SOUND SHOOTER vol.11 出演:9mm Parabellum Bullet / ASPARAGUS / the band apart / HAWAIIAN6 / Nothing's Carved In Stone @新木場STUDIO COAST 3/13
- 2016/03/14
- 08:38
今や様々なフェスなどでも撮影している姿をよく見るライブカメラマン、橋本塁が主催するイベント、SOUND SHOOTER。
去年の10周年は3days開催だったが、今年は例年通りに1日のみの開催。出演者は
9mm Parabellum Bullet
ASPARAGUS
the band apart
HAWAIIAN6
Nothing's Carved In Stone
という、このイベントにおいてはもはやお馴染みな面々。例年は初出演の若手も名を連ねているが。
STUDIO COASTの外にはラコスバーガー、中には東北ライブハウス大作戦や幡ヶ谷再生大学など、出演者と主催者が深く関わりを持っているブースが並んでいるのはこのイベントならでは。
ステージのスクリーンには、橋本塁が撮影した写真が映し出される中、開演時間の15時になると、ステージに「金髪水玉野郎」こと、主催者の橋本塁が登場し、開会挨拶。今回のメンツはやはりそれぞれ仲が非常に良く、裏では早くも宴会が始まっているとのこと。
・the band apart
そんな橋本塁の前説中に早くもメンバー全員ステージに登場。「まだ始めないでね」と言われる中、前説が終わるや否や、木暮の四つ打ちドラムのイントロから、「higher」でスタート。
やはり技巧を尽くし、洗練されたサウンドながら、パンクなどのエモさも感じさせつつ、実にキャッチーなバンアパサウンドを、英語詞時代の代表曲と、日本語を導入してからの代表曲で実にわかりやすく響かせる。
「昔、10年くらい前かな?まだ塁が全然こんなにカリスマカメラマン(笑)じゃなかった頃、俺たちがRUSH BALLに呼ばれてライブしに行って。その時に塁がステージの写真を撮ってたんだけど、その写真を見たいろんな人が、「これを撮ったの誰だ!?」って反応して。それから塁はROCK IN JAPANとかでも撮影するようになって」
と、自分たちと橋本塁の歩みを語るも、その橋本塁からカメラを向けられたメンバーはMC中にもかかわらず、みんなで集まって撮影大会を開始してしまうという、普段のこのバンドのライブでもなかなかありえないユルさ。
その撮影会を始めた張本人である、ベース原は、
「塁に全然関係ないんだけど、最近全国の薬局のオリジナル胃薬にハマってて。太田胃散はダメだね。だから「全国胃散」ですよ」
と、「世界遺産」にかけているんだろうか、という実に意味不明なMCをかましていた。
この日もそうだったが、年々このバンドはどんどん親しみやすさが出てきている。それがこの日はMAXに達するくらいにリラックスした空気のステージだったが、先日発表された、Mock Orangeとのスプリット盤の第2弾に収録される新曲の方向性はいかに。
1.higher
2.禁断の宮殿
3.I love you wasted Junks & Greens
4.まぼろし街道
5.Eric.W
6.ピルグリム
7.夜の向こうへ
夜の向こうへ
http://youtu.be/1mRchZDuDTI
・ASPARAGUS
メンバー3人がサウンドチェックを行い、曲を演奏するというサービスを見せてから、橋本塁とバンアパ荒井による、客席へのお菓子や酒の振る舞いの後に登場した、ASPARAGUS。
序盤は渡邉忍がアコギを弾く曲が続くが、メロディの楽器がアコギだけとは思えないくらいに疾走感に満ち溢れているのはこのバンドならでは。
