MONOEYES 「Dim The Lights Tour 2017」 @新木場STUDIO COAST 10/11
- 2017/10/11
- 23:41
the HIATUSと交互に活動し、TOSHI-LOWとのthe LOW-ATUSや弾き語りなどもガンガン行っているので、ライブもリリースも休みなく行っているようにすら見える、細美武士によるMONOEYES。
今年待望のセカンドアルバム「Dim The Lights」をリリースしての長い全国ツアーももはや終盤。夏フェスでもアルバムから数曲を披露していたりしていたが、ようやくアルバムの全てを生で味わうことができる。
今回の新木場STUDIO COASTは2daysで、前日はJOHNSON'S MOTORCARとの2マンだったが、この日はワンマン。一応位置付け的にはファイナルだが、この後には追加公演の福島と、完全にバカンスも兼ねているであろう沖縄も控えている。
19時を少し過ぎた頃、おなじみの「スターウォーズのテーマ」が流れ、メンバー4人がステージに登場し、それと同時にステージ背面にはバンドの巨大なロゴが下からせり上がってくる。
レーザー光線が当たる戸高がイントロのギターを弾き始めると、
「新木場ー!」
と細美が叫び、今年の夏フェスでも新曲でありながら着火剤的な役割を果たしていた「Free Throw」からスタート。スコットは早くもベースを立てて弾き、金髪の一瀬は笑顔でリズムを刻む。サビ前のキメの部分では細美と戸高がギターを抱えてジャンプを決めるのだが、細美が着地した時にはすでにサビの歌が始まっているタイミングなので、サビの一音目がマイクに入らないということが何度もあった。それでもこのキメのジャンプこそがロックバンドのライブで最もカッコいい瞬間だと思っているし、それを何度も見せてくれるMONOEYESは本当に絵になるバンドである。
1stの「A Mirage In The Sun」は「細美武士がまたパンクバンドを始めてくれた!」とELLEGARDEN時代からのファンや、キッズたちが歓喜するようなパンク要素の強いアルバムだったが、「Dim The Lights」では早くもそのパンク要素は減退し、グランジの影響を感じさせるギターを中心とした、オルタナティブなサウンドに。
「Reasons」はまさにそうした方向性を感じさせる曲だが、一転して「My Instant Song」ではメンバーとともに観客も飛び跳ねさせ、細美は
「2階ー!」
とコーラス部分では2階席にいる観客にまで合唱を求める。
「今日最初の、スコットが決めるぜー!」
と言ってボーカルをスコットに委ねて始まったのはそのスコットが手がけた「Roxette」だが、パンク要素が減退したと前述した「Dim The Lights」において最もパンクさを感じさせてくれるのが、この曲を始めとするスコットの曲たちである。そこにはALLiSTER時代から変わらないスコットの音楽の軸のようなものがあるし、ただの「細美以外のメンバーによる変化球的な曲」というクオリティをはるかに超えている。そして細美もスコットもさすがにツアーを重ねてきただけはあり、序盤から声に一切の不安は不要である。
「申し訳ないことに出演料は払えないんだけど、今日は俺たちの2枚目になるDVDの収録が入ってる。でもDVDになるからっていつもと変わらず、俺たちの生き様見せてやろうぜ」
とこの日のライブの様子がDVDになることを早くも告知するが、細美は言葉通りに「DVDになるからこれは避けて…」みたいなことは一切しない(だからこそ後半は下ネタも増えていた)し、観客もいつものMONOEYESのライブと全く変わらない、ダイバー続出の楽しみ方。それが「映像に映りたい」というものではなく、曲とバンドの力に導かれて飛んでいるということがダイブしていく観客の顔から良くわかる。
曲間に細美に呼びかける観客に対して、
「ブスとババアとバカばっかり(笑)」
といつものように毒づきながらも実に嬉しそうかつ楽しそうな顔をしているのは、この日はMC中にグビグビと何本も缶ビールを飲み干していたからかもしれないが、観客からイジられた一瀬が
「お父さん、次からの3曲は頑張って叩くからね」
と言って激しいツービートを打ち鳴らす「End Of The Story」では
「ぎゅうぎゅうに詰まってるように見えるけど、後ろの方は実は隙間があるっていうことを空間を作って見せてくれ」
と細美が言ったように大きなサークルが出現しつつ、スコットはベースを抱えたままで客席に飛び込み、「Parking Lot」でもはやきっちりと整理された音なんか必要ない、とばかりに突っ走り、「明日公園で」ではおなじみのスコットがベースを銃に見立てて戸高に向けてぶっ放すという楽しいアクションも見せてくれる。
