SATANIC CARNIVAL '17 day1 @幕張メッセ 6/17
- 2017/06/18
- 23:37
毎年この時期の恒例になってきつつある、PIZZA OF DEATH主催のパンク・ラウドロックの祭典、SATANIC CARNIVAL。幕張メッセで2日間開催と、もはや日本最大級のパンク・ラウドフェスと言ってもいいだろう。
しかしながらいきなり苦言になってしまうのは、入場方法が「オフィシャルグッズ売り場経由」と「アーティストグッズ売り場経由」の2方向で分かれていること。特に物販が買いたいわけでもないのに、物販待ちの人と同じ列に並ばなくてはならず、やたらと並ばなければならないので、入場のみの列も作って欲しかったところ。これだけ物販を求める人が多いというのはすごいことだとも思うが。
今年もステージはメインのSATAN STAGEとサブのEVIL STAGEの2つで、途切れることなく激しいバンドのライブを見続けることができる。
会場内には震災の復興支援ブースや、フェスとコラボしたストリート系のブランドのブースなども並び、ライブ以外の部分でも楽しめる会場作りになっている。
11:30~ SABANNAMAN [OPENING ACT]
このフェスの幕開けを告げるのは、EVIL STAGEのオープニングである、SABANNAMAN。すでに京都大作戦などにも出演をしているバンドである。
ボーカルの吉田はピンマイクで、ステージ上を自由に動き回りながら歌うが、パンクやハードコア、さらにはレゲエなどの要素を含みながらも、ヒップホップを軸にしたミクスチャーロックなので、確かに楽器を持たずにボーカルに徹しているのも納得。
また、イメージではもっと荒い感じのバンドと思っていたが、メンバーの演奏が実に上手く、多彩なジャンルを自分たちの音楽に取り入れられているのも当然と言える。
ただ、激しく暴れられるだけではなく、
「良い曲をやるんで、体を揺らして」
と言ってから最後の「Days」を演奏したりと、メロディに対する自信があるバンドでもあるはずだし、そこを重視しているようにも感じる。確かにまだ若手だし、知名度的にもまだまだと言えるが、ライブの完成度としてはすでにオープニングアクトという枠で出るバンドではないかも。
1.Mutant Walk
2.Spice Of Your Life
3.Freak Out
4.Light In Dark
5.Gnus On Parade
6.Days
Light In Dark
https://youtu.be/K8uLmaxZXpw
12:00~ SHANK [SATAN STAGE]
メインステージのトップバッターは長崎のスリーピースバンド、SHANK。抜擢感も強いが、すでに京都大作戦やYON FESというアーティスト主催フェスではすでにメインステージに立っているバンドである。
メンバーが登場すると、庵原(ベース&ボーカル)がアカペラで歌い出しての「Set the fire」からスタートし、まさにいきなり観客とこのフェスに着火するかのよう。
「Life is…」などスカのリズムを取り入れた曲もあるものの、基本的にストレートというか、オーソドックスなメロコアバンドで、ひたすらに美しいメロディで勝負するバンドである。
庵原「去年、金タマを出してしまったんで、今年は出れないと思ってたんだけど、まさかのメインステージに出れました。PIZZA OF DEATHは本当にクレイジーだなと。ロッキンだったら絶対出れない」
松崎「まさに賜物ですね(笑)」
と漫才のようなやり取りをしながらも、実に飄々というか淡々としている。
しかしながら、メロコアやパンク界隈でも、細めのハイトーンなボーカルが増えてきている中にあって、庵原の太めで低めな声というのは逆に魅力的だし、こうした音楽に相応しい攻撃性を兼ね備えている。
だからか、庵原は見ていても、何を言われても気にしないかのような芯の強さを感じる。社会に出たらなかなかそういうように生きていくのは難しいが、安易に「頑張れ」とか口にしない無骨な姿勢からは、そうやって生きていけたらどんなに自分を誇れるだろうか、とも思う。
そして最後には勝手に「アンコール」と称して「submarine」をやっていった。現在のメロコアシーンの中でこのバンドが頭一つ抜け出してきたのも納得せざるを得ないカッコよさ。決してパンクシーンであったりとか、大きなものを背負おうとはしないままの姿勢で、どこまでいくだろうか。
1.Set the fire
2.Ciger Store
3.Life is…
4.Good Night Darling
5.620
6.Hope
7.Take Me Back
8.Weather is Beautiful
9.Love and Hate
10.Departure
11.Honesty
12.BASIC
13.submarine
Honesty
https://youtu.be/E7v2slbALng
12:40~ ENTH [EVIL STAGE]
こちらもすでにYON FESやDEAD POP FESTIVALというアーティスト主催フェスに出演している、メロコアシーンの期待の新星、名古屋のスリーピースバンド、ENTH。
ベース&ボーカルのスリーピースという、直前のSHANKと全く同じ編成ではあるが、同じメロコア界隈にいる同じ編成のバンドでも、SHANKのようにメロディに磨きをかけていくというタイプではなく、ENTHは1曲の中で展開が非常に多く、様々な音楽からの影響を感じさせる。
さらには間奏部分ではメンバーがEXILEのようなダンスを見せながら演奏したりと、お茶目というか親しみやすい面も見せる。
「憧れだったSATANIC CARNIVAL、初出演!俺たちのカッコいいところを全部出して帰ります!」
とdaiponは言葉は少なめに、ひたすら曲を演奏していく。言葉の通りに当然現状のベスト的な選曲となり、終盤はダイバーが続出。
このフェスにも04 Limited Sazabysやcoldrainという名古屋の先輩たちがメインステージに出ているが、
「次は、あっち(メイン)のステージで会えたら!」
と偉大なる先輩たちに肩を並べようとする姿勢を見せた。メロコアと聞いてイメージするようなバンド像とはだいぶ曲のタイプは違うが、だからこそこうして全く違うタイプのバンドが次々にメインストリームに浮上してくる名古屋のバンドシーンの面白さを実感させてくれる存在でもある。
1.HANGOVER
2.Gentleman Kill
3.NO FATE
4.Let it die(t) ~まこっつ走れ~
5.Crime in my mind
6.Voo-Doo-Shangrila
7.Bong! Cafe' au lait! Acoustic guitar!