「さっき、塁がお菓子とか投げてたから、俺もアコギ投げちゃおうかな、って(笑)
そしたら渡邉から泉谷に改名しなきゃいけなくなるけど(笑)」
という独特の渡邉語録で笑わせると、エレキに持ち替えてさらにロック指数を上げる。ライブ会場限定CD収録の「maybe or maybe not」はまだ様子見、的な人も多かったが、「I FLY」からはダイバーも続出するくらいの盛り上がりぶりを見せる。
かと思いきやMCではベース原の服装を「ボーイスカウトみたい(笑)」といじり(ボーイスカウトの内容はちゃんとは知らないらしい)、MONOEYESに参加していることでそのキャラが全国区に知れ渡るようになったドラム一瀬にも観客から熱烈な歓声が飛ぶ。
橋本塁が1番好きな曲だという「Analog Signal Processing」から、ラストはやはり「FALLIN' DOWN」。
そんなにリリースペースが早いバンドではないし(というかむしろマイペース過ぎるほどに遅い)、今はライブの本数自体も他の出演者に比べると多くないが、それでもライブを見ると、「あ~やっぱり良いな。カッコ良いバンドだな」と毎回思わせてくれるのはさすが。
1.LOST SHEPHERD
2.DEAD SONG
3.I'm off now
4.maybe or maybe not
5.I FLY
6.SILLY THING
7.Analog Signal Processing
8.FALLIN' DOWN
SILLY THING
http://youtu.be/4tELrJH3JVI
・9mm Parabellum Bullet
今度は橋本塁とともにASPARAGUS渡邉忍がお菓子や酒を客席に振舞ってから、このイベントにはDOTMANSという変名バンドでも出演したことがある、常連中の常連、9mmが登場。
ATARI TEENAGE RIOTの「Digital Hardcore」でメンバーが登場すると、のっけから滝が暴れまくりの「Answer and Answer」でスタートし、さらに「Living Dying Message」へ。この2曲は先日のリキッドルームでのライブでは演奏されなかっただけに、短い期間かつ短い時間のライブでセトリを変えてくるあたりはさすが。
最近定番曲になりつつある、地獄の三三七拍子こと「Cold Edge」から、来月発売のアルバムの中でこの日披露されたのは、祭り囃子の爆音ロックナンバー「Lost!!」。先日は新曲が3曲演奏されたが、やはりフェスやイベントなど、このような短い時間でのライブの時は即効性の高いこの曲がセトリに並ぶことになりそう。
やたらとASPARAGUS渡邉忍のMCに感化された、というかほとんど同じようなMCを卓郎がすると、後半はおなじみのキラーチューンが並ぶ。「ハートに火をつけて」では卓郎が歌詞に「新木場STUDIO COAST」という単語をねじ込み、「talking machine」ではイントロでおなじみのマラカスシェイク。そしてラストは
「来月出るアルバムのタイトル曲のような曲」
と紹介された、爆音ワルツ(もはやワルツと言っていい曲かわからないが)「生命のワルツ」。
個人的には、メンバー全員が作詞、作曲をした、クアトロA面シングルのほうがアルバムの中で重要な役割を果たしていると思っていたが、卓郎の口ぶりと、最近のライブでは毎回この曲を最後に演奏しているという事実からも、アルバムの中で重要な役割をになっているのはこの曲でありそう。
気がつけば「Discommunication」も「Black Market Blues」もやっていないが、それでも全く問題ないくらいの満足度を得ているだけに、やっぱり9mmはすごい。
1.Answer and Answer
2.Living Dying Message
3.Cold Edge
4.Lost!!
