amazarashi 5th anniversary Live Tour 2016 追加公演 @Zepp Tokyo 2/28
- 2016/02/29
- 15:52
5周年記念ツアーではあるが、直前にニューアルバム「世界収束 二一一六」をリリースしたことで、そのアルバムのリリースツアーという様相になった、amazarashi。すでに前日も同会場でワンマンを行い、翌週には中野サンプラザでもワンマンを行うが、その2公演がソールドアウトしたことにより、追加公演となったのがこの日のZepp Tokyoワンマン。
いつも通りにステージには紗幕が張られている中、いつもより早めの17時過ぎ、会場が急に暗転すると、紗幕に映像が投影され、紗幕の向こう側にいる、秋田ひろむと豊川真奈美の2人とサポートメンバーによる演奏が始まる。
最初の曲は
「冬の雨は冷たいんだよなぁ」
と、雨は降っていないものの、この時期だからこその選曲だろうか、と思わせる「コンビニ傘」。
続いて、新作から最初に披露されたのは、首都高速を走る映像とともに、バンドの力強い演奏が響く「タクシードライバー」。秋田の声も実に伸びやかで、2daysの2日目ということを全く感じさせない。しかし、秋田はサビで歌詞が飛び、ほぼ丸々サビをすっ飛ばすという箇所もあった。
同じく新作収録曲で、先行シングルにもなった「季節は次々死んでいく」は、CDJに出演した時は、美女が生肉を次々に口に入れていく映像だったが、この日は歌詞が浮き出してくるという、3Dライブの時と同じ映像。どう使い分けているのかはわからないが、CDJの時の映像(というかPV)はグロさを感じてしまう、というか見るとその日は肉を食べられなくなってしまうため、個人的にはこっちのバージョンのほうがありがたい。
しかし前日がどうだったのかはわからないが、この日は演奏も秋田のボーカルも本当に音がでかかった。そう感じるのはamazarashiのライブを見るのがホールであることに慣れてしまっていて、その音量が当たり前になっているのもあるかもしれないが。
アナログ時計が時間を刻んでいく映像の中、
「この町が燃え尽きて 百年経ったら起こして」
というフレーズが2016年から2116年にワープさせる「百年経ったら」は、
「燃えろ燃えろ全部燃えろ」
というフレーズがある「ワンルーム叙事詩」で燃え尽きた後の世界なのかもしれない、と曲順的に思ったりも。演奏面ではCDで聴いたよりもギターがノイジーなサウンドだったのが印象的。
「雨男」の前にはライブならではのポエトリーリーディングが追加され、PVの映像が流れる「夏を待っていました」「ラブソング」と、定番曲と言っていいような曲が続いた中、空気が一変したのは、同じくPVでありながら、不穏さを強く感じさせ、迫力抜群の演奏に加えてレーザー光線が客席に飛び交う「スピードと摩擦」。
続く、アルバムの中でもかなり重要な位置を占める曲である「エンディングテーマ」では、まるで秋田ひろむという男の人生のエンディングとでもいうかのように、豊川をはじめとするバンドメンバーから、数え切れない人の名前がエンドロールのように流れていく。
ここらあたりから秋田の歌声はさらに力強さというか、鬼気迫るものすら感じさせ、ポエトリーリーディング的な「しらふ」では後半から嗚咽するかのように感情を爆発させ、それは「美しき思い出」まで続いていく。
アルバムではあとがきのように最後に置かれている「収束」でこの世界を締め括るかと思いきや、ラウドと言ってもいいようなサウンドと、歌詞が次々に紗幕に並んでいく「多数決」。すでにアルバムリリース前からライブで披露していた曲だが、
「強い者が弱きを挫いて 溜飲を下げ 都会は田舎をゴミ捨て場だと思ってる」
という歌詞は、青森県むつ市という、使用済核燃料中間貯蔵施設が存在する街で生きてきた秋田が歌うからこそ説得力があるし(実際、かつてのライブでは、物語という体裁を保っているが、明らかに原発に対する反対姿勢を感じさせる演出を行っていた)、富裕層がますます富を得て、貧困層との格差が広がりつつある、現在の政府のやり方に異を唱えているように感じる。
前日なり、今回のツアーではこの曲の「挙手を願う」のフレーズの部分で手を挙げる観客もいたようだが、この日はその姿は見れなかった。
そしてこの曲を終えると、滅多にしゃべることのない秋田が口を開く。