8.ムーンレイカー
9.Get Started Together
ムーンレイカー
https://youtu.be/CAuRVpM9v24
13:20~ GOOD4NOTHING [EVIL STAGE]
もはやバンドの歴史ではこのフェスでもかなりのベテランバンドとなる、堺のおっさんことGOOD4NOTHING。今年もこのフェスのEVIL STAGEに登場である。
「WALK A WINDING ROAD」からベテランらしからぬ勢いを感じさせるメロディックパンクを叩きつけると、「STICK WITH YOURSELF」ではTANNY、U-tan、MAKKIN(かなり髪が伸びた)の3人が華麗なボーカルとコーラスワークを見せる。このあたりのチームワークは抜群だが、明らかに年月を経るにつれて曲が速くなってきている。普通なら逆に遅くなっても仕方ないところだが、メンバーのキラキラした笑顔からも、このバンドはずっとそうしてライブキッズのままで生きていくんだろうな、と思う。近年はすっかり自他共に認めるおっさんバンドになっているが。
ツービートから打って変わって飛び跳ねさせる「J.C.」(個人的にヤバイTシャツ屋さんの「メロコアバンドのアルバムの3曲目くらいによく収録されてる感じの曲」で最初に浮かんだのがこの曲だった)、
「デッカいライブハウスへようこそ!」
とどんな場所でもライブハウスに変えてしまう「IT'S MY PARADISE」とキラーチューンを続けると、
「今月、新しいアルバムを出しました!もうそろそろ俺たちも20年が見えてきているけど、曲もMVも、今までとやってることは全く変わってません!」
と告知し、ニューアルバム「MELODIC HOLIC」(このバンドにピッタリ過ぎるタイトル)から「FOUND」を披露。もう一聴しただけでわかるくらいのグッフォー節である。
そして終盤は何度見ても胸が熱くなる「Cause You're Alive」から「RIGHT NOW」というバンドの金字塔的な曲の連発で締め。
メンバーチェンジもあったし、ショートチューン集などもかつて出したが、基本的にアッパーで青空が似合うメロディックパンクというサウンドとスタイルはずっと変わらない。パンク、メロコアバンドでも自分たちの音楽性を広げるべく、パンクから脱却していくバンドも多いが、このバンドはそれを20年近くずっと続けている。それはメロディックパンクという音楽に対する愛と信頼が誰よりも強いからこそなせること。このバンドは「MELODIC HOLIC」そのものである。
1.WALK A WINDING ROAD
2.STICK WITH YOURSELF
3.J.C.
4.IN THIS LIFE
5.IT'S MY PARADISE
6.FOUND
7.WELCOME TO THE MOSH PIT
8.Country of my dreams
9.Cause You're Alive
10.RIGHT NOW
FOUND
https://youtu.be/YyA_gITVyLA
14:00~ dustbox [SATAN STAGE]
パンクに特化したフェスにレギュラーのように出演しているのはもちろん、他のジャンルのフェスにも積極的に出演している、生き方そのものがライブのようなバンド、dustbox。
いきなりの「Riot」で早くもキッズたちはモッシュとダイブの嵐、続く「Try My Luck」では左回りのサークルも発生するという序盤からの畳み掛けっぷりで、現状の最新作からの「Dive」でも文字どおりにダイバーが続出。
短い持ち時間ということもあってか、曲間もほとんどなくひたすら曲を連発するというスタイルで、「Jupiter」ではメロディックパンク界一の美声の持ち主であるSUGAがこの広い会場いっぱいにそのハイトーンボイスを響かせると、前日にSUGAが中学生時代の自身とJOJIの写真をツイッターに上げたことにJOJIからクレームが入るという、その時代からの仲であるからこその微笑ましい場面もあり、
「SATANIC CARNIVALっていうことで、俺たちにもちょっと悪いっぽい曲もあるんですよ!」
と言って演奏されたのが「No More Tequila」であるというのもこのバンドらしくて微笑ましい。
JOJIが靴も靴下も脱ぎ捨てて裸足になるという臨戦態勢で演奏された「Hardle Race」ではまさにレースのような全速力の左回りのサークルが発生し、
「ここにいるみんなの明日に捧げます!」
と言っての「Tomorrow」で大団円かと思いきや、
「最後に、奇跡起こそうぜー!」
と「Here Comes A Miracle」で最後にしっかりと全員が笑顔になるという奇跡を起こしてからステージを去っていった。
GOOD4NOTHING同様に、dustboxもひたすらにメロディックパンクを追求し続け、他の音楽にブレることなく、自分たちのメロディを磨き続けてきたバンドである。ロッキンなどの大きなフェスがダイブ禁止になってパンクバンドたちが次々にフェスの舞台から去っていっても、この2組は何も変わることなくそれまでと同じようにステージに立ち続けた。今こうしてパンクバンドがデカいステージで演奏できるようになったのも、この2組がそうしたフェスでパンクを絶やすことなく鳴らし続けていたからというのも間違いなくあるはず。まだまだ若手バンドには負けていないバンドだが、パンク界の中での大功労者的なバンドでもある。
1.Riot
2.Try My Luck
3.Dive
4.Rise Above
5.Wall of Ice
6.Jupiter
7.No More Tequila
8.Hardle Race
9.Tomorrow
10.Here Comes A Miracle
Dive
https://youtu.be/RdYDP_fHhs8
15:00~ coldrain [SATAN STAGE]
今年、10周年を迎え、日本武道館ワンマンも控える、ラウドロックシーンの雄、coldrain。
ドラムセットの背後にはバンドのロゴがそびえる中でメンバーが登場すると、いきなりの「THE REVELATION」でそれまでの陽性な空気が一気に荘厳なものに変わる。Masatoのシャウトとデスボイスも凄まじい迫力と声量だが、サビでの歌声の上手さも素晴らしいものがある。このMasatoのボーカリストとしての力はもっと評価されるべきだと思う。
coldrainは他のラウド系バンドに比べると、最も王道的というか、他のジャンルとミクスチャーしていないラウドサウンドを鳴らしているバンドであるが、その中でも「EVOLVE」「SIX FEET UNDER」という疾走感のある曲が続いたのはこのフェスに合わせてのものなんだろうか。
「10年やってると、このフェスに出るとバックヤードが仲間や友達ばかりになってくる」
というMasatoなりの言葉で10年という月日の重みを感じさせると、「NO ESCAPE」ではMasatoがステージから飛び降りて客席に突入し、ダイバーたちにもみくちゃにされながらもなおも叫び続けるという、サウンドと声だけではなく、フィジカルそのものの強さを見せると、「GONE」「The Story」という終盤の曲では激しさとは違うこのバンドの一面である壮大さをこれでもかというほどに実感させ、最後はメンバーも暴れまくりながら演奏し、客席も当然のように暴れまくった「Final Destination」で圧巻の締め。
音楽性に加えてメンバー編成によるものもあるが、coldrainはそれまでにこの日に見たバンドに比べるとはるかに音数が多い。しかしながらライブを見ると、それまでに見たバンドよりもはるかに音がしっかり整理されていて、バンドとしてのバランスの良さを感じさせる。激しさや勢いはもちろんあるけれど、しっかり聴かせるべきところを聴かせ、見せるべきところを見せる。だからこそこのメンバーで演奏している時にはもはや美しさみたいなものを感じるし、それが世界にも打って出ていける理由のひとつなんじゃないかと思う。音自体は非常に重く力強いバンドだが、見終わった後には圧倒的な清々しさが残っている。ラウドバンドでそう思えるバンドってこのバンド以外になかなか思い浮かばない。
