SiM presents DEAD POP FESTiVAL 2016 @川崎東扇島公園 7/10
- 2016/07/11
- 23:21
去年に続き、SiM主催のDEAD POP FESTiVALがバンドの地元にほど近い、川崎東扇島公園で開催。今年も2days開催で、この日が2日目。フェスタイトルの通り、ラウド系のみにこだわらない幅広いラインナップになっている。
今回も去年に続き、メインのCAVE STAGEとサブのCHAOS STAGEの2ステージ構成。前日の雨の影響で足元がぬかるんでるところもあるが、川崎競馬場から出ている無料シャトルバスの運行も実にスムーズ。
11:25~ No Gimmick Classics [CHAOS STAGE] (Opening Act)
オーディションで出場を勝ち取った、CHAOS STAGEのトップバッターにしてオープニングアクトのNo Gimmick Classics。
スリーピースバンドならではの隙間を生かした、フュージョンやヒップホップの要素の強いミクスチャーロック。演奏の合間にいろんなアクションを交えながらもあくまで音の重いベースが実にカッコいい。
SiMと、オーディションで投票してくれた人に感謝を告げながら、
「流行り廃りとか関係なく、自分たちのやりたい音楽を貫いてここまでこれたのが本当に嬉しい」
と語っていた通り、ラウドなロックの要素はありながらも熱く上げるというよりも揺らすという表現がしっくりくる音楽性は全く流行ってはいないが、だからこそ空いているポジションでもある。果たしてここから名を広げていけるだろうか。
PPH
https://youtu.be/X_jP2seua7Y
12:00~ 10-FEET [CAVE STAGE]
今年も自身の京都大作戦を始め、様々なフェスに出演しまくっている10-FEET。今年はトップバッターとして登場。すでに開場後にサウンドチェックで曲を連発しまくっていたが。
去年はプロレスラーのモノマネしまくりのオープニングの注意事項案内が今年はSiMのメンバーがアニメキャラになったバージョンになり、ある意味ではさっぱりと注意事項を告げると、おなじみのSEが流れて京都大作戦などのタオルを掲げる人たちが待ち構える中、メンバーが登場。TAKUMAが
「DEAD POPー!行けるかー!」
と煽り、いきなりの「goes on」で飛び跳ねさせまくり、TAKUMAは曲が終わると、
「ありがとうございましたー!10-FEETでしたー!アンコールやりまーす!」
といきなりアンコールに突入しての「VIBES BY VIBES」。しかもこれも1曲で終わり、「蜃気楼」からはダブルアンコールに突入というやりたい放題で、観客にウェーブを起こさせたりもする。
しかしながら後半にはTAKUMAが
「物事にははっきりとごめんとか、ありがとうだけを言ったほうがいい時もあるし、事細かに説明した方がいい時もある」
とシリアスな語り口で言うと、その語りの内容をそのまま歌詞にしたかのような新曲「アンテナラスト」へ。TAKUMAのボーカルのみで始まり、スカのリズムも取り入れるあたりは実に10-FEETらしいが、実に久しぶりの新曲ということもあり、これは歌詞をしっかり見ながら聴きたいところ。
そしてラストの「RIVER」では「鶴見川」と神奈川バージョンに歌詞を変え、
「最後まで全員笑顔で楽しんで帰ろうぜー!」
と言ってステージから去って行った。
このSiMやフォーリミ、HEY-SMITHなど、若手と言っていいバンドが次々に主催フェスを開催するようになってきているが、彼らはみんな京都大作戦を作った10-FEETの背中を見ている。リリースペースが現在のロックシーンにおいてはダントツで遅いにもかかわらず、むしろ年々支持を拡大し、巨大なバンドになってきているのは、このバンドと京都大作戦が新しい、今のロックの時代を作ったからと言っても過言ではない。
1.goes on
2.VIBES BY VIBES
3.蜃気楼
4.その向こうへ
5.1sec.
6.アンテナラスト
7.RIVER
アンテナラスト
https://youtu.be/uMpsPPZlkmk
12:40~ SHIMA [CHAOS STAGE]
ZMS(ザイマス。ありがとうございますの意)を合言葉にする北九州の4人組バンド、SHIMA。去年SATANIC CARNIVALに出演して一躍名を広めたが、このフェスにもついに出演。
登場するなりボーカルのEGACCHOが「やっぱり暑い!」と言って、なぜわざわざ着てきたのか全くわからない黄色いパーカーを脱ぎ捨てるという時間の無駄使いをすると、
「世の中には口に出すと気持ちいい言葉がありますよね。こまごめピペット、二酸化マンガン、DEAD POP FESTiVAL。でも今日俺が1番押したいのは、トマトのコンカッセ!」
と言い、本当に「トマトのコンカッセ」というフレーズを連呼する「TRILOGY」からスタートすると、いきなりベースの音が出なくなるハプニングに見舞われるが、すぐさま対処。
苗字や地名をひたすら並べただけの「FUSUMA」など、意味不明というか、意味性を限りなく排除した歌詞の曲ばかりであるが、だからこそラウドでありながらも超キャッチーなメロディのみが頭に残る。
「実は俺はSiMのDVDの運動会のやつに参加してたんだけど、当時あまりにも俺が無名過ぎて、ガチの芸人が混ざってると思われてた(笑)」
「(海を指差して)見てごらん…あれが石油備蓄工場だよ(笑)」
と、まさに芸人そのものなMCで初見の人が多い状況を一気にホームに変えながら、
「ハイスタがAIR JAMやったのも、10-FEETが京都大作戦やったのも、SiMがDEAD POP FESTiVALやったのも、27~28歳の時。俺ら、平均年齢35.5歳。でも年齢とか何やってるかなんて関係ない。自分がかっこいいと思えることをやってるかだ!」
と、最後は笑いなしの真剣な生き様を語る。
そのキャラの強烈さによって注目が広がってきたところはあるが、そこよりもむしろ、これからは楽曲のキャッチーさで「ライブが楽しいバンド」としてさらに広がっていきそうな予感を感じる。
1.TRILOGY
2.STORY
3.FUSUMA
4.PARISLOTTE
5.NO PUNCH,NO LIFE!!
6.REWARD
7.USUAL THINGS
FUSUMA
https://youtu.be/tJKioklZPdM
13:15~ MIYAVI [CAVE STAGE]
メインステージの2番手はMIYAVI。いつものようにギターとドラムだけという、広さに似つかわしくないほどに簡素なステージに、MIYAVIとboboが登場。
MIYAVIがギターをその場でループさせて音を自分で重ね、boboが機械のように正確だけれど機械では叩けないような手数の多さで応戦すると、アウェー感の強かった客席は一気に盛り上がりを見せる。
MIYAVIが
「今日は暑いですねぇ。bobo君は電車で今日来たんですけど…」
と話しながら、合間に「ハッ!」と叫ぶとboboがドラムでキメを打つという、MC中でも全く油断のできないスリリングなセッションを展開し、MIYAVIは自身のトレードマークとでも言うような、ギターのスラップ奏法を披露し、初めて見たであろう人たちからは驚きの声が漏れてくる。
現在CMでオンエアされている新曲は、近年のEDMとの融合をさらに推し進めたような感じで、MIYAVIのギターサウンドに実によく似合っている。
その新曲も含めたアルバムの発売と、それに伴う日本ツアーの開催も発表すると、ラストの「DAY 1」を熱く歌いあげて短いながらもインパクト抜群のライブを終えた。
全く曲を知らなかったり、楽器の上手さがわからなくても、ライブを見れば誰しもが「すげぇ…」と思えるということにおいて、この男に並ぶような存在は他にいない。だからこそ、どんなにアウェーであっても、日本はおろか海外の様々なフェスにも出るような存在になった。これは本当に胸張って海外に誇れる日本のミュージシャン。
1.Raise Me Up
2.UNIVERSE
3.Ha!!!
