氣志團万博2017 ~房総与太郎爆音マシマシ、ロックンロールチョモランマ~ day2 @袖ヶ浦海浜公園 9/17
- 2017/09/18
- 20:31
氣志團ならではの独特のラインアップとエンタメ性の高い雰囲気によって、アーティスト主催フェスの中でも異彩を放っている、氣志團万博。今年も氣志團の地元である千葉県の袖ヶ浦海浜公園にて2days開催。
この日は2日目だが、朝から雨が降りしきるという厳しいコンディション。客席の芝生が長めであるだけに泥沼にこそならないが、雨に加えて風も強いというライブを見るにはかなり厳しい状況である。なのでこの状態で入場列が進むのにかなり時間がかかり、立ったままで長い時間待ち続けるのは改善の余地ありだと思われる。(入り口が少なすぎる)
会場はメインステージのYassai Stage(フェスには珍しくステージ中央から花道が伸びている)、セカンドステージのMossai Stageという2ステージ構成。飲食ブースもフェスでおなじみの店から千葉の食材を使った店、さらには綾小路翔がプロデュースするmasuraoなど、他のフェスとは一味違った風景が見れる。
10:15~ レイザーラモンRG [OPENING CEREMONY ACT]
いわゆる開会宣言アクト、前日の初日は千葉県民にだけは有名なローカルタレントのJAGUARだったが、この日はあるあるネタでおなじみのレイザーラモンRG。
本人公認の細川たかしのモノマネ、こぶしたかしのキャラとして登場し、「北酒場」を歌い上げると、2番では
「料理になんでもあさりをぶちこみがち」
と木更津あるあるを披露、さらになぜかX JAPAN「ENDLESS RAIN」で
「フェスで買ったTシャツは寝巻きになりがち」
とフェスあるあるを披露、そして細川たかし「浪花節だよ人生は」(「細川たかしさんの他の曲知らないでしょ」という理由で)で最後に
「朝はめちゃ雨降るけど、午後から止みがち」
と、そうなったら嬉しいなという(実際にこの時はなぜかほとんど止んでた)氣志團万博あるあるを披露して開会宣言をしたが、雨は最後まで止むことはなかった。そして花道の先端からステージ下に下降していくという退場の仕方は間違いなくこのフェスでしかできないものであろう。
10:30~ ゴールデンボンバー [Yassai Stage]
このフェスが他のフェスと違うのは、すべてのアーティストのライブ前にスクリーンに紹介VTRが流れるというところである。基本的に綾小路翔がそのアーティストをなぜ氣志團万博に呼んだのか、どういう部分を評価しているのか、というのを面白エピソードを交えながら語るというものなのだが、出演者によっては氣志團万博に向けての事前インタビューも流れる。
各地のフェスでもトップバッターとして賑やかしまくってきたゴールデンボンバーは紹介VTRで鬼龍院翔が
「やっぱり原点であるロックバンドっていう部分に立ち返りたい」
と真面目に話しているのだが、その後ろでメンバーが1人ずつ全裸で逆立ちしていくというとんでもない映像に。最後には当然鬼龍院翔も全裸になり、綾小路翔に
「女々しくないイチモツ」「全裸になることルーキーのごとし」
と一切音楽に関係ない部分を評価されていた。ちなみにゴールデンボンバーは毎年このVTRに命をかけているくらいの熱量で、自分たちで絵コンテを書いてどんなVTRを作りたいかをプレゼンしてくるという。
そんな紹介VTRの後に「CDが売れないこんな世の中じゃ」の爆音サウンドが流れる中でメンバーが登場すると、雨が降る中で4人とも女性用水着を着ているという、出オチにすらなりかねない出で立ち。思わずメンバーも「寒い」と口にしてしまう。
メンバー紹介では歌広場淳がこの会場から10分くらいの場所に実家があるという千葉県民っぷりを明かし、「抱きしめてシュバルツ」では最近チーズフォンデュにハマっているという喜矢武豊が自身のピックとギターをチーズフォンデュにつけて食べ、最後には鬼龍院翔に顔面をチーズフォンデュに叩き込まれる。
かと思えば「AV男優を兼業していて、女性が喜ぶプレイを開発した」と早くもヤバい匂いを漂わせていた樽美酒研二は自身のパンツに密着させたダッチワイフを風車のようにグルグル回転させる(花道まで出てきてやっていた)という確実に放送できないパフォーマンスを展開。なぜこれをやろうと思ったのか全くわからないが。
そのあとはメンバーも踊り、観客はヘドバンし、喜矢武は2拍だけギターソロを弾くというおなじみの展開から「女々しくて」で飛び跳ねさせまくり、この日もトップバッターとして見事に観客を盛り上げまくった。しかし先週見たばかりだというのにここまでガラッと全く違うパフォーマンスができるというのは、彼らの引き出しは無尽蔵なのだろうか。
1.CDが売れないこんな世の中じゃ
2.抱きしめてシュバルツ
3.トラウマキャバ嬢
4.ザ V系っぽい曲
5.女々しくて
女々しくて
https://youtu.be/vvepe04Dbh4
11:10~ UNISON SQUARE GARDEN [Mossai Stage]
紹介VTRで「氣志團も所属するSony Music Artistsの稼ぎ頭なのでこれから全力で縋っていきたい」「田淵は先輩を立てたりとか上下関係を全く気にしないからヤンキー界では生きていけない」など、普段のライブではなかなか見えないユーモアを見せていた、というか無理矢理見せられていたUNISON SQUARE GARDEN。Mossai Stageのトップバッターとして登場である。
やはり雨が降りしきる中だったのでステージ上には雨避けテントも設置される中、おなじみのイズミカワソラ「絵の具」のSEで登場すると、いきなり田淵が激しく動き回りながらベースを弾く「場違いハミングバード」でスタート。どうやら田淵には雨は一切関係ないみたいだが、斎藤は真正面から雨を受けながら歌うという状況のためにいつもよりは歌いづらそうな感じもあった。髪が濡れていく様は女子のファンにはたまらないものがあったかもしれないけど。
代表曲「オリオンをなぞる」から最新シングル「10%roll,10%romance」へ。今年はフェスにあまり出なかったために野外でこの曲を聴くのは今年最初で最後であるが、跳ねるリズムとキャッチーを突き詰めたような、いわゆるわかりやすいユニゾンのサウンドであるこの曲は早くもキラーチューンの1つになっている。
かと思えば「なんでこのタイミング、この持ち時間でこの曲?」という「crazy birthday」では田淵のみならず雨避けテントの下で若干窮屈そうな鈴木も立ち上がりながらドラムを叩き、かつコーラス部分を歌う。
「OKOK。もう逆に楽しくなってきた!」
とだけ斎藤が言い、この状況を楽しむ覚悟が整ったところなのにあっという間のラストはやはり「シュガーソングとビターステップ」で満員の観客を踊らせるとともに、改めてこの曲がこうした決してホームではない場所でもほぼすべての人たちに認知されているようなアンセム的な曲になったということを実感させてくれる。
割とユニゾンは捻くれているバンドというか、フェスでもそんなにみんなが聴きたい代表曲を連発するというタイプのバンドではないが、25分という短い時間でそうしたマスに求められていることと、自分たちのコアなファンにも満足してもらえることとのバランスを上手く取れるようになった感じがした。早くも発表された次なるシングルとツアー、その終着点である過去最大規模の幕張メッセワンマンは果たしてどんなものになるのか。いつも通りと言うだろうけど、やはり武道館もZeppとかの普段のライブハウスとは違っていただけに。
1.場違いハミングバード
2.オリオンをなぞる
3.10%roll,10%romance
4.crazy birthday
5.シュガーソングとビターステップ
10%roll,10%romance
https://youtu.be/jXDbGQxnedM
12:50~ KICK THE CAN CREW [Yassai Stage]
入場に時間がかかったことにより会場内を散策できなかったので、ユニゾン終わりに散策してから再びYassai Stageへ。雨はさらに強さを増している。
紹介VTRでは「同じ2001年デビュー組だけど、その中でもRIP SLYMEとKICK THE CAN CREWはドラフト1位、桑田と清原みたいな感じだった」「よくりっくん(LITTLE)とご飯食べにいくんですけど、彼はリアルヤンキーですからね。八王子ではめちゃ恐れられてる存在ですから。彼は八王子の狂犬で、僕らは木更津の狂犬病(笑)」と意外な一面を暴露されたKICK THE CAN CREW。今年は様々な夏フェスに出演してきたが、ついに房総に初上陸である。
中央のスクリーンには14年ぶりの最新作「KICK!」のリードトラックである「千%」のMVが映し出され、3人が登場してそのMVに合わせるようにラップを重ねていくが、
「経てからの、ここ」
という締めのフレーズからはソロ活動などを経てこの3人が再集結した決意と意識を強く感じる。
MCUが来年で45歳になる現在進行形での「地球ブルース」、3人のマイクリレーが楽しい「マルシェ」とかつての代表曲が続くと、Perfumeのマネをした自己紹介から「KICK!」とそれに伴うツアーの告知をし、
「ただCD買ってください、ツアー来てくださいじゃなくて、買いたくなる、来たくなる新曲を」
と言ってギュッと固まったフォーメーションで「千%」同様にMVが流れる中で披露されたのは「Summer Spot」。すでにライブでは毎回やっている曲になっているが、やはりこの曲はMV同様に晴れた空の下で聴くのが似合うだけに、この時ばかりは雨が止んで欲しかった、というくらいに止む気配は一切なく、むしろ強くなってきているくらい。
過去最高クラスの難易度の掛け合いである「Summer Spot」をやり切るとKREVAとMCUが「ドラクエやろう!」と言って帰ろうとするのをLITTLEが
「まだ何も終わっちゃいないぜ!」
と引き止めて「イツナロウバ」へ、というおなじみの流れから、ラストは「sayonara sayonara」から、観客が手を左右に振る大名曲「アンバランス」。その光景を見ながら、やはり夏の名曲が多いグループなだけに晴れた空の下で見たかった、と思うくらいに震えるほど寒かった時間だった。
1.千%
2.地球ブルース ~337~
3.マルシェ
4.Summer Spot
5.イツナロウバ
6.sayonara sayonara
7.アンバランス
千%
https://youtu.be/wFKvOPQyVL0
13:50~ WANIMA [Yassai Stage]
紹介VTRで綾小路翔が「ブルーハーツ以来の衝撃」「ライブ見て、誰が勝てるんだって思う」という最大級の賛辞を送った、WANIMA。
「JUICE UP!!のテーマ」のSEで元気良く登場し、観客にジャンプさせたり手を振ったりさせた後に「ともに」からスタートすると、先ほどまでの寒さはどこへ行ったのかと思うくらいに一気に客席が熱くなる。それくらいの爆音とその音に伴うような肉体性を感じさせるパンクサウンドが会場を支配していく。
「いいから」の後にはドラムFUJIの長渕剛のモノマネでの「One Night Carnival」というこの日ならではのパフォーマンス(めちゃ歌詞カード見てたけど)もあり、バンドの持つ魅力の一つである猥雑さを強く打ち出した「オドルヨル」、このフェスと観客への感謝を大合唱で告げる「THANX」と続くと、
「この歌をお守りに」
とおなじみの言葉で観客の背中を押しながら演奏されたのは「CHARM」。
早くもこれで終わりかと思いきや、トドメに演奏されたのはCMソングとして大量オンエアされていた「やってみよう」。WANIMAは今年も夏フェスに出まくっているが、そんな中でもしっかりやる曲をその場に合わせて変えている。実際自分が今年の夏フェスで3回見た中で、この曲は他の場所ではやっていなかった。KENTAを始めとしてメンバーは完全に天然児そのものだが、そのあたりの観客がマンネリしないための嗅覚のようなものは持って生まれたものなのだろうか。
そしてこうした他ジャンルのレジェンド級のアーティストが居並ぶようなフェスでもこのバンドはメインステージに立つようになった。綾小路翔が言うように、このバンドの存在は「パンクシーンの、いやロックシーンの、いや日本の音楽シーンの希望そのもの」。
1.ともに
2.いいから
3.オドルヨル
4.THANX
5.CHARM
6.やってみよう short ver.