1.THE REVELATION
2.EVOLVE
3.SIX FEET UNDER
4.To Be Alive
5.NO ESCAPE
6.GONE
7.The Story
8.Final Destination
THE REVELATION
https://youtu.be/xz-p4iFjX1o
16:00~ Ken Yokoyama [SATAN STAGE]
このイベントはPIZZA OF DEATH主催のイベントである。ということでもちろんこのイベントに4年間毎年出演しているのが、PIZZA OF DEATHの社長である横山健が率いる、Ken Yokoyamaである。
SEもなしに横山健を筆頭にメンバー4人が登場すると、
「SATANIC CARNIVAL、今年も喰らってくれ!」
と「Punk Rock Dream」からスタートし、社長自らがパンクの教科書としてステージに君臨。
「PIZZA OF DEATH主催だけど、僕は横山”なんの権限もない”健です!(笑)
だから若手バンドに「SATANIC CARNIVAL出たいです!」って言われても、そっか~、としか言えない(笑)」
とあくまで主催者ではなくて出演者の1組であるという姿勢を明確にし(その割にはスタッフTシャツを着ていたけど)、みんなで歌えるカバー曲として「If You Love Me」で大合唱を巻き起こすのだが、横山は早くも自身のマイクをガンガン客席に投げ入れまくり、代わりにベースのJun Grayのマイクで歌っている。毎回ライブ見るたびに思うが、マイクを回収したりマイクスタンドをなんども立て直したりするスタッフは実に大変そうである。
「俺たち、Ken Yokoyamaっていう、個人名だけど、バンドでやってます。横山健がボーカルをやってるKen Yokoyamaっていうバンド。ジョン・ボン・ジョヴィがボーカルやってるBon Joviみたいな(笑)
でも俺たちがなんでこうしていろんなフェスに出てるかっていうと、後ろの方にいる初めて見た人が、Ken Yokoyamaって熱くて面白かったな、CD聴いてみようかな、って思えたら最高だなって。本当にそれだけなんだ」
と自身がバンドにこだわる理由、フェスに出る理由を自分の口でしっかりと語り、ミュージックステーションに出演して一躍バズを起こした「I Won't Turn Off My Radio」から、横山が日の丸を背負い、
「初めて見た人は「あ、日の丸背負ってるからあの人は右翼のおじさんなんだな」って思うかもしれないけど、俺は右翼じゃないし、「反原発とか言ってるから左翼だな」って思ってる人もいるかもしれないけど、俺は左翼じゃありません。ただの東京に住む40代のPIZZA OF DEATHの社長です!」
と自身の生きていく上での姿勢を示すと、震災後の悩めるパンクスの姿=横山自身の姿のことを歌った「Ricky Punks III」から、再びマイクを客席に投げ入れて大合唱を巻き起こした「Believer」、さらに1曲追加するかのように、現状の最新アルバムである「SENTIMENTAL TRASH」の最後に収録されている「Pressure Drop」で、言葉ではない音の合唱を起こすとともに、ダイブではないスカのリズムとサウンドならではのダンスを巻き起こして終了した。
近年、Ken Yokoyamaは再びいろんなフェスに出るようになってきているが、客層が若いフェスでは存在がアウェーに感じられることも増えてきた。しかしながらこの日はやはり圧倒的なホーム感があった。それはPIZZA OF DEATHの社長だからという立場や肩書きによるものではなく、今もパンクシーンの最前線を走り続けている姿を、パンクのフェスのステージの上でしっかりと見せつけたから。やはりあらゆる意味でこの男はこのフェスの象徴である。
1.Punk Rock Dream
2.Maybe Maybe
3.If You Love Me
4.Last Train Home
5.I Won't Turn Off My Radio
6.Ten Years From Now
7.Ricky Punks III
8.Believer
9.Pressure Drop
I Won't Turn Off My Radio
https://youtu.be/GEqtB6mSmWc
17:20~ マキシマム ザ ホルモン [SATAN STAGE]
今年、2年間の封印(という名のナヲの妊活)を終え、ついに解き放たれた、マキシマム ザ ホルモン。すでに復活ツアーは開催されているが、この規模の大きなフェスに出るのは復活後初ということで、始まる前から前から後ろ、右から左まで超満員。
メンバーの登場を腹ペコたちが待つ中、スクリーンに何やら映像が映し出される。そこには電子ジャーにメンバーが封印されたという、ドラゴンボールでピッコロ大魔王が封印されたネタの丸パクリ的な導入から、
「しょーもないバンドを追いかけて、麺やわあっさりになってしまったんじゃないか?」
とやたらとナレーションが煽り、
「しかし、本当は待ってたんじゃないか?この4人を!」
と言ってメンバー登場になると、凄まじい歓声に迎えられる。この辺りの映像の使い方とセンスもやはり素晴らしいバンドである。
マキシマム ザ 亮君はやはり非常に痩せており(リバウンドしないのがすごい)、髪型も太めのドレッドに。ダイスケはんが
「SATANIC CARNIVAL!その手を…握れ!!!」
と言うといきなりの「握れっっっっっっっっ!!」でスタートするのだが、コミカルな軽快さがあったこの曲が、激重の現代版ラウドロックに変貌を遂げている。ダイスケはんのデスボイスも亮君のボーカルも、上ちゃんとナヲのリズム隊もブランクとは無縁の切れ味を感じさせるどころか、不在時にさらに進化を遂げている。
マキシマム ザ ホルモンとしか形容不可能なミクスチャーロック「maximum the hormone」を終えると、津田製麺所というラーメンの麺箱を重ねた上に立つダイスケはんが、2年間の不在を経てこの大きなステージに立てていることへの感慨を語るが、
「このステージに来る前に、警備員に2回も止められました!」
とオチをつけることも忘れないし、警備員に止められるというのは封印前と変わらない。
「「F」」、「ビューティー殺シアム」というタイトルや内容的にこのバンドでしか許されないような曲が続くと、「シミ」ではナヲの女声からサビの亮君のボーカルでの凄まじい爆発力を発揮。ちなみに「シミ」は広島カープが応援で使っていたが、まだ使用されているのだろうか。
「我々も2年間の空白を経て、年齢を重ねました!なので少し話す時間が長くなります!」
と、もともとMCが長いバンドであったが、さらに長くなることを予告するも、「Ken Yokoyamaも7分押したからオッケー」という結論に達する。さらにはナヲを祝うような空気にもなるのだが、
ナヲ「2年間、私がクリスタル・ケイとして活動してた話する?」
ダイスケはん「確かに似てるけど!そういえばライザップやってます?」
ナヲ「HYの仲宗根泉じゃねーよ!よく間違えられるけど!」
という漫才のような絡みはとどまるところを知らず、袖にいるスタッフの顔も少々強張ってきたところで、久しぶりにもかかわらず一発勝負で決めた「恋のおまじない」から、ダイスケはんも亮君も踊りまくる「恋のスペルマ」で終了。終わった後、この巨大な会場内が明らかに空気が薄くなっていた。現在の日本のロックシーンでトップクラスに巨大な存在である、恐ろしいバンドがついにシーンに帰還した。バンドはこれから「何本出るんだ?」というくらいに、本人たちも全て把握しているのか怪しいくらいの怒涛の夏フェス期間に突入していく。
1.握れっっっっっっっっ!!
