メンバーが変わることもなく、休止することもなく、独自の道を進み続けてきたスリーピースバンド、ACIDMANが結成20周年を迎え、自身の地元さいたまにて初の主催フェスを開催。ずっとともに戦ってきた同世代のバンドを軸にした超豪華なラインナップが揃い、チケットは即完。
外はあいにくの雨が降る中、10時50分頃にはステージにバンドの盟友であるジョージ・ウィリアムスが登場し、メジャーデビュー直後のACIDMANとの出会いなどの前説を担当。そこにはずっと見てきた人だからこその愛がいたるところに溢れていた。
11:00~ 10-FEET
トップバッターは京都大作戦を主催し、アーティスト主催フェスの大変さを最もよくわかっている存在と言える、10-FEET。ACIDMANも京都大作戦には毎回のように出演している。
おなじみのSEで3人が登場すると、いきなりの「RIVER」からスタートし、TAKUMAは「川越」「利根川」と歌詞を変えることで、ここが紛れもなくさいたまであることを実感させる。
「この宇宙の果てから見れば俺たちは何も変わらない存在で…。つまり宇宙の果てから見れば俺たちがライブやってるのもACIDMANがライブやってるのも変わらないことであって…」
と、明らかに大木のモノマネMCで爆笑を巻き起こすと、
「大きな怪我はして欲しくないけど、小さな怪我ならこの宇宙の果てからみれば怪我してないのと同じことで…」
といつもの10-FEET的なMCにしっかり着地してみせるが、自ら
「今日の出演者の中で1番ACIDMANを好きだし、ACIDMANが1番好きなバンド」
と言うだけはあるくらいの見事なコピーっぷりである。
「一発目から飛ばし過ぎや!」
とTAKUMAが言っていたが、「ACIDMANのフェスだよな?」と頭で確認してしまうくらいにのっけからアリーナはモッシュとダイブの嵐という、午前中とは思えない盛り上がりぶりを生み出しながら、TAKUMAは
「言葉があるから人は争うのかもしれん。俺たちがもっと上手に言葉を使えたら…」
と言って「ヒトリセカイ」へ。激しい曲が続いた中でこの曲は一層染みたが、そんなシリアスな雰囲気になりながらも、
「俺たちが仲良くなったのは、RIZEと3組でツアーを廻った時で。そのツアーの九州のライブの打ち上げで大木のレッドウィングのブーツが盗まれて。居酒屋の外まで探しに行ったんだけど、絶対見つかるわけないやん、って諦めてたから、ホテルにあった紙製のスリッパに「レッドウィング」ってマジックで書いて、「大木!あったぞー!」って言いながら持って行ったら、大木の顔が見る見るうちに沈んでいった(笑)」
とかつての思い出話で再び爆笑を巻き起こし、TAKUMAがハット、NAOKIがキャップにウィッグ、さらにKOUICHIはニットにつけ髭まで装着してACIDMANのメンバーに変装すると、まさかのACIDMAN「赤橙」のカバー。
「めちゃセトリ悩んだけど、ACIDMANと出会った頃の曲ばっかりやります!」
と言いながらも、「いつものセトリじゃない?」と思っていたが、こんなこの日しかないような演出を見せるあたりは本当にさすがすぎる。袖でその様子を見ていた大木も笑顔の中にどこか嬉し涙が混じっているように見えた。
そしてラストの「goes on」ではTAKUMAに促されてKOUICHIが途中からリズムを倍くらいまで高速化させ、TAKUMAが
「ACIDMAN大好きなやつはみんな手を挙げろー!」
と言うと、すでにアリーナからスタンドまで満員となった会場全体から手が挙がった。
10-FEETはフェスにおいてはもはやヘッドライナー的な位置にいるようなバンドだが、こうして1発目に見ると、実は火付け役としてもピッタリなバンドだということがわかるし、実際にかつて、まだ京都大作戦を始める前はそうしたイメージのバンドだったことを思い出した。
1.RIVER
2.VIBES BY VIBES
3.1sec.
