The Mirraz 俺より強いヤツに会いに行くツアー2018ss @新栄クラブロックンロール 6/30
- 2018/07/01
- 00:39
4月末の自主企画イベントで新曲「格闘ゲーム」のリリースを発表した、The Mirraz。その後は近年はなかなかなかった対バンライブにも招かれたりと、徐々にライブの本数が増えてきている中、「格闘ゲーム」のリリースツアーは東名阪の3本のみのショートツアーという通常営業っぷり。
なぜ東京でもファイナルのワンマンがあるのにわざわざ名古屋まで来たのかというと、ファイナルの日がa flood of circleのファイナルと被っているからなのだが、今のミイラズのツアーを一本も見ないという選択肢は自分にはないのである。
クラブロックンロールはキャパ150人くらいという、多くのライブハウスが居並ぶこの近辺でも狭い部類に入るライブハウス。集客はまぁガラガラではないが満員でも全然ないというのが今のミイラズの地方での状況を示している。
Arctic MonkeysのSEが流れるとメンバーが登場。畠山はサングラスをかけ、今回のツアーグッズである淡い色のビッグTシャツを着用している。ステージは千葉LOOKを彷彿とさせるくらいに低いが実に見やすい。
畠山がメンバーと顔を合わせるようにすると、不穏なギターサウンドの「TOP OF THE FUCKIN' WORLD」からスタートするという意外なオープニング。
「このクソくだらない世界で 躁鬱病になったって
会社クビになったって アル中になったって
君に見捨てられたって 宗教に入ったって
借金抱えたって ハゲたって 生きてくんだ」
というフレーズの破壊力はリリースから9年も経った今でも全く衰えることはないどころか、むしろ今の社会情勢によって一層説得力を増している気すらする。
「スーパーフレア」「ふぁっきゅー」というおなじみの曲からは一気に曲のスピードも畠山の言葉数も増し、それは近年リリースの「バタフライエフェクト~」「Get Money」というリフ主体のギターロックに回帰した曲たちでも全く変わらないどころか、さらに鋭さを増している感すらある。
「パンドラの箱、ツンデレっすね。」からはEDMを取り入れた曲が続いたが、リリースから3年経過したここにきてこのタイプの曲がより「バンド感」「ライブ感」を増している。もとより新谷元輝がドラマーとして参加していた時期に作られた曲ではあるが、脱退後のドラムレス編成でも打ち込みによってカバーできたタイプと言えるのだが、まのたかしによる力強くストレートなドラムが最もその「バンド感」「ライブ感」に貢献している。だからこそリリース当時よりもはるかに盛り上がる曲になってきている。リリース当時は賛否両論というよりも否定的な意見が多かったが、今になって本領を発揮していると言える。
畠山が挨拶的な言葉を発すると、「格闘ゲーム」収録の新曲「KA・RA・TE・KA」を披露。オリエンタルなサウンドと、日本の独自性をアピールする歌詞は今までのミイラズにはなかったものであり、ここにきて新たな扉を開いた感すらある。
関東地方も梅雨明けしたことにより、名古屋はかなり蒸し暑くなっていたが、「真夏の屯田兵」はいよいよその季節が到来したことを実感させるし、来るべき夏フェスへの期待感を募らせる。
なんの前触れもなく始まった「SUSHI A GO! GO! GO!」では観客が一斉にタオルを頭上に投げ、畠山も
「曲名なんも言わなかったのによくみんなすぐタオル投げれたな(笑)ベテランばかりだからかな(笑)ベテラン入るとゲームが引き締まるからね(笑)」
とワールドカップを見ていることを匂わせるようなMC。確かに客席にはどちらかというと、キノイくんを前面に押し出していた昔のミイラズTシャツを着ている人が多かったイメージなので、自分のように関東から遠征しているような人も含めて、ベテランばかりだったのかもしれない。
タイトルだけ見ると、「シスター」や「君の料理」的なラブソングを連想しがちだが、実際はリフ主体のガレージロックである「綺麗な子、可愛い子」、むしろタイトルとは裏腹に最も切ない「MAD LIFE」と「格闘ゲーム」収録曲を連発。おそらくこの曲たちは今回のツアーくらいでしかライブで聴ける機会はそうそうないであろう。
すると一転してシリアスな「神になれたら」、畠山のロマンチックサイドが強く現れた「世界一キレイなもの」は実にレアな選曲。こうした曲がライブで聴けるのはこの4人でライブをやるようになって1年以上経ち、ライブの本数もそれまでよりはるかに増え、スタジオに入ってバンドサウンドを練り上げてきた結果である。ただ単に「演奏できる」というだけでも昔の曲を聴けたというセンチメンタルな気持ちになるだけでもなく、バンドが前に進んでいて、状態が良くなっているのが実感できるからこそより嬉しいのである。
