THE BAWDIES 「SHOUT OUT LOUD!」 @日比谷野外大音楽堂 7/2
- 2016/07/02
- 23:33
もはや気候は完全に夏。この日には京都大作戦も開催されており、本格的に夏フェスシーズンの幕開けとなる7月だが、その暑い気候をさらに熱くすべく、これまでに日本武道館や横浜アリーナなどでのアリーナクラスでもワンマンを行っているTHE BAWDIESが初の野外ワンマンを開催。大阪に続き、この日は日比谷野音。チケットは当然ソールドアウト。
ステージには主に木材を中心としたセットが組まれており、そのセットを囲むような円形の照明、さらにドラムセットの上にはミラーボールも設置されており、初の野外ワンマンということで、いつものワンマンとは違ったライブになるのは間違いない。
18時を過ぎると、おなじみウィルソン・ピケット「ダンス天国」のSEで完璧に揃った手拍子が発生する中、爽やかな水色のスーツを着たメンバーがステージに登場。
「THE BAWDIESのお祭りだー!」
とROYが叫ぶと、ROYとTAXMANのツインボーカルが爽やかな「KICKS!」からスタート。手拍子とともに「HEY!」の掛け声が響く。
「合言葉は…心のパンティ、破り捨ててやろうかー!」
と叫び、さらに観客にその合言葉を復唱させて失笑が起こる中、ストレートなロックンロール「1-2-3」で衝動を炸裂させ(ライブで聴いたのはかなり久々)、クライマックスを担うことも多い「SING YOUR SONG」で早くも繰り返しの合唱を発生させる。つまりかなり暑い中、序盤から完全にエンジン全開である。
今やフェスなどではほとんどやらなくなったTAXMANボーカルの「B.P.B」でROYの熱く濃いボーカルスタイルとは真逆の爽やかな空気を作り出すと、「I'M IN LOVE WITH YOU」「EVERYDAY'S A NEW DAY」という、バンドの中でもハッピーかつ爽やかな曲が続いたのだが、このあたりはまだ陽の残る野音の空気に実によく似合っていた。
「MARCYがテレビの収録で「ロックとロックンロールの違いはなんですか?」って聞かれて、「どちらも楽しいものです」っていう答えにならないなぞかけみたいなことを言ってた(笑)」
と、序盤からおなじみのMARCYいじりをROYがする中(MARCYはアライグマのように本番前に手を洗いに行くらしい)、いよいよ今月リリースとなる、go! go! vanillasとのスプリットシングルに収録される「45s」で荒々しいガレージロックを鳴らして再びギアを上げると、
「go! go! vanillasとは事務所が一緒で。事務所には僕らとバニラズしかいないんで、もう兄弟みたいなもんなんですけど。…なんで笑うんですか?(笑)2組しかいないちっちゃい事務所だなってことですか?(笑)
最近はよくキャンペーンに2組で行くことも多いんですけど、僕はもうバニラズを弟のような存在だと思ってるわけです。なのにバニラズの牧は、我々のことを「先輩っす」っていうわけ。
で、この前ツイッターをパトロールしてたら、牧が「ブルエン兄さんとの対バン、最高でした!」ってツイートしてて。我々もブルエンと対バンしたんですよ。でもブルエンからしたら我々は弟の先輩ですよ(笑)めちゃ遠い存在ですよ(笑)」
と、この日会場に姿を見せていたバニラズのメンバーをいじって笑わせると、「EMOTION POTION」ではJIMとTAXMANのギタリストコンビが目配せすると、2人がセットから飛び降りて客席の目の前まで出てきてギターを弾く。この後も2人はそれぞれソロの際などにこのようにセットを飛び越えて前に出てきて演奏するという場面が見られた。
「せっかくBAWDIESの夏祭りということで、海っぽい曲を。我々もこの間海にみんなで行きましたね。MARCYさんは泳げないのにイルカの水着を着てましたけど(笑)(実際にはROYがMARCYにあげたものらしい)」
