New Audiogram vol.10 @TSUTAYA O-EAST他 9/10
- 2016/09/11
- 12:28
これまでに様々な対バンやイベントを開催してきた、New Audiogramが10回目の開催ということで、渋谷のライブハウスを使ったサーキットイベントを開催。
O-EAST、O-WEST、O-nest、O-Crestの同系列の4つのライブハウスを使ったイベントで、ベテランから若手まで様々なバンドが出演。

13:30~ 絶景クジラ [O-Crest]
O-Crestのトップを飾るのは、昨年のRO JACKで優勝してROCK IN JAPAN FES.2015に出演を果たしてデビューした4人組ガールズバンド、絶景クジラ。
時間になってSEが鳴り始めると、メンバーが1人ずつ登場。最後に出てきたナツコ・ポラリス(ボーカル&キーボード)は目の下にフェイスペイントを施している。
4人組ガールズバンドというと、可愛くてポップでわかりやすい恋愛ソングを…というイメージを抱きがちだが、全くそういうタイプのバンドではない。確かにメンバーはまだ若いし、それゆえにキラキラしている(可愛いかはさておき)のだが、音楽性的には決してわかりやすいポップというわけではない。
うえまや(ベース)、サンキューまじま(ドラム)によるリズム隊はミニマルな演奏をしたり、nozo(ギター)は時折前の方に出てきて、ブルースの要素も感じさせる強烈なギターソロやカッティングを見せる。デビューアルバム「他撮り」を聴いた時点で演奏がうまそうな感じはしていたが、ライブで見ると本当に上手いのがわかる。
その演奏に比べると、客席はほぼ満員状態とはいえMCはややスベり気味だったが、
「9mm Parabellum Bulletと同じ日だからテンションが上がりまくってる!」
というナツコ・ポラリスは終盤にはハンドマイクでステージ前まで出てきて歌ったり、コール&レスポンスを求めたりという、ライブだからこその熱量溢れるパフォーマンスを行う。
近年、ロックシーンのメインストリームに浮上してくるガールズバンドは多くなってきたが、その中でもかなり異彩を放つタイプのバンドなだけに、これからも要注目の存在。しっかりとライブと音楽がカッコいいというのもそう思える要素。
papapa
https://youtu.be/QrjdOVyoOP4
14:40~ 9mm Parabellum Bullet [O-EAST]
会場では最大規模のO-EASTの口火を切るのは、9mm Parabellum Bullet。
日比谷野音ワンマンで滝が腕を負傷してから(結局正式な病状が全くわからないのがなんとも言えない)、盟友であるHEREの武田将幸がサポートギターとして参加しているが、今回も武田を含めた5人編成。
おなじみ「Digital Hardcore」のSEでその5人が登場すると、「Answer and Answer」の重い音が響き渡る。
「Discommunication」では滝がシンセを弾いて、曲の持つ歌謡性をさらに際立たせる。
「トップバッターなんで、火の中に突っ込ませるくらいの感じでいきたいと思います」
と意気込みを語ると、90秒の衝撃こと最新シングル曲「インフェルノ」で宣言どおりに会場を熱狂させると、最新アルバム「Waltz on Life Line」からはこれぞ9mmというような曲の「Lost!!」を披露。
「Vampiregirl」では滝が椅子に座ってシンセを弾きながらもコーラスを絶叫すると、卓郎が武田を
「滝以外に滝のギターを弾きこなせる男がいるとは(笑)」
と紹介すると、「生命のワルツ」で滝が弾いているギター(この編成では武田が弾いているが)は、このイベントの主催者から譲り受けたものであるというエピソードを語り、このイベントへの感謝を表明する。
そして暗黒のダンスアンセム「Black Market Blues」から、先ほど話に出た、このイベントの主催者のギターで演奏された轟音メタルサウンドの「生命のワルツ」を終えると、いつものように卓郎と和彦が最後まで観客に丁寧に頭を下げたり手を振ったりしてからステージを去って行った。
こればかりは編成上仕方がない(HEREも忙しいし)が、最近の9mmはセトリが全く変わらない。基本的に9mmはそのライブごとにセトリを変え、イベントやフェスや対バンではそのライブに合わせたテーマでセトリを組んでくるバンドだった。だからこそ毎回ライブが見逃せないバンドだったのだが、そういう意味でも滝の負傷は実に大きくなってしまった。ましてや本来ならもっと長い時間できるのに時間を余らせて終了、という状態が続いているだけに。
でもそれでも滝が回復するまで全くライブやらない、というようにならなかっただけ感謝なのかもしれないけど。
1.Answer and Answer
2.Discommunication
3.インフェルノ
4.Lost!!
