COUNTDOWN JAPAN 15/16 day4 @幕張メッセ 12/31
- 2016/01/03
- 17:11
ついに最終日。この日は開始時間が遅いのでゆっくり寝ていられたが、やはり足と腰は疲労が色濃い。
この日はタイムテーブルがGALAXYとEARTHでスタートに時間差があったので、まずはGALAXYで山崎洋一郎の前説を聞き、EARTHに移動してから渋谷陽一の前説を聞くというコースに。
「去年リクライニングチェアが足りなかったので、クロークエリアまで広げた」
というのは本当にすごい。参加者の状況とかを細かく見ていないと絶対できない。だからこのフェスはどれだけ人が増えても快適性が失われない。
15:15~ the HIATUS [EARTH STAGE]
この日のトップバッターはthe HIATUS。渋谷陽一が朝礼で、「海外に行っても間違いなく評価される天才」と評した男(本人の目の前ではムカつくから言わないらしい)、細美武士が率いるバンドである。
メンバーが登場すると、「The Ivy」のフェスの祝祭感に全く似合わないような、楽器それぞれがぶつかり合って一回粉々になった後に一つにくっつく、みたいな凄まじい演奏からスタート。細美武士の歌声も、ちょっと掠れ気味であるが、この巨大空間を完全に掌握している。
2016年が申年というのを意識したのかどうかはわからないが、「Monkeys」から「Storm Racers」とアッパーな曲を続けると、早くもビールをちょいちょい飲みながら細美が、
「朝早くから集まってくれてありがとう!」
と感謝を告げる。トップバッターとはいえ、本当はもう15時過ぎだから夕方くらいの時間だけど。
すると細美がハンドマイクで歌う、「Thirst」「Unhurt」と最新作の曲が続く。わかりやすいような曲たちではないが、リリース当時よりもはるかにライブでの盛り上がりは増している。
去年まではこのフェス出演時のMCでは終わった後に物議を醸すような発言も多かった細美だが、
「ミュージシャンやっててこんな景色見たら、生きてて良かったって思うのは当たり前だよね」
と、今回は実に素直な言葉が並んだ。ビールを飲みながらライブをしているのもそうだが、MONOEYESを始めたことにより、細美にとって音楽が「楽しい」ものに戻ってきたんじゃないかと思う。HIATUSのインタビューでは制作の苦しみなどもよく語っていただけに。そうだとするなら、2つのバンドを並行することによって、ようやく細美の精神状態は安定してきたと言える。
そしてラストは「ベテルギウスの灯」から「紺碧の夜に」という、ファンなら誰もが聴きたいアンセム2連発。フェスでこの2曲を同時にやることすらそうそうないのに、まさか続けてやるとは。
今年はいよいよ新曲、新作もリリースされると思うが、毎作サウンドが大幅に変わるだけに、果たしてどんな新しい世界を我々に見せてくれるんだろうか。
1.The Ivy
2.The Flare
3.Monkeys
4.Storm Racers
5.Thist
6.Unhurt
7.Lone Train Running
8.Insommnia
9.べテルギウスの灯
10.紺碧の夜に
Thist
http://youtu.be/fSzxtLQBZHY
16:15~ the band apart [COSMO STAGE]
かつてはEARTHにも出演し、前年まではGALAXYの常連として出演していたthe band apart。ついに今回はCOSMO STAGEへの出演となった。
サウンドチェックの段階で代表曲を演奏して早くも客席を沸かせると、本番では木暮が先にリズムを叩き出し、いきなりのキラーチューン「Eric.W」からスタート。曲と曲の間を繋げるアレンジはやはり秀逸だが、前半はライブではおなじみの代表曲たち。前日までに出演したベテランバンドたちもそうだったが、このバンドもかなりフェスの選曲においてはわかりやすくなってきている。(昔は代表曲的な曲を1曲くらいしかフェスでやらない時も多かっただけに)
荒井の
「今年最初のライブも年明け直後にここでやらせてもらって。今年最後のライブもここ。これはなかなかラッキーパターンだよね。年に2回出る人ってそうそういないでしょ」
という挨拶と、観客の大歓声を浴びながらものすごく溜めに溜めてから喋り出した原の
「みんなきっと誰かと誘い合わせとかしてここまで来たと思うんだけど、俺は絶対そういうことをしないタイプ。だからみんなとは正反対の人間と言ってもいい(笑)」
と、なぜか観客と己の違いを話したMCから、会場限定シングル収録の「まぼろし街道」へ。
そしてそのまま終盤は日本語歌詞の「ピルグリム」から、
「夜の向こうへ 連れて行ってくれ」
というフレーズがこの日の長い夜に誘うかのような「夜の向こうへ」で終了。
毎年必ずツアーを行っているし、様々な対バンやイベントなど、年間でかなりの本数のライブを見ているバンドなだけに、今年も心からよろしく、と言える存在。
リハ1.coral reef
リハ2.when you wish upon a star
1.Eric.W
2.higher
3.I Love You Wasted Junks & Greens
4.まぼろし街道
5.ピルグリム
6.夜の向こうへ
夜の向こうへ
http://youtu.be/1mRchZDuDTI
そのあとGALAXY STAGEにて、THE BACK HORNを「声」「刃」「悪人」、そしてまさかの「未来」までの4曲を聴いてから移動。
17:55~ サンボマスター [EARTH STAGE]
ロッキンではLAKE STAGEが定着しつつあるが、このフェスではメインのEARTH STAGEに出演しているサンボマスター。今年は割と早い時間での出演である。
いつものように「モンキーマジック」のSEで登場…かと思ったら、急にSEがベートーベン「第九」に変わり、オーケストラの指揮者のように正装したメンバーが登場。
「幸せになれんのか、お前ら!」
と、結局正装はすぐに脱ぎ捨てて普段の服装になると山口が熱い言葉を投げかけるが、今回のテーマは「幸せ」で、「幸せ!幸せ!」という大合唱が何度も発生し、なんならバンド側が全く煽ってないタイミングでも自然発生的にコールが起こるという、凄まじい熱気。
ワンマンでもないのに、一体今日はどうしたんだ!?と毎回ワンマン行っている身としてもビックリしてしまうくらいの客席の盛り上がりぶりである。
なので山口の熱い言葉にも毎回驚くように大きな歓声が起こり、フェスではおなじみの曲たちが演奏されていく。普通ならここまでセトリが変わらないと飽きてしまうものだが、サンボマスターは全くそんな飽きるなんてことを感じさせない。それはやる曲こそ同じでも、ライブの内容が毎回全く違うから。
「俺はお前らに愛してるって言ったらやっぱりお前らに愛して欲しいわけ」
「俺はお前たちに生きていて欲しいんだ」
という次の曲タイトルに合わせたMCも実に熱くて泣ける中、生きていること、こうしてサンボマスターのライブを見ていること、そのライブをこれだけたくさんの音楽が好きな人たちと共有できていること。言わされているんじゃなく、この上なく「幸せ」だからこそ「幸せ」って大きな声で叫んだ45分だった。やっぱりこのバンドは圧倒的。
1.ミラクルをキミとおこしたいんです
2.世界を変えさせておくれよ
3.愛してる 愛して欲しい
4.世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
5.できっこないをやらなくちゃ
6.可能性
7.ロックンロールイズノットデッド
ミラクルをキミとおこしたいんです
http://youtu.be/5yEA5K1TFw8
18:45~ NUBO [MOON STAGE]
夏のロッキンや他の様々なフェスにも出演してライブを積み重ねてきている5人組ミクスチャーバンド、NUBOがMOON STAGEに登場。
先に演奏陣の3人が登場して音を鳴らし始めると、そのあとに一成、tommyの2MCが「遊ぼうぜー!」と叫んで登場し、序盤は祭囃子を多用した、和の要素が強いミクスチャーロックで否応なしに客席を躍らせまくる。
「誰かと同じ事を支えに 誰かと違う事を誇りに」