と、MARCYいじりが止まらない中、シングル曲の割にリリース直後以降はほとんどライブで演奏されていない「THE SEVEN SEAS」を披露。直後の「LEMONADE」もそうだが、こうしたミドルテンポの曲をシングルとしてリリースしたことが、後の「SUNSHINE」にも繋がっているし、さらに言うと「45s」でのガレージ色の強いロックに回帰している部分もあると思われる。
「THE SEVEN SEAS」では最後のサビでROYとTAXMANがそれぞれ1オクターブ上げて歌っていたのも、ロマンチックな中にエモーショナルさを感じさせるアレンジだった。
「こっからガンガン行くぞー!」
と「ROCK ME BABY」で飛び跳ねさせると、「KEEP ON ROCKIN'」ではメンバーが演奏を止めると、観客の手拍子のみが響き渡る。野外ということもあり、このままどこまでも広がっていきそうなくらいの手拍子のあと、初っ端から全開のコール&レスポンスを求めるも、さすがに最初から全開では返ってこず、メンバーがいったん演奏をストップ。ROYが
「我こそはというやつ、ステージの上で叫びたいやつはいないのかー!」
とコール&レスポンスの見本となる人材を求めるも、突然後ろを振り向き、
「君に決めた」
と決めた矛先はやはりMARCY。しかし当然ながらそんなシャウトはMARCYから返ってくるわけもなく、逆にMARCYに見本を見せるつもりで観客の大シャウトを求めると、今度は特大のコール&レスポンスが起こる。
そんな熱くなりまくった状態でさらなる新曲を投下。「SING YOUR SONG」を彷彿とさせるロックナンバーで、初聴きにもかかわらず客席では踊る人も多数。さらに「IT'S TOO LATE」とキラーチューンを挟むような形で、またしても新曲、今度はTAXMANボーカル曲を披露。
やはりROYのボーカル曲と比べると濃さはそこまでではないというか、むしろ父親が今でもコピーバンドをやっているというThe Beatlesの影響を強く感じさせる曲。このあたりは同じ志を持ちながらも、個人のこれまでの音楽遍歴を感じることができる。
そんな中、
「音楽がなければ生きられないという人もいるだろうし、そこまでではないという人もいるでしょう。でも1つだけ確かなのは、音楽は人生を輝かせることができる。強く背中を押すような曲ではありませんが」
と、ここまでのふざけたMCとは全く異なる、ロックンロールではなく音楽そのものに対しての純粋な思いをROYが語ってから演奏されたのは「SAD SONG」。
すっかり暗くなった中、派手に踊らせる曲ではなく、しっとりと聴かせるこの曲でミラーボールが輝きを受けて回り出す。アッパーなお祭りソングのイメージが強いが、こういった面もこのバンドの魅力の1つ。実際、この曲は非常にファンからも人気が高い。
そんな夜の野音の空気に浸ったあとにTAXMANが突如としてドラゴンボールのオープニング曲「摩訶不思議アドベンチャー」をギターで弾き始めると、「ドラゴンボールを揃えて願いを叶える場面」という小芝居がスタート。
MARCYが「永遠の若さが欲しい」というと、ROYに「お前はじゅうぶん可愛い」と却下され、ROYが「日比谷の平和を願う」という、過去最大に意味がわからない展開(後でTAXMANにも「意味がわからない」と突っ込まれていた)のあと、「HOT DOG、召し上がれ!」と何の脈絡もなく「HOT DOG」へ。もはや小芝居があればなんでもこの曲につながるようだ。
最近はフェスなどではラストを担うことも多い「JUST BE COOL」をもってしてもこの日はまだ終わらず、「YOU GOTTA DANCE」を皮切りに最近ではおなじみのメドレーに突入。「YOU GOTTA DANCE」をサビまでやると「YEAH」「LEAVE YOUR TROUBLES」とサビを演奏して「YOU GOTTA DANCE」のサビに戻って再び飛び跳ねさせるが、曲ごとのつなぎも実にスムーズなのはさすが。そろそろ「YEAH」も「LEAVE YOUR TROUBLES」も久しぶりにフルで聴きたいところだが。
