NICO Touches the Walls TOUR 2016 ”勇気も愛もないなんて” @Zepp DiverCity 4/23
- 2016/04/23
- 23:28
昨年末にギターの古村が手を骨折するも、バンドにとって3度目となる日本武道館ワンマンで見事に復活を果たし、そのライブのMCでニューアルバム「勇気も愛もないなんて」のリリースを発表した、NICO Touches the Walls。
武道館が年明け直後であり、アルバムが3月リリース、そこからツアーが始まり、さらに対バンツアーも並行して行なわれ、この日が早くもツアーファイナルという、詰め込み過ぎじゃないのか!?と思うくらいにタイトなスケジュールでのツアーとなっている。
ステージの後ろには赤い幕が張られており、劇場のような空気を感じさせる中、18時を過ぎると、その幕が開いてスクリーンが出現し、様々な動物たちの映像が映し出されると、メンバーがそれぞれフラッとステージに登場。対馬(ドラム)のハット姿が今日も渋い。
1曲目はアルバムのオープニング曲にして、最初にアルバムを聴いた時は、「これ違うCDが入ってるんじゃないのか?」と疑ってしまった、メンバー全員のコーラスが重なっていく「フィロローグ」でスタート。(音源では光村が全部自分でコーラスを入れたらしいが)
途中では光村がステージ前に出てきて、「もっと来い!」とばかりに観客を手で煽る。今まではメインでコーラスを務めていたのは主に対馬であることが多かったが、このメンバー全員のコーラスは今後のバンドの引き出しをさらに増やすんじゃないかという感じがする。
アルバムのリード曲と言える、武道館で一足先に演奏された「エーキューライセンス」では、ステージを左右に動きながらギターを弾いていた古村が、最後のサビでは光村のギターに近づき、1本のマイクに2人で歌うという、なんとも微笑ましい姿を見せ、最終的には坂倉のマイクでも歌う。このあたりはただ演奏が上手いだけではなく、パフォーマンス面でもツアーを重ねたことによって向上しているのがよくわかる。
「エーキューライセンス」には
「僕は今夜もイメトレ」「繰り返すのさイメトレ」
というフレーズがあるのだが、それに合わせたのか、次に演奏されたのは、バンド初期のキラーチューン「image training」。最新曲に続いて聴くと、そのシンプルな演奏ぶりが逆に新鮮。かつて「Wall Is Beginning」リリース時は自らの存在を証明するかのようにガムシャラに演奏していたこの曲も、今ではメンバーの表情からは余裕を感じることができる。既存曲にはアレンジを施しがちなバンドだが、この曲はほぼ原曲のままと言っていい。
やはり東京で演奏されることにより、「今、ここ」を間違いなく感じさせてくれる「TOKYO Dreamer」を終えると光村が、
「春ですね。春といえばユーミン、マッキー、そして対馬君の口笛です」
と振ると対馬が口笛を見事に吹き、光村と古村もそれに続き、その光村と古村がアコギで演奏したのは、アコースティックアルバムに収録されていた「口笛吹いて、こんにちは」。アコースティックアルバム収録曲とはいえ、実にバンド感の強い演奏を見せると、サビの
「仕事サボった僕がいる でも全然大丈夫」
のフレーズを
「大丈夫…じゃない!」
と叫んで演奏を止め、
「この中に寝坊したことある人?」
と問いかけると、
「僕は昔、女の子とデートする時に寝坊して、1時間遅刻しました。それを歌詞にした曲です!」
と言って、タイトル通りにブギの要素を取り入れた、軽快な「ブギウギルティ」へ。
「寝坊したギルティなあなたたちも、この言葉を唱えれば大丈夫!」
と言うと、観客は自らの罪を浄化するべく、コーラスを大合唱する。
久々にライブで聴いた「有言不実行成仏」では坂倉がゴリゴリのベースで引っ張る中、途中で一気にリズムが裏拍に変わり、まるで「The BUNGY」のようなリズムじゃないか、と思ったらまさにその「The BUNGY」につながるという、見事としか言えないようなアレンジを見せる。メジャーデビュー初期のこの曲がこうして他の曲の進化に合わせて今でもキラーチューンであり続けるというのは実に稀有なパターンだと思う。
すると一転して光村のアコギと歌だけから、古村のギター、対馬のドラム、坂倉のベースが順番に重なっていく「ウソツキ」。武道館で披露された時は光村の弾き語りだったが、バンドアレンジも弾き語りに寄り添うような形になっている。
