PIA 45th Anniversary MUSIC COMPLEX 2017 day2 @新木場若洲公園 9/10
- 2017/09/12
- 20:36
2日目。ラインアップ的を見てもわかるが、歴史的な人の少なさ(しかも大半は招待券で来場していると思われるだけにチケット買ってきた人はさらに少ないと思われる)だった前日よりはさすがに人が多い。それでもやはり同じ会場で行われているMETROCKに比べると、うーん、という感じもしてしまうが。それでも暑いくらいに快晴のフェス日和なのはまだまだ夏フェスらしさを感じさせる。
11:30~ BLUE ENCOUNT [WIND STAGE]
この会場でこのメインステージに立つのは初めてのBLUE ENCOUNT。サウンドチェック時点で4人がお互いを褒めたりいじったりという仲の良さを見せていた。
バンドの演奏の迫力を見せつける「LAST HERO」で始まるのはラブシャと同様だが、その後に初期曲の「STROBO」を演奏するという、フェスではほぼ全くやらないサプライズ。これはぴあの45周年記念フェスであるが、バンドもこの日でちょうどデビュー3周年という記念であるが故の選曲だったらしい。
「Survivor」からはさらにバンドサウンドは力強さを増していき、最新曲「SUMMER DIVE」では観客がタオルを回すのだが、これは早くも定着しており、たくさんの人がグルグルとタオルを回していた。あまり季節感のある曲がないバンドだが、これからはブルエンの夏と言えばこの曲になるのは間違いない。
「もっと光を」で大合唱を巻き起こすと、
「うるさいおじさんでもいいよ!ああいう曲ばっかりやってるバンドって言われてもいいよ!」
と田辺が熱く語るのだが、その熱いMCの後に最後に演奏されたのは「はじまり」だった。「ああいう曲」と括られるような曲ではない、いわゆる盛り上がる曲ではないこの曲を最後に持ってきたのにはバンド側の明確な意志がある。俺たちは盛り上がる曲だけのバンドじゃない、もっといろんな曲があるんだと。だからこそこの日のこの曲は他のどの曲よりも沁みた。
METROCKでは仲間のバンドたちがメインステージに進出する中、セカンドステージにとどまるという悔しい思いもしたはずだが、いよいよこの会場でこのステージに立つ存在のバンドになってきた。ある意味ではこれもまた一つの新たなこのバンドの「はじまり」である。
1.LAST HERO
2.STROBO
3.Survivor
4.DAY × DAY
5.SUMMER DIVE
6.もっと光を
7.はじまり
SUMMER DIVE
https://youtu.be/8oZbbiTtDT4
12:15~ DADARAY [CAMP STAGE]
ゲスの極み乙女。の休日課長らによる新バンド、DADARAY。前日にindigo la Endで出演し、この日もゲスの極み乙女。で出演する川谷絵音がプロデュースというプロジェクトである。
休日課長をセンターに、両サイドにはボーカルのREISとえつこの女性陣、さらにその後ろにはギターとドラムという布陣で「美しい仕打ち」から、いかにも川谷絵音というような一筋縄ではいかないくらいにわかりやすくはないが、確かに聴き心地はポップかつキャッチーというサウンドを展開していく。
REISはNIKIIEという名前でソロのシンガーソングライターとしても活躍しており、その時はイマイチピンと来なかったのだが、この川谷絵音サウンドを得たことによって、時にはピアノを弾きながら、時にはハンドマイクでステージを歩きながら歌い、ボーカルとしてのセンスが完全に開花している。
「当たり前だのスラッガー 私がホームランを打ちましょか」(東京Σ)
というどう見てもおかしい歌詞をこれほどポップソングに聴かせられるシンガーはそうそういないだろう。さらにそこに加わるえつこのボーカルも、正式メンバーということでindigoとゲスのサポート時よりもはるかに存在感を増している。
まだ曲もそこまで多くない(とはいえリリースペースは異常なくらいに速い)だけに現状の代表曲というかキラーチューン的な曲が並んだセトリだったが、これだけ完成度の高いこのバンド、川谷が活動できない時期のバンドやサイドプロジェクトにするにはもったいなさ過ぎる。今年は様々なフェスに出演したが、これからもこうした精力的な活動を見せてくれるのだろうか。
1.美しい仕打ち
2.block off
3.東京Σ
4.誰かがキスをした
5.イキツクシ
イキツクシ
https://youtu.be/RVwj5o7AUxc
12:50~ キュウソネコカミ [WIND STAGE]
ステージに流れるSEは吉川晃司と布袋寅泰によるユニット、COMPLEXの大ヒット曲「BE MY BABY」。明らかにフェスのタイトルに合わせた選曲であろうが、先に出てきたセイヤとヨコタはステージで向かい合って抱擁するという、反目し合っていた吉川晃司と布袋寅泰が震災後にCOMPLEXを再始動させた時の邂逅シーンを再現するが、これは若い人には元ネタがわからないような気もする。
ライブは「ファントムバイブレーション」からスタートするのだが、
「起きてますかー!」
とセイヤが叫んでからの「MEGA SHAKE IT!!」、なぜこのタイミングでこの曲?と思ってしまう「OS」と続くと、毎週のごとくに週末はフェス参戦、この日も前日にBAYCAMPに出演してきたという状況だからか、どこかメンバーからは疲れのようなものも感じる。「45」とマジックで書かれたアヒルのゴムボートが客席を飛び交うなど、ぴあ45周年に合わせたパフォーマンスは健在だが。
「NO MORE 劣化実写化」はすでにライブのおなじみ曲になり、「海賊盤はダメ ダメ」の部分でのXジャンプもすっかり定着している。こういう部分も含めて実にキュウソらしい曲である。
CMでおなじみの30秒ソング「家」を終えて少し落ち着くかと思いきや、客席で携帯を拾った人を見つけると、「イェーイ!」と叫んで「家」が連発されるというキュウソならではのパフォーマンスを見せる。
そしておなじみ「DQNなりたい、40代で死にたい」でセイヤが客席に突入すると、今回は人の上を歩いて行くのではなく、転がっていくのだが、途中で何度か転落しそうになり、最終的には大開脚をした状態で歌うという体勢になる。
「お父さん、お母さん、僕はこうやってご飯を食べています!」
と股を開いた状態で言うセイヤに観客はもちろん、ヨコタとタクロウも爆笑。
セイヤがステージに戻ると、最後は「ハッピーポンコツ」から「ビビった」というフェスの締めの鉄板という流れだったが、
「ビクターとぴあは同じビルに会社が入ってるんで、いつもお世話になってます!」
とセイヤが言った通りに随所にぴあへの愛を感じさせながら、自分たちの持ち味を存分に発揮したアクトだった。リハでやったという「トシロウ」、いつライブでちゃんと聴けるんだろうか。
1.ファントムバイブレーション
2.MEGA SHAKE IT!!
