SATANIC CARNIVAL'14 presented by pizza of death records @幕張メッセ 6/7
- 2014/06/08
- 00:41
Hi-STANDARDのKen Yokoyamaによる、日本で1番有名なパンクレーベル、PIZZA OF DEATH RECORDSが、同志を集めた、まさにパンクの祭典というべきイベントを幕張メッセで開催。
Ken Yokoyamaを筆頭にマキシマム ザ ホルモン、10-FEETなどの、もはや日本を代表する存在のバンドや、期待の若手、ずっとパンクスとして生きてきたベテランなど、2ステージ制で昼から夜までパンクが鳴り続ける。
幕張メッセ9~11ホールを使用し、メインステージであるSATAN STAGE、セカンドステージのEVIL STAGE、そして飲食や写真、スケボー体験などの様々なブースが並ぶ。物販は屋外のスペースを使っているが、あいにくの雨にもかかわらず、オフィシャル、アーティスト物販ともに長蛇の列。
12:00~ FACT [SATAN STAGE]
メインステージのトップバッターはFACT。イギリス人メンバーのAdamが加入してから見るのは初めて。ライブ見るの自体がかなり久々。
ドラムのEijiが先頭で登場し、ドラムを打ち鳴らすと、次々にメンバーがステージに。最後にHiroが登場すると、「slip of the lip」からスタートすると、かつてのツインギターから、Adam加入でトリプルギターになったことにより、さらに音が分厚くなっている。そのAdamは前は他のメンバーが担当していたコーラスパートも抜群の歌唱力でこなし、もはらバンドになくてはならない存在となっているのがよくわかる。
レゲエ調の「Ape」ではHiroが打楽器を叩きまくり、「Purple Eyes」では勇壮なコーラスが幕張メッセに轟く。Eijiの
「今日のイベントの名前はSATANIC CARNIVALっていうんだよ!これはスレイヤー先輩しか使えないSATANICっていう単語を使ってるすごいイベントだ!ありがとうスレイヤー先輩!」
というメタル魂あふれるMCから、トドメはイントロが鳴った瞬間から観客が前方に押し寄せまくった「A Fact Of Life」。1stアルバムの曲だが、この曲の破壊力は今でも全く変わっていない。
そして、個人的に現在のラウドロックの活況を決定付けたのはこのバンドの1stアルバムだと思っているが、当時から「スタジアムで鳴らされるべきラウドロック」というのも全く変わっていない。Fear,and Loasing In Las VegasもSiMもこのバンドがいなかったら今とは立ち位置が違っていると思う。
1.slip of the lip
2.the shadow of envy
3.tonight
4.Ape
5.FOSS
6.Purple Eyes
7.Fog
8.Disclosure
9.Drag
10.A Fact Of Life
13:10~ dustbox [SATAN STAGE]
すでに前方ではたくさんの人がリフトされた状態で待ち構えるdustbox。3人が登場すると、メタルな「Want A Kanojo」から始まるという意表を突く展開。しかしそこからはいつものように陽性ポップ・パンクを次々と連発していく。SUGAの歌声もこの間のVIVA LA ROCKの時より高い気がする。
「なんか俺を呼ぶ声だけがやたら野太い!」
とJOJIが自分に黄色い歓声がないことをネタにし、そのまま「JOJI! JOJI!」のコールを本人が巻き起こして、そのまま「Sun which never sets」へ。さらに「Hurdle Race」ではタイトル通りに左回りにダッシュしまくるサークルが大量に出現。
そしてラストは「Tomorrow」から「Right Now」で合唱を巻き起こすのだが、SUGAのキーが高過ぎて男性にはこのバンドの合唱はかなりキツい。ただそれ以上に熱くて楽しい。
1.Want A Kanojo
2.Break Through
3.Riot
4.Try My Luck
5.Dance Until Morning
6.Still Believing
7.Shine Bright
8.Jupiter
9.Sun Which Never Sets
10.Hurdle Race
11.Tomorrow
12.Right Now
14:20~ SiM [SATAN STAGE]
様々なフェスでメインステージに出演して当然の存在になったSiM、このフェスでもメインステージに登場。
メンバーが猛ダッシュでステージに登場すると、「Get Up,Get Up」からスタート。MAHが腕を時計の針に見たてる「Faster Than The Clock」ではdustbox同様に左回りのサークルモッシュが発生。SINとSHOW-HATEは今日もベースとギターを斧のように力強く振り下ろしながら弾き、「ANTHEM」で
「走り回れー!」
とMAHが叫ぶと、観客同様に2人もステージ上を走り回る。