4.SURVIVE
5.Afraid To Be Cool
6.DAY 1
Afraid To Be Cool
https://youtu.be/pGZjl5Jeu2s
13:55~ My Hair is Bad [CHAOS STAGE]
現在、人気急上昇中の新潟県上越市出身のスリーピースバンド、My Hair is Bad。その勢いを象徴するかのように、客席はリハで「ドラマみたいだ」を演奏している時からたくさんの人で溢れている。
3人が本番で登場すると、
「ブラジャーのホックを外す時だけ…」
と椎木がギターを弾きながら歌う「真赤」でスタート。ギターが一本だとやはりCDよりも音数は少なく感じるが、CDよりもはるかにエモーショナルなのはさすがに年間100本以上もライブをやっているバンドならでは。客席では早くもダイバーが続出するが、パンク、メロコアを通過しながらも、ラウドでもないこのバンドでこんなにダイバーが出るとは少し驚きである。
「ドキドキしたい!ドキドキしたい!」
と椎木が曲中に何度も叫ぶ「アフターアワー」、歌詞の面白さはもちろん、山本の跳ねるベースが否が応でも踊らせる「元彼氏として」とキラーチューンを続けると、椎木がギターを持ったままステージを飛び降りて客席最前列の柵に登り、
「SiMと初めて会ったのは、7~8年前に上越市のライブハウスにSiMがライブしに来てくれた時。客は10分の1とかしかいなかったけど、あの時にCD2枚買った俺はやっぱりセンスあるな、って(笑)
それから俺もバンド始めて、SiMの対バンに呼んでもらえて、「なんでcoldrainとかCrossfaithじゃないんだ!」って言われたりして(笑)」
と、意外なほどに長いSiMとの付き合いを語ると、
「デカいフェスのデカいステージに立ってるからカッコいいんじゃない!デカいステージに立っててもダサいバンドはいる!それをちゃんと言えるかどうか!」
「女は信用できない!「彼氏大好き!」ってツーショット載せてツイートしてる女からガンガンDMが飛んでくるから!(笑)
じゃあ俺はどうだ!?こんなバンドやってるクソみたいな俺を信用してくれるか?
俺はロックバンドとか、ミュージシャンとか、アーティストよりも、男(=漢?)になりたい!」
と、もしこの男がバンドではなくラップを選んでいたら、フリースタイルでかなりいいとこまで行けるんじゃないかと思うくらいに止まらぬ言葉を発しまくり、それがどれも見ている人の心に突き刺さる。
「1秒前でも1秒後でもない今、ここ」から発せられる「フロムナウオン」でこれまでに発してきた言葉をそのまま曲にしてぶつけると、夏が始まったばかりにもかかわらず「夏が過ぎてく」で夏フェスのステージを締めた…かと思いきや、最後にトドメとばかりに30秒のショートチューン「クリサンセマム」を叩きつけてステージから去って行った。
ラウドロックでもなければ、ギターロックど真ん中でもない。それはかつては居場所のなさになっていたかもしれないが、今はそのどちらのイベントやフェスにも出れるという強みに変換されている。
これからこのバンドは今年たくさんの夏フェスに出て行くが、初めて夏の野外で見たこのバンドは、どこまでも広がっていく青空と、グレーが黒になるくらいに汗をかいた椎木のTシャツから、どうしようもないほど、夏の匂いがした。
リハ.ドラマみたいだ
1.真赤
2.アフターアワー
3.元彼氏として
4.マイハッピーウェディング
5.フロムナウオン
6.夏が過ぎてく
7.クリサンセマム
真赤
https://youtu.be/0M3HoC2uGhM
14:30~ Crossfaith [CAVE STAGE]
主催者のSiMを除くと、このフェス最多出演となるCrossfaith。EDM色の強い「System X」のSEが鳴ってメンバーが登場すると、真っ白な衣装が美しいドラムのTatsu以外は全員黒づくめの服装で、夏の野外の日差しが実に似合わない(笑)
最後に登場したKoie(ボーカル)が赤いバンドのフラッグを振り回しながら登場すると、昨年リリースの傑作アルバムのタイトル曲である「XENO」からスタートしたのだが、音圧が凄まじい。自分がこのバンドのライブを初めて見たのは、2年前の新木場でのこのフェスの時だったが、もう明らかにその時とは別のバンドというくらいに進化している。
「Countdown To Hell」で早くも十八番のウォールオブデスを客席にやらせると、
「このフェスがいろんなバンドとのつながりをくれた。10-FEETとかもそう。言い出したらキリがないけど」
と、このフェス最多出演バンドならではの、このフェスでいろんなものを手に入れることができたことを語り、レゲエパンクな「Wildfire」ではSiMのMAHを呼び込み、Koieとツインボーカルでのコラボ。こういうスペシャルなコラボが見れるのもこのフェスならではだが、MAHのボーカルが完全にこの曲仕様のものになっていた。
そしてKoieがSiMに改めて感謝を告げると、そのSiMに捧げる曲として、初期曲の「Blue」を演奏。近年の曲に比べると、EDM色というか、電子音が少ないのが逆に新鮮に聴こえる。
その電子音を操るTeruが客席に突入したりしていたが、Koieも客席に突入。もはや魔王降臨とでもいうような貫禄である。
「このフェスでいろんなバンドと出会えましたが、SiM、Crossfaith、coldrain、HEY-SMITHの4組は、もう切っても切れないような関係にありと思います!」
と、またしてもKoieが同志たちに感謝を告げると、ラストの「Leviathan」で壮大に踊らせ、演奏が終わったメンバーはステージ前で肩を組んで今年のこのフェスのステージを降りて行った。
もはや完全にスタジアムバンドかというくらいのライブと曲のスケールを持つバンドになった。それだけに、この広いステージに立つことに全く違和感を感じない。非常に聴き手を選ぶというか、大衆ウケはしないようなバンドだが、そんなバンドが万単位の人の前でライブをやっているとういうのは凄まじいことである。が、いずれそれはこのバンドにとっては当たり前のものになるのかもしれない。
1.XENO
2.Jägerbomb
3.Countdown To Hell
4.Wirdfire
5.Blue
6.Devil's Party
7.Leviathan
Wildfire
https://youtu.be/bswkClwZxeA
15:30~ 04 Limited Sazabys [CHAOS STAGE]
前日に豊洲PITでツアーファイナルを終えたばかりのフォーリミ、その余韻も冷めやらぬ中での初出演。
リハの時点からすでにやはりこのキャパではもう収まりきっていない中、いつものSEでメンバーが登場。ショートチューン「Remember」でスタートするといきなりモッシュとダイブの嵐に。
「fiction」「cubic」というハードな曲が続いたのはSiMのフェスだからということもあるのだろうか。
「SiMとの出会いは、僕らがまだノルマを払ってライブハウスに出ていた時代に、栄のRADっていうライブハウスに来てくれて。ライブ終わったあとに超無名だった僕らに全員分Tシャツをくれて。気にかけてくれてるんだなって感激しました。
それから3年後くらいに仙台でまた対バンして。その頃に僕らは日本語で歌い始めたんですけど、ちょっと悩んでて。その時にSINさんが、「GENちゃん、日本語めちゃいいじゃん!これからは日本語でしょ!」って言ってくれて。すごい背中を押されました!」
と、SiMとの出会いと、SiMの存在に背中を押されたことを語り、「名古屋から流星群を持ってきました!」と「midnight crusing」で昼間から流星群を降らす。
「僕らもYON FESっていうフェスを地元の名古屋で始めて。このフェスを作ったSiMからたくさん刺激を受けてるし、いいところはパクりたいと思ってます(笑)
そうやってSiMの世代から僕らの世代にバトンを渡してもらえるように。でもやっぱりSiMにも負けたくない!」
と、その悔しい気持ちをそのまま歌詞にしたような「climb」から、
「みんなとDEAD POP FESTiVALと日本のロックシーンに光が射しますように!」
と言って演奏された「swim」では
「悩んでる君の好きな方へ」
という歌詞を
「悩んでるSiMの好きな方へ」