5.反逆のマーチ
6.ハートに火をつけて
7.talking machine
8.生命のワルツ
生命のワルツ
http://youtu.be/rVqgv3LzAuc
・HAWAIIAN6
橋本塁がかつてカメラマンを始めるきっかけになったバンド、HAWAIIAN6。
おなじみのABBA「Dancing Queen」のSEで登場すると、相変わらずのダークなメロコアというサウンドは唯一無二だが、どこかこれまでよりも明るさの度合いが高く感じるのは、このイベントならではのリラックスした空気がYUTAを笑顔にさせているからだろうか、とも思うが、そこはYUTAとHATANOよりも若いGUREの存在が大きいように思える。決して派手なパフォーマンスはしないし、しゃべることもない(高音コーラスはこのバンドには欠かせないものであるけど)が、常に観客の方を向いて笑顔でベースを弾いているこの男の存在は、初めて見る人からすると、怖さを感じてもおかしくないバンドの雰囲気を間違いなく変えている。
かと思えばHATANOは、
「橋本塁とは長い付き合いなんだけど、あいつが俺らにしてくれたことと言えば、昔ロッキンオンジャパンのインタビューで真面目なことを話した後に、DOPING PANDAと一緒に、新宿のお下劣パブに連れて行ってもらったこと(笑)
楽しみ方がわかってない!って言われて、全員パンツ一丁で正座させられたけど(笑)」
と、なぜ今になってこの話をするのか、というMCで笑わせながら、新旧織り交ぜたセトリの、実にテンポの良いライブ。当然のように客席にはダイバーが続出しているが、やはりこのバンドにはこういう景色がよく似合う。
すると今度は5年前の震災のことに触れたりしながら、
「塁が俺たちのライブで初めてカメラで写真を撮った時、あいつは妹が俺たちのライブが見たい、っていうんで見に来ただけだった。それが今やこうしてライブを主催する立場になって。職業は違うけど、俺たちも塁も、ライブハウスに来て人生が変わった。そりゃあ良いことばかりじゃなかったけど、もっと普通の人生のほうが良かったかって言われたら、俺たちはこれまでやってきて本当に良かったって思ってるし、これからもずっと続けていきたいって思ってる。
音楽にできることなんてないかもしれないけど、こうやって笑いあったり、泣きあったりすることはできるから。新木場じゃなくても、またどこかのライブハウスでまた遊びましょう」
というMCは、デカい会場でやろうと思えばいくらでもできる存在でありながらも、常にライブハウスにこだわり続け、メンバーが変わってもずっと続いてきたバンドだからこそ説得力がある。
ラストの「RAINBOW,RAINBOW」のでっかいサークルは本当にみんな楽しそうだった。HATANOが言っていたように、みんな音を楽しんでいた。
1.Butcher
2.Light And Shadow
3.Tiny Soul
4.Eternal Wish,Twinkle Star
5.THE LIGHTNING
6.Black Crows Lullaby
7.Color Of Love
8.I BELIEVE
9.Magic
10.Ever Green
11.RAINBOW,RAINBOW
Magic
http://youtu.be/pt4P8lw1cEU
・Nothing's Carved In Stone
橋本塁とともに、9mm卓郎&和彦が最後のお菓子と酒の振る舞いに参加してから、いよいよこの豪華なメンバーが並んだこの日のトリを任された、Nothing's Carved In Stoneが登場。
キャップを逆さまに被った村松拓がどこかBボーイ感が強い中、最新アルバム「MAZE」収録の「YOUTH City」から、その圧倒的なバンドサウンドを遺憾なく発揮。元からスタープレイヤーたちが集まったバンドだけに、結成当初から凄まじい音を出し、凄まじいライブをやっていたが、年数を経るにつれてさらに進化しているのは恐ろしさすら感じる。
対バンツアーなどですでに披露されているニューシングル「In Future」はさらにそのバンドの進化を如実に物語る曲で、EDM!?と思うような大胆なイントロから、ハードロック色の強いサウンドに展開し、村松がハンドマイクで歌うという明らかな新機軸。ステージを歩き回りながら歌う村松の姿はフロントマンとしての自信に満ち溢れている。
もうちょっと「MAZE」に寄ったものになるかと思いきや、キャリアを横断するような選曲で、村松は震災のことに触れたりしながら、この日、この出演者の中でトリができることを本当に嬉しそうに語る。
生形はギターソロの度に前に出てきてキッズたちにギターという楽器のかっこよさを示し、ひなっち(マジで最近本当に痩せた)と大多喜によるリズム隊は「Out of Control」のイントロからバチバチにぶつかり合いながらも一つのバンドの音として見事に調和を果たしている。
