VIVA LA ROCK 2014 @さいたまスーパーアリーナ 5/5
- 2014/05/07
- 22:56
いよいよ最終日。微妙に前2日よりも天気が悪いのが気になるところ。
11:00~ SPECIAL OTHERS [STAR STAGE]
鹿野淳が朝礼で、「このフェスがこのバンドのように自由に楽しんでもらえるようになって欲しくて、1番最初にオファーさせてもらいました!」と紹介した、最終日のトップバッター、SPECIAL OTHERS。しばしジャムってからの「Surdo」からスタートし、「Uncle John」では美しいボーカルも披露する。
「最近フェスで朝イチが多いんですけど…本来はこの時間はサンボマスターのはずなんで(笑)もう朝早くても強制的に目を覚まさせる、みたいな(笑)
でも山口さんが最近年齢的に朝がキツくなってきてるから俺らにこの大役がまわってきたっていう(笑)
でもみなさん朝イチで眠くても、フェスで俺たちがトップバッターの時は最初から見にきて下さいね!」
という芹澤が仲の良いサンボマスターの名前を出したMCで笑わせると、熱狂の「PB」から至福の「Laurentech」という締め。50分という持ち時間でも5曲だけというのはこのバンドならではだが、7月の久々の野音ではまたいろんな曲を聴けるだろうから非常に楽しみ。
1.Surdo
2.ROOT
3.Uncle John
4.PB
5.Laurentech
11:50~ tacica [VIVA!STAGE]
一度病気療養をしたドラムの坂井が今年になって脱退するという変革の季節を迎えたtacica。さらに猪狩は父親になったりと、メンバーの状況が変わりつつある。
コーラスもつとめるサポートドラマーを加えた3人編成で、「HERO」からスタート。名曲「アリゲーター」も早くも披露され、小西は客席に向かって歌を口ずさみながらベースを弾く。
このバンドは近年のギターバンドの中ではびっくりするくらいしゃべらないバンドだが、この日も曲の間にはほとんどMCをすることはなく、
「すっげぇ…楽しいです」
と全く楽しそうな感じはしない言い方で猪狩は言う。
「今日はいっぱいしゃべろうと思ったんですけど…ダメでした(笑)
今日久々にでかい地震があったけど…俺はその時駅のホームにいて。なんか地震に慣れてしまった感じもしてしまっているんだけど…まぁ何が言いたいかっていうと、楽しんだほうがいいっていうこと」
と、「人鳥哀歌」「DAN」のラストへ。猪狩はやはり口数は少なかったが、歌そのものはとても雄弁だったし、声は魔法のような慈悲深さ。ドラマーが変わってしまったのは残念ではあるが、またここからバンドがどんな曲を生み出していくのか期待して待っていたい。
1.HERO
2.アリゲーター
3.vase
4.co-star
5.ハイライト
6.HALO
7.人鳥哀歌
8.DAN
12:30~ BOOM BOOM SATELLITES [STAR STAGE]
ステージに要塞のように積み上げられたアンプや機材はこのバンドの音へのこだわりを可視化したかのよう。
いきなりのビートルズ「HELTER SKELTER」の爆音ダンスロックバージョンで幕を開けたのだが、音が本当に凄まじい。脳の奥底から覚醒させられるかのようで、否応なしに踊らされる。
昨年病気から復活した川島も全く影響を感じさせることなくステージを動き回りながらギターを弾き、中野も観客を煽るようなアクションを多用する。中盤には長尺の、アゲるだけではないチルウェイブなパートで自由に踊らせ、タメにタメたところでラストはトドメとばかりに「KICK IT OUT」で爆発。
このバンドのライブを見るといつも「圧倒的」という言葉しか浮かんでこないのだが、この日もやっぱり圧倒的。そして初日にはくるりで出演したドラマー福田洋子の全く違うタイプのバンドのドラムを叩きわけられるのはすごいと思う。
1.HELTER SKELTER
2.MORNING AFTER
3.DIVE FOR YOU
4.BACK ON MY FEET
5.新曲
6.Fogbound
7.KICK IT OUT
13:10~ plenty [VIVA!STAGE]
踊れるバンドが多々出演している中で、踊れない度はトップクラスであろうplenty。しかしそれでもしっかりこのキャパが埋まっているのはさすがである。
いつものようにヒラマミキオ(ギター)、中畑大樹(ドラム)を加えた4人編成で、江沼の声は聴いてる人1人1人の心の底まで刺さっていく。
「枠」はさらにソリッドなロックナンバーになり、「少年」ではマラカスを振ったりという新鮮なアレンジも。こういうことができるのもこの4人だからだよなぁと思っていたのだが、かねてから