5.Vampiregirl
6.新しい光
7.Black Market Blues
8.生命のワルツ
インフェルノ
https://youtu.be/8DizBlRFMD4
15:50~ yonige [O-Crest]
7月末のMURO FESで見て以来の、大阪寝屋川の女子2人組、yonige。
サポートドラマーと牛丸ありさ(ボーカル&ギター)、ごっきん(ベース)の2人がステージに登場すると、
「大阪寝屋川から来たyonigeです」
と軽く挨拶して「センチメンタルシスター」からスタート。MCではややボソッとした声の牛丸も曲が始まると伸びやかな歌声を聴かせる。
サビで
「死に損ない 死に損ない 死に損ない」
というフレーズが繰り返される衝動が炸裂する轟音ギターロック「恋と退屈」(タイトルはやはり銀杏BOYZからとっているのだろうか)では牛丸がギターの弦を切ってしまい、曲が終わるとステージ上で急遽弦を張り替えるという展開に。場をつなぐために牛丸がごっきんにMCを振るのだが、急につながるわけもなく、
「サーキットイベントはせかせかしてるから好きじゃない」
という発言まで飛び出す。(後で牛丸も同調していたが)
弦を張り替え終わると、
「週末にここに来たみなさんに」
と言って「バッドエンド週末」から仕切り直しとばかりに曲を連発していくが、基本的に終わった恋愛をテーマにしたどの曲の歌詞もキラーフレーズばかりで、それがキャッチーなメロディにこれしかない!という感じで乗っている。
ダンスビートの「アボカド」ではアボカドとともに演奏も投げつけ、
「かたつむりになりたい 男も女もない」
という歌詞が耳から離れなくなる「あのこのゆくえ」、ショートチューン「最近の僕ら」を終えると、ツアーの告知とともにライブハウスでの再会を誓い、とびきりエモーショナルな「さよならアイデンティティー」でメンバーは汗を飛び散らせながら演奏し、見ている側は爽やかさすら覚える最後となった。
歌詞のインパクトはもちろんだが、やはりこのバンドはメロディが本当に良い。さらには牛丸のギターのメロディも抜群に良い。これだけ良い曲がたくさんあれば必ずもっと大きなところまでいけるし、長く愛されるバンドになるはず。現在リリースされている曲がライブで毎回聴けるのは今だけだと思うだけにもっとライブを見たい。
1.センチメンタルシスター
2.恋と退屈
3.バッドエンド週末
4.サイドB
5.バイ・マイ・サイ
6.アボカド
7.あのこのゆくえ
8.最近の僕ら
9.さよならアイデンティティー
アボカド
https://youtu.be/F3tnfgZhJME
16:50~ My Hair is Bad [O-WEST]
もはや毎週毎週週末はどこかのフェスやイベントに出演しまくっている、My Hair is Bad。今日はこのイベントに初出演。
サウンドチェックの段階で3人が曲を演奏すると、ステージから捌けることなくそのまま本番へ。ドラムセットにメンバーが集まって気合いを入れると、
「ドキドキしようぜ!」
と椎木が叫び、「アフターアワー」からスタート。夏フェスではすべて「真赤」始まりだったが、このあたりは持ち時間が夏フェスの30分より長い40分だからだろうか。
サウンドがエモーショナルな「彼氏として」、歌詞に渋谷という単語を挟んでくる「ドラマみたいだ」と続くと、椎木がこのO-WESTのステージに立つのは7年ぶりであることを語り、さらには
「この辺りのラブホに年末に来たらすべて満室だったから、その女の子の家に行きました。何事も少し足りないくらいがちょうどいいっていうことです!(笑)」
といういい話のようでいて全然いい話ではないエピソードを話すと、
「これもまた渋谷の歌」
と言って「真赤」でさらにステージは熱量を増していき、それが客席にさらなる熱狂を生み出す。
一瞬で終わる「クリサンセマム」からダンスビートの「元彼氏として」とキラーチューンが続くと、椎木が客席の柵に身を乗り出しながら、7年前にこのステージに立ったのは閃光ライオットの3次審査であったこと、大人に踊らされたくないと当時は思っていたが、踊らせてくれようとしてたのに自分たちが踊れなかった、キャパが足りなかった、ということ、その当時の閃光ライオットの主催のソニーミュージックのお偉いさんだったおばちゃんももうソニーにはいないことなどを語り、それを総括するように
「すべて変わっていく!ロックスターは死んだら遺影で会える!誰かが死んだら棺桶で会える!でも今、生きているロックスターを見てくれ!」
と叫んで「from now on」へ。椎木もぴょんぴょん飛び跳ねているが、山本(ベース)も思いっきり振り下ろすようにしてベースを弾いている。渋谷だからこそのこの日の「from now on」である。
そして最後は
「今、何がしたいかって言ったら、女を口説きたい(笑)
バンドやってるっていうことを言わずに口説きたい(笑)
なんか、最近の女の子はインスタとかツイッターのフォロワーが多い人が好きなのかねぇ。「人脈が…」みたいなこと言ってて。芸能人と友達じゃなきゃモテないのかよ、みたいな(笑)」
と最後に何を言ってるんだというような内容の話をしたかと思いきや、