「こうしてアルバムを出して、ツアーを回れて本当に楽しい。まぁアルバムを出さなくてもツアーは回れるのかもしれないけど。いつも言ってることだけど、人生の打ち上げをしよう」
とこの空間への愛おしさを語ってから演奏された「Two Little Fishes」ではTOSHI-LOW(BRAHMAN)が登場し、コーラスを務める。細美と顔を合わせながら戸高のマイクでコーラスをするのだが、その時の2人の顔が本当に嬉しそう&楽しそうだった。
決して昔からずっと一緒にいたというわけではないが、震災以降はお互い最も近い位置にいる存在になったと言える。そこにあるのは、BLとかではない、男同士の絆と友情。もう2人とも完全におっさんであるが、今でも青春を謳歌し続けているように見える。最後にはTOSHI-LOWはスコットとも肩を組んで歌っていた。
そのスコットボーカルの第2弾は「Carry Your Torch」とここはセンチメンタルな曲が続いたが、「Two Little Fishes」もこの曲も、歌詞を全く知らない状態でもみんなで歌えるコーラスパートがある。もはや観客の歌が入り込む余地が全くないthe HIATUSとはこの部分が全く違う。そこが細美武士の変わらぬメロディの美しさを改めて実感させてくれるし、こうしてMONOEYESの音楽を愛している人たちが確かにこの空間には溢れているということを証明してくれている。
一転してバンドが力強いサウンドを鳴らし始めると、
「まだまだ行けんだろ!」
と「Run Run」からは再びトップギアに入り、「Like We've Never Lost」ではついに細美がTシャツを脱いで上半身裸に。もうDVDのことはすっかり忘れているのだろうか。
この日第3弾のスコットボーカル曲は元々はカップリング曲だったがアルバムにも入った、パンクな「Borders & Walls」。もはや現在MONOEYESのパンクさを最も担っているのはスコットだと言い切ってしまってもいいくらいだが、この曲の盛り上がりぶりを見ていると、スコットの曲と存在がMONOEYESを「細美武士のバンド」ではなく「この4人のバンド」になっている最大の理由になっている。だから細美はスコットの背中を押し、ステージ中央でスコットに歌わせる。
「もう来年は絶対MONOEYESのアルバムは作らないけど(笑)、ライブはやります。また会えると思ってるから、必ず会いましょう」
と約束して、「Dim The Lights」のラストに収録された「3,2,1 Go」から、
「そういう世界があるなら行ってみたいと思った」
というサビのフレーズが、まさに今のこの場所が「行ってみたい世界」であることを実感させてくれる「グラニート」、そして細美の無邪気さ、子供らしさを感じさせる無垢でストレートな日本語歌詞(「Dim The Lights」唯一の日本語)の「ボストーク」で締め、特になんの演出もない、ただひたすらに楽曲を連発していくという、ある意味ではロックバンドとしての強さを最もわかりやすく証明するようにライブを駆け抜けて行った。
アンコールでは細美がアルバムを作る時に、
「お前らが喜んでくれるかな、って思いながらギター握ってレコーダーに向かって歌って。たまにはチンコ握って(笑)
スーパー賢者モードの方が絶対良いものができるからね。クリエイティブな仕事をしてる人はわかると思うけど。え?ちげーよ、お前らが喜んでくれるかな?って思いながらチンコ握ってねーよ!(笑)それはヤバいだろ!(笑)」
と得意の下ネタを交えて笑わせながら、
「SNSとかで「細美がこう言った」って書いても、ストリーミングとかネットの画面越しに見ても絶対伝わらないものが、ここにはある。だからまた現場でこうやって会いましょう」
と、最後にはこうしてライブハウスにこだわり続ける理由、年間数えきれないくらいにライブをやる理由を自身の口でしっかり語り、本日最後のスコットボーカルのALLiSTER「Somewhere On Fullerton」はもはや完全にMONOEYESの曲と言ってもいいくらいに他のスコットボーカル曲と変わらぬ熱量を持って響き、ラストの「Remember Me」では細美がマイクスタンドを手で握って、観客の顔に向き合って熱唱。その歌は、細美がただ上手いだけじゃなくて、人に伝える力を他の誰よりも持った、唯一無二のボーカリストであることを証明していた。
「引っ込んでまた出てきてっていうのもバカバカしいから」
と言いながらも一応ツアーファイナルということで、まさかのダブルアンコールに4人が登場。ライブが終わるのが名残惜しいのか、細美が3人に
「来年の夏にやりたいことは?」
と問いかけると、自身がやりたい線香花火を前日に戸高がスタッフと会場の外でやっていたという事実を知らされ、