「俺たちはサポートを加えた2人組じゃなくて、スリーピースのバンドに戻るべきだ」
と発言してきた江沼が、
「えー、今日でこの4人でやるのは最後なんですよ……まぁ言ったらこういう空気になるのはわかってたけど(笑)
でもやっぱりちゃんと言うのが筋かなぁと思って…だから、うん、やります!やるぞー!」
と、ヒラマと中畑がこの日限りでバンドを離れることを発表し、その寂しさを紛らわすかのように江沼は声を大きくして叫ぶようにしゃべっていた。
そして「傾いた空」からこの4人で最後に演奏されたのは「蒼き日々」。まるでこの4人でplentyとして過ごしてきた日々そのものが蒼き日々であったかのように、これまでで最もエモーショナルに、終わってしまうのを惜しむかのように聴こえた。
確かにヒラマと中畑は江沼と新田に比べたら比べようのないほどに技術も経験も実績もある2人だった。だからこそ、バンドになるには2人が対等に接せられるドラマーが必要なんだと思う。
果たして新編成のお披露目がいつになるのかはわからないけど、中畑大樹はハルカトミユキで、ヒラマミキオはエレカシでこれからもよろしく。
1.待ち合わせの途中
2.ACTOR
3.枠
4.少年
5.あいという
6.傾いた空
7.蒼き日々
13:50~ サンボマスター [STAR STAGE]
冒頭から「世界を変えさせておくれよ」から熱狂のライブを展開したサンボマスター。
「僕らMUSICAに一回もインタビューされてないんですけど、こんなステージでやらせてもらっていいんでしょうか!?」
「一つ言っておきたいのは、鹿野さんは怪しいけどヅラじゃないっていうことです!」
という山口の率直すぎるMCで爆笑を巻き起こしながら、ツアーでも寸劇を交えて披露された「孤独とランデブー」ではドラムの木内がドラムを叩かずに前に出てきて、
「今から一緒に~ これから一緒に~」
とチャゲアスの「Yeh Yeh Yeh」を歌い、「殴りにいこうか~」を観客に歌わせる。すると山口がたまらず制止し、
「俺がお前を殴りたいわ!」
と叫ぶ。どうやら木内は今が人生で1番チャゲアスにハマっているらしく、チャゲアスを歌いたくてしょうがないらしい。
一度は仕切り直したものの、今度は木内とともに近藤も揃ってマントを装着し、結局カラオケ大会に突入して「孤独とランデブー」を歌う。そして、
「今からあの曲やりますからね。鹿野さんからもあの曲やってくれみたいな空気を感じましたんでね(笑)
とりあえず段取りだけ説明させてもらいますと、我々がワンツースリーと言いますので、そしたらオイオイオイ!で、どかーんで。よろしくお願いします!」
と前置きしてから「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」へ。そして、
「俺はMUSICAに一回も出てねえからできねえと思ったんだけど、出来たんだ。ロックンロールは出来るんだ!」
とラストの「できっこないを やらなくちゃ」でアゲ倒して終了。MUSICAには確かにインタビューが載ってるのを見たことがないが、そんなのは関係なく、サンボマスターがロックフェスで求められているということを満員の観客が証明していた。
1.世界を変えさせておくれよ
2.ミラクルをキミと起こしたいんです
3.光のロック
4.孤独とランデブー
5.世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
6.できっこないを やらなくちゃ
14:30~ POLYSICS [VIVA!STAGE]
日本におけるあらゆるフェスの常連アクトと言ってもいいくらい毎年各地のフェスに出演しているPOLYSICSがこのフェスにもしっかり出演。
序盤は定番曲連発で、このバンドのライブの楽しさをフルに発揮。ハヤシの「トイス!」のコール&レスポンスも決まり、「Baby BIAS」のハヤシとフミのボーカルバージョンもすっかりおなじみになってきた。
ボーカルパートの少ない「発見動物探検隊」「Mega Over Drive」を挟み、ラストは「Let's ダバダバ」からキラーチューン3連発。カヨ脱退後にできた曲がこうしてキチンとキラーチューンになっていることはこのバンドがこれからも勢いが衰えることなく、ファンを楽しませてくれることを示している。今年の夏もいろんなフェスでライブを観れるだろうな。
1.ACTION!!!
2.BUGGIE TECHNICHA
3.Young OH! OH!
4.Digital Coffee
5.Baby BIAS
6.発見動物探検隊
7.Mega Over Drive
8.Let's ダバダバ
9.Lucky Star
10.Shout Aloud!