という名フレーズが胸を打つ「ナイモノバカリ」からはメッセージ性の強い曲が並ぶが、そのメッセージを汗だくの状態で歌い、演奏する姿は実に泥臭く、そして人間臭い。
徐々に人が増えてくる中(隣のステージのSHANKが終わったあたりのタイミングからいきなり客席が埋まり出した)、ラストの「Circle」では
「片手メートルのこの円を 繋いで広げて支えてくれた手」
というサビのフレーズに合わせて、客席のいたるところで肩を組んでその場でグルグル回るサークルが出現。仲間同士で肩を組んでいる人たちもいただろうし、たまたま近くにいた人たち同士で肩を組んでいた人たちもいただろう。そういう人たちを繋げる力を持った曲と歌詞をこのバンドは作っている。ライブで見たほうが魅力が圧倒的に伝わってくるバンド。
1.Such one
2.bonfire
3.ナイモノバカリ
4.Present changes past
5.RESHINE
6.Circle
ナイモノバカリ
http://youtu.be/MDBWw7zl8mY
19:40~ Base Ball Bear [GALAXY STAGE]
近年はEARTH STAGEへ毎年出演していたBase Ball Bear、初出演時のGALAXY STAGEに久々に戻ってきた。
サウンドチェックで名曲「short hair」を演奏すると、本番ではいつものように堀之内のドラムセットの周りにメンバーが集まり、関根のベースがうねりまくる「「それって、for 誰?」part.1」からスタート。小出のキラーフレーズのみで構成された、辛辣とも言える歌詞がフェスの祝祭空間に響き渡るのは実に痛快。
12月のツアーファイナルではやらなかった曲も演奏される中、
「今日は我々キノコヘアバンドマンの始祖的存在の木下理樹率いるART-SCHOOLが復活する日ということで。今はキノコヘアバンドマンもいっぱいいますけど、木下理樹とか僕は完全に天然のキノコヘアですから。切ったり伸びたりすると勝手にそうなる、みたいな(笑)」
と、この日のGALAXYの大トリとして出演する先輩の話を持ち出して笑わせると、
「最近フェスとかに出ると思うことがあるんですよ。やっぱり僕はギターが上手いな、って」
と言ってカッティングギターの腕前を見せつける「曖してる」から、重心の低いバンドのセッション的な演奏の「十字架 You and I」へ。近年はこの曲の間奏部分で行われていた、ダンス湯浅将平も今回はなく、間奏からそのまま湯浅のギターソロへ。
最新アルバム「C2」の収録曲ながらツアーでは演奏されずにちょっと残念に思った「HUMAN」が聴けたのは実に嬉しいところ。こうしてアルバム曲を聴くと、確かにこれまでのベボベとは違うサウンドだが、曲のクオリティ自体はこれまでと変わらないというか、むしろこれまでのアルバムよりも高いというのがよくわかる。
そして
「今日のこれからの時間がみなさんにとって素敵な夜になりますように」
と言って最後に演奏されたのは「不思議な夜」。「祭りのあと」も、かつてのバンドの代名詞であった夏ソングたちも一切なし。これが今の、そしてこれからのBase Ball Bear。小出がインタビューで言っていたように、フェスのこの規模のステージでは浮いていると言えるが、それは他のバンドがやっていないことをこのバンドがやっているからこそ。
リハ.short hair
1.「それって、for 誰?」 part.1
2.そんなに好きじゃなかった
3.Tabibito in the dark
4.曖してる
5.十字架 You and I
6.HUMAN
7.不思議な夜
不思議な夜
http://youtu.be/ltwNfxHIWEM
20:50~ MONOEYES [GALAXY STAGE]
細美武士はすでにこの日はthe HIATUSで出演、他のメンバーもART-SCHOOL(戸高)、ASPARAGUS(一瀬)、Scott & Rivers(スコット・マーフィー)と、別の名義でこのフェスに出演経験があるが、このバンドとしては初出演となるMONOEYES。すでにサウンドチェックの段階から超満員である。
「Cold Reaction」からスタートすると、基本的に演奏する曲自体は最近のフェスやイベントの時と変わらないが、明らかにライブそのもの、メンバー同士のグルーヴが向上しているのがわかる。ツアーも見ているが、もはや曲がメンバーの体の中に染み込んできている感じ。
2ステージ目とは思えないくらいに伸びと勢いのある(この勢いという部分はHIATUSとは異なるところ)細美のボーカル、モニターに足をかけて、歌詞を口ずさみながらギターを弾く戸高、その場をグルグルと回りながらベースを弾くスコットと、見た目も実に華やかなバンド。そんな中でスコットがボーカルを務める、Scott & Riversの「HOMELY GIRL」も演奏される。ちなみにこの曲の時は細美はコーラス。
スコットがベースを銃のようにして戸高に向かって撃つ仕草をする「明日公園で」からはさらに加速し、
「こうやってお前らの前でライブできて。お前らと同じ時代で良かったよ」
と細美は言ったが、かつてこのGALAXY STAGEにも立ったELLEGARDEN時代から、細美の作ってきた音楽を聴いてきた人たちはみんな、細美に対して「同じ時代で良かった」って心から思ってるはず。
そしてこんなにあふれんばかりの笑顔で歌っている細美の姿を見れることのなんと幸せなことだろうか。
リハ1.Undone -The Sweater Song
リハ2.What I Left Today
1.Cold Reaction
2.Like We've Never Lost
3.When I Was A King
4.My Instant Song
5.HOMELY GIRL
6.明日公園で
7.Run Run
8.Remember Me
9.グラニート
My Instant Song
http://youtu.be/pppstt1_YZw
21:45~ GLIM SPANKY [MOON STAGE]
ここからはEARTH STAGEにBUMP OF CHICKENが出演するという、裏のバンドにとっては最も厳しい時間帯。
MOON STAGEに登場するのは、ブルースとロックンロールの新たな伝道師、初出演となるGLIM SPANKY。
可憐な見た目から想像できない松尾レミのハスキーなボーカルと、年齢の割に実に渋い亀本のギターが会場を包む中、「褒めろよ」「リアル鬼ごっこ」といったシングル曲に続き、CM曲としても大量オンエアされていた、ジャニス・ジョップリンのカバー「MOVE OVER」までも演奏される。
サッカーのタイアップということで歌詞にサッカーのキーワードが散りばめられた「NEXT ONE」を終えると、
「結成当初からライブでやっている、本当に大事な曲」
と言って演奏されたのは、メジャー1stフルアルバム「SUNRISE JOURNEY」収録の至上の名曲ブルース、「大人になったら」。
そしてラストは年明けにリリースされるミニアルバムに収録される新曲「ワイルドサイドを行け」。
惚れ惚れしてしまうほどにボーカルも演奏もサウンドも全てがカッコいいバンド。しかしながらやはり客席はガラガラであった。BUMPの裏という状況的に仕方ないとはいえ、実にもっかない。
1.褒めろよ
2.リアル鬼ごっこ
3.MOVE OVER
4.NEXT ONE
5.大人になったら
6.ワイルドサイドを行け
大人になったら
http://youtu.be/v-8dXLngI_4
22:15~ ドレスコーズ [COSMO STAGE]
時間的にBUMPとまるかぶりなドレスコーズ。この規模のステージなら満員になってもいいバンドなのに、やはり客席はガラガラというのがBUMPの動員力の凄さを物語っている。
越川和磨(ギター)、有島コレスケ(ベース)、アヒトイナザワ(ドラム)という名プレイヤーたちに支えられて志磨遼平が歌い出す「スローガン」からスタートすると、毛皮のマリーズの「ボニーとクライドは今夜も夢中」が演奏され、大歓声が上がる。越川のギターで毛皮のマリーズの曲が聴けるのは本当に幸せなこと。
「メインステージってどっち?向こう?