「もうこの曲も歌えなくなる季節になっちゃうな」
としみじみとさせる「夏が過ぎてく」。今年の夏、最も多くライブを見たのはこのバンドだった。だから今年の夏が本当に楽しかったのは、このバンドのおかげでもあった。
「俺たち、絶対もっとカッコいいバンドになるから!」
と椎木は最後に言ったが、果たして来年の夏にこのバンドはどこまで大きくなっているだろうか。すでにリリースが決定しているアルバムは今年後期最大の話題を集める作品になりそうな予感。
リハ1.マイハッピーウエディング
リハ2.戦争を知らない大人たち
1.アフターアワー
2.彼氏として
3.ドラマみたいだ
4.真赤
5.クリサンセマム
6.元彼氏として
7.from now on
8.夏が過ぎてく
ドラマみたいだ
https://youtu.be/HyCSbFhLu1I
18:00~ lovefilm [O-WEST]
こちらも今年の夏は様々なフェスやイベントに「初出演」を果たした新人バンド、lovefilmがこのイベントにも出演。やはり夏は野外で見る機会が多かっただけに、ライブハウスで見るのはやや久しぶりな感じ。
夏フェスでは石毛やノブと同様に白い衣装が多かった江夏詩織が黒の衣装を着て登場すると、すっかり火付け役としておなじみになってきた、「Alien」からこの日もスタート。石毛と江夏のボーカルの絡みは見るたびに美しくなってきている。
石毛の煽りによってかなりテンポ早めの手拍子が巻き起こる、フェスではあまりやらなかった「BIG LOVE」が聴けたのはやっぱり持ち時間がフェスよりも長いからだろうか。(そのかわりに江夏のシャウトが聴ける「Don't Cry」はこの日はやらなかったけど)
「BIG LOVE」の手拍子に続いては「Vomit」では石毛が煽らずとも起きるんじゃないかというコーラスの合唱が発生し、ライブを重ねてきたことにより、バンド自体も馴染んできているが、telephonesとは違う楽しみ方、lovefilmの曲それぞれの楽しみ方も間違いなく馴染んできている。
そしてロッキンやUKFCでも演奏していた新曲をこの日も披露。イントロはノリが良く始まるが、サビの歌詞は江夏が
「愛した人も別れた人も 遠く夢の中」
と歌う、強い喪失感を感じさせるもの。それは石毛が、かつてはthe telephonesでも出演したことのあるこのイベントへの感謝を告げてから演奏した、
「もう1度抱き合っていたい
君だけを見ていたいさ
もう2度と叶わない」
という歌詞の「Kiss」や、最後に演奏された、シューゲイザーの要素も含んだようにノイジーなギターが鳴る「Hours」も同様。メロディこそポップではあるが、歌詞からはそうした喪失感を感じるし、その喪失感こそがこのバンドの、江夏以外のメンバーは年齢的にとっくに過ぎ去ったはずの青春性を感じさせる要因になっている。
11月にはついに初ワンマンも行われるが、今の曲数では1時間くらいで終わってしまうくらいしかないだけに、どの程度新曲をやったりするのか。やっぱりせっかくワンマンやるんならせめて90分くらいは見たいところなだけに。
1.Alien
2.Honey Bee
3.BIG LOVE
4.Vomit
5.新曲
6.Goodbye,Goodnight
7.Kiss
8.Hours
Kiss
https://youtu.be/YsopBGIO2Bg
19:20~ アルカラ [O-EAST]
リハで「キャッチーを科学する」を演奏していたため、普段とはちょっと違う予感がしていた、アルカラ。
リハのままステージにとどまって、
「どうもー!Nothing's Carved In Stoneです!」
とうそぶいて「アブノーマルが足りない」からスタートすると、やはり演奏の切れ味は素晴らしいものがある。どんなライブでも常に100%というかむしろそれ以上のものをぶつけるアルカラの姿勢がこの日もメンバーそれぞれの演奏から強く出ている。
最新曲「LET・IT・DIE」も披露すると、
「みんな気になってるやろ!?25年ぶりの…。(この日は広島カープが25年ぶりの優勝を決めた日であり、この時間はまさに試合中であった)
中日対DeNAの試合を!(笑)まだ0対0やったで。みんな興味ないやろうけど(笑)
みんな、New Audiogram楽しんでるかー!稲村さんも最初の9mmから楽しんでるけど、卓郎のあれなんなん?」
と稲村がおなじみのMCコーナーを始めて、9mm卓郎の演奏終了後の丁寧な客席へのお辞儀とかを完璧に真似して
「どこの貴族やねん!」
と突っ込みを入れて爆笑をかっさらう。さらにはジラフポットのドラムがアルカラのギターの田原と瓜二つの見た目である、tricotはもうダンスグループになったほうがいいんじゃないか、髭はメンバー誰も髭が生えてない、Nothing's Carved In Stoneは見なくてもカッコいいのがわかりきってるから見ないで帰っていいんじゃないか、とフェスやイベントでは恒例の共演者いじりで笑わせまくる。
後半は「まだ夏は終わってない!」と宣言しての「トロピカルおばあちゃん」など近年のライブでのキラーチューンを続け、
「次でアルカラ最後の曲です!」