15:10~ NICO Touches the Walls [STAR STAGE]
4人が集まって円陣を組み、「バイシクル」からスタート。これまではクライマックスで演奏してきた「手をたたけ」を早くも演奏すると、フェスでは珍しくインディーズ期の曲を続ける。坂倉の高い演奏技術をフルに発揮したベースソロもあり、「泥んこドビー」では歌詞を
「西武ライオンズが2点リード」
と、さいたま仕様に変えて歌う。
曲が終わると何やらメンバーがセットチェンジを行い、対馬がピアニカ、坂倉もアコギというアコースティック編成に。
「新曲をやろうと思うんですが、レコーディングで音を重ねすぎてライブでのアレンジが固まってないんで、今日限りのアレンジで演奏したいと思います!」
と新曲「天地ガエシ」をアコースティックで演奏。最初はアレンジ的にポップな曲だなーくらいの印象だったのだが、途中から通常のバンド編成に戻ると、駆け出したくなるように爽やかなギターロックに変貌。アコースティックアレンジを施したのは1番までだったのだが、実際にそこもどうなるのかが本当に楽しみな曲だ。
そのまま裏拍の手拍子が鳴り響く「THE BUNGY」を経て、ラストは最新シングル「ローハイド」で終了。他のこのステージのアクトに比べるとやや観客が少なかったが、今日披露した新曲で一気に多くの人を巻き込みたいところ。
1.バイシクル
2.手をたたけ
3.泥んこドビー
4.武家諸法度
5.天地ガエシ (新曲)
6.THE BUNGY
7.ローハイド
16:30~ [Alexandros] [STAR STAGE]
先日の武道館ワンマンで衝撃の改名発表を行った[Alexandros]。未だにシャンペと呼んでしまう時があるが、こうして何度もライブを見ているうちに慣れてくるだろうか。
「Burger Queen」のSEで登場すると、途中でバンドの演奏に切り替わるというオープニング。そこからはシングル曲もアルバム曲も、全てが現在の時代を射抜いたキラーチューンであるかのような盛り上がりを見せる。
中盤に披露された新曲は武道館の時にもやっていたが、その時よりもさらにブラッシュアップされて獰猛さを増している印象。[Alexandros]としては最初のキラーチューンになるかもしれない。
川上のみならず磯部もこのキャパに全く怖気づくことなく自信たっぷりなMC。川上の
「お前らクソ最高だぜ!」
という叫びのあとに演奏されたのは、実に久しぶりの「You're So Sweet & I Love You」。しかしやはりこの曲はこういうでかい会場でみんなで歌うのが本当によく似合う。名曲だらけのこのバンドの曲の中でも屈指の名曲だと思っているので、これからも是非ともセトリに入っていてもらいたい。
そしてもはやメンバーが汗まみれの中、ラストは「city」からの「Starrrr」でまたも会場を大合唱が包んだ。ライブも文句なしにベストアクトクラスの内容だったし、会場を埋め尽くした観客の期待度がこのバンドをさらに大きなステージに連れて行く予感を感じさせた。
1.Burger Queen
2.Run Away
3.Stimulator
4.Kill Me If You Can
5.新曲
6.Kick & Spin
7.You're So Sweet & I Love You
8.city
9.Starrrr
17:20~ Nothing's Carved In Stone [VIVA!STAGE]
徐々にフェスのフィナーレが近づいてくる中、サンボマスター同様にMUSICAのインタビューに載った記憶があまりないNothing's Carved In Stoneが登場。
疲れで若干の眠気を覚え始める時間だが、ひなっちのバッキバキのベースが即座に眠気を殺していく。「ツバメクリムゾン」では村松拓の歌が凄腕メンバー達の上でも最も力強く聴こえる。
「お前ら1人1人の名前なんて覚えられないからさぁ、ビバちゃんって呼んでいい!?」
と脱力してしまいそうになる拓の呼び掛けを経ると、生形がアコギを弾く「It means」、バンドの決意表明のような「Pride」と続くと、
「おい!今日はロックバンドばっかりだぜ!このフェスはロックバンドしか出てないんだぜ!ロックフェスにアイドルなんかいらねえだろう!?
俺はロックバンドを信じてるぜ!ロックバンドの力を信じてるんだぜ!」
という、明らかに某フェスを意識したかのような拓のMCに大歓声が上がる。
そしてラストの「Isolation」では、「Now is everything」のフレーズを
「おい!今なんだよ!今が全てなんだよ!」
と変えて叫んだ。ロックバンドを信じ続けてここまで生きてきた男として、どうしても譲れないものがあったのだろう。当然、このあとネットでは拓のMCが物議を醸していた。しかし、拓はアイドルの存在自体を全否定したのではなく、あくまで「ロックフェスに」「アイドルはいらねえだろ!」と言った。この「ロックフェスに」を省略してしまうと、捻じ曲がった形で伝わってしまう。アイドルファンの人が無条件にこのバンドのことをディスっているのを見ると、それは違うだろ、と現地でその発言を聞いていた側としては思わざるを得ない。(ていうか実際、もしTokyo Idol Fesなんかにロックバンドが出ることになったら絶対「いらねー!」とか言うアイドルファンもいっぱいいるだろうし)
そして拓と同様に「ロックバンドを信じて」これまで生きてきた自分としては、普通ならこんなにめんどくさくなるのがわかり切ってることは言わないだろうが、自分が思っていることを自分の口で目の前にいる人たちに伝えられる拓は本当にカッコいいし、勇気があると思う。まぁ本人はネットとかで顔も名前も出さない奴らから何を言われても全然気にしないと思うけど。
1.Spirit Inspiration
2.ツバメクリムゾン
3.Out Of Control
4.November15th
5.It means
6.Pride
7.きらめきの花
8.Isolation
18:30~ Czecho No Republic [CAVE STAGE]
ここまでこのCAVE STAGEで見たかったアーティストがことごとく入場規制がかかっていて入れなかっただけに、このステージの大トリでようやくこのステージの中に入れることに。
