JAPAN'S NEXT 渋谷JACK 2018 SUMMER 渋谷O-EASTなど7会場 7/15
- 2018/07/16
- 11:44
ロッキンオンによる若手の登竜門的なライブイベント、JAPAN'S NEXT。これまでは代官山UNITや恵比寿リキッドルームなどで行われ、時には豊洲PITにて、このイベントから羽ばたいていったバンドたちが集結した豪華版も開催されてきたが、今回は夏のROCK IN JAPAN FES.を前に、渋谷のサーキットフェスとして開催。
O-EAST
duo music exchange
O-WEST
club asia
O-nest
O-Crest
7th floor
という近隣7会場での開催という点は、同じようにこれらの会場を使って開催されている、やついフェスやMUSIC MONSTERSを踏襲している。
12:00~ ドミコ [club asia]
ギター&ボーカルとドラムというロックバンドの最小編成バンド、ドミコ。かつて米津玄師がアルバム「YANKEE」をリリースした時に行ったシークレットライブの新代田FEVERの時にライブを見ているが、その時以来。
さかしたひかる(ボーカル&ギター)の気だるげなボーカルとサイケデリックなギターサウンドはかつて見たイメージを踏襲しているが、長谷川啓太のドラムがはるかに力強さと手数を増していることにより、ズブズブのサイケデリックというイメージよりもはるかにロックンロール感が増している。
こうした2人組の編成のバンドはこれまでにもいたし(例えばストレイテナーも最初期はこの編成だった)、どうしても「スカスカであるが、その分ソリッドなギターとドラムを楽しむ」という方向になりがちなのだが、ギターをその場でルーパーでループさせて音を重ねることにより、2ピースであることが弱点ではなく、むしろ2ピースだからこそこうした表現ができるというプラスに転化できている。
サイケデリック色が強いサウンドの特性上、仕方ないとはいえ、やはり歌詞がほとんど聞き取れないというのは、幅広い支持を獲得するというよりはこうした音楽が好きな濃い人たちが集まるという感じになりそうだが、MCもほぼなし、ルーパーも巧みに使いながらも表情や仕草はいたってクール、というさかしたを見ていると、「ひたすら好きなことやってるだけですけど、何か?」という不敵さに満ちている。
1.マカロニグラタン
2.バニラクリームベリーサワー
3.まどろまない
4.Pop,Step,Junk!
5.ミッドナイトネオン
6.こんなのおかしくない?
7.くじらの巣
こんなのおかしくない?
https://youtu.be/IEfCtGHgaLk
13:00~ THE LITTLE BLACK [club asia]
本来ならこの前の時間に7th FloorでFINLANDSを見る予定だったのだが、始まる前から入場規制で7th Floorに直結するエレベーターにすら乗れず、それならばと思ってSIX LOUNGEを見にEASTに行ったらそっちも規制。仕方なくその時間を諦め、次の時間帯に見たかったTHE LITTLE BLACK待機へ。
元WHITE ASHののび太と彩によるスリーピースバンドで、昨年末のCOUNTDOWN JAPANのRO JACK枠で優勝して出演を勝ち取るという、かつてのWHITE ASHのデビューと同じようにシーンに登場したことでも話題になった。
その時にも「すでに実績のあるのび太のバンドが一般枠で出たら優勝するに決まってるじゃん」と言われていたが、やはり演奏力やバンドのグルーヴはこうした新人や若手バンドが中心のイベントに出るようなレベルをはるかに超越している。
音楽的には初期のWHITE ASHに通じるような、リフ中心のギターロックなのだが、やはりスリーピースという編成であることから、サウンドはWHITE ASHよりさらにソリッドかつタイト。サウスポーであることが目を惹くのび太は実にギターが上手いということもギターが他にいないことでよくわかる。
秋には初のミニアルバムを発売することを発表し、かつてのWHITE ASHのような、「演奏中はめちゃくちゃカッコいいんだけど、喋るとほんわかしている」というのび太らしさも随所に見えるのが懐かしい感じもするが、白から黒へと変化したのび太と彩はこれからこのバンドでどこまで行けるのだろうか。
前に出たドミコに比べると観客はかなり少なかったが、まだ音源がないという状況を考えるとそれも仕方ないか。
ドロミズ
https://youtu.be/hWU3wZ6xcCU
13:30~ 2 [O-WEST]
The SALOVERSの古舘佑太郎と、銀杏BOYZのサポートギタリストでもある加藤綾太らによるバンド、2。かつてThe SALOVERSはROCK IN JAPAN FES.やCOUNTDOWN JAPANにも出演しているが、このバンドでロッキンのイベントに出演するのは初めて。
1曲目の「ケプラー」から汗が飛び散りまくる、衝動炸裂のライブ。加藤はキメで高くジャンプを決め、赤坂真之介(ベース)とyucco(ドラム)の、このバンドのために新しい人生を選んだリズム隊もその2人の衝動を確かに共有しているであろう激しい演奏を見せる。
古舘佑太郎はThe SALOVERSの時からひたすらに曲をテンポ良く演奏するというライブのスタイルを貫いていたが、それはこのバンドでも変わらないようだ。(なんせ30分で9曲やってるという、ファストパンクバンドみたいなペース)
しかも「PHYCHOLOGIST」「Anthem Song」は曲のアウトロとイントロを繋げるという形で、よりペースが速くなる。
古舘佑太郎が家族のこと(もちろん、父親である古舘伊知郎のことも含んでいると思われるが、彼の音楽人生に多大な影響を与えた姉の要素の方が強い)を歌った「Family」では古舘がハンドマイクで歌唱に専念し、それは「ロボット」でも同様。
そしてラストはこのバンドで新たな人生のストーリーが始まった古舘をはじめとする4人のことを歌った「GO 2 THE NEW WORLD」。
「初期衝動の殻から抜け出して 破壊と再生を繰り返して
君の元へ辿り着くまでは 物語が続いていく!」
という歌詞通りに、2の持つ衝動はThe SALOVERSの持っていた初期衝動とは違う。じゃあその衝動はなんの衝動なのか。それは1度はバンドをやることを諦めた男が、こうしてまたバンドをやれているという衝動。自分がロックバンドに最も求めているものを、今も変わらず古舘佑太郎は持っていた。
正直、The SALOVERSが活動休止したあと、古舘佑太郎のソロも、2もCDを聴いてはいたものの、ライブを見るのが怖かった。かつてあれだけライブに行きまくって、愛してきたバンドのボーカルが新たに始めたボーカルが自分に合わなかったらどうしよう、と思ってしまっていたのだ。そうして、新しいバンドになって音楽性を変えたことによって離れてしまったバンドもたくさんいたから。
でも古舘佑太郎はやっぱり、どんなにドラマなどのテレビに出るようになっても、バンドやメンバーが変わっても、バンドでしか衝動を炸裂させる方法がない男だった。初めて見るまでに時間はかかってしまったけれど、またThe SALOVERSの時のように、これから数えきれなくなるくらいに、このバンドのライブを見にいくよ。
1.ケプラー
2.BOY AND GIRL
3.PHYCHOLOGIST
4.Anthem Song
5.SAME AGE
6.DEAD HEAT
7.Family
8.ロボット
9.GO 2 THE NEW WORLD
GO 2 THE NEW WORLD
https://youtu.be/cUWLDfsZovM
14:30~ マカロニえんぴつ [O-WEST]
すでに夏のROCK IN JAPAN FES.にも出演が決まっている期待のバンド、マカロニえんぴつ。様々なバンドとの対バンでその名前を見る日も増えているが、ロッキンのイベントには初主演。アルバム「CHOSHOKU」が非常に良かっただけに、早くライブを見たいと思っていたバンド。
1曲目の「鳴らせ」から、すでに満員の客席はこのバンドのライブを見に来た、このバンドの曲をちゃんと知ってる人たちで溢れていることがわかるようなリアクションを見せる。