4.その向こうへ
5.ヒトリセカイ
6.赤橙 (ACIDMANカバー)
7.goes on
RIVER
https://youtu.be/MPfOYr5YkiM
12:00~ MAN WITH A MISSION
実はACIDMANと同世代である狼、MAN WITH A MISSION。期待を煽る壮大なSEで登場すると、いきなりの「FLY AGAIN」からスタートし、トーキョー・タナカの軽快な動きに合わせるように会場中が両腕を左右に動かして踊りまくる。
「Get Off Of My Way」ではDJサンタモニカの動きに合わせて同じくダンスが繰り広げられるが、そのサンタモニカとカミカゼ・ボーイの目が発光するというギミックがさらにライブの迫力を高め、そのカミカゼに加えてタナカとジャン・ケン・ジョニーまでもが演奏中にステージ左右にあるスクリーンの下まで走り、スタンド席の観客の目の前まで行って演奏するという息のピッタリ合ったパフォーマンスを展開。
「DANCE EVERYBODY」ではサビでタオルをグルグルと回し、「Emotions」からは同期のサウンドも使いながら一気に楽曲が壮大さを増していく。
Nirvana「Smells Like Teen Spirit」ももはや「日本のバンドによるこの曲のカバーといえばこのバンド」と思えるくらいの定着感だが、この曲のカバー含め、見た目のイメージとは裏腹にこのバンドがロックの王道を歩んでいるバンドであることをライブを見ると改めて感じさせる。
「人間の皆様、声を出せますかー!」
とジャン・ケンが煽ると勇壮なコーラスの大合唱が発生し、「Raise your flag」でこの大きな会場を飲み込むくらいの巨大な存在証明という名の旗を突き立て、
「我々はバンドとしてはACIDMANとの付き合いは今日の出演者の中では1番短いですが、皆様と同じで、ずっとACIDMANの背中を追いかけてました。こんなバンドになりたい、と思いながらバンドを始めて、蓋を開けたら全然違うバンドになってましたが(笑)」
とACIDMANへの思いを語ると、ラストに演奏されたのは最新シングルからの「My Hero」。海外でのライブを重ねた成果と影響が色濃く現れたサウンドは前半に演奏された初期の曲とは全く違うバンドであるかのようだが、Nirvanaのカバーも含め、世界中の様々なバンドの音楽に影響を受け、それを自分たちの音楽に昇華することによってロックの縦軸をつないでいく、という音楽の循環をこれだけ巨大な規模になったバンドが行なっているという意義は本当に大きい。
最後は恒例の「1,2,3ダー!」のコールで締めたが、このキャパでワンマンが即完するというのは見た目のインパクトによるものではなく、楽曲とライブのクオリティあってこそだということが改めてよくわかった。
1.FLY AGAIN
2.Get Off Of My Way
3.DANCE EVERYBODY
4.Emotions
5.Smells Like Teen Spirit
6.Raise your flag
7.My Hero
My Hero
https://youtu.be/yM6-QVxIXTs
13:00~ THE BACK HORN
ACIDMANとは互いにデビュー当初からの付き合いである、THE BACK HORN。栄純と松田はかつて大木とともにROCKIN'ON JAPANで連載を持っていたという間柄でもある。
おなじみの壮大なSEでメンバーが登場すると、松田と岡峰がリズムを刻み出して始まったのは、「光の結晶」。さらに「声」と畳み掛けると、松田による、やっぱり全く上手くならないたどたどしいACIDMANの20周年を祝うMCを経て、先日リリースされたベストアルバムに収録された新曲「グローリア」を披露。将司の男らしいボーカルに3人のコーラスが重なるという、4人の絆と、この4人でこのバンドの音楽を作ってきたという思いを感じさせるような曲だが、これがこの日のACIDMANを祝福するという空気に実によく似合っていたし、THE BACK HORNがそうした曲を作っても違和感がなくなったということに2バンドの歩みの長さを感じる。
THE BACK HORNはこうしたフェスなどの短い時間のライブでもバラードと言えるようなタイプの曲を1曲は挟んでくるバンドで、近年はそうしたタイプの曲をシングルでリリースしてきたし、ライブにおいては「美しい名前」というそうしたタイプの名曲をよくフェスなどでも演奏しているのだが、この日演奏されたのはそうしたタイプの曲では初期の曲と言える「空、星、海の夜」。
最初に演奏された「光の結晶」もそうだったが、こうした初期の曲をこの日のライブで聴くと、かつてデビュー当時によく一緒にライブをやっていた頃の思い出や匂いが曲に染み込んでいるのだろうな、と思う。そう思わせてくれるのはやはりずっと一緒に歩んできたバンドならでは。
「祝福しようぜー!」