本人達によるサウンドチェックを経て、本番でギターの砂川が先頭でキメ台詞の
「エンジョーイ!」
を叫びながら登場。SEはフェスのタイトルに合わせたのかDragon Ashの「Viva La Revolution」で、武井は曲にあわせて歌っている。
ライブは「Call Her」からスタート。客席は完全に満員であり、ゆらゆらと体を揺らしながら心地よく踊りたいこのバンドにとっては熱気に満ちすぎている感すらある。
「VIVA LA ROCK、最終日のトリをこんな、1番大きいステージで務めさせてもらって本当に光栄です(笑)
ここ1番大きいステージだよね?(笑)」
という武井の皮肉っぽいMCのあとはまさにこのような日のためにあるような「Festival」。砂川の、
「埼玉が生んだ鬼才、イケメン砂川一黄エンジョイでーす!」
の自己紹介は案の定微妙な空気を生み出すも、続けてタカハシマイも
「私も埼玉出身。おせんべいのとこ」
と草加市出身であることを明かす。
そのあとに披露された新曲はリキッドルームのワンマンでやった曲とは違う曲だが、一聴しただけで踊り出せるような曲。しかしこれだけ新曲がたくさんできてきているということは、次は早くもアルバムが出たりするんだろうか。
そしてラストはゴールデンウイークにピッタリな「ショートバケーション」。砂川は投げキスをしながらステージを後にしていった。
しかしすぐさまアンコールで登場すると、またも砂川が拍手をコントロールする、タモリ芸をやってみせるものの、武井に
「みんなすぐサカナクション見に行かなきゃいけないんだからそんなことやってる時間ないんだよ!(笑)」
と突っ込まれ、
「それマジなやつじゃないですか(笑)」
と納得せざるを得なくなる。そんな感じなので、
「みんなのためにサッと1曲だけ。ここがネバーランドでありますように!」
と「ネバーランド」で終了。もはやバンドの置かれている状況的には1番小さいステージに出るようなバンドではないが、今月にはかつて武井がドリンク係としてアルバイトしていた渋谷AXでのワンマンが開催される。今までステージに立ってきた人たちとはまた違った思い入れのある場所なだけに、バンドにとって一つの記念碑的ライブになることは間違いない。
1.Call Her
2.MUSIC
3.Festival
4.RUN RUN TIKI BANG BANG
5.ダイナソー
6.新曲
7.ショートバケーション
encore
8.ネバーランド
19:45~ サカナクション [STAR STAGE]
ついにやってきた、このフェスの最後のアクトはサカナクション。主催者鹿野淳の最大の盟友と言える存在だが、この位置での出演はそれだけが理由ではないことは明白。始まる前からアリーナスタンディングは満員で、スタンド席もほぼ全員が総立ち状態である。
暗転して「Ame(B)」のSEで登場すると、そのまま5人がラップトップに横並びになり、ツアーのアンコールで披露されていた、「イビザの砂浜」のようなド派手なダンスアレンジで、ステージ一面に緑のレーザー光線が照射されるなど、演出もド派手。
「ミュージック」の大サビでラップトップからバンド編成に戻ると、そこからはノンストップでヒットシングルを連発。ツアーの初日からファイナルまででも相当練り上げられていたので、今回もさらに練り上げられている、というかツアーよりも規模が大きい会場にも関わらず、むしろこれが適正キャパなんじゃないかとすら思う。
「アイデンティティ」のアウトロから「ルーキー」のイントロにつながるのはもはやおなじみとなり、大会場で鳴るのが本当によく似合う「Aoi」からラストは山口がアコギに持ち替えての最新シングル収録曲「グッドバイ」で終了。
アンコールでは、
「鹿野さんに初めて会った時は、ほとんど初インタビューみたいな感じだったんだけど、ちょっと喧嘩っぽくなってしまって。今でも覚えてるのは、鹿野さんに「山口さんにとってロックってなんですか?」って言われたことで。僕も「鹿野さんにとってロックってなんですか?」って言い返したんだけど…今日出番前に色々会場を見て回ったり、ライブ見たりして、このVIVA LA ROCKが鹿野さんにとってのロックなんだろうなって思います」
と、鹿野にとって最大の理解者である山口ならではのMC。そして演奏されたのはツアーでは演奏されていなかった「ナイトフィッシングイズグッド」。魚のように観客が飛び跳ねまくっていた。
1.Ame(B)
2.ミュージック
3.アルクアラウンド
4.夜の踊り子
5.モノクロトーキョー
6.アイデンティティ
7.ルーキー
8.Aoi
9.グッドバイ
encore
10.ナイトフィッシングイズグッド
演奏が終わると、鹿野がステージに登場し、メンバーと一緒に写真撮影をし、メンバーが去ると鹿野が終演の挨拶をしたのだが、鹿野の目は涙ぐんでいるように見えた。
初日の入場や、CAVE STAGEの入場規制多発などの問題もあったが、初開催で鹿野淳が主催ということを考えれば第一回ROCKS TOKYOよりストレスはなかった。そしてこのフェスの最大の成功と言っていいポイントは、会場横のけやき広場を利用したVIVA LA GARDENだと思う。屋内フェスなのに野外スペースも楽しめるのは本当にでかい。そしてスーパーアリーナは通路狭いなりに、一方通行にしたり、初日に流れを悪くしていた柵を撤去したりと動線もよくやったと思う。
そして1番の懸念だったスタンド席の場所取りの少なさは素晴らしかったと思う。スタンディングから見てたくらいだけど、ほとんどいなかったように思う。2階と4階で住み分けをしてたからかもしれないが、本当にいい参加者のみなさんに恵まれたフェスだったと思う。来年もこの時期に開催されるのが決まっているようなので、また来年も是非フル参戦したいところだが、来年はまたJAPAN JAM次第かな。
ともあれ鹿野淳をはじめとするスタッフのみなさん、出演アーティストのみなさん、参加者のみなさん、飲食ブースのみなさんお疲れ様でした。やっぱりでかいフェスが好きだな。これだけたくさんの同じような音楽を好きな人と同じ場所にいれるんだから。次は月末のMETROCKで!