そのまま「ローハイド」も光村がアコギ、メンバーも最小限の音でのシンプルなアレンジで始まり、最初のサビを終えたところで従来のアレンジへ。これによりさらに曲に爆発力が増している。こういうアレンジで曲の力をさらに際立たせているのは本当にすごい。アレンジする曲としない曲の見極めを含めて。
それだけに「手をたたけ」では最初から手拍子とギターのサウンドが重厚なロックさを感じさせると、光村が
「「エーキューライセンス」という曲を作ったにもかかわらず、メンバーが誰も自動車の免許を持っていないのはいかがなものかと思いまして。ツアー中に免許を取りに行こうと決心しまして」
と話し始めると、古村が見事に免許を取得し、常に持ち歩いているという初心者マークを客席に見せつける。免許の交付日が甲府でのライブの日だったということで、「甲府で交付」という微妙なリアクションになったダジャレも飛び出す。
ちなみに坂倉はもうちょっとで仮免取得、光村と対馬は教習所のパンフレットをもらっただけという進捗状況とのことだが、このエピソードからは、これだけライブで全国を廻ってきたバンドにもかかわらず、若くしてメジャーデビューしただけに、自分たちだけで車を運転してツアーを廻るような、下積みというものをあまり経験してこなかったバンドであることを実感させる。だからこそ、挫折を経験してのリベンジがとてもよく似合うバンドになったと言える。
今後は古村が運転してツアーを廻りたいと宣言していたが。
そこからはクライマックスとばかりに、エモーション噴出しまくりの疾走感溢れる「渦と渦」、妖しい照明の中でサビの四つ打ち部分では観客がタオルを回す「妄想隊員A」、最後のサビ前で光村が焦らすようにタメにタメまくってから歌い出した「ニワカ雨ニモ負ケズ」、光村が歌をほとんど客に委ねて前に出てきてギターを弾く「まっすぐなうた」では曲終わりでステージに倒れこみながらギターを弾くという、ただでさえやたらと暑かった会場をさらに熱く燃えたぎらせるパフォーマンスを見せる。
これまでに何度となく様々なアレンジで演奏されてきたリベンジソング「天地ガエシ」では光村がテンションが上がりすぎたのか、なぜか「川崎ー!」と叫ぶという場面もありつつ、ステージからはスタッフが巨大風船を客席に投げ込み、その巨大風船が割れると、中からはたくさんのカラフルな風船が。一つはステージに戻ってきてしまい、古村に当たって割れ、ステージが風船だらけに。その古村はギターのストラップが外れ、途中でギターの音が消えるも、全く笑顔に変化はなく、スタッフの手によってギターを持ち直す。この程度では全く動じないあたりはさすがに数え切れないくらいの場数を踏んできた男である。
そして光村が
「今回のアルバムでようやく等身大の自分を出すことができた」
とアルバムへの手応えを口にすると、国道を歩いているような映像から、冒頭のように動物たちの映像に切り替わる、アルバムの最後を締めくくるタイトル曲「勇気も愛もないなんて」で、光村の稀代のメロディーメーカーぶりが冴え渡って終了。これだけ歌いまくってもキレイに高音が出せるボーカルも素晴らしい。
アンコールではツアーTシャツに着替えて登場し、
「今年最後のこの曲を」
と言って演奏されたのは、かつては武道館でも演奏されたことのあるバラード「April」。演奏されたのは間違いなく今が4月だからであろうが、こうして毎年この時期に聴きたいくらいの名曲である。
すると、光村が踊りまくるMVが先日公開されたばかりの新曲「ストラト」を披露。「まっすぐなうた」や「渦と渦」といった近年のシングル曲に比べると、やや落ち着いたタイプの曲ではあるが、この曲が5月にシングルとしてリリースされ、さらにすごい曲がたくさん控えているというのはバンドのとどまることを知らない創作意欲を感じさせる。実際、アルバム制作の際にはさらに50曲以上の候補曲があったということもインタビューで語っていたし。
曲終わりでステージが暗闇に包まれてから照明が当たると、メンバー全員が30歳トレーナーに着替えている。この物販アイテムとともに、新しく発売になったiPhoneケースの宣伝を行うも、光村がポケットを「ポッケタ」と言うのにみんなが気になってしまい、他の内容は全く耳に入らない(笑)