ライブのラストにふさわしい「Shimmer Song」で本編を終えると、橋本塁が「もう1曲聴きたいよね?リクエストしました!アンコールお願いします!」とバンドを呼び込むと、自身もステージに残って写真を撮る中、生形とひなっちはどちらが橋本塁と付き合いが長いかを話し合う。結局、ひなっちが13年くらいで、このバンドの中では最も長い付き合いらしい。
そして橋本塁のリクエストによって演奏されたアンコール曲は、サビで観客の手が左右に揺れる、キャッチーな日本語詞の「きらめきの花」。確かにバンドのアレンジとサウンドはこのバンドの最大の武器でもあるが、この曲のようなタイプの曲を聴くと、やはりメロディが本当にしっかりしているし、そこを絶対に軽視しないからこそ、このバンドは長きに渡ってこれだけたくさんの人を惹きつけ続けているのだとわかる。
6年くらい前、このイベントで初めて見た時はまだ、ELLEGARDENの生形の新バンドというイメージだったが、もはやこの4人でこそこのバンドという感じしかない。
演奏終了後、大多喜が大歓声に応えながら客席にスティックを投げ込むと、橋本塁が最後に挨拶して、11回目のSOUND SHOOTERは幕を閉じた。
1.YOUTH City
2.Spirit Inspiration
3.In Future
4.Sunday Morning Escape
5.Pride
6.Idols
7.Out of Control
8.Shimmer Song
encore
9.きらめきの花
YOUTH City
http://youtu.be/q83xDRLu0Og
開演時の挨拶で、「裏ではすでに宴会が始まっている」と橋本塁が言っていたように、おなじみの面々が集まったことにより、緊張感はほとんどない、終始リラックスしたムードに包まれた1日だったが、これだけの出演者がみんなそういう空気になっていたのは、間違いなくこのイベントの主催者の橋本塁の人柄によるもの。
私財を投じて観客に酒やお菓子を振舞ったりするところからもそれは良くわかるが、この人は実際に会話してみても、本当に良い人でしかない、というのが良くわかる。
そんな空気がこのイベントには溢れているからこそ、こうして毎年参加したいと思わされる。村松が「塁君が死ぬまでやるでしょう」と言っていたが、本当にその通りであって欲しい。来年もよろしく。
Next→ 3/14 preview of film @新代田FEVER

去年の10周年は3days開催だったが、今年は例年通りに1日のみの開催。出演者は
9mm Parabellum Bullet
ASPARAGUS
the band apart
HAWAIIAN6
Nothing's Carved In Stone
という、このイベントにおいてはもはやお馴染みな面々。例年は初出演の若手も名を連ねているが。
STUDIO COASTの外にはラコスバーガー、中には東北ライブハウス大作戦や幡ヶ谷再生大学など、出演者と主催者が深く関わりを持っているブースが並んでいるのはこのイベントならでは。
ステージのスクリーンには、橋本塁が撮影した写真が映し出される中、開演時間の15時になると、ステージに「金髪水玉野郎」こと、主催者の橋本塁が登場し、開会挨拶。今回のメンツはやはりそれぞれ仲が非常に良く、裏では早くも宴会が始まっているとのこと。
・the band apart
そんな橋本塁の前説中に早くもメンバー全員ステージに登場。「まだ始めないでね」と言われる中、前説が終わるや否や、木暮の四つ打ちドラムのイントロから、「higher」でスタート。
やはり技巧を尽くし、洗練されたサウンドながら、パンクなどのエモさも感じさせつつ、実にキャッチーなバンアパサウンドを、英語詞時代の代表曲と、日本語を導入してからの代表曲で実にわかりやすく響かせる。
「昔、10年くらい前かな?まだ塁が全然こんなにカリスマカメラマン(笑)じゃなかった頃、俺たちがRUSH BALLに呼ばれてライブしに行って。その時に塁がステージの写真を撮ってたんだけど、その写真を見たいろんな人が、「これを撮ったの誰だ!?」って反応して。それから塁はROCK IN JAPANとかでも撮影するようになって」
と、自分たちと橋本塁の歩みを語るも、その橋本塁からカメラを向けられたメンバーはMC中にもかかわらず、みんなで集まって撮影大会を開始してしまうという、普段のこのバンドのライブでもなかなかありえないユルさ。
その撮影会を始めた張本人である、ベース原は、
「塁に全然関係ないんだけど、最近全国の薬局のオリジナル胃薬にハマってて。太田胃散はダメだね。だから「全国胃散」ですよ」
と、「世界遺産」にかけているんだろうか、という実に意味不明なMCをかましていた。