3.OS
4.NO MORE 劣化実写化
5.家
6.家
7.DQNなりたい、40代で死にたい
8.ハッピーポンコツ
9.ビビった
NO MORE 劣化実写化
https://youtu.be/SJwOnThUt9I
13:35~ BRADIO [CAMP STAGE]
登場時からゴージャスかつグルーヴィなサウンドでセッションをし、真行寺が
「ファンキーでハッピーな、ファンピーな空間を作りにやってきたぜー!」
と叫んで四つ打ちダンスロックとファンクを融合させた「Flayers」でスタートした、BRADIO。非常に暑い気候の中でも変わらず全員黒いスーツという見ているだけにさらに暑くなる出で立ちである。
MURO FES、ラブシャでは「Revolution」だったのが「Freedom」に変わっていたが、大きな音で埋め尽くすというタイプの曲ではなく、むしろ隙間を感じさせる研ぎ澄まされた曲。こうした曲がキラーチューンになっているあたり、アルバム「FREEDOM」でバンドの新たな持ち味を獲得したと思う。
フェスの短い持ち時間でもミドル~バラードと言ってもいい「Overnight Superstar」を演奏するのは、ただ盛り上げるだけでなく真行寺とこのバンドの歌心を見せてくれる。
ファンクならではの淫猥さを持った「スパイシーマドンナ」で陽気に踊らせると、この日もソウルトレインの終着駅は真行寺がバンドメンバーのグルーヴを紹介しつつ、ファンクのスタンダードEarth,Wind&Fire「September」を口ずさみながら振り付けを観客に伝授してから揃ったダンスを踊る「Back to the Funk」。この初見の人でもみんな踊りたくなるくらいのこのバンドのパワーは本当にすごい。それはバンドの演奏力とグルーヴという毎回真行寺がアピールする実力があってこそ。
しかしもはやフェスの30分くらいの尺では満足できないレベルになってきている。いずれはもっと長い時間演奏できるステージに進出するべきバンドなのは間違いないが、「FREEDOM」が今年トップクラスのクオリティのアルバムだっただけにそろそろワンマンに行くべきだろうか。
1.Flayers
2.Freedom
3.Overnight Superstar
4.スパイシーマドンナ
5.Back to the Funk
Freedom
https://youtu.be/n0AkKVDmdtM
14:10~ KANA-BOON [WIND STAGE]
今年も全国各地のフェスに出まくり、METROCKでもこのステージに何度も立っているKANA-BOON。バンドとしては今年の野外フェス納めである。
リリース前はバンドの新たな決意表明的な新曲として披露されていた「バトンロード」からスタートすると、「盛者必衰の理、お断り」で鮪の早口ボーカルが炸裂。バンドの演奏もそれにしっかりついていくようにスピード感を増していく。
ここで演奏されたのは月末にリリースされるアルバム「NAMiDA」に収録される「ディストラクションビートミュージック」。高速ダンスロックという点では原点回帰的な曲のように思えるが、当時の曲とはっきりと違うのはビート。「Origin」で果たしたバンド全体のアップデートがしっかりと実を結んでいる。内容的には賛否両論、ツアーも集客が厳しい部分も露呈してしまった「Origin」だが、これからKANA-BOONが活動を続けていくにつれてあのアルバムの重要度は大きくなってくる予感がする。
シリアスな戦いの歌「Fighter」から、もはや「チャーハン」としか鮪が紹介しなくなった「ないものねだり」と全くタイプの違う新旧の代表曲を連発すると、今回も鮪が上半期に世間を騒がせてしまったことについて語って飯田が深々と頭を下げ、その時期に作られた「それでも僕らは願っているよ」を披露。すでに夏フェスでは毎回演奏されている曲だが、これだけいろんな要素が真っ直ぐな曲だとKANA-BOONの持つメロディの力に改めて気付かされるし、そういう曲を歌うことにより鮪は本当に歌が上手いボーカリストであると再確認させられる。
そしてラストはエモーションが炸裂する「シルエット」で締めたが、バンドに訪れた最大の試練を見事に自らの音楽に昇華し、前作で試みたサウンドのビルドアップも確かに果たしていることがよくわかるであろうアルバム「NAMiDA」は「DOPPEL」や「TIME」を超える、KANA-BOONの最高傑作になる予感しかしない。
1.バトンロード
2.盛者必衰の理、お断り
3.ディストラクションビートミュージック
4.Fighter
5.ないものねだり
6.フルドライブ
7.それでも僕らは願っているよ
8.シルエット
バトンロード
https://youtu.be/OFquPzLWJ5Q
14:55~ パスピエ [CAMP STAGE]
ドラム・やおたくやが脱退し、4人での再スタートを果たした、パスピエ。サポートドラマーを迎えていることにより編成自体に変化はないが、男性陣は揃いのグレーのシャツ、ボーカル大胡田なつきは赤いドレスを着て、髪の一部分を金に染めている。
成田ハネダのピアノが美しい旋律を奏でながら、バンドのセッション的なイントロが追加された「トキノワ」からスタートし、夏前に配信リリースされた最新曲「あかつき」と、目立つようなフックというよりはメロディの美しさを前面に押し出した曲が続く。大胡田はいつものようにステージをゆらゆらと動きながら歌うのだが、存在感が今まで以上に増しているのは間違いなくボーカリストとしての力量そのものが増しているから、ということが瞬時にわかるくらいに歌がさらに広く遠く届くような歌い方を会得しているような気がする。
その大胡田が観客を煽りまくりながら躍らせる「チャイナタウン」では三澤がド派手なギターソロを見せ、アルバムとしては最新作の「&DNA」からの「スーパーカー」と短い時間の中に初期の曲も近年の曲も交えてくるのだが、それがバンドの進化と幅の広さを感じさせてくれる。
「我々パスピエはインドア派なバンドなんですけど、インドア派なりの爽やかさを感じてもらえたらいいなと」
と大胡田が独特な言い回しの挨拶をしてからパスピエ流、和とロックの融合を果たした「つくり囃子」で二本の指を狐のようにしてかざしながら歌うと、ラストはシンセの不穏なサウンドと和の雰囲気がマッチしたダンスチューン「MATATABISTEP」で露崎がゴリゴリのベースラインを弾いて否が応でも観客を踊らせまくって、インドア派のこのバンドがアウトドアなフェスの場でも勝てるバンドであることを証明してみせた。
しかしパスピエは間違いなく5人の実力があるミュージシャンが難解な演奏をしながらもポップな楽曲に昇華するというバンドであっただけに、そのバンドサウンドの屋台骨を担っていたやおの脱退は非常に痛いと思っていたのだが、こうして今の状態でのライブを見ると、クールさの中で燃え上がる情熱のようなものは全く失われていないと実感させてくれる。鬼才・成田ハネダも絶対今までのパスピエをこの4人で更新しようとしてくるはずなだけに、果たして次はどんな作品を世に送り出してくるのか。
1.トキノワ
2.あかつき
3.チャイナタウン
4.スーパーカー
5.つくり囃子
6.MATATABISTEP
あかつき
https://youtu.be/XiXwljvAphY
15:30~ クリープハイプ [WIND STAGE]
KANA-BOON同様に各地のフェスを転戦してきた、クリープハイプ。
この日もSEなしでふらっとメンバーがステージに登場すると、カオナシのベースのイントロで始まったのはいきなりの「HE IS MINE」。するとあの合唱部分で尾崎世界観が
「今日、甥っ子が初めてフェスに来てるんですよ。教育に良くないし、あの子が俺みたいな大人になったら良くないので、絶対に言うなよ!」
と最大限のフリをして、やはり「セックスしよう!」の大合唱を早くも巻き起こす。
続くまだまだ夏であることを実感させられる暑い気候の中での「ラブホテル」でもラストサビ前でいったん演奏を止め、
「昨日もライブだったんですけど、終わった後にツイッターを見てたら、「クリープハイプのボーカルの人がイケメンじゃないのにイケメン風なMCをしてるのが無理」っていうツイートを見つけて。わかってんだよそれは(笑)
でも今更、「はいはい、どうもみなさんありがとうございますね。本当に来てくれてね、嬉しいですよ」(めちゃバカっぽい言い方で)みたいなへりくだった感じのMCなんかできないですよ(笑)
だからみなさん、僕のことは薄目で見てください。もう寝起きの時くらいの感じで(笑)
それでももしイケメンに見えたんだとしたら、それは…」
と長々と、しかしライブの流れ同様に実にテンポ良く喋ってから、
「夏のせい 夏のせい」
と自身がイケメンに見えることすらも夏のせいにしてしまうというこの流れ、毎回ちゃんと内容をガラッと変えながらもいつも「上手いこと言うな~」と思えるあたりはさすがに作家としてもデビューを果たした男だからだろうか。
「イケメンに交代します(笑)」
とカオナシにボーカルを譲ると、
「みなさん、今年も東京湾には花火が上がらなかったそうですが、上がっていたらそれはさぞ盛大な火まつりになったことでしょう」
と相変わらず独特な語り口でカオナシが曲フリ(カオナシも尾崎に影響されてかフリが上手くなってきている)してから、今年の夏フェスではおなじみになっている「火まつり」へ。
さらにカオナシがキーボードを弾くという活躍ぶりを見せる「5%」、ブラックミュージックのグルーヴを取り入れた「鬼」と、今までとは違う角度からバンドの更新を図った「世界観」の曲たちがしっかりとライブの中心選手となり、
「ステージの上だから無責任なことを言います。大丈夫です!」
と本当になんの裏付けや根拠もないままで「大丈夫」を演奏。
そして今年を代表する名曲「イト」から、ラストは「社会の窓」あたりかな?と思っていたらまさかの「寝癖」。こうしてこちらの予想を軽やかに裏切ってくるあたりはさすがにひねくれバンドだが、尾崎の歌は最近は本当に安定感を増してきた。だからこそこうして短い曲数でポンポンと曲を連発していくというライブのスタイルがよく合っているし、目に見えて尾崎の声があまり出ていないという意見はなくなりつつある。つまり、ライブの平均点がここにきてグッと上がっているということ。