と「まだ終わるには早すぎじゃない?」というくらいに時間があるはずの中、始まったのはアルカラがハンドマイクで歌う、ボーナストラックにしてバンドの代表曲にまでなっている「交差点」。途中にはLUNA SEA「ROSIER」に歌詞を変えたバージョンで歌うと、間奏でステージからいなくなった稲村は、かなり高い脚立を持って再登場。最初はステージに脚立を立てて、ビビりながらもその上に立って歌うも、途中で客席に脚立を送ると観客が後ろの方まで脚立を運び、稲村も客席に突入して支えられながら歌うも、本人としては客席に脚立を立ててその上で歌うつもりだったらしい。しかし結果的には脚立も稲村も演奏終了前にはしっかりステージに戻ってきてしまうという状態に(笑)
「みんなのノリが良すぎてこうなりました(笑)
脚立とかを客席に入れたら危ない、というのを我々が身をもって証明しました(笑)」
と釈明(?)すると、やはり
「ありがとうございました、Nothing's Carved In Stoneでした(笑)」
と挨拶し、9mm卓郎の丁寧なお辞儀のモノマネをしてから去っていく。毎回毎回こんな面白くてかつカッコいいライブができるバンドはそうそういない。さすがロック界の奇行士である。
リハ.キャッチーを科学する
1.アブノーマルが足りない
2.マゾスティック檸檬爆弾
3.LET・IT・DIE
4.愚痴ばっかりのローレロレロ
5.トロピカルおばあちゃん ~ばーばばばぁ~
6.水曜日のマネキンは笑う
7.交差点
アブノーマルが足りない
https://youtu.be/dFeb2LLMp4A
20:30~ Nothing's Carved In Stone [O-EAST]
今回のO-EASTのトリはNothing's Carved In Stone。このイベントではおなじみの存在であるだけに適任と言える。
メンバー4人が登場すると、タンクトップ姿の腕に刻まれたタトゥーが目を引く村松拓がハンドマイクで歌う、まるでEDMのようなイントロの「In Future」からスタート。村松はステージを動きまくりながら歌うだけに、その姿はミクスチャーバンドのボーカルのようでもある。
「The Poison Bloom」も村松はハンドマイク歌唱だが、この編成だと生形真一、ひなっち、大喜多崇規というスタープレイヤーたちの中で最も輝きを放ち、バンドを引っ張っているのは村松であることがよくわかる。実に頼もしい姿である。
「白昼」から村松もギターを弾く従来の編成になり、メンバーの出す音が凄まじい強度でぶつかり合いながら1つの曲として調和していく「Out of Control」と、アルカラ稲村が言っていたように「見なくてもカッコいいのがわかりきっている」が、実際に見るとやはりとてつもなくカッコいい。
しかしそんなカッコいい雰囲気の中にもかかわらず、村松はMCで
「1曲目と2曲目の間に俺がアントニオ猪木のモノマネしたの気づいてた?(笑)」
と誰も気付いてないようなことを言って脱力させると、
「元気があればなんでもできる。元気がなければバンドに頼る。元気が欲しい時は俺たちのライブに来てくれ」
と、良いことを言っているのに言い方がアントニオ猪木のモノマネなので、笑えてきてしまってしょうがない。
「New Audiogramが10周年ということでふさわしそうな曲を」
と言って演奏された「Milestone」から、ド派手な効果音も使われた「Idols」、4人のバンドサウンドの極みのような「Spirit Inspiration」と畳み掛けると、最後は激しい演奏にもかかわらず、しっかりと聞こえてくる日本語の歌詞が沁みる「Shimmer Song」で終了。
しかしアンコールに応えて再登場すると、2階席を指差し、
「あのレッド・ホット・チリ・ペッパーズのTシャツを着てる人が、ライブ終わってからもずっと「バンド名間違えちゃった~」って言ってきて(笑)」
と、このバンドのことをいじっていたアルカラ稲村との微笑ましい関係性をうかがわせると、
「このイベントの主催者のゴッチンとはずっと飲み友達で。俺らこのバンド始めて8年目なんだけど、ずっと呼んでくれて。バンドマンって正直なやつが多いから、カッコいいやつとしか付き合いたくないし、カッコ悪いやつとは表面上だけで付き合うとかできないんだよね。
だから髭の須藤さんもライブの時に言ってたけど、俺たちがカッコいいと思ったら、ずっと友達でいてください!」
と、ここは笑わせることなくしっかりと締め、最後にイントロからひなっちが煽りまくる、主催者リクエストの「Around the Clock」を久しぶりに演奏して、とてつもない爽快感に包まれながらこの長い1日を締めくくった。
打ち込みもところどころ使いながらも、基本的にギター、ベース、ドラムという既存の楽器だけでどうしたらこんなにカッコいい音が出せるのかと思ってしまう。ただ単にすごいメンバーが集まってるというだけでなく、そのすごいメンバーたちが意識の部分でも共鳴しあってるからこんなにカッコいいライブができる。やっぱりすごいとしか言えない。
1.In Future
2.The Poison Bloom
3.白昼
4.Out of Control
5.Milestone
6.Idols
7.Spirit Inspiration
