preview of film [石毛輝、岡本伸明、北山詩織、高橋昌志] Koji Nakamura DJ片平実 @新代田FEVER 3/14
- 2016/03/14
- 23:03
先日、突如として発表された、the telephonesの石毛輝とノブによる新バンド結成のニュース。しかも早くも初ライブまで決定。ニュースが出た直後のこの日、新代田FEVERには、石毛とノブの新たな一歩目を目に刻むべく、雨の中、満員の人が集った。(当然チケットはソールドアウト)
19:45スタートという遅めの時間設定の中、すでに場内ではDJ片平実がプレイ中。Getting Betterでの、完全に主役的なロックDJではなく、あくまで会場のBGM、といった感じで、客席では酒を飲みながら雑談している人もちらほら。(きっとこのあたりは関係者たち)
客席前方には、the telephonesのサッカーユニTシャツを着た、telephonesの次の一歩を待ち望んでいたであろうキッズたちの姿も見える。
・Koji Nakamura
ゲストは、石毛の師匠的存在の、ナカコーことKoji Nakamura。いつものようにギター田渕ひさ子、ベース345、ドラム沼澤尚というメンバー紹介からスタートすると、ナカコーのファルセットボイスと、浮遊感のあるサウンドを人力で再現した、スーパーカー時代の「Hirameki Inspiration」からスタートし、スーパーカー、iLL、そして現名義と、キャリアを横断するようなセトリはいつも通り。
345のうねるようなベースが心地いい、現名義での「Diamond」ではナカコーが暑くなったのか上着を脱ぎ、アウェー感が強く見える状況において、曲終わりで客席から拍手が起こると、
「拍手が来たね(笑)」
と驚く。ちなみにバーカウンターでは石毛とノブもライブの様子を見守っている。
この名義ではおなじみになっている、スーパーカーの代表曲「AOHARU YOUTH」をナカコーがギターレスで歌い、この日のような雨の日に実によく似合う「GOLDEN MASTER KEY」と、スーパーカー後期の曲を続けて演奏すると、
「石毛とノブはデビューしたの何年だっけ?2007年?メジャーデビューは2009年か。じゃあ今日は再デビューだな。おめでとう」
と、師匠らしく弟子たちの新たな門出を祝うと、
「じゃあデビュー曲を」
と言って、まさか!?という空気の中で田渕のギターがイントロを奏でたのは、紛れもなくスーパーカーのデビュー曲「cream soda」だった。
きらめくような青春そのもののように爽やかなギターロック。もはや年齢も、演奏しているメンバーもこの曲が出た時とは全く違うが、聴いていると今でも90年代後半に戻ったように思えるし、何より、スーパーカーをリアルタイムでライブで見れなかったものとして、こうしてこの曲をライブで聴けているという、紛れもない実感。未だに、歌詞見なくても全部歌える。本当に、この3分間だけでもこの日ここに来て良かったと思えるくらい。呼んでくれてありがとう、石毛さん。
1.Hirameki Inspiration
2.Cosmic Star
3.RECREATION
4.Diamond
5.Reaction Curve
6.AOHARU YOUTH
7.GOLDEN MASTER KEY
8.cream soda
cream soda
http://youtu.be/XSDQTqCwJNQ
・石毛輝、岡本伸明、北山詩織、高橋昌志
まだバンド名すらこの段階では未発表である。転換中にもDJ片平実がムーディーな選曲をする中、20時50分頃になると、雨粒が滴るようなサウンドのSEに誘われ、4人がステージへ。
まず驚くのは、telephonesの時は上手側だったノブが下手、北山詩織が真ん中、そして石毛が上手側という立ち位置。まさか石毛がセンターではないとは。北山詩織はモデルをやっている20歳ということで、実に見た目は華やか。石毛は髪がかなり短くなっており、合わせたのかはわからないが、全員が白い服を着ている。
音が鳴り出すと、北山がギターを弾きながら歌い始める。ツインボーカルになるとは思っていたが、いきなりメインボーカルを石毛じゃないメンバーが務めるとは、全く予想していなかっただけに、驚きでしかない。ノブがシンセ以外の楽器(このバンドではベーシスト)を弾くのは石毛のソロバンドでも見ているだけに、そこまで驚きではないのだが。