2.maximum the hormone
3.「F」
4.ビューティー殺シアム
5.シミ
6.アバラ・ボブ
7.ぶっ生き返す
8.人間エンビ
9.恋のスペルマ
恋のスペルマ
https://youtu.be/Nw8624J0s5Y
18:45~ 10-FEET [SATAN STAGE]
そろそろ自身が主催する京都大作戦の開催も近づいている時期でもありながら、このフェスでも大きな存在感を持っている、10-FEET 。
その理由は、「VIBES BY VIBES」「focus」と続け、さらに「fellows」というフェスではなかなかやらない曲の後のMCで明かされた通り、毎年このバンドだけに特効(爆薬系のやつ)のスイッチを託しているからである。
今年はその特効のボタンが3つに増え、一つはハズレ、一つは二酸化炭素ガス、そしてもう一つが特効と種類まで増え、全てがドラムのKOUICHIの手に委ねられている。
早くもこのMCの段階でハズレとガスを引き当てたことにより、残った特効をどのタイミングで使うのか?ということに焦点が当たるが(例年意味不明なところで無駄遣いしているだけに)、このタイミングでは使わず、ひたすらガスを連発しまくる。
直後の「RIVER」ではTAKUMAが明らかにサビ前あたりで特効を使うと思ってビビりながら歌ったりもしていたが、ここでも使うことはなく、徐々にTAKUMAが自身の内面を吐露していくという、特効を使うタイミングがないゾーンに突入していく。
「悔しかったことや悲しかったことはなくせないけど、自分次第でいくらでも意味合いを変えることはできる。そういう経験があったからこそ、作れた曲もある」
と言って「アンテナラスト」のアカペラを歌い始めたのだが、TAKUMAは震災後にも
「震災は絶対起きない方が良かった。だけど震災が起きて、いろんな活動をしているうちに震災前は知らなかった人たちと出会えて仲良くなれた」
と言っていた。どちらも、ネガティヴなことをいかなして自分の中でポジティブに変えていくかということ。
また、10-FEETはこの規模のバンドの中ではトップクラスにリリースペースが遅い(最近はシングルをコンスタントに出しているとはいえ)バンドであるが、それもTAKUMAがいろんなことに悩んでいるからだと思っていたが、その悩みを昇華することによって近年のシングル曲が出来たと思うと、悩むのは決して悪いことではないと我々に実感させてくれる。
さらにTAKUMAは
「音楽をたくさん聴くほど感動しなくなってくるし、ライブに行けば行くほど、ちょっとやそっとのライブでは感動しなくなっていく。今日ここにいる奴らはそういう奴らはばっかりやろう!俺もそうや!」
と言って、その思いを吹き飛ばすように「その向こうへ」を演奏した。
確かに、自分でもそう思うことは多々ある。でも、それでもそのちょっとやそっとを超えるようなライブが見れるって信じているから、こうしてチケットを買ってライブに足を運んでいる。その想いに、10-FEETは毎回しっかり応えてくれる。
そしてラストは「goes on」で多幸感に溢れた締めで、KOUICHIは曲終わりで若干忘れかけていた特効のスイッチを押し、爆発音に包まれながら3人はステージを去っていった。
すでに来月シングルの発売も発表されているが、その収録曲の演奏はまだ。おそらく京都大作戦で披露という流れになると思われるが…。
1.VIBES BY VIBES
2.focus
3.火とリズム
4.fellows
5.RIVER
6.アンテナラスト
7.その向こうへ
8.ヒトリセカイ
9.1sec.
10.goes on
ヒトリセカイ
https://youtu.be/rxjKJ_2T9DY
20:10~ SiM [SATAN STAGE]
初日のメインステージのトリはSiM。並み居る先輩たちを向こうに回しての念願のトリである。
開演時間を少し過ぎると、スクリーンにはNext Actの文字ではなく、メンバー4人が並ぶ映像が映し出され、昨年ゾンビメイクでライブを行ったものの、汗をかきすぎたSHOW-HATEがメイクが落ちてライブ後に普通の顔に戻ってしまったことを回顧し、今年はPIZZA OF DEATHの頼みによってトリを務めることを語ると、
「ホルモンと10-FEET見て疲れたから後ろで休みながら見よう~とかヌルいこと言ってんじゃねーぞ!」
とMAHが煽ったことにより、大歓声に迎えられてメンバーが登場すると、「PANDORA」からスタート。モッシュ、ダイブ、サークル、合唱なんでもありのカオスな場内、ステージでもいつものようにSHOW-HATEとSiNもツーステップを踏んだり、ギターとベースを振り回しながら演奏するが、メンバーの演奏もMAHのシャウトも気合いがみなぎっているのが実によくわかる。
「Blah Blah Blah」からは随所でステージから炎が噴き出すというトリならではの演出を見せてくれるが、MAHの左右から炎が上がっている様は、まるで悪魔が魔法を使っているかのようですらある。
「ようやく俺たちの時代が来ました!ホルモンはこういうフェスではトリをやらないし、10-FEETは前にトリをやってるから今回はSiMになったんじゃないか、と思ってる人もいるだろうけど、俺たちは自分たちが一つずつ積み重ねてきて掴み取ったものだと思ってます!」
とトリを務められることになった誇りを語り、フェスに合わせたのかややパンクな選曲が多かった序盤から、中盤ではスカダンスやモンキーダンスを駆使したダンスタイムへ。ひたすらに激しいSiMにもこういう一面もあるし、そういう部分を見せる上ではSHOW-HATEが操るシンセが実に大きな役割を果たしている。
そんなバンドの違う一面を最も見せていたのが、バラード曲である「Life is Beautiful」。MAHと言えばシャウトやデスボイスの凄さが語られがちだが、こういうタイプの曲を聴くとそもそものボーカルとしての技量が高いからこそそうした武器が生きているということが実によくわかる。本人は
「バラードやるんで知らない人は休んでて」
と言っていたが。
そしてラストは「KiLLiNG ME」で間奏中にいったん座らせてからの大ジャンプをさせるというおなじみの演出も使って本編は終了。
アンコールではMAHが、最も影響を受けたバンドがハイスタであること、そのハイスタの事務所が作るフェスでトリが出来ていることへの感謝と感慨を改めて語りつつ、
「何を言われたとしても、最後にこうしてステージに立って中指を立てた奴の勝ちなんだ」
と、かつて後ろ指を指されたことがあったからこその自らの哲学を語ってからの「JACK.B」では間奏で
「ちょっと言いたいことがあった」
と演奏を止めると、
「某音楽番組にWANIMAが出た時、最もセキュリティーが忙しいバンド、っていう紹介の仕方をされてて。それはちょっと納得いかないなぁと思うんですけど!」
と言うと、観客が次々とリフトし始め、
「いやー、俺ダイブしろとは一言も言ってないのになぁ…」
と嘯きつつ、演奏を再開しようとすると、GODRiがタイミングを間違えてしまい、
「敵は味方の中にいた(笑)」
とまで言われながらも再開すると、凄まじい数(おそらく2日間でダントツ最多)のダイバーが次々に転がっていく。これはセキュリティーの方々は本当にお疲れ様です、としか言えない。
さらにこれだけでは終わらず、「同世代の友達」と言ってcoldrainのMasatoを呼び込んでから客席に通路を作らせ、「f.a.i.t.h」でウォールオブデスを発生させるとともに、最恐のシャウトコラボでトリの大役を果たすと、メンバーは笑顔でステージから頭を下げて去っていった。
もはやSiMは自分たちで1万人以上の規模でのフェスを主催しているし、横浜アリーナでワンマンをやるくらいに巨大なバンドになった。だからこそ2日間で多くのラウドバンドが出る中で、SATANIC CARNIVALはこのバンドにこれからのラウドロックを任せるようにトリのバトンを渡した。
この経験はこのバンドを間違いなくさらに強く進化させるだろうし、このバンドに刺激されたり引っ張られるようにして、日本のラウドシーンがさらに盛り上がれば、こういうフェスは長い間続くことになるだろうし、こうした出演者のフェスが増えるかもしれない。そうした、未来への可能性を大いに感じられるトリだったし、このバンドなら絶対その期待に応えてくれるはず。
1.PANDORA
2.Blah Blah Blah
3.Fallen Idols
4.T×H×C
5.set me free
6.GUNSHOTS
7.Amy
8.Life is Beautiful
9.Get Up,Get Up
10.KiLLiNG ME
encore
11.JACK.B
12.f.a.i.t.h feat.Masato
KiLLiNG ME
https://youtu.be/vyUMYYc8lxU
Next→ 6/18 SATANIC CARNIVAL '17 day2 @幕張メッセ