1.HE IS MINE
2.ラブホテル
3.火まつり
4.5%
5.鬼
6.大丈夫
7.イト
8.寝癖
イト
https://youtu.be/cxuqBH9jOSw
16:15~ GRAPEVINE [CAMP STAGE]
シングル「Arma」に続いてアルバム「RODESIDE PROPHET」もリリースされたばかりのGRAPEVINEだが、今年で20周年であるのに記念碑的なライブや記念盤のリリースが一切ないというあたりはデビュー時から変わらぬ天邪鬼さを感じさせる。
しかしドラマーの亀井がプロレスラーの武藤敬司のようなポーズを取るという高いテンションでメンバーが登場して、その最新シングル「Arma」(どことなくそれっぽい聴き方をすればバンドの20周年を歌っているように聴こえる。気がする)からスタートすると、早くもかつてのヒットシングル「スロウ」を演奏。ちょっと昔までのパターンならリリースしたばかりの作品の曲ばかりやるというフェスでライブを見に来るようなファンの期待には全く応えなかったのが、近年はこうして少し変わりつつある。バンドの演奏の安定感はもはや毎年確実に二桁勝利を挙げてくれるベテラン投手のようだ。
「我々GRAPEVINE、今年でデビュー20周年を迎えました。(客席に耳を傾ける仕草をして歓声を煽る)
各地でこうして無理矢理祝っていただいてますけど(笑)、20年もやっていると数々の名曲がありますのでね。さっきやった「スロウ」も大ヒットしましたからね。知らないやつはモグリですよ(笑)」
と、昔なら絶対言わないであろうことを言うようになったのは、やはり15周年あたりからバンドの意識が変わったからであろうか。
そして田中がアコギに持ち替えて演奏された「風待ち」はまさにバンドの持つ大名曲。また野外でこの曲を聴けるというのもたまらないが、このシチュエーションでこの曲を聴くと、10年以上前、この曲がライブで聴きたくてしょうがなかったのに全然やってくれないどころかやる気配すらなくて諦めていたところでようやく聴けた時のことを思い出す。20年もやっていて、そのほとんどの期間を見てくると、そうしていろんな曲に思い入れが芽生えてくる。それはこの年まで続けてきたバンドだからこそ感じられること。
最新アルバムから披露された「Chain」は近年のバインのアルバム曲の中ではメロディに重点が置かれた曲で(とはいえ高野勲はよくわからない楽器を演奏して不穏な音を奏でたりしているが)、フェスで演奏するアルバム曲にこうした曲を選んでいるのが、「KINGDOM COME」とかばかりやっていた頃とはまるっきり変わったな、と思ってしまう。それはそれで好きだったけど。
そしてラストはバンド最大のヒット曲にして、今やすっかりライブでの代表曲にもなった「光について」。
かつてNICO Touches the Wallsの光村との対談で田中は
「フェスだからこそ自分たちの1番濃い部分を見せないと」
と自身のフェスでの戦い方について語っていた(それが「豚の皿」や「CORE」をフェスでやりまくってた理由なんだろうけど)が、おそらく今同じ対談を企画したらその言葉はすっかり変わっているであろうことが容易に想像できるくらいに、このバンドのフェスでの戦い方は変わった。それについては普通になった、と思ってしまう人もいるかもしれないが、今まで全然ヒットシングルをフェスでやってこなかったんだから、そろそろそういう曲を聴かせてくれてもいいじゃないか、と自分は思う。このバンドの持つメロディの良さ(それは田中だけじゃなく、亀井が持っているものでもある)が初めて見る人にもわかるのはそういう曲だと思うだけに。
1.Arma
2.スロウ
3.風待ち
4.Chain
5.光について
Arma
https://youtu.be/ZXGuTl1DNpw
16:50~ ゲスの極み乙女。 [WIND STAGE]
ようやく通常のペースで活動できるようになった、ゲスの極み乙女。。このフェスにはindigo la EndもDADARAYも出演しているだけに、川谷絵音の作ったバンドが2日間で3組も出演しているという稼働っぷり。
しかしながら4人がステージに登場すると、音楽は流れているのにメンバーは楽器を演奏せず、全員で揃った振り付けを踊りながらカラオケ状態で歌う新曲「あなたには負けない」でスタートするという衝撃の展開。
「だってスプリングだから」
「えのぴょん、しっかりして!」
など、例の騒動を逆手に取るかのようなフレーズの数々は川谷の精神力の凄まじい強さを感じさせる。炎上商法というよりはもはや自分で自分の墓を荒らすかのような所業である。
さらに「私以外私じゃないの」でもほないこかが全くドラムを叩かず、川谷とデュエットするという新アレンジバージョンになっており、ますます「一体このバンドはどうしたんだ?」という空気で会場が満たされていく。
しかしそれすらも狙い通りであるかのように一転してそこからは従来のアレンジで新旧の代表曲を次々に演奏していくが、ちゃんMARIのピアノソロや休日課長のベースソロはこのメンバーたちの基本的な技術の高さを改めて感じさせてくれるとともに、難解な演奏をポップな楽曲にまとめ上げる川谷のプロデュース能力の高さにもため息が出るくらいに驚かされる。
川谷とほないこかが再びデュエットする「シアワセ林檎」を終えると川谷が
「昨日出てたベッド・インのギターの人は大学の先輩なんだけど、当時はハードコアバンドをやってたのに、今はなんかバブル期を蘇らせるみたいなバンドになってて…(笑)」
と前日のindigoの時と同様にベッド・インと自身の意外な繋がりについて語ってから、
「あと、今月アウトデラックスっていうテレビに出ます。色々あったミュージシャン特集の回で(笑)
でも俺だけ出るんならいいんだけど、バンドで出るとメンバーはなんもしてないのになんか申し訳ないなっていう感じになって。今日はKANA-BOONもいるし(笑)
鮪くんも別にもう言わなくてもいいのにねぇ?鮪くんは何にもしてないんだから。まぁ鮪くんとそんなに仲良くないのに言ってますけど(笑)古賀くんとは鍋を一緒にやったことがあります(笑)
俺はこういうスタイルですよ?(笑)これからもこうやって強く生きていこうと思ってます(笑)」
と改めてその誰に何を言われても動じないような凄まじい精神力の強さを発揮(この辺りは名前を出したKANA-BOONとはやったことの消化の仕方が全く違う)し、ラストは「キラーボール」で踊らせまくって、改めてゲスの極み乙女。というバンドと川谷絵音という男の恐ろしさを思い知らせた。
反省してないのか、と思う人もたくさんいるだろうが、普通の人はあれだけ叩かれたりネタにされまくったことを自ら掘り返してネタにするようなことはできない。誠実さは皆無かもしれないが、このやり方が川谷絵音という男そのものなのかもしれないし、「あなたには負けない」を聴いていると、一連の騒動があったからこそ作れたという曲がこれからも出てきそうな予感がする。もはや我々凡人には彼の活動や行動を予測することは無意味であるが。
1.あなたには負けない
2.私以外私じゃないの
3.ロマンスがありあまる
4.アソビ
5.某東京
6.星降る夜に花束を
7.シアワセ林檎
8.キラーボール
シアワセ林檎
https://youtu.be/PSksGiZlgV8
17:35~ 森高千里 [CAMP STAGE]
明らかに異色というか、前日のラインアップに並んでいた方が収まりが良かっただろうな、と思えるのが、最近は音楽番組の司会などでも活躍している、森高千里である。
ステージに男性のDJが登場し、「この人が音を出して森高千里が歌うんだな」と思っていたら、なぜか登場してきたのは黒いパーカーを羽織った少女。DJの人がやっているプロジェクトのメンバーであり、今回1曲だけ前座をやるということなのだが、バキバキのダンスミュージックにボーカルというよりも声を音の一部として発している、というようなこの前座ユニット、森高千里の往年のヒット曲を聴きにきた人たちからは「我々は何を見ているんだろう?」という空気がひしひしと発せられていた。
前座が終わるとようやく森高千里が登場。テレビで見ている通り、ある一定の年齢から全く歳を重ねているように見えないという信じられない見た目の若さとスタイルの良さに満員状態(2日間のこのステージで間違いなく1番人が多かった)の客席からは大歓声が上がるが、おかしいのはDJが流しているトラックが前座の時のそれと全く変わっていないということで、森高千里もそのトラックに合わせて踊りながらところどころ音の一部かのように声を発するという、まさかの前座と地続きのパフォーマンスを展開し、ますます客席には「?」マークが浮かびまくる。
そのバキバキのダンスミュージックアレンジの「ストレス」、さらに「私がオバさんになっても」と、今のこの人はこういうスタイルなんだな、というのが見ているうちにわかってくるのだが、
「私がオバさんになっても 本当に変わらない?」
と歌っているものの、当人のサウンドはひっくり返るくらいに変わっている。
なので当然かつてのヒット曲を聴けるのを期待してきた人たちは次々に脱落して客席から移動していき、最終的にはあまり人がいない状態にまでなっていた。
そんな中で最後に演奏されたのは、tofubeatsとの仕事で生まれた近年の、そもそもがダンスミュージックの曲たち。ということはこれらの曲がメインであり、かつての代表曲のアレンジもこの曲たちに合わせたという、彼女の現在の音楽活動の形を示すものになっていたのだが、アジカンのゴッチは
「会場着いたらめっちゃEDMみたいなのが流れてて、え?って思ったら森高千里さんだった(笑)
ああいうの俺はすごい好きだけどね。期待されてるものに一切応えないあのぶっ飛んだ感じ。パンクだな~って(笑)」
と評していたが、もうこのコメントが全てであろう。
ベテランになっても自らの立ち位置に甘んずることなく新たな可能性を追求し続けるのと、長くやってきたからこそファンの求めることをやるということ。どちらも正しいし、本人がやりたいことをやるのが1番なのは間違いないが、そのバランスというものは我々が外野からやいやい簡単に言うよりもはるかに難しいんだな~ということを実感した30分だった。
1.見たとおりよ私
2.ストレス
3.私がオバさんになっても (slow ver.)