11:00~ SPECIAL OTHERS [STAR STAGE]
鹿野淳が朝礼で、「このフェスがこのバンドのように自由に楽しんでもらえるようになって欲しくて、1番最初にオファーさせてもらいました!」と紹介した、最終日のトップバッター、SPECIAL OTHERS。しばしジャムってからの「Surdo」からスタートし、「Uncle John」では美しいボーカルも披露する。
「最近フェスで朝イチが多いんですけど…本来はこの時間はサンボマスターのはずなんで(笑)もう朝早くても強制的に目を覚まさせる、みたいな(笑)
でも山口さんが最近年齢的に朝がキツくなってきてるから俺らにこの大役がまわってきたっていう(笑)
でもみなさん朝イチで眠くても、フェスで俺たちがトップバッターの時は最初から見にきて下さいね!」
という芹澤が仲の良いサンボマスターの名前を出したMCで笑わせると、熱狂の「PB」から至福の「Laurentech」という締め。50分という持ち時間でも5曲だけというのはこのバンドならではだが、7月の久々の野音ではまたいろんな曲を聴けるだろうから非常に楽しみ。
1.Surdo
2.ROOT
3.Uncle John
4.PB
5.Laurentech
11:50~ tacica [VIVA!STAGE]
一度病気療養をしたドラムの坂井が今年になって脱退するという変革の季節を迎えたtacica。さらに猪狩は父親になったりと、メンバーの状況が変わりつつある。
コーラスもつとめるサポートドラマーを加えた3人編成で、「HERO」からスタート。名曲「アリゲーター」も早くも披露され、小西は客席に向かって歌を口ずさみながらベースを弾く。
このバンドは近年のギターバンドの中ではびっくりするくらいしゃべらないバンドだが、この日も曲の間にはほとんどMCをすることはなく、
「すっげぇ…楽しいです」
と全く楽しそうな感じはしない言い方で猪狩は言う。
「今日はいっぱいしゃべろうと思ったんですけど…ダメでした(笑)
今日久々にでかい地震があったけど…俺はその時駅のホームにいて。なんか地震に慣れてしまった感じもしてしまっているんだけど…まぁ何が言いたいかっていうと、楽しんだほうがいいっていうこと」
と、「人鳥哀歌」「DAN」のラストへ。猪狩はやはり口数は少なかったが、歌そのものはとても雄弁だったし、声は魔法のような慈悲深さ。ドラマーが変わってしまったのは残念ではあるが、またここからバンドがどんな曲を生み出していくのか期待して待っていたい。
1.HERO
2.アリゲーター
3.vase
4.co-star
5.ハイライト
6.HALO
7.人鳥哀歌
8.DAN
12:30~ BOOM BOOM SATELLITES [STAR STAGE]
ステージに要塞のように積み上げられたアンプや機材はこのバンドの音へのこだわりを可視化したかのよう。
いきなりのビートルズ「HELTER SKELTER」の爆音ダンスロックバージョンで幕を開けたのだが、音が本当に凄まじい。脳の奥底から覚醒させられるかのようで、否応なしに踊らされる。
昨年病気から復活した川島も全く影響を感じさせることなくステージを動き回りながらギターを弾き、中野も観客を煽るようなアクションを多用する。中盤には長尺の、アゲるだけではないチルウェイブなパートで自由に踊らせ、タメにタメたところでラストはトドメとばかりに「KICK IT OUT」で爆発。
このバンドのライブを見るといつも「圧倒的」という言葉しか浮かんでこないのだが、この日もやっぱり圧倒的。そして初日にはくるりで出演したドラマー福田洋子の全く違うタイプのバンドのドラムを叩きわけられるのはすごいと思う。
1.HELTER SKELTER
2.MORNING AFTER
3.DIVE FOR YOU
4.BACK ON MY FEET
5.新曲
6.Fogbound
7.KICK IT OUT
13:10~ plenty [VIVA!STAGE]
踊れるバンドが多々出演している中で、踊れない度はトップクラスであろうplenty。しかしそれでもしっかりこのキャパが埋まっているのはさすがである。
いつものようにヒラマミキオ(ギター)、中畑大樹(ドラム)を加えた4人編成で、江沼の声は聴いてる人1人1人の心の底まで刺さっていく。
「枠」はさらにソリッドなロックナンバーになり、「少年」ではマラカスを振ったりという新鮮なアレンジも。こういうことができるのもこの4人だからだよなぁと思っていたのだが、かねてから
「俺たちはサポートを加えた2人組じゃなくて、スリーピースのバンドに戻るべきだ」
と発言してきた江沼が、
「えー、今日でこの4人でやるのは最後なんですよ……まぁ言ったらこういう空気になるのはわかってたけど(笑)
でもやっぱりちゃんと言うのが筋かなぁと思って…だから、うん、やります!やるぞー!」
と、ヒラマと中畑がこの日限りでバンドを離れることを発表し、その寂しさを紛らわすかのように江沼は声を大きくして叫ぶようにしゃべっていた。
そして「傾いた空」からこの4人で最後に演奏されたのは「蒼き日々」。まるでこの4人でplentyとして過ごしてきた日々そのものが蒼き日々であったかのように、これまでで最もエモーショナルに、終わってしまうのを惜しむかのように聴こえた。
確かにヒラマと中畑は江沼と新田に比べたら比べようのないほどに技術も経験も実績もある2人だった。だからこそ、バンドになるには2人が対等に接せられるドラマーが必要なんだと思う。
