フレデリック フレデリズムツアー2016-2017 @新木場STUDIO COAST 1/22
- 2017/01/22
- 23:50
「オドループ」以降、キラーチューンを次々に連発している、フレデリックが2016年に満を持して初のフルアルバム「フレデリズム」をリリース。今の勢いを示すかのようにしっかりと結果を出したと同時に、リリースツアーファイナルとなるこの日の新木場STUDIO COASTワンマンも即完。すでに前回Zepp DiverCityでワンマンを行なっているとはいえ、いよいよ凄まじいことになってきている。
この日のライブが映像化されるのかされないのか実に歯切れの悪い前説アナウンスのあと、18:10くらいになると会場が暗転し、ステージに置かれたラジカセにピンスポットが当たる。そこに現れたのはメンバーではなく、「リリリピート」PVに出ているような赤いシャツを着た長身の女性。その女性がスイッチを押すと、ステージ背面に実にフレデリックらしいシュールなイラストの映像が映し出され、アルバムタイトルの「フレデリズム」の英語バージョンがバンと映し出されたところでメンバーが登場し、BGMから繋がるかのようにアルバムのリードトラックである「リリリピート」からスタート。
「くり繰り返す くり繰り返す」
という康司(ベース)のどことなくエフェクトがかかったコーラスが癖になるが、曲中の手拍子パートも満員の観客がバッチリと揃え、1曲目とは思えない一体感と熱量が早くも生まれている。
そのまま突入した「KITAKU BEATS」では健司(ボーカル&ギター)が「新木場ツアーファイナル」と早くもこの日、この場所でしかない歌詞に変えて歌って大歓声が起こり、「トウメイニンゲン」と休む間も無くダンスチューンを畳み掛けていく。
タイトルだけ見るとただのダジャレにしか思えないが、
「さよならパプリカ あなたの一部になるんだ
同じようなことを僕らは
オリジナルな愛で届けていく
さよならレプリカ 道を作るのは自分だ」
と、レプリカではなく自分たちは自分たちでしかないという確かなメッセージが歌われる「レプリカパプリカ」から、ごく自然にアウトロとイントロを繋げた(まるでこの2曲で1つの曲であるかのように)、好きな音楽を聴いている時だけは自分は無敵でいられる、という音楽好きなら誰しもが当てはまる心境を曲にしてみせた「音楽という名前の服」と、フレデリックの踊らせるだけはない部分、それこそ初期の持ち味であったサイケデリックな要素を強めていくと、「うわさのケムリの女の子」ではステージ左右からまさにケムリというかスモークが吹き出し、最終的にはメンバーが全く見えなくなるくらいに大量のケムリに包まれる中、メンバーはそんな状態でもすぐさま「峠の幽霊」に突入していくのだが、曲中にいきなり健司が演奏をストップさせる。何かトラブルでも起きたのだろうか?と思っていると、どうやら前列のあたりで体調が悪くなってしまった人がいたらしく、その人の様子に気づいて演奏をストップさせたらしい。(確かに会場はこの辺りのゆったりと体を揺らすような曲ですら汗が噴き出すくらいにめちゃくちゃ暑かった)
無事に運び出されたのを見届けると演奏を再開。ここまでは全くMCなしで曲と曲を繋げてきた(ましてやケムリの演出の直後なだけに)本来なら流れを止めるのはライブ全体を見てもかなりリスクが高いというか、テンポが悪くなってしまう可能性が高い中、こうして1人の観客に気付いて敢えて演奏を止めるというのは、このバンドが常々「みんなと一緒に」という意のことを口にしているのが心からそう思っていることであるというのがよくわかる。
レーザー光線も飛び交う中、赤い照明がステージとメンバーを照らす「真っ赤なCAR」は意外なほどにライブ映えする曲に進化している、というかこの前半のサイケデリック要素が強い曲が並ぶパートが、メンバーのライブならではのアレンジが施されたことにより、高速ダンスチューンの曲のみがフレデリックの持ち味ではないということをその身と演奏を持って証明している。ましてやこの辺りはフェスやイベントなどでは聴けない曲たちである。
「ナイトステップ」では客席中央の上にあるミラーボールが輝きながら下に降りてきてダンス要素を一気に強めると、タイトル通りにシニカルなようでいて最後には
「幸せに踊る愛で仕返し」
とバンドの姿勢を示す、韻の踏み方が絶妙な「CYNICALTURE」、「真っ赤なCAR」とは対照的に青い照明がステージとメンバーを照らす「ディスコプール」と徐々にダンスビートを強めていくと、