4.朝が来るまで終わることないダンスを
5.Don't Stop the Music
私がオバさんになっても
https://youtu.be/GewWg-T29Js
18:20~ WANIMA [WIND STAGE]
もう会場は始まる前から、どこにこんなに人がいたんだ?というくらいの満員ぶり。しかも若いライブキッズから子連れの家族まで。すっかり暗くなったWIND STAGEでそんな景色を作り上げたのはWANIMA。
「JUICE UP!!のテーマ」のSEで元気いっぱいに3人が登場し、ひとしきりジャンプさせたりして客席の温度を上げてから、
「ともに歌うよー!」
と去年のリリースから早くもアンセムと化した「ともに」でスタート。
「バイトするなら、チケットぴあ!」
という曲フリとともに(チケットぴあがバイトを募集しているのかは知らないけど)、リズムに合わせて「ぴぴぴぴあ」とKENTAとFUJIが口ずさんだりと、この日ならではのアレンジを随所に織り込んでくる。
「MUSIC COMPLEX、お前らが舵を取れぃ!」
とFUJIの長渕剛モノマネも炸裂する中、すっかりあたりは暗くなって夜、ということで「オドルヨル」で踊らせ、「1106」でさらに一段階スケールが上がったKentaの歌唱に聴き入っていると、急に曲の入りを赤と青の半分ずつに髪を染めたKO-SHINに振り、
KO-SHIN「何をしんみりしとんのじゃー!次の曲行くぞー!1!2!3!4!5!…」
KENTA「どこまで数えると!いつ入ればいいのかわからん!(笑)」
と天然なのか計算なのかはわからないが観客を笑わせてから、大合唱が巻き起こった「THANX」へ。
そして「この歌をお守りに」という「CHARM」で翌日からのそれぞれの生活にエールを送ると、
「本当は「CHARM」で終わるはずだったけど、もう1曲やるけん!」
と「Hey Lady」で最後に再び大合唱を起こして、バンドの持つ普遍的なメロディの力を示してみせた。
METROCKの時に自分は「2年連続でメインステージのトリをサカナクションと[Alexandros]がやっている。おなじみのメンツの中でそこを切り崩せるのはWANIMAだ」と言ったが、実際にMETROCKでは2番目のステージのトリだったのが、もう完全にスケールはこっちのステージのトリをやるべき存在であることを自らの手で証明していた。長らく見ることができなかった、「大型フェスのメインステージのトリを若手パンクバンドが務める」というシーンが見れるようになる未来はすぐそこまで来ている。
1.ともに
2.ララバイ
3.オドルヨル
4.1106
5.THANX
6.CHARM
7.Hey Lady
CHARM
https://youtu.be/Ir3EFQg4H7I
19:05~ TRICERATOPS [CAMP STAGE]
二日間で様々なタイプのアーティストが出演したCAMP STAGEのトリを飾るのはTRICERATOPS。GRAPEVINEと同期なので、今年でデビュー20周年というメモリアルイヤーである。
開始時間を過ぎるくらいに入念にメンバー3人が自身でサウンドチェックを行うと、そのままライブを始めることに。しかし、
「ジングルがあった方がなんか締まるよね」
ということで、3人がそれぞれ自分の口で
「ぴあMUSIC COMPLEX 2017。NEXT ARTIST IS TRICERATOPS!」
とジングルを鳴らしてから「FEVER」でスタート。シンプル極まりないスリーピースのギターロックだが、間奏では和田唱が派手にギターソロを弾きまくり。歌っている時はそこまでガンガンギターを弾いているわけではないので、そことのコントラストが効いている。
続いてバンド最大のヒット曲「GOING TO THE MOON」でも和田は間奏でギターソロを弾きまくるが、この曲を聴くとやはり当時のタイアップ効果からかポカリスエットが飲みたくなってくる。
そしてこの曲を演奏している時、カメラブース前で(やはりあんまり客が多いとは言えない状況だった)、小学生くらいの子連れの親が子供の手を取りながらこの曲を夫婦で熱唱していたのだが、彼らの年齢から察するにリアルタイムでこの曲を聴いてきたんだろうし、もしかしたらこのバンドがこの2人を繋げたんだろうか、とも想像した。そうだとしたらそんなに素敵なことはない。
「バラードは好きですかー!?」
という問いにそこそこのリアクションが返ってきて演奏されたのはこちらも「GOING TO THE MOON」に続くヒットシングル「if」。しかしながら和田はギターではなくピアノを弾きながら歌い、林と吉田のリズム隊も歌に寄り添うというくらいの最小限の演奏。ピアノになると実にブルース色が強くなるが。
「ぴあMUSIC COMPLEX。前回このイベントが開催されたのが10年前。10年前も来てた人っている?そこそこいるか。この二日間の出演者をザッと見させてもらったんだけど、10年前も出てたのは俺たちとGRAPEVINEだけで。そのGRAPEVINEと同じ日に同じステージにこうして立っているっていうのは、お互いここまで続けてこれたからだな、って思います」
という和田のMCからは共闘関係というような存在ではないが、デビュー時からずっと比較されて近い位置にいたバンド同士だからこその見えない絆や信頼を感じさせた。きっといつも一緒にライブをやったりしなくても、お互いがバンドを続けているだけで勇気付けられる、そんな関係なのだろう。
「MILK & SUGAR」でスリーピースバンドならではのグルーヴのダイナミズムを感じさせると、
「今日、晴れてたのに夜は星は見えないんだね(笑)星が出てればいい感じで曲に入れたのに(笑)
みなさん、心の目で星を見てください(笑)」
と和田の緩い独特の空気が炸裂しまくる「スターライト スターライト」で疾走感を取り戻すと、ラストはアウトロで観客に合唱させた「トランスフォーマー」。いつまでやるんだろうか?っていうくらいに何度も何度も和田はコーラスを観客に歌わせるという原曲をはるかに上回る尺の長さになった。
やはり動員的にはトリとは言えどなかなか厳しいものだったが、このバンドが全く立ち止まることも形が変わることもなく、そうした雰囲気を全く感じさせることなく続いているのは実に頼もしい。この二日間に出演している若手アーティストたちが10年後も続いているかは全くわからないが、このバンドとGRAPEVINEはきっと変わらずに自分たちのロックを鳴らしているはず。
1.FEVER
2.GOING TO THE MOON
3.if (ピアノver.)
4.MILK & SUGAR
5.スターライト スターライト
6.トランスフォーマー
スターライト スターライト
https://youtu.be/6cqnh632fCM
19:50~ ASIAN KUNG-FU GENERATION [WIND STAGE]
二日間の祝祭の大トリを飾るのはアジカン。この会場のステージに立つのは2010年のROCKS TOKYOに出演した時(その時は二日間のうちの初日のトリだった)以来となる。
しかし、TRICERATOPSが少し時間が押していた(始まるのも遅れていたが)ことにより、着いたらすでに1曲目の「荒野を歩け」を演奏している最中。この曲のギターソロ、アジカンの曲の中でも最高のフレーズだと思っているので、そこを聴き逃してしまったのは非常に痛い。
しかし「Re:Re:」を演奏する中、ステージが近くなり、メンバーの姿がはっきり見えてくると、真ん中に立っているのは「およげ!たい焼きくん」を歌っていたシンガー、子門真人かと思うくらいに髪型にさらにパーマがかかり、ヒゲも濃くなったゴッチであった。
その子門真人みたいなゴッチが、「Lotus Flower」のときのトム・ヨーク(Radiohead)みたいに奇怪なダンスを踊りまくる(当然客席は爆笑)「1.2.3.4.5.6. Baby」はそのダンスに合わせるかのようにサイケデリックなイントロのアレンジになっている。
「みんな自由に踊って。ダサくたってかっこ悪くたっていいんだよ」
とゴッチは観客に呼びかけるが、その言葉を自身が完璧に実践している。
MCでは森高千里のパンクさに触れながら、
「ぴあで俺も連載を持ってたんだけど、毎週800字とか1200字くらいの原稿を要求されるんだよ。あれはキツかったなぁ。だから週刊少年ジャンプに連載してる漫画家の人たちなんてすごいよ。1人ブラック企業だもん(笑)」
と相変わらず皮肉めいた言い方でぴあの45周年を祝い、同時にドラムの潔がフジファブリックの金澤ダイスケとともに飲食ブースにカレーを出していることにも触れる。ゴッチはスタジオで先に食べさせてもらったらしいが、
「クソマズい…(笑)いや、めちゃ美味かったよ、本当に」
といじりながらも素直に潔を褒めると、おなじみの「リライト」の間奏セッションではその潔をフィーチャーしまくった、というか最終的には喜多、山田、シモリョーの3人が演奏せずに見守るだけというドラムソロにまで展開。これだけでもめちゃくちゃ珍しいのに、ゴッチが突如としてドラムセットに突進して潔のスティックを放り投げ、さらに回り込んで後ろから潔に抱きつくという衝撃の展開に。普通のバンドならメンバー同士の絆を感じさせる美しい瞬間というようなものだが、ゴッチが捻くれまくっているだけにアジカンだとほとんどそういう面を感じず、ただただ衝撃、という感想しかない。
そんな謎なくらいにハイテンションになったゴッチは曲終わりでもいつもの「ありがとう」とそっと言うのではなく、「ありがとうっ!!!」と叫んでいると言ってもいいレベルで声をあげる。一体この日のこのテンションはなんだったんだろうか。
