COUNTDOWN JAPAN 15/16 day2 @幕張メッセ 12/29
- 2016/01/01
- 23:53
2日目。この日もGALAXY STAGEから。例年はEARTHで渋谷陽一の朝礼を聞くことが多いのだが、毎年フェスの変更点や進化したところを話す渋谷陽一に対し、山崎洋一郎はその日のそのステージの出演者のことを話す、ということがわかってくる。
12:00~ amazarashi [GALAXY STAGE]
この日のトップバッターは、ロッキンオンのフェスに初出演となるamazarashi。紗幕越しに音が鳴り始めると、その紗幕に映像が映し出される「後期衝動」からスタート。
「カウントダウンジャパン、青森から来ましたamazarashiです!よろしくお願いします!」
という秋田ひろむの挨拶同様に、歌声も実に気合いが入っている。
続く「季節は次々死んでいく」では、メガネをかけた女性が、歌詞の形に切り刻まれた生肉を次々に口に運ぶ(普通に血が滴っている)という、グロさすら感じる映像が流れる。
しかしながらこれまでにワンマンに行ったことがあるような人しか体験したことがないamazarashiワールドが、過去最大規模の会場と人の前で展開されている。明らかにamazarashiを聴いたことがなさそうな、半袖Tシャツに短パンという出で立ちのキッズたちも映像と、そこに映し出される歌詞に完全に見入っている。つまりamazarashiワールドに完全に引き込まれている。
そのメッセージ性の強さに考えさせられる「性善説」から、秋田のボーカルとアンサンブルが徐々に温度を上げていく「冷凍睡眠」。
「楽しくて、日々の辛いことを忘れさせてくれるような音楽もいいけど、少数派かもしれないけど、日常と向き合う音楽も必要なんじゃないか、って思います」
と言って演奏されたのは、新曲「多数決」。マス目に歌詞が次々とはめ込まれていく映像が流れ、新曲とはいえど、しっかりと歌詞に向き合うことができる。
そしてラストは定番の「空っぽの空に潰される」。
これまでにワンマンをずっと見てきて、ライジングサンにも出たのを見たが、amazarashiはフェスには向かないと思っていた。しかし、これだけすごいライブが出来て、amazarashiでしか作れない空間をフェスでもしっかり作ったのを見ると、こういう機会をきっかけにして、ワンマンに足を運ぶ人が増えてくれるんじゃないかと思う。
1.後期衝動
2.季節は次々死んでいく
3.ヒガシズム
4.性善説
5.冷凍睡眠
6.多数決
7.空っぽの空に潰される
季節は次々死んでいく
http://youtu.be/wtJcLWeY114
13:05~ キュウソネコカミ [GALAXY STAGE]
2年連続でのGALAXY出演となる、キュウソネコカミ。サウンドチェックの段階で「DQNなりたい、40代で死にたい」をフルで演奏し、
「フードコートの人たちだけで!」
と、いきなりフードコートにいる人たちだけで「ヤンキー怖い」コールをさせる。去年より明らかに大きな歓声が返ってきたのだが、
「多分あいつらもぐもぐしてていきなり振られたから、急いで飲み込んでから叫んでるで(笑)」
と笑わせる。
すでにこの時点で超満員の中、本番では「スターウォーズ」のSEでメンバーがセイヤをかついで登場し、セイヤはライトセーバーを振り回しながら再登場すると、GALAXY STAGEでの「GALAXY」からスタート。
「我々は宇宙人だ 我々が地球人だ」
の振り付けも客席全体で行われる。
定番曲連発で熱狂を増す中、「泣くな親父」からは最新アルバムの曲を連発。「適度に武士道、サムライBOYS。」では再びセイヤがライトセーバーを鞘から抜くパフォーマンスを見せる。
「嘘つき」というサンプリングボイスから始まる「記憶にございません」では「はいはいはいはいはいはいはーい!」の大合唱を起こし、演奏する度に名曲度を増している「ハッピーポンコツ」から、ラストは「ビビった」で再び大熱狂に。
「来年こそは!来年こそはメインステージで会いましょう!」
と、ヨコタは言ったが、もう今すぐメインステージでもいいくらい。ライブの内容自体はそこまで飛び道具的な、奇を衒うようなことはせず、音楽だけで観客を楽しませるようになってきた。これは楽曲の力とメンバーの演奏力があってこそ。
リハ.DQNなりたい、40代で死にたい
1.GALAXY
2.MEGA SHAKE IT!