後半になるにつれてさらに盛り上がりを増していく中、最後に「NO WAY」で叫ばせまくって、熱さが最大限に達した状態で本編は終了。それぞれメンバーが「ありがとうー!」と叫ぶ中、お辞儀だけして帰るMARCYの姿に笑いが起こる。
アンコールではメンバー全員がスーツを脱いでシャツ姿になり、円形の照明装置に腰掛けると、TAXMANがビールを空け、アコースティック編成でまたしても新曲を披露。まだ本当に出来たばかり、タイトルも決まってないということで、このアコースティックアレンジも変わるかもしれない。自身のボーカル曲の新曲をシングル曲にしたいTAXMANはこの曲を「カップリングにいいね」と評していた。
ROYがThe Beatlesの来日50年記念ライブに出演した時のエピソードを語ると、MARCYが「もう楽屋で3回くらい聞いたから面白くもなんともない」とこれまでのイジられっぷりの仕返しのようにバッサリと切り捨て、ワンマンではおなじみとなっているカバー曲のコーナーへ。リハーサルでは「STAND BY ME」を演奏していたが、この日アコースティックで演奏されたのは、坂本九の「上を向いて歩こう」をサム・クックなどがカバーしたバージョンのカバー、つまり孫カバー的な意味合いになる「sukiyaki」。
当然英語バージョンなのだが、最後の「一人ぼっちの夜」というフレーズだけは日本語で歌われる。ROYが日本語を歌うのは初めてであり、実に貴重。
ライブが終わってしまうのが名残惜しいのか、なかなか演奏をせずにメンバーが喋り続ける中、最後に演奏されたのは「SUNSHINE」。もともとミドルテンポの曲なのでアコースティックバージョンも非常によく似合うし、音数が少ないだけに、メンバーの美しいコーラスが実によく聴こえる。アッパーに夏の到来を告げるような曲ではないが、今年も様々な夏フェスの会場でこの曲を聴けるのが実に楽しみ。
最後は大将ことTAXMANによるわっしょいで締められるのだが、「いつものわっしょいで終わらせるつもりじゃないだろうな」とROYに煽られたことで、アコギを弾きながらわっしょいの歌を歌い始める。途中でセリフが挟まれるとメンバーが笑い転げていただけに、これはアドリブだったんだろうか。
TAXMANが「一緒にわっしょいをしませんか」と声をかけたおっさんが30年後の自分自身だったという衝撃的なオチによってわっしょいの歌は締められ、普段通りのわっしょいも行われ、メンバーがピックなどをばら撒きながらステージを去り、初の野音ワンマンは幕を閉じた。客電がついたあと、うっすらと光に照らされたステージが実に美しかった。
気温も暑かったが、バンドの演奏により、指定席にもかかわらず飛び跳ねまくったことで、本当に熱い1日だった。
ROYが言っていた通り、新曲大放出という内容だったが、これは近いうちにアルバムが発表されるとみて間違いないだろう。この日披露された新曲からすると、荒々しいガレージロックからミドルテンポの曲まで、THE BAWDIESの魅力が詰め込まれたものになりそう(TAXMANのボーカル曲は間違いなくアルバムに入る曲だろうし)だが、弟的な存在のgo! go! vanillasとのスプリットシングルとツアーはどこまでこれからのTHE BAWDIESの音楽に影響をもたらすだろうか。
もはや年齢的にも立ち位置的にもTHE BAWDIESは若手バンドというところではない。それこそgo! go! vanillasのようにもっと若いバンドが次々にシーンに登場してきている。しかし未だに洗練とは無縁、今でも心から音楽を楽しみ、ロックンロールを愛するがゆえに、ロックの魔法にかかったままなのはデビュー当時から全く変わらない。だからこれからもずっと最強のグルーヴで我々を踊らせて、楽しませてくれるはず。
1.KICKS!
