THE ORAL CIGARETTES 唇ツーマン TOUR 2016 ~復活・激突・BKW!!の巻~ 出演: THE ORAL CIGARETTES / THE BAWDIES @新木場STUDIO COAST 3/20
- 2016/03/21
- 00:38
オーディションイベントで優勝してデビューして以降、順調に人気を拡大し、さらに突き進むのみと思われたが、昨年夏のZepp DiverCityでのワンマンにて山中が喉の不調で歌えなくなるというアクシデントに見舞われ、夏フェス行脚後に手術を行った、というエピソードすらもバンドのドラマになりつつある、THE ORAL CIGARETTES。
復活後、年末のフェスにも出たりしたが、ツアーはこれが最初。年明けに2ndフルアルバム「FIXION」をリリースし、そのアルバムのリリースツアーとなる。ワンマンツアーも控えているが、今回の新木場STUDIO COASTは、全10公演の対バンツアーのファイナル。各地で豪華な面々を迎えたこの日のゲストはTHE BAWDIESということもあり、チケットは即完。
すでにキッズたち(メロコアバンドのライブか?と思うくらいに、フットワークの軽い出で立ちの若い人が多い)で満員の中、会場BGMは各地の対バンたちの曲が流れ、開演時間の17時になると暗転し、ツアーのために作ったと思われるバンド紹介ジングルから、おなじみウィルソン・ピケット「ダンス天国」のSEで、爽やかなスーツを身にまとったTHE BAWDIESのメンバーが登場。
するといきなり「HOT DOG」からスタートするという驚きの展開。初っ端からアウェー感は一切ないくらいの盛り上がりを見せただけに、ゲストでこの始まり方は正解だったのかもしれない。
時代劇調の自己紹介から、「NO WAY」、そして「SING YOUR SONG」ではゲストにもかかわらず大きなコール&レスポンスを巻き起こす。
おなじみの曲が続く中、最近のワンマン以外では珍しく、TAXMANメインボーカルの「B.P.B」という嬉しい選曲も。
するといきなりMARCYが「ありがとうございますー」と口を開くと、ROYがMARCYを遮り、
「このMARCYさん、僕が卵を大事に大事にかき混ぜるようにして育ててきた、息子みたいな男なんですよ。そのMARCYさんを、あきらかにあきらっていうやつが「アニキ」って呼んでるらしいんですよ。アニキってことはMARCYさんの弟じゃないですか。僕はあんなマフィアみたいな息子を持った覚えはない!(笑)
あと僕にはgo!go!vanillasの牧っていう弟みたいな男がいるんですけど、この前一緒にご飯食べに行こうって約束してて。そしたら前日にいきなり
「兄さん、すいません。その日はオーラルの拓也の誕生会がありまして…兄さんも行きますか?」
って連絡が来て。呼ばれてないのに行くわけねーじゃん!(笑)超カッコ悪いじゃん!
だから「作曲が立て込んでて…」って断りながら、家で可愛い動物の動画を見てましたよ(笑)」
というオーラルにまつわるMCで笑わせる。
最新シングル「SUNSHINE」でメンバーの声が重なっていくと、「JUST BE COOL」からはワンマンではおなじみのメドレーに突入。
「LEAVE YOUR TROUBLES」というレアな曲も挟んだが、メドレー中にJIMのギターの音が出なくなるというアクシデントが発生。しかしながら全く取り乱すことはなく、メンバーもギターが1本足りないのにそのままメドレーを続けるというのはさすが。
そして「IT'S TOO LATE」で時間的に終わりかな?と思いきや、トドメに「KEEP ON ROCKIN'」。間奏で手拍子が鳴り響く中、最後には特大のシャウトを観客が響かせた。
ゲストなのにもかかわらず、これだけシャウトさせられるのは本当にすごい。これまでもずっとアウェーの場を勝ち上がってここまで来たバンドだが、状況的にはかつてより落ち着いてきているとはいえ、やはりその圧倒的なライブパフォーマンスは全く変わっていないどころか、さらに進化している。
最後にはROYが超ロングシャウトを轟かせて曲を締めると、時間がない中、TAXMANのわっしょいでオーラルにバトンを渡した。しょっちゅう見ているし、年明け後にワンマンも見たけど、ホーム状態のライブではなくゲストという立場で見ると、本当にすごいバンドだな、と改めて思う。
1.HOT DOG
2.NO WAY
3.SING YOUR SONG
4.LEMONADE
5.ROCK ME BABY
6.B.P.B
7.SUNSHNE
8.JUST BE COOL
9.メドレー