イントロで大歓声があがった「ソラニン」からの「今を生きて」というおなじみの流れで本編を終えてからのアンコールでは、
「明日月曜日だからみんな仕事とか学校でしょ?でも大丈夫。我々が最後に演奏する曲がみんなの心を、オフィスで、学校で包み込むから。
この前も「アジカンの最後の曲の余韻がすごかった」って言ってくれた子がいたんだけど、「その後に目の前のカップルがチューしてて、余韻が台無しになった」って言ってて(笑)別にチューくらいいいじゃんなぁ?(笑)」
と笑わせながらその余韻を残すべく最後に演奏されたのは「君という花」で特大の「らっせーらっせー!」コールを起こし、この二日間とぴあの45周年に完璧に幕を下ろした。
正直、アジカンももはや昔ほどチケットが取れないという状況ではない。そこまでライブの本数が多いわけでもないし、ゴッチはソロも並行しているため、リリースペースも若手バンドに比べたら速いとは言えない。だから落ち着いたという感じに見えてしまうが、この日の、チケットがあまり売れてないという状況が信じられないくらいの超満員っぷりからは、アジカンがまだまだ日本のロックシーンのど真ん中にして最前線に立っているということを確認させてくれた。
1.荒野を歩け
2.Re:Re:
3.Standard
4.アンダースタンド
5.1.2.3.4.5.6. Baby
6.ブラッドサーキュレーター
7.リライト
8.ソラニン
9.今を生きて
encore
10.君という花
荒野を歩け
https://youtu.be/AbaGY7TWq8A
終演後、スクリーンにはぴあがこれからも音楽シーンを盛り上げていくべく様々な活動を行なっていくこと(横浜に新しくライブ会場を作ったりとか)の意志とも取れる言葉が映し出された。ぴあはこれからも続いていくだろうし、そうすればまたこうしたデカいお祭りもやってくれる。それが5年後か10年後かはわからないが、若洲公園にはまた来年の5月に。すっかりこの場所も大事な場所になった。
Next→ 9/17 氣志團万博2017 @袖ヶ浦海浜公園
11:30~ BLUE ENCOUNT [WIND STAGE]
この会場でこのメインステージに立つのは初めてのBLUE ENCOUNT。サウンドチェック時点で4人がお互いを褒めたりいじったりという仲の良さを見せていた。
バンドの演奏の迫力を見せつける「LAST HERO」で始まるのはラブシャと同様だが、その後に初期曲の「STROBO」を演奏するという、フェスではほぼ全くやらないサプライズ。これはぴあの45周年記念フェスであるが、バンドもこの日でちょうどデビュー3周年という記念であるが故の選曲だったらしい。
「Survivor」からはさらにバンドサウンドは力強さを増していき、最新曲「SUMMER DIVE」では観客がタオルを回すのだが、これは早くも定着しており、たくさんの人がグルグルとタオルを回していた。あまり季節感のある曲がないバンドだが、これからはブルエンの夏と言えばこの曲になるのは間違いない。
「もっと光を」で大合唱を巻き起こすと、
「うるさいおじさんでもいいよ!ああいう曲ばっかりやってるバンドって言われてもいいよ!」
と田辺が熱く語るのだが、その熱いMCの後に最後に演奏されたのは「はじまり」だった。「ああいう曲」と括られるような曲ではない、いわゆる盛り上がる曲ではないこの曲を最後に持ってきたのにはバンド側の明確な意志がある。俺たちは盛り上がる曲だけのバンドじゃない、もっといろんな曲があるんだと。だからこそこの日のこの曲は他のどの曲よりも沁みた。
METROCKでは仲間のバンドたちがメインステージに進出する中、セカンドステージにとどまるという悔しい思いもしたはずだが、いよいよこの会場でこのステージに立つ存在のバンドになってきた。ある意味ではこれもまた一つの新たなこのバンドの「はじまり」である。
1.LAST HERO
2.STROBO
3.Survivor
4.DAY × DAY
5.SUMMER DIVE
6.もっと光を
7.はじまり
SUMMER DIVE
https://youtu.be/8oZbbiTtDT4
12:15~ DADARAY [CAMP STAGE]
ゲスの極み乙女。の休日課長らによる新バンド、DADARAY。前日にindigo la Endで出演し、この日もゲスの極み乙女。で出演する川谷絵音がプロデュースというプロジェクトである。
休日課長をセンターに、両サイドにはボーカルのREISとえつこの女性陣、さらにその後ろにはギターとドラムという布陣で「美しい仕打ち」から、いかにも川谷絵音というような一筋縄ではいかないくらいにわかりやすくはないが、確かに聴き心地はポップかつキャッチーというサウンドを展開していく。
REISはNIKIIEという名前でソロのシンガーソングライターとしても活躍しており、その時はイマイチピンと来なかったのだが、この川谷絵音サウンドを得たことによって、時にはピアノを弾きながら、時にはハンドマイクでステージを歩きながら歌い、ボーカルとしてのセンスが完全に開花している。
「当たり前だのスラッガー 私がホームランを打ちましょか」(東京Σ)
というどう見てもおかしい歌詞をこれほどポップソングに聴かせられるシンガーはそうそういないだろう。さらにそこに加わるえつこのボーカルも、正式メンバーということでindigoとゲスのサポート時よりもはるかに存在感を増している。
まだ曲もそこまで多くない(とはいえリリースペースは異常なくらいに速い)だけに現状の代表曲というかキラーチューン的な曲が並んだセトリだったが、これだけ完成度の高いこのバンド、川谷が活動できない時期のバンドやサイドプロジェクトにするにはもったいなさ過ぎる。今年は様々なフェスに出演したが、これからもこうした精力的な活動を見せてくれるのだろうか。
1.美しい仕打ち
2.block off
3.東京Σ
4.誰かがキスをした
5.イキツクシ
イキツクシ
https://youtu.be/RVwj5o7AUxc
12:50~ キュウソネコカミ [WIND STAGE]
ステージに流れるSEは吉川晃司と布袋寅泰によるユニット、COMPLEXの大ヒット曲「BE MY BABY」。明らかにフェスのタイトルに合わせた選曲であろうが、先に出てきたセイヤとヨコタはステージで向かい合って抱擁するという、反目し合っていた吉川晃司と布袋寅泰が震災後にCOMPLEXを再始動させた時の邂逅シーンを再現するが、これは若い人には元ネタがわからないような気もする。
ライブは「ファントムバイブレーション」からスタートするのだが、
「起きてますかー!」
とセイヤが叫んでからの「MEGA SHAKE IT!!」、なぜこのタイミングでこの曲?と思ってしまう「OS」と続くと、毎週のごとくに週末はフェス参戦、この日も前日にBAYCAMPに出演してきたという状況だからか、どこかメンバーからは疲れのようなものも感じる。「45」とマジックで書かれたアヒルのゴムボートが客席を飛び交うなど、ぴあ45周年に合わせたパフォーマンスは健在だが。
「NO MORE 劣化実写化」はすでにライブのおなじみ曲になり、「海賊盤はダメ ダメ」の部分でのXジャンプもすっかり定着している。こういう部分も含めて実にキュウソらしい曲である。
CMでおなじみの30秒ソング「家」を終えて少し落ち着くかと思いきや、客席で携帯を拾った人を見つけると、「イェーイ!」と叫んで「家」が連発されるというキュウソならではのパフォーマンスを見せる。
そしておなじみ「DQNなりたい、40代で死にたい」でセイヤが客席に突入すると、今回は人の上を歩いて行くのではなく、転がっていくのだが、途中で何度か転落しそうになり、最終的には大開脚をした状態で歌うという体勢になる。
「お父さん、お母さん、僕はこうやってご飯を食べています!」
と股を開いた状態で言うセイヤに観客はもちろん、ヨコタとタクロウも爆笑。
セイヤがステージに戻ると、最後は「ハッピーポンコツ」から「ビビった」というフェスの締めの鉄板という流れだったが、
「ビクターとぴあは同じビルに会社が入ってるんで、いつもお世話になってます!」
とセイヤが言った通りに随所にぴあへの愛を感じさせながら、自分たちの持ち味を存分に発揮したアクトだった。リハでやったという「トシロウ」、いつライブでちゃんと聴けるんだろうか。
1.ファントムバイブレーション
2.MEGA SHAKE IT!!
3.OS
4.NO MORE 劣化実写化
5.家
6.家
7.DQNなりたい、40代で死にたい
8.ハッピーポンコツ
9.ビビった
NO MORE 劣化実写化
https://youtu.be/SJwOnThUt9I
13:35~ BRADIO [CAMP STAGE]
登場時からゴージャスかつグルーヴィなサウンドでセッションをし、真行寺が
「ファンキーでハッピーな、ファンピーな空間を作りにやってきたぜー!」
と叫んで四つ打ちダンスロックとファンクを融合させた「Flayers」でスタートした、BRADIO。非常に暑い気候の中でも変わらず全員黒いスーツという見ているだけにさらに暑くなる出で立ちである。
MURO FES、ラブシャでは「Revolution」だったのが「Freedom」に変わっていたが、大きな音で埋め尽くすというタイプの曲ではなく、むしろ隙間を感じさせる研ぎ澄まされた曲。こうした曲がキラーチューンになっているあたり、アルバム「FREEDOM」でバンドの新たな持ち味を獲得したと思う。
フェスの短い持ち時間でもミドル~バラードと言ってもいい「Overnight Superstar」を演奏するのは、ただ盛り上げるだけでなく真行寺とこのバンドの歌心を見せてくれる。