「PIZZA OF DEATHのイベントに呼ばれるなんて、中学生の時にハイスタを聴き狂ってた頃には全く想像もしてませんでした。90年代後半当時、エアジャムをリアルタイムで、この目で見れなかったのは本当に悔しいけど、今同じようにライブハウスでライブやってて、あの時代に戻ることはできないし、同じことをやっても絶対勝てない。だから、俺たちとみんなで、2010年代のやり方で面白いことやろうぜ!」
というMAHの言葉には大きな歓声が上がり、
「俺たちとみんなの歌」
という「Same Sky」ではMAHの歌声に聴きいるも、ラストの「KiLLiNG ME」ではMAHが客席に突入し、観客に支えられ、ダイバーとぶつかりまくりながら歌うと、すでにメンバーがいなくなったスクリーンにはSHOW-HATEのギターの裏側に書かれたサインが映し出されていた。
近い将来、このバンドは「2010年代の自分たちのやり方」で、この幕張メッセでワンマンや自主企画ライブをやる日を迎えるはず。その時には間違いなく何かが変わっていると思う。
1.Get Up,Get Up
2.Faster Than The Clock
3.WHO'S NEXT
4.Blah Blah Blah
5.ANTHEM
6.Amy
7.Same Sky
8.KiLLiNG ME
15:30~ HEY-SMITH [SATAN STAGE]
様々なフェスに出演するようになったスカパンクバンド、HEY-SMITHがメインステージに登場。今日のメインステージ出演者の中では唯一ライブをまだ見たことないバンド。
ホーン隊の2人は上半身裸で登場し、そのホーン隊の存在を最大限に生かしたスカパンクを展開。まさかのオリコンTOP10入りを果たした最新作「Now Album」からの曲を中心に、歌詞には社会的メッセージが強い曲もあるが、曲は自然に体が動いてしまうくらいの楽しさで、客席をスカダンス天国に変貌させる。
「同じ幕張メッセだけど、今日はCOUNTDOWN JAPANじゃないから、ダイブしてもリストバンド切られへんでー。まわりなんか気にせず、自分のためだけに楽しめ!」
と猪狩がアジテートし、ダイブだけならずサークルも発生。
「いくらネットが便利になっても生の音楽に敵うもんはないなぁ。この空間をダウンロードできるもんならしてみろや!」
とメッセージを込めたMCをすると、その思いを曲にした「Download Me If You Can」から、ラストは1分半のショートパンクチューン、「Come back my dog」で清々しく終了。
また、このバンドはSiMとcoldrainとともに毎年3バンドでツアーを行っているが、
「憧れてたPIZZA OF DEATHのイベントに出れて嬉しいけど、俺達は俺達の時代を生きないといけない」
と、SiMのMCに通ずる発言をしてから、8月に大阪の泉大津フェニックスで自分達のフェスをやることを告知した。 SiMとHEY-SMITHを繋げてるのは、音楽性よりもこういう精神性なんじゃないかと思う。
1.Endless Sorrow
2.True Yourself
3.Living In My Skin
4.Like A Gentleman
5.Jump!!
6.STAND UP FOR YOUR RIGHT
7.DRUG FREE JAPAN
8.Lonely With Everyone
9.We sing our song
10.Download Me If You Can
11.Come back my dog
16:50~ マキシマム ザ ホルモン [SATAN STAGE]
去年ロックバンドで1番売れたアルバムを作ったと言えるマキシマム ザ ホルモンがこのフェスに登場。もはやフェスで最も動員力があるバンドなだけに、この時間はセカンドステージではライブが行われないという配慮も。
いきなり「恋のメガラバ」で会場がダンスフロアと化すと、ナヲの
「昔PIZZA OF DEATHのTシャツを着てた頃はSサイズだった(笑)」
や、ダイスケはんのロックキッズ魂が騒ぎまくるMCや、モンスターエナジーをアピールしまくりながら飲み、さらには「アンナカ」や「SAY YES」のイントロが流れるなどの旬なネタも次々と投下しながら、最新アルバム「予襲復讐」の曲も交えながら、キャリアを横断するセトリ。しかしこのバンドはライブの面白さもさることながら、演奏がめちゃくちゃ上手い。どうやったらあんなに歌ったり暴れたりしながらあんな演奏ができるようになるんだろうか。
後半には、「my girl」で、ナヲの週刊誌スクープ後に話題を呼んだ「膣ジャンプ」もお披露目され、しゃがむバージョンの「恋のおまじない」(「セキュリティも座れー!横のリーダーを見るなー!」は笑った)をしてから、「恋のスペルマ」で終了。
しかし、もはやこの巨大キャパですらおさまりきらなくなってしまっている現状は、すごいと同時に恐ろしくすら感じる。夏フェスでもこういう流れになるのか、各地で変えていくのか。
1.恋のメガラバ
2.What's up,people?!