CHARM
https://youtu.be/Ir3EFQg4H7I
14:30~ 水曜日のカンパネラ [Mossai Stage]
紹介VTRでは綾小路翔が「恋してます」とストレートに告白した、日本の音楽シーンの新しいミューズ、水曜日のカンパネラ。
しかしステージは茶色い幕のようなもので覆われており、コムアイはどこに?と思っているとスクリーンに映し出されたのは明らかにステージではない場所にいる派手な衣装を着たコムアイ。幽玄なサウンドスケープの「マルコ・ポーロ」が流れる中でコムアイが客席後方で踊りながら徐々に客席中央までやってくる。コムアイに群がることなく、むしろ道を開けていく観客の姿勢は見事だが、思わず道を開けざるを得ないオーラのようなものが出ているトランス状態だったのも確か。
6月末に配信された最新曲「えい政」(「えい」の漢字が出ない)では客席の外の海側に置いてあった茶色い布に包まりながら歌うという「?」が浮かび上がる前衛的すぎるパフォーマンスを展開すると、「一休さん」では最前ブロックの客席の柵の上に立って支えられながら歌い、ラストはさらにダンサブルにアレンジされた「桃太郎」でコムアイが球体の中に入って観客の上を転がりまくった。
綾小路翔をしても「次にライブやるのが非常にやりづらい」と言わしめるくらいの存在。この日はかなり攻めまくった内容となったが、他の夏フェスとは全く違うこの日のパフォーマンスはどんな方向性に向かうことを示唆しているのだろうか。
1.マルコ・ポーロ
2.えい政
3.一休さん
4.桃太郎
桃太郎
https://youtu.be/AVPgxn3xohM
15:00~ 氣志團 [Yassai Stage]
通常、アーティスト主催フェスというのは主催アーティストがトリを務めるのが普通なのだが、そこは普通のフェスではない氣志團万博。主催者の氣志團は前日のトップバッターに続き、この日はちょうど中盤に登場。この後に続くレジェンド達へ自分たちがバトンを渡すという役割を担おうということなのか。
学ランではなく応援団スタイルの出で立ちのメンバーが登場すると「デリケートにキスして」「ゴッド・スピード・ユー!」という初期の代表曲を連発。二日間の疲れを全く感じさせない綾小路翔のボーカルと早乙女光のダンス、そして安定感すら感じさせるバンドの演奏。
「鉄のハート」ではサポートドラムの叶亜樹良がドラムソロを叩いて歓声を浴びると、
「亜樹良にだけ良い格好はさせないわよ~!」
と言ってステージに現れたのは、病気によってバンドを休学中のドラマー・白鳥雪之丞。亜樹良の前で自身のドラムセットでドラムソロを披露するのだが、綾小路翔に「ブランク長すぎだろ!」と言われてスティックを取り上げられるという、かつては氣志團のサウンドの骨格を支えていた男がすっかりネタ要員と化している。
しかし雪之丞は演奏するメンバーとともに花道に歩き出して、ドラムはまだ満足に叩けないまでも観客に元気な姿を見せ、
「氣志團ちゃん20周年おめでとー!これからもよろしく!」
と言ってレイザーラモンRGと同じように花道からステージ下に降りていった。
そんなネタ的なシーンもありながらも、
「この街の歌を歌います!」
と言って綾小路翔がギター、早乙女光がトランペットという編成で「落陽」を演奏するという、実に音楽的なライブを展開。
そう、氣志團万博での氣志團のライブは、出演してくれた他のアーティストとあくまで音楽で渡り合うようなものになっていた。面白いパフォーマンスは他のライブでたくさんやっているし、ここに来る人たちはそういう氣志團の姿も見ているし、氣志團の音楽をちゃんと聴いている人たちばかりである。だからこそこの氣志團の始まりの場所で、氣志團のバンドとしての技術の高さと楽曲の良さをしっかりと示した。それが何よりも重要であるということをメンバーたちはしっかりとわかっていたと思う。
そして「One Night Carnival」ではダンサーに加えて氣志團のメンバーの着ぐるみまでも登場して一緒に踊り、最後は近年の氣志團屈指の名曲にして、氣志團万博のテーマ曲と言ってもいい「幸せにしかしねーから」。雨も氣志團の時だけはほとんど止んでいるという主催者マジックを起こしたが、こうしてここでいろんなアーティストのライブと、本気モードの氣志團のライブを見れる。それは本当に幸せなことだったし、これからも氣志團はこの曲でもっとたくさんの人たちを幸せにしていく。氣志團にはちゃんと自分たちの居場所であり帰る場所、音楽で勝負できる場所がある。それがこの場所。やはり主催者ということで、早くも中盤に訪れたクライマックスだった。
1.デリケートにキスして
2.ゴッド・スピード・ユー!
3.鉄のハート
4.落陽
5.One Night Carnival
6.幸せにしかしねーから
One Night Carnival
https://youtu.be/SJsx3FVudys
16:15~ ユニコーン [Yassai Stage]
紹介VTRに「お師匠さん、出番です」と書かれていたのはユニコーン。その理由は氣志團がメジャーデビューした時のプロデューサーにして、氣志團を世に送り出したのがこのバンドのキーボードのABEDONだからである。(ABEDONは「もう困った時にしか俺のとこに来ない」と言っていたけれど)
揃いのツナギを着たメンバーが登場して演奏を開始した後に、ハンドマイクを持った奥田民生が登場し、「服部」からスタート。その歌声の大きさと強さから気合いが入ってることがすぐにわかる奥田民生は雨が降りしきる中で花道を歩き回って歌うのだが、
「この曲長い!(笑)」
と曲後半には花道とステージを往復することに疲れ切ってしまうというベテランっぷりを見せる。
奥田民生がギターを弾きながら歌う壮大な「ひまわり」からは各メンバーがそれぞれボーカルを取る。凄腕ギタリストの手島いさむがギターをほとんど弾かずに脱力したボーカルに徹する「オーレオーレパラダイス」、EBIが他のメンバーにいじられまくりながら独特のハイトーンボイスを響かせる「BLACK TIGER」と続くと、師匠ことABEDONがフラッグを手にして花道を駆け出して歌い始めたのは「SAMURAI 5」。しかしなぜか曲の途中からご飯のことを歌った「かきまZ!」に変化し、雨が降りしきる中で
「氣志團20周年おめでとう!」
と弟子の記念を祝い、さらに
「ユニコーンも今年で30周年!おめでとう!」
と結成時はまだABEDONは参加していなかったことから、各メンバーに1人ずつおめでとうを言うというシュールな展開に。
「ユニコーン!みんなこっち来い!」
と他のメンバーも花道に誘うABEDONだが、他のメンバーはシールドがアンプに繋がっているために花道には行けず、逆に
「なんでこのマイクはこんなに離れても声が出るんだ?」
とボケをかますが、奥田民生に
「ワイヤレスマイクに飾りの紐をつけてるだけだからでしょ(笑)」
とすぐさま突っ込まれて「SAMURAI 5」のラストサビに戻るというあまりに忙しすぎる展開。
そしてラストは「今年最後のこの曲!」と言って演奏された「大迷惑」で奥田民生が観客にマイクを向けまくって大合唱となったが、秋と冬はユニコーンは稼働しないということなのだろうか。確かに奥田民生はソロアルバムをリリースしたばかりではあるが。
しかしこうしてライブを見ると、演奏技術の高さと安定感、そしてボーカルこそしなかったが、恒例の川西カメラでアピールしまくっていたドラムの川西も含め、各メンバーのキャラの立ち方(ちゃんとそれが見た目とかじゃなくて音楽的な意味でキャラが立っている)はまだまだ若手バンドには手が届かないところにいる。再結成から10年近く経ち、状況はかなり落ち着いたが、やはりユニコーンは偉大なバンドであるというのがライブを見れば一発でわかる。
そして師匠ことABEDONは以前ロッキンオンジャパンの20,000字インタビューで
「氣志團には今まで自分が音楽人生で培ってきた全てを継承してあげたいと思った」
と氣志團と出会った当時に思っていたことを語っていた。志半ばでユニコーンが解散してしまったからこそ、ABEDONは氣志團で自分ができなかったことをやろうとしていたのだろうし、氣志團が音楽的に優れたバンドだというのをすぐ見抜いていたからこそプロデューサーを買って出たのだろう。
実際、「One Night Carnival」が出た当時に氣志團が全然テレビに出なかったことについて、
「今テレビに出たら学ランの人たちっていうイメージだけですぐ消えてしまう。だから自分たちの音楽をちゃんと確立させるまではテレビは我慢しよう、っていう話をした」
とも話していた。ギミックだけのバンドがちょっと話題になってはすぐに消えていった90年台前半のバンドブームの最中をくぐり抜けてきたユニコーンのメンバーだからこそ説得力ある言葉だし、そうした発言を読んでいると氣志團が今もこうして我々の前にいるのはABEDONのおかげだと本当に心から思う。
1.服部
2.ひまわり
3.オーレオーレパラダイス
4.BLACK TIGER
5.SAMURAI 5 ~かきまZ!