ファンクならではの淫猥さを持った「スパイシーマドンナ」で陽気に踊らせると、この日もソウルトレインの終着駅は真行寺がバンドメンバーのグルーヴを紹介しつつ、ファンクのスタンダードEarth,Wind&Fire「September」を口ずさみながら振り付けを観客に伝授してから揃ったダンスを踊る「Back to the Funk」。この初見の人でもみんな踊りたくなるくらいのこのバンドのパワーは本当にすごい。それはバンドの演奏力とグルーヴという毎回真行寺がアピールする実力があってこそ。
しかしもはやフェスの30分くらいの尺では満足できないレベルになってきている。いずれはもっと長い時間演奏できるステージに進出するべきバンドなのは間違いないが、「FREEDOM」が今年トップクラスのクオリティのアルバムだっただけにそろそろワンマンに行くべきだろうか。
1.Flayers
2.Freedom
3.Overnight Superstar
4.スパイシーマドンナ
5.Back to the Funk
Freedom
https://youtu.be/n0AkKVDmdtM
14:10~ KANA-BOON [WIND STAGE]
今年も全国各地のフェスに出まくり、METROCKでもこのステージに何度も立っているKANA-BOON。バンドとしては今年の野外フェス納めである。
リリース前はバンドの新たな決意表明的な新曲として披露されていた「バトンロード」からスタートすると、「盛者必衰の理、お断り」で鮪の早口ボーカルが炸裂。バンドの演奏もそれにしっかりついていくようにスピード感を増していく。
ここで演奏されたのは月末にリリースされるアルバム「NAMiDA」に収録される「ディストラクションビートミュージック」。高速ダンスロックという点では原点回帰的な曲のように思えるが、当時の曲とはっきりと違うのはビート。「Origin」で果たしたバンド全体のアップデートがしっかりと実を結んでいる。内容的には賛否両論、ツアーも集客が厳しい部分も露呈してしまった「Origin」だが、これからKANA-BOONが活動を続けていくにつれてあのアルバムの重要度は大きくなってくる予感がする。
シリアスな戦いの歌「Fighter」から、もはや「チャーハン」としか鮪が紹介しなくなった「ないものねだり」と全くタイプの違う新旧の代表曲を連発すると、今回も鮪が上半期に世間を騒がせてしまったことについて語って飯田が深々と頭を下げ、その時期に作られた「それでも僕らは願っているよ」を披露。すでに夏フェスでは毎回演奏されている曲だが、これだけいろんな要素が真っ直ぐな曲だとKANA-BOONの持つメロディの力に改めて気付かされるし、そういう曲を歌うことにより鮪は本当に歌が上手いボーカリストであると再確認させられる。
そしてラストはエモーションが炸裂する「シルエット」で締めたが、バンドに訪れた最大の試練を見事に自らの音楽に昇華し、前作で試みたサウンドのビルドアップも確かに果たしていることがよくわかるであろうアルバム「NAMiDA」は「DOPPEL」や「TIME」を超える、KANA-BOONの最高傑作になる予感しかしない。
1.バトンロード
2.盛者必衰の理、お断り
3.ディストラクションビートミュージック
4.Fighter
5.ないものねだり
6.フルドライブ
7.それでも僕らは願っているよ
8.シルエット
バトンロード
https://youtu.be/OFquPzLWJ5Q
14:55~ パスピエ [CAMP STAGE]
ドラム・やおたくやが脱退し、4人での再スタートを果たした、パスピエ。サポートドラマーを迎えていることにより編成自体に変化はないが、男性陣は揃いのグレーのシャツ、ボーカル大胡田なつきは赤いドレスを着て、髪の一部分を金に染めている。
成田ハネダのピアノが美しい旋律を奏でながら、バンドのセッション的なイントロが追加された「トキノワ」からスタートし、夏前に配信リリースされた最新曲「あかつき」と、目立つようなフックというよりはメロディの美しさを前面に押し出した曲が続く。大胡田はいつものようにステージをゆらゆらと動きながら歌うのだが、存在感が今まで以上に増しているのは間違いなくボーカリストとしての力量そのものが増しているから、ということが瞬時にわかるくらいに歌がさらに広く遠く届くような歌い方を会得しているような気がする。
その大胡田が観客を煽りまくりながら躍らせる「チャイナタウン」では三澤がド派手なギターソロを見せ、アルバムとしては最新作の「&DNA」からの「スーパーカー」と短い時間の中に初期の曲も近年の曲も交えてくるのだが、それがバンドの進化と幅の広さを感じさせてくれる。
「我々パスピエはインドア派なバンドなんですけど、インドア派なりの爽やかさを感じてもらえたらいいなと」
と大胡田が独特な言い回しの挨拶をしてからパスピエ流、和とロックの融合を果たした「つくり囃子」で二本の指を狐のようにしてかざしながら歌うと、ラストはシンセの不穏なサウンドと和の雰囲気がマッチしたダンスチューン「MATATABISTEP」で露崎がゴリゴリのベースラインを弾いて否が応でも観客を踊らせまくって、インドア派のこのバンドがアウトドアなフェスの場でも勝てるバンドであることを証明してみせた。
しかしパスピエは間違いなく5人の実力があるミュージシャンが難解な演奏をしながらもポップな楽曲に昇華するというバンドであっただけに、そのバンドサウンドの屋台骨を担っていたやおの脱退は非常に痛いと思っていたのだが、こうして今の状態でのライブを見ると、クールさの中で燃え上がる情熱のようなものは全く失われていないと実感させてくれる。鬼才・成田ハネダも絶対今までのパスピエをこの4人で更新しようとしてくるはずなだけに、果たして次はどんな作品を世に送り出してくるのか。
1.トキノワ
2.あかつき
3.チャイナタウン
4.スーパーカー
5.つくり囃子
6.MATATABISTEP
あかつき
https://youtu.be/XiXwljvAphY
15:30~ クリープハイプ [WIND STAGE]
KANA-BOON同様に各地のフェスを転戦してきた、クリープハイプ。
この日もSEなしでふらっとメンバーがステージに登場すると、カオナシのベースのイントロで始まったのはいきなりの「HE IS MINE」。するとあの合唱部分で尾崎世界観が
「今日、甥っ子が初めてフェスに来てるんですよ。教育に良くないし、あの子が俺みたいな大人になったら良くないので、絶対に言うなよ!」
と最大限のフリをして、やはり「セックスしよう!」の大合唱を早くも巻き起こす。
続くまだまだ夏であることを実感させられる暑い気候の中での「ラブホテル」でもラストサビ前でいったん演奏を止め、
「昨日もライブだったんですけど、終わった後にツイッターを見てたら、「クリープハイプのボーカルの人がイケメンじゃないのにイケメン風なMCをしてるのが無理」っていうツイートを見つけて。わかってんだよそれは(笑)
でも今更、「はいはい、どうもみなさんありがとうございますね。本当に来てくれてね、嬉しいですよ」(めちゃバカっぽい言い方で)みたいなへりくだった感じのMCなんかできないですよ(笑)
だからみなさん、僕のことは薄目で見てください。もう寝起きの時くらいの感じで(笑)
それでももしイケメンに見えたんだとしたら、それは…」
と長々と、しかしライブの流れ同様に実にテンポ良く喋ってから、
「夏のせい 夏のせい」
と自身がイケメンに見えることすらも夏のせいにしてしまうというこの流れ、毎回ちゃんと内容をガラッと変えながらもいつも「上手いこと言うな~」と思えるあたりはさすがに作家としてもデビューを果たした男だからだろうか。
「イケメンに交代します(笑)」
とカオナシにボーカルを譲ると、
「みなさん、今年も東京湾には花火が上がらなかったそうですが、上がっていたらそれはさぞ盛大な火まつりになったことでしょう」
と相変わらず独特な語り口でカオナシが曲フリ(カオナシも尾崎に影響されてかフリが上手くなってきている)してから、今年の夏フェスではおなじみになっている「火まつり」へ。
さらにカオナシがキーボードを弾くという活躍ぶりを見せる「5%」、ブラックミュージックのグルーヴを取り入れた「鬼」と、今までとは違う角度からバンドの更新を図った「世界観」の曲たちがしっかりとライブの中心選手となり、
「ステージの上だから無責任なことを言います。大丈夫です!」
と本当になんの裏付けや根拠もないままで「大丈夫」を演奏。
そして今年を代表する名曲「イト」から、ラストは「社会の窓」あたりかな?と思っていたらまさかの「寝癖」。こうしてこちらの予想を軽やかに裏切ってくるあたりはさすがにひねくれバンドだが、尾崎の歌は最近は本当に安定感を増してきた。だからこそこうして短い曲数でポンポンと曲を連発していくというライブのスタイルがよく合っているし、目に見えて尾崎の声があまり出ていないという意見はなくなりつつある。つまり、ライブの平均点がここにきてグッと上がっているということ。
1.HE IS MINE
2.ラブホテル
3.火まつり
4.5%
5.鬼
6.大丈夫
7.イト
8.寝癖
イト
https://youtu.be/cxuqBH9jOSw
16:15~ GRAPEVINE [CAMP STAGE]
シングル「Arma」に続いてアルバム「RODESIDE PROPHET」もリリースされたばかりのGRAPEVINEだが、今年で20周年であるのに記念碑的なライブや記念盤のリリースが一切ないというあたりはデビュー時から変わらぬ天邪鬼さを感じさせる。
