TK from 凛として時雨 presents 「error for 0 vol.1」 出演:TK from 凛として時雨 / the HIATUS @新木場STUDIO COAST 2/4
- 2016/02/05
- 15:07
あまり積極的に他のアーティストと対バンしたりするイメージがない凛として時雨のボーカリストであるTKが新たにライブイベントを立ち上げた。そのイベント「error for 0」の記念すべき第一回のゲストは、細美武士率いるthe HIATUS。
意外な感じがする組み合わせだが、エモーショナルでありながらも高い芸術性を感じさせるバンドサウンドという意味では両者は共通していると思われる。
先攻はthe HIATUS。荘厳なSEでメンバーが登場すると、いきなり堰を切ったようにメンバーの出す音がぶつかり合い、「The Ivy」からスタート。最初はやや探り気味というか、細美がマイクから少し離れてギターを弾き、その間ボーカルが聞こえづらくなるというところもあったが、やはり細美のボーカル自体は素晴らしい。上手いだけでなく包容力すらも感じる。
続く「The Flare」ではさらにバンドアンサンブルが極まり、エモーショナルさが加速してダイバーが続出。そこから伊澤が足を鍵盤に乗せて弾いた「Monkeys」、サビ前で観客の「1,2,1234!」というコールが導火線に火をつけるように作用する「Storm Racers」と、序盤から飛ばしまくるうえに、バンドの演奏の安定感がやはりすごい。爆発しながら調和しているとでも言うような。
細美によるメンバー紹介と、細美&masasucksの「TK呼んでくれてありがとう!」というコールから、細美がシンセを操る「Thist」からは不穏でありながらもポップなエレクトロサウンドが会場を包み、続く「Unhurt」も含めて、現状の最新作である「Keeper Of The Flame」の世界観を展開。細美がハンドマイクで飛び跳ねながら歌うと、ステージ上も観客もどんどん温度が上がっていく。
その上がった温度のまま突入した「Lone Train Running」ではサビで観客の合唱、さらには間奏部分で細美が「マサー!」と叫んでmasasucksのギターソロに突入していく。
すると曲終わりには細美が
「この前、ロッキンオンジャパンでひたすら酒飲む会(爆飲会)みたいなやつやったんだけど、SNSをやりすぎるとバカになるっていう話をして。
シリアの空爆とAKBの浮気が並列に並んでるなんて…って言ったんだけど、自分でもAKBの浮気ってなんだ!?って思って(笑)」
と笑わせてから、TKとの接点を語り始める。
「TKと初めて一緒にやったのは、俺たちの2ndアルバム「ANOMALY」のツアーに凛として時雨が2箇所くらい出てくれて。で、TKは本当に良い子!はいはい、いいこいいこ。みたいな感じじゃなくて、本っ当に良い子なの。あとあんなギター、どうやって弾いてるのかわからんし、俺のギターではあんな音は出せない(笑)
で、俺がゲスの極み乙女。とindigo la Endみたいにやってる、MONOEYESの戸高がTKと同い年でめちゃ仲が良いのね。だから誰かTKと戸高のBL本を書いて、東京コミックマーケットで売ってください(笑)
俺たちおっさんの中でBLやると、アニキ!みたいな世界になっちゃうから(笑)そんな、TKと戸高のことを考えると寝れなくなる、不眠症の歌」
という、とんでもなく曲のイメージを変えてしまうような前フリで、細美の悲痛な叫びが轟音サウンドに乗って響く「Insomnia」へ。そしてダイバーが次々にステージの方へ流れていく「紺碧の夜に」から、「仲間の歌」と紹介してラストに演奏したのは、今でも「Afterglow」ツアーでのサポートメンバー含めた全員が楽しそうな顔をしていた姿を思い出す、キラキラしたサウンドの「Silver Birch」で、the HIATUSの今年初ライブを締めくくった。
演奏中の細美の笑顔とリラックスしまくっているMCからもわかるように、今のthe HIATUSには本当に幸せな空気が漂っている。それでいながらも演奏はとてつもなくヒリヒリとした緊張感があるのは全く変わらない。
しかし、そろそろ新曲が聞けるんじゃないか?とも期待していただけに、ここ最近のほとんど変わらないセトリに変化が欲しいのもまた事実。
1.The Ivy
2.The Flare
3.Monkeys
4.Storm Racers
5.Thist
6.Unhurt