3.ファントムバイブレーション
4.泣くな親父
5.適度に武士道、サムライBOYS。
6.記憶にございません
7.ハッピーポンコツ
8.ビビった
泣くな親父
http://youtu.be/tzO04hUbDNc
14:00~ フレデリック [COSMO STAGE]
2年連続でのCOSMO STAGE出演となったフレデリック。去年はまだ「オドループ」で一躍注目を浴び始めたバンド、という立ち位置だったが、2015年もキラーチューンを立て続けに世に送り出し、夏にはドラマーkaz.の脱退もあり、まさに激動の一年となった。
サポートドラマーを迎え、
「踊ってない幕張が気に入らない!」
と、いきなり「オドループ」でスタートすると、当然すでに超満員の客席はダンスフロアに。
「DNAです」「プロレスごっこのフラフープ」では健司、康司、赤頭の3人が息の揃ったアクションで演奏するのが見ていて実に楽しい。
「大事なことは本人に言えよ」
というフレーズが癖になる「トウメイニンゲン」を終えると、健司が噛み気味ながらもバンドのこれからの決意について触れたMCをし、フロントマンらしさがさらに増しているのが頼もしい。
「ラスト2曲、フレデリックと出会えて、ここにいて良かったと思わせるライブをやります!」
と言うと、今年のキラーチューン「オワラセナイト」から、
「俺たちは俺たちなりの戦い方で2016年も戦っていきます!」
という宣言そのもののような、
「戦わない戦い方を僕たちは知っているはずなんです」
という歌詞の「ハローグッバイ」で終了。
次々に放たれるキラーチューンにより、フレデリック旋風は止まる感じが全くない。来年はもしかしたらGALAXYに立っているかもしれない。
リハ.愛の迷惑
1.オドループ
2.DNAです
3.プロレスごっこのフラフープ
4.トウメイニンゲン
5.オワラセナイト
6.ハローグッバイ
ハローグッバイ
http://youtu.be/c9nUD4iwrSA
そのあと、メインステージでMONGOL800を「あなたに」「Your Song」「OKINAWA CALLING」「小さな恋のうた」の4曲だけを聴く。
最近はパンク系のフェスなどでもライブを見る機会があるが、そういうフェス以上に様々な年齢、世代、好きな音楽、客層が異なる(それこそメインステージだけでもDragon Ash、でんぱ組.inc、木村カエラ、MAN WITH A MISSION、[Alexandros]という幅広い出演者が並んでいる)中、ここにいる全員が一字一句間違えることなく大合唱できる曲を作ってしまったのは本当にすごい。今後、自分が生きてるうちにこんな曲はもう生まれないんじゃないかと思ってしまうほどに。
15:15~ ストレイテナー [GALAXY STAGE]
久しぶりにGALAXY STAGEに戻ってきた、ストレイテナー。いつものSEでメンバーが登場すると、のっけからテンション高いシンペイが、
「幕張!踊るでしょー!」
と言ってダンスビートを叩き出し、「Discography」からスタート。一転してひなっちのベースを中心としたバンドのグルーヴで持っていく「The World Record」、疾走感溢れる「From Noon Till Dawn」、次々に展開が変わっていく「DAY TO DAY」、冬だからセトリに入れたのか、こちらもバンドのグルーヴを堪能できる「冬の太陽」、ホリエがアコギを弾きながら感情を込めて歌いあげる「NO ~命の跡に咲いた花~」と、近年のシングル曲ばかりだが、その近年のシングル曲だけでもここまで振り幅のある、様々なタイプの曲をリリースしてきたのは驚異的と言える。決して守りに入らず、新たなチャレンジをし続けてきたバンドの活動方針がよくわかる。
恒例のホリエによるメンバー紹介も含めた「Melodic Storm」で終わりのような空気を感じていたが、
「未年最後の曲は羊の曲を!」
と言って演奏されたのは、「羊の群れは丘を登る」。これにてストレイテナーの未年のライブを締めくくった。
演奏後のメンバー4人が並んで肩を組んだ表情も実に晴れやかなライブ納め。
1.Discography
2.The World Record
3.From Noon Till Dawn
4.DAY TO DAY
5.冬の太陽
6.NO ~命の跡に咲いた花~
7.Melodic Storm
8.羊の群れは丘を登る
DAY TO DAY
http://youtu.be/kd0ci7ZymEc
16:00~ SAKANAMON [COSMO STAGE]
もはやこのフェスでもおなじみの存在になってきているSAKANAMON。去年は年越しを務めたバンドである。
藤森はいつものように半袖Tシャツに短パンという小学生のようなスタイルで、森野は逆に結婚式帰りかと思うようなスーツ姿。