6.大迷惑
大迷惑
https://youtu.be/9vEw-r3mmfk
17:00~ BLUE ENCOUNT [Mossai Stage]
今年も各地のフェスに出演しまくってきた、BLUE ENCOUNT。このフェスにも初出演。紹介VTRでは田辺が矢島美容室(綾小路翔がとんねるずと一緒にやったユニット。誰も覚えてないのをしっかり覚えてるあたりはさすがファン)の映画を観に行っていたこと、辻村がダボダボのボンタンを買って氣志團のコピーバンドをやっていたという似合い過ぎなエピソードを語る。
やはり雨避けテントがある中でメンバーが登場すると、「LAST HERO」から始まるというのはこの夏の定番ではあるが、WANIMAなどが出演したこの日においては激しいロックバンドというのはこのバンドが最後ということで満員の客席のノリが実に激しい。
夏のための最新曲「SUMMER DIVE」ではサビでタオルがグルグルと回るのだが、間奏では田辺がギターを置いて回すだけではなく振ったりという様々なタオルの使い方を伝授していく。
しかしながらそのタオルのくだりに時間を使いすぎたのか(そもそも25分という持ち時間はこのバンドにとってはめちゃくちゃ短い)、
「俺たちあと2曲だけです!向こうのステージ(Yassai Stage)だったらもう2曲はやれた!だから俺たちは来年向こうのステージに行くから、その時はみんなで行こうぜ!夢は口に出せば叶うんだよ!俺たちはその夢を叶えに行くから!」
と持ち時間が少なくて曲数が少ないことを熱いMCに乗せ、「DAY × DAY」からラストは
「この曲だけでも覚えて帰ってくれ!」
と言って大合唱を起こした「もっと光を」で終了。
今年はメインステージに出る機会もあったが、様々なフェスでまだ2番目のステージの大事な位置を任されるという立ち位置。ワンマンでは幕張メッセにも立っただけに、このバンドは今の状況では終わらないはず。この悔しさがこれからのバンドの原動力になっていくと思うけれど。
1.LAST HERO
2.SUMMER DIVE
3.DAY × DAY
4.もっと光を
SUMMER DIVE
https://youtu.be/8oZbbiTtDT4
17:30~ 岡村靖幸 [Yassai Stage]
岡村靖幸、このフェスに帰還。紹介VTRでは綾小路翔が
「この前、岡村さんから電話来て。相談があるって言われて。岡村さんが俺に相談することってなんだろうな?って思ってたら、「セットリストってどうやって決めてますか?」って(笑)それ俺に聞く!?(笑)
長嶋茂雄に「どうやってミートしてますか?」って聞かれるようなもんですよ(笑)」
と岡村ちゃんらしい天然エピソードを語って爆笑を誘ったあと、先にバンドメンバーが登場して演奏をスタート。ホーン隊などを含めた実に分厚いサウンドでゆったりとした濃厚なファンクワールドにこの公園を染めていくとスーツにメガネというおなじみの姿の岡村ちゃんが登場し、最新作の「できるだけ純情でいたい」からスタートし、さらに名曲「カルアミルク」でそのメロディの美しさと他の人には書けない歌詞を染み渡らせるという序盤は実に落ち着いた展開。
しかしマニピュレーター氏の岡村ちゃんの心の声からはノンストップでポップかつキャッチーな曲を連発。岡村ちゃんも非常に良く声が出ているし、何よりもやはりその独特のダンスがキレキレ。
ユニコーン以降はベテラン勢がズラリと並ぶこのステージだが、その中にあっても「愛はおしゃれじゃない」「ビバ☆ナミダ」という近年リリースされた曲がこうして過去の曲と全く遜色ない名曲かつ代表曲になっているというのがこの男の衰えることの一切ない創作意欲を感じさせる。
岡村ちゃんがアコギを弾きながら歌う「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」では歌詞に合わせて観客も「1,2,3 ジャンプ」をし、ラストの「だいすき」では雨がかなり降る中でもハンドマイクで花道を歩きながら歌い、間奏部分で
「僕は…氣志團ベイベーがだいすきです!」
と叫んで大歓声を浴びた。
綾小路翔が「もう本人になりたい存在」という格好良さはそのままに、これだけのベテランたちの中にあっても若々しさを感じさせてくれるという点では随一だし、音楽もしっかりカッコいいと思わせてくれるライブだった。
1.できるだけ純情でいたい
2.カルアミルク
3.愛はおしゃれじゃない
4.ビバ☆ナミダ
5.あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
6.だいすき
だいすき
https://youtu.be/Kselw7eUfDM
18:15~ MIYAVI [Mossai Stage]
綾小路翔とよく飲みに行っているというエピソードが紹介VTRで語られたサムライギタリストMIYAVI。ファン層が合っているのか、客席に入りきらないくらいの超満員っぷりとなった。
おなじみのドラムboboに加え、女性DJも加えた3人編成で音数は増えたが、あくまで中心にあるのはやはりMIYAVIのスラップを使ったその凄まじいギタープレイ。何回見てもどうやってこういうサウンドを発しているのかが全くわからないが、確かにドラムと2人だけで十分なんだな、というのはよくわかる。
ではDJは?と言うと、「Fire bird」などの近年のEDMを取り入れた曲のサウンドにおいてはなくてはならない存在と言える。なかなかEDMを自身のサウンドに取り入れるというのは勇気がいることであるが、この人がやると全く嫌味的なものが感じられないのが不思議。それもまたそのギタープレイから発せられる説得力だと思うが。
MIYAVI自身による言葉数の多い「Strong」では期待したKREVAのゲスト出演こそなかったが、凄まじいギターの音の迫力が押し寄せる中で神聖さすら感じる「Day1」を歌いあげて終了。
なかなか出自的にフェスで見るとアウェー感を感じることも多いが、このフェスで全くそれを感じなかったのは、そもそもが全くジャンルなどにこだわることないラインアップでずっと続いてきたフェスが培ってきたものなんだろうな、と思わせてくれた。つまりそれは音楽が好きな人が集まっている、というだけのこと。
1.What's my name?
2.In crowd
3.Fire bird
4.Ha!