7.Lone Train Running
8.Insommnia
9.紺碧の夜に
10.Silver Birch
The Ivy
http://youtu.be/PmimS7GsoB8
そして主催のTK from 凛として時雨。ステージに張られた紗幕に映像が投影され、SEが鳴ると幕が開き、ステージ後方のスクリーンにもこのイベントのために作ったと思われる映像が映し出され、TK、BOBO(ドラム)、TOKIE(ベース)、佐藤帆乃佳(バイオリン)、大古晴菜(ピアノ)の5人のメンバーが登場。これまでベースはひなっちだったり、山口寛雄だったりしたが、この日はTOKIEということで、ステージ上の女性比率が高く、華やかに見える。
凛として時雨の時の、空間を切り裂くような声ではなく、この会場全体を包み込むような包容力を感じるような、しかし独特なTKのハイトーンボイスが響き渡る「unravel」からスタートすると、スクリーンには視覚、聴覚だけでなく、様々な感覚が研ぎ澄まされていくような映像が曲に実に良くマッチしている。
演奏ではやはりBOBOのドラムの手数の多さと力強さが最も目を引く部分ではあるが(打ち込みも使ってはいるが、あくまでそれは補助というくらいにドラムがすごい)、TOKIEとのリズム隊は凄まじさをさらに増幅しているものの、佐藤のバイオリン(時にはキーボードも弾く)と大古のピアノの存在により、凄まじくも美しさを感じるという異次元の領域にまで到達してしまっている。
客席もHIATUSの時のようにダイバーが出るような熱狂的な盛り上がりではなく、腕は上がったりするものの、メンバーの演奏する姿や映像に集中して見入っているという感じ。
リラックスしたMCが多かったHIATUSとは対照的に全くMCもなくひたすら曲の世界に浸らせる中、中盤にはすでに発売が決定しているミニアルバムからの新曲も2曲演奏。すでに公開されている「Secret Sensation」も、タイトルがわからない新曲も、どちらも凛として時雨の曲ではないけれど、紛れもなくTKの作る音楽でしかない。
TKがアコギに持ち替えて弾き始めるも、曲途中でエレキにスイッチするという、1曲の中で「静と動」を描いてみせる「flower」を終えると、あっという間にラストの「Fantastic Magic」でタイトル通りに美しい空間を作り出して終了。
凛として時雨はアンコールをやらないバンドとして有名なだけに、ソロもやらずにこれで終了かな、と思っていたが、なかなか客電が点かず、アンコールを求める拍手も鳴り止まない。
するとTK、TOKIE、佐藤の3人で登場し、TOKIEがウッドベースというアコースティックにも近い編成で、
「光を求めてここにいるんじゃないけど
あなたに会えたらそれがいい」
という観客に向けて歌われているかのような「fragile」を演奏し、
「初開催のイベントに尊敬する先輩のthe HIATUSが出てくれて本当に嬉しいです。普段、ライブをするときはいろいろと考えながらライブをしてしまうんですけど、今日、the HIATUSのライブ前の円陣に混ぜてもらって。細美さんが「頭空っぽにして楽しもうぜ!」って言ってたんで、頭を空っぽにして楽しみました」
と、特に細美が言っていたBLネタに触れるわけもなく、the HIATUSへのリスペクトを表明してから、BOBOと大古も加わって演奏されたのは「film A moment」。スクリーンにはTKが撮影したと思われる、曲の情景、TKの心象風景のような写真が次々に映し出され、最後にはソロではほとんどやらないあの空間を切り裂くような叫び声が轟き、解放感溢れる笑顔を見せながら初のソロでの自主企画ライブのステージから去っていった。
今後、どのくらいのペースでこのイベントが開催されるのかわからない(TKのソロでのリリースタイミングあたりになるんだろうか)が、あまり積極的に他のアーティストと絡みに行くイメージがないTKが他のアーティストについてのリスペクトを語るのは、この人もいろいろな周りにいる仲間たちに影響を受けて音楽を作り、鳴らしているというのが実によくわかる。
今はまだイメージできないし、難しいだろうけど、いつかは出演者とコラボする姿も見てみたい。
1.unravel
2.Dramatic Slow Motion
3.phase to phrase
4.Abnormal trick
5.Secret Sensation
6.新曲
7.contrast
8.flower
9.Fantastic Magic