みなさーん、ドレスコーズでーす!
…紅白に乗ったかな?まだかな?」
と、BUMPの裏であることを逆手にとったMCで笑わせると、アヒトイナザワのドラムのビートと志磨のラップのような歌い出しがバトルのように火花を散らす「ゴッホ」から、客席から無数の腕が上がる毛皮のマリーズ曲「ビューティフル」、そしてラストは
「可愛くて仕方ないけど憎いあんちくしょうの顔を思い出しながら!」
と志磨が言って、
「ベイビーベイビー あんたなんか」
の大合唱のあとに志磨が
「嫌いー!!!」
と叫んだ「愛に気をつけてね」で終了。
2015年は女性メンバーとのバンドや、KING BROTHERS、OKAMOTO'Sらとライブを行ったが、やはり志磨と越川が並んで毛皮のマリーズの曲を演奏する無敵感はやはり格別。2016年はどんな編成でライブを行うんだろうか。
1.スローガン
2.ボニーとクライドは今夜も夢中
3.もあ
4.ゴッホ
5.ビューティフル
6.愛に気をつけてね
愛に気をつけてね
http://youtu.be/wUlblLp6cl0
22:45~ ハルカトミユキ [MOON STAGE]
中畑大樹、tatsuといった、おなじみ強力サポートメンバーとともに登場した、ハルカトミユキの2人。ハルカは金髪ショートに真っ白な衣装という出で立ち。
きらめくようなエレクトロサウンドの「世界」からスタートすると、冬の情景が浮かんでくる歌詞の最新曲「ワールドワイドウエブは死んでる」も披露し、迫力のバンドサウンドが轟く「ニュートンの林檎」「振り出しに戻る」と、ロックな曲が続くが、野音のワンマンの時はエレクトロサウンドの女王的な解放感を見せていたハルカが、ギターを弾きながらジャンプしたりと、ロックに完全に振り切れたステージングを見せる。
そしてラストに演奏されたのは「Vanilla」。
「狂えない 狂ってしまえない」
という切実な叫びが響いて終了したが、まだ持ち時間的にもう1曲やっても良かったんじゃないか?とも思う。
しかし、毎月新曲をリリース、野音でのフリーライブ開催と、大きな挑戦の一年だった2015年を終えて、2人は2016年にさらに新たな舞台に向かう。
しかし、やはりというかなんというか、COSMOとMOONのBUMPの裏の3組はことごとくガラガラだった。その時間は飲食ブースもガラガラ。やはりBUMPはスゲェなぁと思うとともに、前にBUMPが出た時に真裏でGALAXYを満員にしてたサンボマスターもやはり凄かったんだな、と思う。
1.世界
2.ワールドワイドウエブは死んでる
3.ニュートンの林檎
4.振り出しに戻る
5.Vanilla
ワールドワイドウエブは死んでる
http://youtu.be/MgrPWYientE
23:25~ 10-FEET [EARTH STAGE]
いよいよ各ステージ年越しアクトへ。EARTH STAGEの年越しを務めるのは、05/06でGALAXYの年越しを務めて以来の年越しアクトとなる10-FEET。
いつものSEでメンバーが登場すると、のっけから凄まじいテンションで「VIBES BY VIBES」へ。しかし終わると、
「ありがとうございましたー!10-FEETでしたー!」
と言って次の「focus」からいきなりアンコールへ。しかしそれもすぐさま終わらせ、「2%」からはダブルアンコール。
「俺らは最後まで持たないペースでやってる!」
と高いテンションで突っ走る中、「風」でいったん緩急をつけると、「goes on」でいったん全員をしゃがませてから飛び跳ねさせ、隣の人とハイタッチさせると、
「俺もBRAHMANとかキュウソネコカミみたいに、みんなの上に立って熱い思いを伝えたいねん!」
とTAKUMAが観客に突入しようとするも、スタッフが総出でTAKUMAを取り囲み、なぜかNAOKIとKOUICIまでもが取り囲まれてもみくちゃにされると、解放された3人は猿の着ぐるみに着替えている。
そんな茶番もありつつ、いよいよカウントダウンの瞬間に。10秒前から男子と女子を1秒ごとに交互にジャンプさせ、0になると全員でジャンプするという年越し。
そして「川」を「花見川」に変えるという幕張バージョンの「RIVER」から、「super stomper」では特別ゲストとして、MAN WITH A MISSIONのジャン・ケン・ジョニーとトーキョー・タナカが登場し、ステージ左右を動き回りながら歌う。やはり英語の発音はTAKUMAとは全く違う。
そしてTAKUMAの熱いMCから(格好は猿だが)の「その向こうへ」から、ラストは色とりどりのタオルが宙を舞う「CHERRY BLOSSOM」。
京都大作戦はもちろん、ロッキンなどさまざまな大型フェスで大トリを務め、もはや日本を代表するバンドとなったが、かねてから製作中という新曲は今年こそ聴けるんだろうか。
1.VIBES BY VIBES
2.focus
3.2%
4.SHOES
5.STONE COLD BREAK
6.風
7.goes on
-カウントダウン-
8.RIVER
9.super stomper
10.1sec.