YOU GOTTA DANCE ~ YEAH ~ LEAVE YOUR TROUBLES ~ YOU GOTTA DANCE
10.IT'S TOO LATE
11.KEEP ON ROCKIN'
HOT DOG
http://youtu.be/gOqNlnPuWEU
そしていよいよオーラルがツアーファイナルのステージへ。
ジングルが鳴ってメンバーが登場すると、山中の宣誓から、いきなりのキラーチューン祭りへ。フェスやイベントなどの短い時間ならともかく、長尺のライブでこの展開になるとは。そしてその中にはキラーチューンになるべくして作られたシングル曲、リード曲に加え、「A-E-U-I」「MIRROR」という「FIXION」のアルバム曲も早くもこのキラーチューンの中に名を連ねているのはなんとも頼もしい限り。山中の声ももはやなんの心配もいらないくらいの伸びと、独特の色気に満ちている。
「Mr.ファントム」では鈴木とあきらがサビに入る部分で高くジャンプするのに合わせるかのように、多数のダイバーが出現する盛り上がりで一気に熱気を帯びていく中、初っ端のキラーチューン祭りで疲れを見せて小休止する山中が、
「峯岸みなみのライザップのCMを見てムカついてるんですよ。腹筋割れてる女子って、男子からしたら微妙やからな!(笑)」
と自身の好みを語って笑わせながら、
「もしも大切な人が自分の存在を忘れてしまったら…」
と前置きされた「通り過ぎた季節の中で」はキラーチューン祭りとは全く空気が異なる、曲の情景が頭の中に浮かんでくるような曲。
続く「マナーモード」は効果音もふんだんに取り入れ、紫色の不穏な照明の中で山中はハンドマイクで歌う。
山中が先日誕生日を迎えたことにより、この日が誕生日の観客を指名して祝うと、
「辛いこととか悲しいこともあるから誕生日を喜べる。楽しいことだけなんて無理や」
と「嫌い」へ。そこからは再びキラーチューン祭りかというように「気づけよBaby」から山中が観客にボーカルを任せると大合唱が起きた「mist…」、そして
「「FIXION」っていうアルバムを出してからのツアーなんやけど、もう「FIXION」では満足できない。さらに先へ行きたい。
自分たちの好きな音楽をオーラルというフィルターを通して、どれだけ伝えることができるか」
と語り、この日が初披露という新曲を演奏。電子音とコーラスが不穏な空気を生み出す中、サビでは一気に光に溢れるようになるなど、1曲の中に何曲分のアイディアが詰め込まれているんだろうか、と思うくらいにめまぐるしく展開が変わる曲。
具体的な曲の影響源が誰なのかまではわからないが、山中の語りはこの日ゲストで出たTHE BAWDIESが、自分たちが衝撃を受けたTHE SONICSの音楽を今の日本に伝えたい、という結成のいきさつと全く同じものである。ただ人気があるバンドを呼んだのではなく、こうした精神性が繋がっているバンドが今回のツアーに名を連ねている。
それを証明するかのように、山中は
「自分たちの周りには、悲しいことに、他の人を蹴落としてでも上に行こうとするミュージシャンがいる。でも俺たちは、周りの仲間たちに支えられて、復活して、こうしてここまで来れた。だから俺たちは、その仲間たちみんなで上に行って、ロック業界を盛り上げたい。
仲間っていいもんやで。みんなも周りにいる人を大事にしてな。」
と語った。その仲間たちの中には、もちろんこの日のゲストのTHE BAWDIESや、地方に出たa flood of circleやUNISON SQUARE GARDENもいる。オーラルはわかりやすくどこかのシーンに属しているようなバンドではないし、誰と仲が良いのかもすぐにはわからないバンドである。しかし、その活動の根底には、こうした世代もスタイルも違うバンドとの共鳴、共感がある。そしてその姿を見て、ファンが大切なものに気づいていく。
そんな、前半のMCとはかなり飛距離があるシリアスな本編のラストを飾ったのは「狂乱 Hey Kids!!」のバチバチにぶつかり合うバンドサウンド。気づけば完全にステージはもちろん、客席も汗だくで、床が湿気により濡れているくらいの状態になっていた。
アンコールでは山中がTHE BAWDIESをドラマの主題歌(「ROCK ME BABY」)で初めて聴いて衝撃を受けてすぐさまライブを見に行ったことを語り、各地で鈴木の呼び方を考えるというコーナーでは「おシゲ」に決まり(「BAWDIESのメンバーによる「シゲーハンズ」は秀逸)、THE BAWDIESの「SING YOUR SONG」のサビが
「シゲさーん シゲさーん」