と変えて歌った。
YON FESも素晴らしいフェスだったし、そうして大規模なフェスを主催する事によって、責任感や覚悟が生まれてその世代を代表するバンドになっていく。今やSiMとフォーリミは紛れもなくそうした存在になっているし、これからお互いのフェスに出たりすることによってそれぞれのフェスを高め合っていくことができることを考えると、世代は少し違えど、同志でありライバルと呼べるような存在になっていくのかもしれない。
リハ.labyrinth
リハ.knife
1.Remember
2.fiction
3.cubic
4.monolith
5.nem…
6.midnight crusing
7.climb
8.swim
cubic
https://youtu.be/IzX5pz6N_LY
そのあと、飲食ブースのあたりを歩いていたら、楽器試奏ブースから聴き慣れた男の声が。それは紛れもなくMOROHA本人たちで、
「ラジオよりテレビよりしゃべくり(007)より、DEAD POP FESに出たかった」
と心の内をラップする。普段はアコギだが、この日はブースにあったエレキを弾いており、
「声とアコギだけでロックバンドやってるやつもいる。来年はこのブースにアコギも置いておいてくださいよ!」
と言っていたが、来年は普通にCHAOS STAGEに出ていてもいいと思う。
17:00~ ROTTENGRAFFTY [CAVE STAGE]
意外にもこのフェスには初出演となるロットン。サウンドチェックでいきなりSiMの「KiLLiNG ME」を演奏するという大サービスを見せると、当然大歓声。初出演で出番前から完全にフェスの空気を掴んでいる。実に完成度の高いカバーだったのだが、これまでにもフェスで何度かやっているようで、それも納得。
本編では「世界の終わり」からスタートし、完全にフェス仕様のセトリ。(良くも悪くも)その中に待望の新曲「So…Start」も挟まれるが、こうして新曲が出ることによってセトリにも変化が生まれるだろうか。
序盤から両ボーカルの声は非常に良く出ており、時折打ち込みのサウンドも使いながらも音は非常に重い。それでいて踊れる曲もあるのは、ロットンにはレゲエの要素こそないし、SiMにはロットンのように京都弁を使ったりするところはないが、SiMと通じるところ。本人たちも
「SiMにはキツい時とかにずっと背中を押してもらい続けてきた」
と、初出演でありだいぶ年齢は違えど、仲間としてSiMに感謝の気持ちを伝える。
すると後半にはNOBUYAとKAZUOMI(ギター)が次々に客席に突入して煽りまくる。初めて立つステージにもかかわらず使い方を完全に掌握しているのはさすがとしか言えない。
あっという間のラストはやはり「金色グラフティー」だが、歌詞をDEAD POP FES仕様に変えるという即興でのパフォーマンスを見せると、ステージには盟友である10-FEETのTAKUMAが登場し、NAOKIの邪魔をしまくって爆笑を巻き起こすという、これまでにも様々な場面で見せてきた両バンドの絆を見せつけた。
ロットンも10-FEETと同様に地元の京都で大規模なイベントを主催している。そのイベントを開催する際、10-FEETはもちろん、もしかしたらSiMにもいろんな話を聞いていたかもしれないし、逆にSiMもロットンからいろいろ学んできたかもしれない。ともに仲間との絆を何よりも大切にするバンドだからこそ、音楽性以上に初出演にもかかわらずアウェー感は1%もなかった。
1.世界の終わり
2.STAY REAL
3.So…Start
4.響く都
5.D.A.N.C.E.
6.This wolrd
7.金色グラフティー
金色グラフティー
https://youtu.be/At_Ln0_BxPQ
17:40~ Dizzy Sunfist [CHAOS STAGE]
今年3月リリースのフルアルバム「Dizzy Beats」で一気に名を広めた、大阪の女性ボーカルスリーピースメロディックパンクバンド、Dizzy Sunfistが2年連続でこのフェスに出演。
もはやサウンドチェックの段階でダイバーが発生してセキュリティが慌ててステージ前に出てくるというあたりからも今のこのバンドの勢いが現れているが、その勢いそのままに、あやぺた(ボーカル&ギター)といやま(ベース&ボーカル)の息ぴったりのハーモニーを生かした、1曲1~2分台のパンクチューンを連発していく。当然せわしなくダイバーが流れていく、というかこの日このステージで最も多くのダイバーが発生していたのはこのバンドかもしれない。
そんな中にもスカパンクの影響も感じるダンスナンバーもあるが、やはりそういうタイプの曲でもひたすらにBPMが速く、ダイバーが途絶えることはない。その速さとバンドのダイナミズムを支えるのは、唯一の男性メンバーであるドラムのもあい。時折入れるコーラスも女性2人がメインボーカルなだけに実に効果的。
客席に突入して叫ぶように言う、あやぺたのMCは気持ちが先行しまくってて、時に何を言っているのかよくわからないが、
「SiMは飲んでる時にゲロを吐いたり、粗相ばっかりする私たちをこうして2年連続でフェスに呼んでくれたり、ツアーに呼んでくれたりと、感謝しかありません!」
とSiMへの感謝だけはしっかりと誰しもにもわかるように伝える。
女性ボーカルのメロディックパンクバンドというと、もはやパッと思い浮かぶ存在が全くいないくらいに焼け焦げてしまったスタイルであるが、そんな中でこのバンドが一気に浮上してきたのはやはり抜群のメロディの良さ。それはフォーリミやWANIMAがそうであるように、パンクの要素が強いバンドが頭一つ抜け出すには最も大切なものであるが、このバンドはその大切なものをしっかり持っている。
そして、現在のシーンには見るからに可愛いと評されるような女性ボーカルのバンドも多いが、そういう可愛さという要素は年月を経るとなくなっていく。
しかし、このバンドの女性メンバーのように、可愛いではなくカッコいいと思える人なら、年月を経ても意志さえ曲げたり消えたりしなければ、魅力は絶対に変わらない。きっと、このバンドのカッコよさもずっと変わることはない。
1.119
2.SUPER HERO
3.Dizzy Beat
4.SULLEY
5.Joking
6.Piece of Cake
7.Tonight,Tonight,Tonight
8.Someday
9.SHOOTING STAR
10.FIST BUMP
SHOOTING STAR
https://youtu.be/r9jdSz2WpJ8
18:15~ Dragon Ash [CAVE STAGE]
このフェスのトリ前を務めるのはDragon Ash。ミクスチャーロックというスタイルはSiMに連なる、ある意味偉大な先輩というべきバンドである。
メンバーが登場すると、ダンスミュージックの要素も取り入れた「House of Velocity」でスタート。VIVA LA ROCKの時もこの曲を演奏していたし、さらにその時はこの曲と同じく、アルバム「HARVEST」に収録された「Revive」が演奏されたりしていたが、今になってこうして「HARVEST」の曲を演奏するようになったのはなぜなんだろうか。
「For diver's erea」で一気にサンバカーニバルのような様相を呈してくると、「Still Goin' On」ではヒップホップチーム、YALLA FAMILYの面々が登場し、kjも含めてチームワーク抜群のマイクリレーを見せる。
Kenkenの超絶ベースとボーカルをフィーチャーした「The Live」ではアウトロでSiMの「Blah Blah Blah」のラテンアレンジを演奏するというサプライズ。このカッコよさはさすがDragon Ashというようなアレンジ。
するとKjが
「俺たちは10代の時から山嵐のイベントに呼んでもらってずっと出させてもらっていて。俺は山嵐が日本のミクスチャーロックっていうものを作ったと思ってるんだけど。
そうしたら俺らの同世代に10-FEETっていう奴らがいて。そいつらが京都大作戦っていう、日本で1番楽しいフェスを初めて。で、最近後ろから違う足音が聞こえるようになってきた。振り向いたらそこにSiMっていうやつらがいて、そいつらがここでこんなに楽しいフェスを作っていた」