代表曲と言っていい「girl my friend」でもそれは変わらないが、非常にサウンドはポップかつキャッチーなバンドというイメージだったのだが、ライブで見ると、確かにポップだしキャッチーなのだが、あくまでロックバンドの線を超えないくらいのギリギリのポップさとキャッチーさであるということがよくわかる。そう思うのはメンバー各々の演奏のタフさと、キーボードの長谷川が彩るメロディにあるはず。
そのバランスの絶妙さはダンスロックと言ってもいい「洗濯機と君とラヂオ」でも感じることができるが、音楽への愛を歌った「MUSIC」でははっとりの抑揚がありながらもエモーショナルなボーカルに聴き入ってしまう。
観客全員でのおなじみのコールがバッチリ決まったショートチューン「ワンドリンク別」から「ハートロッカー」へシームレスにつながるという流れも実に見事で、
「サーキットイベントが始まる前に、ツイッターでタイムテーブルに赤丸をつけてもらってると、添削されてるような気持ちになるんですけど、どうですか?「Saucy Dogと被ってるじゃん!じゃあSaucy Dog!」って言われてるのもありましたけど(笑)、ここにいるみなさんは大正解!これからも、何回でも添削してください。何回でも赤丸をつけてください!」
とはっとりがサーキットイベントだからこそのこのステージに立っている心境を語ると、最後に演奏されたのは「大事な曲」と紹介された「ミスター・ブルースカイ」。
「泣いているのは君のせいじゃないから
ただ泣いてみたのは夜のせいでいいかな
ブルースカイ、届いてない」
という、極上のメロディにこれ以外にないだろう、というくらいにがっちりと一致した歌詞。ここにいた人たちには確かに届いていた。
これからもっと知名度が上がると、きっと「クリープハイプみたい」って言われることになると思うけど、このバンドならそこを軽々と乗り越えて自分たちだけの立ち位置を確立できる気がする。それくらいに楽曲の力は今年初めてROCK IN JAPAN FES.に出るバンドの中でもズバ抜けている。
1.鳴らせ
2.girl my friend
3.洗濯機と君とラヂオ
4.MUSIC
5.ワンドリンク別
6.ハートロッカー
7.ミスター・ブルースカイ
ミスター・ブルースカイ
https://youtu.be/8ooptXF4IDE
15:00~ 緑黄色社会 [duo MUSIC EXCHANGE]
すでに関ジャムでも紹介され、認知度を広げている、男女混成4人組バンド。(ドラムはサポート)開演前からその期待の高さを表すかのように超満員。
ステージにメンバーが登場すると、「真夜中ドライブ」から清冽かつ透徹されたかのようなバンドサウンドが広がっていく。キーボード、ピアノのpeppeの貢献度が実に高く、曲タイトルこそ「真夜中」であるが、イメージ的には間違いなく光を感じさせるもの。関ジャムでも「ポップなバンド」と紹介されていたが、序盤はそのイメージ通りである。
しかしデジタルサウンドを取り入れた「Never Come Back」ではダークさも持ち合わせていることを示し、観客の合唱も促した「始まりの歌」などの後半では、ギターの小林壱誓、ベースの穴見真吾の男性メンバーが一気に感情をむき出しにした演奏を展開していき、確かにメロディこそポップではあるが、このバンドはあくまでロックバンドであるからこのステージに立っている、ということを示す。
何よりも、関ジャムで紹介された時からそのモデルのような美貌に注目が集まっていた長屋晴子が、ただビジュアルがいいからフロントマンになっているのではなく、抜群の歌唱力を持っているからフロントマンになっているということがライブを見ると実によくわかる。
つまり、実に高い実力を持ったバンドであり、その実力で一聴するとポップな楽曲を作り出しているということ。そこがしっかりしていれば、ビジュアルだけが先行していくことは絶対にないし、こうしたフェス的なイベントでもライブの良さで勝っていける存在になるはず。
1.真夜中ドライブ
2.bitter
3.Never Come Back
4.Re
5.始まりの歌
6.Alice
Alice
https://youtu.be/d7OXdVmAfhs
15:30~ MOSHIMO [O-EAST]
今年リリースのアルバム「圧倒的少女漫画ストーリー」のツアーファイナルでこのO-EASTでワンマンを行なった、紅一点ボーカル岩淵紗貴を中心にした4人組バンド、MOSHIMO。すでに昨年末のCOUNTDOWN JAPANにも出演しているということで、堂々のO-EAST帰還である。
ステージに登場すると、いきなり岩淵が
「命短し恋せよ渋谷!」
とコール&レスポンスを繰り返したので、これは珍しく1曲目から「命短し恋せよ乙女」か?と思いきや、コール&レスポンスをしただけで、「猫かぶる」からスタートするという、まぁそうだよな~とは思いつつも意表を突かれる展開。
30分という短い持ち時間のため、「支配するのは君と恋の味」「触らぬ君に祟りなし」と代表曲連発となったのだが、春に見放題でライブを見た時と明らかに違う。違いすぎる。楽曲のポップさと岩淵のボーカルのキャッチーさ、幼い見た目とは裏腹なドS感は変わらないが、変わったのは岩淵を支える男性メンバーたちだ。見るからに大人しい感じの出で立ちと演奏だった春とは打って変わって、ギターの一瀬貴之は完全にギターキッズ、ベースの宮原颯は金髪になっているという、見た目からして変わりまくっているのだが、見た目だけではなく演奏もはるかに逞しく成長している。半年も経ってないのにこんなに変わる!?とビックリしてしまうくらいの成長っぷりである。これはアルバムのリリースと、大きなフェスも小さなライブハウスも含め、ひたすらライブを重ねてきた成果だろう。
「次で最後の曲です!」
と岩淵は4曲目にして言ったので、もしかしたら1曲見逃したのか?とも思ったが、ラストの「命短し恋せよ乙女」では恋に悩んでいる観客の名前を聞き、
「命短し恋せよ○○(名前)!」
と歌詞を変えてコール&レスポンスするというのを5人ぶんやるというおなじみのパフォーマンスがあることをすっかり忘れていた。
そうして恋に悩む若者たちへエールを送る(「恋せよ乙女」なのに1人は男性だった)と、結果的には4曲で30分ちょうどくらいとなったライブを終えた。
コール&レスポンスはちょっと長いな、と思いながらも、バンドが今これまでで最高の成長期を迎えていることは間違いない。聴き心地があまりにポップ過ぎるために、ハードなロックバンドが好きな人からはスルーされてしまう可能性も孕んでいるが、ライブを見ればそうしたバンドたちとも分かり合えるくらいの実力を持ったバンドであることはすぐにわかる。猫をかぶった下には、殺傷能力抜群の牙を隠しているのである。
1.猫かぶる
2.支配するのは君と恋の味
3.触らぬ君に祟りなし
4.命短し恋せよ乙女
命短し恋せよ乙女
https://youtu.be/4NLUHglR12o
16:30~ め組 [O-WEST]
ボーカルの菅原達也がこのバンドの前にやっていた、さよなら、また今度ね。時代からこのイベントではおなじみの存在である、め組。今年になってリズム隊の2人が脱退したため、今は菅原と金髪ギタリストの富山京樹、紅一点キーボーディストの出嶋早紀の3人編成で、ベースとドラムはサポート。
ラッツ&スター「め組のひと」のSEで登場すると、なんかやや太ったようにも見える菅原が、
「今日はこのフェスで、いや、世界でこの時間のこの場所が1番熱かった!って思わせるようなライブをやりにきました!」
と宣言し、デビューシングル収録の「マイ・パルプフィクション」から、ポップなんだけど歌詞などが捉えどころがないくらいにシュールという、菅原並びにこのバンドならではの魅力を存分に発揮していく。
新曲「アメニティ」もポップなのだが実に掴み所がないというか、これぞめ組!な、というかこれぞ菅原達也!な曲。
このO-WESTはかつてバンドが初ワンマンをやった会場であることを語り、ミニアルバムの発売と、10月からはワンマンツアーを行うことを発表すると、
「今回は東名阪だけじゃなくて、札幌と福岡にも行くんですよ!大丈夫か、め組!?こんなに勢い良くて!?でもロックバンドなんてのは上がって上がって、ダーン!って落ちるものだから!」