2.1-2-3
3.SING YOUR SONG
4.B.P.B
5.I'M IN LOVE WITH YOU
6.EVERYDAY'S A NEW DAY
7.45s
8.EMOTION POTION
9.THE SEVEN SEAS
10.LEMONADE
11.ROCK ME BABY
12.KEEP ON ROCKIN'
13.新曲
14.IT'S TOO LATE
15.新曲
16.SAD SONG
17.HOT DOG
18.JUST BE COOL
19.メドレー (YOU GOTTA DANCE ~ YEAH ~ LEAVE YOUR TROUBLES ~ YOU GOTTA DANCE)
20.NO WAY
encore
21.新曲 (アコースティック)
22.sukiyaki (カバー、アコースティック)
23.SUNSHINE (アコースティック)
45s
https://youtu.be/pJsgdKES6Cs
Next→ 7/3 Czecho No Republic presents ドリームシャワー2016 @新木場STUDIO COAST
ステージには主に木材を中心としたセットが組まれており、そのセットを囲むような円形の照明、さらにドラムセットの上にはミラーボールも設置されており、初の野外ワンマンということで、いつものワンマンとは違ったライブになるのは間違いない。
18時を過ぎると、おなじみウィルソン・ピケット「ダンス天国」のSEで完璧に揃った手拍子が発生する中、爽やかな水色のスーツを着たメンバーがステージに登場。
「THE BAWDIESのお祭りだー!」
とROYが叫ぶと、ROYとTAXMANのツインボーカルが爽やかな「KICKS!」からスタート。手拍子とともに「HEY!」の掛け声が響く。
「合言葉は…心のパンティ、破り捨ててやろうかー!」
と叫び、さらに観客にその合言葉を復唱させて失笑が起こる中、ストレートなロックンロール「1-2-3」で衝動を炸裂させ(ライブで聴いたのはかなり久々)、クライマックスを担うことも多い「SING YOUR SONG」で早くも繰り返しの合唱を発生させる。つまりかなり暑い中、序盤から完全にエンジン全開である。
今やフェスなどではほとんどやらなくなったTAXMANボーカルの「B.P.B」でROYの熱く濃いボーカルスタイルとは真逆の爽やかな空気を作り出すと、「I'M IN LOVE WITH YOU」「EVERYDAY'S A NEW DAY」という、バンドの中でもハッピーかつ爽やかな曲が続いたのだが、このあたりはまだ陽の残る野音の空気に実によく似合っていた。
「MARCYがテレビの収録で「ロックとロックンロールの違いはなんですか?」って聞かれて、「どちらも楽しいものです」っていう答えにならないなぞかけみたいなことを言ってた(笑)」
と、序盤からおなじみのMARCYいじりをROYがする中(MARCYはアライグマのように本番前に手を洗いに行くらしい)、いよいよ今月リリースとなる、go! go! vanillasとのスプリットシングルに収録される「45s」で荒々しいガレージロックを鳴らして再びギアを上げると、
「go! go! vanillasとは事務所が一緒で。事務所には僕らとバニラズしかいないんで、もう兄弟みたいなもんなんですけど。…なんで笑うんですか?(笑)2組しかいないちっちゃい事務所だなってことですか?(笑)
最近はよくキャンペーンに2組で行くことも多いんですけど、僕はもうバニラズを弟のような存在だと思ってるわけです。なのにバニラズの牧は、我々のことを「先輩っす」っていうわけ。
で、この前ツイッターをパトロールしてたら、牧が「ブルエン兄さんとの対バン、最高でした!」ってツイートしてて。我々もブルエンと対バンしたんですよ。でもブルエンからしたら我々は弟の先輩ですよ(笑)めちゃ遠い存在ですよ(笑)」
と、この日会場に姿を見せていたバニラズのメンバーをいじって笑わせると、「EMOTION POTION」ではJIMとTAXMANのギタリストコンビが目配せすると、2人がセットから飛び降りて客席の目の前まで出てきてギターを弾く。この後も2人はそれぞれソロの際などにこのようにセットを飛び越えて前に出てきて演奏するという場面が見られた。
「せっかくBAWDIESの夏祭りということで、海っぽい曲を。我々もこの間海にみんなで行きましたね。MARCYさんは泳げないのにイルカの水着を着てましたけど(笑)(実際にはROYがMARCYにあげたものらしい)」