「この前、フジテレビの朝の情報番組に出て、バンドのことをわかりやすく紹介することが大事だと思いました。なのでメンバー紹介します。
サポートドラム(高橋武)、双子の兄(健司)、双子の弟(康司)、他人(赤頭)です(笑)」
ととてつもなく大雑把にバンドのことを紹介しると、康司を「天然を通り越して自然になっている(笑)」と少し掘り下げて紹介したあと、コーラスをやらないだけに普段はマイクすらない赤頭が、ツアー前に健司と一緒に行った楽器屋で900円で購入したというゴールデンマイクを使って喋り始めるも、ゴールデンマイクの存在でMCのハードルが上がり、このツアー10箇所全てでスベり倒してきたことによってあっさりとゴールデンマイク卒業を宣言し、かつての山口百恵(「世代を選ぶ」と健司は言っていたが)のようにマイクをステージに置いて、ゴールデンマイクに別れを告げた。
この流れだと赤頭は完全にイジられ&ネタキャラだが、このバンドの「これはシンセ、あるいは打ち込みだろうな」という音すらもギターで奏でてしまう赤頭のアイデアと技術がこのバンドのキャッチーさに繋がっているし、「天然を通り越した自然」という存在の康司の音階の上を動きまくりながら唸るベースがこのバンドの踊れるリズムを支えている。普通は淡々としたリズムの方が踊りやすいものだが、これだけ複雑なリズムにもかかわらずこんなに踊れるというのは驚異的であるし、そこはthe telephonesのディスコビートを支えていた長島涼平のベースに通じるところがある。
インディーズ時代は歌詞も含めてシュール極まりない曲だったのが、今や後半スタートの着火剤的なキラーチューンにまで成長した「ふしだらフラミンゴ」でも歌詞に「新木場」という単語を入れたりすると、イントロで康司のベースが唸りまくる「バジルの宴」からは、メンバーのキメと健司のカッティングギターだけで大歓声が起こる「オワラセナイト」から現在のロックシーンきってのキラーチューンを連発していく。
このバンドをこの位置まで引き上げるきっかけになった「オドループ」ではやはりこの日最高潮の盛り上がりを見せる中、最後のサビ前で演奏を止めると、
「もっとみんなの声が聴きたい!」
と言って、
「踊ってない夜を知らない 踊ってない夜が気に入らない」
というあの一度聴いてしまえばもう頭から離れなくなる超キラーフレーズの大合唱。正直、この曲はもう数え切れないくらいに聴いているし、ライブでやらない日はないくらいの曲であるが、こうして観客の力を合わせることによって今までとは全く違う聴こえ方をする。踊れる曲であると同時に、みんなで歌える曲でもある。だからこそこの曲はユニクロのCMに起用される(メンバーも出演した)までのバズりっぷりになった。
そしてラストは
「みんなにとって、フェスや日本の音楽シーンの中でオンリーワンな存在になりたい!」
という宣言をそのまま曲にした「オンリーワンダー」で金テープが飛び交う中、踊らせに踊らせまくって、あっという間に本編は終了した。
アンコールではこのバンドにとってはストレート極まりない曲なだけに発表された時に賛否が起こった「FUTURE ICE CREAM」を演奏すると、康司の物販紹介から、健司がこのツアーのテーマが「進化」であることを明かし、
「日本武道館でもやりたい。まだあと2年くらいはかかるかもしれないけど」
と、未来に向けてさらなる高みを目指していることを語る。
フレデリックはまだ「オドループ」が出る前、シュール極まりなかった頃から、「もっと大きなところへ、もっとたくさんの人へ」という意志を持っていたバンドだった。当時は「いやー、面白いバンドだけど、そういうところに行くには、これ!っていう曲が…」と思っていたのだが、その直後に早くも「オドループ」が世に放たれ、それ以降も「オドループ」だけのバンドになることなく、「これ!」という曲を連発してきた。それにより、健司の言う武道館ももはや射程圏内に捉えてきたし、2年後どころか今年やっても間違いなく埋まるくらいの状況まで来ている。
自分たちをそこまでの存在にしてくれたファンに何度も何度も健司が感謝を告げると、最後に演奏されたのは再会を約束する「ハローグッバイ」。ライブを重ねるたびに頼もしさと伸びを増す健司の声が切なくも力強く響き、客席からも大合唱が起こると、深々と長いお辞儀をしたあとに1人ずつステージから去る中、健司はピックを客席に投げ入れてから、「ありがとうー!」という声に送られてステージを去って行った。
