GRAPEVINE IN A LIFETIME @渋谷AX 5/19
- 2014/05/20
- 12:07
近年、キャリアを重ねたアーティストが過去にリリースしたアルバムの曲を全曲演奏するという再現ライブを行うことが増えてきているが、そういう企画を全くやりそうにないバンド、GRAPEVINEが、アルバムのリリースから15年を記念して、まさかの2nd「Lifetime」再現ライブを敢行。
おそらくもう二度とはない機会なだけに、かつてこのアルバムのリリースツアーに来ていたであろう年代の人や、後追いでこのアルバムを聴いた、このアルバムの曲を一度もライブで聴いたことのない年代の人(自分も含む)が一同に会し、AXの客席は完全に満員状態。
19時を過ぎると会場がゆっくりと暗転し、SEもなくメンバーが登場。最後にはステージに現れた田中(ボーカル&ギター)がアルバムのジャケットで使われていた「Lifetime」と書かれた看板を持って登場し、ステージに置いてスイッチを押すと看板が発光し、演奏が始まる前から大きな歓声が上がる。
そしてスタートしたのは、「Lifetime」の1曲目に収録されている「いけすかない」。
「世界が二人を近づけてゆく
理解を超えるための新しいプライドで
また期待したいのさ
いけすかないぞ」
というサビの歌詞は、「天邪鬼バンド」と呼ばれるこのバンドの性質をすでに15年前から言い当てているかのよう。間奏では田中が、
「お待たせー!IN A LIFETIMEへようこそー!では早速、本日のアニキー!」
と言うと、ギターの西川が早くもステージの前まで出ていき、渋みを遺憾なく発揮するソロを披露する。
田中がアコギを持ち、サビ前までは聴き入らせ、サビでは一気にグルーヴが全開になる「SUN」、ここ最近のワンマンでもおなじみの、最後のワンフレーズまでは仄暗い照明で、最後にタイトル通りにパッと光があふれる「光について」、まるでセッションのようにメンバーそれぞれが楽しげに音と戯れるインスト「RUBBERGIRL」とアルバムの曲順通りに「Lifetime」が演奏されていく。
「Lifework」からはこれぞ「Lifetime」の再現ライブ!という、この機会がなければまず聴けなかったであろう曲が続く。しかし15年前の作品とは思えないくらいにどの曲も今聴いても色褪せていない。そしてかつてとは異なる編成で演奏されたことにより、CDで聴くよりもさらに瑞々しく、曲が進化している。
アルバムきってのソリッドなギターロックであるシングル曲「白日」から、金戸(ベース)がトライアングル、高野(キーボード&ギター)がシェイカーに持ち替えての、宅録のような雰囲気だった「大人 (NOBODY NOBODY)」はCDよりもぐっと田中の歌が全面に出て聴こえる。
そして個人的にこのアルバムが名盤であるのを決定付けている名曲「望みの彼方」から、ラストの「HOPE (軽め)」で終了。他のメンバーの後に続いて田中が「Lifetime」の看板を持って引き上げて行った。
しかしながら全くMCを挟まずにアルバムの曲を順番に演奏したことにより、まだ1時間ほどしか経っていないので、当然これでは終われるわけもなく、メンバーが再び登場。
「IN A LIFETIMEは楽しんでいただけたでしょうか?物販ではインタビュー記事が売ってるんですが、早くから楽屋に来てたダーリー(バンドのリーダーだった、かつて脱退した西原誠)が酒飲んで自分のインタビュー読んで泣いてました(笑)」
と本編では全くMCがない張り詰めた空気だったのと一変して緩いMCを展開し、
「我々が西海岸にいた時に作った曲(笑)」
「我々がイリノイ州シカゴにいた時に作った曲(笑)」
「我々がロンドンにいた時に作った曲(笑)」
といちいち紹介してから曲を演奏していくのだが、実際に西海岸の空気を感じさせるのは冒頭の「This town」のみで、レア曲を連発し、どんどん暗く沈んでいくような雰囲気になっていくと「豚の皿」を投下。
「この曲は我々が…どこにいた時に作った曲なんでしょうか(笑)」
というオチ付き。
続けざまの「Reverb」からの「ミス・フライハイ」ではこの日最大の熱狂(というか他に腕が上がったりする曲がほとんどない)を生み出し、ラストは「超える」。
「今 限界をも超える そのくらい言っていいか
描き出す世界
愛も欲望もさっきから図々しい
想像しい」