と、「それでいいのか?(笑)」と思ってしまう菅原のロックバンド論に爆笑が巻き起こり、「悪魔の証明」では「ちゅるりらら!」という意味不明なフレーズの大合唱が起こる。そしてラストは「ぼくらの匙加減」というタイトルからしてシュール極まりないキラーチューンで締め。
観客が楽しんでいる姿を見る菅原の姿が本当に楽しそうで、会場はどんどん楽しさを増していった。どんどん後から人が増えてきていたのも後押しになっていたと思う。そしてキーボードの出嶋早紀はライブで見ると写真とかで見るよりもはるかにキレイな人だと思う。
1.マイ・パルプフィクション
2.お化けだぞっておどかして
3.Amenity
4.悪魔の証明
5.ぼくらの匙加減
悪魔の証明
https://youtu.be/m0Zmnnm9AOw
17:30~ Shout it out [O-WEST]
JAPAN'S NEXTはタイトル通りにネクストブレイク的なバンドを紹介するイベントだが、このShout it outほどNEXTというタイトルに合わないバンドは他にいない。なぜならすでに8月で解散することを発表しているバンドだからである。
山内彰馬(ボーカル&ギター)と細川千弘(ドラム)に加えてサポートのギターとベースの4人が登場すると、今はもう20代になった山内が歌う「17歳」からスタートし、10代の若者が抱える葛藤や大人たちへの反抗心を曲にした「青年の主張」と曲を連発しながら、
「日曜日の夜の渋谷はギャルばっかりいて嫌いだ。俺たちの手で渋谷を取り戻そうぜ」
と解散のことには全く触れずにこの日の状況や環境をMCのネタにしていく。
山内のボーカルは実に攻撃的だが、メジャーデビュー時は「サウンドはBUMP OF CHICKEN直系、青いギターロック」的な紹介をされていたこのバンドが、実はギターロックというよりもパンクと言っていいバンドであることが2人になって以降は顕著だ。サポートメンバーも同世代のパンクやメロコアバンドのメンバーだったりするし、何よりも青春の最後の1ページまで自らの手で燃やし尽くそうというライブはパンク以外のなにものでもない。
それが最もよく現れていたのは、この翌週に最後にリリースされるミニアルバム「また今夜も眠れない僕らは」に収録される、
「僕らのロックンロールは鳴り止まない」
と歌われる「鳴り止まない」とミニアルバムのタイトル曲である「また今夜も眠れない僕らは」。これまでの10代の視点とは少し違うが、確かにShout it outならではの青さを含んだ歌詞。
そしてラストは「青春のすべて」。去年、ロッキンに出演した時に自分は
「こうした青さを炸裂させるバンドは長くは続かないというのはロックの歴史が証明してきた。このバンドはそれを覆せるだろうか?」
と書いた。だが結果的にはそれから1年でこのバンドもやはり終わりを迎える結果になってしまった。それはそうだ、いつまでも10代の視点だけで曲を作れないし、拒んでいても必ず少年は大人になる。そうして人間としても、ミュージシャンとしても成長して、様々なタイプの曲を生み出したくなっていく。
その去年のライブがはるかに良いライブができる状態になって解散してしまうのは残念ではあるが、山内と細川が「青春」というある種の呪いにも似たものから解放された後にどんな音楽を生み出すのかを見守っていきたいと思う。
1.17歳
2.青年の主張
3.夜間飛行
4.道を行け
5.鳴り止まない
6.また今夜も眠れない僕らは
7.青春のすべて
青春のすべて
https://youtu.be/f6WsVKFcyd0
18:30~ yonige [O-EAST]
もはや規模的にはNEXTという部類には入らない存在になってきた、yonige。当然EASTでも満員である。
リハで曲を演奏してからそのまま本番はサイケデリックな牛丸ありさのギターが陶酔感を誘う「最愛の恋人たち」でじっくりと始まり、「our time city」で一気にアッパーに開けていくのだが、途中でごっきんのベースの音が出なくなるというアクシデントが発生。スリーピースであるがゆえにベースの音がないとこんなにもスカスカになるのか、というくらいに変わるし、ごっきんのベースがどれだけyonigeのサウンドにとって大きな存在かというのが逆によくわかるアクシデントとなった。
牛丸にMCを振られても当然それどころではないごっきんは
「JAPAN'S NEXTの魔物に取り憑かれている!」
と自身のベースのサウンドを戻すことに苦心していたが、「センチメンタルシスター」ではサポートドラムのホリエのバスドラがいきなり鳴らなくなり、またしても音がスカスカになるというアクシデント続きの展開に。バスドラを変えたりしていなかったので、ペダルが故障したのだと思われるが、これはまさに次に演奏された「バッドエンド週末」そのものな結果になってしまった。
しかしながらメジャー感に溢れたキャッチーな新曲「リボルバー」ではyonigeの卓越したメロディーメーカーっぷりを遺憾なく発揮しながら、yonigeがもっと大きな存在になるんじゃないか、ということを漂わせ、ラストはエモーションが炸裂した「さよならプリズナー」で締める。
アクシデントに見舞われまくったが、それでもテンパったり、時間を押したりしないあたりは実に頼もしく見えたし、もはや「期待の若手」という位置にいるバンドではないということを改めて実感させてくれた。もう30分の持ち時間では物足りないということも。
リハ.ワンルーム
リハ.アボカド
1.最愛の恋人たち
2.our time city
3.センチメンタルシスター
4.バッドエンド週末
5.リボルバー
6.さよならプリズナー
リボルバー
https://youtu.be/w_3atGoniPM
19:15~ teto [duo MUSIC EXCHANGE]
すでにCOUNTDOWN JAPANに出演しているとはいえ、ライブハウスでのライブも見ていると、tetoには不安なところがある。それは、「ロッキンのイベントでいつものように客席に飛び込んだりしたら出禁になってしまう」ということである。
いざ登場すると、キャッチーなコーラスの「拝啓」からメンバーは暴れまわりながら演奏を展開し、小池はマイクスタンドを何度も角度を変えて歌い、山崎(ギター)はなぜかステージ端にあるスピーカーに頭を打ち付けながら弾くなど、無軌道極まりないパフォーマンスは普段と全く変わらない。
しかしながら水を吹き出したり、客席に飛び込んだりということは全くしないし、しそうにない。(代わりに曲の途中なのにピックを客席に投げ込みまくっていたが)
その辺りは抑えられない衝動の裏側にはちゃんと理性と知性があるというか、ただ単にやりたいことだけを勢い任せにやっているのではないということがわかる。実際、小池はこの日のMCで、
「例えばアルバム作る時だったら俺たちのやりたいことだけやればいいと思うんだけど、ライブだったらそれじゃダメだなって思うんです。こうやって見に来てくれる人たちとコミュニケーションできる場であって欲しいし、そうして一体感を感じたい」
と言っていた。それは観客だけでなく、ロッキンオンのスタッフたちにも言っていたことであろう。
しかし新曲「溶けた銃口」から「忘れた」という落ち着いた流れは、ただただ衝動を炸裂させるのではなく、自分たちの持つメロディーと言葉をしっかり伝えようという意識にシフトしてきているような気もする。とはいえ、先月の「ポンコツ祭り」の時のように「忘れた」で終わってスッと去るのではなく、最後にはどしゃめしゃなブレイクを決めてから去っていく方がこのバンドらしいな、とも思うけれども。
例えばこの日だったら、2やこのtetoのライブを見ると、「なんてカッコいいバンドなんだ!」って思うあたり、自分が最も心を動かされるのがどういうバンドなのかというのがわかるし、自分が「オシャレ」「洗練された」という枕詞がつくようなバンドに全く心が動かされないのも当然なことなのかもしれないし、そういう意味では高校生でGOING STEADYに出会った頃から自分は変わっていないのかもしれない。
1.拝啓
2.高層ビルと人工衛星
3.暖かい都会から
4.溶けた銃口