そしてその出で立ちで登場したということは、もちろん演奏されたのは「僕は30になるけれど」。すでにメンバーは全員30歳になっているが、対馬がドラムレスの前半でステージを走り回っていたりという無邪気さは、むしろ20歳くらいの時よりもさらに増しているし、メンバー自身の仲の良さも年々増してきている。
演奏を終えると、観客を背に写真撮影をし、光村はトレーナーまでをも客席に投げ込んでステージを去り、既発シングル曲が多いというアルバムの性質を利用したかのように、過去曲を新たなアレンジで新曲とともに並べた、この日のツアーファイナルにより、わずか2カ月という短いながらも濃密なツアーは幕を閉じた。
ここ数年のNICOのアルバムは、常に「その次」を期待させるようなものだった。
「Shout to the Walls!」では「ここまで幅広いアルバム作ったら次はどうするんだ?」と思ったし、アコースティックアルバムでは「通常のバンドサウンドに戻ったらどんな曲ができるんだ?」と思ったように。
そして今作「勇気も愛もないなんて」。光村が言ったように、ここまで等身大の自分たちをさらけ出し、もはやカッコつけなくてもカッコいいバンドであるということがわかっただけに、次はこの路線をさらに推し進めたものになるのか、それともこの圧倒的な演奏力、アレンジ力を使って、さらに新たなチャレンジに挑むのか。
オリジナルアルバムとしては3年以上間が空いたが、次はそう遠くないうちに出るだろうし、年内にまたツアーをやるんじゃないだろうか、という気もしている。年齢を重ねても、若さや瑞々しさを失わないばかりか、どんどんこの先が楽しみになるという意味では、本当にこんなバンドは他にいないよなぁと思わせてくれる。
1.フィロローグ
2.エーキューライセンス
3.image training
4.TOKYO Dreamer
5.口笛吹いて、こんにちは
6.ブギウギルディ
7.有言不実行成仏
8.The BUNGY
9.ウソツキ
10.ローハイド
11.手をたたけ
12.渦と渦
13.妄想隊員A
14.ニワカ雨ニモ負ケズ
15.まっすぐなうた
16.天地ガエシ
17.勇気も愛もないなんて
encore
18.April
19.ストラト
20.僕は30になるけれど
エーキューライセンス (short ver.)
http://youtu.be/M5lESbNTxvs
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武道館が年明け直後であり、アルバムが3月リリース、そこからツアーが始まり、さらに対バンツアーも並行して行なわれ、この日が早くもツアーファイナルという、詰め込み過ぎじゃないのか!?と思うくらいにタイトなスケジュールでのツアーとなっている。
ステージの後ろには赤い幕が張られており、劇場のような空気を感じさせる中、18時を過ぎると、その幕が開いてスクリーンが出現し、様々な動物たちの映像が映し出されると、メンバーがそれぞれフラッとステージに登場。対馬(ドラム)のハット姿が今日も渋い。
1曲目はアルバムのオープニング曲にして、最初にアルバムを聴いた時は、「これ違うCDが入ってるんじゃないのか?」と疑ってしまった、メンバー全員のコーラスが重なっていく「フィロローグ」でスタート。(音源では光村が全部自分でコーラスを入れたらしいが)
途中では光村がステージ前に出てきて、「もっと来い!」とばかりに観客を手で煽る。今まではメインでコーラスを務めていたのは主に対馬であることが多かったが、このメンバー全員のコーラスは今後のバンドの引き出しをさらに増やすんじゃないかという感じがする。
アルバムのリード曲と言える、武道館で一足先に演奏された「エーキューライセンス」では、ステージを左右に動きながらギターを弾いていた古村が、最後のサビでは光村のギターに近づき、1本のマイクに2人で歌うという、なんとも微笑ましい姿を見せ、最終的には坂倉のマイクでも歌う。このあたりはただ演奏が上手いだけではなく、パフォーマンス面でもツアーを重ねたことによって向上しているのがよくわかる。
「エーキューライセンス」には
「僕は今夜もイメトレ」「繰り返すのさイメトレ」
というフレーズがあるのだが、それに合わせたのか、次に演奏されたのは、バンド初期のキラーチューン「image training」。最新曲に続いて聴くと、そのシンプルな演奏ぶりが逆に新鮮。かつて「Wall Is Beginning」リリース時は自らの存在を証明するかのようにガムシャラに演奏していたこの曲も、今ではメンバーの表情からは余裕を感じることができる。既存曲にはアレンジを施しがちなバンドだが、この曲はほぼ原曲のままと言っていい。