と将司もテンションが上がりまくった状態で突入したのは全く祝福感のない「コバルトブルー」だが、前に出演した2バンドに比べるとややアウェー感もあった空気はどこへやら、アリーナ前方ではダイバーも次々に発生し、ここがまるでいつもライブを行なっているライブハウスであるかのよう。
そしてラストは将司がテンション上がりすぎて歌詞をべらんめえ口調にして歌った「刃」で力強いコーラスを轟かせ、演奏が終わると松田が改めて
「ACIDMANがいてくれて本当に良かった!」
とともに切磋琢磨してきた間柄だからこその言葉を語り、ステージを去っていった。
他の出演者は当たり前のようにこのキャパでワンマンをやっているような、アリーナクラスのバンドたちばかりだが、武道館でのワンマン経験こそあるとはいえ、THE BACK HORNはそこまでは達していない。だがこの日初めてスーパーアリーナでライブをやってるのを見て、アリーナクラスに立っても違和感がないバンドだということがよくわかった。そしてそれはこのバンドが初期の頃から備えていた要素であるということも。
1.光の結晶
2.声
3.グローリア
4.空、星、海の夜
5.コバルトブルー
6.刃
コバルトブルー
https://youtu.be/pKWDMOivgHM
14:00~ ASIAN KUNG-FU GENERATION
アリーナクラスでのアーティスト主催フェスの先駆けと言えば、アジカンのNANO-MUGEN FES。近年は開催されていないが、古くからの知り合いであるACIDMANのフェスに、招かれる側として出演。
メンバー4人に加えてシモリョーという5人編成と、パーマとヒゲによって子門真人のように見えるゴッチの顔も近年同様だが、ゴッチが着ている真っ赤過ぎるくらいに真っ赤な服(遠目から見るととっくりみたいに見えるし、ストレイテナーのホリエらに「そろそろ着替えたほうがいいんじゃない?」と言われたらしい)が観客の苦笑を引き起こす。
最近は最新シングルの「荒野を歩け」でスタートしていたが、この日は伊地知潔がリズムを刻み始めると、ゴッチと喜多のギターの音が重なっていく「サイレン」からスタート。ヒット曲とはいえ、決してフェスで毎回演奏されるような定番曲ではないこの曲を、持ち時間が短いこの日の、しかも最初に持ってきた意図とは一体。
ライブバージョンで再録された「Re:Re:」、コール&レスポンスとセッション(そこまで長めではない)を加えた「リライト」と、この2曲はライブ定番曲とはいえ、「サイレン」に続いて「ソルファ」の曲が続いたのは「ソルファ」の再録盤のリリースとそれを軸にした前回のツアーがあったからなのだろうか。ぴあのフェスなどで見たときはそういったイメージは抱かなかったけども。
「みんな、俺のことを見てクスクス笑うのはやめてくれない?(笑)」
と自身の出で立ちをネタに笑いを誘うと、
「まぁACIDMANはオシャレだからな。今日も大木君はビシッと決めてたし。でもみんな、大木君がハットを被ってないところって見たことないでしょ?付き合い長いけど、俺も見たことない(笑)今日はあの中から鳩が出てくるかもよ(笑)
でもみんな、仲良くね。喧嘩しないようにね。俺は喧嘩が今日の出演者の中で最弱だから、楽屋では和やかに過ごそうかなと(笑)TOSHI-LOWさんに殴られないように(笑)」
と、仲の良い出演者たちの名前も出しながらさらに爆笑を生み(フェスのゴッチのMCでここまで笑いが起こるのはかなり珍しい)、1曲目ではなくなった最新シングル「荒野を歩け」でこの日も喜多がここにきて過去最高のキレキレのギターソロを決めると、ラストはイントロで歓声が上がった「ソラニン」からの「今を生きて」というライブの締めとしておなじみの流れで終了。やはりお祝いの場だからか、ゴッチもメンバーたちも実に笑顔が多く見れたのが印象的だった。
しかしやはり好きなバンドなだけに、6曲という短さはかなり物足りなさを感じてしまうのも事実。(他のフェスでも近年はトリが多いので10曲以上は聴ける)
それだけに早くワンマンを見たいのだが、今年はあとはFEEDERとのスプリットライブと、年末のCDJくらいだろうか。
1.サイレン
2.Re:Re:
3.リライト
4.荒野を歩け
5.ソラニン
6.今を生きて
荒野を歩け
https://youtu.be/AbaGY7TWq8A
15:00~ the HIATUS
ACIDMANとの付き合いはELLEGARDEN時代からになるが、現在ツアーを行っているthe HIATUSとして細美武士は出演。
この日唯一、メンバーでサウンドチェックに登場し、「Clone」を1曲まるまる演奏するというサービスを見せてくれる。
本編ではおなじみの「The Flare」からスタートするのだが、さすがにツアー中ということでサウンドの迫力が夏フェスの時などとは段違い。
「Storm Racers」では柏倉がさらに細かいフィルを入れ、「Monkeys」ではmasasucksが従来よりもさらにギターを弾きまくっている印象すらある。