encore
10.fragile
11.film A moment
Secret Sensation
http://youtu.be/o9mmoo6mDUc
Next→ 2/6 米津玄師 @Zepp Tokyo
意外な感じがする組み合わせだが、エモーショナルでありながらも高い芸術性を感じさせるバンドサウンドという意味では両者は共通していると思われる。
先攻はthe HIATUS。荘厳なSEでメンバーが登場すると、いきなり堰を切ったようにメンバーの出す音がぶつかり合い、「The Ivy」からスタート。最初はやや探り気味というか、細美がマイクから少し離れてギターを弾き、その間ボーカルが聞こえづらくなるというところもあったが、やはり細美のボーカル自体は素晴らしい。上手いだけでなく包容力すらも感じる。
続く「The Flare」ではさらにバンドアンサンブルが極まり、エモーショナルさが加速してダイバーが続出。そこから伊澤が足を鍵盤に乗せて弾いた「Monkeys」、サビ前で観客の「1,2,1234!」というコールが導火線に火をつけるように作用する「Storm Racers」と、序盤から飛ばしまくるうえに、バンドの演奏の安定感がやはりすごい。爆発しながら調和しているとでも言うような。
細美によるメンバー紹介と、細美&masasucksの「TK呼んでくれてありがとう!」というコールから、細美がシンセを操る「Thist」からは不穏でありながらもポップなエレクトロサウンドが会場を包み、続く「Unhurt」も含めて、現状の最新作である「Keeper Of The Flame」の世界観を展開。細美がハンドマイクで飛び跳ねながら歌うと、ステージ上も観客もどんどん温度が上がっていく。
その上がった温度のまま突入した「Lone Train Running」ではサビで観客の合唱、さらには間奏部分で細美が「マサー!」と叫んでmasasucksのギターソロに突入していく。
すると曲終わりには細美が
「この前、ロッキンオンジャパンでひたすら酒飲む会(爆飲会)みたいなやつやったんだけど、SNSをやりすぎるとバカになるっていう話をして。
シリアの空爆とAKBの浮気が並列に並んでるなんて…って言ったんだけど、自分でもAKBの浮気ってなんだ!?って思って(笑)」
と笑わせてから、TKとの接点を語り始める。
「TKと初めて一緒にやったのは、俺たちの2ndアルバム「ANOMALY」のツアーに凛として時雨が2箇所くらい出てくれて。で、TKは本当に良い子!はいはい、いいこいいこ。みたいな感じじゃなくて、本っ当に良い子なの。あとあんなギター、どうやって弾いてるのかわからんし、俺のギターではあんな音は出せない(笑)
で、俺がゲスの極み乙女。とindigo la Endみたいにやってる、MONOEYESの戸高がTKと同い年でめちゃ仲が良いのね。だから誰かTKと戸高のBL本を書いて、東京コミックマーケットで売ってください(笑)
俺たちおっさんの中でBLやると、アニキ!みたいな世界になっちゃうから(笑)そんな、TKと戸高のことを考えると寝れなくなる、不眠症の歌」
という、とんでもなく曲のイメージを変えてしまうような前フリで、細美の悲痛な叫びが轟音サウンドに乗って響く「Insomnia」へ。そしてダイバーが次々にステージの方へ流れていく「紺碧の夜に」から、「仲間の歌」と紹介してラストに演奏したのは、今でも「Afterglow」ツアーでのサポートメンバー含めた全員が楽しそうな顔をしていた姿を思い出す、キラキラしたサウンドの「Silver Birch」で、the HIATUSの今年初ライブを締めくくった。
演奏中の細美の笑顔とリラックスしまくっているMCからもわかるように、今のthe HIATUSには本当に幸せな空気が漂っている。それでいながらも演奏はとてつもなくヒリヒリとした緊張感があるのは全く変わらない。
しかし、そろそろ新曲が聞けるんじゃないか?とも期待していただけに、ここ最近のほとんど変わらないセトリに変化が欲しいのもまた事実。
1.The Ivy
2.The Flare
3.Monkeys
4.Storm Racers
5.Thist
6.Unhurt
7.Lone Train Running
8.Insommnia
9.紺碧の夜に
10.Silver Birch
The Ivy
http://youtu.be/PmimS7GsoB8