スクリーンにはスタッフロール的な映像が流れ、ツアーの終わりを感じさせると、オープニングと同様にピンスポットが当たるラジカセを赤いシャツを着た女性が再生し、オープニングと全く同じ映像が流れ、まさかのメンバー再登場。どよめく客席をよそに、
「フレデリック、ツアーファイナル、リリリピートします!」
と言って再び「リリリピート」がスタートするという驚きの演出。しかも1曲丸々演奏しきり、「本当にここからまたやるのか!?」という空気に包まれる中、「KITAKU BEATS」に繋げて冒頭と同じ流れを本当にくり繰り返すと思いきや、最初の
「遊びきってから帰宅!」
のフレーズを歌い切ると同時に演奏が止まって幕が閉じるという度肝を抜かれる演出。これには思わず「えー!」と口に出してしまったが、ライブならではの曲のアレンジだけでも凄いのに、こんな演出見せられたらもうこれからもこのバンドのワンマンが見逃せなくなる。これだけギュウギュウの超満員だと「オドループ」「オワラセナイト」「オンリーワンダー」という曲でPVのダンスを踊れるスペースもないだけに、これからはホールでやるのもアリだとは思うが、そう思うからこそ健司も言っていたように武道館でも見たい。
出てきた当時はシュールの極みのようだったバンドが武道館のステージに立つってものすごく面白いし、2014年のSWEET LOVE SHOWERで新曲としてリリース前の「オドループ」を初めて聴いた時に体に走った、「これはこれからこのバンドはとんでもないことになる」という確信を最もリアルな形で実感できるのは紛れもなく武道館ワンマンだと思うから。
そんな思いを抱きながら、踊りきってから帰宅。
1.リリリピート
2.KITAKU BEATS
3.トウメイニンゲン
4.レプリカパプリカ
5.音楽という名前の服
6.うわさのケムリの女の子
7.峠の幽霊
8.真っ赤なCAR
9.ナイトステップ
10.CYNICALTURE
11.ディスコプール
12.ふしだらフラミンゴ
13.バジルの宴
14.オワラセナイト
15.オドループ
16.オンリーワンダー
encore
17.FUTURE ICE CREAM
18.ハローグッバイ
encore2
19.リリリピート
20.KITAKU BEATS (イントロ~ワンフレーズ)
リリリピート
https://youtu.be/VjAxLbmy83E
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この日のライブが映像化されるのかされないのか実に歯切れの悪い前説アナウンスのあと、18:10くらいになると会場が暗転し、ステージに置かれたラジカセにピンスポットが当たる。そこに現れたのはメンバーではなく、「リリリピート」PVに出ているような赤いシャツを着た長身の女性。その女性がスイッチを押すと、ステージ背面に実にフレデリックらしいシュールなイラストの映像が映し出され、アルバムタイトルの「フレデリズム」の英語バージョンがバンと映し出されたところでメンバーが登場し、BGMから繋がるかのようにアルバムのリードトラックである「リリリピート」からスタート。
「くり繰り返す くり繰り返す」
という康司(ベース)のどことなくエフェクトがかかったコーラスが癖になるが、曲中の手拍子パートも満員の観客がバッチリと揃え、1曲目とは思えない一体感と熱量が早くも生まれている。
そのまま突入した「KITAKU BEATS」では健司(ボーカル&ギター)が「新木場ツアーファイナル」と早くもこの日、この場所でしかない歌詞に変えて歌って大歓声が起こり、「トウメイニンゲン」と休む間も無くダンスチューンを畳み掛けていく。
タイトルだけ見るとただのダジャレにしか思えないが、
「さよならパプリカ あなたの一部になるんだ
同じようなことを僕らは
オリジナルな愛で届けていく
さよならレプリカ 道を作るのは自分だ」