しかしドラマーの亀井がプロレスラーの武藤敬司のようなポーズを取るという高いテンションでメンバーが登場して、その最新シングル「Arma」(どことなくそれっぽい聴き方をすればバンドの20周年を歌っているように聴こえる。気がする)からスタートすると、早くもかつてのヒットシングル「スロウ」を演奏。ちょっと昔までのパターンならリリースしたばかりの作品の曲ばかりやるというフェスでライブを見に来るようなファンの期待には全く応えなかったのが、近年はこうして少し変わりつつある。バンドの演奏の安定感はもはや毎年確実に二桁勝利を挙げてくれるベテラン投手のようだ。
「我々GRAPEVINE、今年でデビュー20周年を迎えました。(客席に耳を傾ける仕草をして歓声を煽る)
各地でこうして無理矢理祝っていただいてますけど(笑)、20年もやっていると数々の名曲がありますのでね。さっきやった「スロウ」も大ヒットしましたからね。知らないやつはモグリですよ(笑)」
と、昔なら絶対言わないであろうことを言うようになったのは、やはり15周年あたりからバンドの意識が変わったからであろうか。
そして田中がアコギに持ち替えて演奏された「風待ち」はまさにバンドの持つ大名曲。また野外でこの曲を聴けるというのもたまらないが、このシチュエーションでこの曲を聴くと、10年以上前、この曲がライブで聴きたくてしょうがなかったのに全然やってくれないどころかやる気配すらなくて諦めていたところでようやく聴けた時のことを思い出す。20年もやっていて、そのほとんどの期間を見てくると、そうしていろんな曲に思い入れが芽生えてくる。それはこの年まで続けてきたバンドだからこそ感じられること。
最新アルバムから披露された「Chain」は近年のバインのアルバム曲の中ではメロディに重点が置かれた曲で(とはいえ高野勲はよくわからない楽器を演奏して不穏な音を奏でたりしているが)、フェスで演奏するアルバム曲にこうした曲を選んでいるのが、「KINGDOM COME」とかばかりやっていた頃とはまるっきり変わったな、と思ってしまう。それはそれで好きだったけど。
そしてラストはバンド最大のヒット曲にして、今やすっかりライブでの代表曲にもなった「光について」。
かつてNICO Touches the Wallsの光村との対談で田中は
「フェスだからこそ自分たちの1番濃い部分を見せないと」
と自身のフェスでの戦い方について語っていた(それが「豚の皿」や「CORE」をフェスでやりまくってた理由なんだろうけど)が、おそらく今同じ対談を企画したらその言葉はすっかり変わっているであろうことが容易に想像できるくらいに、このバンドのフェスでの戦い方は変わった。それについては普通になった、と思ってしまう人もいるかもしれないが、今まで全然ヒットシングルをフェスでやってこなかったんだから、そろそろそういう曲を聴かせてくれてもいいじゃないか、と自分は思う。このバンドの持つメロディの良さ(それは田中だけじゃなく、亀井が持っているものでもある)が初めて見る人にもわかるのはそういう曲だと思うだけに。
1.Arma
2.スロウ
3.風待ち
4.Chain
5.光について
Arma
https://youtu.be/ZXGuTl1DNpw
16:50~ ゲスの極み乙女。 [WIND STAGE]
ようやく通常のペースで活動できるようになった、ゲスの極み乙女。。このフェスにはindigo la EndもDADARAYも出演しているだけに、川谷絵音の作ったバンドが2日間で3組も出演しているという稼働っぷり。
しかしながら4人がステージに登場すると、音楽は流れているのにメンバーは楽器を演奏せず、全員で揃った振り付けを踊りながらカラオケ状態で歌う新曲「あなたには負けない」でスタートするという衝撃の展開。
「だってスプリングだから」
「えのぴょん、しっかりして!」
など、例の騒動を逆手に取るかのようなフレーズの数々は川谷の精神力の凄まじい強さを感じさせる。炎上商法というよりはもはや自分で自分の墓を荒らすかのような所業である。
さらに「私以外私じゃないの」でもほないこかが全くドラムを叩かず、川谷とデュエットするという新アレンジバージョンになっており、ますます「一体このバンドはどうしたんだ?」という空気で会場が満たされていく。
しかしそれすらも狙い通りであるかのように一転してそこからは従来のアレンジで新旧の代表曲を次々に演奏していくが、ちゃんMARIのピアノソロや休日課長のベースソロはこのメンバーたちの基本的な技術の高さを改めて感じさせてくれるとともに、難解な演奏をポップな楽曲にまとめ上げる川谷のプロデュース能力の高さにもため息が出るくらいに驚かされる。
川谷とほないこかが再びデュエットする「シアワセ林檎」を終えると川谷が
「昨日出てたベッド・インのギターの人は大学の先輩なんだけど、当時はハードコアバンドをやってたのに、今はなんかバブル期を蘇らせるみたいなバンドになってて…(笑)」
と前日のindigoの時と同様にベッド・インと自身の意外な繋がりについて語ってから、
「あと、今月アウトデラックスっていうテレビに出ます。色々あったミュージシャン特集の回で(笑)
でも俺だけ出るんならいいんだけど、バンドで出るとメンバーはなんもしてないのになんか申し訳ないなっていう感じになって。今日はKANA-BOONもいるし(笑)
鮪くんも別にもう言わなくてもいいのにねぇ?鮪くんは何にもしてないんだから。まぁ鮪くんとそんなに仲良くないのに言ってますけど(笑)古賀くんとは鍋を一緒にやったことがあります(笑)
俺はこういうスタイルですよ?(笑)これからもこうやって強く生きていこうと思ってます(笑)」
と改めてその誰に何を言われても動じないような凄まじい精神力の強さを発揮(この辺りは名前を出したKANA-BOONとはやったことの消化の仕方が全く違う)し、ラストは「キラーボール」で踊らせまくって、改めてゲスの極み乙女。というバンドと川谷絵音という男の恐ろしさを思い知らせた。
反省してないのか、と思う人もたくさんいるだろうが、普通の人はあれだけ叩かれたりネタにされまくったことを自ら掘り返してネタにするようなことはできない。誠実さは皆無かもしれないが、このやり方が川谷絵音という男そのものなのかもしれないし、「あなたには負けない」を聴いていると、一連の騒動があったからこそ作れたという曲がこれからも出てきそうな予感がする。もはや我々凡人には彼の活動や行動を予測することは無意味であるが。
1.あなたには負けない
2.私以外私じゃないの
3.ロマンスがありあまる
4.アソビ
5.某東京
6.星降る夜に花束を
7.シアワセ林檎
8.キラーボール
シアワセ林檎
https://youtu.be/PSksGiZlgV8
17:35~ 森高千里 [CAMP STAGE]
明らかに異色というか、前日のラインアップに並んでいた方が収まりが良かっただろうな、と思えるのが、最近は音楽番組の司会などでも活躍している、森高千里である。
ステージに男性のDJが登場し、「この人が音を出して森高千里が歌うんだな」と思っていたら、なぜか登場してきたのは黒いパーカーを羽織った少女。DJの人がやっているプロジェクトのメンバーであり、今回1曲だけ前座をやるということなのだが、バキバキのダンスミュージックにボーカルというよりも声を音の一部として発している、というようなこの前座ユニット、森高千里の往年のヒット曲を聴きにきた人たちからは「我々は何を見ているんだろう?」という空気がひしひしと発せられていた。
前座が終わるとようやく森高千里が登場。テレビで見ている通り、ある一定の年齢から全く歳を重ねているように見えないという信じられない見た目の若さとスタイルの良さに満員状態(2日間のこのステージで間違いなく1番人が多かった)の客席からは大歓声が上がるが、おかしいのはDJが流しているトラックが前座の時のそれと全く変わっていないということで、森高千里もそのトラックに合わせて踊りながらところどころ音の一部かのように声を発するという、まさかの前座と地続きのパフォーマンスを展開し、ますます客席には「?」マークが浮かびまくる。
そのバキバキのダンスミュージックアレンジの「ストレス」、さらに「私がオバさんになっても」と、今のこの人はこういうスタイルなんだな、というのが見ているうちにわかってくるのだが、
「私がオバさんになっても 本当に変わらない?」
と歌っているものの、当人のサウンドはひっくり返るくらいに変わっている。
なので当然かつてのヒット曲を聴けるのを期待してきた人たちは次々に脱落して客席から移動していき、最終的にはあまり人がいない状態にまでなっていた。
そんな中で最後に演奏されたのは、tofubeatsとの仕事で生まれた近年の、そもそもがダンスミュージックの曲たち。ということはこれらの曲がメインであり、かつての代表曲のアレンジもこの曲たちに合わせたという、彼女の現在の音楽活動の形を示すものになっていたのだが、アジカンのゴッチは
「会場着いたらめっちゃEDMみたいなのが流れてて、え?って思ったら森高千里さんだった(笑)
ああいうの俺はすごい好きだけどね。期待されてるものに一切応えないあのぶっ飛んだ感じ。パンクだな~って(笑)」
と評していたが、もうこのコメントが全てであろう。
ベテランになっても自らの立ち位置に甘んずることなく新たな可能性を追求し続けるのと、長くやってきたからこそファンの求めることをやるということ。どちらも正しいし、本人がやりたいことをやるのが1番なのは間違いないが、そのバランスというものは我々が外野からやいやい簡単に言うよりもはるかに難しいんだな~ということを実感した30分だった。
1.見たとおりよ私
2.ストレス
3.私がオバさんになっても (slow ver.)