と、MARCYいじりが止まらない中、シングル曲の割にリリース直後以降はほとんどライブで演奏されていない「THE SEVEN SEAS」を披露。直後の「LEMONADE」もそうだが、こうしたミドルテンポの曲をシングルとしてリリースしたことが、後の「SUNSHINE」にも繋がっているし、さらに言うと「45s」でのガレージ色の強いロックに回帰している部分もあると思われる。
「THE SEVEN SEAS」では最後のサビでROYとTAXMANがそれぞれ1オクターブ上げて歌っていたのも、ロマンチックな中にエモーショナルさを感じさせるアレンジだった。
「こっからガンガン行くぞー!」
と「ROCK ME BABY」で飛び跳ねさせると、「KEEP ON ROCKIN'」ではメンバーが演奏を止めると、観客の手拍子のみが響き渡る。野外ということもあり、このままどこまでも広がっていきそうなくらいの手拍子のあと、初っ端から全開のコール&レスポンスを求めるも、さすがに最初から全開では返ってこず、メンバーがいったん演奏をストップ。ROYが
「我こそはというやつ、ステージの上で叫びたいやつはいないのかー!」
とコール&レスポンスの見本となる人材を求めるも、突然後ろを振り向き、
「君に決めた」
と決めた矛先はやはりMARCY。しかし当然ながらそんなシャウトはMARCYから返ってくるわけもなく、逆にMARCYに見本を見せるつもりで観客の大シャウトを求めると、今度は特大のコール&レスポンスが起こる。
そんな熱くなりまくった状態でさらなる新曲を投下。「SING YOUR SONG」を彷彿とさせるロックナンバーで、初聴きにもかかわらず客席では踊る人も多数。さらに「IT'S TOO LATE」とキラーチューンを挟むような形で、またしても新曲、今度はTAXMANボーカル曲を披露。
やはりROYのボーカル曲と比べると濃さはそこまでではないというか、むしろ父親が今でもコピーバンドをやっているというThe Beatlesの影響を強く感じさせる曲。このあたりは同じ志を持ちながらも、個人のこれまでの音楽遍歴を感じることができる。
そんな中、
「音楽がなければ生きられないという人もいるだろうし、そこまでではないという人もいるでしょう。でも1つだけ確かなのは、音楽は人生を輝かせることができる。強く背中を押すような曲ではありませんが」
と、ここまでのふざけたMCとは全く異なる、ロックンロールではなく音楽そのものに対しての純粋な思いをROYが語ってから演奏されたのは「SAD SONG」。
すっかり暗くなった中、派手に踊らせる曲ではなく、しっとりと聴かせるこの曲でミラーボールが輝きを受けて回り出す。アッパーなお祭りソングのイメージが強いが、こういった面もこのバンドの魅力の1つ。実際、この曲は非常にファンからも人気が高い。
そんな夜の野音の空気に浸ったあとにTAXMANが突如としてドラゴンボールのオープニング曲「摩訶不思議アドベンチャー」をギターで弾き始めると、「ドラゴンボールを揃えて願いを叶える場面」という小芝居がスタート。
MARCYが「永遠の若さが欲しい」というと、ROYに「お前はじゅうぶん可愛い」と却下され、ROYが「日比谷の平和を願う」という、過去最大に意味がわからない展開(後でTAXMANにも「意味がわからない」と突っ込まれていた)のあと、「HOT DOG、召し上がれ!」と何の脈絡もなく「HOT DOG」へ。もはや小芝居があればなんでもこの曲につながるようだ。
最近はフェスなどではラストを担うことも多い「JUST BE COOL」をもってしてもこの日はまだ終わらず、「YOU GOTTA DANCE」を皮切りに最近ではおなじみのメドレーに突入。「YOU GOTTA DANCE」をサビまでやると「YEAH」「LEAVE YOUR TROUBLES」とサビを演奏して「YOU GOTTA DANCE」のサビに戻って再び飛び跳ねさせるが、曲ごとのつなぎも実にスムーズなのはさすが。そろそろ「YEAH」も「LEAVE YOUR TROUBLES」も久しぶりにフルで聴きたいところだが。
後半になるにつれてさらに盛り上がりを増していく中、最後に「NO WAY」で叫ばせまくって、熱さが最大限に達した状態で本編は終了。それぞれメンバーが「ありがとうー!」と叫ぶ中、お辞儀だけして帰るMARCYの姿に笑いが起こる。