8.Shimmer Song
encore
9.Around the Clock
Around the Clock
https://youtu.be/L8JsilVZnv8
村松のMCでこのイベントの主催者が、かつて千葉県柏市のハードコアパンクシーンの中心的存在であった、ヌンチャクというバンドのギターの方であるということを知った。それにより、このイベントへの理解度、好感もさらに深まった。来年もこういう形式でやるんなら是非参加したい。
Next→ 9/11 Czecho No Republic @渋谷eggman
O-EAST、O-WEST、O-nest、O-Crestの同系列の4つのライブハウスを使ったイベントで、ベテランから若手まで様々なバンドが出演。

13:30~ 絶景クジラ [O-Crest]
O-Crestのトップを飾るのは、昨年のRO JACKで優勝してROCK IN JAPAN FES.2015に出演を果たしてデビューした4人組ガールズバンド、絶景クジラ。
時間になってSEが鳴り始めると、メンバーが1人ずつ登場。最後に出てきたナツコ・ポラリス(ボーカル&キーボード)は目の下にフェイスペイントを施している。
4人組ガールズバンドというと、可愛くてポップでわかりやすい恋愛ソングを…というイメージを抱きがちだが、全くそういうタイプのバンドではない。確かにメンバーはまだ若いし、それゆえにキラキラしている(可愛いかはさておき)のだが、音楽性的には決してわかりやすいポップというわけではない。
うえまや(ベース)、サンキューまじま(ドラム)によるリズム隊はミニマルな演奏をしたり、nozo(ギター)は時折前の方に出てきて、ブルースの要素も感じさせる強烈なギターソロやカッティングを見せる。デビューアルバム「他撮り」を聴いた時点で演奏がうまそうな感じはしていたが、ライブで見ると本当に上手いのがわかる。
その演奏に比べると、客席はほぼ満員状態とはいえMCはややスベり気味だったが、
「9mm Parabellum Bulletと同じ日だからテンションが上がりまくってる!」
というナツコ・ポラリスは終盤にはハンドマイクでステージ前まで出てきて歌ったり、コール&レスポンスを求めたりという、ライブだからこその熱量溢れるパフォーマンスを行う。
近年、ロックシーンのメインストリームに浮上してくるガールズバンドは多くなってきたが、その中でもかなり異彩を放つタイプのバンドなだけに、これからも要注目の存在。しっかりとライブと音楽がカッコいいというのもそう思える要素。
papapa
https://youtu.be/QrjdOVyoOP4
14:40~ 9mm Parabellum Bullet [O-EAST]
会場では最大規模のO-EASTの口火を切るのは、9mm Parabellum Bullet。
日比谷野音ワンマンで滝が腕を負傷してから(結局正式な病状が全くわからないのがなんとも言えない)、盟友であるHEREの武田将幸がサポートギターとして参加しているが、今回も武田を含めた5人編成。
おなじみ「Digital Hardcore」のSEでその5人が登場すると、「Answer and Answer」の重い音が響き渡る。
「Discommunication」では滝がシンセを弾いて、曲の持つ歌謡性をさらに際立たせる。
「トップバッターなんで、火の中に突っ込ませるくらいの感じでいきたいと思います」
と意気込みを語ると、90秒の衝撃こと最新シングル曲「インフェルノ」で宣言どおりに会場を熱狂させると、最新アルバム「Waltz on Life Line」からはこれぞ9mmというような曲の「Lost!!」を披露。
「Vampiregirl」では滝が椅子に座ってシンセを弾きながらもコーラスを絶叫すると、卓郎が武田を
「滝以外に滝のギターを弾きこなせる男がいるとは(笑)」
と紹介すると、「生命のワルツ」で滝が弾いているギター(この編成では武田が弾いているが)は、このイベントの主催者から譲り受けたものであるというエピソードを語り、このイベントへの感謝を表明する。
そして暗黒のダンスアンセム「Black Market Blues」から、先ほど話に出た、このイベントの主催者のギターで演奏された轟音メタルサウンドの「生命のワルツ」を終えると、いつものように卓郎と和彦が最後まで観客に丁寧に頭を下げたり手を振ったりしてからステージを去って行った。
こればかりは編成上仕方がない(HEREも忙しいし)が、最近の9mmはセトリが全く変わらない。基本的に9mmはそのライブごとにセトリを変え、イベントやフェスや対バンではそのライブに合わせたテーマでセトリを組んでくるバンドだった。だからこそ毎回ライブが見逃せないバンドだったのだが、そういう意味でも滝の負傷は実に大きくなってしまった。ましてや本来ならもっと長い時間できるのに時間を余らせて終了、という状態が続いているだけに。
でもそれでも滝が回復するまで全くライブやらない、というようにならなかっただけ感謝なのかもしれないけど。
1.Answer and Answer
2.Discommunication
3.インフェルノ
4.Lost!!