「ACIDMANとは昔、名古屋の小さいライブハウスで一緒にやったのが初めてだったんだけど、それがこんなに大きなところになったのは本当に凄いし、これだけのメンツが集まったのもなかなかできないことだろうなと思うよ。
付き合いは長いんだけど、あまり仲は良くなくて(笑)っていうのはよく知らないんじゃなくて、性格が合わない(笑)でも性格合わなくても仲間だから(笑)」
と細美はぶっちゃけつつ、
「最初はACIDMANに捧げようと思ったんだけど、それだとちょっともったいないので、この会場にいる同世代のバンドマン全員に捧げます」
と言って、細美のボーカルと伊澤のピアノだけという究極にシンプルな形で披露されたのは、1stアルバムに収録されていた「Little Odyssey」。他の1st収録曲は今でもライブで演奏されている曲も多いが、まさか今になってこの曲がライブで聴けるとは。そしてこの曲が本当に素晴らしくて、まるで海外のソロシンガーのライブをアリーナで見ているかのようだった。
「Insomnia」からは再びバンドの爆発力しかないような演奏がフルに発揮されながら、
「昔、一悟に右ストレートを思いっきり入れたことがある。あいつがチョークスリーパー入れてきたから(笑)
でもあいつはまともに喰らったのに倒れなくて。それからもっと強くなろうと思って体を鍛えてきました。そのきっかけをくれてありがとう。
またやって欲しいな。その時はまた呼んで欲しいな。そしたらACIDMANを友達だと思ってるやつは俺だけじゃない、って思えるから」
と言って、「紺碧の夜に」でダイバーが続出して終わるという、かなり初期の曲に特化した内容だった。
すでに各地をツアーで廻っているが、特になんのリリースもしていない、ツアーやりたいからツアーやる、みたいなツアーであるだけに様々な曲をやっているらしいし、それも各地で変えているという。メンバーのスケジュールなどの問題もあるのだろうが、フェスやイベントではほとんどやる曲が変わらないというバンドだったけれど、それもこれからは変わるのだろうか。そして来週の新木場STUDIO COASTでのワンマンはどんな内容になるのだろうか。
リハ.Clone
1.The Flare
2.Storm Racers
3.Monkeys
4.Silver Birch
5.Little Odyssey
6.Insomnia
7.Lone Train Running
8.紺碧の夜に
Storm Racers
https://youtu.be/nYFe6n1IbwI
16:00~ BRAHMAN
今回のイベントの先輩枠としての出演となるBRAHMAN。以前は逆にBRAHMANの20周年祭にもACIDMANは出演している。
ワンマンならずもはやフェスでもおなじみになりつつあるオープニング映像が映し出されると、先にTOSHI-LOW以外の3人がステージに登場し、KOHKIとMAKOTOが早くも暴れながら音を出し始め、「THE ONLY WAY」が始まるとTOSHI-LOWがゆっくりとステージに現れて歌い始める。
「ACIDMAN20周年!お祝い!するのは俺たちBRAHMAN始めます!」
とTOSHI-LOWが宣言すると、
「其処に立つ!」
という歌詞で繋がる「賽の河原」「BASIS」、高校野球の応援の曲として一躍有名になってしまった「SEE OFF」、TOSHI-LOWの社会への怒りに満ちた歌詞が乱射される「不倶戴天」と全く間を置くことなく曲が連発されていくのがこのバンドのスタイルだが、あまりに激し過ぎるのか、序盤はややアウェー感が強かったし、スタンドでは座って見ている人も多かった。
しかしながら「ANSWER FOR…」でTOSHI-LOWが客席に突入し、ダイブしていく観客にもみくちゃにされながら(時にはそういう客に鉄拳をお見舞いしながら)「警醒」、
「誰かがやらなくちゃいけない。その誰かになるのは、誰だ?」
と福島第一原発で作業している人たちの映像が映し出された「鼎の問」と曲が続くにつれ、スタンドでも立ち上がる人が増えていく。
そして客席の中でTOSHI-LOWによるMC。
「これだけ豪華なラインナップの中、一つだけ言っておきたいことがある。今がオシッコタイムです(笑)洋次郎もオシッコしてます(笑)
ACIDMAN、普段はサトマがアホ過ぎる、一悟は細美武士のサンドバッグだ、大木のあのハットの中には、う…薄毛じゃなくて、宇宙が詰まってるとかボロカスに言ってる(笑)
でも3.11以降だ。あのハットの中が見えたのは。あれからACIDMANは3.11は毎年福島でライブをやっている。俺みたいな汚い言葉じゃなくて、綺麗な言葉で誰にでもわかるように、原発のこと、戦争のこと、世界のことをインタビューで言ってる。それを美しい曲にしてる。そんな奴らは他にいない。
そんなバンドの20周年のお祭りに、俺たちを仲間として呼んでくれてありがとう。
最後に、大木のリクエスト。この曲を選ぶなんて、やっぱり仲間想いだね」