サウンドはややローファイながらも、キラキラした、とびっきりポップなギターロック。つまり、先ほどナカコーが「cream soda」を演奏したが、スーパーカーの初期、「スリーアウトチェンジ」の頃が真っ先に頭に浮かんだ。やや気だる目で、Base Ball Bearの関根史織の初期の頃を思い出させる北山のボーカルと、telephonesの時のような甲高い声はほとんど出さない、地声の石毛のボーカルは実に強い青春性を感じさせる。これは始まったばかりのバンドだからという要素も強いと思うが。
2,3曲目と続いていくも、どの曲も変わらずキラキラしたポップなギターロック。そして全て日本語詞。歌詞を全部石毛が書いているのか、北山も書いているのかはまだわからないが、歌詞にも青春性を感じさせるフレーズが多く並んでおり、30歳を過ぎた石毛とノブが、このバンドを始めたことにより、今でも青春の真っただ中にいるということを強く感じる。
その石毛とノブは、北山が歌っている間にお互いに寄って行って、向かい合いながら笑顔で演奏したりしている。この自由さはtelephonesの時と変わらないと言っていいかもしれない。
ここで、石毛からバンド名が発表される。そのバンド名は「lovefilm」。本来なら発表と同時に壁にロゴが出る手はずになっていたらしいが、何も出ず。
「スタッフも含めて初ライブだから」
ということで、メンバーそれぞれの初ライブの話に。北山はこの日が記念すべき初ライブで、ノブと石毛は高校生、巨漢に見合うような力強いドラムを叩く高橋は、中学一年生の時が初ライブだったという猛者。
4曲目はノブがセンターに、北山が下手に移動し、「Boys don't cry」というフレーズが強く頭に残る曲。(おそらくタイトルも「Boys don't cry」になるのでは)
パンクの要素も含んだ、BPMの早いギターロックで、初聴きにもかかわらず、客席からは腕が上がる盛り上がりを見せる。ノブはこの曲の時はシンセも少し演奏。
石毛が「Daytripper」とタイトルを紹介した曲が続き、このあたりからは北山もだいぶライブの空気に慣れてきたようなイメージ。客席もこのバンドの音楽の楽しさをすぐさま察知し、ハンドクラップやコーラスの合唱までも起きる。ときおり見せる、大げさな展開も含めて、やはりtelephonesらしさはいたるところに垣間見ることができる。
まだ8曲しかない、ということで、これからレコーディングやライブもガンガンやっていきたい、と意気込みを語り、急なライブの決定により、急なお誘いになったにもかかわらず、快く出演してくれたナカコーバンドと片平実に感謝を告げると、石毛のギターがノイジーなサウンドを奏で、その中に北山のボーカルが浮かび上がってくる、シューゲイザー的な曲も演奏。
最後の曲もややサイケデリックな音像で、このあたりは石毛のソロに通じるところもある。しかし、やはりtelephonesとは全く違い、みんなで叫んだり、サークル組んで踊ったり、激しいモッシュが発生するような音楽じゃない。でも、この音楽、このバンドこそが、石毛が「ディスコの向こう側」に見ていたものであった。
正直、石毛の新バンドと聞いた時は、ソロみたいにもっとマニアックになると思ってた。でも、予想の1億倍くらい曲が良かった。始まったバンドならではのキラキラ感もあって。あれだけたくさんの人の前で演奏していた男が、そのバンドで培った方程式を使うのをやめ、また新たな方法論でたくさんの人たちにリーチしようという音楽を作っている。
telephonesを愛してきた人はもちろん、イメージで敬遠していた人にも届くはず。やっぱり石毛輝はすごかった。
年間100本以上ライブ行く生活をしてて、1番多くライブを見てきたtelephonesの活動休止はやっぱり寂しかった。Last Partyから4ヶ月。telephonesのライブを初めて見てから、こんなに長い期間ライブを見れないことがなかったから。
でも今は、このlovefilmという新しいバンドがこれからどうなっていくのか、というワクワク感のほうが強い。そう言えるくらいに良いバンドだっていうこと!きっと、telephonesを聴いていなかったとしても、自分はこのバンドの音楽を好きになっていただろうな、と思う自信がある。
あれだけたくさんの人に愛されてきた、the telephonesを活動休止させてまで石毛とノブが始めた、lovefilmというバンドのpreview of filmだった。
すでに決まっているMETROCKを始め、春フェスで多くの人の前に姿を現すことになるはず。
Next→ 3/19 キュウソネコカミ @幕張メッセイベントホール