5.Vampiregirl
6.新しい光
7.Black Market Blues
8.生命のワルツ
インフェルノ
https://youtu.be/8DizBlRFMD4
15:50~ yonige [O-Crest]
7月末のMURO FESで見て以来の、大阪寝屋川の女子2人組、yonige。
サポートドラマーと牛丸ありさ(ボーカル&ギター)、ごっきん(ベース)の2人がステージに登場すると、
「大阪寝屋川から来たyonigeです」
と軽く挨拶して「センチメンタルシスター」からスタート。MCではややボソッとした声の牛丸も曲が始まると伸びやかな歌声を聴かせる。
サビで
「死に損ない 死に損ない 死に損ない」
というフレーズが繰り返される衝動が炸裂する轟音ギターロック「恋と退屈」(タイトルはやはり銀杏BOYZからとっているのだろうか)では牛丸がギターの弦を切ってしまい、曲が終わるとステージ上で急遽弦を張り替えるという展開に。場をつなぐために牛丸がごっきんにMCを振るのだが、急につながるわけもなく、
「サーキットイベントはせかせかしてるから好きじゃない」
という発言まで飛び出す。(後で牛丸も同調していたが)
弦を張り替え終わると、
「週末にここに来たみなさんに」
と言って「バッドエンド週末」から仕切り直しとばかりに曲を連発していくが、基本的に終わった恋愛をテーマにしたどの曲の歌詞もキラーフレーズばかりで、それがキャッチーなメロディにこれしかない!という感じで乗っている。
ダンスビートの「アボカド」ではアボカドとともに演奏も投げつけ、
「かたつむりになりたい 男も女もない」
という歌詞が耳から離れなくなる「あのこのゆくえ」、ショートチューン「最近の僕ら」を終えると、ツアーの告知とともにライブハウスでの再会を誓い、とびきりエモーショナルな「さよならアイデンティティー」でメンバーは汗を飛び散らせながら演奏し、見ている側は爽やかさすら覚える最後となった。
歌詞のインパクトはもちろんだが、やはりこのバンドはメロディが本当に良い。さらには牛丸のギターのメロディも抜群に良い。これだけ良い曲がたくさんあれば必ずもっと大きなところまでいけるし、長く愛されるバンドになるはず。現在リリースされている曲がライブで毎回聴けるのは今だけだと思うだけにもっとライブを見たい。
1.センチメンタルシスター
2.恋と退屈
3.バッドエンド週末
4.サイドB
5.バイ・マイ・サイ
6.アボカド
7.あのこのゆくえ
8.最近の僕ら
9.さよならアイデンティティー
アボカド
https://youtu.be/F3tnfgZhJME
16:50~ My Hair is Bad [O-WEST]
もはや毎週毎週週末はどこかのフェスやイベントに出演しまくっている、My Hair is Bad。今日はこのイベントに初出演。
サウンドチェックの段階で3人が曲を演奏すると、ステージから捌けることなくそのまま本番へ。ドラムセットにメンバーが集まって気合いを入れると、
「ドキドキしようぜ!」
と椎木が叫び、「アフターアワー」からスタート。夏フェスではすべて「真赤」始まりだったが、このあたりは持ち時間が夏フェスの30分より長い40分だからだろうか。
サウンドがエモーショナルな「彼氏として」、歌詞に渋谷という単語を挟んでくる「ドラマみたいだ」と続くと、椎木がこのO-WESTのステージに立つのは7年ぶりであることを語り、さらには
「この辺りのラブホに年末に来たらすべて満室だったから、その女の子の家に行きました。何事も少し足りないくらいがちょうどいいっていうことです!(笑)」
といういい話のようでいて全然いい話ではないエピソードを話すと、
「これもまた渋谷の歌」
と言って「真赤」でさらにステージは熱量を増していき、それが客席にさらなる熱狂を生み出す。
一瞬で終わる「クリサンセマム」からダンスビートの「元彼氏として」とキラーチューンが続くと、椎木が客席の柵に身を乗り出しながら、7年前にこのステージに立ったのは閃光ライオットの3次審査であったこと、大人に踊らされたくないと当時は思っていたが、踊らせてくれようとしてたのに自分たちが踊れなかった、キャパが足りなかった、ということ、その当時の閃光ライオットの主催のソニーミュージックのお偉いさんだったおばちゃんももうソニーにはいないことなどを語り、それを総括するように
「すべて変わっていく!ロックスターは死んだら遺影で会える!誰かが死んだら棺桶で会える!でも今、生きているロックスターを見てくれ!」
と叫んで「from now on」へ。椎木もぴょんぴょん飛び跳ねているが、山本(ベース)も思いっきり振り下ろすようにしてベースを弾いている。渋谷だからこそのこの日の「from now on」である。
そして最後は
「今、何がしたいかって言ったら、女を口説きたい(笑)
バンドやってるっていうことを言わずに口説きたい(笑)
なんか、最近の女の子はインスタとかツイッターのフォロワーが多い人が好きなのかねぇ。「人脈が…」みたいなこと言ってて。芸能人と友達じゃなきゃモテないのかよ、みたいな(笑)」
と最後に何を言ってるんだというような内容の話をしたかと思いきや、
「もうこの曲も歌えなくなる季節になっちゃうな」
としみじみとさせる「夏が過ぎてく」。今年の夏、最も多くライブを見たのはこのバンドだった。だから今年の夏が本当に楽しかったのは、このバンドのおかげでもあった。