と、日本のミクスチャーの礎から今のSiMまでを一直線につなぐ、このバンドだからこそ言える言葉をSiMのメンバーに送る。
そしてその後の「百合の咲く場所で」での超巨大サークルの出現と、ラストの「Fantasista」での大合唱。やはりフェスにこのバンドが出ると、その瞬間には前に出てきたバンドのことを忘れるくらいに全てをかっさらっていってしまう。このバンドが「フェスキング」とも称される所以。
ちなみに、ドラム桜井誠による飲食ブース、桜井食堂はこの日夕方前には食べ物が全て売り切れるという大繁盛ぶりだった。これもまたもはやフェスにはなくてはならないものになっている。
1.House of Velocity
2.For diver's erea
3.Still Goin' On
4.The Live
5.百合の咲く場所で
6.Fantasista
Fantasista
https://youtu.be/yrmkI-L_KIQ
18:55~ The BONEZ [CHAOS STAGE]
様々なバンドが出演したCHAOS STAGEのトリはRIZEのJESSEらによるバンド、The BONEZ。Dragon Ashの直後にJESSEのバンドを見れるというのは世代的にはたまらないものがある。
3月にリリースされた新作アルバムの「To a person that may save someone」で勇壮な合唱を起こしてスタートすると、続く「Place of Fire」からは一気にラウドに振り切り、モッシュ、ダイブ、サークルと観客も好き放題に暴れまくる。JESSEのボーカルも優しさを含みながらも一気に攻撃的に。
そのJESSEは途中で服を脱いで上半身裸になると、体全体に刻まれたタトゥーもあらわに。その状態で客席に突入して煽りまくるが、予想以上に手拍子を煽る場面が多いのが印象的。
「こうしてこのステージに立っている俺たちも、世の中に何万個もあるバンドのうちの一つでしかない」
と繰り返し語りながら、RIZEとThe BONEZを支え続けてくれた友人をステージに招いて誕生日を祝うというやりたい放題ぶりには変わらぬやんちゃ心を感じさせ、そのままその友情を曲にした「Friends」でメンバー観客一体となった大合唱を起こすと、最後に「Thread & Needle」を叩きつけ、
「SiM、あとは頼んだぞー!」
と、SiMが唯一しっかりライブを見れない枠(出番直前)という、トリではあるが実に難しい立場のステージを見事にSiMに繋いでみせた。
JESSEは間違いなくDragon Ashとともにこの国のミクスチャーロックのパイオニアの1人。その男がこの国の新たなミクスチャーロックヒーローにバトンを手渡す。それは単に出番という名のバトンであり、もしかしたら時代という名のバトンなのかもしれないが、JESSEのステージに立っている時のオーラとカリスマ性は衝撃的なデビュー時から今も全く変わっていない。
1.To a person that may save someone
2.Place of Fire
3.Zenith
4.Louder
5.Adam & Eve
6.Friends
7.Thread & Needle
To a person that may save someone
https://youtu.be/KLzEjZ9t-C0
19:30~ SiM [CAVE STAGE]
そしていよいよ、2日間のこのフェスを締め括るべく、主催者のSiMがステージに登場。MAHはこの日は緑色のシャツを着用し、観客の目と体を起こすべく、「Get Up,Get Up」からスタート。この時間まで残っていた全ての人が待ち望んでいたアクトなだけに、序盤からダイブが発生するのはもちろん、凄まじい盛り上がりを見せるが、メンバーも気合い入りまくりの演奏で応える。時にはカメラ目線で演奏したり、カメラに向かってピースしたりするという余裕とサービス精神も見せてはいるが。
客席がツーステだらけになる「Amy」から、不穏な電子音が会場を包むと一斉に両手を交互に上げ下げするモンキーダンスが発生する「GUNSHOTS」と、さすがにフェスの締めくくりに相応しい、ベスト的な選曲。
「今日、改めて実感したことがあって。やっぱりライブって最高だなって。普段家で曲を聴いているバンドが目の前で演奏してて、しかも自分たちに対する言葉を口にしてくれる。こんなに最高なことはないです」
と、この2日間を総括するような感想を述べると、SINとSHOW-HATEがジャンプしまくる必殺曲「Blah Blah Blah」から、最初は観客に巨大サークルを作るように指示するも、「キビキビ動きなさい!」となかなか思うようにならず、結果的にはPAテントの回りを走るように指示するとたくさんの人がPAテントの回りを反時計回りに走り回る「Faster Than The Clock」と、SiMのライブでしかあり得ないような景色を作り出す。
今年リリースの最新アルバム「THE BEAUTiFUL PEOPLE」のリード曲「MAKE ME DEAD!」もすでにこのバンドのアンセムの一つと化し、妖しげなコーラスの大合唱を起こした「Crowds」から、あっという間のラストはやはり「KiLLiNG ME」。ラストのサビ前でMAHが観客にしゃがむように呼びかけ(かなり時間がかかったけど)、観客全員が一斉に飛んで突入した最後のサビではこの日最大の熱狂が起きた。
アンコールで再びメンバーが登場すると、MAHが
「あんまりこういうことをライブで言いたくないんだけど」
と前置きしながら、
「2日間で宙を舞うペットボトルをたくさん見た。俺あんまり好きじゃないんだ。投げたやつは誰かが拾わなきゃいけない。自分が出したゴミを他の人に拾わせるのはやめよう。
せっかくダイブとかに関して制限したりしてないのに、そんなとこでトラブル起こしたくないから」
と観客にマナーについて呼びかけた。こういうことをステージ上から言われたくない人もいるかもしれないが、そういう人もいるのがわかっている上でこういうことを言えるというのは本当にカッコいいし、こうしたデカい会場でたくさんの人の前でこういうことを言ってくれたら、激しいバンドのライブ=マナーが悪いという先入観を持っている人が少しは減るかもしれない。
するとここでこの日の出演者を全員呼び、客席を背景に写真撮影。MAHのコスプレをした、ゴールデンボンバーの鬼龍院がMAHの隣に来てしまって笑いを起こしながら撮り終わると各々がステージから去っていくのだが、ステージには新たにドラムセットとシンセが。しかもSiMのメンバーとともにステージに残ったままのCrossfaithのメンバー。もうこの時点でバレバレだが、ここで9人全員の演奏による、コラボ曲「GET iT OUT」を披露というスペシャルな展開に。爆音かつ轟音のサウンドの上をMAHが歌い、Koieが叫ぶという最強にして最恐のコラボ。
しかしそれでもまだ終わらず、MAHとKoieが楽しそうに話していると、2人が両サイドから襖を開けるようにして、客席にスペースを開けるように指示。真ん中、右側、左側の三ヶ所にスペースを作ると、2バンドによる「f.a.i.t.h」でウォールオブデスを発生させるという、SiM流の締め方でこのフェスの最後の瞬間を作り上げ、MAHが
「帰れー!」
と叫んでステージを去り、この会場で2年目の開催となるDEAD POP FESTiVALは幕を閉じた。
ラウドバンドを中心にしながらも、「壁を壊す」というのをテーマにしているだけあり、今年も様々なタイプのバンドが名を連ねたこのフェス。インフラ面も含めて、2年目にしてすでに完成形なんじゃないかというふうにすら感じるが、「ずっと続けていきたい」とMAHが語ったように、SiMが活動する限りは、またいろんな他のフェスからの影響を受けたりしながらもずっと続いていくだろう。
こうして主催フェスに来ると、そのバンドがもっと好きになる。京都大作戦も、YON FESも、このフェスも。それはそのフェスに来ればそのバンドがどんな意思でフェスを開催して、出演者を集めているかがよくわかるから。また来年、できればずっと続きますように。
1.Get Up,Get Up
2.Amy
3.GUNSHOTS
4.Blah Blah Blah
5.Faster Than The Clock
6.MAKE ME DEAD!
