a flood of circle 「New Album ”a flood of circle” Release Special Party」 @渋谷CLUB QUATTRO 4/7
- 2018/04/07
- 22:19
名目的には最新アルバム「a flood of circle」のリリースパーティーというものになっているが、実際にはそのアルバムがセルフタイトルになった理由である、ギタリスト・青木テツの正式加入式典という内容のワンマンであり、リリースツアー前のお披露目的なワンマンでもある。
「青木テツ保護者会一同より」
という花が届けられていることからも、サポートメンバーとして活動してきた2年間で、テツがフラッドファンの心を掴んできたことを実感させられるが、その記念すべき日のワンマンは見事にソールドアウト。平日とはいえ、対バンライブでは新宿LOFTですら全然売り切れていなかっただけに、開演前の「フラッドを見にきた」観客たちの密集具合は久々。(テツの加入が発表された、O-EASTの主催イベントは間違いなくUNISON SQUARE GARDEN出演効果があっただけに)
18時10分を過ぎた頃、会場が暗転しておなじみのSEが流れてメンバーが1人ずつステージに登場。この時の歓声の大きさからしても、テツがどれだけファンから早くも愛されているのかがわかるが、1曲目、最新作からの「Blood & Bones」から炸裂しまくっている。バンドの演奏というよりもテツのギターが。もう弾きまくっているし、弾いている時のテンションが凄まじく高く、体全体、顔までも使って弾いているようにすら見える。そこには紛れもなく「もうサポートメンバーではない、俺がこのバンドのギタリストである」というテツの意志が見えている。
それまではギターを弾きながら、いつも通りに革ジャンを着てしゃがれ声のロックンロールを轟かせていた亮介がハンドマイクで歌うのは、このバンドの大きなルーツの一つである「ブルース」シリーズの最新作である「One Way Blues」。新作曲3連発となったが、亮介以外の3人がコーラスをする割合が非常に増えているし、テツの勢いに引っ張られるように、HISAYOと一丘のリズム隊までもがさらに強力になっており、つまりバンドのグルーヴそのものが完全に過去最高と言える領域に突入しているのがわかる。
「テツが選んだ曲!」
と亮介が言って演奏されたのは、まさかの最初期の曲である「ガラパゴス」。この曲もテツのギターが最初期から最新系にアップデートさせている。というかこの曲をライブで聴いたのはいつ以来になるんだろうか。
亮介が
「ロックンロール!」
と叫んだように、前半はひたすらロックンロールに飛ばしまくり、ダイバーも続出するのだが、このバンドの「Rex Girl」ことHISAYOにボーカルフレーズを譲るという亮介の、テツだけではなく、メンバー全員を前に出していく意識を見せると、テツのギターを思う存分に発揮するための選曲である「King Cobra Twist」ではテツがセンター、亮介が上手という、4人にならないと間違いなく見れなかったフォーメーションを展開し、アウトロでは事前に「好きなだけ弾いていい」と言われていたというテツが、亮介いわく
「昨今のロックバンドでは1番長いであろうギターソロ。これより長いのは佐藤タイジさん(THEATRE BROOK)くらい(笑)」
というくらいの長~いギターソロを弾きまくる。そのセッション性の高い自由な演奏を見て、この曲が「session#6」と名付けられていることを改めて確認することができた。
曲間ではやはりテツへの歓声が飛び交い、テツもそれに応えると、
「一般的な意味でも、怖い先輩的な意味でも、可愛がってやってください」
という亮介の一言とともに、テツが新作の中からチョイスしたという「Summer Soda」の爽やかな空気が熱気しかなかったフロアに清涼感を運んでくる。尺の問題もあってなかなか難しいだろうが、この曲はフラッドの中でもトップクラスの、夏の野外フェスで聴きたい曲。もしそれがきついのならば、また野音とかでワンマンを行なって演奏してもらいたい。
その流れでミドル~バラード曲が続くのだが、そこで演奏されたのはまさかの「夜はけむり」という超初期曲。「ガラパゴス」含め、初期曲を演奏することになった経緯を
「新しいアルバム、リッピングすると、最初のミニアルバムとタイトルが同じだから混ざっちゃうんだよね(笑)
同じタイトルのアルバムばっかり出してるWeezerはどうしてるんだろ?って思うんだけど(笑)、そのおかげで最初のミニアルバムを聴く機会が結構できて」
と亮介は解説していたが、今までのサポートギタリストを迎えた編成では、