果たして新編成のお披露目がいつになるのかはわからないけど、中畑大樹はハルカトミユキで、ヒラマミキオはエレカシでこれからもよろしく。
1.待ち合わせの途中
2.ACTOR
3.枠
4.少年
5.あいという
6.傾いた空
7.蒼き日々
13:50~ サンボマスター [STAR STAGE]
冒頭から「世界を変えさせておくれよ」から熱狂のライブを展開したサンボマスター。
「僕らMUSICAに一回もインタビューされてないんですけど、こんなステージでやらせてもらっていいんでしょうか!?」
「一つ言っておきたいのは、鹿野さんは怪しいけどヅラじゃないっていうことです!」
という山口の率直すぎるMCで爆笑を巻き起こしながら、ツアーでも寸劇を交えて披露された「孤独とランデブー」ではドラムの木内がドラムを叩かずに前に出てきて、
「今から一緒に~ これから一緒に~」
とチャゲアスの「Yeh Yeh Yeh」を歌い、「殴りにいこうか~」を観客に歌わせる。すると山口がたまらず制止し、
「俺がお前を殴りたいわ!」
と叫ぶ。どうやら木内は今が人生で1番チャゲアスにハマっているらしく、チャゲアスを歌いたくてしょうがないらしい。
一度は仕切り直したものの、今度は木内とともに近藤も揃ってマントを装着し、結局カラオケ大会に突入して「孤独とランデブー」を歌う。そして、
「今からあの曲やりますからね。鹿野さんからもあの曲やってくれみたいな空気を感じましたんでね(笑)
とりあえず段取りだけ説明させてもらいますと、我々がワンツースリーと言いますので、そしたらオイオイオイ!で、どかーんで。よろしくお願いします!」
と前置きしてから「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」へ。そして、
「俺はMUSICAに一回も出てねえからできねえと思ったんだけど、出来たんだ。ロックンロールは出来るんだ!」
とラストの「できっこないを やらなくちゃ」でアゲ倒して終了。MUSICAには確かにインタビューが載ってるのを見たことがないが、そんなのは関係なく、サンボマスターがロックフェスで求められているということを満員の観客が証明していた。
1.世界を変えさせておくれよ
2.ミラクルをキミと起こしたいんです
3.光のロック
4.孤独とランデブー
5.世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
6.できっこないを やらなくちゃ
14:30~ POLYSICS [VIVA!STAGE]
日本におけるあらゆるフェスの常連アクトと言ってもいいくらい毎年各地のフェスに出演しているPOLYSICSがこのフェスにもしっかり出演。
序盤は定番曲連発で、このバンドのライブの楽しさをフルに発揮。ハヤシの「トイス!」のコール&レスポンスも決まり、「Baby BIAS」のハヤシとフミのボーカルバージョンもすっかりおなじみになってきた。
ボーカルパートの少ない「発見動物探検隊」「Mega Over Drive」を挟み、ラストは「Let's ダバダバ」からキラーチューン3連発。カヨ脱退後にできた曲がこうしてキチンとキラーチューンになっていることはこのバンドがこれからも勢いが衰えることなく、ファンを楽しませてくれることを示している。今年の夏もいろんなフェスでライブを観れるだろうな。
1.ACTION!!!
2.BUGGIE TECHNICHA
3.Young OH! OH!
4.Digital Coffee
5.Baby BIAS
6.発見動物探検隊
7.Mega Over Drive
8.Let's ダバダバ
9.Lucky Star
10.Shout Aloud!
15:10~ NICO Touches the Walls [STAR STAGE]
4人が集まって円陣を組み、「バイシクル」からスタート。これまではクライマックスで演奏してきた「手をたたけ」を早くも演奏すると、フェスでは珍しくインディーズ期の曲を続ける。坂倉の高い演奏技術をフルに発揮したベースソロもあり、「泥んこドビー」では歌詞を
「西武ライオンズが2点リード」
と、さいたま仕様に変えて歌う。
曲が終わると何やらメンバーがセットチェンジを行い、対馬がピアニカ、坂倉もアコギというアコースティック編成に。
「新曲をやろうと思うんですが、レコーディングで音を重ねすぎてライブでのアレンジが固まってないんで、今日限りのアレンジで演奏したいと思います!」
と新曲「天地ガエシ」をアコースティックで演奏。最初はアレンジ的にポップな曲だなーくらいの印象だったのだが、途中から通常のバンド編成に戻ると、駆け出したくなるように爽やかなギターロックに変貌。アコースティックアレンジを施したのは1番までだったのだが、実際にそこもどうなるのかが本当に楽しみな曲だ。
そのまま裏拍の手拍子が鳴り響く「THE BUNGY」を経て、ラストは最新シングル「ローハイド」で終了。他のこのステージのアクトに比べるとやや観客が少なかったが、今日披露した新曲で一気に多くの人を巻き込みたいところ。
1.バイシクル
2.手をたたけ
3.泥んこドビー
4.武家諸法度
5.天地ガエシ (新曲)
6.THE BUNGY
7.ローハイド
16:30~ [Alexandros] [STAR STAGE]
先日の武道館ワンマンで衝撃の改名発表を行った[Alexandros]。未だにシャンペと呼んでしまう時があるが、こうして何度もライブを見ているうちに慣れてくるだろうか。