この日もそうだったが、年々このバンドはどんどん親しみやすさが出てきている。それがこの日はMAXに達するくらいにリラックスした空気のステージだったが、先日発表された、Mock Orangeとのスプリット盤の第2弾に収録される新曲の方向性はいかに。
1.higher
2.禁断の宮殿
3.I love you wasted Junks & Greens
4.まぼろし街道
5.Eric.W
6.ピルグリム
7.夜の向こうへ
夜の向こうへ
http://youtu.be/1mRchZDuDTI
・ASPARAGUS
メンバー3人がサウンドチェックを行い、曲を演奏するというサービスを見せてから、橋本塁とバンアパ荒井による、客席へのお菓子や酒の振る舞いの後に登場した、ASPARAGUS。
序盤は渡邉忍がアコギを弾く曲が続くが、メロディの楽器がアコギだけとは思えないくらいに疾走感に満ち溢れているのはこのバンドならでは。
「さっき、塁がお菓子とか投げてたから、俺もアコギ投げちゃおうかな、って(笑)
そしたら渡邉から泉谷に改名しなきゃいけなくなるけど(笑)」
という独特の渡邉語録で笑わせると、エレキに持ち替えてさらにロック指数を上げる。ライブ会場限定CD収録の「maybe or maybe not」はまだ様子見、的な人も多かったが、「I FLY」からはダイバーも続出するくらいの盛り上がりぶりを見せる。
かと思いきやMCではベース原の服装を「ボーイスカウトみたい(笑)」といじり(ボーイスカウトの内容はちゃんとは知らないらしい)、MONOEYESに参加していることでそのキャラが全国区に知れ渡るようになったドラム一瀬にも観客から熱烈な歓声が飛ぶ。
橋本塁が1番好きな曲だという「Analog Signal Processing」から、ラストはやはり「FALLIN' DOWN」。
そんなにリリースペースが早いバンドではないし(というかむしろマイペース過ぎるほどに遅い)、今はライブの本数自体も他の出演者に比べると多くないが、それでもライブを見ると、「あ~やっぱり良いな。カッコ良いバンドだな」と毎回思わせてくれるのはさすが。
1.LOST SHEPHERD
2.DEAD SONG
3.I'm off now
4.maybe or maybe not
5.I FLY
6.SILLY THING
7.Analog Signal Processing
8.FALLIN' DOWN
SILLY THING
http://youtu.be/4tELrJH3JVI
・9mm Parabellum Bullet
今度は橋本塁とともにASPARAGUS渡邉忍がお菓子や酒を客席に振舞ってから、このイベントにはDOTMANSという変名バンドでも出演したことがある、常連中の常連、9mmが登場。
ATARI TEENAGE RIOTの「Digital Hardcore」でメンバーが登場すると、のっけから滝が暴れまくりの「Answer and Answer」でスタートし、さらに「Living Dying Message」へ。この2曲は先日のリキッドルームでのライブでは演奏されなかっただけに、短い期間かつ短い時間のライブでセトリを変えてくるあたりはさすが。
最近定番曲になりつつある、地獄の三三七拍子こと「Cold Edge」から、来月発売のアルバムの中でこの日披露されたのは、祭り囃子の爆音ロックナンバー「Lost!!」。先日は新曲が3曲演奏されたが、やはりフェスやイベントなど、このような短い時間でのライブの時は即効性の高いこの曲がセトリに並ぶことになりそう。
やたらとASPARAGUS渡邉忍のMCに感化された、というかほとんど同じようなMCを卓郎がすると、後半はおなじみのキラーチューンが並ぶ。「ハートに火をつけて」では卓郎が歌詞に「新木場STUDIO COAST」という単語をねじ込み、「talking machine」ではイントロでおなじみのマラカスシェイク。そしてラストは
「来月出るアルバムのタイトル曲のような曲」
と紹介された、爆音ワルツ(もはやワルツと言っていい曲かわからないが)「生命のワルツ」。
個人的には、メンバー全員が作詞、作曲をした、クアトロA面シングルのほうがアルバムの中で重要な役割を果たしていると思っていたが、卓郎の口ぶりと、最近のライブでは毎回この曲を最後に演奏しているという事実からも、アルバムの中で重要な役割をになっているのはこの曲でありそう。
気がつけば「Discommunication」も「Black Market Blues」もやっていないが、それでも全く問題ないくらいの満足度を得ているだけに、やっぱり9mmはすごい。
1.Answer and Answer
2.Living Dying Message
3.Cold Edge
4.Lost!!