「マジックアワー」のラストで「愛してるよ…幕張ー!」と叫ぶと、テンポよくソリッドなギターロック曲を続けると、藤森がステージから姿を消し、森野が「SAKANAMONで1番自由な男」と紹介した藤森が、バンドのマスコットキャラであるSAKANAMON君のフルフェイスヘルメットをかぶってステージに現れ、打ち込みのダンスミュージックに合わせてくねくねと気持ち悪さすら感じるダンスを踊る。木村はサイバーサングラスを着用している。
そのまま「TACHNOMUSIC」で藤森とともに観客も踊らせ、タワレコ限定シングル「PLAYER PRAYER」から、「つまんねーよ つまんねーよ」と、1年の残った鬱憤を全てぶちまけるような大合唱が響く「TSUMANNE」、そしてラストの「SAKANAMON流のラブソング」である「君の○○を××したい」では、間奏で藤森が「武正ー!」と叫ぶと、KEYTALK小野武正がステージ袖からダッシュで登場し、ギターソロを決めた。演奏を終えると4人で肩を組んで挨拶し、小野は
「この後のKEYTALKと、明日のDJも来てください!」
としっかりアピール。この2組は本当に仲がいいのがよく伝わってくる。
1.マジックアワー
2.アリカナシカ
3.ミュージックプランクトン
4.TACHNOMUSIC
5.PLAYER PRAYER
6.TSUMANNE
7.君の○○を××したい
PLAYER PRAYER
http://youtu.be/ZUjGqgGgRLM
そのあと、興味本位でラルクのメンバーであるTETSUをちょっとだけ見に行くも、時間押しまくってるわ、出てきた瞬間に女子の悲鳴みたいな声が聞こえるわ、アイドル歌手みたいなライブだわ、歌も上手くないわで1曲で離脱してしまった。ラルクのメンバーなだけにもうちょっとロックだと思ってたんだが。
17:25~ THE ORAL CIGARETTES [GALAXY STAGE]
初のGALAXY STAGE進出にして、直前まで山中がポリープ手術で休養していただけに、関東のファンにとっては久しぶりのライブとなる、THE ORAL CIGARETTES。
サウンドチェックの段階でメンバー全員が登場し、「大魔王参上」をコーラスの合唱含めてまるまる1曲演奏。あきらかにあきら(ベース)の足上げ奏法を見れるのも久々。
本編では山中がギターを弾きながら「起死回生STORY」を歌い始めた…と思いきや、ここで恒例の前口上を挟む。最後に見たのが8月末のラブシャだったので、そこまで長く休んだ感じもしないが、この前口上があると、オーラルが帰ってきたという実感を感じる。
短い曲数の中でも過去曲をしっかり入れてくるが、山中のボーカルは手術の影響を感じさせないほどによく出ている。手術直前のラブシャのライブでは手術を受ける怖さも語っていただけに、これだけ声が出るのは、本人が1番嬉しいだろう。
するとここで年明けすぐにリリースされるアルバム「FIXION」の告知をし、観客に指で「IXI」の形を作らせる。そのレクチャーをするあきらかにあきらがスクリーンに映し出された時、髪型を整えていたのが笑いを誘う。
そして、「これが俺のFIXIONやー!」と観客に叫ばせて(「関西弁使いたいやろ?」という理由でこのセリフ)、すでに公開されている「FIXION」リード曲「気づけよBaby」を披露。ラブソングではあれど、「エイミー」のようなストレートなラブソングではなく、オーラルなりのロックなラブソング。
そして久々に幕張に響くキラーチューン「Mr.ファントム」を観客に歌わせたりしながら山中がギターの弦を切りながら演奏すると、
「さっきEARTH STAGE見に行ったんですけど、あそこのデカさは半端じゃないですね。だから、いつかはEARTHでっていう思いもあるけれど、まずは来年このGALAXYのトリで!」
と、来年以降の野望を語ると、山中がギターを弾かずにハンドマイクでステージを左右に動きながら歌う「カンタンナコト」、「狂乱Hey Kids!!」で終了。
まだデビュー直後で無名だった2年前の初出演時、いきなりMOON STAGEを満員にするくらいにこのバンドはこのフェスとの相性が抜群だった。(山中もインタビューでいきなり満員になったことに驚いていた)
それだけに、今回初のGALAXYを満員にしたことも含め、「いつかEARTHで」というのは近い将来現実になる予感がする。年明け直後のDiverCityでのリベンジライブも含め、2016年はさらなる飛躍の年になりそうな予感。
リハ.大魔王参上
1.起死回生STORY
2.mist…
3.STARGET
4.気づけよBaby
5.Mr.ファントム
6.カンタンナコト
7.狂乱Hey Kids!!
