METROCKで関ジャニ∞のライブを見た、ロックバンドファン(男)が渋谷すばるの脱退で思うこと
- 2018/04/19
- 19:28
昨年5月21日に新木場若洲公園で開催されたロックフェス、METROCKの2日目。メインステージの後半の時間、まさかのサプライズ出演を果たした、バンド編成での関ジャニ∞のボーカル渋谷すばるは、笑顔でいることを宿命づけられたり、あるいはあえて無表情であることをキャラクターとするような、イメージとしてのアイドルとは全く異なる、他のバンドのボーカリストと変わらないような、目をひん剥くような表情で歌っていた。
それは明らかにその日のパフォーマンスが本調子ではないこともあったのかもしれないが、その表情からは「このライブで自分たちへの見方をひっくり返してやる」という闘志も、また「この人は歌うことで自己証明をしなくてはいけない人なんだろうな」という彼自身の業の深さも感じさせた。自分は彼がそんな表情で歌う人だとは知らなかった。ということは、きっとそうして歌う姿は、彼らをずっと見てきたファンの方々以外には知られていないんじゃないだろうか。
その表情を今でも覚えているから、普段はロックバンドのライブレポしか書いていないのに、今回こうして彼について書こうと思ったし、先日関ジャニ∞から彼が脱退する、というニュースを見た時、そこまで驚きはなかった。それは自分が決して彼らのファンではないからかもしれないが、デビュー時にジャニーズとは思えないくらいに売れなかった(デビューしたての頃の路線は覚えている)という下積み時代を持つだけに、ずっと応援してくれていたファンへの気持ちを強く持った上での決断であるということは想像に難くない。
「30歳を超えたアイドルの今後の人生」とか、本当に彼がどう思って今回の決断をしたのか、自分には何もわからない。だが一つだけわかることがある。それは、「やりたいことをできる時間が限られていて、死ぬ時に悔いがなかったと思う人生を送りたい」という30代の男性としての偽らざる気持ちである。
それは時には辛い別れを伴うものでもあるし、安定や安心が保証されているものでもない。でも今じゃないともう間に合わない。そうした感覚を覚えたことは自分自身一度や二度ではないし、それこそが現在の自分の最大の行動理念である。
(関ジャニ∞の活動がやりたいことではなかった、ということではなく、彼がやりたいことが音楽である、という自分の憶測の上のことであるが)
だからこそ、彼がこれから1人で自分の道に進む姿、そこで成長していく姿は、これまでグループを見てきた人たち以外の、30歳を超えてから人生をどうするべきか迷っているような人たちにも強い力を与えてくれるはず。
テレビで歌唱力王決定戦、みたいな番組がやっているように、歌が上手い人ならそこら中にいくらでもいる。でも「何かを感じさせてくれる歌を歌う人」はそうそういない。渋谷すばるは紛れもなく後者に属するべき人間だ。それはMETROCKで関ジャニ∞の前に出演し、歌っている姿を見てなぜか涙が溢れてきてしまった、Coccoのように。
バンド編成、しかも自分が普段から読んでいる「音楽と人」を始めとする様々な媒体でも絶賛されている歌声を持つボーカリストが去っても続ける選択をした残ったメンバーには、様々な別れを経験しても続けることを選んだロックバンドに力をもらい続けてきた身としては心から拍手を送りたい。自分がいなくなったらグループそのものが終わる、という状況だったらこうした決断はできなかったかもしれないということを踏まえても。
自分はMETROCKのライブを見ても、関ジャニ∞や渋谷すばるのファンにはなれなかった。だからこれからもグループや渋谷の活動を熱心に追っていくことはないだろう。でもいつか、また渋谷の歌っている姿を見る日が来るような予感がある。それはテレビの画面の向こう側にいるアイドルとしてではなく、あの日以上にステージの上で目をひん剥いて、自分の気持ちを自分の言葉で歌うシンガーとして。
それは明らかにその日のパフォーマンスが本調子ではないこともあったのかもしれないが、その表情からは「このライブで自分たちへの見方をひっくり返してやる」という闘志も、また「この人は歌うことで自己証明をしなくてはいけない人なんだろうな」という彼自身の業の深さも感じさせた。自分は彼がそんな表情で歌う人だとは知らなかった。ということは、きっとそうして歌う姿は、彼らをずっと見てきたファンの方々以外には知られていないんじゃないだろうか。
その表情を今でも覚えているから、普段はロックバンドのライブレポしか書いていないのに、今回こうして彼について書こうと思ったし、先日関ジャニ∞から彼が脱退する、というニュースを見た時、そこまで驚きはなかった。それは自分が決して彼らのファンではないからかもしれないが、デビュー時にジャニーズとは思えないくらいに売れなかった(デビューしたての頃の路線は覚えている)という下積み時代を持つだけに、ずっと応援してくれていたファンへの気持ちを強く持った上での決断であるということは想像に難くない。
「30歳を超えたアイドルの今後の人生」とか、本当に彼がどう思って今回の決断をしたのか、自分には何もわからない。だが一つだけわかることがある。それは、「やりたいことをできる時間が限られていて、死ぬ時に悔いがなかったと思う人生を送りたい」という30代の男性としての偽らざる気持ちである。
それは時には辛い別れを伴うものでもあるし、安定や安心が保証されているものでもない。でも今じゃないともう間に合わない。そうした感覚を覚えたことは自分自身一度や二度ではないし、それこそが現在の自分の最大の行動理念である。
(関ジャニ∞の活動がやりたいことではなかった、ということではなく、彼がやりたいことが音楽である、という自分の憶測の上のことであるが)
だからこそ、彼がこれから1人で自分の道に進む姿、そこで成長していく姿は、これまでグループを見てきた人たち以外の、30歳を超えてから人生をどうするべきか迷っているような人たちにも強い力を与えてくれるはず。
テレビで歌唱力王決定戦、みたいな番組がやっているように、歌が上手い人ならそこら中にいくらでもいる。でも「何かを感じさせてくれる歌を歌う人」はそうそういない。渋谷すばるは紛れもなく後者に属するべき人間だ。それはMETROCKで関ジャニ∞の前に出演し、歌っている姿を見てなぜか涙が溢れてきてしまった、Coccoのように。
バンド編成、しかも自分が普段から読んでいる「音楽と人」を始めとする様々な媒体でも絶賛されている歌声を持つボーカリストが去っても続ける選択をした残ったメンバーには、様々な別れを経験しても続けることを選んだロックバンドに力をもらい続けてきた身としては心から拍手を送りたい。自分がいなくなったらグループそのものが終わる、という状況だったらこうした決断はできなかったかもしれないということを踏まえても。
自分はMETROCKのライブを見ても、関ジャニ∞や渋谷すばるのファンにはなれなかった。だからこれからもグループや渋谷の活動を熱心に追っていくことはないだろう。でもいつか、また渋谷の歌っている姿を見る日が来るような予感がある。それはテレビの画面の向こう側にいるアイドルとしてではなく、あの日以上にステージの上で目をひん剥いて、自分の気持ちを自分の言葉で歌うシンガーとして。
amazarashi Live Tour 2018 「地方都市のメメント・モリ」 @Zepp DiverCity Tokyo 4/20 ホーム
UNISON SQUARE GARDEN TOUR2018 「MODE MOOD MODE」 @市川市文化会館 大ホール 4/13