19:45スタートという遅めの時間設定の中、すでに場内ではDJ片平実がプレイ中。Getting Betterでの、完全に主役的なロックDJではなく、あくまで会場のBGM、といった感じで、客席では酒を飲みながら雑談している人もちらほら。(きっとこのあたりは関係者たち)
客席前方には、the telephonesのサッカーユニTシャツを着た、telephonesの次の一歩を待ち望んでいたであろうキッズたちの姿も見える。
・Koji Nakamura
ゲストは、石毛の師匠的存在の、ナカコーことKoji Nakamura。いつものようにギター田渕ひさ子、ベース345、ドラム沼澤尚というメンバー紹介からスタートすると、ナカコーのファルセットボイスと、浮遊感のあるサウンドを人力で再現した、スーパーカー時代の「Hirameki Inspiration」からスタートし、スーパーカー、iLL、そして現名義と、キャリアを横断するようなセトリはいつも通り。
345のうねるようなベースが心地いい、現名義での「Diamond」ではナカコーが暑くなったのか上着を脱ぎ、アウェー感が強く見える状況において、曲終わりで客席から拍手が起こると、
「拍手が来たね(笑)」
と驚く。ちなみにバーカウンターでは石毛とノブもライブの様子を見守っている。
この名義ではおなじみになっている、スーパーカーの代表曲「AOHARU YOUTH」をナカコーがギターレスで歌い、この日のような雨の日に実によく似合う「GOLDEN MASTER KEY」と、スーパーカー後期の曲を続けて演奏すると、
「石毛とノブはデビューしたの何年だっけ?2007年?メジャーデビューは2009年か。じゃあ今日は再デビューだな。おめでとう」
と、師匠らしく弟子たちの新たな門出を祝うと、
「じゃあデビュー曲を」
と言って、まさか!?という空気の中で田渕のギターがイントロを奏でたのは、紛れもなくスーパーカーのデビュー曲「cream soda」だった。
きらめくような青春そのもののように爽やかなギターロック。もはや年齢も、演奏しているメンバーもこの曲が出た時とは全く違うが、聴いていると今でも90年代後半に戻ったように思えるし、何より、スーパーカーをリアルタイムでライブで見れなかったものとして、こうしてこの曲をライブで聴けているという、紛れもない実感。未だに、歌詞見なくても全部歌える。本当に、この3分間だけでもこの日ここに来て良かったと思えるくらい。呼んでくれてありがとう、石毛さん。
1.Hirameki Inspiration
2.Cosmic Star
3.RECREATION
4.Diamond
5.Reaction Curve
6.AOHARU YOUTH
7.GOLDEN MASTER KEY
8.cream soda
cream soda
http://youtu.be/XSDQTqCwJNQ
・石毛輝、岡本伸明、北山詩織、高橋昌志
まだバンド名すらこの段階では未発表である。転換中にもDJ片平実がムーディーな選曲をする中、20時50分頃になると、雨粒が滴るようなサウンドのSEに誘われ、4人がステージへ。
まず驚くのは、telephonesの時は上手側だったノブが下手、北山詩織が真ん中、そして石毛が上手側という立ち位置。まさか石毛がセンターではないとは。北山詩織はモデルをやっている20歳ということで、実に見た目は華やか。石毛は髪がかなり短くなっており、合わせたのかはわからないが、全員が白い服を着ている。
音が鳴り出すと、北山がギターを弾きながら歌い始める。ツインボーカルになるとは思っていたが、いきなりメインボーカルを石毛じゃないメンバーが務めるとは、全く予想していなかっただけに、驚きでしかない。ノブがシンセ以外の楽器(このバンドではベーシスト)を弾くのは石毛のソロバンドでも見ているだけに、そこまで驚きではないのだが。
サウンドはややローファイながらも、キラキラした、とびっきりポップなギターロック。つまり、先ほどナカコーが「cream soda」を演奏したが、スーパーカーの初期、「スリーアウトチェンジ」の頃が真っ先に頭に浮かんだ。やや気だる目で、Base Ball Bearの関根史織の初期の頃を思い出させる北山のボーカルと、telephonesの時のような甲高い声はほとんど出さない、地声の石毛のボーカルは実に強い青春性を感じさせる。これは始まったばかりのバンドだからという要素も強いと思うが。