「まず音を合わせてみる→ライブでいつもやっているあたりの曲をそのサポートメンバーを含めてできるようにする→その曲を仕上げる」
という手続きを取らざるを得なかったし、頻繁にサポートギタリストが変わりまくっていただけに、それまでの持ち曲を全て演奏し切った曽根巧の卒業以降、なかなかその次のステップである
「ライブで毎回演奏する曲以外の曲」
を演奏できるようになるところまで行かず、前述の手続きを何度も何度も繰り返さなければいけなかった。
でもこれからは違う。こうして初期曲から最新曲まで、全時代のありとあらゆる曲を自由自在に演奏することができるのである。もう音を合わせたり、グルーヴを一から構築していくということをしなくていいから。テツの正式加入がこんなにもファンから歓迎されているのは、単純にライブの出来だけでなく、こういう理由もある。近年は聴きたくてもなかなかライブでは聴けない曲ばかりになってしまっていたから。
最新作の壮大な「再生」で亮介が勢いだけではない歌い上げっぷりを見せると、
「楽屋で話してたんだけど、フラッドが正式メンバー4人でワンマンをやるのは今日が3回目らしい(笑)
デビュー前の新宿LOFTと、デュランが入った後の日大の学祭ライブと今日だけ(笑)」
という、確かに正式メンバーだけでワンマンをやるのはいつぶりだろうか、と思っていたが、そもそもその機会が10年に及ぶ活動の中で2回しかなかったというのはなかなか衝撃的な事実である。
イントロ的な打ち込みの音も使いながら、亮介が再びギターを置き、客席最前の柵の上に立ってシャウトしまくる「Where Is My Freedom」からは再びロックンロールの熱気に満たされていく。
デュラン在籍時の「STARS」、イントロで大歓声があがり、間奏では亮介がテツとHISAYOを真ん中に招いて並んで演奏した「Boy」、UNISON SQUARE GARDENの田淵智也がプロデュースした、フラッドの持てる武器総動員の最新作のリード曲「ミッドナイト・クローラー」と、
「フラッドのライブってこんなに凄かったっけ!?」
と毎回ライブを観に来ているのに驚かずにはいられない盛り上がりの凄まじさ。テツの勢いが他のメンバーの演奏とバンドのグルーヴをさらに押し上げ、それによって観客もこれまで以上に盛り上がることになる、というロックバンドだからこそのステージと客席の理想的な相乗効果が生まれていた。バンドが進化したことにより、観客も進化している。それはこのくらいドラスティックにはなかなか実感することがないことである。
そしてライブは
「俺たちとあんたらの、明日に捧げます!」
と言って演奏された「シーガル」で明らかにクライマックスを迎える。亮介はやはり「歌え!」と2回目のサビで観客に合唱を求めたが、もう最初のサビの段階で観客みんなが大きな声で歌っていた。合唱というのは人によっては不快に感じるものでもあるが、この日のこの瞬間は、もう歌わざるを得ないくらいの熱気が渦巻きまくっていた。それがフラッドの代表曲であるこの「シーガル」を、こうして完全体になったバンドとそれを待ち望んでいた我々ファンが全員で揃って歌える「約束の曲」に変えていた。
そして亮介、テツ、HISAYOの3人が一丘のドラムセットに向かって音を合わせる。ラストは「プシケ」。この曲の肝は間奏のメンバー一人一人のソロ回しと紹介であるが、そこで1人ずつピンスポットが当たる。全員が同じ立ち位置、同じ関係性になったからこそ。今までもライブでクライマックスを担ってきた曲だが、今まではあくまで3人+サポートという編成でのものだった。しかし、10年以上ずっと演奏し続けてきたこの曲も、ようやく4人になったことによって完成形を迎えたのである。それくらい、この日の「プシケ」は今までに見たことがない、光のような、オーラのようなものを纏っていて、感動的ですらあった。
アンコールでは先にお揃いのTシャツを着てステージに登場したテツと一丘によるMC。この日販売されていた、テツがデザインした、
「俺がバンドの新しい血だ、っていう意味のNew Blood Tシャツ」
が見事に完売したことを報告するが、
一丘「テツもA型でしょ?フラッドってみんなA型なんだよね。だから混ざり合っても凝固しない関係」
と一丘はメンバーの豆知識を開陳し、亮介に
「意外なほどにMCが上手くなっている(笑)」
と褒められる。
そして
「栄光の勝利へと 手を伸ばせよ 世界が輝くその瞬間を 奪いに行け」
というフレーズが全く諦めることなく転がり続けてきたこのバンドの変わらぬ姿勢の宣誓であるかのように高らかに鳴り響く「Leo」から、テツがメインコーラスを務めるという、この4人での最新形にやはりアップデートされた初期からのライブの締め曲「象のブルース」を演奏すると、