に聞こえる、ということでそのバージョンでコール&レスポンスをすると、なんとメドレーに突入。一曲一曲は本当に短いが、今やなかなかライブで聴けなくなった曲をまとめて聴けるのは嬉しいし、このつなぎのアレンジも実に見事。「エイミー」はツアーではフルで最後に演奏されると思っていたが。
するとドラムセットから離れてステージ前に出てきたのは、まさやんこと中西。ツアーでは恒例の物販紹介を、メンバーをモデルにして行うのだが、かなり時間を削られたそうで、紹介したのはTシャツ3種類のみ。(なぜかTHE BAWDIESの物販も紹介)
ひとしきり終えると、山中がこの日の会場の暑さが、初ワンマンツアーの心斎橋JANISで空調が壊れ、ライブを中断しまくりながら途中で窓を開けて換気をした、ということを懐かしそうに振り返りながら話し、最後に演奏されたのは、
「7月のDiverCityでのライブがあったからこそ作れた曲」
だという、「FIXION」のラストに収録されている「Everything」。ツアーを締めるに相応しいこの曲を終えると、THE BAWDIESを招いての写真撮影。掛け声はもちろん、「FIXIONやー!」であった。
今やBLUE ENCOUNTなどと並んで、若手バンドの急先鋒的な存在になっているオーラルだが、やはりその魅力はライブ。そもそもがオーディションライブで優勝してシーンに登場しただけあり、ライブ力はデビュー前から折り紙付きだが、「FIXION」をリリースしたことにより、そこにさらに楽曲の普遍性と、これからさらにいろんなスタイルの曲を作っていけそうな幅の広さを手に入れた。それはこの日やった新曲にすでに現れていたが、この直後に行われるワンマンツアーを終えたら、今年はどこまで行くのだろうか。もう武道館ワンマンやってもおかしくないところまでは来たと思うが。
1.起死回生STORY
2.A-E-U-I
3.Mr.ファントム
4.STARGET
5.MIRROR
6.モンスターエフェクト
7.通り過ぎた季節の空で
8.マナーモード
9.嫌い
10.気づけよBaby
11.mist…
12.新曲
13.カンタンナコト
14.狂乱 Hey Kids!!
encore
15.メドレー
大魔王参上 ~ N.I.R.A. ~ 机上の空論に意味を為す ~ ハロウィンの余韻 ~ See the lights ~ エイミー
16.Everything
狂乱 Hey Kids!!
http://youtu.be/C-o8pTi6vd8
Next→ 3/24 King Place Live @新木場STUDIO COAST
復活後、年末のフェスにも出たりしたが、ツアーはこれが最初。年明けに2ndフルアルバム「FIXION」をリリースし、そのアルバムのリリースツアーとなる。ワンマンツアーも控えているが、今回の新木場STUDIO COASTは、全10公演の対バンツアーのファイナル。各地で豪華な面々を迎えたこの日のゲストはTHE BAWDIESということもあり、チケットは即完。
すでにキッズたち(メロコアバンドのライブか?と思うくらいに、フットワークの軽い出で立ちの若い人が多い)で満員の中、会場BGMは各地の対バンたちの曲が流れ、開演時間の17時になると暗転し、ツアーのために作ったと思われるバンド紹介ジングルから、おなじみウィルソン・ピケット「ダンス天国」のSEで、爽やかなスーツを身にまとったTHE BAWDIESのメンバーが登場。
するといきなり「HOT DOG」からスタートするという驚きの展開。初っ端からアウェー感は一切ないくらいの盛り上がりを見せただけに、ゲストでこの始まり方は正解だったのかもしれない。
時代劇調の自己紹介から、「NO WAY」、そして「SING YOUR SONG」ではゲストにもかかわらず大きなコール&レスポンスを巻き起こす。
おなじみの曲が続く中、最近のワンマン以外では珍しく、TAXMANメインボーカルの「B.P.B」という嬉しい選曲も。
するといきなりMARCYが「ありがとうございますー」と口を開くと、ROYがMARCYを遮り、
「このMARCYさん、僕が卵を大事に大事にかき混ぜるようにして育ててきた、息子みたいな男なんですよ。そのMARCYさんを、あきらかにあきらっていうやつが「アニキ」って呼んでるらしいんですよ。アニキってことはMARCYさんの弟じゃないですか。僕はあんなマフィアみたいな息子を持った覚えはない!(笑)
あと僕にはgo!go!vanillasの牧っていう弟みたいな男がいるんですけど、この前一緒にご飯食べに行こうって約束してて。そしたら前日にいきなり
「兄さん、すいません。その日はオーラルの拓也の誕生会がありまして…兄さんも行きますか?」
って連絡が来て。呼ばれてないのに行くわけねーじゃん!(笑)超カッコ悪いじゃん!