この会場の近くにも観覧車がある「観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは」からは一気にクライマックスへ。かつてのライブから近年のライブに至るまでのキラーチューンが次々に演奏されていくが、その中に昨年リリースの「DAWN」が入っており、しかもそれが他の曲と変わらないくらいの盛り上がりを見せている。そしてそれはラストの「格闘ゲーム」にも引き継がれている。ミイラズは過去の自分たちのサウンドにもう一度向き合いながら、バンドを前に、先に更新させている。
アンコールでは畠山が「格闘ゲーム」Tシャツに着替えて登場し、真彦もジャケットを脱いでTシャツだけになり、畠山がギターを弾き始めたのはまさかのかつてのライブの締め曲である「イフタム!ヤー!シムシム!」。この曲の時は畠山もいつもより目を見開いて歌い、真彦とケイゾーも曲に入り込んでいるかのように体を動かしながら演奏している。ちょうど、2人がミイラズにサポートメンバーとして参加し始めた時期はまだこの曲をよく最後に演奏していた。もしかしかたらこの曲に強い思い入れがあって、それをライブで演奏するときに込めていたのかもしれない。
するとここでこの日唯一の長いMCタイム。畠山は現在開催中のワールドカップをほぼ全試合見ていることを語り、11月に再びこの会場をツアーで訪れることを発表。そのツアーが「秋を好きになる6つの法則」という、かつて「真夏の屯田兵」などが収録されたアルバムの続編的な新作を引っさげてのものになることも発表。
また、今年は久しぶりにロッキンに出演することも告げ、昨年末のCDJに出演した際に作った「山崎洋一郎Tシャツ」の第2弾を企画していることも発表。ケイゾーは山崎洋一郎と渋谷陽一の乗っている車をチェックし、おおよその年収の見当までついているという恐ろしい観察眼を発揮する。
と、ここまでは良かったのだが、そこから畠山が昼間に見たという、アーノルドシュワルツェネッガーが主演で、人間に取り付いたサタンから人類を守るという1990年代のB級映画のストーリーを長々と語り出し、映画自体を全く知らないのに、映画を見たかと思うくらいに全て言い尽くしたので、ライブの熱狂っぷりはかなり落ち着いた感じになってしまっていた。
そんな空気を再び熱狂に向けるかのように「マジかー~」でダークなEDMサウンドが鳴り響くと、「プロタゴニストの一日は」「CANのジャケット~」という代表曲を連発。
正直言って、この辺りの曲は毎回ライブでやっている曲である。しかし、客席からは「やったー!この曲聴ける!」という空気が発せられまくっていた。その姿を見て、東京近郊では当たり前に見れているミイラズのライブも、ちょっとでも遠くに離れたらそれは当たり前のことではないのだ、と改めて思い知らされた。つまり、名古屋の人たちは自分たちの住んでいるところにミイラズが来てくれるのを本当に待っていたのだ。その感覚は東京だけでなく、千葉LOOKや北浦和KYARAなど、首都圏のライブハウスでしょっちゅうライブを見れる自分が忘れてしまっていたもの。地方でワンマンを見ると、こうしてその土地で日々生きている人たちのバンドへの愛情をしっかりと感じることができる。
だからこそ、11月のツアーのチケットをライブ後にみんなが並んで購入していたし、まのたかしが1番好きな曲だという「ミラーボールが回り出したら」も最大の熱狂を持って受け入れられていた。ただ単にライブが見れて良かった、じゃない。もっといろんなものが見えた、本当に千葉からここまで来て良かったと思える、名古屋でのツアー初日だった。
ツアーが終わったら次は久しぶりのロッキン。この4人で初めてのひたちなか。今の状況をひっくり返すには、これほどいい機会はない。畠山は松任谷由実と被ってライブが見れないのを残念がっていたけれど。
1.TOP OF THE FUCKIN' WORLD
2.スーパーフレア
3.ふぁっきゅー
4.バタフライエフェクトを語るくらいの善悪と頑なに選択を探すマエストロ
5.Get Money
6.パンドラの箱、ツンデレっすね。
7.つーか、っつーか
8.KA・RA・TE・KA
9.真夏の屯田兵 ~yeah! yeah! yeah!~
10.気持ち悪りぃ
11.SUSHI A GO! GO! GO!
12.綺麗な子、可愛い子
13.MAD LIFE
14.神になれたら
15.世界一キレイなもの
16.観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは
17.check it out! check it out! check it out! check it out!
18.ラストナンバー
19.DAWN
20.僕らは
21.格闘ゲーム
encore
22.イフタム!ヤー!シムシム!