と、レプリカではなく自分たちは自分たちでしかないという確かなメッセージが歌われる「レプリカパプリカ」から、ごく自然にアウトロとイントロを繋げた(まるでこの2曲で1つの曲であるかのように)、好きな音楽を聴いている時だけは自分は無敵でいられる、という音楽好きなら誰しもが当てはまる心境を曲にしてみせた「音楽という名前の服」と、フレデリックの踊らせるだけはない部分、それこそ初期の持ち味であったサイケデリックな要素を強めていくと、「うわさのケムリの女の子」ではステージ左右からまさにケムリというかスモークが吹き出し、最終的にはメンバーが全く見えなくなるくらいに大量のケムリに包まれる中、メンバーはそんな状態でもすぐさま「峠の幽霊」に突入していくのだが、曲中にいきなり健司が演奏をストップさせる。何かトラブルでも起きたのだろうか?と思っていると、どうやら前列のあたりで体調が悪くなってしまった人がいたらしく、その人の様子に気づいて演奏をストップさせたらしい。(確かに会場はこの辺りのゆったりと体を揺らすような曲ですら汗が噴き出すくらいにめちゃくちゃ暑かった)
無事に運び出されたのを見届けると演奏を再開。ここまでは全くMCなしで曲と曲を繋げてきた(ましてやケムリの演出の直後なだけに)本来なら流れを止めるのはライブ全体を見てもかなりリスクが高いというか、テンポが悪くなってしまう可能性が高い中、こうして1人の観客に気付いて敢えて演奏を止めるというのは、このバンドが常々「みんなと一緒に」という意のことを口にしているのが心からそう思っていることであるというのがよくわかる。
レーザー光線も飛び交う中、赤い照明がステージとメンバーを照らす「真っ赤なCAR」は意外なほどにライブ映えする曲に進化している、というかこの前半のサイケデリック要素が強い曲が並ぶパートが、メンバーのライブならではのアレンジが施されたことにより、高速ダンスチューンの曲のみがフレデリックの持ち味ではないということをその身と演奏を持って証明している。ましてやこの辺りはフェスやイベントなどでは聴けない曲たちである。
「ナイトステップ」では客席中央の上にあるミラーボールが輝きながら下に降りてきてダンス要素を一気に強めると、タイトル通りにシニカルなようでいて最後には
「幸せに踊る愛で仕返し」
とバンドの姿勢を示す、韻の踏み方が絶妙な「CYNICALTURE」、「真っ赤なCAR」とは対照的に青い照明がステージとメンバーを照らす「ディスコプール」と徐々にダンスビートを強めていくと、
「この前、フジテレビの朝の情報番組に出て、バンドのことをわかりやすく紹介することが大事だと思いました。なのでメンバー紹介します。
サポートドラム(高橋武)、双子の兄(健司)、双子の弟(康司)、他人(赤頭)です(笑)」
ととてつもなく大雑把にバンドのことを紹介しると、康司を「天然を通り越して自然になっている(笑)」と少し掘り下げて紹介したあと、コーラスをやらないだけに普段はマイクすらない赤頭が、ツアー前に健司と一緒に行った楽器屋で900円で購入したというゴールデンマイクを使って喋り始めるも、ゴールデンマイクの存在でMCのハードルが上がり、このツアー10箇所全てでスベり倒してきたことによってあっさりとゴールデンマイク卒業を宣言し、かつての山口百恵(「世代を選ぶ」と健司は言っていたが)のようにマイクをステージに置いて、ゴールデンマイクに別れを告げた。
この流れだと赤頭は完全にイジられ&ネタキャラだが、このバンドの「これはシンセ、あるいは打ち込みだろうな」という音すらもギターで奏でてしまう赤頭のアイデアと技術がこのバンドのキャッチーさに繋がっているし、「天然を通り越した自然」という存在の康司の音階の上を動きまくりながら唸るベースがこのバンドの踊れるリズムを支えている。普通は淡々としたリズムの方が踊りやすいものだが、これだけ複雑なリズムにもかかわらずこんなに踊れるというのは驚異的であるし、そこはthe telephonesのディスコビートを支えていた長島涼平のベースに通じるところがある。
インディーズ時代は歌詞も含めてシュール極まりない曲だったのが、今や後半スタートの着火剤的なキラーチューンにまで成長した「ふしだらフラミンゴ」でも歌詞に「新木場」という単語を入れたりすると、イントロで康司のベースが唸りまくる「バジルの宴」からは、メンバーのキメと健司のカッティングギターだけで大歓声が起こる「オワラセナイト」から現在のロックシーンきってのキラーチューンを連発していく。
このバンドをこの位置まで引き上げるきっかけになった「オドループ」ではやはりこの日最高潮の盛り上がりを見せる中、最後のサビ前で演奏を止めると、
「もっとみんなの声が聴きたい!」
と言って、
「踊ってない夜を知らない 踊ってない夜が気に入らない」