7.Crowds
8.KiLLiNG ME
encore
9.GET iT OUT vs Crossfaith
10.f.a.i.t.h vs Crossfaith
MAKE ME DEAD!
https://youtu.be/DHQSXYNdcF8
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今回も去年に続き、メインのCAVE STAGEとサブのCHAOS STAGEの2ステージ構成。前日の雨の影響で足元がぬかるんでるところもあるが、川崎競馬場から出ている無料シャトルバスの運行も実にスムーズ。
11:25~ No Gimmick Classics [CHAOS STAGE] (Opening Act)
オーディションで出場を勝ち取った、CHAOS STAGEのトップバッターにしてオープニングアクトのNo Gimmick Classics。
スリーピースバンドならではの隙間を生かした、フュージョンやヒップホップの要素の強いミクスチャーロック。演奏の合間にいろんなアクションを交えながらもあくまで音の重いベースが実にカッコいい。
SiMと、オーディションで投票してくれた人に感謝を告げながら、
「流行り廃りとか関係なく、自分たちのやりたい音楽を貫いてここまでこれたのが本当に嬉しい」
と語っていた通り、ラウドなロックの要素はありながらも熱く上げるというよりも揺らすという表現がしっくりくる音楽性は全く流行ってはいないが、だからこそ空いているポジションでもある。果たしてここから名を広げていけるだろうか。
PPH
https://youtu.be/X_jP2seua7Y
12:00~ 10-FEET [CAVE STAGE]
今年も自身の京都大作戦を始め、様々なフェスに出演しまくっている10-FEET。今年はトップバッターとして登場。すでに開場後にサウンドチェックで曲を連発しまくっていたが。
去年はプロレスラーのモノマネしまくりのオープニングの注意事項案内が今年はSiMのメンバーがアニメキャラになったバージョンになり、ある意味ではさっぱりと注意事項を告げると、おなじみのSEが流れて京都大作戦などのタオルを掲げる人たちが待ち構える中、メンバーが登場。TAKUMAが
「DEAD POPー!行けるかー!」
と煽り、いきなりの「goes on」で飛び跳ねさせまくり、TAKUMAは曲が終わると、
「ありがとうございましたー!10-FEETでしたー!アンコールやりまーす!」
といきなりアンコールに突入しての「VIBES BY VIBES」。しかもこれも1曲で終わり、「蜃気楼」からはダブルアンコールに突入というやりたい放題で、観客にウェーブを起こさせたりもする。
しかしながら後半にはTAKUMAが
「物事にははっきりとごめんとか、ありがとうだけを言ったほうがいい時もあるし、事細かに説明した方がいい時もある」
とシリアスな語り口で言うと、その語りの内容をそのまま歌詞にしたかのような新曲「アンテナラスト」へ。TAKUMAのボーカルのみで始まり、スカのリズムも取り入れるあたりは実に10-FEETらしいが、実に久しぶりの新曲ということもあり、これは歌詞をしっかり見ながら聴きたいところ。
そしてラストの「RIVER」では「鶴見川」と神奈川バージョンに歌詞を変え、
「最後まで全員笑顔で楽しんで帰ろうぜー!」
と言ってステージから去って行った。
このSiMやフォーリミ、HEY-SMITHなど、若手と言っていいバンドが次々に主催フェスを開催するようになってきているが、彼らはみんな京都大作戦を作った10-FEETの背中を見ている。リリースペースが現在のロックシーンにおいてはダントツで遅いにもかかわらず、むしろ年々支持を拡大し、巨大なバンドになってきているのは、このバンドと京都大作戦が新しい、今のロックの時代を作ったからと言っても過言ではない。
1.goes on
2.VIBES BY VIBES
3.蜃気楼
4.その向こうへ
5.1sec.
6.アンテナラスト
7.RIVER
アンテナラスト
https://youtu.be/uMpsPPZlkmk
12:40~ SHIMA [CHAOS STAGE]
ZMS(ザイマス。ありがとうございますの意)を合言葉にする北九州の4人組バンド、SHIMA。去年SATANIC CARNIVALに出演して一躍名を広めたが、このフェスにもついに出演。
登場するなりボーカルのEGACCHOが「やっぱり暑い!」と言って、なぜわざわざ着てきたのか全くわからない黄色いパーカーを脱ぎ捨てるという時間の無駄使いをすると、
「世の中には口に出すと気持ちいい言葉がありますよね。こまごめピペット、二酸化マンガン、DEAD POP FESTiVAL。でも今日俺が1番押したいのは、トマトのコンカッセ!」
と言い、本当に「トマトのコンカッセ」というフレーズを連呼する「TRILOGY」からスタートすると、いきなりベースの音が出なくなるハプニングに見舞われるが、すぐさま対処。
苗字や地名をひたすら並べただけの「FUSUMA」など、意味不明というか、意味性を限りなく排除した歌詞の曲ばかりであるが、だからこそラウドでありながらも超キャッチーなメロディのみが頭に残る。
「実は俺はSiMのDVDの運動会のやつに参加してたんだけど、当時あまりにも俺が無名過ぎて、ガチの芸人が混ざってると思われてた(笑)」
「(海を指差して)見てごらん…あれが石油備蓄工場だよ(笑)」
と、まさに芸人そのものなMCで初見の人が多い状況を一気にホームに変えながら、
「ハイスタがAIR JAMやったのも、10-FEETが京都大作戦やったのも、SiMがDEAD POP FESTiVALやったのも、27~28歳の時。俺ら、平均年齢35.5歳。でも年齢とか何やってるかなんて関係ない。自分がかっこいいと思えることをやってるかだ!」
と、最後は笑いなしの真剣な生き様を語る。
そのキャラの強烈さによって注目が広がってきたところはあるが、そこよりもむしろ、これからは楽曲のキャッチーさで「ライブが楽しいバンド」としてさらに広がっていきそうな予感を感じる。
1.TRILOGY
2.STORY
3.FUSUMA
4.PARISLOTTE
5.NO PUNCH,NO LIFE!!
6.REWARD
7.USUAL THINGS
FUSUMA
https://youtu.be/tJKioklZPdM
13:15~ MIYAVI [CAVE STAGE]
メインステージの2番手はMIYAVI。いつものようにギターとドラムだけという、広さに似つかわしくないほどに簡素なステージに、MIYAVIとboboが登場。
MIYAVIがギターをその場でループさせて音を自分で重ね、boboが機械のように正確だけれど機械では叩けないような手数の多さで応戦すると、アウェー感の強かった客席は一気に盛り上がりを見せる。
MIYAVIが
「今日は暑いですねぇ。bobo君は電車で今日来たんですけど…」
と話しながら、合間に「ハッ!」と叫ぶとboboがドラムでキメを打つという、MC中でも全く油断のできないスリリングなセッションを展開し、MIYAVIは自身のトレードマークとでも言うような、ギターのスラップ奏法を披露し、初めて見たであろう人たちからは驚きの声が漏れてくる。
現在CMでオンエアされている新曲は、近年のEDMとの融合をさらに推し進めたような感じで、MIYAVIのギターサウンドに実によく似合っている。
その新曲も含めたアルバムの発売と、それに伴う日本ツアーの開催も発表すると、ラストの「DAY 1」を熱く歌いあげて短いながらもインパクト抜群のライブを終えた。
全く曲を知らなかったり、楽器の上手さがわからなくても、ライブを見れば誰しもが「すげぇ…」と思えるということにおいて、この男に並ぶような存在は他にいない。だからこそ、どんなにアウェーであっても、日本はおろか海外の様々なフェスにも出るような存在になった。これは本当に胸張って海外に誇れる日本のミュージシャン。
1.Raise Me Up
2.UNIVERSE
3.Ha!!!