23.マジかーそうきたか、やっぱそうきますよね。はいはい、ですよね知ってます
24.プロタゴニストの一日は
25.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
encore2
26.ミラーボールが回り出したら
格闘ゲーム
https://youtu.be/gLXDc57G6xg
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なぜ東京でもファイナルのワンマンがあるのにわざわざ名古屋まで来たのかというと、ファイナルの日がa flood of circleのファイナルと被っているからなのだが、今のミイラズのツアーを一本も見ないという選択肢は自分にはないのである。
クラブロックンロールはキャパ150人くらいという、多くのライブハウスが居並ぶこの近辺でも狭い部類に入るライブハウス。集客はまぁガラガラではないが満員でも全然ないというのが今のミイラズの地方での状況を示している。
Arctic MonkeysのSEが流れるとメンバーが登場。畠山はサングラスをかけ、今回のツアーグッズである淡い色のビッグTシャツを着用している。ステージは千葉LOOKを彷彿とさせるくらいに低いが実に見やすい。
畠山がメンバーと顔を合わせるようにすると、不穏なギターサウンドの「TOP OF THE FUCKIN' WORLD」からスタートするという意外なオープニング。
「このクソくだらない世界で 躁鬱病になったって
会社クビになったって アル中になったって
君に見捨てられたって 宗教に入ったって
借金抱えたって ハゲたって 生きてくんだ」
というフレーズの破壊力はリリースから9年も経った今でも全く衰えることはないどころか、むしろ今の社会情勢によって一層説得力を増している気すらする。
「スーパーフレア」「ふぁっきゅー」というおなじみの曲からは一気に曲のスピードも畠山の言葉数も増し、それは近年リリースの「バタフライエフェクト~」「Get Money」というリフ主体のギターロックに回帰した曲たちでも全く変わらないどころか、さらに鋭さを増している感すらある。
「パンドラの箱、ツンデレっすね。」からはEDMを取り入れた曲が続いたが、リリースから3年経過したここにきてこのタイプの曲がより「バンド感」「ライブ感」を増している。もとより新谷元輝がドラマーとして参加していた時期に作られた曲ではあるが、脱退後のドラムレス編成でも打ち込みによってカバーできたタイプと言えるのだが、まのたかしによる力強くストレートなドラムが最もその「バンド感」「ライブ感」に貢献している。だからこそリリース当時よりもはるかに盛り上がる曲になってきている。リリース当時は賛否両論というよりも否定的な意見が多かったが、今になって本領を発揮していると言える。
畠山が挨拶的な言葉を発すると、「格闘ゲーム」収録の新曲「KA・RA・TE・KA」を披露。オリエンタルなサウンドと、日本の独自性をアピールする歌詞は今までのミイラズにはなかったものであり、ここにきて新たな扉を開いた感すらある。
関東地方も梅雨明けしたことにより、名古屋はかなり蒸し暑くなっていたが、「真夏の屯田兵」はいよいよその季節が到来したことを実感させるし、来るべき夏フェスへの期待感を募らせる。
なんの前触れもなく始まった「SUSHI A GO! GO! GO!」では観客が一斉にタオルを頭上に投げ、畠山も
「曲名なんも言わなかったのによくみんなすぐタオル投げれたな(笑)ベテランばかりだからかな(笑)ベテラン入るとゲームが引き締まるからね(笑)」
とワールドカップを見ていることを匂わせるようなMC。確かに客席にはどちらかというと、キノイくんを前面に押し出していた昔のミイラズTシャツを着ている人が多かったイメージなので、自分のように関東から遠征しているような人も含めて、ベテランばかりだったのかもしれない。
タイトルだけ見ると、「シスター」や「君の料理」的なラブソングを連想しがちだが、実際はリフ主体のガレージロックである「綺麗な子、可愛い子」、むしろタイトルとは裏腹に最も切ない「MAD LIFE」と「格闘ゲーム」収録曲を連発。おそらくこの曲たちは今回のツアーくらいでしかライブで聴ける機会はそうそうないであろう。
すると一転してシリアスな「神になれたら」、畠山のロマンチックサイドが強く現れた「世界一キレイなもの」は実にレアな選曲。こうした曲がライブで聴けるのはこの4人でライブをやるようになって1年以上経ち、ライブの本数もそれまでよりはるかに増え、スタジオに入ってバンドサウンドを練り上げてきた結果である。ただ単に「演奏できる」というだけでも昔の曲を聴けたというセンチメンタルな気持ちになるだけでもなく、バンドが前に進んでいて、状態が良くなっているのが実感できるからこそより嬉しいのである。