5.反逆のマーチ
6.ハートに火をつけて
7.talking machine
8.生命のワルツ
生命のワルツ
http://youtu.be/rVqgv3LzAuc
・HAWAIIAN6
橋本塁がかつてカメラマンを始めるきっかけになったバンド、HAWAIIAN6。
おなじみのABBA「Dancing Queen」のSEで登場すると、相変わらずのダークなメロコアというサウンドは唯一無二だが、どこかこれまでよりも明るさの度合いが高く感じるのは、このイベントならではのリラックスした空気がYUTAを笑顔にさせているからだろうか、とも思うが、そこはYUTAとHATANOよりも若いGUREの存在が大きいように思える。決して派手なパフォーマンスはしないし、しゃべることもない(高音コーラスはこのバンドには欠かせないものであるけど)が、常に観客の方を向いて笑顔でベースを弾いているこの男の存在は、初めて見る人からすると、怖さを感じてもおかしくないバンドの雰囲気を間違いなく変えている。
かと思えばHATANOは、
「橋本塁とは長い付き合いなんだけど、あいつが俺らにしてくれたことと言えば、昔ロッキンオンジャパンのインタビューで真面目なことを話した後に、DOPING PANDAと一緒に、新宿のお下劣パブに連れて行ってもらったこと(笑)
楽しみ方がわかってない!って言われて、全員パンツ一丁で正座させられたけど(笑)」
と、なぜ今になってこの話をするのか、というMCで笑わせながら、新旧織り交ぜたセトリの、実にテンポの良いライブ。当然のように客席にはダイバーが続出しているが、やはりこのバンドにはこういう景色がよく似合う。
すると今度は5年前の震災のことに触れたりしながら、
「塁が俺たちのライブで初めてカメラで写真を撮った時、あいつは妹が俺たちのライブが見たい、っていうんで見に来ただけだった。それが今やこうしてライブを主催する立場になって。職業は違うけど、俺たちも塁も、ライブハウスに来て人生が変わった。そりゃあ良いことばかりじゃなかったけど、もっと普通の人生のほうが良かったかって言われたら、俺たちはこれまでやってきて本当に良かったって思ってるし、これからもずっと続けていきたいって思ってる。
音楽にできることなんてないかもしれないけど、こうやって笑いあったり、泣きあったりすることはできるから。新木場じゃなくても、またどこかのライブハウスでまた遊びましょう」
というMCは、デカい会場でやろうと思えばいくらでもできる存在でありながらも、常にライブハウスにこだわり続け、メンバーが変わってもずっと続いてきたバンドだからこそ説得力がある。
ラストの「RAINBOW,RAINBOW」のでっかいサークルは本当にみんな楽しそうだった。HATANOが言っていたように、みんな音を楽しんでいた。
1.Butcher
2.Light And Shadow
3.Tiny Soul
4.Eternal Wish,Twinkle Star
5.THE LIGHTNING
6.Black Crows Lullaby
7.Color Of Love
8.I BELIEVE
9.Magic
10.Ever Green
11.RAINBOW,RAINBOW
Magic
http://youtu.be/pt4P8lw1cEU
・Nothing's Carved In Stone
橋本塁とともに、9mm卓郎&和彦が最後のお菓子と酒の振る舞いに参加してから、いよいよこの豪華なメンバーが並んだこの日のトリを任された、Nothing's Carved In Stoneが登場。
キャップを逆さまに被った村松拓がどこかBボーイ感が強い中、最新アルバム「MAZE」収録の「YOUTH City」から、その圧倒的なバンドサウンドを遺憾なく発揮。元からスタープレイヤーたちが集まったバンドだけに、結成当初から凄まじい音を出し、凄まじいライブをやっていたが、年数を経るにつれてさらに進化しているのは恐ろしさすら感じる。