4.SURVIVE
5.Afraid To Be Cool
6.DAY 1
Afraid To Be Cool
https://youtu.be/pGZjl5Jeu2s
13:55~ My Hair is Bad [CHAOS STAGE]
現在、人気急上昇中の新潟県上越市出身のスリーピースバンド、My Hair is Bad。その勢いを象徴するかのように、客席はリハで「ドラマみたいだ」を演奏している時からたくさんの人で溢れている。
3人が本番で登場すると、
「ブラジャーのホックを外す時だけ…」
と椎木がギターを弾きながら歌う「真赤」でスタート。ギターが一本だとやはりCDよりも音数は少なく感じるが、CDよりもはるかにエモーショナルなのはさすがに年間100本以上もライブをやっているバンドならでは。客席では早くもダイバーが続出するが、パンク、メロコアを通過しながらも、ラウドでもないこのバンドでこんなにダイバーが出るとは少し驚きである。
「ドキドキしたい!ドキドキしたい!」
と椎木が曲中に何度も叫ぶ「アフターアワー」、歌詞の面白さはもちろん、山本の跳ねるベースが否が応でも踊らせる「元彼氏として」とキラーチューンを続けると、椎木がギターを持ったままステージを飛び降りて客席最前列の柵に登り、
「SiMと初めて会ったのは、7~8年前に上越市のライブハウスにSiMがライブしに来てくれた時。客は10分の1とかしかいなかったけど、あの時にCD2枚買った俺はやっぱりセンスあるな、って(笑)
それから俺もバンド始めて、SiMの対バンに呼んでもらえて、「なんでcoldrainとかCrossfaithじゃないんだ!」って言われたりして(笑)」
と、意外なほどに長いSiMとの付き合いを語ると、
「デカいフェスのデカいステージに立ってるからカッコいいんじゃない!デカいステージに立っててもダサいバンドはいる!それをちゃんと言えるかどうか!」
「女は信用できない!「彼氏大好き!」ってツーショット載せてツイートしてる女からガンガンDMが飛んでくるから!(笑)
じゃあ俺はどうだ!?こんなバンドやってるクソみたいな俺を信用してくれるか?
俺はロックバンドとか、ミュージシャンとか、アーティストよりも、男(=漢?)になりたい!」
と、もしこの男がバンドではなくラップを選んでいたら、フリースタイルでかなりいいとこまで行けるんじゃないかと思うくらいに止まらぬ言葉を発しまくり、それがどれも見ている人の心に突き刺さる。
「1秒前でも1秒後でもない今、ここ」から発せられる「フロムナウオン」でこれまでに発してきた言葉をそのまま曲にしてぶつけると、夏が始まったばかりにもかかわらず「夏が過ぎてく」で夏フェスのステージを締めた…かと思いきや、最後にトドメとばかりに30秒のショートチューン「クリサンセマム」を叩きつけてステージから去って行った。
ラウドロックでもなければ、ギターロックど真ん中でもない。それはかつては居場所のなさになっていたかもしれないが、今はそのどちらのイベントやフェスにも出れるという強みに変換されている。
これからこのバンドは今年たくさんの夏フェスに出て行くが、初めて夏の野外で見たこのバンドは、どこまでも広がっていく青空と、グレーが黒になるくらいに汗をかいた椎木のTシャツから、どうしようもないほど、夏の匂いがした。
リハ.ドラマみたいだ
1.真赤
2.アフターアワー
3.元彼氏として
4.マイハッピーウェディング
5.フロムナウオン
6.夏が過ぎてく
7.クリサンセマム
真赤
https://youtu.be/0M3HoC2uGhM
14:30~ Crossfaith [CAVE STAGE]
主催者のSiMを除くと、このフェス最多出演となるCrossfaith。EDM色の強い「System X」のSEが鳴ってメンバーが登場すると、真っ白な衣装が美しいドラムのTatsu以外は全員黒づくめの服装で、夏の野外の日差しが実に似合わない(笑)
最後に登場したKoie(ボーカル)が赤いバンドのフラッグを振り回しながら登場すると、昨年リリースの傑作アルバムのタイトル曲である「XENO」からスタートしたのだが、音圧が凄まじい。自分がこのバンドのライブを初めて見たのは、2年前の新木場でのこのフェスの時だったが、もう明らかにその時とは別のバンドというくらいに進化している。
「Countdown To Hell」で早くも十八番のウォールオブデスを客席にやらせると、
「このフェスがいろんなバンドとのつながりをくれた。10-FEETとかもそう。言い出したらキリがないけど」
と、このフェス最多出演バンドならではの、このフェスでいろんなものを手に入れることができたことを語り、レゲエパンクな「Wildfire」ではSiMのMAHを呼び込み、Koieとツインボーカルでのコラボ。こういうスペシャルなコラボが見れるのもこのフェスならではだが、MAHのボーカルが完全にこの曲仕様のものになっていた。
そしてKoieがSiMに改めて感謝を告げると、そのSiMに捧げる曲として、初期曲の「Blue」を演奏。近年の曲に比べると、EDM色というか、電子音が少ないのが逆に新鮮に聴こえる。
その電子音を操るTeruが客席に突入したりしていたが、Koieも客席に突入。もはや魔王降臨とでもいうような貫禄である。
「このフェスでいろんなバンドと出会えましたが、SiM、Crossfaith、coldrain、HEY-SMITHの4組は、もう切っても切れないような関係にありと思います!」
と、またしてもKoieが同志たちに感謝を告げると、ラストの「Leviathan」で壮大に踊らせ、演奏が終わったメンバーはステージ前で肩を組んで今年のこのフェスのステージを降りて行った。
もはや完全にスタジアムバンドかというくらいのライブと曲のスケールを持つバンドになった。それだけに、この広いステージに立つことに全く違和感を感じない。非常に聴き手を選ぶというか、大衆ウケはしないようなバンドだが、そんなバンドが万単位の人の前でライブをやっているとういうのは凄まじいことである。が、いずれそれはこのバンドにとっては当たり前のものになるのかもしれない。
1.XENO
2.Jägerbomb
3.Countdown To Hell
4.Wirdfire
5.Blue
6.Devil's Party
7.Leviathan
Wildfire
https://youtu.be/bswkClwZxeA
15:30~ 04 Limited Sazabys [CHAOS STAGE]
前日に豊洲PITでツアーファイナルを終えたばかりのフォーリミ、その余韻も冷めやらぬ中での初出演。
リハの時点からすでにやはりこのキャパではもう収まりきっていない中、いつものSEでメンバーが登場。ショートチューン「Remember」でスタートするといきなりモッシュとダイブの嵐に。
「fiction」「cubic」というハードな曲が続いたのはSiMのフェスだからということもあるのだろうか。
「SiMとの出会いは、僕らがまだノルマを払ってライブハウスに出ていた時代に、栄のRADっていうライブハウスに来てくれて。ライブ終わったあとに超無名だった僕らに全員分Tシャツをくれて。気にかけてくれてるんだなって感激しました。
それから3年後くらいに仙台でまた対バンして。その頃に僕らは日本語で歌い始めたんですけど、ちょっと悩んでて。その時にSINさんが、「GENちゃん、日本語めちゃいいじゃん!これからは日本語でしょ!」って言ってくれて。すごい背中を押されました!」
と、SiMとの出会いと、SiMの存在に背中を押されたことを語り、「名古屋から流星群を持ってきました!」と「midnight crusing」で昼間から流星群を降らす。
「僕らもYON FESっていうフェスを地元の名古屋で始めて。このフェスを作ったSiMからたくさん刺激を受けてるし、いいところはパクりたいと思ってます(笑)
そうやってSiMの世代から僕らの世代にバトンを渡してもらえるように。でもやっぱりSiMにも負けたくない!」
と、その悔しい気持ちをそのまま歌詞にしたような「climb」から、
「みんなとDEAD POP FESTiVALと日本のロックシーンに光が射しますように!」
と言って演奏された「swim」では
「悩んでる君の好きな方へ」
という歌詞を
「悩んでるSiMの好きな方へ」
と変えて歌った。