この会場の近くにも観覧車がある「観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは」からは一気にクライマックスへ。かつてのライブから近年のライブに至るまでのキラーチューンが次々に演奏されていくが、その中に昨年リリースの「DAWN」が入っており、しかもそれが他の曲と変わらないくらいの盛り上がりを見せている。そしてそれはラストの「格闘ゲーム」にも引き継がれている。ミイラズは過去の自分たちのサウンドにもう一度向き合いながら、バンドを前に、先に更新させている。
アンコールでは畠山が「格闘ゲーム」Tシャツに着替えて登場し、真彦もジャケットを脱いでTシャツだけになり、畠山がギターを弾き始めたのはまさかのかつてのライブの締め曲である「イフタム!ヤー!シムシム!」。この曲の時は畠山もいつもより目を見開いて歌い、真彦とケイゾーも曲に入り込んでいるかのように体を動かしながら演奏している。ちょうど、2人がミイラズにサポートメンバーとして参加し始めた時期はまだこの曲をよく最後に演奏していた。もしかしかたらこの曲に強い思い入れがあって、それをライブで演奏するときに込めていたのかもしれない。
するとここでこの日唯一の長いMCタイム。畠山は現在開催中のワールドカップをほぼ全試合見ていることを語り、11月に再びこの会場をツアーで訪れることを発表。そのツアーが「秋を好きになる6つの法則」という、かつて「真夏の屯田兵」などが収録されたアルバムの続編的な新作を引っさげてのものになることも発表。
また、今年は久しぶりにロッキンに出演することも告げ、昨年末のCDJに出演した際に作った「山崎洋一郎Tシャツ」の第2弾を企画していることも発表。ケイゾーは山崎洋一郎と渋谷陽一の乗っている車をチェックし、おおよその年収の見当までついているという恐ろしい観察眼を発揮する。
と、ここまでは良かったのだが、そこから畠山が昼間に見たという、アーノルドシュワルツェネッガーが主演で、人間に取り付いたサタンから人類を守るという1990年代のB級映画のストーリーを長々と語り出し、映画自体を全く知らないのに、映画を見たかと思うくらいに全て言い尽くしたので、ライブの熱狂っぷりはかなり落ち着いた感じになってしまっていた。
そんな空気を再び熱狂に向けるかのように「マジかー~」でダークなEDMサウンドが鳴り響くと、「プロタゴニストの一日は」「CANのジャケット~」という代表曲を連発。
正直言って、この辺りの曲は毎回ライブでやっている曲である。しかし、客席からは「やったー!この曲聴ける!」という空気が発せられまくっていた。その姿を見て、東京近郊では当たり前に見れているミイラズのライブも、ちょっとでも遠くに離れたらそれは当たり前のことではないのだ、と改めて思い知らされた。つまり、名古屋の人たちは自分たちの住んでいるところにミイラズが来てくれるのを本当に待っていたのだ。その感覚は東京だけでなく、千葉LOOKや北浦和KYARAなど、首都圏のライブハウスでしょっちゅうライブを見れる自分が忘れてしまっていたもの。地方でワンマンを見ると、こうしてその土地で日々生きている人たちのバンドへの愛情をしっかりと感じることができる。
だからこそ、11月のツアーのチケットをライブ後にみんなが並んで購入していたし、まのたかしが1番好きな曲だという「ミラーボールが回り出したら」も最大の熱狂を持って受け入れられていた。ただ単にライブが見れて良かった、じゃない。もっといろんなものが見えた、本当に千葉からここまで来て良かったと思える、名古屋でのツアー初日だった。
ツアーが終わったら次は久しぶりのロッキン。この4人で初めてのひたちなか。今の状況をひっくり返すには、これほどいい機会はない。畠山は松任谷由実と被ってライブが見れないのを残念がっていたけれど。
1.TOP OF THE FUCKIN' WORLD
2.スーパーフレア
3.ふぁっきゅー
4.バタフライエフェクトを語るくらいの善悪と頑なに選択を探すマエストロ
5.Get Money
6.パンドラの箱、ツンデレっすね。
7.つーか、っつーか
8.KA・RA・TE・KA
9.真夏の屯田兵 ~yeah! yeah! yeah!~
10.気持ち悪りぃ
11.SUSHI A GO! GO! GO!
12.綺麗な子、可愛い子
13.MAD LIFE
14.神になれたら
15.世界一キレイなもの
16.観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは
17.check it out! check it out! check it out! check it out!
18.ラストナンバー
19.DAWN
20.僕らは
21.格闘ゲーム
encore
22.イフタム!ヤー!シムシム!
23.マジかーそうきたか、やっぱそうきますよね。はいはい、ですよね知ってます
24.プロタゴニストの一日は
25.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
encore2
26.ミラーボールが回り出したら
格闘ゲーム
https://youtu.be/gLXDc57G6xg
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