11.その向こうへ
12.CHERRY BLOSSOM
その向こうへ
http://youtu.be/yWyzYlvYqHk
24:40~ SPECIAL OTHERS [GALAXY STAGE]
年越し後の祝祭感に実に相応しい音楽を鳴らすという意味で、この時間がうってつけのバンドであるSPECIAL OTHERS。
セッション的な演奏から「Wait for the sun」で大合唱を巻き起こすと、最新作「WINDOW」から「Good Luck」「I'LL BE BACK」の2曲を演奏。合間合間にインプロ的なセッションも挟まれるが、この日は又吉のベースの音が強かったイメージ。
「WINDOW」の収録曲は1曲あたりの時間が非常に長いため、3曲終わった段階で次の曲がラストというのがわかっていたが、そんな中でも
芹澤「眠いんですか?BUMPの時にあれだけ声を出していたみなさん!(笑)」
宮原「実は我々はBUMPのメンバーと同い年なんですよ!」
芹澤「差がついたみたいになるからやめろ(笑)」
と、MCはやはりとことん緩い。
そしてラストは新しい年を祝うかのように光が降り注ぐようなサウンドの「Laurentech」で終了。やっぱりフェスだと時間以上に短く感じるけど。
1.Wait for the sun
2.Good Luck
3.I'LL BE BACK
4.Laurentech
Good Luck
http://youtu.be/An7Uonpl_2U
25:50~ dustbox [GALAXY STAGE]
このフェスのGALAXY STAGE常連のdustbox、今年は年越し後に登場。
「RIOT」でスタートすると、テンポよく次々と楽曲を連発していく。SUGAの声は深夜であるにもかかわらず、いつもと変わらぬハイトーンぶり。
曲タイトルにちなんだ前振りもあって、曲が始まるたびに大歓声が起こるが、ダイブこそないとはいえ、客席は深夜とは思えないくらいの熱狂ぶり。
2月に新作がリリースされることを発表すると、その中からハードなサウンドの新曲「Rise Above」を披露し、さらには2015年に新たにバンドに加わったドラマー、YU-KIを紹介し、よりラウドかつ高速にアレンジされた「Hurdle Race」の2016年バージョンも披露される。やってる曲自体は今までと一緒でも、メンバーが変わったことにより、曲がさらにアップデートされている。
そしてここにいるすべての人の明日を祝う「Tomorrow」から、
「今年、みんなが次の物語へ迎えますように!」
と「NEXT STORY」で終了。
ダイブが禁止になってから、ロッキンとCDJに出なくなるようなパンクバンドも何組もいた。しかしながら、このdustboxとGOOD4NOTHINGはそれまでと何も変わらずに出続けてきた。ロッキン主催のフェスからパンクの火が消えなかったのは、間違いなくこの2組がいたから。これからもずっとこのフェスでパンクを鳴らし続けていて欲しい。
1.RIOT
2.Bird of Passage
3.Bittersweet
4.Try My Luck
5.Dance Until Morning
6.Still Believing
7.Jupiter
8.Rise Above (新曲)
9.Hurdle Race
10.Tomorrow
11.Next story
RIOT
http://youtu.be/4QPeX5fxQgE
26:45~ ALL OFF [COSMO STAGE]
RO JACK枠で優勝してから7年ぶりにこのステージに戻ってきた、ALL OFF。
真っ白の衣装に身を包んだso-hey(ボーカル)の出で立ちが目を引く中、最新シングルにしてアニメのタイアップになっている「One More Chance!!」からスタート。ラウドロックでありながらも、エレクトロなど様々な要素を取り込みつつ、メロディーはあくまでキャッチーな雑食性のあるサウンドを連発すると、観客をしゃがませてからジャンプさせたり、擬似カウントダウンさせたり、タオルを振り回させたりと、観客一体型のライブを展開。
「初日のCrossfaithからさっきのBRADIOまで、見れるバンドは全部見てるし、ケータリングも全種類制覇している(笑)」
という、おそらく全出演者の中で最もこのフェスを満喫しているであろうMCをしつつ、
「RO JACKで優勝してからここに戻ってくるまでに7年間かかって。周り見たら化け物みたいなバンドとか天才ばっかりあふれてて。俺たちは天才もいなければ、化け物みたいなバンドでもなかったって思い知らされて。
でもようやくこのステージに帰ってこれた。ただ帰ってこれたんじゃなくて、毎年このステージに立てるようなバンドになってみせる」
と自身のこのステージへの思いを打ち明けた。
この時間なので、動員数は参考にはならないが、ほとんどが初見の人(自分も含む)という状況の中で、その人たちには確かなインパクトを残したはず。あとはここにいなかった人たちをどうやって巻き込めるか。今年の年末、このバンドはこのフェスのステージに立っているのだろうか。
1.One More Chance!!
2.Party Anthem
3.Yeah!!
4.Just Tonight
5.My Life
One More Chance!!
http://youtu.be/PLiVsoJAMVQ
28:15~ Suck a Stew Dry [MOON STAGE]
あっという間にこのフェスも最後のアクトに。MOON STAGEの大トリを務めるのは、Suck a Stew Dry。サウンドチェックでメンバーが多大なる影響を受けている、同じ時間にGALAXY STAGEに出演しているART-SCHOOL「MISS WORLD」のカバーを披露して客席を沸かせる。
本編では「僕らの自分戦争」から「ウェイクミーアップ」と、暗いイメージのバンドでありながらも、前に進んでいく力をもらえるような曲を続けると、一転して己の内面に向き合うような「Normalism」へ。
するとシノヤマが
「みなさん、BUMP OF CHICKENって知ってますか?(笑)さっきBUMPのライブを見てたら、周りの人たちが、「なんだよこのバンド、サークルモッシュできねえじゃねえかよ!」って言ってて。怖い怖い怖い!って思って(笑)」
と笑わせるとフセ(ギター)が、
「でもこのバンドは激しい曲もやったほうがいいと思うんだよね!聴いてください!いや!聴け!」
と煽り同様にサウンドも激しい新曲を披露。さらに「カタカナトーク」では
「あけおめあけおめあけおめことよろ~」
とコール&レスポンスを展開し、とっくに年があけてるにもかかわらず擬似カウントダウンも行って、あっという間にラストの「遺失物取扱所」で終了。
アンコールではメンバーそれぞれが2016年の抱負を語ると、シノヤマは
「死なない。そうすれば、またどっかで会えるかもしれない」
と、実にシノヤマらしい新年の抱負を掲げ、心の中の葛藤をキャッチーなメロディーで歌う「モラトリアムスパイラル」で終了。
100%明るい音楽ではないが、確かに聴いている人の足を一歩先へ進ませてくれる音楽。このバンドがトリだからこそ、「今年も死にたくないな」って思える。実はトリが似合うバンドだと思う。
リハ1.MISS WORLD
リハ2.世界に一人ぼっち
1.僕らの自分戦争
2.ウェイクミーアップ
3.Normalism
4.新曲
5.カタカナトーク
6.遺失物取扱所
encore
7.モラトリアムスパイラル
モラトリアムスパイラル
http://youtu.be/Jorq82btn4E
これであっという間に4日間全アクトが終了。もはや普通の年末の過ごし方を忘れてしまったくらいに、この会場で毎年年末を過ごしているが、これからも生きている限りはずっとそうしたい。
今年もよろしくお願いします。
Next→ 1/8 NICO Touches the Walls @日本武道館