5.忘れた
拝啓
https://youtu.be/588QHYk7YUA
本来ならO-EASTにteto終わりで戻ったら、ラスト10分くらいしか見れないはずの夜の本気ダンス、ちょうど本気ダンスタイム中で、20分以上見れたのだが、持ち時間を間違えていたのか、10分くらい時間を押してしまっていた。そんな中でドラムの鈴鹿はこのイベントタイトルの「渋谷JACK」の部分を指し、
「このイベントがトリのSUPER BEAVERの渋谷さんにJACKされてしまう前に、俺たちにJACKされてくれー!」
と叫ぶ。この日、SUPER BEAVERがトリだったのはそういう理由だったのか、と思ってしまうくらいに、ここ最近の鈴鹿のMCでは最も上手かった。
20:30~ SUPER BEAVER [O-EAST]
というわけで、SUPER BEAVERの登場自体も10分くらい押してのものであり、
「夜の本気ダンスが10分時間を押してしまったので、我々の持ち時間を10分削ります。嘘です(笑)
ちゃんと与えられた時間をしっかり全うしたいと思います。予定より10分盛り上げてもらいました、レペゼンジャパニーズポップミュージック、SUPER BEAVER始めます!」
と、夜の本気ダンスをいじりながらもしっかり庇うという、もはや14年目のベテランバンドと言っていいくらいの懐の深さを見せ、
「これが俺たちの戦い方!」
という「正攻法」でスタート。
「手を挙げる、手を叩く、声を出す。それがただの作業ではないことはわかってますよね!?我々は本気で求めますから、本気で応えてください!」
と渋谷が本気で語りかけると、客席もやらされている感の一切のない手拍子と合唱で応え、それがステージ上のメンバーにさらに力を与えているかのように、柳沢はステージを激しく動き、煽りながらギターを弾き、藤原は立ち上がって歌いながらドラムを叩く。
そしてリリースされたばかりの最新アルバム「歓声前夜」収録の「閃光」では上杉までもが大きな声で「オイ!オイ!」と観客を煽るのだが、
「あっという間に終わってしまうよ
10年だって20年だって」
というサビのメンバー全員での歌唱からは、バンドのこれまでの紆余曲折を経た活動すらも、思い返すとあっという間だったんだろうか、と思わずにはいられない。
「一生なんて一瞬だって」
とわかっているからこそ、SUPER BEAVERは今日も自分たちの意志を100%込めてステージに立っている。
気づけば自分たちがこのイベントの中でかなり年上な存在であることに気づき、
「俺たちはカッコいい人しか先輩と呼びたくないし、カッコいいやつしか後輩と呼びたくない。それ以外は除外。それは人それぞれですが。
でも誰かがカッコいいって言ったからカッコいいなんてことはなくて、誰かがカッコ悪いっていうバンドがめちゃくちゃカッコいいかもしれない。それは自分の目と耳で判断しないと。だから俺たちはこうして自分の足で現場に来て、自分の目と耳で判断してくれるあなたたちのことを誰よりも信頼している」
と、ひたすらにライブハウスでライブをやってきたバンドだからこその観客への信頼を語り、その観客への感謝を込めた「ありがとう」を最大限の感情を込めて演奏して、見事にトリとしての大役を果たした。
しかしアンコールを求める声は止まず、再びメンバーが登場すると、
「最後にあなたたちの声を聞かせてもらってもよろしいでしょうか!?」
と、ミラーボールが鮮やかに回る中「東京流星群」で大合唱を起こし、もはやロッキンオンのイベントでメインとなるステージのトリをやれるくらいの存在になったことを示した。
フェスとなると1日、いろいろなことがある。それは楽しいこともあれば、もちろんそうでないこともある。でもSUPER BEAVERが最後に出てきてライブを行えば、それは全て「美しい日」として我々の記憶に残る。
すでに昨年のロッキンではPARK STAGEのトリ(他の日のそのステージのトリはフォーリミ、キュウソ、Base Ball BearというGRASSレベルのバンド)をやっているが、いつかこのバンドはGRASS STAGEに立って、我々にこういうことを思わせてくれるんじゃないか?というくらいの可能性を持っている。
1.正攻法
2.秘密
3.美しい日
4.閃光
5.青い春
6.ありがとう
encore
7.東京流星群
閃光
https://youtu.be/CxTtwJ2yG_E
ロッキンオンとしては初のサーキットイベントゆえ、課題も見えた。明らかにキャパを上回る来場者と、それに伴う入場規制の多発。入場規制は被りや時間帯や直前のリリースで話題になったりと、様々な要素が絡み合うので、蓋を開けてみないとわからないことの方が多いが、これだけたくさんの人が来るのならば、もうロッキンでLAKE STAGEやPARK STAGEに出るようなバンドはNEXTの位置に入れなくてもいいんじゃないか?とも思う。
もちろんロッキンオン主催であるが故に、自分はある程度その辺りのバンドが出るだろうとは予想していたが、そうしたバンドでなくてもみんなライブを観に来るし、ちゃんと埋まるということが今回でわかったはず。
それこそ、duoに出てるバンドをEASTに出して、もっとNEXTな立ち位置のバンドを呼んだりした方がいいと思うし、そうなってもチケットが売れないということは絶対ない。みんな、まだまだ若くてカッコいいバンドが日々ライブハウスを熱くしているということをわかっているのだから。
そしてこのイベントはそうした、「これから期待のバンド」や「近年一気に人気になったバンド」だけが出演しているから、来場者は若いファンが非常に多い。もちろん自分よりも年上の人もいるが、そうした中にいると、「もう若いバンドなんかなにがなんだか全然わかんない」みたいに聞きもしないで切り捨てるような、自分が10代の頃に1番嫌いだった大人には絶対なりたくないと改めて思うし、まだ自分はそうはなっていないんじゃないか、と思うことができる。そしてそうしたバンドのライブを見て、素直に「カッコいいな」と思うことができる。いつだって若手バンドたちは本当にこれからのロックシーンに希望を見出してくれる。自分と同世代のバンドや、もっと上のバンドだってかつてはそうだったんだから。
Next→ 7/21 チャットモンチーのこなそんフェス @徳島アスティホール
O-EAST
duo music exchange
O-WEST
club asia
O-nest
O-Crest
7th floor
という近隣7会場での開催という点は、同じようにこれらの会場を使って開催されている、やついフェスやMUSIC MONSTERSを踏襲している。
12:00~ ドミコ [club asia]
ギター&ボーカルとドラムというロックバンドの最小編成バンド、ドミコ。かつて米津玄師がアルバム「YANKEE」をリリースした時に行ったシークレットライブの新代田FEVERの時にライブを見ているが、その時以来。
さかしたひかる(ボーカル&ギター)の気だるげなボーカルとサイケデリックなギターサウンドはかつて見たイメージを踏襲しているが、長谷川啓太のドラムがはるかに力強さと手数を増していることにより、ズブズブのサイケデリックというイメージよりもはるかにロックンロール感が増している。
こうした2人組の編成のバンドはこれまでにもいたし(例えばストレイテナーも最初期はこの編成だった)、どうしても「スカスカであるが、その分ソリッドなギターとドラムを楽しむ」という方向になりがちなのだが、ギターをその場でルーパーでループさせて音を重ねることにより、2ピースであることが弱点ではなく、むしろ2ピースだからこそこうした表現ができるというプラスに転化できている。
サイケデリック色が強いサウンドの特性上、仕方ないとはいえ、やはり歌詞がほとんど聞き取れないというのは、幅広い支持を獲得するというよりはこうした音楽が好きな濃い人たちが集まるという感じになりそうだが、MCもほぼなし、ルーパーも巧みに使いながらも表情や仕草はいたってクール、というさかしたを見ていると、「ひたすら好きなことやってるだけですけど、何か?」という不敵さに満ちている。
1.マカロニグラタン
2.バニラクリームベリーサワー
3.まどろまない
4.Pop,Step,Junk!