5.Dim it
6.Strong
7.Day1
Fire bird
https://youtu.be/etFfwA0bLWs
18:45~ 山下達郎 [Yassai Stage]
紹介VTRで「本当に来るのか?」とさえ言われていた、日本のミュージックシーンを作り上げた男、山下達郎がついに房総に降臨。未だにありとあらゆる音楽をめちゃくちゃ聴きまくっているという本人のコメントによると、去年1番聴いたシングルは氣志團の「幸せにしかしねーから」であり、なんと300回以上聴いたという隠れ氣志團ファンであるらしい。
ホーン隊に加えてコーラス隊までも含めた大所帯メンバーとともに山下達郎本人がステージに登場すると、最初に演奏されたのはなんと近藤真彦に提供した「ハイティーン・ブギ」。
「これで決まりさ これで決まりさ それがサイコー」
という最後のフレーズで角度が切り替わりながら歌う山下達郎が映るという演出には思わず笑ってしまったが、1980年代のアイドルソングが現代において洗練された演奏で蘇っている。それはメンバーの演奏あってのことだが、山下達郎のボーカルの迫力は現役感しかないくらいに力強い。この年齢(64歳)でこれは本当に凄まじい。
「台風が迫ってるという情報もありますが、雨や風や台風が怖くてライブができるかってんだ!」
というビックリするくらいに男らしいMCをかますと、
「とはいえ雨風が強い中で見ていただいている皆様に寒い思いをさせるわけにはいきません!今日はバラードは一切やらないセットリストに変えます!」
と宣言すると、「SPARKLE」「BOMBER」と本当にバンドのグルーヴで体を揺らして体を温めるというタイプの曲を連発。状況に合わせてセトリを変える柔軟さもさることながら、それが見てくれている観客のためというのは、演奏する側に一切のエゴがなく、ただただ聴いてくれている人たちのために、という山下達郎の音楽をやる姿勢が見える。どんな感謝の言葉よりも観客への感謝を感じさせるパフォーマンスである。
さらにKinki Kidsのデビューシングルである「硝子の少年」のセルフカバーというサービスっぷりを見せてくれるが、近藤真彦しかりKinki Kidsしかり、長年に渡って山下達郎が日本のポップシーンを支えてきたということがこうしてセルフカバーすることで本当によくわかる。
おなじみ「アトムの子」では途中に「アンパンマンのマーチ」のフレーズを歌い上げたりするのだが、ここからはコーラス隊になんと妻の竹内まりやも加わるというあまりに豪華過ぎる編成に。
そしてアン・ルイスに提供した「恋のブギ・ウギ・トレイン」ではなんと山下達郎が雨の降る中でステージから飛び出して花道を歩き出して雨に打たれながらギターソロを弾くという、ベテランだからという甘えの一切ない、ひたすらにベストなライブを見せようという意志を感じさせるパフォーマンスを展開。さらにステージに戻ると、中央のスクリーン下の階段を登ってまでギターソロを弾くという凄まじいバイタリティを見せる。
するとここでバンドメンバーたちを前に集めて手を繋いで観客に一礼したので、これで終わりでも大満足なのにもかかわらず、山下達郎とピアノというシンプルな編成で、
「もう今日が終わればすぐ秋になってしまいます。夏の終わりの今日という日に、この曲を」
と言って最後に演奏されたのは「さよなら夏の日」。
「雨に濡れながら僕らは大人になってゆくよ」
というフレーズが雨が降っているこの日、この瞬間をさらに特別なものにすると、
「氣志團万博ありがとう!私は氣志團の大ファンですので、ぜひまた呼んでください!そしてまたこの場所で会いましょう!」
と氣志團のメンバーに対する愛と感謝も忘れずに語り、とんでもないライブを見せたステージから去っていった。
間違いなくこのフェスに新たな伝説を作り上げたわけだが、この現役感はやはり今でも新しい音楽を聴きまくり、それを自身の音楽への意欲にしているという姿勢にあると思う。
「フェスに出るときはすべての出演者のライブを見る」という小田和正にしてもそうだが、その姿勢こそが未だに様々なアーティストに曲を提供し、それがことごとく名曲になっている所以であるだろう。この人がこうしてステージに立っていることの意味は、ただ素晴らしいライブを見せてくれた、ということ以上に大きいし、ライブにおけるファンサービスはなんなのか、ということをその身をもって教えてくれた気がする。
1.ハイティーン・ブギ
2.SPARKLE
3.BOMBER
4.硝子の少年
5.アトムの子 ~アンパンマンのマーチ
6.恋のブギ・ウギ・トレイン
7.さよなら夏の日
19:30~ 岡崎体育 [Mossai Stage]
2年連続でのMossai Stageのトリを飾る岡崎体育。紹介VTRでは去年、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔が岡崎体育のライブを真剣な目で見ていた、というゴールデンボンバーすらも恐れている存在であることが語られたが、この段階でこの日1番レベルで雨が強くなるというのはこの男はやはりなにか特別な力を持っている気がする。
コミック的なスタイルを一切感じさせないバキバキのテクノミュージックでスタートするも、
「ライブにはいろんな楽しみ方があります!モッシュとかダイブとか!その中の一つにウォールオブデスという人が離れて一気にぶつかるっていうやつがあるんですけど、昨日出てたSiMとかがやっててかっこいいと思ったんで、僕もやってみたいと思います!
でもこれすごく危ないんでね、僕が合図したらみんな私語とか慎んでゆっくり元の場所に戻ってください!」
と「Walk Of Death」で開けた空間にゆっくり戻らせて爆笑させると、
「僕はバンドざまぁみろみたいな曲をやってるから、バンドを好きな人たちからは死ねとか言われてるけど、元々バンドをやってたんですよ。でもメンバーがみんないなくなってバンドができなくなって。本当はバンドの人たちとも仲良くしたいんですよ。みんなで仲良くしたいんです!みんなで仲良くうんぱっぱしたいんです!」
と「FRIENDS」をやるかと見せかけておいて今年大きなバズを起こした「感情のピクセル」のラウドロックサウンドが会場を支配すると、
「去年もこのMossai Stageのトリで。来年はYassai Stageに出ます!って捨て台詞を吐いたんですけど、オファーが来て今日のラインアップを見た瞬間、絶対無理やなって思った(笑)
なんやこのラスボスしか集まってない感じ!氣志團凄すぎやろ!」
と氣志團を称えながら、最後は童謡が突如としてヘドバンパートになる「Q-DUB」で再び爆笑を起こし、2回目のこのフェスのMossai Stageのトリをさらに進化した姿で務めてみせた。
1.Stamp
2.Walk Of Death
3.感情のピクセル
4.Q-DUB
感情のピクセル
https://youtu.be/3yoJY0IqiV0
19:55~ 米米CLUB [Yassai Stage]
2日間のトリを務めるのは、まさかの米米CLUB。しかしながら改めて凄まじいメインステージの流れである。紹介VTRにもあったが、氣志團は紛れもなくこのバンドの在り方に大きな影響を受けているらしい。
演奏者だけでなくダンサーもいるのでもはや何人組かもわからないくらいの大人数編成で登場すると、サングラスをかけたカールスモーキー石井が往年と変わらぬ美声を聴かせる「僕らのスーパーヒーロー」からスタート。
今でこそ若手バンドやミュージシャンが当たり前のようにファンクを自身の音楽に取り入れているが、「FUNK FUJIYAMA」あたりを聴いていると、それを90年代に、しかも日本のJ-POPシーンのど真ん中でやり、大ヒットさせていたという事実の凄さを改めて思い知らされる。
世代を超える大名曲「浪漫飛行'07」ももちろん演奏され、今聴いても本当に良い曲だな、と会場中がウットリするとともに、一定年齢以上の人はこの曲を聴いていた日々を思い返したりしているんだろうか、と思いながら、ライブ開始時は止んでいた雨がさらに強さを増す中で花道を歩きながら歌う石井が、
「みんなが聴きたい曲!君がいるだけで!」
と言って「君がいるだけで」をやるのかと思いきや、
「キミイル!キミイル!」
とだけ言って曲はやらないというまさかの演出。するとジェームス小野田が氣志團万博の大王というような仰々しいコスチュームに着替えて登場し、濃厚なファンクセッションに展開。
あくまでダンサブルかつパッショナブルなステージを展開すると、最後に演奏されたのは「Shake Hip!」。こうしてライブを見ると、このバンドが実に様々なタイプのヒット曲をたくさん持っているバンドであるということが実によくわかる。
「君がいるだけで」をフルに聞けなかったのはちょっと残念だったが、それはまたいつか次の機会に。
1.僕らのスーパーヒーロー
2.I CAN BE
3.FUNK FUJIYAMA
4.浪漫飛行'07
5.キミイル ~ Oh! 米 God
6.美熱少年
7.狂わせたいの
8.Shake Hip!
Shake Hip!