3.「F」
4.便所サンダルダンス
5.ロッキンポ殺し
6.ビキニ・スポーツ・ポンチン
7.シミ
8.鬱くしきOP ~月の爆撃機~
9.鬱くしき人々のうた
10.my girl
11.ぶっ生き返す!!
12.恋のスペルマ
18:25~ 10-FEET [SATAN STAGE]
ホルモンの後に盟友10-FEETという、実に「らしい」流れのトリ前。
いつものSEで登場すると、「JUNGLES」でスタートし、「RIVER」「CHERRY BLOSSOM」というキラーチューンも序盤に演奏されるセトリ。
普段は面白いMCもして笑わせてくれるバンドだが、この日はいつにもまして真面目モード。
「いろんな楽しみ方をするやつらがおるけど、人が飛んできたり、手が飛んできたり、足が飛んできたりしても、ぶつかって睨みつけるんじゃなくて、笑って声出せれば、帰りしなのみんなの表情も変わるんちゃうかな」
なと、真摯なMCが多かったが、しっとり聴かせた「シガードッグ」では
「2番の歌詞間違えちゃった(笑)」
と、TAKUMAがお茶目な面を見せる。そして最後にTAKUMAがNAOKIに歩み寄って何やら話をすると、
「時間ギリギリなんで、「goes on」やるはずだったんやけどやめて、昔Hi-STANDARDの「START TODAY」っていう曲に憧れて作った「DO YOU LIKE…?」っていう短い曲をやります」
と曲を変え、「DO YOU LIKE…?」のショートパンクを叩きつけて終了。しかしこのバンドのライブの時の観客(というかこのバンドのファンの人たち)の優しい感じが本当に好きだ。
1.JUNGLES
2.RIVER
3.CHERRY BLOSSOM
4.VIBES BY VIBES
5.super stomper
6.2%
7.1sec.
8.STONE COLD BREAK
9.シガードッグ
10.蜃気楼
11.その向こうへ
12.DO YOU LIKE…?
20:00~ Ken Yokoyama [SATAN STAGE]
いよいよ大トリ。PIZZA OF DEATH RECORDS代表のKen Yokoyamaが、自らの手でイベントを締めくくるべく登場。
SEもなしにメンバーが現れると、
「長丁場お疲れ様です!今日楽しんでくれたらよかったなぁ」
と言い、ひたすらにソリッドなパンクチューンを連発し、Kenは客席にマイクを投げまくり、観客の歌声を求める。
「みんな日本でも韓国でも中国でもいいから、好きな国旗とかタオルとかを掲げてくれよ」
と言ってから演奏された「We Are Fuckin' One」を終えると、
「日本の国旗を掲げると右翼だって言われる。でもそうじゃないよね。脱原発っていうと左翼だって言われる。それも違うよね。俺は東京に住んでる、ただの40代のおっさんだよ」
というメッセージを発し、
「This Is Your Land」のあとには、
「俺は日本人であることに誇りを持ってる。もし子供や孫が海外に行ったらさ、「日本人ダサい」って言われるよりも「日本人かっこいい」って言われたいじゃん。
じゃあなんで英語で歌ってるんだって言われるかもしんないけど、CDを買うと便利なもんで対訳っていうのが入ってて。まぁ本を買うっていうのもアリかもしれないよね(笑)
ただCDをみんなに買ってくれって言いづらい時代になったから。誰かが買ったのを貸してもらうんでもいいし。まぁ誰か1人は買わなきゃいけないんだけど(笑)
でも音にあわせてただ体を揺らすんじゃなくて、たまにはそうやって音楽を理解しようとするのもいいと思うよ。そうやって聴けばちょっとは俺がどういう思いで音楽やってるのかってわかってもらえると思うから」
という真摯なMC。そして己自身に対しての曲である「Ricky Punks III」からはさらに加速し、
「食らってくれ、幕張!」
と「Punk Rock Dream」へ。さらにHUSKING BEEの「WALK」のカバーまでも披露し、
「さっきから俺はマイク投げまくってるけど、なんでそうしてるかっていうと、普通に歌うのに飽きたからなんだよね。かといってマイク投げるのももう飽きてきたんだけど(笑)でも自分で歌うよりいいかなーって。
このイベントも俺がやるって決めたわけじゃないから、来年以降もやるかどうかわかんないけど、みんなが声をあげてくれれば、きっとまたなんかあると思うよ」
と言い、ラストは1stアルバム収録の「Believer」で大合唱を巻き起こして終了。かと思ったら、さらに
「もう1曲やるわ!」
と「Save Us」で最後の最後にさらなる合唱を起こし、アンコールはなく終了。