というあの一度聴いてしまえばもう頭から離れなくなる超キラーフレーズの大合唱。正直、この曲はもう数え切れないくらいに聴いているし、ライブでやらない日はないくらいの曲であるが、こうして観客の力を合わせることによって今までとは全く違う聴こえ方をする。踊れる曲であると同時に、みんなで歌える曲でもある。だからこそこの曲はユニクロのCMに起用される(メンバーも出演した)までのバズりっぷりになった。
そしてラストは
「みんなにとって、フェスや日本の音楽シーンの中でオンリーワンな存在になりたい!」
という宣言をそのまま曲にした「オンリーワンダー」で金テープが飛び交う中、踊らせに踊らせまくって、あっという間に本編は終了した。
アンコールではこのバンドにとってはストレート極まりない曲なだけに発表された時に賛否が起こった「FUTURE ICE CREAM」を演奏すると、康司の物販紹介から、健司がこのツアーのテーマが「進化」であることを明かし、
「日本武道館でもやりたい。まだあと2年くらいはかかるかもしれないけど」
と、未来に向けてさらなる高みを目指していることを語る。
フレデリックはまだ「オドループ」が出る前、シュール極まりなかった頃から、「もっと大きなところへ、もっとたくさんの人へ」という意志を持っていたバンドだった。当時は「いやー、面白いバンドだけど、そういうところに行くには、これ!っていう曲が…」と思っていたのだが、その直後に早くも「オドループ」が世に放たれ、それ以降も「オドループ」だけのバンドになることなく、「これ!」という曲を連発してきた。それにより、健司の言う武道館ももはや射程圏内に捉えてきたし、2年後どころか今年やっても間違いなく埋まるくらいの状況まで来ている。
自分たちをそこまでの存在にしてくれたファンに何度も何度も健司が感謝を告げると、最後に演奏されたのは再会を約束する「ハローグッバイ」。ライブを重ねるたびに頼もしさと伸びを増す健司の声が切なくも力強く響き、客席からも大合唱が起こると、深々と長いお辞儀をしたあとに1人ずつステージから去る中、健司はピックを客席に投げ入れてから、「ありがとうー!」という声に送られてステージを去って行った。
スクリーンにはスタッフロール的な映像が流れ、ツアーの終わりを感じさせると、オープニングと同様にピンスポットが当たるラジカセを赤いシャツを着た女性が再生し、オープニングと全く同じ映像が流れ、まさかのメンバー再登場。どよめく客席をよそに、
「フレデリック、ツアーファイナル、リリリピートします!」
と言って再び「リリリピート」がスタートするという驚きの演出。しかも1曲丸々演奏しきり、「本当にここからまたやるのか!?」という空気に包まれる中、「KITAKU BEATS」に繋げて冒頭と同じ流れを本当にくり繰り返すと思いきや、最初の
「遊びきってから帰宅!」
のフレーズを歌い切ると同時に演奏が止まって幕が閉じるという度肝を抜かれる演出。これには思わず「えー!」と口に出してしまったが、ライブならではの曲のアレンジだけでも凄いのに、こんな演出見せられたらもうこれからもこのバンドのワンマンが見逃せなくなる。これだけギュウギュウの超満員だと「オドループ」「オワラセナイト」「オンリーワンダー」という曲でPVのダンスを踊れるスペースもないだけに、これからはホールでやるのもアリだとは思うが、そう思うからこそ健司も言っていたように武道館でも見たい。
出てきた当時はシュールの極みのようだったバンドが武道館のステージに立つってものすごく面白いし、2014年のSWEET LOVE SHOWERで新曲としてリリース前の「オドループ」を初めて聴いた時に体に走った、「これはこれからこのバンドはとんでもないことになる」という確信を最もリアルな形で実感できるのは紛れもなく武道館ワンマンだと思うから。
そんな思いを抱きながら、踊りきってから帰宅。
1.リリリピート
2.KITAKU BEATS
3.トウメイニンゲン
4.レプリカパプリカ
5.音楽という名前の服
6.うわさのケムリの女の子
7.峠の幽霊
8.真っ赤なCAR
9.ナイトステップ
10.CYNICALTURE
11.ディスコプール
12.ふしだらフラミンゴ
13.バジルの宴
14.オワラセナイト
15.オドループ
16.オンリーワンダー
encore
17.FUTURE ICE CREAM
18.ハローグッバイ
encore2
19.リリリピート
20.KITAKU BEATS (イントロ~ワンフレーズ)
リリリピート
https://youtu.be/VjAxLbmy83E
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