンションが上がらずにはいられない。
また、今回のツアーは事前に楽曲のリクエストを募っており、「最近あまりライブで聴けなくなったレア曲が聴けるんじゃないだろうか?」という期待も高まる。
客席にはその花道が伸びる中、開演時間の17時30分ちょうどになると、おなじみのATARI TEENAGE RIOT「Digital Hardcore」がSEとして流れる中、バンドロゴのバックドロップがせり上がり、メンバーが登場。今回のツアーは「9mm第6のメンバー」ことfolcaの為川裕也がサポートギターとして参加した(第5のメンバーはHEREの武田)5人編成で、為川は滝の隣、ステージの1番上手側の端に。
メンバーが楽器を手にすると、いきなり卓郎、滝、為川の3人のギターが爆音で鳴り響く「荒地」からスタート。卓郎のボーカルもメンバーの演奏もツアー中盤ということで実に安定しながらも爆発しているが、滝はいつものように帽子を被ってギターをぶん回し、この後も再三帽子を落としては拾って被り直すという場面を見せていた。
ちなみに今回のツアーはこの1曲目を毎公演変えているらしいので、ライブの始まり方が各ライブごとに全く違うというのはライブそのものの内容に大きな変化をもたらすはずだ。
イントロに3人のギターのアレンジが追加されて、一瞬なんの曲かわからないような進化を遂げた「Mr.Suicide」では滝が卓郎の前に伸びる花道のところに足をかけ(まだ花道を歩いてはいない)、リクエスト投票でランクインしたことでセトリに入ったであろう、実に久しぶりの「Wildpitch」とインディー期やメジャー初期の曲が続くと、和彦のベースから始まる「Sleepwalk」ではその和彦が間奏で花道の前まで出て行って、花道でラスサビ前のベースを弾くという使い方で、まさかの和彦が先陣を切って花道を使用。イメージ的にはやはり花道を使うのは滝だが、よくよく考えれば和彦も相当の運動量を誇るベーシストであるし、こうして前に出ようとする意識は滝が不在だった「BABEL」のツアーで培われた意識によるものもあるんじゃないかと思う。あのツアーではギタリストではない和彦もかみじょうもそれぞれのやり方で滝の穴を埋めようとしていた。
今回のツアーでは来場者に特典CDが配布されることを卓郎が告げると、その特典CDに収録されている「カルマの花環」をここで披露。サビの終わりのフレーズの韻の踏み方と滝が強めにコーラスを被せるのが耳に残る、実に9mmらしいサウンドの曲。4人それぞれが曲を作った「Waltz on Life Line」、その後に卓郎作詞、滝作曲体制で作られたコンセプチュアルな「BABEL」を経て、今一度9mmらしいサウンドに真正面から向き合っているんじゃないか、という気が「キャリーオン」からこの「カルマの花環」という近年の曲の流れからは感じる。
いよいよ滝が花道に飛び出してギターを弾きまくるのは、ライブではおなじみのBPMが速くなりまくった「Vampiregirl」で、滝は客席に突っ込むくらいに体を倒してギターを弾きまくり、最後のサビ前には卓郎の目の前で暴れまくったことにより、卓郎も歌い出しの時に思わず笑ってしまう。そりゃあ目の前であのアクションを見せられて笑うな、という方が無理な話だが、まさかメンバーすらもあんなに笑うとは。
タイアップアニメに沿ったと思われる歌詞が実に自然に9mmサウンドと融合しているあたりに卓郎の作家性の高さを感じさせる「90秒の衝撃」こと「インフェルノ」をあっという間に駆け抜けると、
「今日配布されるCDに入ってる「21g」という曲は実は「Termination」の曲と同じ頃には出来ていて。その時にアルバムに入れられなかったんだけど、今回「この曲が1番喜んでくれるのはここじゃないだろうか」って思ってこの曲を収録することにした」
という、10年の月日を経てついに音源化されることになった「21g」は、魂の重さと言われているタイトルの通りに壮大なテーマを歌った曲。しかしサウンドは確かに言われてみると「Termination」あたりに入っていてもおかしくないようなもの(そう言われたからそう感じるのかもしれないけど)であり、そうした意味でも今回配布されるCDに収録されている2曲は作られた時期に10年の幅はあれど、どちらも9mmらしさを感じさせる曲であるという共通点を持っていると言っていいのかもしれない。
そうした曲の背景があるだけに、次に演奏された「Termination」収録の「Sundome」と並んでも全く違和感がない。リクエスト曲を多く入れながらも、このあたりのライブの流れは今回のツアーでは非常に良く練ったのだろう。
「今回、みんなにリクエストとして聴きたい曲を募ったわけだが、得票数の少ない曲も発表しようと思って。「新しい光」、2票って言ったんだけど、正式な文献を調べたところ、3票であることがわかりました!(笑)
あと、「Black Market Blues」。我々のライブ定番曲ですね。「ミュージックステーションでこの曲をやってるのを見て9mmを知りました!」っていう人も結構いますよ。そんな曲ですが、得票数…2票!(笑)
っていうことでね、みんなが聴きたい曲がなんなのかっていうのがよくわかりますね。1位はダントツの得票数でした。2位の2倍くらい集めたのかな?名古屋の空は俺たちが来た時は、まぁまぁみたいな感じでしたが…今夜は光の雨が降るでしょう!」
