TOKYO INV. 出演:踊Foot Works / MONO NO AWARE / 石毛輝 @下北沢GARAGE
- 2017/07/13
- 22:04
あらゆる雑誌やウェブメディアで執筆やインタビューをしている音楽ライターの三宅正一によるイベント、TOKYO INV.。
この日、急遽として石毛輝(lovefilm、the telephones)が新バンドで出演することが発表されたため、下北沢まで見に行くことに。
到着した頃にはオープニングアクトが終了しており、ステージ上で石毛がセッティングをしている。つまり、次は早くも石毛の出番である。
すでに4月のGetting Betterでもこの新バンドでライブを行っており、このバンドでライブを行うのは2回目となる。
場内が暗転すると、石毛輝を先頭に2人のメンバーが登場。1人は上手のドラム、1人は下手のシンセに。石毛もサンプラーを操り、緑色のレーザー光線が飛び交う中、狂騒的な電子音が響く。サウンド的にはthe telephonesの「SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!」に近いものがあるが、石毛は歌うことはない。が、途中から石毛はギターを手にしてピロピロと弾き、シンセを演奏していた汐碇真也(ex.Kidori Kidori)も本職であるベースに持ち替え、打ち込みを含めたバンドサウンドに。
曲はthe telephonesでもlovefilmでもソロでもなく、完全なる新曲。2曲目からは石毛のボーカルが開陳されるのだが、狂騒的なダンスサウンドに合わせたかのような英語詞のハイトーンボイス。つまりそれは非常にthe telephonesの音楽に近いというか、telephonesの延長戦上にあるものと言っても差し支えないくらいだ。
だが、やはりtelephonesのようでいてtelephonesではない。それはやはりメンバーが違うから。それでも「ディスコ」はもちろん封印しながらも、石毛らしいというか、石毛の人間らしさが鳴らしている音からよくわかる。
軽く挨拶すると、狂騒的というよりはやや落ち着いたサウンドのダンスミュージックも演奏するが、垣内康輔の手数が多い上に力強いドラムが今にも踊りだしたくなるようなビートを生み出しており、汐碇はベースだけでなくコーラスも務める。
「三宅正一とは節目節目でインタビューをしてもらったりしてて石毛輝の節目に三宅正一アリ、っていう。なので今日は呼んでもらえて非常に嬉しいです。
GARAGEもよく遊びに来ているんだけど、ライブに出るのは初めてです」
とこの日のライブへの想いを語り、メンバー紹介を行うとさらにダンサブルに加速しなダンスロック2曲を演奏。汐碇は垣内に近付いてリズムを合わせるというバンドらしさを見せ、メロディを担う唯一の楽器であるギターを頭を振りながら石毛が掻き鳴らして、まだ名前がない新たな自身のアウトプットの軸をしっかりと示してみせた。
石毛はこのライブの前、9mm Parabellum Bulletのワンマンにゲストとして出演してギターを弾いた時のことを、
「自分のハイテンションさが9mmの助けになるんじゃないかと思った」
と語っていた。実際、苦しい状態にあった9mmは本当に楽しそうに石毛と一緒に自身の曲と「Monkey Discooooooo!!!」を演奏していた。その石毛は、今ようやくシングルを出して活動がさらに軌道に乗りそうだったlovefilmが思うように活動できないでいる。去年のドラマー脱退に続き、江夏詩織の活動自粛。そんな活動したくてもできない状況の中で、自分自身を助けるかのように、石毛は自身のハイトーンボイスとダンスロックという、lovefilmではあえて封印していた、最大の持ち味を解禁した。この日我々もその石毛の要素を楽しんだし、やはり石毛はステージ上で本当に生き生きとしていた。
それは新たな仲間と一緒に音を鳴らせる喜び、というのもあったはず。DJとしても様々な場所で活動してきたし、ソロアルバムを出した後には弾き語りもやっていた。やろうと思えばいくらでも1人で様々なタイプの音楽ができる能力と技術を持っているが、telephones休止後に始めたのはlovefilmも含めてやはりバンドだった。