YON FESも素晴らしいフェスだったし、そうして大規模なフェスを主催する事によって、責任感や覚悟が生まれてその世代を代表するバンドになっていく。今やSiMとフォーリミは紛れもなくそうした存在になっているし、これからお互いのフェスに出たりすることによってそれぞれのフェスを高め合っていくことができることを考えると、世代は少し違えど、同志でありライバルと呼べるような存在になっていくのかもしれない。
リハ.labyrinth
リハ.knife
1.Remember
2.fiction
3.cubic
4.monolith
5.nem…
6.midnight crusing
7.climb
8.swim
cubic
https://youtu.be/IzX5pz6N_LY
そのあと、飲食ブースのあたりを歩いていたら、楽器試奏ブースから聴き慣れた男の声が。それは紛れもなくMOROHA本人たちで、
「ラジオよりテレビよりしゃべくり(007)より、DEAD POP FESに出たかった」
と心の内をラップする。普段はアコギだが、この日はブースにあったエレキを弾いており、
「声とアコギだけでロックバンドやってるやつもいる。来年はこのブースにアコギも置いておいてくださいよ!」
と言っていたが、来年は普通にCHAOS STAGEに出ていてもいいと思う。
17:00~ ROTTENGRAFFTY [CAVE STAGE]
意外にもこのフェスには初出演となるロットン。サウンドチェックでいきなりSiMの「KiLLiNG ME」を演奏するという大サービスを見せると、当然大歓声。初出演で出番前から完全にフェスの空気を掴んでいる。実に完成度の高いカバーだったのだが、これまでにもフェスで何度かやっているようで、それも納得。
本編では「世界の終わり」からスタートし、完全にフェス仕様のセトリ。(良くも悪くも)その中に待望の新曲「So…Start」も挟まれるが、こうして新曲が出ることによってセトリにも変化が生まれるだろうか。
序盤から両ボーカルの声は非常に良く出ており、時折打ち込みのサウンドも使いながらも音は非常に重い。それでいて踊れる曲もあるのは、ロットンにはレゲエの要素こそないし、SiMにはロットンのように京都弁を使ったりするところはないが、SiMと通じるところ。本人たちも
「SiMにはキツい時とかにずっと背中を押してもらい続けてきた」
と、初出演でありだいぶ年齢は違えど、仲間としてSiMに感謝の気持ちを伝える。
すると後半にはNOBUYAとKAZUOMI(ギター)が次々に客席に突入して煽りまくる。初めて立つステージにもかかわらず使い方を完全に掌握しているのはさすがとしか言えない。
あっという間のラストはやはり「金色グラフティー」だが、歌詞をDEAD POP FES仕様に変えるという即興でのパフォーマンスを見せると、ステージには盟友である10-FEETのTAKUMAが登場し、NAOKIの邪魔をしまくって爆笑を巻き起こすという、これまでにも様々な場面で見せてきた両バンドの絆を見せつけた。
ロットンも10-FEETと同様に地元の京都で大規模なイベントを主催している。そのイベントを開催する際、10-FEETはもちろん、もしかしたらSiMにもいろんな話を聞いていたかもしれないし、逆にSiMもロットンからいろいろ学んできたかもしれない。ともに仲間との絆を何よりも大切にするバンドだからこそ、音楽性以上に初出演にもかかわらずアウェー感は1%もなかった。
1.世界の終わり
2.STAY REAL
3.So…Start
4.響く都
5.D.A.N.C.E.
6.This wolrd
7.金色グラフティー
金色グラフティー
https://youtu.be/At_Ln0_BxPQ
17:40~ Dizzy Sunfist [CHAOS STAGE]
今年3月リリースのフルアルバム「Dizzy Beats」で一気に名を広めた、大阪の女性ボーカルスリーピースメロディックパンクバンド、Dizzy Sunfistが2年連続でこのフェスに出演。
もはやサウンドチェックの段階でダイバーが発生してセキュリティが慌ててステージ前に出てくるというあたりからも今のこのバンドの勢いが現れているが、その勢いそのままに、あやぺた(ボーカル&ギター)といやま(ベース&ボーカル)の息ぴったりのハーモニーを生かした、1曲1~2分台のパンクチューンを連発していく。当然せわしなくダイバーが流れていく、というかこの日このステージで最も多くのダイバーが発生していたのはこのバンドかもしれない。
そんな中にもスカパンクの影響も感じるダンスナンバーもあるが、やはりそういうタイプの曲でもひたすらにBPMが速く、ダイバーが途絶えることはない。その速さとバンドのダイナミズムを支えるのは、唯一の男性メンバーであるドラムのもあい。時折入れるコーラスも女性2人がメインボーカルなだけに実に効果的。
客席に突入して叫ぶように言う、あやぺたのMCは気持ちが先行しまくってて、時に何を言っているのかよくわからないが、
「SiMは飲んでる時にゲロを吐いたり、粗相ばっかりする私たちをこうして2年連続でフェスに呼んでくれたり、ツアーに呼んでくれたりと、感謝しかありません!」
とSiMへの感謝だけはしっかりと誰しもにもわかるように伝える。
女性ボーカルのメロディックパンクバンドというと、もはやパッと思い浮かぶ存在が全くいないくらいに焼け焦げてしまったスタイルであるが、そんな中でこのバンドが一気に浮上してきたのはやはり抜群のメロディの良さ。それはフォーリミやWANIMAがそうであるように、パンクの要素が強いバンドが頭一つ抜け出すには最も大切なものであるが、このバンドはその大切なものをしっかり持っている。
そして、現在のシーンには見るからに可愛いと評されるような女性ボーカルのバンドも多いが、そういう可愛さという要素は年月を経るとなくなっていく。
しかし、このバンドの女性メンバーのように、可愛いではなくカッコいいと思える人なら、年月を経ても意志さえ曲げたり消えたりしなければ、魅力は絶対に変わらない。きっと、このバンドのカッコよさもずっと変わることはない。
1.119
2.SUPER HERO
3.Dizzy Beat
4.SULLEY
5.Joking
6.Piece of Cake
7.Tonight,Tonight,Tonight
8.Someday
9.SHOOTING STAR
10.FIST BUMP
SHOOTING STAR
https://youtu.be/r9jdSz2WpJ8
18:15~ Dragon Ash [CAVE STAGE]
このフェスのトリ前を務めるのはDragon Ash。ミクスチャーロックというスタイルはSiMに連なる、ある意味偉大な先輩というべきバンドである。
メンバーが登場すると、ダンスミュージックの要素も取り入れた「House of Velocity」でスタート。VIVA LA ROCKの時もこの曲を演奏していたし、さらにその時はこの曲と同じく、アルバム「HARVEST」に収録された「Revive」が演奏されたりしていたが、今になってこうして「HARVEST」の曲を演奏するようになったのはなぜなんだろうか。
「For diver's erea」で一気にサンバカーニバルのような様相を呈してくると、「Still Goin' On」ではヒップホップチーム、YALLA FAMILYの面々が登場し、kjも含めてチームワーク抜群のマイクリレーを見せる。
Kenkenの超絶ベースとボーカルをフィーチャーした「The Live」ではアウトロでSiMの「Blah Blah Blah」のラテンアレンジを演奏するというサプライズ。このカッコよさはさすがDragon Ashというようなアレンジ。
するとKjが
「俺たちは10代の時から山嵐のイベントに呼んでもらってずっと出させてもらっていて。俺は山嵐が日本のミクスチャーロックっていうものを作ったと思ってるんだけど。
そうしたら俺らの同世代に10-FEETっていう奴らがいて。そいつらが京都大作戦っていう、日本で1番楽しいフェスを初めて。で、最近後ろから違う足音が聞こえるようになってきた。振り向いたらそこにSiMっていうやつらがいて、そいつらがここでこんなに楽しいフェスを作っていた」
と、日本のミクスチャーの礎から今のSiMまでを一直線につなぐ、このバンドだからこそ言える言葉をSiMのメンバーに送る。
そしてその後の「百合の咲く場所で」での超巨大サークルの出現と、ラストの「Fantasista」での大合唱。やはりフェスにこのバンドが出ると、その瞬間には前に出てきたバンドのことを忘れるくらいに全てをかっさらっていってしまう。このバンドが「フェスキング」とも称される所以。