「お前ら3人とも線香花火やったの?戸高だけ?ならいいけど、みんなして俺を仲間ハズレにしてやってたら、ワンツースリーフォーのカウントしても俺は絶対曲に入らないからな!(笑)
バンドはそういうところから壊れていくんだぞ!(笑)」
と、どこか可愛らしさすら感じるくらいのメンバーへの愛情を感じさせると、最後に演奏された「What I Left Today」では戸高がギターを置いて客席にダイブするという、ART-SCHOOLではまず見られない熱さを発揮し、最後に再び細美、スコット、戸高の3人がキメに合わせて楽器を抱えて大ジャンプを決めた。それはずっとこの目の裏に焼き付けておきたいくらいに美しい瞬間だった。
細美武士を好きな人と話すと、ELLEGARDENからずっと聴いてる人もいれば、エルレ以降は全く聴いてない人も、むしろエルレは好きじゃなかったけどHIATUSやMONOEYESから好きになった人など様々な人がいて、それぞれいろんな理由がある。そんな中で自分は幸運なことにエルレ時代からずっと細美武士という人間を見てこれたが、この男ほど「ああいう男になりたいな」と思う人はまずいない。実際に普通に生活していたらなれるわけはないんだけど、細美がライブハウスへの愛情を口にすると、自分でもライブハウスが本当に愛しい場所に思えてくる。
そして、これは1stのツアーの時にも感じたことであるのだが、MONOEYESを始めてからの細美は何かから解放されたかのように本当に楽しそうにバンドをやっている。その姿を見ていると、こっちまで楽しくなってくる。そうしてまたこうしてこの楽しくて仕方ない場所に来たくて仕方がなくなるのだ。
1.Free Throw
2.Reasons
3.My Instant Song
4.Roxette
5.Leaving Without Us
6.When I Was A King
7.Get Up
8.End Of The Story
9.Parking Lot
10.明日公園で
11.Two Little Fishes
12.Carry Your Torch
13.Run Run
14.Like We've Never Lost
15.Borders & Walls
16.3,2,1 Go
17.グラニート
18.ボストーク
encore
19.Somewhere On Fullerton
20.Remember Me
encore2
21.What I Left Today
Two Little Fishes
https://youtu.be/iDTc2lP-Tbw
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今年待望のセカンドアルバム「Dim The Lights」をリリースしての長い全国ツアーももはや終盤。夏フェスでもアルバムから数曲を披露していたりしていたが、ようやくアルバムの全てを生で味わうことができる。
今回の新木場STUDIO COASTは2daysで、前日はJOHNSON'S MOTORCARとの2マンだったが、この日はワンマン。一応位置付け的にはファイナルだが、この後には追加公演の福島と、完全にバカンスも兼ねているであろう沖縄も控えている。
19時を少し過ぎた頃、おなじみの「スターウォーズのテーマ」が流れ、メンバー4人がステージに登場し、それと同時にステージ背面にはバンドの巨大なロゴが下からせり上がってくる。
レーザー光線が当たる戸高がイントロのギターを弾き始めると、
「新木場ー!」
と細美が叫び、今年の夏フェスでも新曲でありながら着火剤的な役割を果たしていた「Free Throw」からスタート。スコットは早くもベースを立てて弾き、金髪の一瀬は笑顔でリズムを刻む。サビ前のキメの部分では細美と戸高がギターを抱えてジャンプを決めるのだが、細美が着地した時にはすでにサビの歌が始まっているタイミングなので、サビの一音目がマイクに入らないということが何度もあった。それでもこのキメのジャンプこそがロックバンドのライブで最もカッコいい瞬間だと思っているし、それを何度も見せてくれるMONOEYESは本当に絵になるバンドである。
1stの「A Mirage In The Sun」は「細美武士がまたパンクバンドを始めてくれた!」とELLEGARDEN時代からのファンや、キッズたちが歓喜するようなパンク要素の強いアルバムだったが、「Dim The Lights」では早くもそのパンク要素は減退し、グランジの影響を感じさせるギターを中心とした、オルタナティブなサウンドに。
「Reasons」はまさにそうした方向性を感じさせる曲だが、一転して「My Instant Song」ではメンバーとともに観客も飛び跳ねさせ、細美は
「2階ー!」
とコーラス部分では2階席にいる観客にまで合唱を求める。
「今日最初の、スコットが決めるぜー!」