telephonesの仲間である誠治と涼平のバンド、FINAL FLASHがメンバーのDOTAMAのMステ出演によって、同日に予定されていたリリースパーティーが中止になってしまった時、石毛は自身のバンド観をツイッターで語るとともに、誠治と涼平への変わらない愛を感じさせた。それはやはり石毛自身が、バンドはもちろんバンド形態以外の世界中のありとあらゆる音楽を聴きまくっている音楽リスナーである中で、何よりもバンドの力を信じている男だから。だから石毛が音楽を鳴らす時には、隣に同じように音楽を愛する仲間がいる。それが何よりも重要なことなんだろう。
そして全曲新曲という状態で実感したのは、やはり石毛輝という男の持つメロディメーカーとしての天賦の才と言ってもいいような楽曲の力。それは鮮烈な印象を与えたlovefilmの時に改めて感じさせられたものでもあるが、この日、新バンドのライブを見て再び改めて実感させられた。
まだこれからどんな曲が生まれてくるのかはわからないが、telephonesのようではあるけれど、ただひたすらに騒げるという、あまり良くないイメージが定着してしまったtelephonesの音楽とはやはり違う。lovefilmもそうだが、この新バンド、つまり石毛輝のtelephonesの後の活動で生み出していく曲たちによって、telephonesがそんな単純なバンドではなかったということ(それはワンマンに来ていたファンはみんなわかっていたことでもある)、楽しいのはもちろん、切なさなどの人間のあらゆる感情に寄り添ってくれるバンドだったことの証明になる。
lovefilmの音楽が好きなだけに、そっちがフェードアウトしていかないでいただきたいが、この新バンドにもやはり期待してしまう。やはり自分は石毛輝という男が作る音楽がどんな形態でも素晴らしいと思うくらいに石毛の作り出す音楽が大好きだし、いつだって石毛の作る音楽には人間だからこその温かさのようなものがあるから。
その後、「二段熟カレー」「ジャワカレー」という、およそ歌詞で未だかつて聴いたことのなかったフレーズが次々に出てきては耳を疑わせる、いかにも東京インディーポップというサウンドながら一筋縄ではいかない男女混合4人組バンド、MONO NO AWAREのライブを見たあたりで、かなり時間が押している事もあり、終電が怪しくなってきたので離脱。もう少し下北沢が近かったら最後までしっかり見たかったところであったが…。
Next→ 7/14 米津玄師 @東京国際フォーラム
この日、急遽として石毛輝(lovefilm、the telephones)が新バンドで出演することが発表されたため、下北沢まで見に行くことに。
到着した頃にはオープニングアクトが終了しており、ステージ上で石毛がセッティングをしている。つまり、次は早くも石毛の出番である。
すでに4月のGetting Betterでもこの新バンドでライブを行っており、このバンドでライブを行うのは2回目となる。
場内が暗転すると、石毛輝を先頭に2人のメンバーが登場。1人は上手のドラム、1人は下手のシンセに。石毛もサンプラーを操り、緑色のレーザー光線が飛び交う中、狂騒的な電子音が響く。サウンド的にはthe telephonesの「SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!」に近いものがあるが、石毛は歌うことはない。が、途中から石毛はギターを手にしてピロピロと弾き、シンセを演奏していた汐碇真也(ex.Kidori Kidori)も本職であるベースに持ち替え、打ち込みを含めたバンドサウンドに。
曲はthe telephonesでもlovefilmでもソロでもなく、完全なる新曲。2曲目からは石毛のボーカルが開陳されるのだが、狂騒的なダンスサウンドに合わせたかのような英語詞のハイトーンボイス。つまりそれは非常にthe telephonesの音楽に近いというか、telephonesの延長戦上にあるものと言っても差し支えないくらいだ。
だが、やはりtelephonesのようでいてtelephonesではない。それはやはりメンバーが違うから。それでも「ディスコ」はもちろん封印しながらも、石毛らしいというか、石毛の人間らしさが鳴らしている音からよくわかる。
軽く挨拶すると、狂騒的というよりはやや落ち着いたサウンドのダンスミュージックも演奏するが、垣内康輔の手数が多い上に力強いドラムが今にも踊りだしたくなるようなビートを生み出しており、汐碇はベースだけでなくコーラスも務める。