という、バンドがこの長い年月の間に様々な壁を超えて来たであろうことを感じさせる歌詞の名曲で鮮やかに全てをまとめ上げてみせた。
アンコールでは、
「物販にTシャツとか、あとせんべいが売っております(笑)
我々とともに年を重ねてきたであろう皆様の歯の強さを試しているということで…バンドマンは歯が命ですからね(笑)」
と、物販で売られていたせんべいをネタに笑いを起こすと、
「あと1曲だけ…そうそう、AXがなくなるんですよ。だから今日がAXでやる最後なんですけど…我々は出演回数ランキング8位だそうで。どうりでしょっちゅう来てたな、と。でももう来れなくなるのは寂しいので…なくなってからもちょくちょくこの辺をウロウロするんで、見つけても声をかけないで下さい(笑)
AX、ありがとう!」
と、これまでに何度も立ってきたこの舞台への感謝を告げた。
自分はGRAPEVINEのライブを初めて見たのは、2004年のロッキンだったが(もう10年も経ったのか)、ライブハウスで初めて見たのは、そのロッキンのあとのここでのイベントだった。あの時は「KINGDOMCOME」「大脳機能日」「ポリゴンのクライスト」あたりのやたら渋い曲ばかりやっていた(見返したら今日やった「白日」もやってた)のだが、最後に演奏されたのは、15周年記念ライブでも演奏された、「アナザーワールド」。
やはりバンドの演奏もグルーヴも、田中のボーカルも本当に上手い。今回、こうして今までなかなか聴けなかった曲をたくさん聴けたので、「退屈の花」とかの再現ライブも是非やってほしい。
とりあえずは今まで何度となく見てきたAXでのGRAPEVINEもこの日で最後。まだあと2回ここでライブを見れるけど、この日このライブを見れて本当に良かった。
1.いけすかない
2.スロウ
3.SUN
4.光について
5.RUBBERGIRL
6.Lifework
7.25
8.青い魚
9.RUGGERGIRL No.8
10.白日
11.大人 (NOBODY NOBODY)
12.望みの彼方
13.HOPE (軽め)
encore
14.This town
15.JIVE
16.空の向こうから
17.熱の花
18.豚の皿
19.Reverb
20.ミス・フライハイ
21.超える
encore2
22.アナザーワールド
光について
http://youtu.be/K8KRWEZOvSE
超える
http://youtu.be/psgEKI5kwjY
おそらくもう二度とはない機会なだけに、かつてこのアルバムのリリースツアーに来ていたであろう年代の人や、後追いでこのアルバムを聴いた、このアルバムの曲を一度もライブで聴いたことのない年代の人(自分も含む)が一同に会し、AXの客席は完全に満員状態。
19時を過ぎると会場がゆっくりと暗転し、SEもなくメンバーが登場。最後にはステージに現れた田中(ボーカル&ギター)がアルバムのジャケットで使われていた「Lifetime」と書かれた看板を持って登場し、ステージに置いてスイッチを押すと看板が発光し、演奏が始まる前から大きな歓声が上がる。
そしてスタートしたのは、「Lifetime」の1曲目に収録されている「いけすかない」。
「世界が二人を近づけてゆく
理解を超えるための新しいプライドで
また期待したいのさ
いけすかないぞ」
というサビの歌詞は、「天邪鬼バンド」と呼ばれるこのバンドの性質をすでに15年前から言い当てているかのよう。間奏では田中が、
「お待たせー!IN A LIFETIMEへようこそー!では早速、本日のアニキー!」
と言うと、ギターの西川が早くもステージの前まで出ていき、渋みを遺憾なく発揮するソロを披露する。
田中がアコギを持ち、サビ前までは聴き入らせ、サビでは一気にグルーヴが全開になる「SUN」、ここ最近のワンマンでもおなじみの、最後のワンフレーズまでは仄暗い照明で、最後にタイトル通りにパッと光があふれる「光について」、まるでセッションのようにメンバーそれぞれが楽しげに音と戯れるインスト「RUBBERGIRL」とアルバムの曲順通りに「Lifetime」が演奏されていく。
「Lifework」からはこれぞ「Lifetime」の再現ライブ!という、この機会がなければまず聴けなかったであろう曲が続く。しかし15年前の作品とは思えないくらいにどの曲も今聴いても色褪せていない。そしてかつてとは異なる編成で演奏されたことにより、CDで聴くよりもさらに瑞々しく、曲が進化している。