と言った頃には会場は完全にBRAHMANの空気に持っていかれていた。一切のアウェー感が消えていた。みんな本当に強くTOSHI-LOWに、バンドに拍手していた。
そしてステージに戻ったTOSHI-LOWの横に現れたのは、the HIATUSとしてライブを終えたばかりの細美武士。ということは最後に演奏されたのは、細美がコーラスで参加している最新シングル「今夜」。
「ああ今夜 終わらないで ああ今夜 終わらないで」
というフレーズはまさにこの日の夜のようなことを言うんだろうな、と思いながら聴いていると、声を重ねていたTOSHI-LOWと細美武士が曲終わりでガッチリと握手をしてから抱き合った。それは本当に美しい光景だった。
原発のことや戦争のことなど、ACIDMANとBRAHMANは(というか大木とTOSHI-LOWは)同じ意志を共有している。しかしそのやり方は全くと言っていいほど真逆(だからこそ細美武士は性格が合わないと言うのだろう)である。
でも真逆だからこそ、補い合うことができる。TOSHI-LOWはその行動で、大木はその言葉や思考で人を動かせることができる。お互い、そういう部分を信用しているから、こうして深い付き合いができているのだと思う。
しかしBRAHMANはフェスにおいては非常にジョーカー的というか、実に難しいバンドである。何故なら震災以降は特に、他の出演者を喰ってしまうくらいに、毎回ベストアクトをかっさらっていってしまうから。この日もそうだった。やはりこのバンドは肉体的にも精神的にも音楽的にもあまりに強過ぎる。
1.THE ONLY WAY
2.賽の河原
3.BASIS
4.SEE OFF
5.BEYOND THE MOUNTAIN
6.不倶戴天
7.ANSWER FOR…
8.警醒
9.鼎の問
10.今夜 feat.細美武士
今夜
https://youtu.be/G4LUegu-yVc
17:00~ RADWIMPS
BRAHMANとは対照的に後輩枠のRADWIMPS。春にはこの会場でワンマンを行なったのも記憶に新しい。
この日も森瑞希と畑利樹のツインドラム編成、SEでイントロが流れるとそのまま映画「君の名は。」のオープニングテーマ的な役割を担った「夢灯籠」でスタートし、「前前前世」という「君の名は。」で全国の人々に改めてこのバンドを知らしめた曲が続くというのは最近のフェスでの定番のパターン。洋次郎は最初は自分たちの物販のキャップを着用していたが、割と早い段階で取れていた。
テンポが高速化された「05410-(ん)」では会場が揺れまくり、もはやこれはRADWIMPSのワンマンなのだろうか、という錯覚にすら陥る。実際今のRADWIMPSにはそれくらいの力がある。
「ACIDMANは東芝EMIっていう当時のレーベルの先輩で。本当にずっと大好きなバンドでした。そんなバンドの20周年のお祝いに参加することができて本当に幸せです。
そして僕らもまさに今日がメジャーデビュー12周年の記念日です。こんな偶然ってあるんだなって思ってます!」
と先輩の記念と自分たちの記念日が図らずも同じになったことを告げると、洋次郎がギターからピアノにスイッチして歌う「棒人間」でそれまでの狂騒感から、じっくり歌詞のメッセージとメロディの美しさを聴かせる。
しかしそこからはやっぱりお祭りとしてはっちゃけるべく、
「埼玉のDADAっ子たちは準備よろしいかの!?」
と「DADA」で爆音ミクスチャーロックが会場を揺らしまくり、桑原も武田もステージを動き回りながら演奏。
さらに「おしゃかしゃま」では間奏部分でおなじみのセッションが展開されるのだが、これがいつにも増して凄まじかった。特に武田のベースはこれだけの強者が集まったフェスでも随一の力強さと安定感を感じさせ、洋次郎が指揮することで下手の武田と森、上手の桑原と畑のチームに分かれて音を出したり止めたり大きくしたり小さくしたりという圧巻のセッション。持ち時間を考えるとかなり長めではあったが、やはり長い本数かつ内容の濃いツアーを経たことで、バンドのグルーヴやアンサンブルは過去最高クラスにまで研ぎ澄まされている。洋次郎も指揮しながら飛び跳ねまくり、実に楽しそうだった。
そしてあっという間のラストは会場中に手拍子が鳴り響く「いいんですか?」だが、洋次郎は歌詞を
「こんなにACIDMANが好きでいいんですか!?」
と変えて叫び、自分たちは今日はあくまで祝う側であるという立場を明確にしながらも会場全体で合唱し、幸福な一体感に包まれて終了した。
今年はいろんな場所でRADWIMPSのライブを見ることができたが、おそらく年内はこれが最後。これだけバンドの状態が良い段階でライブの間隔が空くのはもったいない気もするが、すでに新しい曲を作っているという動きもあるだけに、来年はまたいろんなところでライブが見れる予感がしている。
今年リリースした「サイハテアイニ」はビックリするくらいにライブでやっていないけれど。
1.夢灯籠
2.前前前世
3.05410-(ん)
4.棒人間
5.DADA
6.おしゃかしゃま
7.いいんですか?