この日はタイムテーブルがGALAXYとEARTHでスタートに時間差があったので、まずはGALAXYで山崎洋一郎の前説を聞き、EARTHに移動してから渋谷陽一の前説を聞くというコースに。
「去年リクライニングチェアが足りなかったので、クロークエリアまで広げた」
というのは本当にすごい。参加者の状況とかを細かく見ていないと絶対できない。だからこのフェスはどれだけ人が増えても快適性が失われない。
15:15~ the HIATUS [EARTH STAGE]
この日のトップバッターはthe HIATUS。渋谷陽一が朝礼で、「海外に行っても間違いなく評価される天才」と評した男(本人の目の前ではムカつくから言わないらしい)、細美武士が率いるバンドである。
メンバーが登場すると、「The Ivy」のフェスの祝祭感に全く似合わないような、楽器それぞれがぶつかり合って一回粉々になった後に一つにくっつく、みたいな凄まじい演奏からスタート。細美武士の歌声も、ちょっと掠れ気味であるが、この巨大空間を完全に掌握している。
2016年が申年というのを意識したのかどうかはわからないが、「Monkeys」から「Storm Racers」とアッパーな曲を続けると、早くもビールをちょいちょい飲みながら細美が、
「朝早くから集まってくれてありがとう!」
と感謝を告げる。トップバッターとはいえ、本当はもう15時過ぎだから夕方くらいの時間だけど。
すると細美がハンドマイクで歌う、「Thirst」「Unhurt」と最新作の曲が続く。わかりやすいような曲たちではないが、リリース当時よりもはるかにライブでの盛り上がりは増している。
去年まではこのフェス出演時のMCでは終わった後に物議を醸すような発言も多かった細美だが、
「ミュージシャンやっててこんな景色見たら、生きてて良かったって思うのは当たり前だよね」
と、今回は実に素直な言葉が並んだ。ビールを飲みながらライブをしているのもそうだが、MONOEYESを始めたことにより、細美にとって音楽が「楽しい」ものに戻ってきたんじゃないかと思う。HIATUSのインタビューでは制作の苦しみなどもよく語っていただけに。そうだとするなら、2つのバンドを並行することによって、ようやく細美の精神状態は安定してきたと言える。
そしてラストは「ベテルギウスの灯」から「紺碧の夜に」という、ファンなら誰もが聴きたいアンセム2連発。フェスでこの2曲を同時にやることすらそうそうないのに、まさか続けてやるとは。
今年はいよいよ新曲、新作もリリースされると思うが、毎作サウンドが大幅に変わるだけに、果たしてどんな新しい世界を我々に見せてくれるんだろうか。
1.The Ivy
2.The Flare
3.Monkeys
4.Storm Racers
5.Thist
6.Unhurt
7.Lone Train Running
8.Insommnia
9.べテルギウスの灯
10.紺碧の夜に
Thist
http://youtu.be/fSzxtLQBZHY
16:15~ the band apart [COSMO STAGE]
かつてはEARTHにも出演し、前年まではGALAXYの常連として出演していたthe band apart。ついに今回はCOSMO STAGEへの出演となった。
サウンドチェックの段階で代表曲を演奏して早くも客席を沸かせると、本番では木暮が先にリズムを叩き出し、いきなりのキラーチューン「Eric.W」からスタート。曲と曲の間を繋げるアレンジはやはり秀逸だが、前半はライブではおなじみの代表曲たち。前日までに出演したベテランバンドたちもそうだったが、このバンドもかなりフェスの選曲においてはわかりやすくなってきている。(昔は代表曲的な曲を1曲くらいしかフェスでやらない時も多かっただけに)
荒井の
「今年最初のライブも年明け直後にここでやらせてもらって。今年最後のライブもここ。これはなかなかラッキーパターンだよね。年に2回出る人ってそうそういないでしょ」
という挨拶と、観客の大歓声を浴びながらものすごく溜めに溜めてから喋り出した原の
「みんなきっと誰かと誘い合わせとかしてここまで来たと思うんだけど、俺は絶対そういうことをしないタイプ。だからみんなとは正反対の人間と言ってもいい(笑)」
と、なぜか観客と己の違いを話したMCから、会場限定シングル収録の「まぼろし街道」へ。
そしてそのまま終盤は日本語歌詞の「ピルグリム」から、
「夜の向こうへ 連れて行ってくれ」
というフレーズがこの日の長い夜に誘うかのような「夜の向こうへ」で終了。
毎年必ずツアーを行っているし、様々な対バンやイベントなど、年間でかなりの本数のライブを見ているバンドなだけに、今年も心からよろしく、と言える存在。
リハ1.coral reef
リハ2.when you wish upon a star
1.Eric.W
2.higher
3.I Love You Wasted Junks & Greens
4.まぼろし街道
5.ピルグリム
6.夜の向こうへ
夜の向こうへ
http://youtu.be/1mRchZDuDTI
そのあとGALAXY STAGEにて、THE BACK HORNを「声」「刃」「悪人」、そしてまさかの「未来」までの4曲を聴いてから移動。
17:55~ サンボマスター [EARTH STAGE]
ロッキンではLAKE STAGEが定着しつつあるが、このフェスではメインのEARTH STAGEに出演しているサンボマスター。今年は割と早い時間での出演である。
いつものように「モンキーマジック」のSEで登場…かと思ったら、急にSEがベートーベン「第九」に変わり、オーケストラの指揮者のように正装したメンバーが登場。
「幸せになれんのか、お前ら!」
と、結局正装はすぐに脱ぎ捨てて普段の服装になると山口が熱い言葉を投げかけるが、今回のテーマは「幸せ」で、「幸せ!幸せ!」という大合唱が何度も発生し、なんならバンド側が全く煽ってないタイミングでも自然発生的にコールが起こるという、凄まじい熱気。
ワンマンでもないのに、一体今日はどうしたんだ!?と毎回ワンマン行っている身としてもビックリしてしまうくらいの客席の盛り上がりぶりである。
なので山口の熱い言葉にも毎回驚くように大きな歓声が起こり、フェスではおなじみの曲たちが演奏されていく。普通ならここまでセトリが変わらないと飽きてしまうものだが、サンボマスターは全くそんな飽きるなんてことを感じさせない。それはやる曲こそ同じでも、ライブの内容が毎回全く違うから。
「俺はお前らに愛してるって言ったらやっぱりお前らに愛して欲しいわけ」
「俺はお前たちに生きていて欲しいんだ」
という次の曲タイトルに合わせたMCも実に熱くて泣ける中、生きていること、こうしてサンボマスターのライブを見ていること、そのライブをこれだけたくさんの音楽が好きな人たちと共有できていること。言わされているんじゃなく、この上なく「幸せ」だからこそ「幸せ」って大きな声で叫んだ45分だった。やっぱりこのバンドは圧倒的。
1.ミラクルをキミとおこしたいんです
2.世界を変えさせておくれよ
3.愛してる 愛して欲しい
4.世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
5.できっこないをやらなくちゃ
6.可能性
7.ロックンロールイズノットデッド
ミラクルをキミとおこしたいんです
http://youtu.be/5yEA5K1TFw8
18:45~ NUBO [MOON STAGE]
夏のロッキンや他の様々なフェスにも出演してライブを積み重ねてきている5人組ミクスチャーバンド、NUBOがMOON STAGEに登場。
先に演奏陣の3人が登場して音を鳴らし始めると、そのあとに一成、tommyの2MCが「遊ぼうぜー!」と叫んで登場し、序盤は祭囃子を多用した、和の要素が強いミクスチャーロックで否応なしに客席を躍らせまくる。
「誰かと同じ事を支えに 誰かと違う事を誇りに」
という名フレーズが胸を打つ「ナイモノバカリ」からはメッセージ性の強い曲が並ぶが、そのメッセージを汗だくの状態で歌い、演奏する姿は実に泥臭く、そして人間臭い。