しかしながらいきなり苦言になってしまうのは、入場方法が「オフィシャルグッズ売り場経由」と「アーティストグッズ売り場経由」の2方向で分かれていること。特に物販が買いたいわけでもないのに、物販待ちの人と同じ列に並ばなくてはならず、やたらと並ばなければならないので、入場のみの列も作って欲しかったところ。これだけ物販を求める人が多いというのはすごいことだとも思うが。
今年もステージはメインのSATAN STAGEとサブのEVIL STAGEの2つで、途切れることなく激しいバンドのライブを見続けることができる。
会場内には震災の復興支援ブースや、フェスとコラボしたストリート系のブランドのブースなども並び、ライブ以外の部分でも楽しめる会場作りになっている。
11:30~ SABANNAMAN [OPENING ACT]
このフェスの幕開けを告げるのは、EVIL STAGEのオープニングである、SABANNAMAN。すでに京都大作戦などにも出演をしているバンドである。
ボーカルの吉田はピンマイクで、ステージ上を自由に動き回りながら歌うが、パンクやハードコア、さらにはレゲエなどの要素を含みながらも、ヒップホップを軸にしたミクスチャーロックなので、確かに楽器を持たずにボーカルに徹しているのも納得。
また、イメージではもっと荒い感じのバンドと思っていたが、メンバーの演奏が実に上手く、多彩なジャンルを自分たちの音楽に取り入れられているのも当然と言える。
ただ、激しく暴れられるだけではなく、
「良い曲をやるんで、体を揺らして」
と言ってから最後の「Days」を演奏したりと、メロディに対する自信があるバンドでもあるはずだし、そこを重視しているようにも感じる。確かにまだ若手だし、知名度的にもまだまだと言えるが、ライブの完成度としてはすでにオープニングアクトという枠で出るバンドではないかも。
1.Mutant Walk
2.Spice Of Your Life
3.Freak Out
4.Light In Dark
5.Gnus On Parade
6.Days
Light In Dark
https://youtu.be/K8uLmaxZXpw
12:00~ SHANK [SATAN STAGE]
メインステージのトップバッターは長崎のスリーピースバンド、SHANK。抜擢感も強いが、すでに京都大作戦やYON FESというアーティスト主催フェスではすでにメインステージに立っているバンドである。
メンバーが登場すると、庵原(ベース&ボーカル)がアカペラで歌い出しての「Set the fire」からスタートし、まさにいきなり観客とこのフェスに着火するかのよう。
「Life is…」などスカのリズムを取り入れた曲もあるものの、基本的にストレートというか、オーソドックスなメロコアバンドで、ひたすらに美しいメロディで勝負するバンドである。
庵原「去年、金タマを出してしまったんで、今年は出れないと思ってたんだけど、まさかのメインステージに出れました。PIZZA OF DEATHは本当にクレイジーだなと。ロッキンだったら絶対出れない」
松崎「まさに賜物ですね(笑)」
と漫才のようなやり取りをしながらも、実に飄々というか淡々としている。
しかしながら、メロコアやパンク界隈でも、細めのハイトーンなボーカルが増えてきている中にあって、庵原の太めで低めな声というのは逆に魅力的だし、こうした音楽に相応しい攻撃性を兼ね備えている。
だからか、庵原は見ていても、何を言われても気にしないかのような芯の強さを感じる。社会に出たらなかなかそういうように生きていくのは難しいが、安易に「頑張れ」とか口にしない無骨な姿勢からは、そうやって生きていけたらどんなに自分を誇れるだろうか、とも思う。
そして最後には勝手に「アンコール」と称して「submarine」をやっていった。現在のメロコアシーンの中でこのバンドが頭一つ抜け出してきたのも納得せざるを得ないカッコよさ。決してパンクシーンであったりとか、大きなものを背負おうとはしないままの姿勢で、どこまでいくだろうか。
1.Set the fire
2.Ciger Store
3.Life is…
4.Good Night Darling
5.620
6.Hope
7.Take Me Back
8.Weather is Beautiful
9.Love and Hate
10.Departure
11.Honesty
12.BASIC
13.submarine
Honesty
https://youtu.be/E7v2slbALng
12:40~ ENTH [EVIL STAGE]
こちらもすでにYON FESやDEAD POP FESTIVALというアーティスト主催フェスに出演している、メロコアシーンの期待の新星、名古屋のスリーピースバンド、ENTH。
ベース&ボーカルのスリーピースという、直前のSHANKと全く同じ編成ではあるが、同じメロコア界隈にいる同じ編成のバンドでも、SHANKのようにメロディに磨きをかけていくというタイプではなく、ENTHは1曲の中で展開が非常に多く、様々な音楽からの影響を感じさせる。
さらには間奏部分ではメンバーがEXILEのようなダンスを見せながら演奏したりと、お茶目というか親しみやすい面も見せる。
「憧れだったSATANIC CARNIVAL、初出演!俺たちのカッコいいところを全部出して帰ります!」
とdaiponは言葉は少なめに、ひたすら曲を演奏していく。言葉の通りに当然現状のベスト的な選曲となり、終盤はダイバーが続出。
このフェスにも04 Limited Sazabysやcoldrainという名古屋の先輩たちがメインステージに出ているが、
「次は、あっち(メイン)のステージで会えたら!」
と偉大なる先輩たちに肩を並べようとする姿勢を見せた。メロコアと聞いてイメージするようなバンド像とはだいぶ曲のタイプは違うが、だからこそこうして全く違うタイプのバンドが次々にメインストリームに浮上してくる名古屋のバンドシーンの面白さを実感させてくれる存在でもある。
1.HANGOVER
2.Gentleman Kill
3.NO FATE
4.Let it die(t) ~まこっつ走れ~
5.Crime in my mind
6.Voo-Doo-Shangrila
7.Bong! Cafe' au lait! Acoustic guitar!
8.ムーンレイカー
9.Get Started Together
ムーンレイカー
https://youtu.be/CAuRVpM9v24
13:20~ GOOD4NOTHING [EVIL STAGE]
もはやバンドの歴史ではこのフェスでもかなりのベテランバンドとなる、堺のおっさんことGOOD4NOTHING。今年もこのフェスのEVIL STAGEに登場である。
「WALK A WINDING ROAD」からベテランらしからぬ勢いを感じさせるメロディックパンクを叩きつけると、「STICK WITH YOURSELF」ではTANNY、U-tan、MAKKIN(かなり髪が伸びた)の3人が華麗なボーカルとコーラスワークを見せる。このあたりのチームワークは抜群だが、明らかに年月を経るにつれて曲が速くなってきている。普通なら逆に遅くなっても仕方ないところだが、メンバーのキラキラした笑顔からも、このバンドはずっとそうしてライブキッズのままで生きていくんだろうな、と思う。近年はすっかり自他共に認めるおっさんバンドになっているが。
ツービートから打って変わって飛び跳ねさせる「J.C.」(個人的にヤバイTシャツ屋さんの「メロコアバンドのアルバムの3曲目くらいによく収録されてる感じの曲」で最初に浮かんだのがこの曲だった)、
「デッカいライブハウスへようこそ!」
とどんな場所でもライブハウスに変えてしまう「IT'S MY PARADISE」とキラーチューンを続けると、
「今月、新しいアルバムを出しました!もうそろそろ俺たちも20年が見えてきているけど、曲もMVも、今までとやってることは全く変わってません!」
と告知し、ニューアルバム「MELODIC HOLIC」(このバンドにピッタリ過ぎるタイトル)から「FOUND」を披露。もう一聴しただけでわかるくらいのグッフォー節である。
そして終盤は何度見ても胸が熱くなる「Cause You're Alive」から「RIGHT NOW」というバンドの金字塔的な曲の連発で締め。
メンバーチェンジもあったし、ショートチューン集などもかつて出したが、基本的にアッパーで青空が似合うメロディックパンクというサウンドとスタイルはずっと変わらない。パンク、メロコアバンドでも自分たちの音楽性を広げるべく、パンクから脱却していくバンドも多いが、このバンドはそれを20年近くずっと続けている。それはメロディックパンクという音楽に対する愛と信頼が誰よりも強いからこそなせること。このバンドは「MELODIC HOLIC」そのものである。
1.WALK A WINDING ROAD
2.STICK WITH YOURSELF
3.J.C.