そして主催のTK from 凛として時雨。ステージに張られた紗幕に映像が投影され、SEが鳴ると幕が開き、ステージ後方のスクリーンにもこのイベントのために作ったと思われる映像が映し出され、TK、BOBO(ドラム)、TOKIE(ベース)、佐藤帆乃佳(バイオリン)、大古晴菜(ピアノ)の5人のメンバーが登場。これまでベースはひなっちだったり、山口寛雄だったりしたが、この日はTOKIEということで、ステージ上の女性比率が高く、華やかに見える。
凛として時雨の時の、空間を切り裂くような声ではなく、この会場全体を包み込むような包容力を感じるような、しかし独特なTKのハイトーンボイスが響き渡る「unravel」からスタートすると、スクリーンには視覚、聴覚だけでなく、様々な感覚が研ぎ澄まされていくような映像が曲に実に良くマッチしている。
演奏ではやはりBOBOのドラムの手数の多さと力強さが最も目を引く部分ではあるが(打ち込みも使ってはいるが、あくまでそれは補助というくらいにドラムがすごい)、TOKIEとのリズム隊は凄まじさをさらに増幅しているものの、佐藤のバイオリン(時にはキーボードも弾く)と大古のピアノの存在により、凄まじくも美しさを感じるという異次元の領域にまで到達してしまっている。
客席もHIATUSの時のようにダイバーが出るような熱狂的な盛り上がりではなく、腕は上がったりするものの、メンバーの演奏する姿や映像に集中して見入っているという感じ。
リラックスしたMCが多かったHIATUSとは対照的に全くMCもなくひたすら曲の世界に浸らせる中、中盤にはすでに発売が決定しているミニアルバムからの新曲も2曲演奏。すでに公開されている「Secret Sensation」も、タイトルがわからない新曲も、どちらも凛として時雨の曲ではないけれど、紛れもなくTKの作る音楽でしかない。
TKがアコギに持ち替えて弾き始めるも、曲途中でエレキにスイッチするという、1曲の中で「静と動」を描いてみせる「flower」を終えると、あっという間にラストの「Fantastic Magic」でタイトル通りに美しい空間を作り出して終了。
凛として時雨はアンコールをやらないバンドとして有名なだけに、ソロもやらずにこれで終了かな、と思っていたが、なかなか客電が点かず、アンコールを求める拍手も鳴り止まない。
するとTK、TOKIE、佐藤の3人で登場し、TOKIEがウッドベースというアコースティックにも近い編成で、
「光を求めてここにいるんじゃないけど
あなたに会えたらそれがいい」
という観客に向けて歌われているかのような「fragile」を演奏し、
「初開催のイベントに尊敬する先輩のthe HIATUSが出てくれて本当に嬉しいです。普段、ライブをするときはいろいろと考えながらライブをしてしまうんですけど、今日、the HIATUSのライブ前の円陣に混ぜてもらって。細美さんが「頭空っぽにして楽しもうぜ!」って言ってたんで、頭を空っぽにして楽しみました」
と、特に細美が言っていたBLネタに触れるわけもなく、the HIATUSへのリスペクトを表明してから、BOBOと大古も加わって演奏されたのは「film A moment」。スクリーンにはTKが撮影したと思われる、曲の情景、TKの心象風景のような写真が次々に映し出され、最後にはソロではほとんどやらないあの空間を切り裂くような叫び声が轟き、解放感溢れる笑顔を見せながら初のソロでの自主企画ライブのステージから去っていった。
今後、どのくらいのペースでこのイベントが開催されるのかわからない(TKのソロでのリリースタイミングあたりになるんだろうか)が、あまり積極的に他のアーティストと絡みに行くイメージがないTKが他のアーティストについてのリスペクトを語るのは、この人もいろいろな周りにいる仲間たちに影響を受けて音楽を作り、鳴らしているというのが実によくわかる。
今はまだイメージできないし、難しいだろうけど、いつかは出演者とコラボする姿も見てみたい。
1.unravel
2.Dramatic Slow Motion
3.phase to phrase
4.Abnormal trick
5.Secret Sensation
6.新曲
7.contrast
8.flower
9.Fantastic Magic
encore
10.fragile
11.film A moment
Secret Sensation
http://youtu.be/o9mmoo6mDUc
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