徐々に人が増えてくる中(隣のステージのSHANKが終わったあたりのタイミングからいきなり客席が埋まり出した)、ラストの「Circle」では
「片手メートルのこの円を 繋いで広げて支えてくれた手」
というサビのフレーズに合わせて、客席のいたるところで肩を組んでその場でグルグル回るサークルが出現。仲間同士で肩を組んでいる人たちもいただろうし、たまたま近くにいた人たち同士で肩を組んでいた人たちもいただろう。そういう人たちを繋げる力を持った曲と歌詞をこのバンドは作っている。ライブで見たほうが魅力が圧倒的に伝わってくるバンド。
1.Such one
2.bonfire
3.ナイモノバカリ
4.Present changes past
5.RESHINE
6.Circle
ナイモノバカリ
http://youtu.be/MDBWw7zl8mY
19:40~ Base Ball Bear [GALAXY STAGE]
近年はEARTH STAGEへ毎年出演していたBase Ball Bear、初出演時のGALAXY STAGEに久々に戻ってきた。
サウンドチェックで名曲「short hair」を演奏すると、本番ではいつものように堀之内のドラムセットの周りにメンバーが集まり、関根のベースがうねりまくる「「それって、for 誰?」part.1」からスタート。小出のキラーフレーズのみで構成された、辛辣とも言える歌詞がフェスの祝祭空間に響き渡るのは実に痛快。
12月のツアーファイナルではやらなかった曲も演奏される中、
「今日は我々キノコヘアバンドマンの始祖的存在の木下理樹率いるART-SCHOOLが復活する日ということで。今はキノコヘアバンドマンもいっぱいいますけど、木下理樹とか僕は完全に天然のキノコヘアですから。切ったり伸びたりすると勝手にそうなる、みたいな(笑)」
と、この日のGALAXYの大トリとして出演する先輩の話を持ち出して笑わせると、
「最近フェスとかに出ると思うことがあるんですよ。やっぱり僕はギターが上手いな、って」
と言ってカッティングギターの腕前を見せつける「曖してる」から、重心の低いバンドのセッション的な演奏の「十字架 You and I」へ。近年はこの曲の間奏部分で行われていた、ダンス湯浅将平も今回はなく、間奏からそのまま湯浅のギターソロへ。
最新アルバム「C2」の収録曲ながらツアーでは演奏されずにちょっと残念に思った「HUMAN」が聴けたのは実に嬉しいところ。こうしてアルバム曲を聴くと、確かにこれまでのベボベとは違うサウンドだが、曲のクオリティ自体はこれまでと変わらないというか、むしろこれまでのアルバムよりも高いというのがよくわかる。
そして
「今日のこれからの時間がみなさんにとって素敵な夜になりますように」
と言って最後に演奏されたのは「不思議な夜」。「祭りのあと」も、かつてのバンドの代名詞であった夏ソングたちも一切なし。これが今の、そしてこれからのBase Ball Bear。小出がインタビューで言っていたように、フェスのこの規模のステージでは浮いていると言えるが、それは他のバンドがやっていないことをこのバンドがやっているからこそ。
リハ.short hair
1.「それって、for 誰?」 part.1
2.そんなに好きじゃなかった
3.Tabibito in the dark
4.曖してる
5.十字架 You and I
6.HUMAN
7.不思議な夜
不思議な夜
http://youtu.be/ltwNfxHIWEM
20:50~ MONOEYES [GALAXY STAGE]
細美武士はすでにこの日はthe HIATUSで出演、他のメンバーもART-SCHOOL(戸高)、ASPARAGUS(一瀬)、Scott & Rivers(スコット・マーフィー)と、別の名義でこのフェスに出演経験があるが、このバンドとしては初出演となるMONOEYES。すでにサウンドチェックの段階から超満員である。
「Cold Reaction」からスタートすると、基本的に演奏する曲自体は最近のフェスやイベントの時と変わらないが、明らかにライブそのもの、メンバー同士のグルーヴが向上しているのがわかる。ツアーも見ているが、もはや曲がメンバーの体の中に染み込んできている感じ。
2ステージ目とは思えないくらいに伸びと勢いのある(この勢いという部分はHIATUSとは異なるところ)細美のボーカル、モニターに足をかけて、歌詞を口ずさみながらギターを弾く戸高、その場をグルグルと回りながらベースを弾くスコットと、見た目も実に華やかなバンド。そんな中でスコットがボーカルを務める、Scott & Riversの「HOMELY GIRL」も演奏される。ちなみにこの曲の時は細美はコーラス。
スコットがベースを銃のようにして戸高に向かって撃つ仕草をする「明日公園で」からはさらに加速し、
「こうやってお前らの前でライブできて。お前らと同じ時代で良かったよ」
と細美は言ったが、かつてこのGALAXY STAGEにも立ったELLEGARDEN時代から、細美の作ってきた音楽を聴いてきた人たちはみんな、細美に対して「同じ時代で良かった」って心から思ってるはず。
そしてこんなにあふれんばかりの笑顔で歌っている細美の姿を見れることのなんと幸せなことだろうか。
リハ1.Undone -The Sweater Song
リハ2.What I Left Today
1.Cold Reaction
2.Like We've Never Lost
3.When I Was A King
4.My Instant Song
5.HOMELY GIRL
6.明日公園で
7.Run Run
8.Remember Me
9.グラニート
My Instant Song
http://youtu.be/pppstt1_YZw
21:45~ GLIM SPANKY [MOON STAGE]
ここからはEARTH STAGEにBUMP OF CHICKENが出演するという、裏のバンドにとっては最も厳しい時間帯。
MOON STAGEに登場するのは、ブルースとロックンロールの新たな伝道師、初出演となるGLIM SPANKY。
可憐な見た目から想像できない松尾レミのハスキーなボーカルと、年齢の割に実に渋い亀本のギターが会場を包む中、「褒めろよ」「リアル鬼ごっこ」といったシングル曲に続き、CM曲としても大量オンエアされていた、ジャニス・ジョップリンのカバー「MOVE OVER」までも演奏される。
サッカーのタイアップということで歌詞にサッカーのキーワードが散りばめられた「NEXT ONE」を終えると、
「結成当初からライブでやっている、本当に大事な曲」
と言って演奏されたのは、メジャー1stフルアルバム「SUNRISE JOURNEY」収録の至上の名曲ブルース、「大人になったら」。
そしてラストは年明けにリリースされるミニアルバムに収録される新曲「ワイルドサイドを行け」。
惚れ惚れしてしまうほどにボーカルも演奏もサウンドも全てがカッコいいバンド。しかしながらやはり客席はガラガラであった。BUMPの裏という状況的に仕方ないとはいえ、実にもっかない。
1.褒めろよ
2.リアル鬼ごっこ
3.MOVE OVER
4.NEXT ONE
5.大人になったら
6.ワイルドサイドを行け
大人になったら
http://youtu.be/v-8dXLngI_4
22:15~ ドレスコーズ [COSMO STAGE]
時間的にBUMPとまるかぶりなドレスコーズ。この規模のステージなら満員になってもいいバンドなのに、やはり客席はガラガラというのがBUMPの動員力の凄さを物語っている。
越川和磨(ギター)、有島コレスケ(ベース)、アヒトイナザワ(ドラム)という名プレイヤーたちに支えられて志磨遼平が歌い出す「スローガン」からスタートすると、毛皮のマリーズの「ボニーとクライドは今夜も夢中」が演奏され、大歓声が上がる。越川のギターで毛皮のマリーズの曲が聴けるのは本当に幸せなこと。
「メインステージってどっち?向こう?