テツ「千葉LOOKでまた会おうぜ!」
亮介「「Where Is My Freedom」って歌ったけど、それを探しにいくツアーになるから!」
と2人が今月から始まるツアーでの再会を約束して去って行った。
この日、終盤に客席から最もよく聞こえた歓声は、
「テツありがとう!」
というものだった。メンバーを入れるかどうかはバンド側が決めることであり、加入したメンバーに観客が感謝するという場面はほとんど見たことがない。
でも、そんな声が上がるのも当たり前なのだ。前述の通り、フラッドはサポートギターがコロコロ変わっていただけに、ライブでやる曲もある程度限定されてしまっていたし、これからもずっと3人+サポートという編成なのか、という閉塞感を感じることも少しあった。
そんな状況を切り開いてくれたのがテツなのだ。2年間のサポート期間で自身のギタリストとしての腕前と、このバンドに骨を埋めるというバンドへの強い意志を身をもって示し続けてきたからこそ、ファンはみんな「メンバーになる」という意志を示して、バンドを4人の完全体にしてくれたテツに感謝している。テツが加入してくれたおかげで、これまでに何度も見てきた、バンドが変わらなければいけない瞬間や、バンドがゼロに戻る瞬間を見なくていいのだから。今までフラッドを支え続けてきてくれたギタリスト達の意志を全て受け継いで、テツはこれからフラッドのメンバーとしてギターを鳴らしていく。
「サポートメンバーが正式メンバーになるということはそんなに変わることなのか?」
その答えはYESである。それをこの日のフラッドは証明して見せた。その変わった結果が、バンドの完全体にして過去最強の状態。今までに感じたことがないくらいの、まるで春の嵐のような追い風が吹いているのを感じている。フラッドはここからなのだ。
1.Blood & Bones
2.Lightning
3.One Way Blues
4.ガラパゴス
5.Rex Girl
6.Diver's High (VAVAVAVAVAVAVA)
7.King Cobra Twist ~ session#6
8.Summer Soda
9.夜はけむり
10.再生
11.Where Is My Freedom
12.STARS
13.Boy
14.ミッドナイト・クローラー
15.シーガル
16.プシケ
encore
17.Leo
18.象のブルース
Blood & Bones
https://youtu.be/LYHQPmf2YHg
Next→ 4/13 UNISON SQUARE GARDEN @市川市文化会館

「青木テツ保護者会一同より」
という花が届けられていることからも、サポートメンバーとして活動してきた2年間で、テツがフラッドファンの心を掴んできたことを実感させられるが、その記念すべき日のワンマンは見事にソールドアウト。平日とはいえ、対バンライブでは新宿LOFTですら全然売り切れていなかっただけに、開演前の「フラッドを見にきた」観客たちの密集具合は久々。(テツの加入が発表された、O-EASTの主催イベントは間違いなくUNISON SQUARE GARDEN出演効果があっただけに)
18時10分を過ぎた頃、会場が暗転しておなじみのSEが流れてメンバーが1人ずつステージに登場。この時の歓声の大きさからしても、テツがどれだけファンから早くも愛されているのかがわかるが、1曲目、最新作からの「Blood & Bones」から炸裂しまくっている。バンドの演奏というよりもテツのギターが。もう弾きまくっているし、弾いている時のテンションが凄まじく高く、体全体、顔までも使って弾いているようにすら見える。そこには紛れもなく「もうサポートメンバーではない、俺がこのバンドのギタリストである」というテツの意志が見えている。
それまではギターを弾きながら、いつも通りに革ジャンを着てしゃがれ声のロックンロールを轟かせていた亮介がハンドマイクで歌うのは、このバンドの大きなルーツの一つである「ブルース」シリーズの最新作である「One Way Blues」。新作曲3連発となったが、亮介以外の3人がコーラスをする割合が非常に増えているし、テツの勢いに引っ張られるように、HISAYOと一丘のリズム隊までもがさらに強力になっており、つまりバンドのグルーヴそのものが完全に過去最高と言える領域に突入しているのがわかる。
「テツが選んだ曲!」
と亮介が言って演奏されたのは、まさかの最初期の曲である「ガラパゴス」。この曲もテツのギターが最初期から最新系にアップデートさせている。というかこの曲をライブで聴いたのはいつ以来になるんだろうか。
亮介が
「ロックンロール!」