前前前世
https://youtu.be/PDSkFeMVNFs
18:00~ Dragon Ash
ACIDMANとは同世代であり、交流が深いとはいえ、シーンへの登場のタイミングと属していた場所が全く違うため、この日の出演者の中では突出した存在に感じるDragon Ash。
先にダンサーATSUSHIとDJ BOTSがステージに登場して音を鳴らし始めると、次々にメンバー達がステージに合流。もはやユニフォームとも言える緑のジャケットで揃え、最新アルバム「MAJESTIC」の「Stardust」からスタートし、ラウドな「Mix it Up」、キャッチーなメロディが光る「Ode to Joy」と「MAJESTIC」の前半3曲を連発するという完全に最新モード。
2010年の「MIXTURE」以降は新たな音楽性を取り入れるというよりも、文字通りに自分たちのど真ん中であるミクスチャーロックを鳴らすという方向に振り切っているし、「MAJESTIC」はそういう意味でも実にDragon Ashらしいアルバムだが、やはりフェスという他のバンド目当ての人もたくさんいる場だからか、リアクションは薄めなのは仕方がないところだろうか。
しかしながら「Ode to Joy」の後半でkjが
「ACIDMANに、ロックバンドとしての証明を!」
と叫ぶと、kjが続いて歌い始めたのはなんとACIDMANの「ある証明」。もうkj自身が脳内に焼き付いているくらいにこの曲を聴いてきたんだろうな、と思えるくらいにその歌には全く違和感がなかったし、音数がACIDMANよりはるかに多いDragon Ashの編成で演奏された「ある証明」にはACIDMANのものとはまた違う迫力があった。
kenkenがそのベーススキルを存分に見せつけながら自身がメインボーカルを務める「The Live」はもはやライブの定番曲になっているが、この曲はkenkenがバンドに参加しなければ生まれていなかった、ということを考えると、バンドが続ける道を選んだのは絶対に間違っていなかったと思える。
「MAJESTIC」の中でも享楽的なサウンドで文字通り飛び跳ねさせる「Jump」を披露すると、
「メンバー変わらず20年。死ぬほど拍手してあげて!色んなことあって、色んな景色見て。これから20年続くバンドは増えるかもしれないし、減るかもしれない。でもロックバンドがやることは同じ。板の上で毎日這いつくばるだけ」
とACIDMANとロックバンドへの最大級の賛辞を送る。そこにはDragon Ash自身が同じメンバーではバンドを続けてこれなかったこと、今まで出会ったたくさんのバンドがいなくなっていってしまったことなど、数え切れないくらいに多くのバンドと関わって、革命的な大ブレイクやそれによる諍いや対立、メンバーとの別れなど、いろんなことがありながらも続けてきたこのバンドだからこそ絶大な説得力があった。
そしてラストはやはり「Fantasista」で大合唱とダイバーが入り混じる中、
「人間だって、宇宙人だって、もしかしたら狼だって同じかもしんないよ!?」
とkjが叫ぶと、MAN WITH A MISSIONからトーキョー・タナカがステージに乱入し、さらには10-FEETのTAKUMAとACIDMANの一悟までもがステージに出てきて踊りまくる。とりわけ一悟はステージど真ん中でリズムに合わせたオリジナルの振り付けを披露して最も目立っていたが、まるでフェスのトリでのアンコールを見ているかのようなこのオールスター感は、ACIDMANだけではなく、Dragon Ashがたくさんの仲間達から本当に愛されていることを物語っていた。
演奏が終わると、
「タナパイ、一悟、それからえっと…あの人は…TAKUYAさん!」
とTAKUMAをいじって全員がズッコケるというドリフ的なエンディングもまたこのバンドがたくさんの人たちに愛される所以。
1.Stardust
2.Mix it Up
3.Ode to Joy ~ ある証明
4.The Live
5.Jump
6.Fantasista feat.浦山一悟、TAKUMA、トーキョー・タナカ
Ode to Joy
https://youtu.be/WkbWtTkRXJ4
19:00~ ストレイテナー
長い1日も終わりの時間が徐々に近づいてきている。トリ前を担うのはストレイテナー。ACIDMANとは何度もコラボしたり対バンしたりしている、最大の盟友バンドと言っていい存在である。
4人が登場すると「ROCKSTEADY」からスタートし、さらに「シーグラス」と新旧の代表曲が続く。ひなっちは最初はメガネを着用していたが、後半にはいつの間にかかけていなかった。
「ACIDMAN、20周年おめでとうございます!俺たちも来年20周年を迎えるんだけど、俺たちはフェスはできないな~と思って。だからトリビュートアルバムを出したんだけど、今日はアジカン、ACIDMAN、THE BACK HORN、細美君っていうアルバム参加者がいて。もう俺たちのためのフェスだよね(笑)
そのトリビュートアルバムで、ACIDMANがカバーしてくれた曲を。もうACIDMANの曲でしかないカバーになってたんだけど」