気づけよBaby
http://youtu.be/2EIHak0--40
18:30~ GRAPEVINE [MOON STAGE]
かつてはEARTH STAGEに出演していたGRAPEVINEも、去年はCOSMO、今年はMOONと、小さいステージが主戦場になりつつある。
サウンドチェックにメンバー全員が登場するも、曲を演奏したりすることはなく、時間まで延々セッションを続けるという、本来の意味でのサウンドチェックを行う。
いつもの5人が登場すると、1曲目は「光について」。昔はこのあたりのヒットシングルは全然演奏されなかったが、近年はフェスやイベントでも毎回演奏されるようになってきている。当然田中のボーカルもメンバーの演奏も、破綻の全くない安定感に満ちていて安心して見れるが、かといってマンネリ感を全く感じさせないのはさすが。
続く配信限定シングル「Evil Eye」は「光について」の名曲ぶりとは打って変わり、高野のダンスミュージックのようなシンセのフレーズを中心としたサウンドが、このバンドのライブにおいてはあまり感じることがない「楽しい」という感覚を想起させる。
年明けの2月に早くもアルバムがリリースされることを告知すると、そのアルバムに収録される曲と言って、先行シングル「EAST OF THE SUN」を披露。田中がアコギを弾きながら歌うのだが、「Evil Eye」とこの曲が同じアルバムに収録されることを考えると、かなり振り幅の大きいアルバムになりそうな予感がする。
そこからは「Our Song」「スロウ」と過去の名曲シングル曲を続け、あっという間のラストは「Silverado」。ここまでシングル曲を続けてきてなぜこの曲を最後に演奏したのかはわからないが、そこはやはりかつてはフェスでは最も濃い部分ばかりを見せていたこのバンドの天邪鬼なところなのだろうか。
しかしながら、開催前から危惧されていた通り、MAN WITH A MISSION、KEYTALK、DJやついいちろうという人気アーティストと時間がかぶってしまったことにより、かつてEARTH STAGEに出ていたバンドとは思えないくらいに客席はガラガラだった。
ラブシャでもガラガラだったし、このタイムテーブルなので他に見たいステージもあった。でもいつもGRAPEVINEが出てると行ってしまうのは、ロックのロの字も知らなかった15年くらい前からずっと聴いていて、このフェスでずっと見てきたバンドだから。主催者サイドにも本当に大切にしてほしいバンド。これからも頼むよ。
1.光について
2.Evil Eye
3.EAST OF THE SUN
4.Our Song
5.スロウ
6.Silverado
EAST OF THE SUN
http://youtu.be/otuB0cfgekU
19:30~ [Alexandros] [EARTH STAGE]
ロッキンに続き、このCDJ2日目でもメインステージでトリを務めるのは、先日幕張メッセでワンマンライブを行った[Alexandros]。
SEもなしにメンバーが登場すると、川上洋平はスーツではなく、ラフなTシャツ姿。
「ウォーウォーウォーウォー」
と「Adventure」のコーラスを歌い始め、満員の観客にも歌わせると、そのまま「Adventure」からスタート。
「暴れられんのか、幕張ー!」
と川上が叫ぶと、「Waitress,Waitress!」で磯部が「聞こえねーぞ幕張ー!」と大きな声で煽り、不穏なデジタルサウンドのイントロから最新シングル「Girl A」、観客を飛び跳ねさせる「Run Away」、2015年リリースのアルバム「ALXD」のリード曲「Famous Day」と、ひたすらにキラーチューンを連発。
川上がハンドマイクでステージを動きながら歌う「Kick & Spin」ではその川上がカメラに向かってTシャツを捲って見せるという、女子からしたらたまらんだろうな、というアクションを見せる。
「大忘年会」と称したこのライブもあっという間に終盤になり、「Starrrrrrr」で大合唱を巻き起こすと、ラストは再び川上がハンドマイクで歌唱し、巨大スクリーンに映った自らの姿を見て髪型を整えるパフォーマンスで笑いを起こして終了。
アンコールで再びメンバーが登場すると、この日が誕生日だった磯部の誕生日をみんなで祝い、
「こんなにたくさんの人の前で誕生日を迎えられるなんて本当に幸せ」
と、感謝を語り、川上もこの時期にぴったりな「12/26以降の年末ソング」を少し弾き語り、「city」から「Dracula La」という強力キラーチューンコンボで最後に再び大合唱を巻き起こして大きな飛躍を遂げた2015年を締めくくった。
ハイペースに次々と名曲を生み出しているバンドなだけに、2016年に早くもまたアルバムが出たとしても不思議ではない。しかし本当にこの規模でライブやるのが当たり前みたいなバンドになった。
1.Adventure
2.Waitress,Waitress!