2,3曲目と続いていくも、どの曲も変わらずキラキラしたポップなギターロック。そして全て日本語詞。歌詞を全部石毛が書いているのか、北山も書いているのかはまだわからないが、歌詞にも青春性を感じさせるフレーズが多く並んでおり、30歳を過ぎた石毛とノブが、このバンドを始めたことにより、今でも青春の真っただ中にいるということを強く感じる。
その石毛とノブは、北山が歌っている間にお互いに寄って行って、向かい合いながら笑顔で演奏したりしている。この自由さはtelephonesの時と変わらないと言っていいかもしれない。
ここで、石毛からバンド名が発表される。そのバンド名は「lovefilm」。本来なら発表と同時に壁にロゴが出る手はずになっていたらしいが、何も出ず。
「スタッフも含めて初ライブだから」
ということで、メンバーそれぞれの初ライブの話に。北山はこの日が記念すべき初ライブで、ノブと石毛は高校生、巨漢に見合うような力強いドラムを叩く高橋は、中学一年生の時が初ライブだったという猛者。
4曲目はノブがセンターに、北山が下手に移動し、「Boys don't cry」というフレーズが強く頭に残る曲。(おそらくタイトルも「Boys don't cry」になるのでは)
パンクの要素も含んだ、BPMの早いギターロックで、初聴きにもかかわらず、客席からは腕が上がる盛り上がりを見せる。ノブはこの曲の時はシンセも少し演奏。
石毛が「Daytripper」とタイトルを紹介した曲が続き、このあたりからは北山もだいぶライブの空気に慣れてきたようなイメージ。客席もこのバンドの音楽の楽しさをすぐさま察知し、ハンドクラップやコーラスの合唱までも起きる。ときおり見せる、大げさな展開も含めて、やはりtelephonesらしさはいたるところに垣間見ることができる。
まだ8曲しかない、ということで、これからレコーディングやライブもガンガンやっていきたい、と意気込みを語り、急なライブの決定により、急なお誘いになったにもかかわらず、快く出演してくれたナカコーバンドと片平実に感謝を告げると、石毛のギターがノイジーなサウンドを奏で、その中に北山のボーカルが浮かび上がってくる、シューゲイザー的な曲も演奏。
最後の曲もややサイケデリックな音像で、このあたりは石毛のソロに通じるところもある。しかし、やはりtelephonesとは全く違い、みんなで叫んだり、サークル組んで踊ったり、激しいモッシュが発生するような音楽じゃない。でも、この音楽、このバンドこそが、石毛が「ディスコの向こう側」に見ていたものであった。
正直、石毛の新バンドと聞いた時は、ソロみたいにもっとマニアックになると思ってた。でも、予想の1億倍くらい曲が良かった。始まったバンドならではのキラキラ感もあって。あれだけたくさんの人の前で演奏していた男が、そのバンドで培った方程式を使うのをやめ、また新たな方法論でたくさんの人たちにリーチしようという音楽を作っている。
telephonesを愛してきた人はもちろん、イメージで敬遠していた人にも届くはず。やっぱり石毛輝はすごかった。
年間100本以上ライブ行く生活をしてて、1番多くライブを見てきたtelephonesの活動休止はやっぱり寂しかった。Last Partyから4ヶ月。telephonesのライブを初めて見てから、こんなに長い期間ライブを見れないことがなかったから。
でも今は、このlovefilmという新しいバンドがこれからどうなっていくのか、というワクワク感のほうが強い。そう言えるくらいに良いバンドだっていうこと!きっと、telephonesを聴いていなかったとしても、自分はこのバンドの音楽を好きになっていただろうな、と思う自信がある。
あれだけたくさんの人に愛されてきた、the telephonesを活動休止させてまで石毛とノブが始めた、lovefilmというバンドのpreview of filmだった。
すでに決まっているMETROCKを始め、春フェスで多くの人の前に姿を現すことになるはず。
Next→ 3/19 キュウソネコカミ @幕張メッセイベントホール

キュウソネコカミ DMCC -REAL ONEMAN TOUR- EXTRA!!! @幕張メッセイベントホール 3/19 ホーム
SOUND SHOOTER vol.11 出演:9mm Parabellum Bullet / ASPARAGUS / the band apart / HAWAIIAN6 / Nothing's Carved In Stone @新木場STUDIO COAST 3/13