みなさーん、ドレスコーズでーす!
…紅白に乗ったかな?まだかな?」
と、BUMPの裏であることを逆手にとったMCで笑わせると、アヒトイナザワのドラムのビートと志磨のラップのような歌い出しがバトルのように火花を散らす「ゴッホ」から、客席から無数の腕が上がる毛皮のマリーズ曲「ビューティフル」、そしてラストは
「可愛くて仕方ないけど憎いあんちくしょうの顔を思い出しながら!」
と志磨が言って、
「ベイビーベイビー あんたなんか」
の大合唱のあとに志磨が
「嫌いー!!!」
と叫んだ「愛に気をつけてね」で終了。
2015年は女性メンバーとのバンドや、KING BROTHERS、OKAMOTO'Sらとライブを行ったが、やはり志磨と越川が並んで毛皮のマリーズの曲を演奏する無敵感はやはり格別。2016年はどんな編成でライブを行うんだろうか。
1.スローガン
2.ボニーとクライドは今夜も夢中
3.もあ
4.ゴッホ
5.ビューティフル
6.愛に気をつけてね
愛に気をつけてね
http://youtu.be/wUlblLp6cl0
22:45~ ハルカトミユキ [MOON STAGE]
中畑大樹、tatsuといった、おなじみ強力サポートメンバーとともに登場した、ハルカトミユキの2人。ハルカは金髪ショートに真っ白な衣装という出で立ち。
きらめくようなエレクトロサウンドの「世界」からスタートすると、冬の情景が浮かんでくる歌詞の最新曲「ワールドワイドウエブは死んでる」も披露し、迫力のバンドサウンドが轟く「ニュートンの林檎」「振り出しに戻る」と、ロックな曲が続くが、野音のワンマンの時はエレクトロサウンドの女王的な解放感を見せていたハルカが、ギターを弾きながらジャンプしたりと、ロックに完全に振り切れたステージングを見せる。
そしてラストに演奏されたのは「Vanilla」。
「狂えない 狂ってしまえない」
という切実な叫びが響いて終了したが、まだ持ち時間的にもう1曲やっても良かったんじゃないか?とも思う。
しかし、毎月新曲をリリース、野音でのフリーライブ開催と、大きな挑戦の一年だった2015年を終えて、2人は2016年にさらに新たな舞台に向かう。
しかし、やはりというかなんというか、COSMOとMOONのBUMPの裏の3組はことごとくガラガラだった。その時間は飲食ブースもガラガラ。やはりBUMPはスゲェなぁと思うとともに、前にBUMPが出た時に真裏でGALAXYを満員にしてたサンボマスターもやはり凄かったんだな、と思う。
1.世界
2.ワールドワイドウエブは死んでる
3.ニュートンの林檎
4.振り出しに戻る
5.Vanilla
ワールドワイドウエブは死んでる
http://youtu.be/MgrPWYientE
23:25~ 10-FEET [EARTH STAGE]
いよいよ各ステージ年越しアクトへ。EARTH STAGEの年越しを務めるのは、05/06でGALAXYの年越しを務めて以来の年越しアクトとなる10-FEET。
いつものSEでメンバーが登場すると、のっけから凄まじいテンションで「VIBES BY VIBES」へ。しかし終わると、
「ありがとうございましたー!10-FEETでしたー!」
と言って次の「focus」からいきなりアンコールへ。しかしそれもすぐさま終わらせ、「2%」からはダブルアンコール。
「俺らは最後まで持たないペースでやってる!」
と高いテンションで突っ走る中、「風」でいったん緩急をつけると、「goes on」でいったん全員をしゃがませてから飛び跳ねさせ、隣の人とハイタッチさせると、
「俺もBRAHMANとかキュウソネコカミみたいに、みんなの上に立って熱い思いを伝えたいねん!」
とTAKUMAが観客に突入しようとするも、スタッフが総出でTAKUMAを取り囲み、なぜかNAOKIとKOUICIまでもが取り囲まれてもみくちゃにされると、解放された3人は猿の着ぐるみに着替えている。
そんな茶番もありつつ、いよいよカウントダウンの瞬間に。10秒前から男子と女子を1秒ごとに交互にジャンプさせ、0になると全員でジャンプするという年越し。
そして「川」を「花見川」に変えるという幕張バージョンの「RIVER」から、「super stomper」では特別ゲストとして、MAN WITH A MISSIONのジャン・ケン・ジョニーとトーキョー・タナカが登場し、ステージ左右を動き回りながら歌う。やはり英語の発音はTAKUMAとは全く違う。
そしてTAKUMAの熱いMCから(格好は猿だが)の「その向こうへ」から、ラストは色とりどりのタオルが宙を舞う「CHERRY BLOSSOM」。
京都大作戦はもちろん、ロッキンなどさまざまな大型フェスで大トリを務め、もはや日本を代表するバンドとなったが、かねてから製作中という新曲は今年こそ聴けるんだろうか。
1.VIBES BY VIBES
2.focus
3.2%
4.SHOES
5.STONE COLD BREAK
6.風
7.goes on
-カウントダウン-
8.RIVER
9.super stomper
10.1sec.