と言ってボーカルをスコットに委ねて始まったのはそのスコットが手がけた「Roxette」だが、パンク要素が減退したと前述した「Dim The Lights」において最もパンクさを感じさせてくれるのが、この曲を始めとするスコットの曲たちである。そこにはALLiSTER時代から変わらないスコットの音楽の軸のようなものがあるし、ただの「細美以外のメンバーによる変化球的な曲」というクオリティをはるかに超えている。そして細美もスコットもさすがにツアーを重ねてきただけはあり、序盤から声に一切の不安は不要である。
「申し訳ないことに出演料は払えないんだけど、今日は俺たちの2枚目になるDVDの収録が入ってる。でもDVDになるからっていつもと変わらず、俺たちの生き様見せてやろうぜ」
とこの日のライブの様子がDVDになることを早くも告知するが、細美は言葉通りに「DVDになるからこれは避けて…」みたいなことは一切しない(だからこそ後半は下ネタも増えていた)し、観客もいつものMONOEYESのライブと全く変わらない、ダイバー続出の楽しみ方。それが「映像に映りたい」というものではなく、曲とバンドの力に導かれて飛んでいるということがダイブしていく観客の顔から良くわかる。
曲間に細美に呼びかける観客に対して、
「ブスとババアとバカばっかり(笑)」
といつものように毒づきながらも実に嬉しそうかつ楽しそうな顔をしているのは、この日はMC中にグビグビと何本も缶ビールを飲み干していたからかもしれないが、観客からイジられた一瀬が
「お父さん、次からの3曲は頑張って叩くからね」
と言って激しいツービートを打ち鳴らす「End Of The Story」では
「ぎゅうぎゅうに詰まってるように見えるけど、後ろの方は実は隙間があるっていうことを空間を作って見せてくれ」
と細美が言ったように大きなサークルが出現しつつ、スコットはベースを抱えたままで客席に飛び込み、「Parking Lot」でもはやきっちりと整理された音なんか必要ない、とばかりに突っ走り、「明日公園で」ではおなじみのスコットがベースを銃に見立てて戸高に向けてぶっ放すという楽しいアクションも見せてくれる。
「こうしてアルバムを出して、ツアーを回れて本当に楽しい。まぁアルバムを出さなくてもツアーは回れるのかもしれないけど。いつも言ってることだけど、人生の打ち上げをしよう」
とこの空間への愛おしさを語ってから演奏された「Two Little Fishes」ではTOSHI-LOW(BRAHMAN)が登場し、コーラスを務める。細美と顔を合わせながら戸高のマイクでコーラスをするのだが、その時の2人の顔が本当に嬉しそう&楽しそうだった。
決して昔からずっと一緒にいたというわけではないが、震災以降はお互い最も近い位置にいる存在になったと言える。そこにあるのは、BLとかではない、男同士の絆と友情。もう2人とも完全におっさんであるが、今でも青春を謳歌し続けているように見える。最後にはTOSHI-LOWはスコットとも肩を組んで歌っていた。
そのスコットボーカルの第2弾は「Carry Your Torch」とここはセンチメンタルな曲が続いたが、「Two Little Fishes」もこの曲も、歌詞を全く知らない状態でもみんなで歌えるコーラスパートがある。もはや観客の歌が入り込む余地が全くないthe HIATUSとはこの部分が全く違う。そこが細美武士の変わらぬメロディの美しさを改めて実感させてくれるし、こうしてMONOEYESの音楽を愛している人たちが確かにこの空間には溢れているということを証明してくれている。
一転してバンドが力強いサウンドを鳴らし始めると、
「まだまだ行けんだろ!」
と「Run Run」からは再びトップギアに入り、「Like We've Never Lost」ではついに細美がTシャツを脱いで上半身裸に。もうDVDのことはすっかり忘れているのだろうか。
この日第3弾のスコットボーカル曲は元々はカップリング曲だったがアルバムにも入った、パンクな「Borders & Walls」。もはや現在MONOEYESのパンクさを最も担っているのはスコットだと言い切ってしまってもいいくらいだが、この曲の盛り上がりぶりを見ていると、スコットの曲と存在がMONOEYESを「細美武士のバンド」ではなく「この4人のバンド」になっている最大の理由になっている。だから細美はスコットの背中を押し、ステージ中央でスコットに歌わせる。
「もう来年は絶対MONOEYESのアルバムは作らないけど(笑)、ライブはやります。また会えると思ってるから、必ず会いましょう」
と約束して、「Dim The Lights」のラストに収録された「3,2,1 Go」から、
「そういう世界があるなら行ってみたいと思った」