「三宅正一とは節目節目でインタビューをしてもらったりしてて石毛輝の節目に三宅正一アリ、っていう。なので今日は呼んでもらえて非常に嬉しいです。
GARAGEもよく遊びに来ているんだけど、ライブに出るのは初めてです」
とこの日のライブへの想いを語り、メンバー紹介を行うとさらにダンサブルに加速しなダンスロック2曲を演奏。汐碇は垣内に近付いてリズムを合わせるというバンドらしさを見せ、メロディを担う唯一の楽器であるギターを頭を振りながら石毛が掻き鳴らして、まだ名前がない新たな自身のアウトプットの軸をしっかりと示してみせた。
石毛はこのライブの前、9mm Parabellum Bulletのワンマンにゲストとして出演してギターを弾いた時のことを、
「自分のハイテンションさが9mmの助けになるんじゃないかと思った」
と語っていた。実際、苦しい状態にあった9mmは本当に楽しそうに石毛と一緒に自身の曲と「Monkey Discooooooo!!!」を演奏していた。その石毛は、今ようやくシングルを出して活動がさらに軌道に乗りそうだったlovefilmが思うように活動できないでいる。去年のドラマー脱退に続き、江夏詩織の活動自粛。そんな活動したくてもできない状況の中で、自分自身を助けるかのように、石毛は自身のハイトーンボイスとダンスロックという、lovefilmではあえて封印していた、最大の持ち味を解禁した。この日我々もその石毛の要素を楽しんだし、やはり石毛はステージ上で本当に生き生きとしていた。
それは新たな仲間と一緒に音を鳴らせる喜び、というのもあったはず。DJとしても様々な場所で活動してきたし、ソロアルバムを出した後には弾き語りもやっていた。やろうと思えばいくらでも1人で様々なタイプの音楽ができる能力と技術を持っているが、telephones休止後に始めたのはlovefilmも含めてやはりバンドだった。
telephonesの仲間である誠治と涼平のバンド、FINAL FLASHがメンバーのDOTAMAのMステ出演によって、同日に予定されていたリリースパーティーが中止になってしまった時、石毛は自身のバンド観をツイッターで語るとともに、誠治と涼平への変わらない愛を感じさせた。それはやはり石毛自身が、バンドはもちろんバンド形態以外の世界中のありとあらゆる音楽を聴きまくっている音楽リスナーである中で、何よりもバンドの力を信じている男だから。だから石毛が音楽を鳴らす時には、隣に同じように音楽を愛する仲間がいる。それが何よりも重要なことなんだろう。
そして全曲新曲という状態で実感したのは、やはり石毛輝という男の持つメロディメーカーとしての天賦の才と言ってもいいような楽曲の力。それは鮮烈な印象を与えたlovefilmの時に改めて感じさせられたものでもあるが、この日、新バンドのライブを見て再び改めて実感させられた。
まだこれからどんな曲が生まれてくるのかはわからないが、telephonesのようではあるけれど、ただひたすらに騒げるという、あまり良くないイメージが定着してしまったtelephonesの音楽とはやはり違う。lovefilmもそうだが、この新バンド、つまり石毛輝のtelephonesの後の活動で生み出していく曲たちによって、telephonesがそんな単純なバンドではなかったということ(それはワンマンに来ていたファンはみんなわかっていたことでもある)、楽しいのはもちろん、切なさなどの人間のあらゆる感情に寄り添ってくれるバンドだったことの証明になる。
lovefilmの音楽が好きなだけに、そっちがフェードアウトしていかないでいただきたいが、この新バンドにもやはり期待してしまう。やはり自分は石毛輝という男が作る音楽がどんな形態でも素晴らしいと思うくらいに石毛の作り出す音楽が大好きだし、いつだって石毛の作る音楽には人間だからこその温かさのようなものがあるから。
その後、「二段熟カレー」「ジャワカレー」という、およそ歌詞で未だかつて聴いたことのなかったフレーズが次々に出てきては耳を疑わせる、いかにも東京インディーポップというサウンドながら一筋縄ではいかない男女混合4人組バンド、MONO NO AWAREのライブを見たあたりで、かなり時間が押している事もあり、終電が怪しくなってきたので離脱。もう少し下北沢が近かったら最後までしっかり見たかったところであったが…。
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