11.その向こうへ
12.CHERRY BLOSSOM
その向こうへ
http://youtu.be/yWyzYlvYqHk
24:40~ SPECIAL OTHERS [GALAXY STAGE]
年越し後の祝祭感に実に相応しい音楽を鳴らすという意味で、この時間がうってつけのバンドであるSPECIAL OTHERS。
セッション的な演奏から「Wait for the sun」で大合唱を巻き起こすと、最新作「WINDOW」から「Good Luck」「I'LL BE BACK」の2曲を演奏。合間合間にインプロ的なセッションも挟まれるが、この日は又吉のベースの音が強かったイメージ。
「WINDOW」の収録曲は1曲あたりの時間が非常に長いため、3曲終わった段階で次の曲がラストというのがわかっていたが、そんな中でも
芹澤「眠いんですか?BUMPの時にあれだけ声を出していたみなさん!(笑)」
宮原「実は我々はBUMPのメンバーと同い年なんですよ!」
芹澤「差がついたみたいになるからやめろ(笑)」
と、MCはやはりとことん緩い。
そしてラストは新しい年を祝うかのように光が降り注ぐようなサウンドの「Laurentech」で終了。やっぱりフェスだと時間以上に短く感じるけど。
1.Wait for the sun
2.Good Luck
3.I'LL BE BACK
4.Laurentech
Good Luck
http://youtu.be/An7Uonpl_2U
25:50~ dustbox [GALAXY STAGE]
このフェスのGALAXY STAGE常連のdustbox、今年は年越し後に登場。
「RIOT」でスタートすると、テンポよく次々と楽曲を連発していく。SUGAの声は深夜であるにもかかわらず、いつもと変わらぬハイトーンぶり。
曲タイトルにちなんだ前振りもあって、曲が始まるたびに大歓声が起こるが、ダイブこそないとはいえ、客席は深夜とは思えないくらいの熱狂ぶり。
2月に新作がリリースされることを発表すると、その中からハードなサウンドの新曲「Rise Above」を披露し、さらには2015年に新たにバンドに加わったドラマー、YU-KIを紹介し、よりラウドかつ高速にアレンジされた「Hurdle Race」の2016年バージョンも披露される。やってる曲自体は今までと一緒でも、メンバーが変わったことにより、曲がさらにアップデートされている。
そしてここにいるすべての人の明日を祝う「Tomorrow」から、
「今年、みんなが次の物語へ迎えますように!」
と「NEXT STORY」で終了。
ダイブが禁止になってから、ロッキンとCDJに出なくなるようなパンクバンドも何組もいた。しかしながら、このdustboxとGOOD4NOTHINGはそれまでと何も変わらずに出続けてきた。ロッキン主催のフェスからパンクの火が消えなかったのは、間違いなくこの2組がいたから。これからもずっとこのフェスでパンクを鳴らし続けていて欲しい。
1.RIOT
2.Bird of Passage
3.Bittersweet
4.Try My Luck
5.Dance Until Morning
6.Still Believing
7.Jupiter
8.Rise Above (新曲)
9.Hurdle Race
10.Tomorrow
11.Next story
RIOT
http://youtu.be/4QPeX5fxQgE
26:45~ ALL OFF [COSMO STAGE]
RO JACK枠で優勝してから7年ぶりにこのステージに戻ってきた、ALL OFF。
真っ白の衣装に身を包んだso-hey(ボーカル)の出で立ちが目を引く中、最新シングルにしてアニメのタイアップになっている「One More Chance!!」からスタート。ラウドロックでありながらも、エレクトロなど様々な要素を取り込みつつ、メロディーはあくまでキャッチーな雑食性のあるサウンドを連発すると、観客をしゃがませてからジャンプさせたり、擬似カウントダウンさせたり、タオルを振り回させたりと、観客一体型のライブを展開。
「初日のCrossfaithからさっきのBRADIOまで、見れるバンドは全部見てるし、ケータリングも全種類制覇している(笑)」
という、おそらく全出演者の中で最もこのフェスを満喫しているであろうMCをしつつ、
「RO JACKで優勝してからここに戻ってくるまでに7年間かかって。周り見たら化け物みたいなバンドとか天才ばっかりあふれてて。俺たちは天才もいなければ、化け物みたいなバンドでもなかったって思い知らされて。
でもようやくこのステージに帰ってこれた。ただ帰ってこれたんじゃなくて、毎年このステージに立てるようなバンドになってみせる」
と自身のこのステージへの思いを打ち明けた。
この時間なので、動員数は参考にはならないが、ほとんどが初見の人(自分も含む)という状況の中で、その人たちには確かなインパクトを残したはず。あとはここにいなかった人たちをどうやって巻き込めるか。今年の年末、このバンドはこのフェスのステージに立っているのだろうか。
1.One More Chance!!
2.Party Anthem
3.Yeah!!
4.Just Tonight
5.My Life
One More Chance!!
http://youtu.be/PLiVsoJAMVQ
28:15~ Suck a Stew Dry [MOON STAGE]
あっという間にこのフェスも最後のアクトに。MOON STAGEの大トリを務めるのは、Suck a Stew Dry。サウンドチェックでメンバーが多大なる影響を受けている、同じ時間にGALAXY STAGEに出演しているART-SCHOOL「MISS WORLD」のカバーを披露して客席を沸かせる。
本編では「僕らの自分戦争」から「ウェイクミーアップ」と、暗いイメージのバンドでありながらも、前に進んでいく力をもらえるような曲を続けると、一転して己の内面に向き合うような「Normalism」へ。
するとシノヤマが
「みなさん、BUMP OF CHICKENって知ってますか?(笑)さっきBUMPのライブを見てたら、周りの人たちが、「なんだよこのバンド、サークルモッシュできねえじゃねえかよ!」って言ってて。怖い怖い怖い!って思って(笑)」
と笑わせるとフセ(ギター)が、
「でもこのバンドは激しい曲もやったほうがいいと思うんだよね!聴いてください!いや!聴け!」
と煽り同様にサウンドも激しい新曲を披露。さらに「カタカナトーク」では
「あけおめあけおめあけおめことよろ~」
とコール&レスポンスを展開し、とっくに年があけてるにもかかわらず擬似カウントダウンも行って、あっという間にラストの「遺失物取扱所」で終了。
アンコールではメンバーそれぞれが2016年の抱負を語ると、シノヤマは
「死なない。そうすれば、またどっかで会えるかもしれない」
と、実にシノヤマらしい新年の抱負を掲げ、心の中の葛藤をキャッチーなメロディーで歌う「モラトリアムスパイラル」で終了。
100%明るい音楽ではないが、確かに聴いている人の足を一歩先へ進ませてくれる音楽。このバンドがトリだからこそ、「今年も死にたくないな」って思える。実はトリが似合うバンドだと思う。
リハ1.MISS WORLD
リハ2.世界に一人ぼっち
1.僕らの自分戦争
2.ウェイクミーアップ
3.Normalism
4.新曲
5.カタカナトーク
6.遺失物取扱所
encore
7.モラトリアムスパイラル
モラトリアムスパイラル
http://youtu.be/Jorq82btn4E
これであっという間に4日間全アクトが終了。もはや普通の年末の過ごし方を忘れてしまったくらいに、この会場で毎年年末を過ごしているが、これからも生きている限りはずっとそうしたい。
今年もよろしくお願いします。
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