ちなみに、ドラム桜井誠による飲食ブース、桜井食堂はこの日夕方前には食べ物が全て売り切れるという大繁盛ぶりだった。これもまたもはやフェスにはなくてはならないものになっている。
1.House of Velocity
2.For diver's erea
3.Still Goin' On
4.The Live
5.百合の咲く場所で
6.Fantasista
Fantasista
https://youtu.be/yrmkI-L_KIQ
18:55~ The BONEZ [CHAOS STAGE]
様々なバンドが出演したCHAOS STAGEのトリはRIZEのJESSEらによるバンド、The BONEZ。Dragon Ashの直後にJESSEのバンドを見れるというのは世代的にはたまらないものがある。
3月にリリースされた新作アルバムの「To a person that may save someone」で勇壮な合唱を起こしてスタートすると、続く「Place of Fire」からは一気にラウドに振り切り、モッシュ、ダイブ、サークルと観客も好き放題に暴れまくる。JESSEのボーカルも優しさを含みながらも一気に攻撃的に。
そのJESSEは途中で服を脱いで上半身裸になると、体全体に刻まれたタトゥーもあらわに。その状態で客席に突入して煽りまくるが、予想以上に手拍子を煽る場面が多いのが印象的。
「こうしてこのステージに立っている俺たちも、世の中に何万個もあるバンドのうちの一つでしかない」
と繰り返し語りながら、RIZEとThe BONEZを支え続けてくれた友人をステージに招いて誕生日を祝うというやりたい放題ぶりには変わらぬやんちゃ心を感じさせ、そのままその友情を曲にした「Friends」でメンバー観客一体となった大合唱を起こすと、最後に「Thread & Needle」を叩きつけ、
「SiM、あとは頼んだぞー!」
と、SiMが唯一しっかりライブを見れない枠(出番直前)という、トリではあるが実に難しい立場のステージを見事にSiMに繋いでみせた。
JESSEは間違いなくDragon Ashとともにこの国のミクスチャーロックのパイオニアの1人。その男がこの国の新たなミクスチャーロックヒーローにバトンを手渡す。それは単に出番という名のバトンであり、もしかしたら時代という名のバトンなのかもしれないが、JESSEのステージに立っている時のオーラとカリスマ性は衝撃的なデビュー時から今も全く変わっていない。
1.To a person that may save someone
2.Place of Fire
3.Zenith
4.Louder
5.Adam & Eve
6.Friends
7.Thread & Needle
To a person that may save someone
https://youtu.be/KLzEjZ9t-C0
19:30~ SiM [CAVE STAGE]
そしていよいよ、2日間のこのフェスを締め括るべく、主催者のSiMがステージに登場。MAHはこの日は緑色のシャツを着用し、観客の目と体を起こすべく、「Get Up,Get Up」からスタート。この時間まで残っていた全ての人が待ち望んでいたアクトなだけに、序盤からダイブが発生するのはもちろん、凄まじい盛り上がりを見せるが、メンバーも気合い入りまくりの演奏で応える。時にはカメラ目線で演奏したり、カメラに向かってピースしたりするという余裕とサービス精神も見せてはいるが。
客席がツーステだらけになる「Amy」から、不穏な電子音が会場を包むと一斉に両手を交互に上げ下げするモンキーダンスが発生する「GUNSHOTS」と、さすがにフェスの締めくくりに相応しい、ベスト的な選曲。
「今日、改めて実感したことがあって。やっぱりライブって最高だなって。普段家で曲を聴いているバンドが目の前で演奏してて、しかも自分たちに対する言葉を口にしてくれる。こんなに最高なことはないです」
と、この2日間を総括するような感想を述べると、SINとSHOW-HATEがジャンプしまくる必殺曲「Blah Blah Blah」から、最初は観客に巨大サークルを作るように指示するも、「キビキビ動きなさい!」となかなか思うようにならず、結果的にはPAテントの回りを走るように指示するとたくさんの人がPAテントの回りを反時計回りに走り回る「Faster Than The Clock」と、SiMのライブでしかあり得ないような景色を作り出す。
今年リリースの最新アルバム「THE BEAUTiFUL PEOPLE」のリード曲「MAKE ME DEAD!」もすでにこのバンドのアンセムの一つと化し、妖しげなコーラスの大合唱を起こした「Crowds」から、あっという間のラストはやはり「KiLLiNG ME」。ラストのサビ前でMAHが観客にしゃがむように呼びかけ(かなり時間がかかったけど)、観客全員が一斉に飛んで突入した最後のサビではこの日最大の熱狂が起きた。
アンコールで再びメンバーが登場すると、MAHが
「あんまりこういうことをライブで言いたくないんだけど」
と前置きしながら、
「2日間で宙を舞うペットボトルをたくさん見た。俺あんまり好きじゃないんだ。投げたやつは誰かが拾わなきゃいけない。自分が出したゴミを他の人に拾わせるのはやめよう。
せっかくダイブとかに関して制限したりしてないのに、そんなとこでトラブル起こしたくないから」
と観客にマナーについて呼びかけた。こういうことをステージ上から言われたくない人もいるかもしれないが、そういう人もいるのがわかっている上でこういうことを言えるというのは本当にカッコいいし、こうしたデカい会場でたくさんの人の前でこういうことを言ってくれたら、激しいバンドのライブ=マナーが悪いという先入観を持っている人が少しは減るかもしれない。
するとここでこの日の出演者を全員呼び、客席を背景に写真撮影。MAHのコスプレをした、ゴールデンボンバーの鬼龍院がMAHの隣に来てしまって笑いを起こしながら撮り終わると各々がステージから去っていくのだが、ステージには新たにドラムセットとシンセが。しかもSiMのメンバーとともにステージに残ったままのCrossfaithのメンバー。もうこの時点でバレバレだが、ここで9人全員の演奏による、コラボ曲「GET iT OUT」を披露というスペシャルな展開に。爆音かつ轟音のサウンドの上をMAHが歌い、Koieが叫ぶという最強にして最恐のコラボ。
しかしそれでもまだ終わらず、MAHとKoieが楽しそうに話していると、2人が両サイドから襖を開けるようにして、客席にスペースを開けるように指示。真ん中、右側、左側の三ヶ所にスペースを作ると、2バンドによる「f.a.i.t.h」でウォールオブデスを発生させるという、SiM流の締め方でこのフェスの最後の瞬間を作り上げ、MAHが
「帰れー!」
と叫んでステージを去り、この会場で2年目の開催となるDEAD POP FESTiVALは幕を閉じた。
ラウドバンドを中心にしながらも、「壁を壊す」というのをテーマにしているだけあり、今年も様々なタイプのバンドが名を連ねたこのフェス。インフラ面も含めて、2年目にしてすでに完成形なんじゃないかというふうにすら感じるが、「ずっと続けていきたい」とMAHが語ったように、SiMが活動する限りは、またいろんな他のフェスからの影響を受けたりしながらもずっと続いていくだろう。
こうして主催フェスに来ると、そのバンドがもっと好きになる。京都大作戦も、YON FESも、このフェスも。それはそのフェスに来ればそのバンドがどんな意思でフェスを開催して、出演者を集めているかがよくわかるから。また来年、できればずっと続きますように。
1.Get Up,Get Up
2.Amy
3.GUNSHOTS
4.Blah Blah Blah
5.Faster Than The Clock
6.MAKE ME DEAD!
7.Crowds
8.KiLLiNG ME
encore
9.GET iT OUT vs Crossfaith
10.f.a.i.t.h vs Crossfaith
MAKE ME DEAD!
https://youtu.be/DHQSXYNdcF8
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