とホリエがピアノに移動しながら口にして演奏されたのは、「SIX DAY WONDER」。テナーのトリビュートアルバムはgo! go! vanillasやMy Hair is Badという若手バンドが曲を大胆に自分たちの色に再構築したのとは対照的に、同世代のバンドはオリジナルに忠実なカバーになっていたのだが、その中にあってACIDMANがカバーしたこの曲は本当にACIDMANでしかない、というか、Second Lineと題してアコースティック編成でも活動してきたバンドだからこそできるカバーになっていて、テナー自身もそこから間違いなく刺激をもらっているのだろう。
さらに「シンクロ」と聴かせる曲が続くと、
「なんで俺たちがトリ前なんだろう?って思ったんだけど、他のメンツが濃すぎるから一回ここでフィルターをかけて、会場をACIDMANの空気にしておかないといけない(笑)」
とシンペイが解説し、
「20年と言っても、それは1日1日積み重ねたものがあるから」
とホリエが続けて、ひなっちのゴリゴリのベースが響く「DAY TO DAY」から、ラストはこの季節にぴったりな「冬の太陽」でそのバンドアンサンブルを最大限まで引き上げて終了し、4人はいつものようにステージ前まで出てきて肩を組み、ACIDMANへバトンを渡した。
この日の出演者のうち、10-FEETは京都大作戦、アジカンはNANO-MUGEN、MAN WITHとDragon AshはBowline、BRAHMANは尽未来祭と、主催フェスを行なったバンドはいるが、そのフェスではこのメンツは揃わなかったし、細美武士とRADWIMPSはフェスを主催するタイプではない。
つまり、このメンツが揃う可能性があるとしたら、ストレイテナーかTHE BACK HORNがフェスをやるしかないのだが、各バンドとの関係性から、やるとしたらストレイテナーだろう。来年、20周年記念フェスをこの日と同じ出演者で、トリとトリ前の順番だけ入れ替えて開催しても誰も文句は言わないだろうな、という空気がここまでですでに出来上がっていた。
1.ROCKSTEADY
2.シーグラス
3.SIX DAY WONDER
4.シンクロ
5. DAY TO DAY
6.冬の太陽
シーグラス
https://youtu.be/7Gg1PvKYF4c
20:00~ ACIDMAN
いよいよこの日の主催者であるACIDMANが1日を締めくくるべくステージへ。前説を務めたBOO(MTVなど)が最後まで残った満員の観客の光景に涙してしまうという一幕もありながら、会場にSEの「最後の国」が流れると、凄まじい音量の手拍子がピッタリと揃って鳴り響く。これだけ超豪華な出演者が揃ったこの日でも、みんなACIDMANの登場をずっと待っていたのである。
3人がステージに現れて音を鳴らし始めると、スクリーンには星のような球体が音が徐々に大きくなるにつれて大きくなっていく。その様子から最初はじっくり聴かせるような曲で始まるかと思いきや、その空気を一閃するように始まったのは「新世界」。
「今日世界は生まれ変わる」
というサビがこの日の象徴のように響き、勇壮なコーラスを会場全体が合唱している。もう冒頭から完全に会場はACIDMANの空気でしかなく、のっけからエモーションが炸裂しまくっている。
ダンスビートに合わせて星が降り注ぐかのようにミラーボールが回り出した「FREE STAR」は今やACIDMANの事務所の名前になるくらいに大切な曲になっているが、大木の歌も、サトマと一悟のリズムも本当に息ぴったりで素晴らしい。素晴らしいバンド達が繋いできたバトンがバンドの力をさらに増幅させている。
「みんな、疲れたでしょ?(笑)俺も正直疲れてます(笑)
だから普段は、自由に楽しんで!って言うんですけど、今日だけは、疲れていてもそれを忘れるくらいに、思いっきり楽しんでください!」
と大木が主催者としての挨拶的なMCをすると、この記念イヤーに世に放たれた「ミレニアム」で最新のバンドの形(それはずっと変わらない形でもある)を見せつつ、10-FEETがカバーした「赤橙」の本家バージョンで改めてこの曲の名曲っぷりを感じさせる。
壮大なバラードもACIDMANの大きな武器の一つだが、
「その手を離さないでいて」
というフレーズが強く頭に残る「最後の星」から、
「何回世界を、星を、国を終わらせてんだってバカにされてきたし、今もバカにされてるかもしれない。でも俺にはこれしか歌えないんです。20年間ずっと同じことを歌ってきたんです。そういう自分の曲を聴いて、共感してくれる人が増えてきて。
好きで始めた音楽なのに、色々キツいこともあるけど、キツい表情で歌ってるのは、みんなに笑顔になって欲しいからなんです」
と大木が自分たちが音楽をやる理由を真摯に言葉にして、会場から大きな拍手が上がってから演奏された「世界が終わる夜」を演奏すると、ステージでは何やらスタッフたちが慌ただしくセッティングをしている。すると大木も、
「今日、たくさんのバンドが出てくれましたけど、あと2人呼びたい人がいます!俺たちが喧嘩して解散しそうになった時に止めてくれた、俺たちの恩人です!この人たちがいなかったら俺たちはここにいません!」
と紹介してステージに登場したのは、東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦と加藤隆志。谷中が
「ACIDMAN、20周年おめでとうー!」
と叫んで始まったのは、先ほどDragon Ashがカバーし、大木も「自分たちの中で本当に大切な曲」とインタビューで語っていた「ある証明」。それを加藤とのツインギター、さらには谷中のサックスが加わったスペシャルバージョンで演奏。間奏の谷中のサックスでは大歓声が上がる素晴らしいコラボレーションとなったが、大木は