5.ミッドナイトネオン
6.こんなのおかしくない?
7.くじらの巣
こんなのおかしくない?
https://youtu.be/IEfCtGHgaLk
13:00~ THE LITTLE BLACK [club asia]
本来ならこの前の時間に7th FloorでFINLANDSを見る予定だったのだが、始まる前から入場規制で7th Floorに直結するエレベーターにすら乗れず、それならばと思ってSIX LOUNGEを見にEASTに行ったらそっちも規制。仕方なくその時間を諦め、次の時間帯に見たかったTHE LITTLE BLACK待機へ。
元WHITE ASHののび太と彩によるスリーピースバンドで、昨年末のCOUNTDOWN JAPANのRO JACK枠で優勝して出演を勝ち取るという、かつてのWHITE ASHのデビューと同じようにシーンに登場したことでも話題になった。
その時にも「すでに実績のあるのび太のバンドが一般枠で出たら優勝するに決まってるじゃん」と言われていたが、やはり演奏力やバンドのグルーヴはこうした新人や若手バンドが中心のイベントに出るようなレベルをはるかに超越している。
音楽的には初期のWHITE ASHに通じるような、リフ中心のギターロックなのだが、やはりスリーピースという編成であることから、サウンドはWHITE ASHよりさらにソリッドかつタイト。サウスポーであることが目を惹くのび太は実にギターが上手いということもギターが他にいないことでよくわかる。
秋には初のミニアルバムを発売することを発表し、かつてのWHITE ASHのような、「演奏中はめちゃくちゃカッコいいんだけど、喋るとほんわかしている」というのび太らしさも随所に見えるのが懐かしい感じもするが、白から黒へと変化したのび太と彩はこれからこのバンドでどこまで行けるのだろうか。
前に出たドミコに比べると観客はかなり少なかったが、まだ音源がないという状況を考えるとそれも仕方ないか。
ドロミズ
https://youtu.be/hWU3wZ6xcCU
13:30~ 2 [O-WEST]
The SALOVERSの古舘佑太郎と、銀杏BOYZのサポートギタリストでもある加藤綾太らによるバンド、2。かつてThe SALOVERSはROCK IN JAPAN FES.やCOUNTDOWN JAPANにも出演しているが、このバンドでロッキンのイベントに出演するのは初めて。
1曲目の「ケプラー」から汗が飛び散りまくる、衝動炸裂のライブ。加藤はキメで高くジャンプを決め、赤坂真之介(ベース)とyucco(ドラム)の、このバンドのために新しい人生を選んだリズム隊もその2人の衝動を確かに共有しているであろう激しい演奏を見せる。
古舘佑太郎はThe SALOVERSの時からひたすらに曲をテンポ良く演奏するというライブのスタイルを貫いていたが、それはこのバンドでも変わらないようだ。(なんせ30分で9曲やってるという、ファストパンクバンドみたいなペース)
しかも「PHYCHOLOGIST」「Anthem Song」は曲のアウトロとイントロを繋げるという形で、よりペースが速くなる。
古舘佑太郎が家族のこと(もちろん、父親である古舘伊知郎のことも含んでいると思われるが、彼の音楽人生に多大な影響を与えた姉の要素の方が強い)を歌った「Family」では古舘がハンドマイクで歌唱に専念し、それは「ロボット」でも同様。
そしてラストはこのバンドで新たな人生のストーリーが始まった古舘をはじめとする4人のことを歌った「GO 2 THE NEW WORLD」。
「初期衝動の殻から抜け出して 破壊と再生を繰り返して
君の元へ辿り着くまでは 物語が続いていく!」
という歌詞通りに、2の持つ衝動はThe SALOVERSの持っていた初期衝動とは違う。じゃあその衝動はなんの衝動なのか。それは1度はバンドをやることを諦めた男が、こうしてまたバンドをやれているという衝動。自分がロックバンドに最も求めているものを、今も変わらず古舘佑太郎は持っていた。
正直、The SALOVERSが活動休止したあと、古舘佑太郎のソロも、2もCDを聴いてはいたものの、ライブを見るのが怖かった。かつてあれだけライブに行きまくって、愛してきたバンドのボーカルが新たに始めたボーカルが自分に合わなかったらどうしよう、と思ってしまっていたのだ。そうして、新しいバンドになって音楽性を変えたことによって離れてしまったバンドもたくさんいたから。
でも古舘佑太郎はやっぱり、どんなにドラマなどのテレビに出るようになっても、バンドやメンバーが変わっても、バンドでしか衝動を炸裂させる方法がない男だった。初めて見るまでに時間はかかってしまったけれど、またThe SALOVERSの時のように、これから数えきれなくなるくらいに、このバンドのライブを見にいくよ。
1.ケプラー
2.BOY AND GIRL
3.PHYCHOLOGIST
4.Anthem Song
5.SAME AGE
6.DEAD HEAT
7.Family
8.ロボット
9.GO 2 THE NEW WORLD
GO 2 THE NEW WORLD
https://youtu.be/cUWLDfsZovM
14:30~ マカロニえんぴつ [O-WEST]
すでに夏のROCK IN JAPAN FES.にも出演が決まっている期待のバンド、マカロニえんぴつ。様々なバンドとの対バンでその名前を見る日も増えているが、ロッキンのイベントには初主演。アルバム「CHOSHOKU」が非常に良かっただけに、早くライブを見たいと思っていたバンド。
1曲目の「鳴らせ」から、すでに満員の客席はこのバンドのライブを見に来た、このバンドの曲をちゃんと知ってる人たちで溢れていることがわかるようなリアクションを見せる。
代表曲と言っていい「girl my friend」でもそれは変わらないが、非常にサウンドはポップかつキャッチーなバンドというイメージだったのだが、ライブで見ると、確かにポップだしキャッチーなのだが、あくまでロックバンドの線を超えないくらいのギリギリのポップさとキャッチーさであるということがよくわかる。そう思うのはメンバー各々の演奏のタフさと、キーボードの長谷川が彩るメロディにあるはず。
そのバランスの絶妙さはダンスロックと言ってもいい「洗濯機と君とラヂオ」でも感じることができるが、音楽への愛を歌った「MUSIC」でははっとりの抑揚がありながらもエモーショナルなボーカルに聴き入ってしまう。
観客全員でのおなじみのコールがバッチリ決まったショートチューン「ワンドリンク別」から「ハートロッカー」へシームレスにつながるという流れも実に見事で、
「サーキットイベントが始まる前に、ツイッターでタイムテーブルに赤丸をつけてもらってると、添削されてるような気持ちになるんですけど、どうですか?「Saucy Dogと被ってるじゃん!じゃあSaucy Dog!」って言われてるのもありましたけど(笑)、ここにいるみなさんは大正解!これからも、何回でも添削してください。何回でも赤丸をつけてください!」