「ツアーももう終盤で。こうしていろんな土地にライブをしに行って、言葉をかけてもらえたり、こうしてみんなの姿を見ると、それが新たな創作意欲に繋がっていく。だから、ずっとやり続けたいと思います」
と、これからもずっとライブを続けていくという意思表明をした。
amazarashiはワンマン以外のライブを数えるくらいしかやったことがないし、ワンマンもリリースタイミングのツアーくらいしかやらない。だから年間100本くらいライブをやっているようなライブバンドとは違う。
でもこの秋田の姿勢と、この独特な、唯一無二の世界を提示するライブは、amazarashiを間違いなくライブバンドたらしめている。
そして世界が収束した後に、まるでアンコールのようにガラッと空気が変わり、キラキラしたサウンドと映像、照明が強い希望を感じさせる「スターライト」、様々なテーマを歌いながらも、結局最後は
「見ろよもう朝日が昇ってきた 人生は美しい 人生は美しい」
と締め括られる「ライフイズビューティフル」で終了。紗幕にはいつものようにamazarashiのロゴが映し出される中、終演SEとして、「花は誰かの死体に咲く」が流れた。出来たら、終演SEではなくて、この曲もライブで聴いてみたかった。この曲がテーマになっている初回盤に付属の小説がまた素晴らしかっただけに。
この日は「スターライト」を演奏したが、「世界収束二一一六」というアルバムタイトルと、そのコンセプトに沿った内容が示すように、作品を重ねるにつれて増えてきた、「スターライト」「もう一度」などの希望を感じさせるような曲はほぼ皆無。それに合わせてたかのように、今日演奏された過去曲もいわゆる絶望の中から一筋の希望を感じさせるような曲が中心。その新作曲と過去曲を組み合わせたamazarashiならではの壮大な物語の一夜。翌週の中野サンプラザでのツアーファイナルは果たしてどんなライブになるのか。
1.コンビニ傘
2.タクシードライバー
3.季節は次々死んでいく
4.ワンルーム叙事詩
5.性善説
6.百年経ったら
7.雨男
8.夏を待っていました
9.ラブソング
10.スピードと摩擦
11.エンディングテーマ
12.しらふ
13.美しき思い出
14.収束
15.多数決
16.スターライト
17.ライフイズビューティフル
エンディングテーマ
http://youtu.be/pHGnrG_PrCU
Next→ 3/4 a flood of circle × 佐々木亮介 @新宿LOFT
いつも通りにステージには紗幕が張られている中、いつもより早めの17時過ぎ、会場が急に暗転すると、紗幕に映像が投影され、紗幕の向こう側にいる、秋田ひろむと豊川真奈美の2人とサポートメンバーによる演奏が始まる。
最初の曲は
「冬の雨は冷たいんだよなぁ」
と、雨は降っていないものの、この時期だからこその選曲だろうか、と思わせる「コンビニ傘」。
続いて、新作から最初に披露されたのは、首都高速を走る映像とともに、バンドの力強い演奏が響く「タクシードライバー」。秋田の声も実に伸びやかで、2daysの2日目ということを全く感じさせない。しかし、秋田はサビで歌詞が飛び、ほぼ丸々サビをすっ飛ばすという箇所もあった。
同じく新作収録曲で、先行シングルにもなった「季節は次々死んでいく」は、CDJに出演した時は、美女が生肉を次々に口に入れていく映像だったが、この日は歌詞が浮き出してくるという、3Dライブの時と同じ映像。どう使い分けているのかはわからないが、CDJの時の映像(というかPV)はグロさを感じてしまう、というか見るとその日は肉を食べられなくなってしまうため、個人的にはこっちのバージョンのほうがありがたい。
しかし前日がどうだったのかはわからないが、この日は演奏も秋田のボーカルも本当に音がでかかった。そう感じるのはamazarashiのライブを見るのがホールであることに慣れてしまっていて、その音量が当たり前になっているのもあるかもしれないが。
アナログ時計が時間を刻んでいく映像の中、
「この町が燃え尽きて 百年経ったら起こして」
というフレーズが2016年から2116年にワープさせる「百年経ったら」は、
「燃えろ燃えろ全部燃えろ」
というフレーズがある「ワンルーム叙事詩」で燃え尽きた後の世界なのかもしれない、と曲順的に思ったりも。演奏面ではCDで聴いたよりもギターがノイジーなサウンドだったのが印象的。