https://youtu.be/cdm_Y9Ki7e4
アンコールもなく米米CLUBが終わると、スクリーンにはSMAP×SMAPに似たEXPO×EXPOというタイトルの映像が。すると赤いスーツを着た氣志團のメンバーが現れ、「SHAKE!」などのSMAPの大ヒット曲に無理矢理「One Night Carnival」の歌詞を乗せるというマッシュアップを見せ、まるでSMAPそのもののように花道を歩きながらファンに手を振って歌う。
歌い終わると、最後に綾小路翔による挨拶。雨の中で最後までいてくれた観客に心からの感謝を語り、
「氣志團万博は好きだけでできているイベントです。何かを好きでいるということは時には誰かに気持ち悪がられたりするかもしれない。でも、何かを好きでいるということは人生を幸せにしてくれる。だから俺たちは誰かの好きになりかったんだ」
と、このフェスの意義、さらには氣志團の存在意義にも通じることを語る。結局、氣志團がやりたいのはそういうことなのだ。お笑いのようなパフォーマンスをやるのも、自分たちを好きでいてくれる人たちに幸せになって欲しいから。自分たちを好きな人たちが増えれば、幸せな人たちが増える。完全にピークは過ぎ去ったことを本人たちも自虐する氣志團が今でもこうしてずっと活動を続けているのは、その想いを失っていないから。だからこそこの言葉の後にステージの後ろから上がった、今年最後の花火は本当に美しかった。
今では各地でアーティストの主催フェスが行われている。京都大作戦やDEAD POP FESTiVALなど、氣志團が呼ばれる側のものもあるが、アーティスト主催フェスに行くと、よりその主催アーティストへの理解や愛が深まる。
今回初めて氣志團万博に来てみて、なぜ氣志團が未だに他のバンドやアーティストからリスペクトされているのか、こうして氣志團万博にとんでもない出演者たちが集まるのかがわかった気がするし、それはCDを聴いたりしているだけでは絶対わからなかったもの。終演後の映像で見た、晴れたこの日の会場の様子は本当に美しいと思えるものだったため、来年は晴れたこの会場の景色を見てみたい。
また毎年行きたい場所が一つ増えてしまったが、それは氣志團がこの場所で作り上げてきたもの。千葉県はBUMP OF CHICKENやELLEGARDENなど、様々な有名アーティストを輩出してきたが、間違いなく千葉県の誇りは氣志團だ。
Next→9/30 Base Ball Bear @日比谷野外音楽堂


この日は2日目だが、朝から雨が降りしきるという厳しいコンディション。客席の芝生が長めであるだけに泥沼にこそならないが、雨に加えて風も強いというライブを見るにはかなり厳しい状況である。なのでこの状態で入場列が進むのにかなり時間がかかり、立ったままで長い時間待ち続けるのは改善の余地ありだと思われる。(入り口が少なすぎる)
会場はメインステージのYassai Stage(フェスには珍しくステージ中央から花道が伸びている)、セカンドステージのMossai Stageという2ステージ構成。飲食ブースもフェスでおなじみの店から千葉の食材を使った店、さらには綾小路翔がプロデュースするmasuraoなど、他のフェスとは一味違った風景が見れる。
10:15~ レイザーラモンRG [OPENING CEREMONY ACT]
いわゆる開会宣言アクト、前日の初日は千葉県民にだけは有名なローカルタレントのJAGUARだったが、この日はあるあるネタでおなじみのレイザーラモンRG。
本人公認の細川たかしのモノマネ、こぶしたかしのキャラとして登場し、「北酒場」を歌い上げると、2番では
「料理になんでもあさりをぶちこみがち」
と木更津あるあるを披露、さらになぜかX JAPAN「ENDLESS RAIN」で
「フェスで買ったTシャツは寝巻きになりがち」
とフェスあるあるを披露、そして細川たかし「浪花節だよ人生は」(「細川たかしさんの他の曲知らないでしょ」という理由で)で最後に
「朝はめちゃ雨降るけど、午後から止みがち」
と、そうなったら嬉しいなという(実際にこの時はなぜかほとんど止んでた)氣志團万博あるあるを披露して開会宣言をしたが、雨は最後まで止むことはなかった。そして花道の先端からステージ下に下降していくという退場の仕方は間違いなくこのフェスでしかできないものであろう。
10:30~ ゴールデンボンバー [Yassai Stage]
このフェスが他のフェスと違うのは、すべてのアーティストのライブ前にスクリーンに紹介VTRが流れるというところである。基本的に綾小路翔がそのアーティストをなぜ氣志團万博に呼んだのか、どういう部分を評価しているのか、というのを面白エピソードを交えながら語るというものなのだが、出演者によっては氣志團万博に向けての事前インタビューも流れる。
各地のフェスでもトップバッターとして賑やかしまくってきたゴールデンボンバーは紹介VTRで鬼龍院翔が
「やっぱり原点であるロックバンドっていう部分に立ち返りたい」
と真面目に話しているのだが、その後ろでメンバーが1人ずつ全裸で逆立ちしていくというとんでもない映像に。最後には当然鬼龍院翔も全裸になり、綾小路翔に
「女々しくないイチモツ」「全裸になることルーキーのごとし」
と一切音楽に関係ない部分を評価されていた。ちなみにゴールデンボンバーは毎年このVTRに命をかけているくらいの熱量で、自分たちで絵コンテを書いてどんなVTRを作りたいかをプレゼンしてくるという。
そんな紹介VTRの後に「CDが売れないこんな世の中じゃ」の爆音サウンドが流れる中でメンバーが登場すると、雨が降る中で4人とも女性用水着を着ているという、出オチにすらなりかねない出で立ち。思わずメンバーも「寒い」と口にしてしまう。
メンバー紹介では歌広場淳がこの会場から10分くらいの場所に実家があるという千葉県民っぷりを明かし、「抱きしめてシュバルツ」では最近チーズフォンデュにハマっているという喜矢武豊が自身のピックとギターをチーズフォンデュにつけて食べ、最後には鬼龍院翔に顔面をチーズフォンデュに叩き込まれる。
かと思えば「AV男優を兼業していて、女性が喜ぶプレイを開発した」と早くもヤバい匂いを漂わせていた樽美酒研二は自身のパンツに密着させたダッチワイフを風車のようにグルグル回転させる(花道まで出てきてやっていた)という確実に放送できないパフォーマンスを展開。なぜこれをやろうと思ったのか全くわからないが。
そのあとはメンバーも踊り、観客はヘドバンし、喜矢武は2拍だけギターソロを弾くというおなじみの展開から「女々しくて」で飛び跳ねさせまくり、この日もトップバッターとして見事に観客を盛り上げまくった。しかし先週見たばかりだというのにここまでガラッと全く違うパフォーマンスができるというのは、彼らの引き出しは無尽蔵なのだろうか。
1.CDが売れないこんな世の中じゃ
2.抱きしめてシュバルツ
3.トラウマキャバ嬢
4.ザ V系っぽい曲
5.女々しくて
女々しくて
https://youtu.be/vvepe04Dbh4
11:10~ UNISON SQUARE GARDEN [Mossai Stage]
紹介VTRで「氣志團も所属するSony Music Artistsの稼ぎ頭なのでこれから全力で縋っていきたい」「田淵は先輩を立てたりとか上下関係を全く気にしないからヤンキー界では生きていけない」など、普段のライブではなかなか見えないユーモアを見せていた、というか無理矢理見せられていたUNISON SQUARE GARDEN。Mossai Stageのトップバッターとして登場である。
やはり雨が降りしきる中だったのでステージ上には雨避けテントも設置される中、おなじみのイズミカワソラ「絵の具」のSEで登場すると、いきなり田淵が激しく動き回りながらベースを弾く「場違いハミングバード」でスタート。どうやら田淵には雨は一切関係ないみたいだが、斎藤は真正面から雨を受けながら歌うという状況のためにいつもよりは歌いづらそうな感じもあった。髪が濡れていく様は女子のファンにはたまらないものがあったかもしれないけど。
代表曲「オリオンをなぞる」から最新シングル「10%roll,10%romance」へ。今年はフェスにあまり出なかったために野外でこの曲を聴くのは今年最初で最後であるが、跳ねるリズムとキャッチーを突き詰めたような、いわゆるわかりやすいユニゾンのサウンドであるこの曲は早くもキラーチューンの1つになっている。
かと思えば「なんでこのタイミング、この持ち時間でこの曲?」という「crazy birthday」では田淵のみならず雨避けテントの下で若干窮屈そうな鈴木も立ち上がりながらドラムを叩き、かつコーラス部分を歌う。
「OKOK。もう逆に楽しくなってきた!」
とだけ斎藤が言い、この状況を楽しむ覚悟が整ったところなのにあっという間のラストはやはり「シュガーソングとビターステップ」で満員の観客を踊らせるとともに、改めてこの曲がこうした決してホームではない場所でもほぼすべての人たちに認知されているようなアンセム的な曲になったということを実感させてくれる。
割とユニゾンは捻くれているバンドというか、フェスでもそんなにみんなが聴きたい代表曲を連発するというタイプのバンドではないが、25分という短い時間でそうしたマスに求められていることと、自分たちのコアなファンにも満足してもらえることとのバランスを上手く取れるようになった感じがした。早くも発表された次なるシングルとツアー、その終着点である過去最大規模の幕張メッセワンマンは果たしてどんなものになるのか。いつも通りと言うだろうけど、やはり武道館もZeppとかの普段のライブハウスとは違っていただけに。
1.場違いハミングバード
2.オリオンをなぞる
3.10%roll,10%romance
4.crazy birthday
5.シュガーソングとビターステップ
10%roll,10%romance
https://youtu.be/jXDbGQxnedM
12:50~ KICK THE CAN CREW [Yassai Stage]
入場に時間がかかったことにより会場内を散策できなかったので、ユニゾン終わりに散策してから再びYassai Stageへ。雨はさらに強さを増している。
紹介VTRでは「同じ2001年デビュー組だけど、その中でもRIP SLYMEとKICK THE CAN CREWはドラフト1位、桑田と清原みたいな感じだった」「よくりっくん(LITTLE)とご飯食べにいくんですけど、彼はリアルヤンキーですからね。八王子ではめちゃ恐れられてる存在ですから。彼は八王子の狂犬で、僕らは木更津の狂犬病(笑)」と意外な一面を暴露されたKICK THE CAN CREW。今年は様々な夏フェスに出演してきたが、ついに房総に初上陸である。
中央のスクリーンには14年ぶりの最新作「KICK!」のリードトラックである「千%」のMVが映し出され、3人が登場してそのMVに合わせるようにラップを重ねていくが、
「経てからの、ここ」
という締めのフレーズからはソロ活動などを経てこの3人が再集結した決意と意識を強く感じる。
MCUが来年で45歳になる現在進行形での「地球ブルース」、3人のマイクリレーが楽しい「マルシェ」とかつての代表曲が続くと、Perfumeのマネをした自己紹介から「KICK!」とそれに伴うツアーの告知をし、
「ただCD買ってください、ツアー来てくださいじゃなくて、買いたくなる、来たくなる新曲を」
と言ってギュッと固まったフォーメーションで「千%」同様にMVが流れる中で披露されたのは「Summer Spot」。すでにライブでは毎回やっている曲になっているが、やはりこの曲はMV同様に晴れた空の下で聴くのが似合うだけに、この時ばかりは雨が止んで欲しかった、というくらいに止む気配は一切なく、むしろ強くなってきているくらい。
過去最高クラスの難易度の掛け合いである「Summer Spot」をやり切るとKREVAとMCUが「ドラクエやろう!」と言って帰ろうとするのをLITTLEが
「まだ何も終わっちゃいないぜ!」
と引き止めて「イツナロウバ」へ、というおなじみの流れから、ラストは「sayonara sayonara」から、観客が手を左右に振る大名曲「アンバランス」。その光景を見ながら、やはり夏の名曲が多いグループなだけに晴れた空の下で見たかった、と思うくらいに震えるほど寒かった時間だった。
1.千%
2.地球ブルース ~337~
3.マルシェ
4.Summer Spot
5.イツナロウバ
6.sayonara sayonara
7.アンバランス
千%
https://youtu.be/wFKvOPQyVL0
13:50~ WANIMA [Yassai Stage]
紹介VTRで綾小路翔が「ブルーハーツ以来の衝撃」「ライブ見て、誰が勝てるんだって思う」という最大級の賛辞を送った、WANIMA。
「JUICE UP!!のテーマ」のSEで元気良く登場し、観客にジャンプさせたり手を振ったりさせた後に「ともに」からスタートすると、先ほどまでの寒さはどこへ行ったのかと思うくらいに一気に客席が熱くなる。それくらいの爆音とその音に伴うような肉体性を感じさせるパンクサウンドが会場を支配していく。
「いいから」の後にはドラムFUJIの長渕剛のモノマネでの「One Night Carnival」というこの日ならではのパフォーマンス(めちゃ歌詞カード見てたけど)もあり、バンドの持つ魅力の一つである猥雑さを強く打ち出した「オドルヨル」、このフェスと観客への感謝を大合唱で告げる「THANX」と続くと、
「この歌をお守りに」
とおなじみの言葉で観客の背中を押しながら演奏されたのは「CHARM」。
早くもこれで終わりかと思いきや、トドメに演奏されたのはCMソングとして大量オンエアされていた「やってみよう」。WANIMAは今年も夏フェスに出まくっているが、そんな中でもしっかりやる曲をその場に合わせて変えている。実際自分が今年の夏フェスで3回見た中で、この曲は他の場所ではやっていなかった。KENTAを始めとしてメンバーは完全に天然児そのものだが、そのあたりの観客がマンネリしないための嗅覚のようなものは持って生まれたものなのだろうか。
そしてこうした他ジャンルのレジェンド級のアーティストが居並ぶようなフェスでもこのバンドはメインステージに立つようになった。綾小路翔が言うように、このバンドの存在は「パンクシーンの、いやロックシーンの、いや日本の音楽シーンの希望そのもの」。
1.ともに
2.いいから
3.オドルヨル
4.THANX
5.CHARM
6.やってみよう short ver.