というサビのフレーズが、まさに今のこの場所が「行ってみたい世界」であることを実感させてくれる「グラニート」、そして細美の無邪気さ、子供らしさを感じさせる無垢でストレートな日本語歌詞(「Dim The Lights」唯一の日本語)の「ボストーク」で締め、特になんの演出もない、ただひたすらに楽曲を連発していくという、ある意味ではロックバンドとしての強さを最もわかりやすく証明するようにライブを駆け抜けて行った。
アンコールでは細美がアルバムを作る時に、
「お前らが喜んでくれるかな、って思いながらギター握ってレコーダーに向かって歌って。たまにはチンコ握って(笑)
スーパー賢者モードの方が絶対良いものができるからね。クリエイティブな仕事をしてる人はわかると思うけど。え?ちげーよ、お前らが喜んでくれるかな?って思いながらチンコ握ってねーよ!(笑)それはヤバいだろ!(笑)」
と得意の下ネタを交えて笑わせながら、
「SNSとかで「細美がこう言った」って書いても、ストリーミングとかネットの画面越しに見ても絶対伝わらないものが、ここにはある。だからまた現場でこうやって会いましょう」
と、最後にはこうしてライブハウスにこだわり続ける理由、年間数えきれないくらいにライブをやる理由を自身の口でしっかり語り、本日最後のスコットボーカルのALLiSTER「Somewhere On Fullerton」はもはや完全にMONOEYESの曲と言ってもいいくらいに他のスコットボーカル曲と変わらぬ熱量を持って響き、ラストの「Remember Me」では細美がマイクスタンドを手で握って、観客の顔に向き合って熱唱。その歌は、細美がただ上手いだけじゃなくて、人に伝える力を他の誰よりも持った、唯一無二のボーカリストであることを証明していた。
「引っ込んでまた出てきてっていうのもバカバカしいから」
と言いながらも一応ツアーファイナルということで、まさかのダブルアンコールに4人が登場。ライブが終わるのが名残惜しいのか、細美が3人に
「来年の夏にやりたいことは?」
と問いかけると、自身がやりたい線香花火を前日に戸高がスタッフと会場の外でやっていたという事実を知らされ、
「お前ら3人とも線香花火やったの?戸高だけ?ならいいけど、みんなして俺を仲間ハズレにしてやってたら、ワンツースリーフォーのカウントしても俺は絶対曲に入らないからな!(笑)
バンドはそういうところから壊れていくんだぞ!(笑)」
と、どこか可愛らしさすら感じるくらいのメンバーへの愛情を感じさせると、最後に演奏された「What I Left Today」では戸高がギターを置いて客席にダイブするという、ART-SCHOOLではまず見られない熱さを発揮し、最後に再び細美、スコット、戸高の3人がキメに合わせて楽器を抱えて大ジャンプを決めた。それはずっとこの目の裏に焼き付けておきたいくらいに美しい瞬間だった。
細美武士を好きな人と話すと、ELLEGARDENからずっと聴いてる人もいれば、エルレ以降は全く聴いてない人も、むしろエルレは好きじゃなかったけどHIATUSやMONOEYESから好きになった人など様々な人がいて、それぞれいろんな理由がある。そんな中で自分は幸運なことにエルレ時代からずっと細美武士という人間を見てこれたが、この男ほど「ああいう男になりたいな」と思う人はまずいない。実際に普通に生活していたらなれるわけはないんだけど、細美がライブハウスへの愛情を口にすると、自分でもライブハウスが本当に愛しい場所に思えてくる。
そして、これは1stのツアーの時にも感じたことであるのだが、MONOEYESを始めてからの細美は何かから解放されたかのように本当に楽しそうにバンドをやっている。その姿を見ていると、こっちまで楽しくなってくる。そうしてまたこうしてこの楽しくて仕方ない場所に来たくて仕方がなくなるのだ。
1.Free Throw
2.Reasons
3.My Instant Song
4.Roxette
5.Leaving Without Us
6.When I Was A King
7.Get Up
8.End Of The Story
9.Parking Lot
10.明日公園で
11.Two Little Fishes
12.Carry Your Torch
13.Run Run
14.Like We've Never Lost
15.Borders & Walls
16.3,2,1 Go
17.グラニート
18.ボストーク
encore
19.Somewhere On Fullerton
20.Remember Me
encore2
21.What I Left Today
Two Little Fishes
https://youtu.be/iDTc2lP-Tbw
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