だから「作曲が立て込んでて…」って断りながら、家で可愛い動物の動画を見てましたよ(笑)」
というオーラルにまつわるMCで笑わせる。
最新シングル「SUNSHINE」でメンバーの声が重なっていくと、「JUST BE COOL」からはワンマンではおなじみのメドレーに突入。
「LEAVE YOUR TROUBLES」というレアな曲も挟んだが、メドレー中にJIMのギターの音が出なくなるというアクシデントが発生。しかしながら全く取り乱すことはなく、メンバーもギターが1本足りないのにそのままメドレーを続けるというのはさすが。
そして「IT'S TOO LATE」で時間的に終わりかな?と思いきや、トドメに「KEEP ON ROCKIN'」。間奏で手拍子が鳴り響く中、最後には特大のシャウトを観客が響かせた。
ゲストなのにもかかわらず、これだけシャウトさせられるのは本当にすごい。これまでもずっとアウェーの場を勝ち上がってここまで来たバンドだが、状況的にはかつてより落ち着いてきているとはいえ、やはりその圧倒的なライブパフォーマンスは全く変わっていないどころか、さらに進化している。
最後にはROYが超ロングシャウトを轟かせて曲を締めると、時間がない中、TAXMANのわっしょいでオーラルにバトンを渡した。しょっちゅう見ているし、年明け後にワンマンも見たけど、ホーム状態のライブではなくゲストという立場で見ると、本当にすごいバンドだな、と改めて思う。
1.HOT DOG
2.NO WAY
3.SING YOUR SONG
4.LEMONADE
5.ROCK ME BABY
6.B.P.B
7.SUNSHNE
8.JUST BE COOL
9.メドレー
YOU GOTTA DANCE ~ YEAH ~ LEAVE YOUR TROUBLES ~ YOU GOTTA DANCE
10.IT'S TOO LATE
11.KEEP ON ROCKIN'
HOT DOG
http://youtu.be/gOqNlnPuWEU
そしていよいよオーラルがツアーファイナルのステージへ。
ジングルが鳴ってメンバーが登場すると、山中の宣誓から、いきなりのキラーチューン祭りへ。フェスやイベントなどの短い時間ならともかく、長尺のライブでこの展開になるとは。そしてその中にはキラーチューンになるべくして作られたシングル曲、リード曲に加え、「A-E-U-I」「MIRROR」という「FIXION」のアルバム曲も早くもこのキラーチューンの中に名を連ねているのはなんとも頼もしい限り。山中の声ももはやなんの心配もいらないくらいの伸びと、独特の色気に満ちている。
「Mr.ファントム」では鈴木とあきらがサビに入る部分で高くジャンプするのに合わせるかのように、多数のダイバーが出現する盛り上がりで一気に熱気を帯びていく中、初っ端のキラーチューン祭りで疲れを見せて小休止する山中が、
「峯岸みなみのライザップのCMを見てムカついてるんですよ。腹筋割れてる女子って、男子からしたら微妙やからな!(笑)」
と自身の好みを語って笑わせながら、
「もしも大切な人が自分の存在を忘れてしまったら…」
と前置きされた「通り過ぎた季節の中で」はキラーチューン祭りとは全く空気が異なる、曲の情景が頭の中に浮かんでくるような曲。
続く「マナーモード」は効果音もふんだんに取り入れ、紫色の不穏な照明の中で山中はハンドマイクで歌う。
山中が先日誕生日を迎えたことにより、この日が誕生日の観客を指名して祝うと、
「辛いこととか悲しいこともあるから誕生日を喜べる。楽しいことだけなんて無理や」
と「嫌い」へ。そこからは再びキラーチューン祭りかというように「気づけよBaby」から山中が観客にボーカルを任せると大合唱が起きた「mist…」、そして
「「FIXION」っていうアルバムを出してからのツアーなんやけど、もう「FIXION」では満足できない。さらに先へ行きたい。
自分たちの好きな音楽をオーラルというフィルターを通して、どれだけ伝えることができるか」
と語り、この日が初披露という新曲を演奏。電子音とコーラスが不穏な空気を生み出す中、サビでは一気に光に溢れるようになるなど、1曲の中に何曲分のアイディアが詰め込まれているんだろうか、と思うくらいにめまぐるしく展開が変わる曲。
具体的な曲の影響源が誰なのかまではわからないが、山中の語りはこの日ゲストで出たTHE BAWDIESが、自分たちが衝撃を受けたTHE SONICSの音楽を今の日本に伝えたい、という結成のいきさつと全く同じものである。ただ人気があるバンドを呼んだのではなく、こうした精神性が繋がっているバンドが今回のツアーに名を連ねている。