4.IN THIS LIFE
5.IT'S MY PARADISE
6.FOUND
7.WELCOME TO THE MOSH PIT
8.Country of my dreams
9.Cause You're Alive
10.RIGHT NOW
FOUND
https://youtu.be/YyA_gITVyLA
14:00~ dustbox [SATAN STAGE]
パンクに特化したフェスにレギュラーのように出演しているのはもちろん、他のジャンルのフェスにも積極的に出演している、生き方そのものがライブのようなバンド、dustbox。
いきなりの「Riot」で早くもキッズたちはモッシュとダイブの嵐、続く「Try My Luck」では左回りのサークルも発生するという序盤からの畳み掛けっぷりで、現状の最新作からの「Dive」でも文字どおりにダイバーが続出。
短い持ち時間ということもあってか、曲間もほとんどなくひたすら曲を連発するというスタイルで、「Jupiter」ではメロディックパンク界一の美声の持ち主であるSUGAがこの広い会場いっぱいにそのハイトーンボイスを響かせると、前日にSUGAが中学生時代の自身とJOJIの写真をツイッターに上げたことにJOJIからクレームが入るという、その時代からの仲であるからこその微笑ましい場面もあり、
「SATANIC CARNIVALっていうことで、俺たちにもちょっと悪いっぽい曲もあるんですよ!」
と言って演奏されたのが「No More Tequila」であるというのもこのバンドらしくて微笑ましい。
JOJIが靴も靴下も脱ぎ捨てて裸足になるという臨戦態勢で演奏された「Hardle Race」ではまさにレースのような全速力の左回りのサークルが発生し、
「ここにいるみんなの明日に捧げます!」
と言っての「Tomorrow」で大団円かと思いきや、
「最後に、奇跡起こそうぜー!」
と「Here Comes A Miracle」で最後にしっかりと全員が笑顔になるという奇跡を起こしてからステージを去っていった。
GOOD4NOTHING同様に、dustboxもひたすらにメロディックパンクを追求し続け、他の音楽にブレることなく、自分たちのメロディを磨き続けてきたバンドである。ロッキンなどの大きなフェスがダイブ禁止になってパンクバンドたちが次々にフェスの舞台から去っていっても、この2組は何も変わることなくそれまでと同じようにステージに立ち続けた。今こうしてパンクバンドがデカいステージで演奏できるようになったのも、この2組がそうしたフェスでパンクを絶やすことなく鳴らし続けていたからというのも間違いなくあるはず。まだまだ若手バンドには負けていないバンドだが、パンク界の中での大功労者的なバンドでもある。
1.Riot
2.Try My Luck
3.Dive
4.Rise Above
5.Wall of Ice
6.Jupiter
7.No More Tequila
8.Hardle Race
9.Tomorrow
10.Here Comes A Miracle
Dive
https://youtu.be/RdYDP_fHhs8
15:00~ coldrain [SATAN STAGE]
今年、10周年を迎え、日本武道館ワンマンも控える、ラウドロックシーンの雄、coldrain。
ドラムセットの背後にはバンドのロゴがそびえる中でメンバーが登場すると、いきなりの「THE REVELATION」でそれまでの陽性な空気が一気に荘厳なものに変わる。Masatoのシャウトとデスボイスも凄まじい迫力と声量だが、サビでの歌声の上手さも素晴らしいものがある。このMasatoのボーカリストとしての力はもっと評価されるべきだと思う。
coldrainは他のラウド系バンドに比べると、最も王道的というか、他のジャンルとミクスチャーしていないラウドサウンドを鳴らしているバンドであるが、その中でも「EVOLVE」「SIX FEET UNDER」という疾走感のある曲が続いたのはこのフェスに合わせてのものなんだろうか。
「10年やってると、このフェスに出るとバックヤードが仲間や友達ばかりになってくる」
というMasatoなりの言葉で10年という月日の重みを感じさせると、「NO ESCAPE」ではMasatoがステージから飛び降りて客席に突入し、ダイバーたちにもみくちゃにされながらもなおも叫び続けるという、サウンドと声だけではなく、フィジカルそのものの強さを見せると、「GONE」「The Story」という終盤の曲では激しさとは違うこのバンドの一面である壮大さをこれでもかというほどに実感させ、最後はメンバーも暴れまくりながら演奏し、客席も当然のように暴れまくった「Final Destination」で圧巻の締め。
音楽性に加えてメンバー編成によるものもあるが、coldrainはそれまでにこの日に見たバンドに比べるとはるかに音数が多い。しかしながらライブを見ると、それまでに見たバンドよりもはるかに音がしっかり整理されていて、バンドとしてのバランスの良さを感じさせる。激しさや勢いはもちろんあるけれど、しっかり聴かせるべきところを聴かせ、見せるべきところを見せる。だからこそこのメンバーで演奏している時にはもはや美しさみたいなものを感じるし、それが世界にも打って出ていける理由のひとつなんじゃないかと思う。音自体は非常に重く力強いバンドだが、見終わった後には圧倒的な清々しさが残っている。ラウドバンドでそう思えるバンドってこのバンド以外になかなか思い浮かばない。
1.THE REVELATION
2.EVOLVE
3.SIX FEET UNDER
4.To Be Alive
5.NO ESCAPE
6.GONE
7.The Story
8.Final Destination
THE REVELATION
https://youtu.be/xz-p4iFjX1o
16:00~ Ken Yokoyama [SATAN STAGE]
このイベントはPIZZA OF DEATH主催のイベントである。ということでもちろんこのイベントに4年間毎年出演しているのが、PIZZA OF DEATHの社長である横山健が率いる、Ken Yokoyamaである。
SEもなしに横山健を筆頭にメンバー4人が登場すると、
「SATANIC CARNIVAL、今年も喰らってくれ!」
と「Punk Rock Dream」からスタートし、社長自らがパンクの教科書としてステージに君臨。
「PIZZA OF DEATH主催だけど、僕は横山”なんの権限もない”健です!(笑)