とはっとりがサーキットイベントだからこそのこのステージに立っている心境を語ると、最後に演奏されたのは「大事な曲」と紹介された「ミスター・ブルースカイ」。
「泣いているのは君のせいじゃないから
ただ泣いてみたのは夜のせいでいいかな
ブルースカイ、届いてない」
という、極上のメロディにこれ以外にないだろう、というくらいにがっちりと一致した歌詞。ここにいた人たちには確かに届いていた。
これからもっと知名度が上がると、きっと「クリープハイプみたい」って言われることになると思うけど、このバンドならそこを軽々と乗り越えて自分たちだけの立ち位置を確立できる気がする。それくらいに楽曲の力は今年初めてROCK IN JAPAN FES.に出るバンドの中でもズバ抜けている。
1.鳴らせ
2.girl my friend
3.洗濯機と君とラヂオ
4.MUSIC
5.ワンドリンク別
6.ハートロッカー
7.ミスター・ブルースカイ
ミスター・ブルースカイ
https://youtu.be/8ooptXF4IDE
15:00~ 緑黄色社会 [duo MUSIC EXCHANGE]
すでに関ジャムでも紹介され、認知度を広げている、男女混成4人組バンド。(ドラムはサポート)開演前からその期待の高さを表すかのように超満員。
ステージにメンバーが登場すると、「真夜中ドライブ」から清冽かつ透徹されたかのようなバンドサウンドが広がっていく。キーボード、ピアノのpeppeの貢献度が実に高く、曲タイトルこそ「真夜中」であるが、イメージ的には間違いなく光を感じさせるもの。関ジャムでも「ポップなバンド」と紹介されていたが、序盤はそのイメージ通りである。
しかしデジタルサウンドを取り入れた「Never Come Back」ではダークさも持ち合わせていることを示し、観客の合唱も促した「始まりの歌」などの後半では、ギターの小林壱誓、ベースの穴見真吾の男性メンバーが一気に感情をむき出しにした演奏を展開していき、確かにメロディこそポップではあるが、このバンドはあくまでロックバンドであるからこのステージに立っている、ということを示す。
何よりも、関ジャムで紹介された時からそのモデルのような美貌に注目が集まっていた長屋晴子が、ただビジュアルがいいからフロントマンになっているのではなく、抜群の歌唱力を持っているからフロントマンになっているということがライブを見ると実によくわかる。
つまり、実に高い実力を持ったバンドであり、その実力で一聴するとポップな楽曲を作り出しているということ。そこがしっかりしていれば、ビジュアルだけが先行していくことは絶対にないし、こうしたフェス的なイベントでもライブの良さで勝っていける存在になるはず。
1.真夜中ドライブ
2.bitter
3.Never Come Back
4.Re
5.始まりの歌
6.Alice
Alice
https://youtu.be/d7OXdVmAfhs
15:30~ MOSHIMO [O-EAST]
今年リリースのアルバム「圧倒的少女漫画ストーリー」のツアーファイナルでこのO-EASTでワンマンを行なった、紅一点ボーカル岩淵紗貴を中心にした4人組バンド、MOSHIMO。すでに昨年末のCOUNTDOWN JAPANにも出演しているということで、堂々のO-EAST帰還である。
ステージに登場すると、いきなり岩淵が
「命短し恋せよ渋谷!」
とコール&レスポンスを繰り返したので、これは珍しく1曲目から「命短し恋せよ乙女」か?と思いきや、コール&レスポンスをしただけで、「猫かぶる」からスタートするという、まぁそうだよな~とは思いつつも意表を突かれる展開。
30分という短い持ち時間のため、「支配するのは君と恋の味」「触らぬ君に祟りなし」と代表曲連発となったのだが、春に見放題でライブを見た時と明らかに違う。違いすぎる。楽曲のポップさと岩淵のボーカルのキャッチーさ、幼い見た目とは裏腹なドS感は変わらないが、変わったのは岩淵を支える男性メンバーたちだ。見るからに大人しい感じの出で立ちと演奏だった春とは打って変わって、ギターの一瀬貴之は完全にギターキッズ、ベースの宮原颯は金髪になっているという、見た目からして変わりまくっているのだが、見た目だけではなく演奏もはるかに逞しく成長している。半年も経ってないのにこんなに変わる!?とビックリしてしまうくらいの成長っぷりである。これはアルバムのリリースと、大きなフェスも小さなライブハウスも含め、ひたすらライブを重ねてきた成果だろう。
「次で最後の曲です!」
と岩淵は4曲目にして言ったので、もしかしたら1曲見逃したのか?とも思ったが、ラストの「命短し恋せよ乙女」では恋に悩んでいる観客の名前を聞き、
「命短し恋せよ○○(名前)!」
と歌詞を変えてコール&レスポンスするというのを5人ぶんやるというおなじみのパフォーマンスがあることをすっかり忘れていた。
そうして恋に悩む若者たちへエールを送る(「恋せよ乙女」なのに1人は男性だった)と、結果的には4曲で30分ちょうどくらいとなったライブを終えた。
コール&レスポンスはちょっと長いな、と思いながらも、バンドが今これまでで最高の成長期を迎えていることは間違いない。聴き心地があまりにポップ過ぎるために、ハードなロックバンドが好きな人からはスルーされてしまう可能性も孕んでいるが、ライブを見ればそうしたバンドたちとも分かり合えるくらいの実力を持ったバンドであることはすぐにわかる。猫をかぶった下には、殺傷能力抜群の牙を隠しているのである。
1.猫かぶる
2.支配するのは君と恋の味
3.触らぬ君に祟りなし
4.命短し恋せよ乙女
命短し恋せよ乙女
https://youtu.be/4NLUHglR12o
16:30~ め組 [O-WEST]
ボーカルの菅原達也がこのバンドの前にやっていた、さよなら、また今度ね。時代からこのイベントではおなじみの存在である、め組。今年になってリズム隊の2人が脱退したため、今は菅原と金髪ギタリストの富山京樹、紅一点キーボーディストの出嶋早紀の3人編成で、ベースとドラムはサポート。
ラッツ&スター「め組のひと」のSEで登場すると、なんかやや太ったようにも見える菅原が、
「今日はこのフェスで、いや、世界でこの時間のこの場所が1番熱かった!って思わせるようなライブをやりにきました!」
と宣言し、デビューシングル収録の「マイ・パルプフィクション」から、ポップなんだけど歌詞などが捉えどころがないくらいにシュールという、菅原並びにこのバンドならではの魅力を存分に発揮していく。
新曲「アメニティ」もポップなのだが実に掴み所がないというか、これぞめ組!な、というかこれぞ菅原達也!な曲。
このO-WESTはかつてバンドが初ワンマンをやった会場であることを語り、ミニアルバムの発売と、10月からはワンマンツアーを行うことを発表すると、
「今回は東名阪だけじゃなくて、札幌と福岡にも行くんですよ!大丈夫か、め組!?こんなに勢い良くて!?でもロックバンドなんてのは上がって上がって、ダーン!って落ちるものだから!」
と、「それでいいのか?(笑)」と思ってしまう菅原のロックバンド論に爆笑が巻き起こり、「悪魔の証明」では「ちゅるりらら!」という意味不明なフレーズの大合唱が起こる。そしてラストは「ぼくらの匙加減」というタイトルからしてシュール極まりないキラーチューンで締め。