CHARM
https://youtu.be/Ir3EFQg4H7I
14:30~ 水曜日のカンパネラ [Mossai Stage]
紹介VTRでは綾小路翔が「恋してます」とストレートに告白した、日本の音楽シーンの新しいミューズ、水曜日のカンパネラ。
しかしステージは茶色い幕のようなもので覆われており、コムアイはどこに?と思っているとスクリーンに映し出されたのは明らかにステージではない場所にいる派手な衣装を着たコムアイ。幽玄なサウンドスケープの「マルコ・ポーロ」が流れる中でコムアイが客席後方で踊りながら徐々に客席中央までやってくる。コムアイに群がることなく、むしろ道を開けていく観客の姿勢は見事だが、思わず道を開けざるを得ないオーラのようなものが出ているトランス状態だったのも確か。
6月末に配信された最新曲「えい政」(「えい」の漢字が出ない)では客席の外の海側に置いてあった茶色い布に包まりながら歌うという「?」が浮かび上がる前衛的すぎるパフォーマンスを展開すると、「一休さん」では最前ブロックの客席の柵の上に立って支えられながら歌い、ラストはさらにダンサブルにアレンジされた「桃太郎」でコムアイが球体の中に入って観客の上を転がりまくった。
綾小路翔をしても「次にライブやるのが非常にやりづらい」と言わしめるくらいの存在。この日はかなり攻めまくった内容となったが、他の夏フェスとは全く違うこの日のパフォーマンスはどんな方向性に向かうことを示唆しているのだろうか。
1.マルコ・ポーロ
2.えい政
3.一休さん
4.桃太郎
桃太郎
https://youtu.be/AVPgxn3xohM
15:00~ 氣志團 [Yassai Stage]
通常、アーティスト主催フェスというのは主催アーティストがトリを務めるのが普通なのだが、そこは普通のフェスではない氣志團万博。主催者の氣志團は前日のトップバッターに続き、この日はちょうど中盤に登場。この後に続くレジェンド達へ自分たちがバトンを渡すという役割を担おうということなのか。
学ランではなく応援団スタイルの出で立ちのメンバーが登場すると「デリケートにキスして」「ゴッド・スピード・ユー!」という初期の代表曲を連発。二日間の疲れを全く感じさせない綾小路翔のボーカルと早乙女光のダンス、そして安定感すら感じさせるバンドの演奏。
「鉄のハート」ではサポートドラムの叶亜樹良がドラムソロを叩いて歓声を浴びると、
「亜樹良にだけ良い格好はさせないわよ~!」
と言ってステージに現れたのは、病気によってバンドを休学中のドラマー・白鳥雪之丞。亜樹良の前で自身のドラムセットでドラムソロを披露するのだが、綾小路翔に「ブランク長すぎだろ!」と言われてスティックを取り上げられるという、かつては氣志團のサウンドの骨格を支えていた男がすっかりネタ要員と化している。
しかし雪之丞は演奏するメンバーとともに花道に歩き出して、ドラムはまだ満足に叩けないまでも観客に元気な姿を見せ、
「氣志團ちゃん20周年おめでとー!これからもよろしく!」
と言ってレイザーラモンRGと同じように花道からステージ下に降りていった。
そんなネタ的なシーンもありながらも、
「この街の歌を歌います!」
と言って綾小路翔がギター、早乙女光がトランペットという編成で「落陽」を演奏するという、実に音楽的なライブを展開。
そう、氣志團万博での氣志團のライブは、出演してくれた他のアーティストとあくまで音楽で渡り合うようなものになっていた。面白いパフォーマンスは他のライブでたくさんやっているし、ここに来る人たちはそういう氣志團の姿も見ているし、氣志團の音楽をちゃんと聴いている人たちばかりである。だからこそこの氣志團の始まりの場所で、氣志團のバンドとしての技術の高さと楽曲の良さをしっかりと示した。それが何よりも重要であるということをメンバーたちはしっかりとわかっていたと思う。
そして「One Night Carnival」ではダンサーに加えて氣志團のメンバーの着ぐるみまでも登場して一緒に踊り、最後は近年の氣志團屈指の名曲にして、氣志團万博のテーマ曲と言ってもいい「幸せにしかしねーから」。雨も氣志團の時だけはほとんど止んでいるという主催者マジックを起こしたが、こうしてここでいろんなアーティストのライブと、本気モードの氣志團のライブを見れる。それは本当に幸せなことだったし、これからも氣志團はこの曲でもっとたくさんの人たちを幸せにしていく。氣志團にはちゃんと自分たちの居場所であり帰る場所、音楽で勝負できる場所がある。それがこの場所。やはり主催者ということで、早くも中盤に訪れたクライマックスだった。
1.デリケートにキスして
2.ゴッド・スピード・ユー!
3.鉄のハート
4.落陽
5.One Night Carnival
6.幸せにしかしねーから
One Night Carnival
https://youtu.be/SJsx3FVudys
16:15~ ユニコーン [Yassai Stage]
紹介VTRに「お師匠さん、出番です」と書かれていたのはユニコーン。その理由は氣志團がメジャーデビューした時のプロデューサーにして、氣志團を世に送り出したのがこのバンドのキーボードのABEDONだからである。(ABEDONは「もう困った時にしか俺のとこに来ない」と言っていたけれど)
揃いのツナギを着たメンバーが登場して演奏を開始した後に、ハンドマイクを持った奥田民生が登場し、「服部」からスタート。その歌声の大きさと強さから気合いが入ってることがすぐにわかる奥田民生は雨が降りしきる中で花道を歩き回って歌うのだが、
「この曲長い!(笑)」
と曲後半には花道とステージを往復することに疲れ切ってしまうというベテランっぷりを見せる。
奥田民生がギターを弾きながら歌う壮大な「ひまわり」からは各メンバーがそれぞれボーカルを取る。凄腕ギタリストの手島いさむがギターをほとんど弾かずに脱力したボーカルに徹する「オーレオーレパラダイス」、EBIが他のメンバーにいじられまくりながら独特のハイトーンボイスを響かせる「BLACK TIGER」と続くと、師匠ことABEDONがフラッグを手にして花道を駆け出して歌い始めたのは「SAMURAI 5」。しかしなぜか曲の途中からご飯のことを歌った「かきまZ!」に変化し、雨が降りしきる中で
「氣志團20周年おめでとう!」
と弟子の記念を祝い、さらに
「ユニコーンも今年で30周年!おめでとう!」
と結成時はまだABEDONは参加していなかったことから、各メンバーに1人ずつおめでとうを言うというシュールな展開に。
「ユニコーン!みんなこっち来い!」
と他のメンバーも花道に誘うABEDONだが、他のメンバーはシールドがアンプに繋がっているために花道には行けず、逆に
「なんでこのマイクはこんなに離れても声が出るんだ?」
とボケをかますが、奥田民生に
「ワイヤレスマイクに飾りの紐をつけてるだけだからでしょ(笑)」
とすぐさま突っ込まれて「SAMURAI 5」のラストサビに戻るというあまりに忙しすぎる展開。
そしてラストは「今年最後のこの曲!」と言って演奏された「大迷惑」で奥田民生が観客にマイクを向けまくって大合唱となったが、秋と冬はユニコーンは稼働しないということなのだろうか。確かに奥田民生はソロアルバムをリリースしたばかりではあるが。
しかしこうしてライブを見ると、演奏技術の高さと安定感、そしてボーカルこそしなかったが、恒例の川西カメラでアピールしまくっていたドラムの川西も含め、各メンバーのキャラの立ち方(ちゃんとそれが見た目とかじゃなくて音楽的な意味でキャラが立っている)はまだまだ若手バンドには手が届かないところにいる。再結成から10年近く経ち、状況はかなり落ち着いたが、やはりユニコーンは偉大なバンドであるというのがライブを見れば一発でわかる。
そして師匠ことABEDONは以前ロッキンオンジャパンの20,000字インタビューで
「氣志團には今まで自分が音楽人生で培ってきた全てを継承してあげたいと思った」
と氣志團と出会った当時に思っていたことを語っていた。志半ばでユニコーンが解散してしまったからこそ、ABEDONは氣志團で自分ができなかったことをやろうとしていたのだろうし、氣志團が音楽的に優れたバンドだというのをすぐ見抜いていたからこそプロデューサーを買って出たのだろう。
実際、「One Night Carnival」が出た当時に氣志團が全然テレビに出なかったことについて、
「今テレビに出たら学ランの人たちっていうイメージだけですぐ消えてしまう。だから自分たちの音楽をちゃんと確立させるまではテレビは我慢しよう、っていう話をした」
とも話していた。ギミックだけのバンドがちょっと話題になってはすぐに消えていった90年台前半のバンドブームの最中をくぐり抜けてきたユニコーンのメンバーだからこそ説得力ある言葉だし、そうした発言を読んでいると氣志團が今もこうして我々の前にいるのはABEDONのおかげだと本当に心から思う。
1.服部
2.ひまわり
3.オーレオーレパラダイス
4.BLACK TIGER
5.SAMURAI 5 ~かきまZ!