だから若手バンドに「SATANIC CARNIVAL出たいです!」って言われても、そっか~、としか言えない(笑)」
とあくまで主催者ではなくて出演者の1組であるという姿勢を明確にし(その割にはスタッフTシャツを着ていたけど)、みんなで歌えるカバー曲として「If You Love Me」で大合唱を巻き起こすのだが、横山は早くも自身のマイクをガンガン客席に投げ入れまくり、代わりにベースのJun Grayのマイクで歌っている。毎回ライブ見るたびに思うが、マイクを回収したりマイクスタンドをなんども立て直したりするスタッフは実に大変そうである。
「俺たち、Ken Yokoyamaっていう、個人名だけど、バンドでやってます。横山健がボーカルをやってるKen Yokoyamaっていうバンド。ジョン・ボン・ジョヴィがボーカルやってるBon Joviみたいな(笑)
でも俺たちがなんでこうしていろんなフェスに出てるかっていうと、後ろの方にいる初めて見た人が、Ken Yokoyamaって熱くて面白かったな、CD聴いてみようかな、って思えたら最高だなって。本当にそれだけなんだ」
と自身がバンドにこだわる理由、フェスに出る理由を自分の口でしっかりと語り、ミュージックステーションに出演して一躍バズを起こした「I Won't Turn Off My Radio」から、横山が日の丸を背負い、
「初めて見た人は「あ、日の丸背負ってるからあの人は右翼のおじさんなんだな」って思うかもしれないけど、俺は右翼じゃないし、「反原発とか言ってるから左翼だな」って思ってる人もいるかもしれないけど、俺は左翼じゃありません。ただの東京に住む40代のPIZZA OF DEATHの社長です!」
と自身の生きていく上での姿勢を示すと、震災後の悩めるパンクスの姿=横山自身の姿のことを歌った「Ricky Punks III」から、再びマイクを客席に投げ入れて大合唱を巻き起こした「Believer」、さらに1曲追加するかのように、現状の最新アルバムである「SENTIMENTAL TRASH」の最後に収録されている「Pressure Drop」で、言葉ではない音の合唱を起こすとともに、ダイブではないスカのリズムとサウンドならではのダンスを巻き起こして終了した。
近年、Ken Yokoyamaは再びいろんなフェスに出るようになってきているが、客層が若いフェスでは存在がアウェーに感じられることも増えてきた。しかしながらこの日はやはり圧倒的なホーム感があった。それはPIZZA OF DEATHの社長だからという立場や肩書きによるものではなく、今もパンクシーンの最前線を走り続けている姿を、パンクのフェスのステージの上でしっかりと見せつけたから。やはりあらゆる意味でこの男はこのフェスの象徴である。
1.Punk Rock Dream
2.Maybe Maybe
3.If You Love Me
4.Last Train Home
5.I Won't Turn Off My Radio
6.Ten Years From Now
7.Ricky Punks III
8.Believer
9.Pressure Drop
I Won't Turn Off My Radio
https://youtu.be/GEqtB6mSmWc
17:20~ マキシマム ザ ホルモン [SATAN STAGE]
今年、2年間の封印(という名のナヲの妊活)を終え、ついに解き放たれた、マキシマム ザ ホルモン。すでに復活ツアーは開催されているが、この規模の大きなフェスに出るのは復活後初ということで、始まる前から前から後ろ、右から左まで超満員。
メンバーの登場を腹ペコたちが待つ中、スクリーンに何やら映像が映し出される。そこには電子ジャーにメンバーが封印されたという、ドラゴンボールでピッコロ大魔王が封印されたネタの丸パクリ的な導入から、
「しょーもないバンドを追いかけて、麺やわあっさりになってしまったんじゃないか?」
とやたらとナレーションが煽り、
「しかし、本当は待ってたんじゃないか?この4人を!」
と言ってメンバー登場になると、凄まじい歓声に迎えられる。この辺りの映像の使い方とセンスもやはり素晴らしいバンドである。
マキシマム ザ 亮君はやはり非常に痩せており(リバウンドしないのがすごい)、髪型も太めのドレッドに。ダイスケはんが
「SATANIC CARNIVAL!その手を…握れ!!!」
と言うといきなりの「握れっっっっっっっっ!!」でスタートするのだが、コミカルな軽快さがあったこの曲が、激重の現代版ラウドロックに変貌を遂げている。ダイスケはんのデスボイスも亮君のボーカルも、上ちゃんとナヲのリズム隊もブランクとは無縁の切れ味を感じさせるどころか、不在時にさらに進化を遂げている。
マキシマム ザ ホルモンとしか形容不可能なミクスチャーロック「maximum the hormone」を終えると、津田製麺所というラーメンの麺箱を重ねた上に立つダイスケはんが、2年間の不在を経てこの大きなステージに立てていることへの感慨を語るが、
「このステージに来る前に、警備員に2回も止められました!」
とオチをつけることも忘れないし、警備員に止められるというのは封印前と変わらない。
「「F」」、「ビューティー殺シアム」というタイトルや内容的にこのバンドでしか許されないような曲が続くと、「シミ」ではナヲの女声からサビの亮君のボーカルでの凄まじい爆発力を発揮。ちなみに「シミ」は広島カープが応援で使っていたが、まだ使用されているのだろうか。
「我々も2年間の空白を経て、年齢を重ねました!なので少し話す時間が長くなります!」
と、もともとMCが長いバンドであったが、さらに長くなることを予告するも、「Ken Yokoyamaも7分押したからオッケー」という結論に達する。さらにはナヲを祝うような空気にもなるのだが、
ナヲ「2年間、私がクリスタル・ケイとして活動してた話する?」
ダイスケはん「確かに似てるけど!そういえばライザップやってます?」
ナヲ「HYの仲宗根泉じゃねーよ!よく間違えられるけど!」
という漫才のような絡みはとどまるところを知らず、袖にいるスタッフの顔も少々強張ってきたところで、久しぶりにもかかわらず一発勝負で決めた「恋のおまじない」から、ダイスケはんも亮君も踊りまくる「恋のスペルマ」で終了。終わった後、この巨大な会場内が明らかに空気が薄くなっていた。現在の日本のロックシーンでトップクラスに巨大な存在である、恐ろしいバンドがついにシーンに帰還した。バンドはこれから「何本出るんだ?」というくらいに、本人たちも全て把握しているのか怪しいくらいの怒涛の夏フェス期間に突入していく。
1.握れっっっっっっっっ!!