やはり東京で演奏されることにより、「今、ここ」を間違いなく感じさせてくれる「TOKYO Dreamer」を終えると光村が、
「春ですね。春といえばユーミン、マッキー、そして対馬君の口笛です」
と振ると対馬が口笛を見事に吹き、光村と古村もそれに続き、その光村と古村がアコギで演奏したのは、アコースティックアルバムに収録されていた「口笛吹いて、こんにちは」。アコースティックアルバム収録曲とはいえ、実にバンド感の強い演奏を見せると、サビの
「仕事サボった僕がいる でも全然大丈夫」
のフレーズを
「大丈夫…じゃない!」
と叫んで演奏を止め、
「この中に寝坊したことある人?」
と問いかけると、
「僕は昔、女の子とデートする時に寝坊して、1時間遅刻しました。それを歌詞にした曲です!」
と言って、タイトル通りにブギの要素を取り入れた、軽快な「ブギウギルティ」へ。
「寝坊したギルティなあなたたちも、この言葉を唱えれば大丈夫!」
と言うと、観客は自らの罪を浄化するべく、コーラスを大合唱する。
久々にライブで聴いた「有言不実行成仏」では坂倉がゴリゴリのベースで引っ張る中、途中で一気にリズムが裏拍に変わり、まるで「The BUNGY」のようなリズムじゃないか、と思ったらまさにその「The BUNGY」につながるという、見事としか言えないようなアレンジを見せる。メジャーデビュー初期のこの曲がこうして他の曲の進化に合わせて今でもキラーチューンであり続けるというのは実に稀有なパターンだと思う。
すると一転して光村のアコギと歌だけから、古村のギター、対馬のドラム、坂倉のベースが順番に重なっていく「ウソツキ」。武道館で披露された時は光村の弾き語りだったが、バンドアレンジも弾き語りに寄り添うような形になっている。
そのまま「ローハイド」も光村がアコギ、メンバーも最小限の音でのシンプルなアレンジで始まり、最初のサビを終えたところで従来のアレンジへ。これによりさらに曲に爆発力が増している。こういうアレンジで曲の力をさらに際立たせているのは本当にすごい。アレンジする曲としない曲の見極めを含めて。
それだけに「手をたたけ」では最初から手拍子とギターのサウンドが重厚なロックさを感じさせると、光村が
「「エーキューライセンス」という曲を作ったにもかかわらず、メンバーが誰も自動車の免許を持っていないのはいかがなものかと思いまして。ツアー中に免許を取りに行こうと決心しまして」
と話し始めると、古村が見事に免許を取得し、常に持ち歩いているという初心者マークを客席に見せつける。免許の交付日が甲府でのライブの日だったということで、「甲府で交付」という微妙なリアクションになったダジャレも飛び出す。
ちなみに坂倉はもうちょっとで仮免取得、光村と対馬は教習所のパンフレットをもらっただけという進捗状況とのことだが、このエピソードからは、これだけライブで全国を廻ってきたバンドにもかかわらず、若くしてメジャーデビューしただけに、自分たちだけで車を運転してツアーを廻るような、下積みというものをあまり経験してこなかったバンドであることを実感させる。だからこそ、挫折を経験してのリベンジがとてもよく似合うバンドになったと言える。
今後は古村が運転してツアーを廻りたいと宣言していたが。
そこからはクライマックスとばかりに、エモーション噴出しまくりの疾走感溢れる「渦と渦」、妖しい照明の中でサビの四つ打ち部分では観客がタオルを回す「妄想隊員A」、最後のサビ前で光村が焦らすようにタメにタメまくってから歌い出した「ニワカ雨ニモ負ケズ」、光村が歌をほとんど客に委ねて前に出てきてギターを弾く「まっすぐなうた」では曲終わりでステージに倒れこみながらギターを弾くという、ただでさえやたらと暑かった会場をさらに熱く燃えたぎらせるパフォーマンスを見せる。
これまでに何度となく様々なアレンジで演奏されてきたリベンジソング「天地ガエシ」では光村がテンションが上がりすぎたのか、なぜか「川崎ー!」と叫ぶという場面もありつつ、ステージからはスタッフが巨大風船を客席に投げ込み、その巨大風船が割れると、中からはたくさんのカラフルな風船が。一つはステージに戻ってきてしまい、古村に当たって割れ、ステージが風船だらけに。その古村はギターのストラップが外れ、途中でギターの音が消えるも、全く笑顔に変化はなく、スタッフの手によってギターを持ち直す。この程度では全く動じないあたりはさすがに数え切れないくらいの場数を踏んできた男である。