6.大迷惑
大迷惑
https://youtu.be/9vEw-r3mmfk
17:00~ BLUE ENCOUNT [Mossai Stage]
今年も各地のフェスに出演しまくってきた、BLUE ENCOUNT。このフェスにも初出演。紹介VTRでは田辺が矢島美容室(綾小路翔がとんねるずと一緒にやったユニット。誰も覚えてないのをしっかり覚えてるあたりはさすがファン)の映画を観に行っていたこと、辻村がダボダボのボンタンを買って氣志團のコピーバンドをやっていたという似合い過ぎなエピソードを語る。
やはり雨避けテントがある中でメンバーが登場すると、「LAST HERO」から始まるというのはこの夏の定番ではあるが、WANIMAなどが出演したこの日においては激しいロックバンドというのはこのバンドが最後ということで満員の客席のノリが実に激しい。
夏のための最新曲「SUMMER DIVE」ではサビでタオルがグルグルと回るのだが、間奏では田辺がギターを置いて回すだけではなく振ったりという様々なタオルの使い方を伝授していく。
しかしながらそのタオルのくだりに時間を使いすぎたのか(そもそも25分という持ち時間はこのバンドにとってはめちゃくちゃ短い)、
「俺たちあと2曲だけです!向こうのステージ(Yassai Stage)だったらもう2曲はやれた!だから俺たちは来年向こうのステージに行くから、その時はみんなで行こうぜ!夢は口に出せば叶うんだよ!俺たちはその夢を叶えに行くから!」
と持ち時間が少なくて曲数が少ないことを熱いMCに乗せ、「DAY × DAY」からラストは
「この曲だけでも覚えて帰ってくれ!」
と言って大合唱を起こした「もっと光を」で終了。
今年はメインステージに出る機会もあったが、様々なフェスでまだ2番目のステージの大事な位置を任されるという立ち位置。ワンマンでは幕張メッセにも立っただけに、このバンドは今の状況では終わらないはず。この悔しさがこれからのバンドの原動力になっていくと思うけれど。
1.LAST HERO
2.SUMMER DIVE
3.DAY × DAY
4.もっと光を
SUMMER DIVE
https://youtu.be/8oZbbiTtDT4
17:30~ 岡村靖幸 [Yassai Stage]
岡村靖幸、このフェスに帰還。紹介VTRでは綾小路翔が
「この前、岡村さんから電話来て。相談があるって言われて。岡村さんが俺に相談することってなんだろうな?って思ってたら、「セットリストってどうやって決めてますか?」って(笑)それ俺に聞く!?(笑)
長嶋茂雄に「どうやってミートしてますか?」って聞かれるようなもんですよ(笑)」
と岡村ちゃんらしい天然エピソードを語って爆笑を誘ったあと、先にバンドメンバーが登場して演奏をスタート。ホーン隊などを含めた実に分厚いサウンドでゆったりとした濃厚なファンクワールドにこの公園を染めていくとスーツにメガネというおなじみの姿の岡村ちゃんが登場し、最新作の「できるだけ純情でいたい」からスタートし、さらに名曲「カルアミルク」でそのメロディの美しさと他の人には書けない歌詞を染み渡らせるという序盤は実に落ち着いた展開。
しかしマニピュレーター氏の岡村ちゃんの心の声からはノンストップでポップかつキャッチーな曲を連発。岡村ちゃんも非常に良く声が出ているし、何よりもやはりその独特のダンスがキレキレ。
ユニコーン以降はベテラン勢がズラリと並ぶこのステージだが、その中にあっても「愛はおしゃれじゃない」「ビバ☆ナミダ」という近年リリースされた曲がこうして過去の曲と全く遜色ない名曲かつ代表曲になっているというのがこの男の衰えることの一切ない創作意欲を感じさせる。
岡村ちゃんがアコギを弾きながら歌う「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」では歌詞に合わせて観客も「1,2,3 ジャンプ」をし、ラストの「だいすき」では雨がかなり降る中でもハンドマイクで花道を歩きながら歌い、間奏部分で
「僕は…氣志團ベイベーがだいすきです!」
と叫んで大歓声を浴びた。
綾小路翔が「もう本人になりたい存在」という格好良さはそのままに、これだけのベテランたちの中にあっても若々しさを感じさせてくれるという点では随一だし、音楽もしっかりカッコいいと思わせてくれるライブだった。
1.できるだけ純情でいたい
2.カルアミルク
3.愛はおしゃれじゃない
4.ビバ☆ナミダ
5.あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
6.だいすき
だいすき
https://youtu.be/Kselw7eUfDM
18:15~ MIYAVI [Mossai Stage]
綾小路翔とよく飲みに行っているというエピソードが紹介VTRで語られたサムライギタリストMIYAVI。ファン層が合っているのか、客席に入りきらないくらいの超満員っぷりとなった。
おなじみのドラムboboに加え、女性DJも加えた3人編成で音数は増えたが、あくまで中心にあるのはやはりMIYAVIのスラップを使ったその凄まじいギタープレイ。何回見てもどうやってこういうサウンドを発しているのかが全くわからないが、確かにドラムと2人だけで十分なんだな、というのはよくわかる。
ではDJは?と言うと、「Fire bird」などの近年のEDMを取り入れた曲のサウンドにおいてはなくてはならない存在と言える。なかなかEDMを自身のサウンドに取り入れるというのは勇気がいることであるが、この人がやると全く嫌味的なものが感じられないのが不思議。それもまたそのギタープレイから発せられる説得力だと思うが。
MIYAVI自身による言葉数の多い「Strong」では期待したKREVAのゲスト出演こそなかったが、凄まじいギターの音の迫力が押し寄せる中で神聖さすら感じる「Day1」を歌いあげて終了。
なかなか出自的にフェスで見るとアウェー感を感じることも多いが、このフェスで全くそれを感じなかったのは、そもそもが全くジャンルなどにこだわることないラインアップでずっと続いてきたフェスが培ってきたものなんだろうな、と思わせてくれた。つまりそれは音楽が好きな人が集まっている、というだけのこと。
1.What's my name?
2.In crowd
3.Fire bird
4.Ha!