「Burger Queen」のSEで登場すると、途中でバンドの演奏に切り替わるというオープニング。そこからはシングル曲もアルバム曲も、全てが現在の時代を射抜いたキラーチューンであるかのような盛り上がりを見せる。
中盤に披露された新曲は武道館の時にもやっていたが、その時よりもさらにブラッシュアップされて獰猛さを増している印象。[Alexandros]としては最初のキラーチューンになるかもしれない。
川上のみならず磯部もこのキャパに全く怖気づくことなく自信たっぷりなMC。川上の
「お前らクソ最高だぜ!」
という叫びのあとに演奏されたのは、実に久しぶりの「You're So Sweet & I Love You」。しかしやはりこの曲はこういうでかい会場でみんなで歌うのが本当によく似合う。名曲だらけのこのバンドの曲の中でも屈指の名曲だと思っているので、これからも是非ともセトリに入っていてもらいたい。
そしてもはやメンバーが汗まみれの中、ラストは「city」からの「Starrrr」でまたも会場を大合唱が包んだ。ライブも文句なしにベストアクトクラスの内容だったし、会場を埋め尽くした観客の期待度がこのバンドをさらに大きなステージに連れて行く予感を感じさせた。
1.Burger Queen
2.Run Away
3.Stimulator
4.Kill Me If You Can
5.新曲
6.Kick & Spin
7.You're So Sweet & I Love You
8.city
9.Starrrr
17:20~ Nothing's Carved In Stone [VIVA!STAGE]
徐々にフェスのフィナーレが近づいてくる中、サンボマスター同様にMUSICAのインタビューに載った記憶があまりないNothing's Carved In Stoneが登場。
疲れで若干の眠気を覚え始める時間だが、ひなっちのバッキバキのベースが即座に眠気を殺していく。「ツバメクリムゾン」では村松拓の歌が凄腕メンバー達の上でも最も力強く聴こえる。
「お前ら1人1人の名前なんて覚えられないからさぁ、ビバちゃんって呼んでいい!?」
と脱力してしまいそうになる拓の呼び掛けを経ると、生形がアコギを弾く「It means」、バンドの決意表明のような「Pride」と続くと、
「おい!今日はロックバンドばっかりだぜ!このフェスはロックバンドしか出てないんだぜ!ロックフェスにアイドルなんかいらねえだろう!?
俺はロックバンドを信じてるぜ!ロックバンドの力を信じてるんだぜ!」
という、明らかに某フェスを意識したかのような拓のMCに大歓声が上がる。
そしてラストの「Isolation」では、「Now is everything」のフレーズを
「おい!今なんだよ!今が全てなんだよ!」
と変えて叫んだ。ロックバンドを信じ続けてここまで生きてきた男として、どうしても譲れないものがあったのだろう。当然、このあとネットでは拓のMCが物議を醸していた。しかし、拓はアイドルの存在自体を全否定したのではなく、あくまで「ロックフェスに」「アイドルはいらねえだろ!」と言った。この「ロックフェスに」を省略してしまうと、捻じ曲がった形で伝わってしまう。アイドルファンの人が無条件にこのバンドのことをディスっているのを見ると、それは違うだろ、と現地でその発言を聞いていた側としては思わざるを得ない。(ていうか実際、もしTokyo Idol Fesなんかにロックバンドが出ることになったら絶対「いらねー!」とか言うアイドルファンもいっぱいいるだろうし)
そして拓と同様に「ロックバンドを信じて」これまで生きてきた自分としては、普通ならこんなにめんどくさくなるのがわかり切ってることは言わないだろうが、自分が思っていることを自分の口で目の前にいる人たちに伝えられる拓は本当にカッコいいし、勇気があると思う。まぁ本人はネットとかで顔も名前も出さない奴らから何を言われても全然気にしないと思うけど。
1.Spirit Inspiration
2.ツバメクリムゾン
3.Out Of Control
4.November15th
5.It means
6.Pride
7.きらめきの花
8.Isolation
18:30~ Czecho No Republic [CAVE STAGE]
ここまでこのCAVE STAGEで見たかったアーティストがことごとく入場規制がかかっていて入れなかっただけに、このステージの大トリでようやくこのステージの中に入れることに。
本人達によるサウンドチェックを経て、本番でギターの砂川が先頭でキメ台詞の
「エンジョーイ!」
を叫びながら登場。SEはフェスのタイトルに合わせたのかDragon Ashの「Viva La Revolution」で、武井は曲にあわせて歌っている。
ライブは「Call Her」からスタート。客席は完全に満員であり、ゆらゆらと体を揺らしながら心地よく踊りたいこのバンドにとっては熱気に満ちすぎている感すらある。
「VIVA LA ROCK、最終日のトリをこんな、1番大きいステージで務めさせてもらって本当に光栄です(笑)
ここ1番大きいステージだよね?(笑)」
という武井の皮肉っぽいMCのあとはまさにこのような日のためにあるような「Festival」。砂川の、
「埼玉が生んだ鬼才、イケメン砂川一黄エンジョイでーす!」
の自己紹介は案の定微妙な空気を生み出すも、続けてタカハシマイも