対バンツアーなどですでに披露されているニューシングル「In Future」はさらにそのバンドの進化を如実に物語る曲で、EDM!?と思うような大胆なイントロから、ハードロック色の強いサウンドに展開し、村松がハンドマイクで歌うという明らかな新機軸。ステージを歩き回りながら歌う村松の姿はフロントマンとしての自信に満ち溢れている。
もうちょっと「MAZE」に寄ったものになるかと思いきや、キャリアを横断するような選曲で、村松は震災のことに触れたりしながら、この日、この出演者の中でトリができることを本当に嬉しそうに語る。
生形はギターソロの度に前に出てきてキッズたちにギターという楽器のかっこよさを示し、ひなっち(マジで最近本当に痩せた)と大多喜によるリズム隊は「Out of Control」のイントロからバチバチにぶつかり合いながらも一つのバンドの音として見事に調和を果たしている。
ライブのラストにふさわしい「Shimmer Song」で本編を終えると、橋本塁が「もう1曲聴きたいよね?リクエストしました!アンコールお願いします!」とバンドを呼び込むと、自身もステージに残って写真を撮る中、生形とひなっちはどちらが橋本塁と付き合いが長いかを話し合う。結局、ひなっちが13年くらいで、このバンドの中では最も長い付き合いらしい。
そして橋本塁のリクエストによって演奏されたアンコール曲は、サビで観客の手が左右に揺れる、キャッチーな日本語詞の「きらめきの花」。確かにバンドのアレンジとサウンドはこのバンドの最大の武器でもあるが、この曲のようなタイプの曲を聴くと、やはりメロディが本当にしっかりしているし、そこを絶対に軽視しないからこそ、このバンドは長きに渡ってこれだけたくさんの人を惹きつけ続けているのだとわかる。
6年くらい前、このイベントで初めて見た時はまだ、ELLEGARDENの生形の新バンドというイメージだったが、もはやこの4人でこそこのバンドという感じしかない。
演奏終了後、大多喜が大歓声に応えながら客席にスティックを投げ込むと、橋本塁が最後に挨拶して、11回目のSOUND SHOOTERは幕を閉じた。
1.YOUTH City
2.Spirit Inspiration
3.In Future
4.Sunday Morning Escape
5.Pride
6.Idols
7.Out of Control
8.Shimmer Song
encore
9.きらめきの花
YOUTH City
http://youtu.be/q83xDRLu0Og
開演時の挨拶で、「裏ではすでに宴会が始まっている」と橋本塁が言っていたように、おなじみの面々が集まったことにより、緊張感はほとんどない、終始リラックスしたムードに包まれた1日だったが、これだけの出演者がみんなそういう空気になっていたのは、間違いなくこのイベントの主催者の橋本塁の人柄によるもの。
私財を投じて観客に酒やお菓子を振舞ったりするところからもそれは良くわかるが、この人は実際に会話してみても、本当に良い人でしかない、というのが良くわかる。
そんな空気がこのイベントには溢れているからこそ、こうして毎年参加したいと思わされる。村松が「塁君が死ぬまでやるでしょう」と言っていたが、本当にその通りであって欲しい。来年もよろしく。
Next→ 3/14 preview of film @新代田FEVER


preview of film [石毛輝、岡本伸明、北山詩織、高橋昌志] Koji Nakamura DJ片平実 @新代田FEVER 3/14 ホーム
Welcome! [Alexandros] LIVE 2016 出演: [Alexandros] / 内澤崇仁(androp) / 金廣真悟(グッドモーニングアメリカ) / 菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet) @新木場STUDIO COAST 3/10