と叫んだように、前半はひたすらロックンロールに飛ばしまくり、ダイバーも続出するのだが、このバンドの「Rex Girl」ことHISAYOにボーカルフレーズを譲るという亮介の、テツだけではなく、メンバー全員を前に出していく意識を見せると、テツのギターを思う存分に発揮するための選曲である「King Cobra Twist」ではテツがセンター、亮介が上手という、4人にならないと間違いなく見れなかったフォーメーションを展開し、アウトロでは事前に「好きなだけ弾いていい」と言われていたというテツが、亮介いわく
「昨今のロックバンドでは1番長いであろうギターソロ。これより長いのは佐藤タイジさん(THEATRE BROOK)くらい(笑)」
というくらいの長~いギターソロを弾きまくる。そのセッション性の高い自由な演奏を見て、この曲が「session#6」と名付けられていることを改めて確認することができた。
曲間ではやはりテツへの歓声が飛び交い、テツもそれに応えると、
「一般的な意味でも、怖い先輩的な意味でも、可愛がってやってください」
という亮介の一言とともに、テツが新作の中からチョイスしたという「Summer Soda」の爽やかな空気が熱気しかなかったフロアに清涼感を運んでくる。尺の問題もあってなかなか難しいだろうが、この曲はフラッドの中でもトップクラスの、夏の野外フェスで聴きたい曲。もしそれがきついのならば、また野音とかでワンマンを行なって演奏してもらいたい。
その流れでミドル~バラード曲が続くのだが、そこで演奏されたのはまさかの「夜はけむり」という超初期曲。「ガラパゴス」含め、初期曲を演奏することになった経緯を
「新しいアルバム、リッピングすると、最初のミニアルバムとタイトルが同じだから混ざっちゃうんだよね(笑)
同じタイトルのアルバムばっかり出してるWeezerはどうしてるんだろ?って思うんだけど(笑)、そのおかげで最初のミニアルバムを聴く機会が結構できて」
と亮介は解説していたが、今までのサポートギタリストを迎えた編成では、
「まず音を合わせてみる→ライブでいつもやっているあたりの曲をそのサポートメンバーを含めてできるようにする→その曲を仕上げる」
という手続きを取らざるを得なかったし、頻繁にサポートギタリストが変わりまくっていただけに、それまでの持ち曲を全て演奏し切った曽根巧の卒業以降、なかなかその次のステップである
「ライブで毎回演奏する曲以外の曲」
を演奏できるようになるところまで行かず、前述の手続きを何度も何度も繰り返さなければいけなかった。
でもこれからは違う。こうして初期曲から最新曲まで、全時代のありとあらゆる曲を自由自在に演奏することができるのである。もう音を合わせたり、グルーヴを一から構築していくということをしなくていいから。テツの正式加入がこんなにもファンから歓迎されているのは、単純にライブの出来だけでなく、こういう理由もある。近年は聴きたくてもなかなかライブでは聴けない曲ばかりになってしまっていたから。
最新作の壮大な「再生」で亮介が勢いだけではない歌い上げっぷりを見せると、
「楽屋で話してたんだけど、フラッドが正式メンバー4人でワンマンをやるのは今日が3回目らしい(笑)
デビュー前の新宿LOFTと、デュランが入った後の日大の学祭ライブと今日だけ(笑)」
という、確かに正式メンバーだけでワンマンをやるのはいつぶりだろうか、と思っていたが、そもそもその機会が10年に及ぶ活動の中で2回しかなかったというのはなかなか衝撃的な事実である。
イントロ的な打ち込みの音も使いながら、亮介が再びギターを置き、客席最前の柵の上に立ってシャウトしまくる「Where Is My Freedom」からは再びロックンロールの熱気に満たされていく。
デュラン在籍時の「STARS」、イントロで大歓声があがり、間奏では亮介がテツとHISAYOを真ん中に招いて並んで演奏した「Boy」、UNISON SQUARE GARDENの田淵智也がプロデュースした、フラッドの持てる武器総動員の最新作のリード曲「ミッドナイト・クローラー」と、
「フラッドのライブってこんなに凄かったっけ!?」
と毎回ライブを観に来ているのに驚かずにはいられない盛り上がりの凄まじさ。テツの勢いが他のメンバーの演奏とバンドのグルーヴをさらに押し上げ、それによって観客もこれまで以上に盛り上がることになる、というロックバンドだからこそのステージと客席の理想的な相乗効果が生まれていた。バンドが進化したことにより、観客も進化している。それはこのくらいドラスティックにはなかなか実感することがないことである。
そしてライブは
「俺たちとあんたらの、明日に捧げます!」