と卓郎が定番曲の得票数が低かったことを明かし、1位の曲を発表して演奏されたのは「光の雨が降る夜に」。間奏では今度は卓郎が花道でギターソロを決めたのだが、確かに良い曲だとは思っていたが、まさかそんなにダントツで1位になるくらいの人気曲だとは全く思っていなかった。そこまで全く演奏されていない曲でもないし、それこそカップリング曲とかの方がレア度は高いだけに、そうした曲が1位になると思っていたが、自分が思っていた以上に9mmファンは光の雨が降るのを求めていたようだ。
曲間では和彦がウッドベースに持ち替えると、ジャジーなイントロが追加されるおなじみのライブバージョンで演奏されたのは「キャンドルの灯を」。この繋がりは「Revolutionary」のアルバム収録曲というものだが、こうして続けて聴くと改めてあのアルバムが素晴らしい名作アルバムであることがよくわかる。
ステージの照明をぐっと落として客席頭上にあるミラーボールが輝いたのは「ホワイトアウト」。「BABEL」のツアーにおいてはスモークが焚かれるという演出がなされていたが、まさかこの曲でミラーボールを使うとは。
そして卓郎が「歌ってくれー!」と煽るとファンの大合唱が轟いた「Termination」からは次々にメンバーが花道に駆け出し、一体どこを見ていればいいのか、と思うくらいの怒涛のクライマックスに突入。
「marvelous」からのインディーズ期繋がりで演奏された「talking machine」では卓郎がマラカスを振るのに合わせて滝はなぜかペットボトルを振るのだが、当然音は出ない。しかし卓郎と顔を見合わせながら振る滝の表情は実に楽しそうだった。
「9mm、来年で結成15周年イヤーになります。15年もやっていると、ずっと同じ人が見に来てくれるわけじゃないし、我々も15年前と同じ人間ではない。細胞が入れ替わったりもしてるしね。でもみんな、15年目もこれから先も俺たちと一緒にいてくれるかー!
ありがとう!これからもよろしく!」
という卓郎の言葉に「こちらこそこれからもずーっとよろしく」と思わなかった観客はいなかっただろうし、9mmがこれからもずっと続いていく意志のあるバンドであるということがわかって本当に嬉しかった。
そしてトドメはトリプルギターによってさらに爆音・轟音化し、タイトル通りに晴れた空の下でのフェスなどで演奏され続けたことにより、ライブで最も化けた曲になったと言っても過言ではない「太陽が欲しいだけ」から、ラストは滝だけでなく為川も暴れながらギターを弾き、和彦は低い位置のマイクで叫びまくる「sector」。演奏中のそうした爆裂っぷりが嘘のように、演奏を終えたメンバーたちは実に清々しい顔を見せ、卓郎と和彦は花道まで出てきていつものように丁寧にあらゆる方向の観客に感謝を示してからステージを去っていった。
アンコールではまたすぐ名古屋に戻ってくる(そろそろ新しいアルバムのツアーだろうか?)ことを宣言し、メンバー紹介では為川を「スーパーサポーター」、滝を「スーパーギタリスト」と紹介したのに、和彦は「うちのベース」、かみじょうは「ドラム、ちひろ・かみじょう」とどんどん紹介が雑になりながら、
「君を必ず連れて行くよ」
と、メンバーだけでなくファンも連れてこれからも一緒に進んで行くという卓郎の決意が強く滲んだ「キャリーオン」から、ラストはイントロで大歓声が上がり、最後には卓郎、滝、和彦だけでなく為川までもが花道に突入して演奏した「Punishment」。
演奏が終わるとやはり卓郎と和彦が観客に丁寧に手を振ったり、ピックを投げたりする中、9mmのライブが終わったあとのこの心身ともに底というか髄の方からスカッとした気分になる爽快感。近年は滝の状態が万全ではないことによるライブの内容から、なかなかその感覚を味わえずにいたが、この日は間違いなくそうした気分に浸れるようなものだった。
去り際にかみじょうが大きなクシャミをしたのが和彦の低い位置のマイクに拾われていたのに大笑いしてしまってその感覚は吹っ飛びそうになってしまったけど(笑)
9mmがワンマンで名古屋を訪れるのは久しぶりであるという。ましてや、滝がステージにいる状態でのワンマンとなると、だいぶ前になるだろう。だからなのか、客席からは
「名古屋に来てくれてありがとう!」
という声がステージに向かって飛んでいた。地方のライブハウスに来るといつも思うことであるが、都内の会場にすぐに行けるところに住んでいると、毎回ライブに行くのが当たり前のようになってしまう。でも実際には、こうして自分たちの住んでいる街に好きなバンドが来てくれるっていうことは当たり前のことじゃない。(今回のツアーも大阪より西には行っていない)
そうして日本のいたるところに9mmがライブをしに来てくれるのを待っている人がたくさんいるし、どれだけツアーに何本参加できるとしても、その感覚は忘れないようにしたい。
しかし関東民としては、明日からまたちょっと仕事を頑張れば、週末にまた9mmのライブが見れる。そう思えばまた1週間を乗り切る力になる。間違いなく、9mmの存在に我々ファンの人生は支えられている。
1.荒地
2.Mr.Suicide
3.Wildpitch
4.Sleepwalk
5.カルマの花環
6.Vampiregirl
7.インフェルノ
8.21g
9.Sundome
10.光の雨が降る夜に
11.キャンドルの灯を
12.ホワイトアウト
13.Termination
14.marvelous
15.talking machine
16.太陽が欲しいだけ
17.sector
encore
18.キャリーオン
19.Punishment
キャリーオン
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