3.Girl A
4.Run Away
5.Famous Day
6.Kick & Spin
7.Starrrrrrr
8.ワタリドリ
encore
12/26以降の年末ソング (ワンフレーズだけ)
9.city
10.Dracula La
Girl A
http://youtu.be/pLMtZiQY6bo
Next→ 12/30 COUNTDOWN JAPAN 15/16 @幕張メッセ
12:00~ amazarashi [GALAXY STAGE]
この日のトップバッターは、ロッキンオンのフェスに初出演となるamazarashi。紗幕越しに音が鳴り始めると、その紗幕に映像が映し出される「後期衝動」からスタート。
「カウントダウンジャパン、青森から来ましたamazarashiです!よろしくお願いします!」
という秋田ひろむの挨拶同様に、歌声も実に気合いが入っている。
続く「季節は次々死んでいく」では、メガネをかけた女性が、歌詞の形に切り刻まれた生肉を次々に口に運ぶ(普通に血が滴っている)という、グロさすら感じる映像が流れる。
しかしながらこれまでにワンマンに行ったことがあるような人しか体験したことがないamazarashiワールドが、過去最大規模の会場と人の前で展開されている。明らかにamazarashiを聴いたことがなさそうな、半袖Tシャツに短パンという出で立ちのキッズたちも映像と、そこに映し出される歌詞に完全に見入っている。つまりamazarashiワールドに完全に引き込まれている。
そのメッセージ性の強さに考えさせられる「性善説」から、秋田のボーカルとアンサンブルが徐々に温度を上げていく「冷凍睡眠」。
「楽しくて、日々の辛いことを忘れさせてくれるような音楽もいいけど、少数派かもしれないけど、日常と向き合う音楽も必要なんじゃないか、って思います」
と言って演奏されたのは、新曲「多数決」。マス目に歌詞が次々とはめ込まれていく映像が流れ、新曲とはいえど、しっかりと歌詞に向き合うことができる。
そしてラストは定番の「空っぽの空に潰される」。
これまでにワンマンをずっと見てきて、ライジングサンにも出たのを見たが、amazarashiはフェスには向かないと思っていた。しかし、これだけすごいライブが出来て、amazarashiでしか作れない空間をフェスでもしっかり作ったのを見ると、こういう機会をきっかけにして、ワンマンに足を運ぶ人が増えてくれるんじゃないかと思う。
1.後期衝動
2.季節は次々死んでいく
3.ヒガシズム
4.性善説
5.冷凍睡眠
6.多数決
7.空っぽの空に潰される
季節は次々死んでいく
http://youtu.be/wtJcLWeY114
13:05~ キュウソネコカミ [GALAXY STAGE]
2年連続でのGALAXY出演となる、キュウソネコカミ。サウンドチェックの段階で「DQNなりたい、40代で死にたい」をフルで演奏し、
「フードコートの人たちだけで!」
と、いきなりフードコートにいる人たちだけで「ヤンキー怖い」コールをさせる。去年より明らかに大きな歓声が返ってきたのだが、
「多分あいつらもぐもぐしてていきなり振られたから、急いで飲み込んでから叫んでるで(笑)」
と笑わせる。
すでにこの時点で超満員の中、本番では「スターウォーズ」のSEでメンバーがセイヤをかついで登場し、セイヤはライトセーバーを振り回しながら再登場すると、GALAXY STAGEでの「GALAXY」からスタート。
「我々は宇宙人だ 我々が地球人だ」
の振り付けも客席全体で行われる。
定番曲連発で熱狂を増す中、「泣くな親父」からは最新アルバムの曲を連発。「適度に武士道、サムライBOYS。」では再びセイヤがライトセーバーを鞘から抜くパフォーマンスを見せる。
「嘘つき」というサンプリングボイスから始まる「記憶にございません」では「はいはいはいはいはいはいはーい!」の大合唱を起こし、演奏する度に名曲度を増している「ハッピーポンコツ」から、ラストは「ビビった」で再び大熱狂に。
「来年こそは!来年こそはメインステージで会いましょう!」
と、ヨコタは言ったが、もう今すぐメインステージでもいいくらい。ライブの内容自体はそこまで飛び道具的な、奇を衒うようなことはせず、音楽だけで観客を楽しませるようになってきた。これは楽曲の力とメンバーの演奏力があってこそ。
リハ.DQNなりたい、40代で死にたい
1.GALAXY
2.MEGA SHAKE IT!