と言って演奏された「シーガル」で明らかにクライマックスを迎える。亮介はやはり「歌え!」と2回目のサビで観客に合唱を求めたが、もう最初のサビの段階で観客みんなが大きな声で歌っていた。合唱というのは人によっては不快に感じるものでもあるが、この日のこの瞬間は、もう歌わざるを得ないくらいの熱気が渦巻きまくっていた。それがフラッドの代表曲であるこの「シーガル」を、こうして完全体になったバンドとそれを待ち望んでいた我々ファンが全員で揃って歌える「約束の曲」に変えていた。
そして亮介、テツ、HISAYOの3人が一丘のドラムセットに向かって音を合わせる。ラストは「プシケ」。この曲の肝は間奏のメンバー一人一人のソロ回しと紹介であるが、そこで1人ずつピンスポットが当たる。全員が同じ立ち位置、同じ関係性になったからこそ。今までもライブでクライマックスを担ってきた曲だが、今まではあくまで3人+サポートという編成でのものだった。しかし、10年以上ずっと演奏し続けてきたこの曲も、ようやく4人になったことによって完成形を迎えたのである。それくらい、この日の「プシケ」は今までに見たことがない、光のような、オーラのようなものを纏っていて、感動的ですらあった。
アンコールでは先にお揃いのTシャツを着てステージに登場したテツと一丘によるMC。この日販売されていた、テツがデザインした、
「俺がバンドの新しい血だ、っていう意味のNew Blood Tシャツ」
が見事に完売したことを報告するが、
一丘「テツもA型でしょ?フラッドってみんなA型なんだよね。だから混ざり合っても凝固しない関係」
と一丘はメンバーの豆知識を開陳し、亮介に
「意外なほどにMCが上手くなっている(笑)」
と褒められる。
そして
「栄光の勝利へと 手を伸ばせよ 世界が輝くその瞬間を 奪いに行け」
というフレーズが全く諦めることなく転がり続けてきたこのバンドの変わらぬ姿勢の宣誓であるかのように高らかに鳴り響く「Leo」から、テツがメインコーラスを務めるという、この4人での最新形にやはりアップデートされた初期からのライブの締め曲「象のブルース」を演奏すると、
テツ「千葉LOOKでまた会おうぜ!」
亮介「「Where Is My Freedom」って歌ったけど、それを探しにいくツアーになるから!」
と2人が今月から始まるツアーでの再会を約束して去って行った。
この日、終盤に客席から最もよく聞こえた歓声は、
「テツありがとう!」
というものだった。メンバーを入れるかどうかはバンド側が決めることであり、加入したメンバーに観客が感謝するという場面はほとんど見たことがない。
でも、そんな声が上がるのも当たり前なのだ。前述の通り、フラッドはサポートギターがコロコロ変わっていただけに、ライブでやる曲もある程度限定されてしまっていたし、これからもずっと3人+サポートという編成なのか、という閉塞感を感じることも少しあった。
そんな状況を切り開いてくれたのがテツなのだ。2年間のサポート期間で自身のギタリストとしての腕前と、このバンドに骨を埋めるというバンドへの強い意志を身をもって示し続けてきたからこそ、ファンはみんな「メンバーになる」という意志を示して、バンドを4人の完全体にしてくれたテツに感謝している。テツが加入してくれたおかげで、これまでに何度も見てきた、バンドが変わらなければいけない瞬間や、バンドがゼロに戻る瞬間を見なくていいのだから。今までフラッドを支え続けてきてくれたギタリスト達の意志を全て受け継いで、テツはこれからフラッドのメンバーとしてギターを鳴らしていく。
「サポートメンバーが正式メンバーになるということはそんなに変わることなのか?」
その答えはYESである。それをこの日のフラッドは証明して見せた。その変わった結果が、バンドの完全体にして過去最強の状態。今までに感じたことがないくらいの、まるで春の嵐のような追い風が吹いているのを感じている。フラッドはここからなのだ。
1.Blood & Bones
2.Lightning
3.One Way Blues
4.ガラパゴス
5.Rex Girl
6.Diver's High (VAVAVAVAVAVAVA)
7.King Cobra Twist ~ session#6
8.Summer Soda
9.夜はけむり
10.再生
11.Where Is My Freedom
12.STARS
13.Boy
14.ミッドナイト・クローラー
15.シーガル
16.プシケ
encore
17.Leo
18.象のブルース
Blood & Bones
https://youtu.be/LYHQPmf2YHg
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