観客が楽しんでいる姿を見る菅原の姿が本当に楽しそうで、会場はどんどん楽しさを増していった。どんどん後から人が増えてきていたのも後押しになっていたと思う。そしてキーボードの出嶋早紀はライブで見ると写真とかで見るよりもはるかにキレイな人だと思う。
1.マイ・パルプフィクション
2.お化けだぞっておどかして
3.Amenity
4.悪魔の証明
5.ぼくらの匙加減
悪魔の証明
https://youtu.be/m0Zmnnm9AOw
17:30~ Shout it out [O-WEST]
JAPAN'S NEXTはタイトル通りにネクストブレイク的なバンドを紹介するイベントだが、このShout it outほどNEXTというタイトルに合わないバンドは他にいない。なぜならすでに8月で解散することを発表しているバンドだからである。
山内彰馬(ボーカル&ギター)と細川千弘(ドラム)に加えてサポートのギターとベースの4人が登場すると、今はもう20代になった山内が歌う「17歳」からスタートし、10代の若者が抱える葛藤や大人たちへの反抗心を曲にした「青年の主張」と曲を連発しながら、
「日曜日の夜の渋谷はギャルばっかりいて嫌いだ。俺たちの手で渋谷を取り戻そうぜ」
と解散のことには全く触れずにこの日の状況や環境をMCのネタにしていく。
山内のボーカルは実に攻撃的だが、メジャーデビュー時は「サウンドはBUMP OF CHICKEN直系、青いギターロック」的な紹介をされていたこのバンドが、実はギターロックというよりもパンクと言っていいバンドであることが2人になって以降は顕著だ。サポートメンバーも同世代のパンクやメロコアバンドのメンバーだったりするし、何よりも青春の最後の1ページまで自らの手で燃やし尽くそうというライブはパンク以外のなにものでもない。
それが最もよく現れていたのは、この翌週に最後にリリースされるミニアルバム「また今夜も眠れない僕らは」に収録される、
「僕らのロックンロールは鳴り止まない」
と歌われる「鳴り止まない」とミニアルバムのタイトル曲である「また今夜も眠れない僕らは」。これまでの10代の視点とは少し違うが、確かにShout it outならではの青さを含んだ歌詞。
そしてラストは「青春のすべて」。去年、ロッキンに出演した時に自分は
「こうした青さを炸裂させるバンドは長くは続かないというのはロックの歴史が証明してきた。このバンドはそれを覆せるだろうか?」
と書いた。だが結果的にはそれから1年でこのバンドもやはり終わりを迎える結果になってしまった。それはそうだ、いつまでも10代の視点だけで曲を作れないし、拒んでいても必ず少年は大人になる。そうして人間としても、ミュージシャンとしても成長して、様々なタイプの曲を生み出したくなっていく。
その去年のライブがはるかに良いライブができる状態になって解散してしまうのは残念ではあるが、山内と細川が「青春」というある種の呪いにも似たものから解放された後にどんな音楽を生み出すのかを見守っていきたいと思う。
1.17歳
2.青年の主張
3.夜間飛行
4.道を行け
5.鳴り止まない
6.また今夜も眠れない僕らは
7.青春のすべて
青春のすべて
https://youtu.be/f6WsVKFcyd0
18:30~ yonige [O-EAST]
もはや規模的にはNEXTという部類には入らない存在になってきた、yonige。当然EASTでも満員である。
リハで曲を演奏してからそのまま本番はサイケデリックな牛丸ありさのギターが陶酔感を誘う「最愛の恋人たち」でじっくりと始まり、「our time city」で一気にアッパーに開けていくのだが、途中でごっきんのベースの音が出なくなるというアクシデントが発生。スリーピースであるがゆえにベースの音がないとこんなにもスカスカになるのか、というくらいに変わるし、ごっきんのベースがどれだけyonigeのサウンドにとって大きな存在かというのが逆によくわかるアクシデントとなった。
牛丸にMCを振られても当然それどころではないごっきんは
「JAPAN'S NEXTの魔物に取り憑かれている!」
と自身のベースのサウンドを戻すことに苦心していたが、「センチメンタルシスター」ではサポートドラムのホリエのバスドラがいきなり鳴らなくなり、またしても音がスカスカになるというアクシデント続きの展開に。バスドラを変えたりしていなかったので、ペダルが故障したのだと思われるが、これはまさに次に演奏された「バッドエンド週末」そのものな結果になってしまった。
しかしながらメジャー感に溢れたキャッチーな新曲「リボルバー」ではyonigeの卓越したメロディーメーカーっぷりを遺憾なく発揮しながら、yonigeがもっと大きな存在になるんじゃないか、ということを漂わせ、ラストはエモーションが炸裂した「さよならプリズナー」で締める。
アクシデントに見舞われまくったが、それでもテンパったり、時間を押したりしないあたりは実に頼もしく見えたし、もはや「期待の若手」という位置にいるバンドではないということを改めて実感させてくれた。もう30分の持ち時間では物足りないということも。
リハ.ワンルーム
リハ.アボカド
1.最愛の恋人たち
2.our time city
3.センチメンタルシスター
4.バッドエンド週末
5.リボルバー
6.さよならプリズナー
リボルバー
https://youtu.be/w_3atGoniPM
19:15~ teto [duo MUSIC EXCHANGE]
すでにCOUNTDOWN JAPANに出演しているとはいえ、ライブハウスでのライブも見ていると、tetoには不安なところがある。それは、「ロッキンのイベントでいつものように客席に飛び込んだりしたら出禁になってしまう」ということである。
いざ登場すると、キャッチーなコーラスの「拝啓」からメンバーは暴れまわりながら演奏を展開し、小池はマイクスタンドを何度も角度を変えて歌い、山崎(ギター)はなぜかステージ端にあるスピーカーに頭を打ち付けながら弾くなど、無軌道極まりないパフォーマンスは普段と全く変わらない。
しかしながら水を吹き出したり、客席に飛び込んだりということは全くしないし、しそうにない。(代わりに曲の途中なのにピックを客席に投げ込みまくっていたが)
その辺りは抑えられない衝動の裏側にはちゃんと理性と知性があるというか、ただ単にやりたいことだけを勢い任せにやっているのではないということがわかる。実際、小池はこの日のMCで、
「例えばアルバム作る時だったら俺たちのやりたいことだけやればいいと思うんだけど、ライブだったらそれじゃダメだなって思うんです。こうやって見に来てくれる人たちとコミュニケーションできる場であって欲しいし、そうして一体感を感じたい」
と言っていた。それは観客だけでなく、ロッキンオンのスタッフたちにも言っていたことであろう。