実際に行動して、曲にしている人だからこそ、言うことに筋が通っていて説得力がある。「今日、楽しんでくれたならよかったなぁ」って言ってたけど、本当に楽しかった。
あと、それまでメインステージの全バンドで発生していた、サークルがKen Yokoyamaの時は全く発生しなかった。単なる楽曲の構造の違いによるものか、見る側の姿勢によるものか、それともすでにクロークから荷物出した人が多かったのか。これは逆に新鮮であったけど。
1.Running On The Winding Road
2.How Many More Times
3.You And I, Against The World
4.Your Safe Rock
5.Last Train Home
6.We Are Fuckin' One
7.This Is Your Land
8.Ricky Punks III
9.I Love
10.Punk Rock Dream
11.If You Love Me (Really Love Me)
12.WALK
13.Let The Beat Carry On
14.Believer
15.Save Us
ともあれ、長い一日だったSATANIC CARNIVALはこうして幕を閉じた。来年、また開催されるかどうかはわからないけど、あるならまた行く。
なぜなら自分はパンクが好きだから。そしてパンクが好きな理由は、パンクという音楽とパンクをやっている人達が優しいから。昔、ブルーハーツもそう歌ってたもんな。
Ken Yokoyamaを筆頭にマキシマム ザ ホルモン、10-FEETなどの、もはや日本を代表する存在のバンドや、期待の若手、ずっとパンクスとして生きてきたベテランなど、2ステージ制で昼から夜までパンクが鳴り続ける。
幕張メッセ9~11ホールを使用し、メインステージであるSATAN STAGE、セカンドステージのEVIL STAGE、そして飲食や写真、スケボー体験などの様々なブースが並ぶ。物販は屋外のスペースを使っているが、あいにくの雨にもかかわらず、オフィシャル、アーティスト物販ともに長蛇の列。
12:00~ FACT [SATAN STAGE]
メインステージのトップバッターはFACT。イギリス人メンバーのAdamが加入してから見るのは初めて。ライブ見るの自体がかなり久々。
ドラムのEijiが先頭で登場し、ドラムを打ち鳴らすと、次々にメンバーがステージに。最後にHiroが登場すると、「slip of the lip」からスタートすると、かつてのツインギターから、Adam加入でトリプルギターになったことにより、さらに音が分厚くなっている。そのAdamは前は他のメンバーが担当していたコーラスパートも抜群の歌唱力でこなし、もはらバンドになくてはならない存在となっているのがよくわかる。
レゲエ調の「Ape」ではHiroが打楽器を叩きまくり、「Purple Eyes」では勇壮なコーラスが幕張メッセに轟く。Eijiの
「今日のイベントの名前はSATANIC CARNIVALっていうんだよ!これはスレイヤー先輩しか使えないSATANICっていう単語を使ってるすごいイベントだ!ありがとうスレイヤー先輩!」
というメタル魂あふれるMCから、トドメはイントロが鳴った瞬間から観客が前方に押し寄せまくった「A Fact Of Life」。1stアルバムの曲だが、この曲の破壊力は今でも全く変わっていない。
そして、個人的に現在のラウドロックの活況を決定付けたのはこのバンドの1stアルバムだと思っているが、当時から「スタジアムで鳴らされるべきラウドロック」というのも全く変わっていない。Fear,and Loasing In Las VegasもSiMもこのバンドがいなかったら今とは立ち位置が違っていると思う。
1.slip of the lip
2.the shadow of envy
3.tonight
4.Ape
5.FOSS
6.Purple Eyes
7.Fog
8.Disclosure
9.Drag
10.A Fact Of Life
13:10~ dustbox [SATAN STAGE]
すでに前方ではたくさんの人がリフトされた状態で待ち構えるdustbox。3人が登場すると、メタルな「Want A Kanojo」から始まるという意表を突く展開。しかしそこからはいつものように陽性ポップ・パンクを次々と連発していく。SUGAの歌声もこの間のVIVA LA ROCKの時より高い気がする。
「なんか俺を呼ぶ声だけがやたら野太い!」
とJOJIが自分に黄色い歓声がないことをネタにし、そのまま「JOJI! JOJI!」のコールを本人が巻き起こして、そのまま「Sun which never sets」へ。さらに「Hurdle Race」ではタイトル通りに左回りにダッシュしまくるサークルが大量に出現。