「雨男」の前にはライブならではのポエトリーリーディングが追加され、PVの映像が流れる「夏を待っていました」「ラブソング」と、定番曲と言っていいような曲が続いた中、空気が一変したのは、同じくPVでありながら、不穏さを強く感じさせ、迫力抜群の演奏に加えてレーザー光線が客席に飛び交う「スピードと摩擦」。
続く、アルバムの中でもかなり重要な位置を占める曲である「エンディングテーマ」では、まるで秋田ひろむという男の人生のエンディングとでもいうかのように、豊川をはじめとするバンドメンバーから、数え切れない人の名前がエンドロールのように流れていく。
ここらあたりから秋田の歌声はさらに力強さというか、鬼気迫るものすら感じさせ、ポエトリーリーディング的な「しらふ」では後半から嗚咽するかのように感情を爆発させ、それは「美しき思い出」まで続いていく。
アルバムではあとがきのように最後に置かれている「収束」でこの世界を締め括るかと思いきや、ラウドと言ってもいいようなサウンドと、歌詞が次々に紗幕に並んでいく「多数決」。すでにアルバムリリース前からライブで披露していた曲だが、
「強い者が弱きを挫いて 溜飲を下げ 都会は田舎をゴミ捨て場だと思ってる」
という歌詞は、青森県むつ市という、使用済核燃料中間貯蔵施設が存在する街で生きてきた秋田が歌うからこそ説得力があるし(実際、かつてのライブでは、物語という体裁を保っているが、明らかに原発に対する反対姿勢を感じさせる演出を行っていた)、富裕層がますます富を得て、貧困層との格差が広がりつつある、現在の政府のやり方に異を唱えているように感じる。
前日なり、今回のツアーではこの曲の「挙手を願う」のフレーズの部分で手を挙げる観客もいたようだが、この日はその姿は見れなかった。
そしてこの曲を終えると、滅多にしゃべることのない秋田が口を開く。
「ツアーももう終盤で。こうしていろんな土地にライブをしに行って、言葉をかけてもらえたり、こうしてみんなの姿を見ると、それが新たな創作意欲に繋がっていく。だから、ずっとやり続けたいと思います」
と、これからもずっとライブを続けていくという意思表明をした。
amazarashiはワンマン以外のライブを数えるくらいしかやったことがないし、ワンマンもリリースタイミングのツアーくらいしかやらない。だから年間100本くらいライブをやっているようなライブバンドとは違う。
でもこの秋田の姿勢と、この独特な、唯一無二の世界を提示するライブは、amazarashiを間違いなくライブバンドたらしめている。
そして世界が収束した後に、まるでアンコールのようにガラッと空気が変わり、キラキラしたサウンドと映像、照明が強い希望を感じさせる「スターライト」、様々なテーマを歌いながらも、結局最後は
「見ろよもう朝日が昇ってきた 人生は美しい 人生は美しい」
と締め括られる「ライフイズビューティフル」で終了。紗幕にはいつものようにamazarashiのロゴが映し出される中、終演SEとして、「花は誰かの死体に咲く」が流れた。出来たら、終演SEではなくて、この曲もライブで聴いてみたかった。この曲がテーマになっている初回盤に付属の小説がまた素晴らしかっただけに。
この日は「スターライト」を演奏したが、「世界収束二一一六」というアルバムタイトルと、そのコンセプトに沿った内容が示すように、作品を重ねるにつれて増えてきた、「スターライト」「もう一度」などの希望を感じさせるような曲はほぼ皆無。それに合わせてたかのように、今日演奏された過去曲もいわゆる絶望の中から一筋の希望を感じさせるような曲が中心。その新作曲と過去曲を組み合わせたamazarashiならではの壮大な物語の一夜。翌週の中野サンプラザでのツアーファイナルは果たしてどんなライブになるのか。
1.コンビニ傘
2.タクシードライバー
3.季節は次々死んでいく
4.ワンルーム叙事詩
5.性善説
6.百年経ったら
7.雨男
8.夏を待っていました
9.ラブソング
10.スピードと摩擦
11.エンディングテーマ
12.しらふ
13.美しき思い出
14.収束
15.多数決
16.スターライト
17.ライフイズビューティフル
エンディングテーマ
http://youtu.be/pHGnrG_PrCU
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