4.朝が来るまで終わることないダンスを
5.Don't Stop the Music
私がオバさんになっても
https://youtu.be/GewWg-T29Js
18:20~ WANIMA [WIND STAGE]
もう会場は始まる前から、どこにこんなに人がいたんだ?というくらいの満員ぶり。しかも若いライブキッズから子連れの家族まで。すっかり暗くなったWIND STAGEでそんな景色を作り上げたのはWANIMA。
「JUICE UP!!のテーマ」のSEで元気いっぱいに3人が登場し、ひとしきりジャンプさせたりして客席の温度を上げてから、
「ともに歌うよー!」
と去年のリリースから早くもアンセムと化した「ともに」でスタート。
「バイトするなら、チケットぴあ!」
という曲フリとともに(チケットぴあがバイトを募集しているのかは知らないけど)、リズムに合わせて「ぴぴぴぴあ」とKENTAとFUJIが口ずさんだりと、この日ならではのアレンジを随所に織り込んでくる。
「MUSIC COMPLEX、お前らが舵を取れぃ!」
とFUJIの長渕剛モノマネも炸裂する中、すっかりあたりは暗くなって夜、ということで「オドルヨル」で踊らせ、「1106」でさらに一段階スケールが上がったKentaの歌唱に聴き入っていると、急に曲の入りを赤と青の半分ずつに髪を染めたKO-SHINに振り、
KO-SHIN「何をしんみりしとんのじゃー!次の曲行くぞー!1!2!3!4!5!…」
KENTA「どこまで数えると!いつ入ればいいのかわからん!(笑)」
と天然なのか計算なのかはわからないが観客を笑わせてから、大合唱が巻き起こった「THANX」へ。
そして「この歌をお守りに」という「CHARM」で翌日からのそれぞれの生活にエールを送ると、
「本当は「CHARM」で終わるはずだったけど、もう1曲やるけん!」
と「Hey Lady」で最後に再び大合唱を起こして、バンドの持つ普遍的なメロディの力を示してみせた。
METROCKの時に自分は「2年連続でメインステージのトリをサカナクションと[Alexandros]がやっている。おなじみのメンツの中でそこを切り崩せるのはWANIMAだ」と言ったが、実際にMETROCKでは2番目のステージのトリだったのが、もう完全にスケールはこっちのステージのトリをやるべき存在であることを自らの手で証明していた。長らく見ることができなかった、「大型フェスのメインステージのトリを若手パンクバンドが務める」というシーンが見れるようになる未来はすぐそこまで来ている。
1.ともに
2.ララバイ
3.オドルヨル
4.1106
5.THANX
6.CHARM
7.Hey Lady
CHARM
https://youtu.be/Ir3EFQg4H7I
19:05~ TRICERATOPS [CAMP STAGE]
二日間で様々なタイプのアーティストが出演したCAMP STAGEのトリを飾るのはTRICERATOPS。GRAPEVINEと同期なので、今年でデビュー20周年というメモリアルイヤーである。
開始時間を過ぎるくらいに入念にメンバー3人が自身でサウンドチェックを行うと、そのままライブを始めることに。しかし、
「ジングルがあった方がなんか締まるよね」
ということで、3人がそれぞれ自分の口で
「ぴあMUSIC COMPLEX 2017。NEXT ARTIST IS TRICERATOPS!」
とジングルを鳴らしてから「FEVER」でスタート。シンプル極まりないスリーピースのギターロックだが、間奏では和田唱が派手にギターソロを弾きまくり。歌っている時はそこまでガンガンギターを弾いているわけではないので、そことのコントラストが効いている。
続いてバンド最大のヒット曲「GOING TO THE MOON」でも和田は間奏でギターソロを弾きまくるが、この曲を聴くとやはり当時のタイアップ効果からかポカリスエットが飲みたくなってくる。
そしてこの曲を演奏している時、カメラブース前で(やはりあんまり客が多いとは言えない状況だった)、小学生くらいの子連れの親が子供の手を取りながらこの曲を夫婦で熱唱していたのだが、彼らの年齢から察するにリアルタイムでこの曲を聴いてきたんだろうし、もしかしたらこのバンドがこの2人を繋げたんだろうか、とも想像した。そうだとしたらそんなに素敵なことはない。
「バラードは好きですかー!?」
という問いにそこそこのリアクションが返ってきて演奏されたのはこちらも「GOING TO THE MOON」に続くヒットシングル「if」。しかしながら和田はギターではなくピアノを弾きながら歌い、林と吉田のリズム隊も歌に寄り添うというくらいの最小限の演奏。ピアノになると実にブルース色が強くなるが。
「ぴあMUSIC COMPLEX。前回このイベントが開催されたのが10年前。10年前も来てた人っている?そこそこいるか。この二日間の出演者をザッと見させてもらったんだけど、10年前も出てたのは俺たちとGRAPEVINEだけで。そのGRAPEVINEと同じ日に同じステージにこうして立っているっていうのは、お互いここまで続けてこれたからだな、って思います」
という和田のMCからは共闘関係というような存在ではないが、デビュー時からずっと比較されて近い位置にいたバンド同士だからこその見えない絆や信頼を感じさせた。きっといつも一緒にライブをやったりしなくても、お互いがバンドを続けているだけで勇気付けられる、そんな関係なのだろう。
「MILK & SUGAR」でスリーピースバンドならではのグルーヴのダイナミズムを感じさせると、
「今日、晴れてたのに夜は星は見えないんだね(笑)星が出てればいい感じで曲に入れたのに(笑)
みなさん、心の目で星を見てください(笑)」
と和田の緩い独特の空気が炸裂しまくる「スターライト スターライト」で疾走感を取り戻すと、ラストはアウトロで観客に合唱させた「トランスフォーマー」。いつまでやるんだろうか?っていうくらいに何度も何度も和田はコーラスを観客に歌わせるという原曲をはるかに上回る尺の長さになった。
やはり動員的にはトリとは言えどなかなか厳しいものだったが、このバンドが全く立ち止まることも形が変わることもなく、そうした雰囲気を全く感じさせることなく続いているのは実に頼もしい。この二日間に出演している若手アーティストたちが10年後も続いているかは全くわからないが、このバンドとGRAPEVINEはきっと変わらずに自分たちのロックを鳴らしているはず。
1.FEVER
2.GOING TO THE MOON
3.if (ピアノver.)
4.MILK & SUGAR
5.スターライト スターライト
6.トランスフォーマー
スターライト スターライト
https://youtu.be/6cqnh632fCM
19:50~ ASIAN KUNG-FU GENERATION [WIND STAGE]
二日間の祝祭の大トリを飾るのはアジカン。この会場のステージに立つのは2010年のROCKS TOKYOに出演した時(その時は二日間のうちの初日のトリだった)以来となる。
しかし、TRICERATOPSが少し時間が押していた(始まるのも遅れていたが)ことにより、着いたらすでに1曲目の「荒野を歩け」を演奏している最中。この曲のギターソロ、アジカンの曲の中でも最高のフレーズだと思っているので、そこを聴き逃してしまったのは非常に痛い。
しかし「Re:Re:」を演奏する中、ステージが近くなり、メンバーの姿がはっきり見えてくると、真ん中に立っているのは「およげ!たい焼きくん」を歌っていたシンガー、子門真人かと思うくらいに髪型にさらにパーマがかかり、ヒゲも濃くなったゴッチであった。
その子門真人みたいなゴッチが、「Lotus Flower」のときのトム・ヨーク(Radiohead)みたいに奇怪なダンスを踊りまくる(当然客席は爆笑)「1.2.3.4.5.6. Baby」はそのダンスに合わせるかのようにサイケデリックなイントロのアレンジになっている。
「みんな自由に踊って。ダサくたってかっこ悪くたっていいんだよ」
とゴッチは観客に呼びかけるが、その言葉を自身が完璧に実践している。
MCでは森高千里のパンクさに触れながら、
「ぴあで俺も連載を持ってたんだけど、毎週800字とか1200字くらいの原稿を要求されるんだよ。あれはキツかったなぁ。だから週刊少年ジャンプに連載してる漫画家の人たちなんてすごいよ。1人ブラック企業だもん(笑)」
と相変わらず皮肉めいた言い方でぴあの45周年を祝い、同時にドラムの潔がフジファブリックの金澤ダイスケとともに飲食ブースにカレーを出していることにも触れる。ゴッチはスタジオで先に食べさせてもらったらしいが、
「クソマズい…(笑)いや、めちゃ美味かったよ、本当に」
といじりながらも素直に潔を褒めると、おなじみの「リライト」の間奏セッションではその潔をフィーチャーしまくった、というか最終的には喜多、山田、シモリョーの3人が演奏せずに見守るだけというドラムソロにまで展開。これだけでもめちゃくちゃ珍しいのに、ゴッチが突如としてドラムセットに突進して潔のスティックを放り投げ、さらに回り込んで後ろから潔に抱きつくという衝撃の展開に。普通のバンドならメンバー同士の絆を感じさせる美しい瞬間というようなものだが、ゴッチが捻くれまくっているだけにアジカンだとほとんどそういう面を感じず、ただただ衝撃、という感想しかない。
そんな謎なくらいにハイテンションになったゴッチは曲終わりでもいつもの「ありがとう」とそっと言うのではなく、「ありがとうっ!!!」と叫んでいると言ってもいいレベルで声をあげる。一体この日のこのテンションはなんだったんだろうか。
イントロで大歓声があがった「ソラニン」からの「今を生きて」というおなじみの流れで本編を終えてからのアンコールでは、
「明日月曜日だからみんな仕事とか学校でしょ?でも大丈夫。我々が最後に演奏する曲がみんなの心を、オフィスで、学校で包み込むから。
この前も「アジカンの最後の曲の余韻がすごかった」って言ってくれた子がいたんだけど、「その後に目の前のカップルがチューしてて、余韻が台無しになった」って言ってて(笑)別にチューくらいいいじゃんなぁ?(笑)」
と笑わせながらその余韻を残すべく最後に演奏されたのは「君という花」で特大の「らっせーらっせー!」コールを起こし、この二日間とぴあの45周年に完璧に幕を下ろした。
正直、アジカンももはや昔ほどチケットが取れないという状況ではない。そこまでライブの本数が多いわけでもないし、ゴッチはソロも並行しているため、リリースペースも若手バンドに比べたら速いとは言えない。だから落ち着いたという感じに見えてしまうが、この日の、チケットがあまり売れてないという状況が信じられないくらいの超満員っぷりからは、アジカンがまだまだ日本のロックシーンのど真ん中にして最前線に立っているということを確認させてくれた。
1.荒野を歩け
2.Re:Re:
3.Standard
4.アンダースタンド
5.1.2.3.4.5.6. Baby
6.ブラッドサーキュレーター
7.リライト
8.ソラニン
9.今を生きて
encore
10.君という花
荒野を歩け
https://youtu.be/AbaGY7TWq8A
終演後、スクリーンにはぴあがこれからも音楽シーンを盛り上げていくべく様々な活動を行なっていくこと(横浜に新しくライブ会場を作ったりとか)の意志とも取れる言葉が映し出された。ぴあはこれからも続いていくだろうし、そうすればまたこうしたデカいお祭りもやってくれる。それが5年後か10年後かはわからないが、若洲公園にはまた来年の5月に。すっかりこの場所も大事な場所になった。
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氣志團万博2017 ~房総与太郎爆音マシマシ、ロックンロールチョモランマ~ day2 @袖ヶ浦海浜公園 9/17 ホーム
PIA 45th Anniversary MUSIC COMPLEX 2017 day1 @新木場若洲公園 9/9