そしてラストは「Tomorrow」から「Right Now」で合唱を巻き起こすのだが、SUGAのキーが高過ぎて男性にはこのバンドの合唱はかなりキツい。ただそれ以上に熱くて楽しい。
1.Want A Kanojo
2.Break Through
3.Riot
4.Try My Luck
5.Dance Until Morning
6.Still Believing
7.Shine Bright
8.Jupiter
9.Sun Which Never Sets
10.Hurdle Race
11.Tomorrow
12.Right Now
14:20~ SiM [SATAN STAGE]
様々なフェスでメインステージに出演して当然の存在になったSiM、このフェスでもメインステージに登場。
メンバーが猛ダッシュでステージに登場すると、「Get Up,Get Up」からスタート。MAHが腕を時計の針に見たてる「Faster Than The Clock」ではdustbox同様に左回りのサークルモッシュが発生。SINとSHOW-HATEは今日もベースとギターを斧のように力強く振り下ろしながら弾き、「ANTHEM」で
「走り回れー!」
とMAHが叫ぶと、観客同様に2人もステージ上を走り回る。
「PIZZA OF DEATHのイベントに呼ばれるなんて、中学生の時にハイスタを聴き狂ってた頃には全く想像もしてませんでした。90年代後半当時、エアジャムをリアルタイムで、この目で見れなかったのは本当に悔しいけど、今同じようにライブハウスでライブやってて、あの時代に戻ることはできないし、同じことをやっても絶対勝てない。だから、俺たちとみんなで、2010年代のやり方で面白いことやろうぜ!」
というMAHの言葉には大きな歓声が上がり、
「俺たちとみんなの歌」
という「Same Sky」ではMAHの歌声に聴きいるも、ラストの「KiLLiNG ME」ではMAHが客席に突入し、観客に支えられ、ダイバーとぶつかりまくりながら歌うと、すでにメンバーがいなくなったスクリーンにはSHOW-HATEのギターの裏側に書かれたサインが映し出されていた。
近い将来、このバンドは「2010年代の自分たちのやり方」で、この幕張メッセでワンマンや自主企画ライブをやる日を迎えるはず。その時には間違いなく何かが変わっていると思う。
1.Get Up,Get Up
2.Faster Than The Clock
3.WHO'S NEXT
4.Blah Blah Blah
5.ANTHEM
6.Amy
7.Same Sky
8.KiLLiNG ME
15:30~ HEY-SMITH [SATAN STAGE]
様々なフェスに出演するようになったスカパンクバンド、HEY-SMITHがメインステージに登場。今日のメインステージ出演者の中では唯一ライブをまだ見たことないバンド。
ホーン隊の2人は上半身裸で登場し、そのホーン隊の存在を最大限に生かしたスカパンクを展開。まさかのオリコンTOP10入りを果たした最新作「Now Album」からの曲を中心に、歌詞には社会的メッセージが強い曲もあるが、曲は自然に体が動いてしまうくらいの楽しさで、客席をスカダンス天国に変貌させる。
「同じ幕張メッセだけど、今日はCOUNTDOWN JAPANじゃないから、ダイブしてもリストバンド切られへんでー。まわりなんか気にせず、自分のためだけに楽しめ!」
と猪狩がアジテートし、ダイブだけならずサークルも発生。
「いくらネットが便利になっても生の音楽に敵うもんはないなぁ。この空間をダウンロードできるもんならしてみろや!」
とメッセージを込めたMCをすると、その思いを曲にした「Download Me If You Can」から、ラストは1分半のショートパンクチューン、「Come back my dog」で清々しく終了。
また、このバンドはSiMとcoldrainとともに毎年3バンドでツアーを行っているが、
「憧れてたPIZZA OF DEATHのイベントに出れて嬉しいけど、俺達は俺達の時代を生きないといけない」
と、SiMのMCに通ずる発言をしてから、8月に大阪の泉大津フェニックスで自分達のフェスをやることを告知した。 SiMとHEY-SMITHを繋げてるのは、音楽性よりもこういう精神性なんじゃないかと思う。
1.Endless Sorrow
2.True Yourself
3.Living In My Skin
4.Like A Gentleman
5.Jump!!