アルバムきってのソリッドなギターロックであるシングル曲「白日」から、金戸(ベース)がトライアングル、高野(キーボード&ギター)がシェイカーに持ち替えての、宅録のような雰囲気だった「大人 (NOBODY NOBODY)」はCDよりもぐっと田中の歌が全面に出て聴こえる。
そして個人的にこのアルバムが名盤であるのを決定付けている名曲「望みの彼方」から、ラストの「HOPE (軽め)」で終了。他のメンバーの後に続いて田中が「Lifetime」の看板を持って引き上げて行った。
しかしながら全くMCを挟まずにアルバムの曲を順番に演奏したことにより、まだ1時間ほどしか経っていないので、当然これでは終われるわけもなく、メンバーが再び登場。
「IN A LIFETIMEは楽しんでいただけたでしょうか?物販ではインタビュー記事が売ってるんですが、早くから楽屋に来てたダーリー(バンドのリーダーだった、かつて脱退した西原誠)が酒飲んで自分のインタビュー読んで泣いてました(笑)」
と本編では全くMCがない張り詰めた空気だったのと一変して緩いMCを展開し、
「我々が西海岸にいた時に作った曲(笑)」
「我々がイリノイ州シカゴにいた時に作った曲(笑)」
「我々がロンドンにいた時に作った曲(笑)」
といちいち紹介してから曲を演奏していくのだが、実際に西海岸の空気を感じさせるのは冒頭の「This town」のみで、レア曲を連発し、どんどん暗く沈んでいくような雰囲気になっていくと「豚の皿」を投下。
「この曲は我々が…どこにいた時に作った曲なんでしょうか(笑)」
というオチ付き。
続けざまの「Reverb」からの「ミス・フライハイ」ではこの日最大の熱狂(というか他に腕が上がったりする曲がほとんどない)を生み出し、ラストは「超える」。
「今 限界をも超える そのくらい言っていいか
描き出す世界
愛も欲望もさっきから図々しい
想像しい」
という、バンドがこの長い年月の間に様々な壁を超えて来たであろうことを感じさせる歌詞の名曲で鮮やかに全てをまとめ上げてみせた。
アンコールでは、
「物販にTシャツとか、あとせんべいが売っております(笑)
我々とともに年を重ねてきたであろう皆様の歯の強さを試しているということで…バンドマンは歯が命ですからね(笑)」
と、物販で売られていたせんべいをネタに笑いを起こすと、
「あと1曲だけ…そうそう、AXがなくなるんですよ。だから今日がAXでやる最後なんですけど…我々は出演回数ランキング8位だそうで。どうりでしょっちゅう来てたな、と。でももう来れなくなるのは寂しいので…なくなってからもちょくちょくこの辺をウロウロするんで、見つけても声をかけないで下さい(笑)
AX、ありがとう!」
と、これまでに何度も立ってきたこの舞台への感謝を告げた。
自分はGRAPEVINEのライブを初めて見たのは、2004年のロッキンだったが(もう10年も経ったのか)、ライブハウスで初めて見たのは、そのロッキンのあとのここでのイベントだった。あの時は「KINGDOMCOME」「大脳機能日」「ポリゴンのクライスト」あたりのやたら渋い曲ばかりやっていた(見返したら今日やった「白日」もやってた)のだが、最後に演奏されたのは、15周年記念ライブでも演奏された、「アナザーワールド」。
やはりバンドの演奏もグルーヴも、田中のボーカルも本当に上手い。今回、こうして今までなかなか聴けなかった曲をたくさん聴けたので、「退屈の花」とかの再現ライブも是非やってほしい。
とりあえずは今まで何度となく見てきたAXでのGRAPEVINEもこの日で最後。まだあと2回ここでライブを見れるけど、この日このライブを見れて本当に良かった。
1.いけすかない
2.スロウ
3.SUN
4.光について
5.RUBBERGIRL
6.Lifework
7.25
8.青い魚
9.RUGGERGIRL No.8
10.白日
11.大人 (NOBODY NOBODY)
12.望みの彼方
13.HOPE (軽め)
encore
14.This town
15.JIVE
16.空の向こうから
17.熱の花
18.豚の皿
19.Reverb
20.ミス・フライハイ
21.超える
encore2
22.アナザーワールド
光について
http://youtu.be/K8KRWEZOvSE
超える
http://youtu.be/psgEKI5kwjY
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