アンコールではメンバー全員がスーツを脱いでシャツ姿になり、円形の照明装置に腰掛けると、TAXMANがビールを空け、アコースティック編成でまたしても新曲を披露。まだ本当に出来たばかり、タイトルも決まってないということで、このアコースティックアレンジも変わるかもしれない。自身のボーカル曲の新曲をシングル曲にしたいTAXMANはこの曲を「カップリングにいいね」と評していた。
ROYがThe Beatlesの来日50年記念ライブに出演した時のエピソードを語ると、MARCYが「もう楽屋で3回くらい聞いたから面白くもなんともない」とこれまでのイジられっぷりの仕返しのようにバッサリと切り捨て、ワンマンではおなじみとなっているカバー曲のコーナーへ。リハーサルでは「STAND BY ME」を演奏していたが、この日アコースティックで演奏されたのは、坂本九の「上を向いて歩こう」をサム・クックなどがカバーしたバージョンのカバー、つまり孫カバー的な意味合いになる「sukiyaki」。
当然英語バージョンなのだが、最後の「一人ぼっちの夜」というフレーズだけは日本語で歌われる。ROYが日本語を歌うのは初めてであり、実に貴重。
ライブが終わってしまうのが名残惜しいのか、なかなか演奏をせずにメンバーが喋り続ける中、最後に演奏されたのは「SUNSHINE」。もともとミドルテンポの曲なのでアコースティックバージョンも非常によく似合うし、音数が少ないだけに、メンバーの美しいコーラスが実によく聴こえる。アッパーに夏の到来を告げるような曲ではないが、今年も様々な夏フェスの会場でこの曲を聴けるのが実に楽しみ。
最後は大将ことTAXMANによるわっしょいで締められるのだが、「いつものわっしょいで終わらせるつもりじゃないだろうな」とROYに煽られたことで、アコギを弾きながらわっしょいの歌を歌い始める。途中でセリフが挟まれるとメンバーが笑い転げていただけに、これはアドリブだったんだろうか。
TAXMANが「一緒にわっしょいをしませんか」と声をかけたおっさんが30年後の自分自身だったという衝撃的なオチによってわっしょいの歌は締められ、普段通りのわっしょいも行われ、メンバーがピックなどをばら撒きながらステージを去り、初の野音ワンマンは幕を閉じた。客電がついたあと、うっすらと光に照らされたステージが実に美しかった。
気温も暑かったが、バンドの演奏により、指定席にもかかわらず飛び跳ねまくったことで、本当に熱い1日だった。
ROYが言っていた通り、新曲大放出という内容だったが、これは近いうちにアルバムが発表されるとみて間違いないだろう。この日披露された新曲からすると、荒々しいガレージロックからミドルテンポの曲まで、THE BAWDIESの魅力が詰め込まれたものになりそう(TAXMANのボーカル曲は間違いなくアルバムに入る曲だろうし)だが、弟的な存在のgo! go! vanillasとのスプリットシングルとツアーはどこまでこれからのTHE BAWDIESの音楽に影響をもたらすだろうか。
もはや年齢的にも立ち位置的にもTHE BAWDIESは若手バンドというところではない。それこそgo! go! vanillasのようにもっと若いバンドが次々にシーンに登場してきている。しかし未だに洗練とは無縁、今でも心から音楽を楽しみ、ロックンロールを愛するがゆえに、ロックの魔法にかかったままなのはデビュー当時から全く変わらない。だからこれからもずっと最強のグルーヴで我々を踊らせて、楽しませてくれるはず。
1.KICKS!
2.1-2-3
3.SING YOUR SONG
4.B.P.B
5.I'M IN LOVE WITH YOU
6.EVERYDAY'S A NEW DAY
7.45s
8.EMOTION POTION
9.THE SEVEN SEAS
10.LEMONADE
11.ROCK ME BABY
12.KEEP ON ROCKIN'
13.新曲
14.IT'S TOO LATE
15.新曲
16.SAD SONG
17.HOT DOG
18.JUST BE COOL
19.メドレー (YOU GOTTA DANCE ~ YEAH ~ LEAVE YOUR TROUBLES ~ YOU GOTTA DANCE)
20.NO WAY
encore
21.新曲 (アコースティック)
22.sukiyaki (カバー、アコースティック)
23.SUNSHINE (アコースティック)
45s
https://youtu.be/pJsgdKES6Cs
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