6.STAND UP FOR YOUR RIGHT
7.DRUG FREE JAPAN
8.Lonely With Everyone
9.We sing our song
10.Download Me If You Can
11.Come back my dog
16:50~ マキシマム ザ ホルモン [SATAN STAGE]
去年ロックバンドで1番売れたアルバムを作ったと言えるマキシマム ザ ホルモンがこのフェスに登場。もはやフェスで最も動員力があるバンドなだけに、この時間はセカンドステージではライブが行われないという配慮も。
いきなり「恋のメガラバ」で会場がダンスフロアと化すと、ナヲの
「昔PIZZA OF DEATHのTシャツを着てた頃はSサイズだった(笑)」
や、ダイスケはんのロックキッズ魂が騒ぎまくるMCや、モンスターエナジーをアピールしまくりながら飲み、さらには「アンナカ」や「SAY YES」のイントロが流れるなどの旬なネタも次々と投下しながら、最新アルバム「予襲復讐」の曲も交えながら、キャリアを横断するセトリ。しかしこのバンドはライブの面白さもさることながら、演奏がめちゃくちゃ上手い。どうやったらあんなに歌ったり暴れたりしながらあんな演奏ができるようになるんだろうか。
後半には、「my girl」で、ナヲの週刊誌スクープ後に話題を呼んだ「膣ジャンプ」もお披露目され、しゃがむバージョンの「恋のおまじない」(「セキュリティも座れー!横のリーダーを見るなー!」は笑った)をしてから、「恋のスペルマ」で終了。
しかし、もはやこの巨大キャパですらおさまりきらなくなってしまっている現状は、すごいと同時に恐ろしくすら感じる。夏フェスでもこういう流れになるのか、各地で変えていくのか。
1.恋のメガラバ
2.What's up,people?!
3.「F」
4.便所サンダルダンス
5.ロッキンポ殺し
6.ビキニ・スポーツ・ポンチン
7.シミ
8.鬱くしきOP ~月の爆撃機~
9.鬱くしき人々のうた
10.my girl
11.ぶっ生き返す!!
12.恋のスペルマ
18:25~ 10-FEET [SATAN STAGE]
ホルモンの後に盟友10-FEETという、実に「らしい」流れのトリ前。
いつものSEで登場すると、「JUNGLES」でスタートし、「RIVER」「CHERRY BLOSSOM」というキラーチューンも序盤に演奏されるセトリ。
普段は面白いMCもして笑わせてくれるバンドだが、この日はいつにもまして真面目モード。
「いろんな楽しみ方をするやつらがおるけど、人が飛んできたり、手が飛んできたり、足が飛んできたりしても、ぶつかって睨みつけるんじゃなくて、笑って声出せれば、帰りしなのみんなの表情も変わるんちゃうかな」
なと、真摯なMCが多かったが、しっとり聴かせた「シガードッグ」では
「2番の歌詞間違えちゃった(笑)」
と、TAKUMAがお茶目な面を見せる。そして最後にTAKUMAがNAOKIに歩み寄って何やら話をすると、
「時間ギリギリなんで、「goes on」やるはずだったんやけどやめて、昔Hi-STANDARDの「START TODAY」っていう曲に憧れて作った「DO YOU LIKE…?」っていう短い曲をやります」
と曲を変え、「DO YOU LIKE…?」のショートパンクを叩きつけて終了。しかしこのバンドのライブの時の観客(というかこのバンドのファンの人たち)の優しい感じが本当に好きだ。
1.JUNGLES
2.RIVER
3.CHERRY BLOSSOM
4.VIBES BY VIBES
5.super stomper
6.2%
7.1sec.
