[Alexandros] Tour 2016~2017 ~We Come In Peace~ @Zepp Tokyo 12/5
- 2016/12/06
- 00:53
先月の横浜アリーナワンマンから幕を開けた、[Alexandros]のニューアルバム「EXIST!」のリリースツアーは、横浜の後は京都での2daysを経て、東京に帰還。まだまだツアー序盤(4本目)だが、果たして横浜アリーナとはどう変化・進化しているのか。ということで、Zepp Tokyo2daysのうち、この日は初日。
横浜アリーナの時と同様に、19時になるとおなじみのスタッフによる影アナが流れる。主に諸注意だが、特にSNSなどでのネタバレ厳禁に関しては非常に強く言い聞かせていた。(なのでこのブログもまだツアーに行ってない人からしたらネタバレなので、そういう人はここから先は見ない方がいいかと)
影アナが終わってちょっとすると、「EXIST!」の1曲目である「ムーンソング」のイントロがSE的に流れ出すとともに場内が暗転するのだが、横浜の時に使われた壮大な映像は今回はなく、そのままフォーマルな出で立ちをしたメンバーが登場。川上はいきなりペットボトルの水を客席に撒いて、観客に浴びせる。このあたりのオープニングはやはりアリーナとライブハウスでは違うということだろう。
そのまま、もはやサポートの域を超えているキーボードRoseの奏でる旋律が美しい「ムーンソング」の演奏に入り、川上は冒頭からファルセット部分も非常に良く出ている。というかこれだけ何度もライブを見てきて、明らかに不調みたいな時が一度もないというのは驚異的ですらある。
繋ぎでも激しいセッション的な演奏が行われてから次の曲に入る、というのがここだけではなくてこの日何度もあったのだが、ここは明らかに初日からはるかに進化した部分。その繋ぎの部分だけ聴くと次の曲にどう繋がるのかはわからないが、途切れ途切れに演奏するよりもはるかにライブ全体のテンポは良くなるし、何よりも次の曲への期待感がより膨らむ。
とはいえ、ライブの流れ自体は横浜の時とほとんど変わらない。「Kaiju」や「O2」の「EXIST!」収録曲では映像が使われるのもライブハウスになっても変わらないだけに、この演出は全箇所共通なのだろう。川上がハンドマイクでステージ上を動きまくる「Kick&Spin」も花道があったアリーナよりははるかに運動量は少ない。
「Aoyama」「Feel Like」では「EXIST!」での洗練された部分を見せるが、「Feel Like」は来日していたSTINGに捧げるような場面もあり。しかしながらこの2曲の流れは聴けば聴く度に好きになっていく。こうしたオシャレな曲は本来は自分はやや苦手というタイプなのだが、この曲たちに関しては初めて聴いた時から全くそういう意識が発生しない。それはどんなにオシャレな曲になったとしてもこのバンドが演奏すれば、そこにはロックバンドとしての熱量やカッコよさが宿るから。
中盤での折り返しの合図のように演奏されたインスト曲「tokyo2pm36floor」はもはやキメを連発しすぎていつ終わるのかも全くわからないくらいだが、これを完璧に合わせられるメンバーの呼吸の合いっぷりはやはりすごい。白井の独特なタッピング奏法もこの曲の見どころ。
「ALXD」の時から断片が収録されていた「Buzz Off!」を終えると、そのまま激しいセッションが展開され、横浜ではやらなかった「Dear Enemies」へ。英語と日本語を使い分けながら次々に言葉が押し寄せる曲だが、久々に生で聴くとやはりこれを完璧に歌う姿は圧巻だし、こうしてわずかながらでもセトリを変えることによって、同じ会場で2daysをやる意味も芽生えて来る。
そのままなだれ込んだ「city」ではラストのサビ前にダイバーが壁のように居並び、一気にステージの方へ転がっていく。横浜では全席指定だっただけに最近はフェスでしか見ていなかった光景だが、やはりこのバンドのライブハウスでのライブはこういう景色がよく似合う。それはまだ武道館にたどり着く前はこういう景色が当たり前だったからというのもあるが。
ダンサブルなイントロからツービートに急展開し、セトリについてなんやかんや言ってくる人などに毒を吐きながら、直前に演奏された「city」を歌う気持ち良さを歌詞にした「クソッタレな貴様らへ」(だからこそこの曲順なのだろう)を終えると、この日初めてのインターバル。
アルバムがリリースされたばかりにもかかわらず、すでに新曲がJRのCMでオンエアされていることに触れると、
「今日はその新曲を…やりませーん!(笑)」