5.Dim it
6.Strong
7.Day1
Fire bird
https://youtu.be/etFfwA0bLWs
18:45~ 山下達郎 [Yassai Stage]
紹介VTRで「本当に来るのか?」とさえ言われていた、日本のミュージックシーンを作り上げた男、山下達郎がついに房総に降臨。未だにありとあらゆる音楽をめちゃくちゃ聴きまくっているという本人のコメントによると、去年1番聴いたシングルは氣志團の「幸せにしかしねーから」であり、なんと300回以上聴いたという隠れ氣志團ファンであるらしい。
ホーン隊に加えてコーラス隊までも含めた大所帯メンバーとともに山下達郎本人がステージに登場すると、最初に演奏されたのはなんと近藤真彦に提供した「ハイティーン・ブギ」。
「これで決まりさ これで決まりさ それがサイコー」
という最後のフレーズで角度が切り替わりながら歌う山下達郎が映るという演出には思わず笑ってしまったが、1980年代のアイドルソングが現代において洗練された演奏で蘇っている。それはメンバーの演奏あってのことだが、山下達郎のボーカルの迫力は現役感しかないくらいに力強い。この年齢(64歳)でこれは本当に凄まじい。
「台風が迫ってるという情報もありますが、雨や風や台風が怖くてライブができるかってんだ!」
というビックリするくらいに男らしいMCをかますと、
「とはいえ雨風が強い中で見ていただいている皆様に寒い思いをさせるわけにはいきません!今日はバラードは一切やらないセットリストに変えます!」
と宣言すると、「SPARKLE」「BOMBER」と本当にバンドのグルーヴで体を揺らして体を温めるというタイプの曲を連発。状況に合わせてセトリを変える柔軟さもさることながら、それが見てくれている観客のためというのは、演奏する側に一切のエゴがなく、ただただ聴いてくれている人たちのために、という山下達郎の音楽をやる姿勢が見える。どんな感謝の言葉よりも観客への感謝を感じさせるパフォーマンスである。
さらにKinki Kidsのデビューシングルである「硝子の少年」のセルフカバーというサービスっぷりを見せてくれるが、近藤真彦しかりKinki Kidsしかり、長年に渡って山下達郎が日本のポップシーンを支えてきたということがこうしてセルフカバーすることで本当によくわかる。
おなじみ「アトムの子」では途中に「アンパンマンのマーチ」のフレーズを歌い上げたりするのだが、ここからはコーラス隊になんと妻の竹内まりやも加わるというあまりに豪華過ぎる編成に。
そしてアン・ルイスに提供した「恋のブギ・ウギ・トレイン」ではなんと山下達郎が雨の降る中でステージから飛び出して花道を歩き出して雨に打たれながらギターソロを弾くという、ベテランだからという甘えの一切ない、ひたすらにベストなライブを見せようという意志を感じさせるパフォーマンスを展開。さらにステージに戻ると、中央のスクリーン下の階段を登ってまでギターソロを弾くという凄まじいバイタリティを見せる。
するとここでバンドメンバーたちを前に集めて手を繋いで観客に一礼したので、これで終わりでも大満足なのにもかかわらず、山下達郎とピアノというシンプルな編成で、
「もう今日が終わればすぐ秋になってしまいます。夏の終わりの今日という日に、この曲を」
と言って最後に演奏されたのは「さよなら夏の日」。
「雨に濡れながら僕らは大人になってゆくよ」
というフレーズが雨が降っているこの日、この瞬間をさらに特別なものにすると、
「氣志團万博ありがとう!私は氣志團の大ファンですので、ぜひまた呼んでください!そしてまたこの場所で会いましょう!」
と氣志團のメンバーに対する愛と感謝も忘れずに語り、とんでもないライブを見せたステージから去っていった。
間違いなくこのフェスに新たな伝説を作り上げたわけだが、この現役感はやはり今でも新しい音楽を聴きまくり、それを自身の音楽への意欲にしているという姿勢にあると思う。
「フェスに出るときはすべての出演者のライブを見る」という小田和正にしてもそうだが、その姿勢こそが未だに様々なアーティストに曲を提供し、それがことごとく名曲になっている所以であるだろう。この人がこうしてステージに立っていることの意味は、ただ素晴らしいライブを見せてくれた、ということ以上に大きいし、ライブにおけるファンサービスはなんなのか、ということをその身をもって教えてくれた気がする。
1.ハイティーン・ブギ
2.SPARKLE
3.BOMBER
4.硝子の少年
5.アトムの子 ~アンパンマンのマーチ
6.恋のブギ・ウギ・トレイン
7.さよなら夏の日
19:30~ 岡崎体育 [Mossai Stage]
2年連続でのMossai Stageのトリを飾る岡崎体育。紹介VTRでは去年、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔が岡崎体育のライブを真剣な目で見ていた、というゴールデンボンバーすらも恐れている存在であることが語られたが、この段階でこの日1番レベルで雨が強くなるというのはこの男はやはりなにか特別な力を持っている気がする。
コミック的なスタイルを一切感じさせないバキバキのテクノミュージックでスタートするも、
「ライブにはいろんな楽しみ方があります!モッシュとかダイブとか!その中の一つにウォールオブデスという人が離れて一気にぶつかるっていうやつがあるんですけど、昨日出てたSiMとかがやっててかっこいいと思ったんで、僕もやってみたいと思います!
でもこれすごく危ないんでね、僕が合図したらみんな私語とか慎んでゆっくり元の場所に戻ってください!」
と「Walk Of Death」で開けた空間にゆっくり戻らせて爆笑させると、
「僕はバンドざまぁみろみたいな曲をやってるから、バンドを好きな人たちからは死ねとか言われてるけど、元々バンドをやってたんですよ。でもメンバーがみんないなくなってバンドができなくなって。本当はバンドの人たちとも仲良くしたいんですよ。みんなで仲良くしたいんです!みんなで仲良くうんぱっぱしたいんです!」
と「FRIENDS」をやるかと見せかけておいて今年大きなバズを起こした「感情のピクセル」のラウドロックサウンドが会場を支配すると、
「去年もこのMossai Stageのトリで。来年はYassai Stageに出ます!って捨て台詞を吐いたんですけど、オファーが来て今日のラインアップを見た瞬間、絶対無理やなって思った(笑)
なんやこのラスボスしか集まってない感じ!氣志團凄すぎやろ!」
と氣志團を称えながら、最後は童謡が突如としてヘドバンパートになる「Q-DUB」で再び爆笑を起こし、2回目のこのフェスのMossai Stageのトリをさらに進化した姿で務めてみせた。
1.Stamp
2.Walk Of Death
3.感情のピクセル
4.Q-DUB
感情のピクセル
https://youtu.be/3yoJY0IqiV0
19:55~ 米米CLUB [Yassai Stage]
2日間のトリを務めるのは、まさかの米米CLUB。しかしながら改めて凄まじいメインステージの流れである。紹介VTRにもあったが、氣志團は紛れもなくこのバンドの在り方に大きな影響を受けているらしい。
演奏者だけでなくダンサーもいるのでもはや何人組かもわからないくらいの大人数編成で登場すると、サングラスをかけたカールスモーキー石井が往年と変わらぬ美声を聴かせる「僕らのスーパーヒーロー」からスタート。
今でこそ若手バンドやミュージシャンが当たり前のようにファンクを自身の音楽に取り入れているが、「FUNK FUJIYAMA」あたりを聴いていると、それを90年代に、しかも日本のJ-POPシーンのど真ん中でやり、大ヒットさせていたという事実の凄さを改めて思い知らされる。
世代を超える大名曲「浪漫飛行'07」ももちろん演奏され、今聴いても本当に良い曲だな、と会場中がウットリするとともに、一定年齢以上の人はこの曲を聴いていた日々を思い返したりしているんだろうか、と思いながら、ライブ開始時は止んでいた雨がさらに強さを増す中で花道を歩きながら歌う石井が、
「みんなが聴きたい曲!君がいるだけで!」
と言って「君がいるだけで」をやるのかと思いきや、
「キミイル!キミイル!」
とだけ言って曲はやらないというまさかの演出。するとジェームス小野田が氣志團万博の大王というような仰々しいコスチュームに着替えて登場し、濃厚なファンクセッションに展開。
あくまでダンサブルかつパッショナブルなステージを展開すると、最後に演奏されたのは「Shake Hip!」。こうしてライブを見ると、このバンドが実に様々なタイプのヒット曲をたくさん持っているバンドであるということが実によくわかる。
「君がいるだけで」をフルに聞けなかったのはちょっと残念だったが、それはまたいつか次の機会に。
1.僕らのスーパーヒーロー
2.I CAN BE
3.FUNK FUJIYAMA
4.浪漫飛行'07
5.キミイル ~ Oh! 米 God
6.美熱少年
7.狂わせたいの
8.Shake Hip!
Shake Hip!
https://youtu.be/cdm_Y9Ki7e4
アンコールもなく米米CLUBが終わると、スクリーンにはSMAP×SMAPに似たEXPO×EXPOというタイトルの映像が。すると赤いスーツを着た氣志團のメンバーが現れ、「SHAKE!」などのSMAPの大ヒット曲に無理矢理「One Night Carnival」の歌詞を乗せるというマッシュアップを見せ、まるでSMAPそのもののように花道を歩きながらファンに手を振って歌う。
歌い終わると、最後に綾小路翔による挨拶。雨の中で最後までいてくれた観客に心からの感謝を語り、
「氣志團万博は好きだけでできているイベントです。何かを好きでいるということは時には誰かに気持ち悪がられたりするかもしれない。でも、何かを好きでいるということは人生を幸せにしてくれる。だから俺たちは誰かの好きになりかったんだ」
と、このフェスの意義、さらには氣志團の存在意義にも通じることを語る。結局、氣志團がやりたいのはそういうことなのだ。お笑いのようなパフォーマンスをやるのも、自分たちを好きでいてくれる人たちに幸せになって欲しいから。自分たちを好きな人たちが増えれば、幸せな人たちが増える。完全にピークは過ぎ去ったことを本人たちも自虐する氣志團が今でもこうしてずっと活動を続けているのは、その想いを失っていないから。だからこそこの言葉の後にステージの後ろから上がった、今年最後の花火は本当に美しかった。
今では各地でアーティストの主催フェスが行われている。京都大作戦やDEAD POP FESTiVALなど、氣志團が呼ばれる側のものもあるが、アーティスト主催フェスに行くと、よりその主催アーティストへの理解や愛が深まる。
今回初めて氣志團万博に来てみて、なぜ氣志團が未だに他のバンドやアーティストからリスペクトされているのか、こうして氣志團万博にとんでもない出演者たちが集まるのかがわかった気がするし、それはCDを聴いたりしているだけでは絶対わからなかったもの。終演後の映像で見た、晴れたこの日の会場の様子は本当に美しいと思えるものだったため、来年は晴れたこの会場の景色を見てみたい。
また毎年行きたい場所が一つ増えてしまったが、それは氣志團がこの場所で作り上げてきたもの。千葉県はBUMP OF CHICKENやELLEGARDENなど、様々な有名アーティストを輩出してきたが、間違いなく千葉県の誇りは氣志團だ。
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