8.STONE COLD BREAK
9.シガードッグ
10.蜃気楼
11.その向こうへ
12.DO YOU LIKE…?
20:00~ Ken Yokoyama [SATAN STAGE]
いよいよ大トリ。PIZZA OF DEATH RECORDS代表のKen Yokoyamaが、自らの手でイベントを締めくくるべく登場。
SEもなしにメンバーが現れると、
「長丁場お疲れ様です!今日楽しんでくれたらよかったなぁ」
と言い、ひたすらにソリッドなパンクチューンを連発し、Kenは客席にマイクを投げまくり、観客の歌声を求める。
「みんな日本でも韓国でも中国でもいいから、好きな国旗とかタオルとかを掲げてくれよ」
と言ってから演奏された「We Are Fuckin' One」を終えると、
「日本の国旗を掲げると右翼だって言われる。でもそうじゃないよね。脱原発っていうと左翼だって言われる。それも違うよね。俺は東京に住んでる、ただの40代のおっさんだよ」
というメッセージを発し、
「This Is Your Land」のあとには、
「俺は日本人であることに誇りを持ってる。もし子供や孫が海外に行ったらさ、「日本人ダサい」って言われるよりも「日本人かっこいい」って言われたいじゃん。
じゃあなんで英語で歌ってるんだって言われるかもしんないけど、CDを買うと便利なもんで対訳っていうのが入ってて。まぁ本を買うっていうのもアリかもしれないよね(笑)
ただCDをみんなに買ってくれって言いづらい時代になったから。誰かが買ったのを貸してもらうんでもいいし。まぁ誰か1人は買わなきゃいけないんだけど(笑)
でも音にあわせてただ体を揺らすんじゃなくて、たまにはそうやって音楽を理解しようとするのもいいと思うよ。そうやって聴けばちょっとは俺がどういう思いで音楽やってるのかってわかってもらえると思うから」
という真摯なMC。そして己自身に対しての曲である「Ricky Punks III」からはさらに加速し、
「食らってくれ、幕張!」
と「Punk Rock Dream」へ。さらにHUSKING BEEの「WALK」のカバーまでも披露し、
「さっきから俺はマイク投げまくってるけど、なんでそうしてるかっていうと、普通に歌うのに飽きたからなんだよね。かといってマイク投げるのももう飽きてきたんだけど(笑)でも自分で歌うよりいいかなーって。
このイベントも俺がやるって決めたわけじゃないから、来年以降もやるかどうかわかんないけど、みんなが声をあげてくれれば、きっとまたなんかあると思うよ」
と言い、ラストは1stアルバム収録の「Believer」で大合唱を巻き起こして終了。かと思ったら、さらに
「もう1曲やるわ!」
と「Save Us」で最後の最後にさらなる合唱を起こし、アンコールはなく終了。
実際に行動して、曲にしている人だからこそ、言うことに筋が通っていて説得力がある。「今日、楽しんでくれたならよかったなぁ」って言ってたけど、本当に楽しかった。
あと、それまでメインステージの全バンドで発生していた、サークルがKen Yokoyamaの時は全く発生しなかった。単なる楽曲の構造の違いによるものか、見る側の姿勢によるものか、それともすでにクロークから荷物出した人が多かったのか。これは逆に新鮮であったけど。
1.Running On The Winding Road
2.How Many More Times
3.You And I, Against The World
4.Your Safe Rock
5.Last Train Home
6.We Are Fuckin' One
7.This Is Your Land
8.Ricky Punks III
9.I Love
10.Punk Rock Dream
11.If You Love Me (Really Love Me)
12.WALK
13.Let The Beat Carry On
14.Believer
15.Save Us
ともあれ、長い一日だったSATANIC CARNIVALはこうして幕を閉じた。来年、また開催されるかどうかはわからないけど、あるならまた行く。
なぜなら自分はパンクが好きだから。そしてパンクが好きな理由は、パンクという音楽とパンクをやっている人達が優しいから。昔、ブルーハーツもそう歌ってたもんな。