「俺たち、絶対もっとカッコいいバンドになるから!」
と椎木は最後に言ったが、果たして来年の夏にこのバンドはどこまで大きくなっているだろうか。すでにリリースが決定しているアルバムは今年後期最大の話題を集める作品になりそうな予感。
リハ1.マイハッピーウエディング
リハ2.戦争を知らない大人たち
1.アフターアワー
2.彼氏として
3.ドラマみたいだ
4.真赤
5.クリサンセマム
6.元彼氏として
7.from now on
8.夏が過ぎてく
ドラマみたいだ
https://youtu.be/HyCSbFhLu1I
18:00~ lovefilm [O-WEST]
こちらも今年の夏は様々なフェスやイベントに「初出演」を果たした新人バンド、lovefilmがこのイベントにも出演。やはり夏は野外で見る機会が多かっただけに、ライブハウスで見るのはやや久しぶりな感じ。
夏フェスでは石毛やノブと同様に白い衣装が多かった江夏詩織が黒の衣装を着て登場すると、すっかり火付け役としておなじみになってきた、「Alien」からこの日もスタート。石毛と江夏のボーカルの絡みは見るたびに美しくなってきている。
石毛の煽りによってかなりテンポ早めの手拍子が巻き起こる、フェスではあまりやらなかった「BIG LOVE」が聴けたのはやっぱり持ち時間がフェスよりも長いからだろうか。(そのかわりに江夏のシャウトが聴ける「Don't Cry」はこの日はやらなかったけど)
「BIG LOVE」の手拍子に続いては「Vomit」では石毛が煽らずとも起きるんじゃないかというコーラスの合唱が発生し、ライブを重ねてきたことにより、バンド自体も馴染んできているが、telephonesとは違う楽しみ方、lovefilmの曲それぞれの楽しみ方も間違いなく馴染んできている。
そしてロッキンやUKFCでも演奏していた新曲をこの日も披露。イントロはノリが良く始まるが、サビの歌詞は江夏が
「愛した人も別れた人も 遠く夢の中」
と歌う、強い喪失感を感じさせるもの。それは石毛が、かつてはthe telephonesでも出演したことのあるこのイベントへの感謝を告げてから演奏した、
「もう1度抱き合っていたい
君だけを見ていたいさ
もう2度と叶わない」
という歌詞の「Kiss」や、最後に演奏された、シューゲイザーの要素も含んだようにノイジーなギターが鳴る「Hours」も同様。メロディこそポップではあるが、歌詞からはそうした喪失感を感じるし、その喪失感こそがこのバンドの、江夏以外のメンバーは年齢的にとっくに過ぎ去ったはずの青春性を感じさせる要因になっている。
11月にはついに初ワンマンも行われるが、今の曲数では1時間くらいで終わってしまうくらいしかないだけに、どの程度新曲をやったりするのか。やっぱりせっかくワンマンやるんならせめて90分くらいは見たいところなだけに。
1.Alien
2.Honey Bee
3.BIG LOVE
4.Vomit
5.新曲
6.Goodbye,Goodnight
7.Kiss
8.Hours
Kiss
https://youtu.be/YsopBGIO2Bg
19:20~ アルカラ [O-EAST]
リハで「キャッチーを科学する」を演奏していたため、普段とはちょっと違う予感がしていた、アルカラ。
リハのままステージにとどまって、
「どうもー!Nothing's Carved In Stoneです!」
とうそぶいて「アブノーマルが足りない」からスタートすると、やはり演奏の切れ味は素晴らしいものがある。どんなライブでも常に100%というかむしろそれ以上のものをぶつけるアルカラの姿勢がこの日もメンバーそれぞれの演奏から強く出ている。
最新曲「LET・IT・DIE」も披露すると、
「みんな気になってるやろ!?25年ぶりの…。(この日は広島カープが25年ぶりの優勝を決めた日であり、この時間はまさに試合中であった)
中日対DeNAの試合を!(笑)まだ0対0やったで。みんな興味ないやろうけど(笑)
みんな、New Audiogram楽しんでるかー!稲村さんも最初の9mmから楽しんでるけど、卓郎のあれなんなん?」
と稲村がおなじみのMCコーナーを始めて、9mm卓郎の演奏終了後の丁寧な客席へのお辞儀とかを完璧に真似して
「どこの貴族やねん!」
と突っ込みを入れて爆笑をかっさらう。さらにはジラフポットのドラムがアルカラのギターの田原と瓜二つの見た目である、tricotはもうダンスグループになったほうがいいんじゃないか、髭はメンバー誰も髭が生えてない、Nothing's Carved In Stoneは見なくてもカッコいいのがわかりきってるから見ないで帰っていいんじゃないか、とフェスやイベントでは恒例の共演者いじりで笑わせまくる。
後半は「まだ夏は終わってない!」と宣言しての「トロピカルおばあちゃん」など近年のライブでのキラーチューンを続け、
「次でアルカラ最後の曲です!」
と「まだ終わるには早すぎじゃない?」というくらいに時間があるはずの中、始まったのはアルカラがハンドマイクで歌う、ボーナストラックにしてバンドの代表曲にまでなっている「交差点」。途中にはLUNA SEA「ROSIER」に歌詞を変えたバージョンで歌うと、間奏でステージからいなくなった稲村は、かなり高い脚立を持って再登場。最初はステージに脚立を立てて、ビビりながらもその上に立って歌うも、途中で客席に脚立を送ると観客が後ろの方まで脚立を運び、稲村も客席に突入して支えられながら歌うも、本人としては客席に脚立を立ててその上で歌うつもりだったらしい。しかし結果的には脚立も稲村も演奏終了前にはしっかりステージに戻ってきてしまうという状態に(笑)