とはぐらかし、客席からはそれまでの黄色い歓声から打って変わって、「やれや!(笑)」という愛しかないヤジすら飛ぶ。
その代わりに今日は最後までセトリに期待してほしいと告げると、この日唯一のバラード「今まで君が泣いた分取り戻そう」から終盤戦へ。川上も言っていた通り、MCが全くないので非常にライブ全体のテンポが良いし、「体育会系のようなライブ」になっている。
「Swan」からの流れは横浜同様に原曲よりもさらにダンサブルなアレンジになっており、「Run Away」は横浜の時よりもさらにその傾向が強くなったイメージ。曲と曲との繋ぎも打ち込みも駆使しており、実にカッコいい。
そして横浜ではやらなかった「Starrrrrrr」をこの終盤で演奏。結果的には横浜でやった「Cat2」「Rocknrolla!」が「Dear Enemies」とこの曲に入れ替わった形だが、やはりライブハウスということでたくさんのキッズたちがリフトしてからダイブしていき、曲最後には大合唱となった。
最後に演奏されたのは横浜同様に、青春群像劇のような映像に見入ってしまいがちな「NEW WALL」。こちらも観客の合唱を煽って声を轟かせていたが、最後には川上が磯部の方へ寄っていって、1本のマイクで2人がボーカルとコーラスを分け合うという形で終了した。
アンコールでは川上がアコギを手にすると、本編ではやらないと宣言していた、JRのCMの新曲「SNOW SOUND」を弾き語り的な形でちょっとだけ披露。アコギということで若干フォークっぽさも感じるが、本来はもっとバンドサウンドになるらしい。
そのまま川上がアコギを弾きながら歌い始めたのは「ワタリドリ」。横浜の時はサブステージでアコースティック編成で演奏されたが、この日はアコギとドラムもアコースティック仕様だが、ギターとベースとキーボードは従来のままというエレアコ的なアレンジ。よって力強さというよりも軽やかに空を舞うようなイメージのサウンドになっている。
「アルバム「EXIST!」はみなさま聴いていただけているでしょうか?実は我々が「EXIST!」というアルバムタイトルをつけるのはこれが2回目で。1回目はまだ路上でライブやってた自主制作のCDにつけたタイトルで。今日はその最初の「EXIST!」に入っていた曲をやろうかなと。とは言っても違うアレンジにしたのがアルバムに入ってるんだけど」
というエピソードを川上が語って演奏されたのは、3rdアルバム「Schwarzenegger」の最後に収録されていた「真夜中」。アルバムではバラードとして最後を締めくくっていたが、初期のアレンジではバラードではなくてストレートなギターロック…というかこれは完全に「city」と同じようなアレンジである。だからこそ「city」ができた時に今のアレンジを使い、この曲は違うアレンジが固まるまでお蔵入りしていたのだろうか、と勘ぐってしまうぐらいに、メロディと歌詞がそのまま「city」の演奏に乗りそう。
ちなみにこの初期アレンジシリーズはこれからツアーの各公演でもやっていくつもりらしいが、そんなことを言われたら他の地方のツアーにも行きたくなってしまうだけに、このバンドは本当にやることが上手いというか、もはやズルいというレベル。しかもこれすらもネタバレ厳禁というのはもったいないような。
そして最後は横浜同様に「爽やかな曲」と言って、イントロだけが爽やかな「Don't Fuck~」。間奏では白井と川上が揃ってギターをひたすら弾きまくり、なかなか最後のサビに入れず、ギターチームの邪魔ができないので1人暇を持て余した磯部は観客に手を振ったりして対応するという微笑ましい状態に。
曲が終わると川上がエフェクターを操作し、ギターの残響が響く中、徐々に「Burger Queen」のアウトロのアナウンスへと変わり、川上は
「愛してるぜ、東京」
と叫ぶという感じではなくいたって平温で客席に言葉を残してステージを去っていった。
やはり全席指定だった横浜アリーナとは異なり、演出も演奏も観客のリアクションも完全にライブハウス仕様。だからこそ横浜の時に感じた洗練さよりもロックバンドとしての激しさと熱さが強く残るライブだった。同じツアーでこうも変わるかってくらいなだけに、幕張メッセでのファイナル時にはどこまで進化して、どんな内容のライブになるのか今から本当に楽しみ。
1.ムーンソング
2.Burger Queen
3.For Freedom
4.Kaiju
5.Claw
6.Girl A
7.Kick&Spin
8.O2
9.Aoyama
10.Feel Like
11.tokyo2pm36floor
12.Buzz Off!