「2人以外にもGAMOさんや川上つよしさん、他のメンバーの方にも本当に感謝してます!」
と他のスカパラメンバーへの感謝も忘れずに口にしていた。
そうして最大値を突破したエモーションは「飛光」でさらに極まる。リリース当時は大木が歌いこなせないくらいに(よくサビで声がひっくり返っていた)難しかったこの曲も、今ではそんな心配が全くいらないくらい完璧に歌いこなせるくらいに大木はボーカリストとして進化を遂げている。
「今日はアンコールはやらないんだけど…。そうなの、やらないの。なんかイッチャン(LOW IQ 01)みたいな言い方になっちゃったけど(笑)
でも今日、呼びたかったけど呼べなかった先輩たちとかがみんな見に来てくれてて。このフェス、構想から3年かけて今日まで来れました。もし評判が良かったら、またやってもいいかなって思ってます」
と言うと、もう来年にもまたやってくれと言っているかのように割れんばかりの大拍手が起き、ACIDMANの壮大な美しいバラードの最高峰として、ファンの人気投票1位に輝いた「ALMA」では、
「さぁ降り注げ 心が消えてしまう前に」
というラストのサビ前のフレーズに呼応するかのように星型の紙が上から降り注ぐ。
このフレーズに顕著なように、ACIDMANの歌詞は全てがシステマチックになっていく世の中の動きに抗うかのように、人間の心みたいなもので溢れていたし、大木はひたすらにそれをステージ上から語りかけている。それこそが世界をもっと良いものに変えるんだということを信じて疑わないかのように。
そしてアンコールをやらない代わりに最後に演奏されたのはやはりずっとライブの締めに演奏されてきた「Your Song」。しかしこの日の「Your Song」がこれまでに聴いてきたどの日のものよりも素晴らしかったのは、スクリーンにこの日の参加者や出演者が開場から今に至るまでの時間を本当に楽しそうにしている映像(各出演者がこんなに無防備に写っている姿はそうそう見れない)が流れていたから。
ACIDMANはこういうことを今まではやらなかった。流れるとしたら、曲に合わせたアニメーションや、世界の美しい場所の映像だった。しかしこの日はこの会場にいた人たちの笑顔をひたすらに映していた。今、ACIDMANが最も大事にしているものが何なのかというのがわかるかのように。
渾身の演奏を終えると、
「こういう時によくやるやつやっていいですか?」
と言い、大木が呼び込むとこの日の全出演者が勢ぞろいし、写真撮影。完全に出番が終わって酔っ払ってる人も何名かいる中、一悟がマイクを取ると、
「最後に一つだけいいですか!?俺は今日、ずっと夢を見ているみたいだった。ここまで俺を連れて来てくれた大木伸夫、本当にありがとう!」
と叫んだ。きっとそれはサトマも同じだっただろう。
ACIDMANは不思議なバンドである。ずっと大木の思想と世界を歌ってきたし、大木が2人を引っ張っているという構図も変わらない。でもライブを見ると、絶対この3人じゃなきゃACIDMANは成立しないって思える。それで20年間全く変わらずに続いてきたバンドを他に知らない。
大木はそんな一悟を
「もういいから。わかった、わかった」
と至っていつも通りに軽く受け流していたけど(笑)
ACIDMANは近年はフェスでは厳しい集客の時もあるため、タイムテーブルが出た時は「ACIDMAN見ないで帰る人もたくさんいるんじゃないか?」と心配されていた。しかし蓋を開けたら、今日1番と言っていいくらいに満員だった。それがバンドに大きな力を与えていたようなライブだったし、これだけ豪華な出演者がいても主役になれるACIDMANというバンドの凄さと偉大さを改めて思い知らされた。
「メジャーでは破格の300円シングル」という、今思うとなんでそんな売り方だったんだろう?と思う「造花が笑う」で出会ってから15年も経った。節目のライブも何度も見たし、何度もこのバンドの素晴らしさを実感してきた。そう思えるような日がこれからもまだまだ続く。また25周年の時にはここで大きな花火を打ち上げるのを見てみたい。
1.新世界
2.FREE STAR
3.ミレニアム
4.赤橙
5.最後の星
6.世界が終わる夜
7.ある証明 feat.谷中敦、加藤隆志(東京スカパラダイスオーケストラ)
8.飛光
9.ALMA
10.Your Song
ある証明
https://youtu.be/uJkTEn9CqCI
今回、大木も「同世代」ということを意識したラインナップにしたことを語っていたが、青春パンクブームが終わり(10-FEETは割とその流れから出てきたバンドではあるが)、焼け野原みたいになったシーンに登場して、今もずっとロックシーンの最前線にいるのがこの世代のバンドたちである。
そのバンドたちと出会ったのは自分がまだ10代の高校生だった頃。その年代で出会ったバンドはとかく「青春の音楽」という枠に当てはめてしまいがちである。でもパンクではなく、このバンドたちの音楽を青春だと思ったことは一度もない。何故ならこうしてこのバンドたちは今でもロックシーン、ライブシーンのど真ん中を、全く立ち止まることなく進んでいるから。
そうしてまた次の日から我々は、何度でも息を深く吸い込むのだろう。
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