2.maximum the hormone
3.「F」
4.ビューティー殺シアム
5.シミ
6.アバラ・ボブ
7.ぶっ生き返す
8.人間エンビ
9.恋のスペルマ
恋のスペルマ
https://youtu.be/Nw8624J0s5Y
18:45~ 10-FEET [SATAN STAGE]
そろそろ自身が主催する京都大作戦の開催も近づいている時期でもありながら、このフェスでも大きな存在感を持っている、10-FEET 。
その理由は、「VIBES BY VIBES」「focus」と続け、さらに「fellows」というフェスではなかなかやらない曲の後のMCで明かされた通り、毎年このバンドだけに特効(爆薬系のやつ)のスイッチを託しているからである。
今年はその特効のボタンが3つに増え、一つはハズレ、一つは二酸化炭素ガス、そしてもう一つが特効と種類まで増え、全てがドラムのKOUICHIの手に委ねられている。
早くもこのMCの段階でハズレとガスを引き当てたことにより、残った特効をどのタイミングで使うのか?ということに焦点が当たるが(例年意味不明なところで無駄遣いしているだけに)、このタイミングでは使わず、ひたすらガスを連発しまくる。
直後の「RIVER」ではTAKUMAが明らかにサビ前あたりで特効を使うと思ってビビりながら歌ったりもしていたが、ここでも使うことはなく、徐々にTAKUMAが自身の内面を吐露していくという、特効を使うタイミングがないゾーンに突入していく。
「悔しかったことや悲しかったことはなくせないけど、自分次第でいくらでも意味合いを変えることはできる。そういう経験があったからこそ、作れた曲もある」
と言って「アンテナラスト」のアカペラを歌い始めたのだが、TAKUMAは震災後にも
「震災は絶対起きない方が良かった。だけど震災が起きて、いろんな活動をしているうちに震災前は知らなかった人たちと出会えて仲良くなれた」
と言っていた。どちらも、ネガティヴなことをいかなして自分の中でポジティブに変えていくかということ。
また、10-FEETはこの規模のバンドの中ではトップクラスにリリースペースが遅い(最近はシングルをコンスタントに出しているとはいえ)バンドであるが、それもTAKUMAがいろんなことに悩んでいるからだと思っていたが、その悩みを昇華することによって近年のシングル曲が出来たと思うと、悩むのは決して悪いことではないと我々に実感させてくれる。
さらにTAKUMAは
「音楽をたくさん聴くほど感動しなくなってくるし、ライブに行けば行くほど、ちょっとやそっとのライブでは感動しなくなっていく。今日ここにいる奴らはそういう奴らはばっかりやろう!俺もそうや!」
と言って、その思いを吹き飛ばすように「その向こうへ」を演奏した。
確かに、自分でもそう思うことは多々ある。でも、それでもそのちょっとやそっとを超えるようなライブが見れるって信じているから、こうしてチケットを買ってライブに足を運んでいる。その想いに、10-FEETは毎回しっかり応えてくれる。
そしてラストは「goes on」で多幸感に溢れた締めで、KOUICHIは曲終わりで若干忘れかけていた特効のスイッチを押し、爆発音に包まれながら3人はステージを去っていった。
すでに来月シングルの発売も発表されているが、その収録曲の演奏はまだ。おそらく京都大作戦で披露という流れになると思われるが…。
1.VIBES BY VIBES
2.focus
3.火とリズム
4.fellows
5.RIVER
6.アンテナラスト
7.その向こうへ
8.ヒトリセカイ
9.1sec.
10.goes on
ヒトリセカイ
https://youtu.be/rxjKJ_2T9DY
20:10~ SiM [SATAN STAGE]
初日のメインステージのトリはSiM。並み居る先輩たちを向こうに回しての念願のトリである。
開演時間を少し過ぎると、スクリーンにはNext Actの文字ではなく、メンバー4人が並ぶ映像が映し出され、昨年ゾンビメイクでライブを行ったものの、汗をかきすぎたSHOW-HATEがメイクが落ちてライブ後に普通の顔に戻ってしまったことを回顧し、今年はPIZZA OF DEATHの頼みによってトリを務めることを語ると、
「ホルモンと10-FEET見て疲れたから後ろで休みながら見よう~とかヌルいこと言ってんじゃねーぞ!」
とMAHが煽ったことにより、大歓声に迎えられてメンバーが登場すると、「PANDORA」からスタート。モッシュ、ダイブ、サークル、合唱なんでもありのカオスな場内、ステージでもいつものようにSHOW-HATEとSiNもツーステップを踏んだり、ギターとベースを振り回しながら演奏するが、メンバーの演奏もMAHのシャウトも気合いがみなぎっているのが実によくわかる。
「Blah Blah Blah」からは随所でステージから炎が噴き出すというトリならではの演出を見せてくれるが、MAHの左右から炎が上がっている様は、まるで悪魔が魔法を使っているかのようですらある。
「ようやく俺たちの時代が来ました!ホルモンはこういうフェスではトリをやらないし、10-FEETは前にトリをやってるから今回はSiMになったんじゃないか、と思ってる人もいるだろうけど、俺たちは自分たちが一つずつ積み重ねてきて掴み取ったものだと思ってます!」
とトリを務められることになった誇りを語り、フェスに合わせたのかややパンクな選曲が多かった序盤から、中盤ではスカダンスやモンキーダンスを駆使したダンスタイムへ。ひたすらに激しいSiMにもこういう一面もあるし、そういう部分を見せる上ではSHOW-HATEが操るシンセが実に大きな役割を果たしている。
そんなバンドの違う一面を最も見せていたのが、バラード曲である「Life is Beautiful」。MAHと言えばシャウトやデスボイスの凄さが語られがちだが、こういうタイプの曲を聴くとそもそものボーカルとしての技量が高いからこそそうした武器が生きているということが実によくわかる。本人は
「バラードやるんで知らない人は休んでて」
と言っていたが。
そしてラストは「KiLLiNG ME」で間奏中にいったん座らせてからの大ジャンプをさせるというおなじみの演出も使って本編は終了。
アンコールではMAHが、最も影響を受けたバンドがハイスタであること、そのハイスタの事務所が作るフェスでトリが出来ていることへの感謝と感慨を改めて語りつつ、
「何を言われたとしても、最後にこうしてステージに立って中指を立てた奴の勝ちなんだ」
と、かつて後ろ指を指されたことがあったからこその自らの哲学を語ってからの「JACK.B」では間奏で
「ちょっと言いたいことがあった」
と演奏を止めると、
「某音楽番組にWANIMAが出た時、最もセキュリティーが忙しいバンド、っていう紹介の仕方をされてて。それはちょっと納得いかないなぁと思うんですけど!」
と言うと、観客が次々とリフトし始め、
「いやー、俺ダイブしろとは一言も言ってないのになぁ…」
と嘯きつつ、演奏を再開しようとすると、GODRiがタイミングを間違えてしまい、
「敵は味方の中にいた(笑)」
とまで言われながらも再開すると、凄まじい数(おそらく2日間でダントツ最多)のダイバーが次々に転がっていく。これはセキュリティーの方々は本当にお疲れ様です、としか言えない。
さらにこれだけでは終わらず、「同世代の友達」と言ってcoldrainのMasatoを呼び込んでから客席に通路を作らせ、「f.a.i.t.h」でウォールオブデスを発生させるとともに、最恐のシャウトコラボでトリの大役を果たすと、メンバーは笑顔でステージから頭を下げて去っていった。
もはやSiMは自分たちで1万人以上の規模でのフェスを主催しているし、横浜アリーナでワンマンをやるくらいに巨大なバンドになった。だからこそ2日間で多くのラウドバンドが出る中で、SATANIC CARNIVALはこのバンドにこれからのラウドロックを任せるようにトリのバトンを渡した。
この経験はこのバンドを間違いなくさらに強く進化させるだろうし、このバンドに刺激されたり引っ張られるようにして、日本のラウドシーンがさらに盛り上がれば、こういうフェスは長い間続くことになるだろうし、こうした出演者のフェスが増えるかもしれない。そうした、未来への可能性を大いに感じられるトリだったし、このバンドなら絶対その期待に応えてくれるはず。
1.PANDORA
2.Blah Blah Blah
3.Fallen Idols
4.T×H×C
5.set me free
6.GUNSHOTS
7.Amy
8.Life is Beautiful
9.Get Up,Get Up
10.KiLLiNG ME
encore
11.JACK.B
12.f.a.i.t.h feat.Masato
KiLLiNG ME
https://youtu.be/vyUMYYc8lxU
Next→ 6/18 SATANIC CARNIVAL '17 day2 @幕張メッセ
SATANIC CARNIVAL '17 day2 @幕張メッセ 6/18 ホーム
ヤバイTシャツ屋さん ”どうぶつえんツアー”ツアー 2017 ~ワンマン~ 追加公演 @新木場STUDIO COAST 6/16