3.ファントムバイブレーション
4.泣くな親父
5.適度に武士道、サムライBOYS。
6.記憶にございません
7.ハッピーポンコツ
8.ビビった
泣くな親父
http://youtu.be/tzO04hUbDNc
14:00~ フレデリック [COSMO STAGE]
2年連続でのCOSMO STAGE出演となったフレデリック。去年はまだ「オドループ」で一躍注目を浴び始めたバンド、という立ち位置だったが、2015年もキラーチューンを立て続けに世に送り出し、夏にはドラマーkaz.の脱退もあり、まさに激動の一年となった。
サポートドラマーを迎え、
「踊ってない幕張が気に入らない!」
と、いきなり「オドループ」でスタートすると、当然すでに超満員の客席はダンスフロアに。
「DNAです」「プロレスごっこのフラフープ」では健司、康司、赤頭の3人が息の揃ったアクションで演奏するのが見ていて実に楽しい。
「大事なことは本人に言えよ」
というフレーズが癖になる「トウメイニンゲン」を終えると、健司が噛み気味ながらもバンドのこれからの決意について触れたMCをし、フロントマンらしさがさらに増しているのが頼もしい。
「ラスト2曲、フレデリックと出会えて、ここにいて良かったと思わせるライブをやります!」
と言うと、今年のキラーチューン「オワラセナイト」から、
「俺たちは俺たちなりの戦い方で2016年も戦っていきます!」
という宣言そのもののような、
「戦わない戦い方を僕たちは知っているはずなんです」
という歌詞の「ハローグッバイ」で終了。
次々に放たれるキラーチューンにより、フレデリック旋風は止まる感じが全くない。来年はもしかしたらGALAXYに立っているかもしれない。
リハ.愛の迷惑
1.オドループ
2.DNAです
3.プロレスごっこのフラフープ
4.トウメイニンゲン
5.オワラセナイト
6.ハローグッバイ
ハローグッバイ
http://youtu.be/c9nUD4iwrSA
そのあと、メインステージでMONGOL800を「あなたに」「Your Song」「OKINAWA CALLING」「小さな恋のうた」の4曲だけを聴く。
最近はパンク系のフェスなどでもライブを見る機会があるが、そういうフェス以上に様々な年齢、世代、好きな音楽、客層が異なる(それこそメインステージだけでもDragon Ash、でんぱ組.inc、木村カエラ、MAN WITH A MISSION、[Alexandros]という幅広い出演者が並んでいる)中、ここにいる全員が一字一句間違えることなく大合唱できる曲を作ってしまったのは本当にすごい。今後、自分が生きてるうちにこんな曲はもう生まれないんじゃないかと思ってしまうほどに。
15:15~ ストレイテナー [GALAXY STAGE]
久しぶりにGALAXY STAGEに戻ってきた、ストレイテナー。いつものSEでメンバーが登場すると、のっけからテンション高いシンペイが、
「幕張!踊るでしょー!」
と言ってダンスビートを叩き出し、「Discography」からスタート。一転してひなっちのベースを中心としたバンドのグルーヴで持っていく「The World Record」、疾走感溢れる「From Noon Till Dawn」、次々に展開が変わっていく「DAY TO DAY」、冬だからセトリに入れたのか、こちらもバンドのグルーヴを堪能できる「冬の太陽」、ホリエがアコギを弾きながら感情を込めて歌いあげる「NO ~命の跡に咲いた花~」と、近年のシングル曲ばかりだが、その近年のシングル曲だけでもここまで振り幅のある、様々なタイプの曲をリリースしてきたのは驚異的と言える。決して守りに入らず、新たなチャレンジをし続けてきたバンドの活動方針がよくわかる。
恒例のホリエによるメンバー紹介も含めた「Melodic Storm」で終わりのような空気を感じていたが、
「未年最後の曲は羊の曲を!」
と言って演奏されたのは、「羊の群れは丘を登る」。これにてストレイテナーの未年のライブを締めくくった。
演奏後のメンバー4人が並んで肩を組んだ表情も実に晴れやかなライブ納め。
1.Discography
2.The World Record
3.From Noon Till Dawn
4.DAY TO DAY
5.冬の太陽
6.NO ~命の跡に咲いた花~
7.Melodic Storm
8.羊の群れは丘を登る
DAY TO DAY
http://youtu.be/kd0ci7ZymEc
16:00~ SAKANAMON [COSMO STAGE]
もはやこのフェスでもおなじみの存在になってきているSAKANAMON。去年は年越しを務めたバンドである。
藤森はいつものように半袖Tシャツに短パンという小学生のようなスタイルで、森野は逆に結婚式帰りかと思うようなスーツ姿。