13.Dear Enemies
14.city
15.クソッタレな貴様らへ
16.今まで君が泣いた分取り戻そう
17.Swan
18.Run Away
19.Starrrrrrr
20.NEW WALL
encore
21.ワタリドリ
22.真夜中
23.Don't Fuck With Yoohei Kawakami
Next→ 12/6 Suck a Stew Dry × GOOD ON THE REEL @下北沢GARDEN
横浜アリーナの時と同様に、19時になるとおなじみのスタッフによる影アナが流れる。主に諸注意だが、特にSNSなどでのネタバレ厳禁に関しては非常に強く言い聞かせていた。(なのでこのブログもまだツアーに行ってない人からしたらネタバレなので、そういう人はここから先は見ない方がいいかと)
影アナが終わってちょっとすると、「EXIST!」の1曲目である「ムーンソング」のイントロがSE的に流れ出すとともに場内が暗転するのだが、横浜の時に使われた壮大な映像は今回はなく、そのままフォーマルな出で立ちをしたメンバーが登場。川上はいきなりペットボトルの水を客席に撒いて、観客に浴びせる。このあたりのオープニングはやはりアリーナとライブハウスでは違うということだろう。
そのまま、もはやサポートの域を超えているキーボードRoseの奏でる旋律が美しい「ムーンソング」の演奏に入り、川上は冒頭からファルセット部分も非常に良く出ている。というかこれだけ何度もライブを見てきて、明らかに不調みたいな時が一度もないというのは驚異的ですらある。
繋ぎでも激しいセッション的な演奏が行われてから次の曲に入る、というのがここだけではなくてこの日何度もあったのだが、ここは明らかに初日からはるかに進化した部分。その繋ぎの部分だけ聴くと次の曲にどう繋がるのかはわからないが、途切れ途切れに演奏するよりもはるかにライブ全体のテンポは良くなるし、何よりも次の曲への期待感がより膨らむ。
とはいえ、ライブの流れ自体は横浜の時とほとんど変わらない。「Kaiju」や「O2」の「EXIST!」収録曲では映像が使われるのもライブハウスになっても変わらないだけに、この演出は全箇所共通なのだろう。川上がハンドマイクでステージ上を動きまくる「Kick&Spin」も花道があったアリーナよりははるかに運動量は少ない。
「Aoyama」「Feel Like」では「EXIST!」での洗練された部分を見せるが、「Feel Like」は来日していたSTINGに捧げるような場面もあり。しかしながらこの2曲の流れは聴けば聴く度に好きになっていく。こうしたオシャレな曲は本来は自分はやや苦手というタイプなのだが、この曲たちに関しては初めて聴いた時から全くそういう意識が発生しない。それはどんなにオシャレな曲になったとしてもこのバンドが演奏すれば、そこにはロックバンドとしての熱量やカッコよさが宿るから。
中盤での折り返しの合図のように演奏されたインスト曲「tokyo2pm36floor」はもはやキメを連発しすぎていつ終わるのかも全くわからないくらいだが、これを完璧に合わせられるメンバーの呼吸の合いっぷりはやはりすごい。白井の独特なタッピング奏法もこの曲の見どころ。
「ALXD」の時から断片が収録されていた「Buzz Off!」を終えると、そのまま激しいセッションが展開され、横浜ではやらなかった「Dear Enemies」へ。英語と日本語を使い分けながら次々に言葉が押し寄せる曲だが、久々に生で聴くとやはりこれを完璧に歌う姿は圧巻だし、こうしてわずかながらでもセトリを変えることによって、同じ会場で2daysをやる意味も芽生えて来る。
そのままなだれ込んだ「city」ではラストのサビ前にダイバーが壁のように居並び、一気にステージの方へ転がっていく。横浜では全席指定だっただけに最近はフェスでしか見ていなかった光景だが、やはりこのバンドのライブハウスでのライブはこういう景色がよく似合う。それはまだ武道館にたどり着く前はこういう景色が当たり前だったからというのもあるが。
ダンサブルなイントロからツービートに急展開し、セトリについてなんやかんや言ってくる人などに毒を吐きながら、直前に演奏された「city」を歌う気持ち良さを歌詞にした「クソッタレな貴様らへ」(だからこそこの曲順なのだろう)を終えると、この日初めてのインターバル。
アルバムがリリースされたばかりにもかかわらず、すでに新曲がJRのCMでオンエアされていることに触れると、
「今日はその新曲を…やりませーん!(笑)」
とはぐらかし、客席からはそれまでの黄色い歓声から打って変わって、「やれや!(笑)」という愛しかないヤジすら飛ぶ。
その代わりに今日は最後までセトリに期待してほしいと告げると、この日唯一のバラード「今まで君が泣いた分取り戻そう」から終盤戦へ。川上も言っていた通り、MCが全くないので非常にライブ全体のテンポが良いし、「体育会系のようなライブ」になっている。