そして光村が
「今回のアルバムでようやく等身大の自分を出すことができた」
とアルバムへの手応えを口にすると、国道を歩いているような映像から、冒頭のように動物たちの映像に切り替わる、アルバムの最後を締めくくるタイトル曲「勇気も愛もないなんて」で、光村の稀代のメロディーメーカーぶりが冴え渡って終了。これだけ歌いまくってもキレイに高音が出せるボーカルも素晴らしい。
アンコールではツアーTシャツに着替えて登場し、
「今年最後のこの曲を」
と言って演奏されたのは、かつては武道館でも演奏されたことのあるバラード「April」。演奏されたのは間違いなく今が4月だからであろうが、こうして毎年この時期に聴きたいくらいの名曲である。
すると、光村が踊りまくるMVが先日公開されたばかりの新曲「ストラト」を披露。「まっすぐなうた」や「渦と渦」といった近年のシングル曲に比べると、やや落ち着いたタイプの曲ではあるが、この曲が5月にシングルとしてリリースされ、さらにすごい曲がたくさん控えているというのはバンドのとどまることを知らない創作意欲を感じさせる。実際、アルバム制作の際にはさらに50曲以上の候補曲があったということもインタビューで語っていたし。
曲終わりでステージが暗闇に包まれてから照明が当たると、メンバー全員が30歳トレーナーに着替えている。この物販アイテムとともに、新しく発売になったiPhoneケースの宣伝を行うも、光村がポケットを「ポッケタ」と言うのにみんなが気になってしまい、他の内容は全く耳に入らない(笑)
そしてその出で立ちで登場したということは、もちろん演奏されたのは「僕は30になるけれど」。すでにメンバーは全員30歳になっているが、対馬がドラムレスの前半でステージを走り回っていたりという無邪気さは、むしろ20歳くらいの時よりもさらに増しているし、メンバー自身の仲の良さも年々増してきている。
演奏を終えると、観客を背に写真撮影をし、光村はトレーナーまでをも客席に投げ込んでステージを去り、既発シングル曲が多いというアルバムの性質を利用したかのように、過去曲を新たなアレンジで新曲とともに並べた、この日のツアーファイナルにより、わずか2カ月という短いながらも濃密なツアーは幕を閉じた。
ここ数年のNICOのアルバムは、常に「その次」を期待させるようなものだった。
「Shout to the Walls!」では「ここまで幅広いアルバム作ったら次はどうするんだ?」と思ったし、アコースティックアルバムでは「通常のバンドサウンドに戻ったらどんな曲ができるんだ?」と思ったように。
そして今作「勇気も愛もないなんて」。光村が言ったように、ここまで等身大の自分たちをさらけ出し、もはやカッコつけなくてもカッコいいバンドであるということがわかっただけに、次はこの路線をさらに推し進めたものになるのか、それともこの圧倒的な演奏力、アレンジ力を使って、さらに新たなチャレンジに挑むのか。
オリジナルアルバムとしては3年以上間が空いたが、次はそう遠くないうちに出るだろうし、年内にまたツアーをやるんじゃないだろうか、という気もしている。年齢を重ねても、若さや瑞々しさを失わないばかりか、どんどんこの先が楽しみになるという意味では、本当にこんなバンドは他にいないよなぁと思わせてくれる。
1.フィロローグ
2.エーキューライセンス
3.image training
4.TOKYO Dreamer
5.口笛吹いて、こんにちは
6.ブギウギルディ
7.有言不実行成仏
8.The BUNGY
9.ウソツキ
10.ローハイド
11.手をたたけ
12.渦と渦
13.妄想隊員A
14.ニワカ雨ニモ負ケズ
15.まっすぐなうた
16.天地ガエシ
17.勇気も愛もないなんて
encore
18.April
19.ストラト
20.僕は30になるけれど
エーキューライセンス (short ver.)
http://youtu.be/M5lESbNTxvs
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