「マジックアワー」のラストで「愛してるよ…幕張ー!」と叫ぶと、テンポよくソリッドなギターロック曲を続けると、藤森がステージから姿を消し、森野が「SAKANAMONで1番自由な男」と紹介した藤森が、バンドのマスコットキャラであるSAKANAMON君のフルフェイスヘルメットをかぶってステージに現れ、打ち込みのダンスミュージックに合わせてくねくねと気持ち悪さすら感じるダンスを踊る。木村はサイバーサングラスを着用している。
そのまま「TACHNOMUSIC」で藤森とともに観客も踊らせ、タワレコ限定シングル「PLAYER PRAYER」から、「つまんねーよ つまんねーよ」と、1年の残った鬱憤を全てぶちまけるような大合唱が響く「TSUMANNE」、そしてラストの「SAKANAMON流のラブソング」である「君の○○を××したい」では、間奏で藤森が「武正ー!」と叫ぶと、KEYTALK小野武正がステージ袖からダッシュで登場し、ギターソロを決めた。演奏を終えると4人で肩を組んで挨拶し、小野は
「この後のKEYTALKと、明日のDJも来てください!」
としっかりアピール。この2組は本当に仲がいいのがよく伝わってくる。
1.マジックアワー
2.アリカナシカ
3.ミュージックプランクトン
4.TACHNOMUSIC
5.PLAYER PRAYER
6.TSUMANNE
7.君の○○を××したい
PLAYER PRAYER
http://youtu.be/ZUjGqgGgRLM
そのあと、興味本位でラルクのメンバーであるTETSUをちょっとだけ見に行くも、時間押しまくってるわ、出てきた瞬間に女子の悲鳴みたいな声が聞こえるわ、アイドル歌手みたいなライブだわ、歌も上手くないわで1曲で離脱してしまった。ラルクのメンバーなだけにもうちょっとロックだと思ってたんだが。
17:25~ THE ORAL CIGARETTES [GALAXY STAGE]
初のGALAXY STAGE進出にして、直前まで山中がポリープ手術で休養していただけに、関東のファンにとっては久しぶりのライブとなる、THE ORAL CIGARETTES。
サウンドチェックの段階でメンバー全員が登場し、「大魔王参上」をコーラスの合唱含めてまるまる1曲演奏。あきらかにあきら(ベース)の足上げ奏法を見れるのも久々。
本編では山中がギターを弾きながら「起死回生STORY」を歌い始めた…と思いきや、ここで恒例の前口上を挟む。最後に見たのが8月末のラブシャだったので、そこまで長く休んだ感じもしないが、この前口上があると、オーラルが帰ってきたという実感を感じる。
短い曲数の中でも過去曲をしっかり入れてくるが、山中のボーカルは手術の影響を感じさせないほどによく出ている。手術直前のラブシャのライブでは手術を受ける怖さも語っていただけに、これだけ声が出るのは、本人が1番嬉しいだろう。
するとここで年明けすぐにリリースされるアルバム「FIXION」の告知をし、観客に指で「IXI」の形を作らせる。そのレクチャーをするあきらかにあきらがスクリーンに映し出された時、髪型を整えていたのが笑いを誘う。
そして、「これが俺のFIXIONやー!」と観客に叫ばせて(「関西弁使いたいやろ?」という理由でこのセリフ)、すでに公開されている「FIXION」リード曲「気づけよBaby」を披露。ラブソングではあれど、「エイミー」のようなストレートなラブソングではなく、オーラルなりのロックなラブソング。
そして久々に幕張に響くキラーチューン「Mr.ファントム」を観客に歌わせたりしながら山中がギターの弦を切りながら演奏すると、
「さっきEARTH STAGE見に行ったんですけど、あそこのデカさは半端じゃないですね。だから、いつかはEARTHでっていう思いもあるけれど、まずは来年このGALAXYのトリで!」
と、来年以降の野望を語ると、山中がギターを弾かずにハンドマイクでステージを左右に動きながら歌う「カンタンナコト」、「狂乱Hey Kids!!」で終了。
まだデビュー直後で無名だった2年前の初出演時、いきなりMOON STAGEを満員にするくらいにこのバンドはこのフェスとの相性が抜群だった。(山中もインタビューでいきなり満員になったことに驚いていた)
それだけに、今回初のGALAXYを満員にしたことも含め、「いつかEARTHで」というのは近い将来現実になる予感がする。年明け直後のDiverCityでのリベンジライブも含め、2016年はさらなる飛躍の年になりそうな予感。
リハ.大魔王参上
1.起死回生STORY
2.mist…
3.STARGET
4.気づけよBaby
5.Mr.ファントム
6.カンタンナコト
7.狂乱Hey Kids!!