「私も埼玉出身。おせんべいのとこ」
と草加市出身であることを明かす。
そのあとに披露された新曲はリキッドルームのワンマンでやった曲とは違う曲だが、一聴しただけで踊り出せるような曲。しかしこれだけ新曲がたくさんできてきているということは、次は早くもアルバムが出たりするんだろうか。
そしてラストはゴールデンウイークにピッタリな「ショートバケーション」。砂川は投げキスをしながらステージを後にしていった。
しかしすぐさまアンコールで登場すると、またも砂川が拍手をコントロールする、タモリ芸をやってみせるものの、武井に
「みんなすぐサカナクション見に行かなきゃいけないんだからそんなことやってる時間ないんだよ!(笑)」
と突っ込まれ、
「それマジなやつじゃないですか(笑)」
と納得せざるを得なくなる。そんな感じなので、
「みんなのためにサッと1曲だけ。ここがネバーランドでありますように!」
と「ネバーランド」で終了。もはやバンドの置かれている状況的には1番小さいステージに出るようなバンドではないが、今月にはかつて武井がドリンク係としてアルバイトしていた渋谷AXでのワンマンが開催される。今までステージに立ってきた人たちとはまた違った思い入れのある場所なだけに、バンドにとって一つの記念碑的ライブになることは間違いない。
1.Call Her
2.MUSIC
3.Festival
4.RUN RUN TIKI BANG BANG
5.ダイナソー
6.新曲
7.ショートバケーション
encore
8.ネバーランド
19:45~ サカナクション [STAR STAGE]
ついにやってきた、このフェスの最後のアクトはサカナクション。主催者鹿野淳の最大の盟友と言える存在だが、この位置での出演はそれだけが理由ではないことは明白。始まる前からアリーナスタンディングは満員で、スタンド席もほぼ全員が総立ち状態である。
暗転して「Ame(B)」のSEで登場すると、そのまま5人がラップトップに横並びになり、ツアーのアンコールで披露されていた、「イビザの砂浜」のようなド派手なダンスアレンジで、ステージ一面に緑のレーザー光線が照射されるなど、演出もド派手。
「ミュージック」の大サビでラップトップからバンド編成に戻ると、そこからはノンストップでヒットシングルを連発。ツアーの初日からファイナルまででも相当練り上げられていたので、今回もさらに練り上げられている、というかツアーよりも規模が大きい会場にも関わらず、むしろこれが適正キャパなんじゃないかとすら思う。
「アイデンティティ」のアウトロから「ルーキー」のイントロにつながるのはもはやおなじみとなり、大会場で鳴るのが本当によく似合う「Aoi」からラストは山口がアコギに持ち替えての最新シングル収録曲「グッドバイ」で終了。
アンコールでは、
「鹿野さんに初めて会った時は、ほとんど初インタビューみたいな感じだったんだけど、ちょっと喧嘩っぽくなってしまって。今でも覚えてるのは、鹿野さんに「山口さんにとってロックってなんですか?」って言われたことで。僕も「鹿野さんにとってロックってなんですか?」って言い返したんだけど…今日出番前に色々会場を見て回ったり、ライブ見たりして、このVIVA LA ROCKが鹿野さんにとってのロックなんだろうなって思います」
と、鹿野にとって最大の理解者である山口ならではのMC。そして演奏されたのはツアーでは演奏されていなかった「ナイトフィッシングイズグッド」。魚のように観客が飛び跳ねまくっていた。
1.Ame(B)
2.ミュージック
3.アルクアラウンド
4.夜の踊り子
5.モノクロトーキョー
6.アイデンティティ
7.ルーキー
8.Aoi
9.グッドバイ
encore
10.ナイトフィッシングイズグッド
演奏が終わると、鹿野がステージに登場し、メンバーと一緒に写真撮影をし、メンバーが去ると鹿野が終演の挨拶をしたのだが、鹿野の目は涙ぐんでいるように見えた。
初日の入場や、CAVE STAGEの入場規制多発などの問題もあったが、初開催で鹿野淳が主催ということを考えれば第一回ROCKS TOKYOよりストレスはなかった。そしてこのフェスの最大の成功と言っていいポイントは、会場横のけやき広場を利用したVIVA LA GARDENだと思う。屋内フェスなのに野外スペースも楽しめるのは本当にでかい。そしてスーパーアリーナは通路狭いなりに、一方通行にしたり、初日に流れを悪くしていた柵を撤去したりと動線もよくやったと思う。
そして1番の懸念だったスタンド席の場所取りの少なさは素晴らしかったと思う。スタンディングから見てたくらいだけど、ほとんどいなかったように思う。2階と4階で住み分けをしてたからかもしれないが、本当にいい参加者のみなさんに恵まれたフェスだったと思う。来年もこの時期に開催されるのが決まっているようなので、また来年も是非フル参戦したいところだが、来年はまたJAPAN JAM次第かな。
ともあれ鹿野淳をはじめとするスタッフのみなさん、出演アーティストのみなさん、参加者のみなさん、飲食ブースのみなさんお疲れ様でした。やっぱりでかいフェスが好きだな。これだけたくさんの同じような音楽を好きな人と同じ場所にいれるんだから。次は月末のMETROCKで!
ついに、天才・米津玄師のライブを見た! ~phonon release event 「ゼロと白」 in tokyo @TSUTAYA O-Crest 5/8 ホーム
VIVA LA ROCK 2014 @さいたまスーパーアリーナ 5/4