「みんなのノリが良すぎてこうなりました(笑)
脚立とかを客席に入れたら危ない、というのを我々が身をもって証明しました(笑)」
と釈明(?)すると、やはり
「ありがとうございました、Nothing's Carved In Stoneでした(笑)」
と挨拶し、9mm卓郎の丁寧なお辞儀のモノマネをしてから去っていく。毎回毎回こんな面白くてかつカッコいいライブができるバンドはそうそういない。さすがロック界の奇行士である。
リハ.キャッチーを科学する
1.アブノーマルが足りない
2.マゾスティック檸檬爆弾
3.LET・IT・DIE
4.愚痴ばっかりのローレロレロ
5.トロピカルおばあちゃん ~ばーばばばぁ~
6.水曜日のマネキンは笑う
7.交差点
アブノーマルが足りない
https://youtu.be/dFeb2LLMp4A
20:30~ Nothing's Carved In Stone [O-EAST]
今回のO-EASTのトリはNothing's Carved In Stone。このイベントではおなじみの存在であるだけに適任と言える。
メンバー4人が登場すると、タンクトップ姿の腕に刻まれたタトゥーが目を引く村松拓がハンドマイクで歌う、まるでEDMのようなイントロの「In Future」からスタート。村松はステージを動きまくりながら歌うだけに、その姿はミクスチャーバンドのボーカルのようでもある。
「The Poison Bloom」も村松はハンドマイク歌唱だが、この編成だと生形真一、ひなっち、大喜多崇規というスタープレイヤーたちの中で最も輝きを放ち、バンドを引っ張っているのは村松であることがよくわかる。実に頼もしい姿である。
「白昼」から村松もギターを弾く従来の編成になり、メンバーの出す音が凄まじい強度でぶつかり合いながら1つの曲として調和していく「Out of Control」と、アルカラ稲村が言っていたように「見なくてもカッコいいのがわかりきっている」が、実際に見るとやはりとてつもなくカッコいい。
しかしそんなカッコいい雰囲気の中にもかかわらず、村松はMCで
「1曲目と2曲目の間に俺がアントニオ猪木のモノマネしたの気づいてた?(笑)」
と誰も気付いてないようなことを言って脱力させると、
「元気があればなんでもできる。元気がなければバンドに頼る。元気が欲しい時は俺たちのライブに来てくれ」
と、良いことを言っているのに言い方がアントニオ猪木のモノマネなので、笑えてきてしまってしょうがない。
「New Audiogramが10周年ということでふさわしそうな曲を」
と言って演奏された「Milestone」から、ド派手な効果音も使われた「Idols」、4人のバンドサウンドの極みのような「Spirit Inspiration」と畳み掛けると、最後は激しい演奏にもかかわらず、しっかりと聞こえてくる日本語の歌詞が沁みる「Shimmer Song」で終了。
しかしアンコールに応えて再登場すると、2階席を指差し、
「あのレッド・ホット・チリ・ペッパーズのTシャツを着てる人が、ライブ終わってからもずっと「バンド名間違えちゃった~」って言ってきて(笑)」
と、このバンドのことをいじっていたアルカラ稲村との微笑ましい関係性をうかがわせると、
「このイベントの主催者のゴッチンとはずっと飲み友達で。俺らこのバンド始めて8年目なんだけど、ずっと呼んでくれて。バンドマンって正直なやつが多いから、カッコいいやつとしか付き合いたくないし、カッコ悪いやつとは表面上だけで付き合うとかできないんだよね。
だから髭の須藤さんもライブの時に言ってたけど、俺たちがカッコいいと思ったら、ずっと友達でいてください!」
と、ここは笑わせることなくしっかりと締め、最後にイントロからひなっちが煽りまくる、主催者リクエストの「Around the Clock」を久しぶりに演奏して、とてつもない爽快感に包まれながらこの長い1日を締めくくった。
打ち込みもところどころ使いながらも、基本的にギター、ベース、ドラムという既存の楽器だけでどうしたらこんなにカッコいい音が出せるのかと思ってしまう。ただ単にすごいメンバーが集まってるというだけでなく、そのすごいメンバーたちが意識の部分でも共鳴しあってるからこんなにカッコいいライブができる。やっぱりすごいとしか言えない。
1.In Future
2.The Poison Bloom
3.白昼
4.Out of Control
5.Milestone
6.Idols
7.Spirit Inspiration
8.Shimmer Song
encore
9.Around the Clock
Around the Clock
https://youtu.be/L8JsilVZnv8
村松のMCでこのイベントの主催者が、かつて千葉県柏市のハードコアパンクシーンの中心的存在であった、ヌンチャクというバンドのギターの方であるということを知った。それにより、このイベントへの理解度、好感もさらに深まった。来年もこういう形式でやるんなら是非参加したい。
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