気づけよBaby
http://youtu.be/2EIHak0--40
18:30~ GRAPEVINE [MOON STAGE]
かつてはEARTH STAGEに出演していたGRAPEVINEも、去年はCOSMO、今年はMOONと、小さいステージが主戦場になりつつある。
サウンドチェックにメンバー全員が登場するも、曲を演奏したりすることはなく、時間まで延々セッションを続けるという、本来の意味でのサウンドチェックを行う。
いつもの5人が登場すると、1曲目は「光について」。昔はこのあたりのヒットシングルは全然演奏されなかったが、近年はフェスやイベントでも毎回演奏されるようになってきている。当然田中のボーカルもメンバーの演奏も、破綻の全くない安定感に満ちていて安心して見れるが、かといってマンネリ感を全く感じさせないのはさすが。
続く配信限定シングル「Evil Eye」は「光について」の名曲ぶりとは打って変わり、高野のダンスミュージックのようなシンセのフレーズを中心としたサウンドが、このバンドのライブにおいてはあまり感じることがない「楽しい」という感覚を想起させる。
年明けの2月に早くもアルバムがリリースされることを告知すると、そのアルバムに収録される曲と言って、先行シングル「EAST OF THE SUN」を披露。田中がアコギを弾きながら歌うのだが、「Evil Eye」とこの曲が同じアルバムに収録されることを考えると、かなり振り幅の大きいアルバムになりそうな予感がする。
そこからは「Our Song」「スロウ」と過去の名曲シングル曲を続け、あっという間のラストは「Silverado」。ここまでシングル曲を続けてきてなぜこの曲を最後に演奏したのかはわからないが、そこはやはりかつてはフェスでは最も濃い部分ばかりを見せていたこのバンドの天邪鬼なところなのだろうか。
しかしながら、開催前から危惧されていた通り、MAN WITH A MISSION、KEYTALK、DJやついいちろうという人気アーティストと時間がかぶってしまったことにより、かつてEARTH STAGEに出ていたバンドとは思えないくらいに客席はガラガラだった。
ラブシャでもガラガラだったし、このタイムテーブルなので他に見たいステージもあった。でもいつもGRAPEVINEが出てると行ってしまうのは、ロックのロの字も知らなかった15年くらい前からずっと聴いていて、このフェスでずっと見てきたバンドだから。主催者サイドにも本当に大切にしてほしいバンド。これからも頼むよ。
1.光について
2.Evil Eye
3.EAST OF THE SUN
4.Our Song
5.スロウ
6.Silverado
EAST OF THE SUN
http://youtu.be/otuB0cfgekU
19:30~ [Alexandros] [EARTH STAGE]
ロッキンに続き、このCDJ2日目でもメインステージでトリを務めるのは、先日幕張メッセでワンマンライブを行った[Alexandros]。
SEもなしにメンバーが登場すると、川上洋平はスーツではなく、ラフなTシャツ姿。
「ウォーウォーウォーウォー」
と「Adventure」のコーラスを歌い始め、満員の観客にも歌わせると、そのまま「Adventure」からスタート。
「暴れられんのか、幕張ー!」
と川上が叫ぶと、「Waitress,Waitress!」で磯部が「聞こえねーぞ幕張ー!」と大きな声で煽り、不穏なデジタルサウンドのイントロから最新シングル「Girl A」、観客を飛び跳ねさせる「Run Away」、2015年リリースのアルバム「ALXD」のリード曲「Famous Day」と、ひたすらにキラーチューンを連発。
川上がハンドマイクでステージを動きながら歌う「Kick & Spin」ではその川上がカメラに向かってTシャツを捲って見せるという、女子からしたらたまらんだろうな、というアクションを見せる。
「大忘年会」と称したこのライブもあっという間に終盤になり、「Starrrrrrr」で大合唱を巻き起こすと、ラストは再び川上がハンドマイクで歌唱し、巨大スクリーンに映った自らの姿を見て髪型を整えるパフォーマンスで笑いを起こして終了。
アンコールで再びメンバーが登場すると、この日が誕生日だった磯部の誕生日をみんなで祝い、
「こんなにたくさんの人の前で誕生日を迎えられるなんて本当に幸せ」
と、感謝を語り、川上もこの時期にぴったりな「12/26以降の年末ソング」を少し弾き語り、「city」から「Dracula La」という強力キラーチューンコンボで最後に再び大合唱を巻き起こして大きな飛躍を遂げた2015年を締めくくった。
ハイペースに次々と名曲を生み出しているバンドなだけに、2016年に早くもまたアルバムが出たとしても不思議ではない。しかし本当にこの規模でライブやるのが当たり前みたいなバンドになった。
1.Adventure
2.Waitress,Waitress!
3.Girl A
4.Run Away
5.Famous Day
6.Kick & Spin
7.Starrrrrrr
8.ワタリドリ
encore
12/26以降の年末ソング (ワンフレーズだけ)
9.city
10.Dracula La
Girl A
http://youtu.be/pLMtZiQY6bo
Next→ 12/30 COUNTDOWN JAPAN 15/16 @幕張メッセ