しかし新曲「溶けた銃口」から「忘れた」という落ち着いた流れは、ただただ衝動を炸裂させるのではなく、自分たちの持つメロディーと言葉をしっかり伝えようという意識にシフトしてきているような気もする。とはいえ、先月の「ポンコツ祭り」の時のように「忘れた」で終わってスッと去るのではなく、最後にはどしゃめしゃなブレイクを決めてから去っていく方がこのバンドらしいな、とも思うけれども。
例えばこの日だったら、2やこのtetoのライブを見ると、「なんてカッコいいバンドなんだ!」って思うあたり、自分が最も心を動かされるのがどういうバンドなのかというのがわかるし、自分が「オシャレ」「洗練された」という枕詞がつくようなバンドに全く心が動かされないのも当然なことなのかもしれないし、そういう意味では高校生でGOING STEADYに出会った頃から自分は変わっていないのかもしれない。
1.拝啓
2.高層ビルと人工衛星
3.暖かい都会から
4.溶けた銃口
5.忘れた
拝啓
https://youtu.be/588QHYk7YUA
本来ならO-EASTにteto終わりで戻ったら、ラスト10分くらいしか見れないはずの夜の本気ダンス、ちょうど本気ダンスタイム中で、20分以上見れたのだが、持ち時間を間違えていたのか、10分くらい時間を押してしまっていた。そんな中でドラムの鈴鹿はこのイベントタイトルの「渋谷JACK」の部分を指し、
「このイベントがトリのSUPER BEAVERの渋谷さんにJACKされてしまう前に、俺たちにJACKされてくれー!」
と叫ぶ。この日、SUPER BEAVERがトリだったのはそういう理由だったのか、と思ってしまうくらいに、ここ最近の鈴鹿のMCでは最も上手かった。
20:30~ SUPER BEAVER [O-EAST]
というわけで、SUPER BEAVERの登場自体も10分くらい押してのものであり、
「夜の本気ダンスが10分時間を押してしまったので、我々の持ち時間を10分削ります。嘘です(笑)
ちゃんと与えられた時間をしっかり全うしたいと思います。予定より10分盛り上げてもらいました、レペゼンジャパニーズポップミュージック、SUPER BEAVER始めます!」
と、夜の本気ダンスをいじりながらもしっかり庇うという、もはや14年目のベテランバンドと言っていいくらいの懐の深さを見せ、
「これが俺たちの戦い方!」
という「正攻法」でスタート。
「手を挙げる、手を叩く、声を出す。それがただの作業ではないことはわかってますよね!?我々は本気で求めますから、本気で応えてください!」
と渋谷が本気で語りかけると、客席もやらされている感の一切のない手拍子と合唱で応え、それがステージ上のメンバーにさらに力を与えているかのように、柳沢はステージを激しく動き、煽りながらギターを弾き、藤原は立ち上がって歌いながらドラムを叩く。
そしてリリースされたばかりの最新アルバム「歓声前夜」収録の「閃光」では上杉までもが大きな声で「オイ!オイ!」と観客を煽るのだが、
「あっという間に終わってしまうよ
10年だって20年だって」
というサビのメンバー全員での歌唱からは、バンドのこれまでの紆余曲折を経た活動すらも、思い返すとあっという間だったんだろうか、と思わずにはいられない。
「一生なんて一瞬だって」
とわかっているからこそ、SUPER BEAVERは今日も自分たちの意志を100%込めてステージに立っている。
気づけば自分たちがこのイベントの中でかなり年上な存在であることに気づき、
「俺たちはカッコいい人しか先輩と呼びたくないし、カッコいいやつしか後輩と呼びたくない。それ以外は除外。それは人それぞれですが。
でも誰かがカッコいいって言ったからカッコいいなんてことはなくて、誰かがカッコ悪いっていうバンドがめちゃくちゃカッコいいかもしれない。それは自分の目と耳で判断しないと。だから俺たちはこうして自分の足で現場に来て、自分の目と耳で判断してくれるあなたたちのことを誰よりも信頼している」
と、ひたすらにライブハウスでライブをやってきたバンドだからこその観客への信頼を語り、その観客への感謝を込めた「ありがとう」を最大限の感情を込めて演奏して、見事にトリとしての大役を果たした。
しかしアンコールを求める声は止まず、再びメンバーが登場すると、
「最後にあなたたちの声を聞かせてもらってもよろしいでしょうか!?」
と、ミラーボールが鮮やかに回る中「東京流星群」で大合唱を起こし、もはやロッキンオンのイベントでメインとなるステージのトリをやれるくらいの存在になったことを示した。
フェスとなると1日、いろいろなことがある。それは楽しいこともあれば、もちろんそうでないこともある。でもSUPER BEAVERが最後に出てきてライブを行えば、それは全て「美しい日」として我々の記憶に残る。
すでに昨年のロッキンではPARK STAGEのトリ(他の日のそのステージのトリはフォーリミ、キュウソ、Base Ball BearというGRASSレベルのバンド)をやっているが、いつかこのバンドはGRASS STAGEに立って、我々にこういうことを思わせてくれるんじゃないか?というくらいの可能性を持っている。
1.正攻法
2.秘密
3.美しい日
4.閃光
5.青い春
6.ありがとう
encore
7.東京流星群
閃光
https://youtu.be/CxTtwJ2yG_E
ロッキンオンとしては初のサーキットイベントゆえ、課題も見えた。明らかにキャパを上回る来場者と、それに伴う入場規制の多発。入場規制は被りや時間帯や直前のリリースで話題になったりと、様々な要素が絡み合うので、蓋を開けてみないとわからないことの方が多いが、これだけたくさんの人が来るのならば、もうロッキンでLAKE STAGEやPARK STAGEに出るようなバンドはNEXTの位置に入れなくてもいいんじゃないか?とも思う。
もちろんロッキンオン主催であるが故に、自分はある程度その辺りのバンドが出るだろうとは予想していたが、そうしたバンドでなくてもみんなライブを観に来るし、ちゃんと埋まるということが今回でわかったはず。
それこそ、duoに出てるバンドをEASTに出して、もっとNEXTな立ち位置のバンドを呼んだりした方がいいと思うし、そうなってもチケットが売れないということは絶対ない。みんな、まだまだ若くてカッコいいバンドが日々ライブハウスを熱くしているということをわかっているのだから。
そしてこのイベントはそうした、「これから期待のバンド」や「近年一気に人気になったバンド」だけが出演しているから、来場者は若いファンが非常に多い。もちろん自分よりも年上の人もいるが、そうした中にいると、「もう若いバンドなんかなにがなんだか全然わかんない」みたいに聞きもしないで切り捨てるような、自分が10代の頃に1番嫌いだった大人には絶対なりたくないと改めて思うし、まだ自分はそうはなっていないんじゃないか、と思うことができる。そしてそうしたバンドのライブを見て、素直に「カッコいいな」と思うことができる。いつだって若手バンドたちは本当にこれからのロックシーンに希望を見出してくれる。自分と同世代のバンドや、もっと上のバンドだってかつてはそうだったんだから。
Next→ 7/21 チャットモンチーのこなそんフェス @徳島アスティホール