「Swan」からの流れは横浜同様に原曲よりもさらにダンサブルなアレンジになっており、「Run Away」は横浜の時よりもさらにその傾向が強くなったイメージ。曲と曲との繋ぎも打ち込みも駆使しており、実にカッコいい。
そして横浜ではやらなかった「Starrrrrrr」をこの終盤で演奏。結果的には横浜でやった「Cat2」「Rocknrolla!」が「Dear Enemies」とこの曲に入れ替わった形だが、やはりライブハウスということでたくさんのキッズたちがリフトしてからダイブしていき、曲最後には大合唱となった。
最後に演奏されたのは横浜同様に、青春群像劇のような映像に見入ってしまいがちな「NEW WALL」。こちらも観客の合唱を煽って声を轟かせていたが、最後には川上が磯部の方へ寄っていって、1本のマイクで2人がボーカルとコーラスを分け合うという形で終了した。
アンコールでは川上がアコギを手にすると、本編ではやらないと宣言していた、JRのCMの新曲「SNOW SOUND」を弾き語り的な形でちょっとだけ披露。アコギということで若干フォークっぽさも感じるが、本来はもっとバンドサウンドになるらしい。
そのまま川上がアコギを弾きながら歌い始めたのは「ワタリドリ」。横浜の時はサブステージでアコースティック編成で演奏されたが、この日はアコギとドラムもアコースティック仕様だが、ギターとベースとキーボードは従来のままというエレアコ的なアレンジ。よって力強さというよりも軽やかに空を舞うようなイメージのサウンドになっている。
「アルバム「EXIST!」はみなさま聴いていただけているでしょうか?実は我々が「EXIST!」というアルバムタイトルをつけるのはこれが2回目で。1回目はまだ路上でライブやってた自主制作のCDにつけたタイトルで。今日はその最初の「EXIST!」に入っていた曲をやろうかなと。とは言っても違うアレンジにしたのがアルバムに入ってるんだけど」
というエピソードを川上が語って演奏されたのは、3rdアルバム「Schwarzenegger」の最後に収録されていた「真夜中」。アルバムではバラードとして最後を締めくくっていたが、初期のアレンジではバラードではなくてストレートなギターロック…というかこれは完全に「city」と同じようなアレンジである。だからこそ「city」ができた時に今のアレンジを使い、この曲は違うアレンジが固まるまでお蔵入りしていたのだろうか、と勘ぐってしまうぐらいに、メロディと歌詞がそのまま「city」の演奏に乗りそう。
ちなみにこの初期アレンジシリーズはこれからツアーの各公演でもやっていくつもりらしいが、そんなことを言われたら他の地方のツアーにも行きたくなってしまうだけに、このバンドは本当にやることが上手いというか、もはやズルいというレベル。しかもこれすらもネタバレ厳禁というのはもったいないような。
そして最後は横浜同様に「爽やかな曲」と言って、イントロだけが爽やかな「Don't Fuck~」。間奏では白井と川上が揃ってギターをひたすら弾きまくり、なかなか最後のサビに入れず、ギターチームの邪魔ができないので1人暇を持て余した磯部は観客に手を振ったりして対応するという微笑ましい状態に。
曲が終わると川上がエフェクターを操作し、ギターの残響が響く中、徐々に「Burger Queen」のアウトロのアナウンスへと変わり、川上は
「愛してるぜ、東京」
と叫ぶという感じではなくいたって平温で客席に言葉を残してステージを去っていった。
やはり全席指定だった横浜アリーナとは異なり、演出も演奏も観客のリアクションも完全にライブハウス仕様。だからこそ横浜の時に感じた洗練さよりもロックバンドとしての激しさと熱さが強く残るライブだった。同じツアーでこうも変わるかってくらいなだけに、幕張メッセでのファイナル時にはどこまで進化して、どんな内容のライブになるのか今から本当に楽しみ。
1.ムーンソング
2.Burger Queen
3.For Freedom
4.Kaiju
5.Claw
6.Girl A
7.Kick&Spin
8.O2
9.Aoyama
10.Feel Like
11.tokyo2pm36floor
12.Buzz Off!
13.Dear Enemies
14.city
15.クソッタレな貴様らへ
16.今まで君が泣いた分取り戻そう
17.Swan
18.Run Away
19.Starrrrrrr
20.NEW WALL
encore
21.ワタリドリ
22.真夜中
23.Don't Fuck With Yoohei Kawakami
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