それを証明するかのように、山中は
「自分たちの周りには、悲しいことに、他の人を蹴落としてでも上に行こうとするミュージシャンがいる。でも俺たちは、周りの仲間たちに支えられて、復活して、こうしてここまで来れた。だから俺たちは、その仲間たちみんなで上に行って、ロック業界を盛り上げたい。
仲間っていいもんやで。みんなも周りにいる人を大事にしてな。」
と語った。その仲間たちの中には、もちろんこの日のゲストのTHE BAWDIESや、地方に出たa flood of circleやUNISON SQUARE GARDENもいる。オーラルはわかりやすくどこかのシーンに属しているようなバンドではないし、誰と仲が良いのかもすぐにはわからないバンドである。しかし、その活動の根底には、こうした世代もスタイルも違うバンドとの共鳴、共感がある。そしてその姿を見て、ファンが大切なものに気づいていく。
そんな、前半のMCとはかなり飛距離があるシリアスな本編のラストを飾ったのは「狂乱 Hey Kids!!」のバチバチにぶつかり合うバンドサウンド。気づけば完全にステージはもちろん、客席も汗だくで、床が湿気により濡れているくらいの状態になっていた。
アンコールでは山中がTHE BAWDIESをドラマの主題歌(「ROCK ME BABY」)で初めて聴いて衝撃を受けてすぐさまライブを見に行ったことを語り、各地で鈴木の呼び方を考えるというコーナーでは「おシゲ」に決まり(「BAWDIESのメンバーによる「シゲーハンズ」は秀逸)、THE BAWDIESの「SING YOUR SONG」のサビが
「シゲさーん シゲさーん」
に聞こえる、ということでそのバージョンでコール&レスポンスをすると、なんとメドレーに突入。一曲一曲は本当に短いが、今やなかなかライブで聴けなくなった曲をまとめて聴けるのは嬉しいし、このつなぎのアレンジも実に見事。「エイミー」はツアーではフルで最後に演奏されると思っていたが。
するとドラムセットから離れてステージ前に出てきたのは、まさやんこと中西。ツアーでは恒例の物販紹介を、メンバーをモデルにして行うのだが、かなり時間を削られたそうで、紹介したのはTシャツ3種類のみ。(なぜかTHE BAWDIESの物販も紹介)
ひとしきり終えると、山中がこの日の会場の暑さが、初ワンマンツアーの心斎橋JANISで空調が壊れ、ライブを中断しまくりながら途中で窓を開けて換気をした、ということを懐かしそうに振り返りながら話し、最後に演奏されたのは、
「7月のDiverCityでのライブがあったからこそ作れた曲」
だという、「FIXION」のラストに収録されている「Everything」。ツアーを締めるに相応しいこの曲を終えると、THE BAWDIESを招いての写真撮影。掛け声はもちろん、「FIXIONやー!」であった。
今やBLUE ENCOUNTなどと並んで、若手バンドの急先鋒的な存在になっているオーラルだが、やはりその魅力はライブ。そもそもがオーディションライブで優勝してシーンに登場しただけあり、ライブ力はデビュー前から折り紙付きだが、「FIXION」をリリースしたことにより、そこにさらに楽曲の普遍性と、これからさらにいろんなスタイルの曲を作っていけそうな幅の広さを手に入れた。それはこの日やった新曲にすでに現れていたが、この直後に行われるワンマンツアーを終えたら、今年はどこまで行くのだろうか。もう武道館ワンマンやってもおかしくないところまでは来たと思うが。
1.起死回生STORY
2.A-E-U-I
3.Mr.ファントム
4.STARGET
5.MIRROR
6.モンスターエフェクト
7.通り過ぎた季節の空で
8.マナーモード
9.嫌い
10.気づけよBaby
11.mist…
12.新曲
13.カンタンナコト
14.狂乱 Hey Kids!!
encore
15.メドレー
大魔王参上 ~ N.I.R.A. ~ 机上の空論に意味を為す ~ ハロウィンの余韻 ~ See the lights ~ エイミー
16.Everything
狂乱 Hey Kids!!
http://youtu.be/C-o8pTi6vd8
Next→ 3/24 King Place Live @新木場STUDIO COAST

J-WAVE ”THE KINGS PLACE ” LIVE Vol.10 出演:KEYTALK / クリープハイプ / パスピエ / 04 Limited Sazabyz @新木場STUDIO COAST 3/24 ホーム
キュウソネコカミ DMCC -REAL ONEMAN TOUR- EXTRA!!! @幕張メッセイベントホール 3/19